JP2018140424A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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了 松本
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Abstract

【課題】波長が1μm帯であるレーザ光を用いて、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現することができるレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】2枚の板材Wの端面はギャップなしで突き合わせられている。レーザ溶接機100は、波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッド20を移動させながら、レーザノズル21のレーザ光を射出する射出口を溶接ヘッド20の移動方向の後方側に向けるようにレーザノズル21を傾けることにより、レーザ光の板材Wへの照射位置を溶接ヘッド20の移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を2枚の板材Wの突き合わせ面に照射する。レーザ溶接機100は、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって突き合わせ面を溶融させて2枚の板材Wを溶接する。レーザノズル21の傾斜角度を−20度とし、溶接ヘッド20の移動速度を1700cm/分以上、2400cm/分以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて金属の2枚の板材をギャップなしで突き合わせ溶接するレーザ溶接方法に関する。
近年、レーザ加工機で使用するレーザ光を射出するレーザ発振器としては、小型で低ランニングコストであるファイバレーザ発振器またはDDL発振器が多く用いられている。ファイバレーザ発振器またはDDL発振器が射出するレーザ光の波長は1μm帯である。
1μm帯のレーザ光はビームウエストが小さくパワー密度が高い。よって、1μm帯のレーザ光を用いるレーザ加工機は、レーザ光のエネルギを板材に高密度に集光させることによって、TIG溶接(アーク溶接)と比較して、板厚方向に深い溶け込みを得ることができる。そのため、1μm帯のレーザ光を用いるレーザ加工機によれば、板材の片面からの溶接のみで2枚の板材を溶接することができる。
特開2012−192445号公報
しかしながら、1μm帯のレーザ光を用いるレーザ加工機によって2枚の板材をギャップなしで突き合わせ溶接すると、板材の表面から金属が激しく蒸発し、蒸発の反跳力によりスパッタを発生させることがある。
このため、完全裏波溶接の場合、板材表面に、アンダーカットまたはアンダーフィルと称される凹部ができることがある。板材裏面に凹部ができることもある。溶接ビードが不連続に形成されるハンピングビードができることもある。板材の表面または裏面に凹部が形成されたり、溶接ビードがハンピングビードとなったりすると、継手効率100%を確保することができず、溶接欠陥となってしまう。
特許文献1には、アンダーフィルを抑制するために、溶接ヘッドのレーザ光の射出口を溶接ヘッドの移動方向の前方側に20度〜40度傾けて、レーザ光を移動方向の後方側に照射して、2枚の板材を溶接することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載のレーザ溶接方法は、2枚の板材の間に0.05mm〜0.6mmのギャップを設けて溶接することを前提としている。特許文献1に記載されているレーザ溶接方法は、フィラワイヤを使わないことを前提とするギャップなしの突き合わせ溶接には用いることができない。
特許文献1に記載のレーザ溶接方法においては、アンダーフィルをなくすことはできず、フィラワイヤを溶融させてアンダーフィルを解消している。特許文献1に記載のレーザ溶接方法は、板材裏面の凹部、ハンピングビードを考慮しておらず、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現することができない。
本発明は、波長が1μm帯であるレーザ光を用いて、板材表面及び裏面に凹部が形成されることがなく、溶接ビードがハンピングビードとなることがなく、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現することができるレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、前記レーザノズルの傾斜角度を−10度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1200cm/分以上、1800cm/分以下とすることを特徴とするレーザ溶接方法を提供する。
本発明は、金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、前記レーザノズルの傾斜角度を−20度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1700cm/分以上、2400cm/分以下とすることを特徴とするレーザ溶接方法を提供する。
本発明は、金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、前記レーザノズルの傾斜角度を−30度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1500cm/分より大きく、1900cm/分以下とすることを特徴とするレーザ溶接方法を提供する。
本発明は、金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、前記レーザノズルの傾斜角度を−40度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を2200cm/分より大きく、2500cm/分以下とすることを特徴とするレーザ溶接方法を提供する。
本発明のレーザ溶接方法によれば、波長が1μm帯であるレーザ光を用いて、板材表面及び裏面に凹部が形成されることがなく、溶接ビードがハンピングビードとなることがなく、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現することができる。
一実施形態のレーザ溶接方法を実現するために用いるレーザ加工機の全体的な構成例を示す側面図である。 金属の2つの板材の突き合わせ面をレーザ光によって溶接している状態を概念的に示す斜視図である。 レーザノズルがマイナスの傾斜角で傾いている状態を概念的に示す側面図である。 レーザノズルがプラスの傾斜角で傾いている状態を概念的に示す側面図である。 アンダーカットが形成されている状態を概念的に示す断面図である。 アンダーフィルが形成されている状態を概念的に示す断面図である。 溶接欠陥のない高品位な突き合わせ溶接の状態を概念的に示す断面図である。 レーザノズルを+10度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを+20度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを+30度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを+40度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを−10度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを−20度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを−30度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルを−40度傾けた場合の溶接ヘッドの移動速度と表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示すグラフである。 レーザノズルの傾斜角度と溶接ヘッドの移動速度との関係において、ハンピングビードが形成される領域、及び、表面ビード凹部が形成される領域を示す図である。
以下、一実施形態のレーザ溶接方法について、添付図面を参照して説明する。本実施形態においては、波長が1μm帯であるレーザ光を射出するレーザ発振器として、ファイバレーザ発振器またはダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)を用いた場合を説明する。ファイバレーザ発振器が射出するレーザ光の波長は一般的に1060nm〜1080nm、DDL発振器が射出するレーザ光の波長は一般的に910nm〜950nmである。波長900nm〜1100nmを1μm帯と称することとする。
図1において、ロボット型のレーザ溶接機100は、多関節ロボット10と、溶接ヘッド20と、レーザ発振器30とを備える。溶接ヘッド20は、多関節ロボット10のアーム11の先端に取り付けられている。レーザ発振器30は、ファイバレーザ発振器またはDDL発振器である。レーザ発振器30が発振するレーザ光は、光ファイバ31を介して溶接ヘッド20へと供給される。溶接ヘッド20の先端部には、一点鎖線で示すレーザ光を射出するレーザノズル21が取り付けられている。
レーザノズル21は、金属の板材Wにレーザ光を照射する。図2に示すように、詳細には、板材Wは2つの板材W1及びW2がギャップなしで突き合わせられた板材である。板材W1及びW2は例えばステンレス鋼であり、板厚は例えば2mmである。レーザ溶接機100は、板材W1及びW2の突き合わせ面W12にレーザ光を照射し、レーザ光の熱によって突き合わせ面W12を溶融させて板材W1及びW2を溶接する。
板材W1の端面と板材W2の端面とはギャップなしで突き合わせられているが、厳密には、板材W1の端面と板材W2の端面との間には30μm〜40μm程度の隙間が存在する。板材W1の端面と板材W2の端面との間に意図的にギャップを設けず両者を突き合わせた状態をギャップなしの突き合わせと定義する。
レーザノズル21から射出されるレーザ光は、板材Wの上面の位置におけるビーム径が0.15mm〜0.2mm程度である。溶接ヘッド20は、板材W1及びW2の表面に前記のビーム径が位置するようにレーザ光を照射する。その場合のレーザ光のビームプロファイルは、板材W1の端面と板材W2の端面との隙間30μm〜40μm程度に当たる部分のパワー密度が最も高く、そのパワー密度はピークまで急峻に増大する特性とするのがよく、その裾野部分のパワー密度は極めて低い特性とするのがよい。ピークのパワー密度は、10W/mm程度以上である。
このようなレーザ光が板材W1と板材W2との間の隙間に入射すると、板材W1及びW2を貫通するキーホールが形成される。溶接ヘッド20の移動に伴ってキーホールが順に移動していくことによって突き合わせ面W12が溶融し、板材Wの表面と裏面の両方に溶融池が出現し、板材W1及びW2が溶接される。
図1及び図2に示すように、レーザ溶接機100は、レーザノズル21が板材Wの面と直交する方向に対して所定の角度を有するように傾けられている。具体的には、レーザノズル21のレーザ光を射出する射出口を溶接ヘッド20の移動方向の後方側に向けるようにレーザノズル21を傾けることにより、レーザ光の板材Wへの照射位置を溶接ヘッド20の移動方向の後方側に位置させている。
レーザ溶接機100による本実施形態のレーザ溶接方法においては、フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって突き合わせ面W12を溶融させることによって板材W1及びW2を溶接する。
本発明者は、板材Wの表面及び裏面に凹部が形成されることがなく、溶接ビードがハンピングビードとなることがなく、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現するために、どのような条件が必要かを検証した。以下、どのような条件が必要かについて説明する。
図3Aに示すように、レーザノズル21を図1または図2と同様に傾けた状態の角度をマイナスの傾斜角度とする。図3Bに示すように、レーザノズル21を図1または図2とは逆側に傾けた状態の角度をプラスの傾斜角度とする。
図4Aは、板材W1及びW2の突き合わせ面W12が溶融して形成される溶接ビードWbにアンダーカットが形成されている状態を示している。アンダーカットとは板材Wと溶接ビードWbの境界に形成される凹部である。図4Bは、板材W1及びW2の突き合わせ面W12が溶融して形成される溶接ビードWbにアンダーフィルが形成されている状態を示している。アンダーフィルとは、溶接ビードWbの中心が凹んでいる凹部である。
図4A及び図4Bにおいては、板材W1及びW2の表面だけでなく、裏面側にも溶接ビードWbに凹部が形成されている。板材W1及びW2における溶接ビードWbの表面と裏面との少なくとも一方に凹部が形成されていれば、溶接欠陥である。また、溶接ビードWbの表面及び裏面に凹部が形成されていないとしても、板材W1及びW2の面内で溶接ビードが不連続に形成されるハンピングビード(図示せず)が形成されている場合も、溶接欠陥である。
ハンピングビードが形成されず、図5に示すように、溶接ビードWbの表面と裏面との双方で凸部が形成されている状態を、溶接欠陥のない高品位な突き合わせ溶接であるとする。溶接ビードWbに凸部が形成されていれば、継手効率100%を確保することができる。溶接ビードWbに凸部が形成されていれば、後工程において凸部を削ることによって板材W1及びW2の突き合わせ面W12に凹凸がない、実質的に1枚の板材Wとすることができる。
図6〜図13において、横軸は溶接ヘッド20の移動速度、縦軸は板材W1及びW2の表面または裏面に形成されている凸部の高さまたは凹部の深さを示している。図6〜図13は、突き合わせ面W12に沿って伸びる溶接ビードWbの比較的良好な部分の1か所のデータを示している。
図6〜図13において、●で示す実線のグラフは溶接ビードWbの表面側である表面ビード、▲で示す破線のグラフは溶接ビードWbの裏面側である裏面ビードである。移動速度の単位はcm/分である。縦軸のプラスは凸部の高さ、マイナスは凹部の深さを示している。
まず、プラスの傾斜角度を評価する。図6は、レーザノズル21を+10度傾けた場合の、溶接ヘッド20の移動速度と、表面ビード及び裏面ビードの凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が+10度である場合、一部の移動速度で裏面ビードに凸部が形成されるものの、多くの移動速度で裏面ビードに凹部が形成されるか、凸部の高さが0である。
図7は、レーザノズル21を+20度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が+20度である場合も、一部の移動速度で裏面ビードに凸部が形成されるものの、多くの移動速度で裏面ビードに凹部が形成されるか、凸部の高さが0である。
図8は、レーザノズル21を+30度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が+30度である場合には、裏面ビードに凸部が形成されない。図9は、レーザノズル21を+40度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が+40度である場合も、裏面ビードに凸部が形成されない。
また、ハンピングビードが形成されるか否かを評価すると、図14にハッチングを付して示すハンピングビード形成領域においてハンピングビードが形成されると推定される。傾斜角度が+20度,+30度,+40度のときにハンピングビードが形成される移動速度の点を通る近似式に基づいて、ハンピングビード形成領域が設定されている。傾斜角度が大きくなるほど、比較的遅い移動速度でハンピングビードが形成されることが分かる。
以上より、プラスの傾斜角度では、大方の移動速度で、溶接欠陥のない高品位なギャップなしの突き合わせ溶接を実現することが難しく、プラスの傾斜角度は好ましくないことが分かる。
次に、マイナスの傾斜角度を評価する。図10〜図13に示すように、表面ビードには一部の例外を除き凸部が形成される。しかしながら、上記のように図10〜図13はある1か所における表面ビードの状態を示している。突き合わせ面W12に沿って伸びる溶接ビードWbの全体においては、表面ビードに凹部が形成されることがある。
図14に示すように、傾斜角度−10度,−20度,−30度,−40度のとき、それぞれ、移動速度1000cm/分,1100cm/分,1500cm/分,2200cm/分以下において表面ビードに凹部が形成されることがある。
図14にハッチングを付して示す表面ビード凹部形成領域において表面ビードに凹部が形成される推定される。傾斜角度が+20度,+30度,+40度のときに表面ビードに凹部が形成される移動速度の点を通る近似式に基づいて、表面ビード凹部形成領域が設定されている。傾斜角度がマイナス方向に大きくなるほど、比較的速い移動速度でも表面ビードに凹部が形成されることが分かる。
図10は、レーザノズル21を−10度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が−10度である場合、移動速度が1200cm/分〜1800cm/分において裏面ビードに凹部が形成されない。図14より、移動速度が1200cm/分〜1800cm/分においては表面ビードにも凹部が形成されない。傾斜角度−10度、移動速度1200cm/分以上、1800cm/分以下は、図5に示すような溶接が実現できる好適な条件であることが分かる。
図11は、レーザノズル21を−20度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が−20度である場合、移動速度が1700cm/分〜2400cm/分において裏面ビードに凹部が形成されない。図14より、移動速度が1700cm/分〜2400cm/分においては表面ビードにも凹部が形成されない。傾斜角度−20度、移動速度1700cm/分以上、2400cm/分以下は、図5に示すような溶接が実現できる好適な条件であることが分かる。
図12は、レーザノズル21を−30度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が−30度である場合、移動速度が1500cm/分〜1900cm/分において裏面ビードに凹部が形成されない。図14より、移動速度が1500cm/分より大きければ表面ビードにも凹部が形成されない。そこで、傾斜角度−30度、移動速度が1500cm/分より大きく、1900cm/分以下であれば、図5に示すような溶接が実現できる好適な条件であることが分かる。
図13は、レーザノズル21を−40度傾けた場合の移動速度と凹凸の状態との関係を示している。傾斜角度が−40度である場合、移動速度が2100cm/分〜2500cm/分において裏面ビードに凹部が形成されない。しかしながら、図14より、表面ビードにも凹部が形成されない条件は、移動速度が2200cm/分より大きいということである。そこで、傾斜角度−40度、移動速度が2200cm/分より大きく、2500cm/分以下であれば、図5に示すような溶接が実現できる好適な条件であることが分かる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
10 多関節ロボット
11 アーム
20 溶接ヘッド
21 レーザノズル
30 レーザ発振器
31 光ファイバ
100 レーザ溶接機
W,W1,W2 板材
W12 突き合わせ面
Wb 溶接ビード

Claims (4)

  1. 金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、
    波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、
    フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、
    前記レーザノズルの傾斜角度を−10度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1200cm/分以上、1800cm/分以下とする
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、
    波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、
    フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、
    前記レーザノズルの傾斜角度を−20度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1700cm/分以上、2400cm/分以下とする
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  3. 金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、
    波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、
    フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、
    前記レーザノズルの傾斜角度を−30度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を1500cm/分より大きく、1900cm/分以下とする
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
  4. 金属の同じ板厚の2枚の板材の端面をギャップなしで突き合わせ、
    波長が1μm帯であるレーザ光を射出する溶接ヘッドを移動させながら、前記溶接ヘッドにおけるレーザノズルのレーザ光を射出する射出口を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に向けるように前記レーザノズルを傾けることにより、レーザ光の前記板材への照射位置を前記溶接ヘッドの移動方向の後方側に位置させて、レーザ光を前記2枚の板材の突き合わせ面に照射し、
    フィラワイヤを用いることなく、レーザ光の熱によって前記突き合わせ面を溶融させて前記2枚の板材を溶接し、
    前記レーザノズルの傾斜角度を−40度とし、前記溶接ヘッドの移動速度を2200cm/分より大きく、2500cm/分以下とする
    ことを特徴とするレーザ溶接方法。
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