JP6844961B2 - 建築物の補強装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の第1の観点は、図1、図3〜図5に示すように、第1、第2及び第3ベース16、17、18の各ベースが、第1板21と第2板22とが互いに90゜の角度をなすように断面L字状に形成された折曲板23と、この折曲板23と一体的に形成され第1板21及び第2板22にそれぞれ突設された第1起立部材26及び第2起立部材27とを有し、第1、第2及び第3連結ロッド31、32、33が、各ロッド両端部31b、32b、33bを第1、第2及び第3ベース16、17、18のうちの相対向する2つのベース間の2つの起立部材に固着することによりベース間にそれぞれ架設されることを特徴とする。
更に、本発明の第1の観点は、図16及び図17に示すように、折曲板23を構成する第1板21及び第2板22の折曲部にボス61が設けられ、このボス61の中心に柱13又は横木11,12の中心に向かう取付孔61が形成され、この取付孔61の直下の柱13又は横木11,12に下孔を形成し、コーチボルト62を取付孔61を介して柱又は横木に形成された下孔にねじ込んで、折曲板23を柱13又は横木11,12に固定するように構成されたことを特徴とする。
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施形態の建築物の補強装置10は、三次元直交座標軸をX軸、Y軸、Z軸とするときに、X軸方向及びY軸方向に延びる2本の横木11、12とZ軸方向に延びる1本の柱13との接合部に取付けられて、この接合部を補強する。この実施形態では、横木11、12は家屋の梁又は土台である。横木11、12と柱13の接合線A、Bからそれぞれ所定の間隔Tをあけて2本の横木11、12及び1本の柱13にそれぞれ3つの第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18が固着される。接合線A、Bからの間隔T、T、Tはすべて同一である。第1ベース16と第2ベース17には第1連結ロッド31が架設され、第2ベースと第3ベースには第2連結ロッド32が架設され、第3ベース18と第1ベース16には第3連結ロッド33が架設される。
3つの第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18は、ロストワックス(精密鋳造)製法によりそれぞれ同形同大に作製されることが好ましい。これらのベース16〜18は、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、銅及びこれらの合金からなる群より選ばれる金属でそれぞれ作製されることが好ましい。後述する第2〜第4の実施形態におけるベースの作製方法及び材質もこの第1の実施形態の作製方法及び材質と同一であることが好ましい。3つのベース16〜18を、図4に示される第1ベース16を代表して説明する。第1ベース16は、第1板21と第2板22とが互いに90゜の角度をなすように断面L字状に形成された折曲板23と、この折曲板23と一体的に形成され第1板21及び第2板22にそれぞれ突設された第1起立部材26及び第2起立部材27とを有する。第1起立部材26の平板状の先端部28及び第2起立部材27の平板状の先端部29にはそれぞれ貫通孔28a、29aが形成される。また第1起立部材26の先端部28及び第2起立部材27の先端部29は、先端方向に視て断面鋸歯状の複数の凹凸28b、29bを有する。この実施形態では複数の凹凸28b、29bのピッチは等間隔であって0.3〜1.0mmの範囲にある。更に第1板21及び第2板22にはそれぞれ2つの取付孔21a、21a、22a、22aが形成される。第2ベース17及び第3ベース18は、第1ベース16と同一に形成される。第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18がそれぞれ横木11、12及び柱13に固着されたときに、相対向する2つのベースの平板状の先端部は同一平面上に位置するように、第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18の各起立部材26、27の起立方向は決められる。
3本の第1連結ロッド31、第2連結ロッド32及び第3連結ロッド33は、鍛造製法又はロストワックス(精密鋳造)製法によりそれぞれ同形同大に作製されることが好ましい。鍛造製法で作製する場合、連結ロッドの両端部の複数の凹凸はプレス成形で作製する。3本の連結ロッド31〜33は、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、銅及びこれらの合金からなる群より選ばれる金属でそれぞれ作製されることが好ましい。後述する第2〜第4の実施形態における連結ロッドの作製方法及び材質もこの第1の実施形態の作製方法及び材質と同一であることが好ましい。3本の連結ロッド31〜33を、図5に示される第1連結ロッド31を代表して説明する。第1連結ロッド31は、ロッド本体31aと、平板状に形成された両端部31b、31bとを有する。平板状に形成された両端部31b、31bは同一平面上に位置する。第1連結ロッド31の両端部31b、31bには孔径が貫通孔28a、29aと同じか大きい係合孔31c、31cがそれぞれ形成される。この実施形態では係合孔31c、31cは、第1連結ロッド31の長手方向に長径の長孔に形成される。また第1連結ロッド31の両端部31b、31bは、両端方向に視て断面鋸歯状の複数の凹凸31d、31dを有する。この実施形態では凹凸31d、31dのピッチは、第1起立部材26の先端部28及び第2起立部材27の先端部29の凹凸28b、29bと同じピッチである。第2連結ロッド32及び第3連結ロッド33は、第1連結ロッド31と同一に形成される。第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18がそれぞれ横木11、12及び柱13に固着された後で、第1連結ロッド31、第2連結ロッド32及び第3連結ロッド33をベース間に架け渡したときに、係合孔31c、32c、33cが第1起立部材26及び第2起立部材27の各先端部28、29の貫通孔28a、29aに合致するように、第1連結ロッド31、第2連結ロッド32及び第3連結ロッド33の各長さは決められる。
このような構成の建築物の補強装置の取付け手順について説明する。先ず、図2に示すように、第1ベース16を横木11に接合線Aから所定の間隔Tをあけて仮に固定する。具体的には、接合線Aから所定の間隔Tをあけて、横木11の水平面に第1ベース16の第1板21を、横木11の垂直面に第1ベース16の第2板22を配置する。次に、第1板21に形成された2つの取付孔21a、21a(図4)の直下の横木11に図示しない下孔をドリルで空けた後、これらの下孔にコーチボルト36、36を横木11にねじ込んで第1板21を横木11に仮に固定する。同様にして、第2板22に形成された2つの取付孔22a、22aを介してコーチボルト37、37を横木11にねじ込んで第2板22を横木11に仮に固定する。
する。
図示しないが、先ず、連結ロッドの両端部の係合孔をベースの起立部材の先端部の貫通孔と相対向するベースの起立部材の先端部の貫通孔にそれぞれ合致させた状態にする。次いで、ボルトを貫通孔と係合孔に挿通し、ナットで仮にボルト締めを行う。この仮締めを3本の連結ロッドについて行い、3本の連結ロッドを相対向する折曲板に仮りに固定する。次に3本の連結ロッドを仮りに固定した状態で3つの折曲板を横木と柱の接合線から所定の間隔をあけて配置し、第1板及び第2板にそれぞれ形成された2つの取付孔の直下の横木又は柱に下孔をドリルで空けた後、これらの下孔にコーチボルトを横木又は柱にねじ込んで第1板及び第2板を横木又は柱に固着する。その後、上記仮り締めしたボルトとナットを本締めする。
第3の取付け手順は、第1の取付け手順で用いた当接面に凹凸のあるナットの代わりに当接面に凹凸のない通常の形状のナットを用い、その上で第1の取付け手順で述べたナットの当接面の凹凸の役割を果たす、図8〜図10に示すワッシャー43を用いるものである。このワッシャー43の一方の面は、連結ロッドの両端部の複数の凹凸のピッチに相応した断面鋸歯状のピッチの複数の凹凸43bを有するように形成される。図8に示すように、このワッシャー43の他方の面は平坦に形成され、ワッシャー43の中心には係合孔33bに往々した孔径の貫通孔43aが形成される。
図13及び図14に本発明の第2の実施形態の建築物の補強装置50を示す。この実施形態の特徴ある構成は、第1起立部材56及び第2起立部材57の各先端部58、59が二股に形成され、第1、第2及び第3連結ロッド31〜33の各ロッド両端部31b〜33bが二股の各先端部58、59に挟持されてボルト38又は39とナット44又は45でボルト締めされることにある。第1の実施形態の図1で示した第1ベース16、第2ベース17及び第3ベース18は、図13及び図14では、第1ベース46、第2ベース47及び第3ベース48として示している。第2の実施形態において起立部材56及び57の構成の変更があるものの、図13及び図14では、第1板21、第2板22、折曲板23、取付孔21a、22aの各符号は変更していない。図13に示す構成要素で、図1に示した構成要素と同一なものは、、第1板21、第2板22、折曲板23以外は、図1と同じ符号を付している。ナット44、45は第1の取付け手順で用いたナットとは異なり、当接面に凹凸のない通常の形状のナットである。
図16及び図17に本発明の第3の実施形態の建築物の補強装置の第1ベース66とその取付け状況を示す。この実施形態では、第1ベース66を代表して説明し、第2ベース及び第3ベースは、それぞれ第1ベース66と同一の構成であるため、説明を省略する。また第1の実施形態で示した要素と同一の要素には同一の符号を付している。この実施形態の特徴ある構成は、折曲板23の第1板21及び第2板22に、軽量化のために、三角形状の肉抜き孔21b及び22bが形成され、第1板21と第2板22の折曲部にボス61が設けられ、このボス61の中心に柱13への取付孔61が形成されたことにある。この実施形態では、図17に示すように、ボス61の取付孔61aの直下の柱13に図示しない下孔をドリルで空けた後、この下孔に図17に示すように、コーチボルト62を柱13にねじ込んで折曲板23を柱13に固定する。他の第2ベース及び第3ベースも第1ベース66と同様に構成され、柱又は梁に固定される。
図18及び図19に本発明の第4の実施形態の建築物の補強装置70の取付け完了前の状態を示す。この実施形態の特徴ある構成は、第1ベース76、第2ベース77及び第3ベース78の各折曲板23に筒状の中空部86a及び87aを有する第1起立部材86及び第2起立部材87が突設され、第1連結ロッド81、第2連結ロッド82及び第3連結ロッド83が、各ロッド両端部を第1、第2及び第3ベースのうちの相対向する2つのベース間の2つの起立部材86及び87の筒状の中空部86a、87aに挿入して、ボルト84締めされることによりベース間にそれぞれ架設されることにある。この実施形態のボルト84は六角穴付きボルトである。第1ベース76、第2ベース77及び第3ベース78の各折曲板23は、図18に示すように、横木11、12又は柱13に固着される。図19に示すように、ボルト84は、そのねじ部84aが起立部材86のねじ孔86bに螺合し、その先端部84bを中空部86aに挿入した第1連結ロッド81のロッド表面に圧接することにより、各ロッドの抜け防止を図るようになっている。第2連結ロッド82及び第3連結ロッド83の抜け防止についても、図示しないが、同様に構成される。図18に示す第1板21及び第2板22の取付孔21a、22a、61aには、図示しないコーチボルトがそれぞれねじ込まれ、第1、第2及び第3ベース76〜78が横木11、12及び柱13に固着される。第4の実施形態の補強装置の上記以外の取付け手順は、前述した実施形態の補強装置の取付け手順と同じであるため、繰り返しの説明を省略する。第4の実施形態の建築物の補強装置70では、3本の連結ロッド81〜83を相対向する起立部材86、87の中空部86a、87aに挿入して、ボルト84で締め付けるだけで、第1、第2及び第3ベース76〜78に3本の連結ロッド81〜83を簡便に取付けることができる利点がある。
11、12 横木
13 柱
16、46、66、76 第1ベース
17、47、77 第2ベース
18、48、78 第3ベース
21 第1板
22 第2板
21a、22a 取付孔
23 折曲板
26、56、86 第1起立部材
27、57、87 第2起立部材
28、58 第1起立部材の先端部
29、59 第2起立部材の先端部
28a、58a 第1起立部材の先端部の貫通孔
29a、59a 第2起立部材の先端部の貫通孔
28b、58b 第1起立部材の先端部の凹凸
29b、59b 第2起立部材の先端部の凹凸
31、81 第1連結ロッド
32、82 第2連結ロッド
33、83 第3連結ロッド
31a 第1連結ロッドのロッド本体
32a 第2連結ロッドのロッド本体
33a 第3連結ロッドのロッド本体
31b 第1連結ロッドの両端部
32b 第2連結ロッドの両端部
33b 第3連結ロッドの両端部
31c 第1連結ロッドの両端部の係合孔
32c 第2連結ロッドの両端部の係合孔
33c 第3連結ロッドの両端部の係合孔
31d 第1連結ロッドの両端部の凹凸
32d 第2連結ロッドの両端部の凹凸
33d 第3連結ロッドの両端部の凹凸
36、37、62 コーチボルト
38、39 ボルト
41、42、44、45 ナット
43 ワッシャー
A、B 横木と柱との接合線
T 所定の間隔
S 三角形
Claims (11)
- 三次元直交座標軸をX軸、Y軸、Z軸とするときに、X軸方向及びY軸方向に延びる2本の横木とZ軸方向に延びる1本の柱との接合部に取付けられ前記接合部を補強する建築物の補強装置であって、
前記横木と前記柱の接合線からそれぞれ所定の間隔をあけて前記2本の横木及び前記1本の柱にそれぞれ固着される3つの第1、第2及び第3ベースと、前記第1ベースと前記第2ベースに架設される第1連結ロッドと、前記第2ベースと前記第3ベースに架設される第2連結ロッドと、前記第3ベースと前記第1ベースに架設される第3連結ロッドとを備え、前記第1、第2及び第3連結ロッドが架設状態で三角形の各辺をなし、
前記第1、第2及び第3ベースの各ベースが、第1板と第2板とが互いに90゜の角度をなすように断面L字状に形成された折曲板と、前記折曲板と一体的に形成され前記第1板及び前記第2板にそれぞれ突設された第1起立部材及び第2起立部材とを有し、前記第1、第2及び第3連結ロッドが、各ロッド両端部を前記第1、第2及び第3ベースのうちの相対向する2つのベース間の2つの起立部材に固着することによりベース間にそれぞれ架設され、
前記折曲板を構成する前記第1板及び前記第2板の折曲部にボスが設けられ、このボスの中心に前記柱又は横木の中心に向かう取付孔が形成され、この取付孔の直下の前記柱又は横木に下孔を形成しコーチボルトを前記取付孔を介して前記柱又は横木に形成された下孔にねじ込んで、前記折曲板を前記柱又は横木に固定するように構成されたことを特徴とする建築物の補強装置。 - 前記第1起立部材及び前記第2起立部材の各先端部に貫通孔がそれぞれ形成され、前記第1、第2及び第3連結ロッドの各ロッド両端部に孔径が前記貫通孔と同じか大きい係合孔がそれぞれ形成され、前記第1、第2及び第3連結ロッドの各ロッドが、前記係合孔を前記貫通孔に合致させた状態で前記係合孔と前記貫通孔にボルトを挿通してナットを用いてボルト締めすることにより、ベース間に架設される請求項1記載の建築物の補強装置。
- 前記第1起立部材及び前記第2起立部材の各先端部が二股に形成され、前記第1、第2及び第3連結ロッドの各ロッド両端部が前記二股の各先端部に挟持されて前記ボルトと前記ナットでボルト締めされる請求項2記載の建築物の補強装置。
- 前記第1起立部材及び前記第2起立部材の各先端部が先端方向に視て断面鋸歯状の複数の凹凸を有し、前記第1、第2及び第3連結ロッドの各ロッド両端部が前記起立部材の先端部の凹凸のピッチに相応した断面鋸歯状のピッチの複数の凹凸を有し、前記ロッド両端部がそれらの凹凸を前記起立部材の先端部の凹凸に噛合させた状態で前記ボルトと前記ナットで前記ボルト締めされるように構成された請求項2又は3記載の建築物の補強装置。
- 前記ナットの前記第1連結ロッド、前記第2連結ロッド及び前記第3連結ロッドの各両端部に当接する面が前記第1、第3及び第3連結ロッドの各ロッド両端部の複数の凹凸のピッチに相応した断面鋸歯状のピッチの複数の凹凸を有するように形成された請求項4記載の建築物の補強装置。
- 前記ナットがワッシャーを介してボルト締めされ、前記ワッシャーに前記ボルトが挿通可能な貫通孔が設けられ、前記ワッシャーの一方の面が前記第1、第3及び第3連結ロッドの各ロッド両端部の複数の凹凸のピッチに相応した断面鋸歯状のピッチの複数の凹凸を有するように形成され、前記ワッシャーの他方の面が平坦に形成された請求項4記載の建築物の補強装置。
- 前記第1、第3及び第3連結ロッドの各ロッド両端部の係合孔が前記第1、第3及び第3連結ロッドのそれぞれの長手方向に長径の長孔に形成された請求項2ないし4いずれか1項に記載の建築物の補強装置。
- 前記第1起立部材及び前記第2起立部材がそれぞれ筒状の中空部を有し、第1、第2及び第3連結ロッドが、各ロッド両端部を第1、第2及び第3ベースのうちの相対向する2つのベース間の2つの起立部材の筒状の中空部に挿入して、ボルト締めされることによりベース間にそれぞれ架設される請求項1記載の補強装置。
- 前記第1板及び前記第2板にそれぞれ取付孔が形成され、前記第1板と前記第2板を、それぞれ前記取付孔を介して前記横木又は前記柱にコーチボルトで取付けることにより、前記ベースが前記横木又は前記柱に固着される請求項1ないし8いずれか1項に記載の建築物の補強装置。
- 前記第1、第2及び第3ベースがロストワックス(精密鋳造)製法によりそれぞれ同形同大に作製された請求項1ないし9いずれか1項に記載の建築物の補強装置。
- 前記第1、第2及び第3連結ロッドがロストワックス(精密鋳造)製法によりそれぞれ同形同大に作製された請求項1ないし8いずれか1項に記載の建築物の補強装置。
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