JP6839152B2 - 車両の前部構造 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フロントカウルの内側に配置される吸気ダクトを備える車両の前部構造において、ステーの形状の自由度を向上し、車体構成部品を効率良く支持できるようにすることを目的とする。
また、上述の構成において、前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の上方で左右に連結する上部連結部(76)を備えても良い。
また、上述の構成において、左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前上方に延出し、前記アーム部材(75L,75R)の上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部(80)が設けられても良い。
また、上述の構成において、左右の前記アーム部材(75L,75R)は、車両側面視で、上下の前記固定部(78c,79a)の間に切欠部(84)を備えても良い。
また、上述の構成において、前記アーム部材(75L,75R)は、前記吸気ダクト(60)を支持するダクト支持部(82)を備えても良い。
また、車両の前部構造は、車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の上方で左右に連結する上部連結部(76)を備え、前記上部連結部(76)は、前記アーム部材(75L,75R)とは別体のクロス部材(76)であり、前記クロス部材(76)は、メーター(67)を支持することを特徴とする。
また、車両の前部構造は、車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前上方に延出し、前記アーム部材(75L,75R)の上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部(80)が設けられることを特徴とする。
また、車両の前部構造は、車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前記車体フレーム(10)の前端部に接続される固定部(78c,79a)を備え、前記固定部(78c,79a)は、少なくとも前記吸気ダクト(60)の上方及び下方に設けられ、左右の前記アーム部材(75L,75R)は、車両側面視で、上下の前記固定部(78c,79a)の間に切欠部(84)を備えることを特徴とする。
また、車両の前部構造は、車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の下方で左右に連結する下部連結部(86)を備え、前記下部連結部(86)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)から車幅方向内側に延びる一対の内側延出部(77L,77R)であり、左右の前記内側延出部(77L,77R)は締結具(86b)によって互いに連結され、前輪(2)を支持するフロントフォーク(12)と車体とを接続するステアリングダンパー(71)が設けられ、前記ステアリングダンパー(71)は、前記締結具(86b)によって前記下部連結部(86)に共締めされることを特徴とする。
また、車両の前部構造は、車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)は、前記吸気ダクト(60)を支持するダクト支持部(82)を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ステーのアーム部材は、吸気ダクトを左右に避けるようにして上下に延び、吸気ダクトの上方及び下方まで延びるため、ステーの形状の自由度が高い。このため、車体構成部品を効率良く支持できる。
この構成によれば、下部連結部によって左右のアーム部材が連結されるため、ステーの剛性を向上できる。
また、上述の構成において、ステーは、左右のアーム部材を吸気ダクトの上方で左右に連結する上部連結部を備えても良い。
この構成によれば、上部連結部によって左右のアーム部材が連結されるため、ステーの剛性を向上できる。ステーは、左右のアーム部材及び上部連結部によって吸気ダクトを周囲から囲うことになるため、車体構成部品を支持し易い。
この構成によれば、上部連結部は、アーム部材とは別体であるため、ステーを車体側に組み付け易い。また、上部連結部によって吸気ダクトの上方にメーターを支持できる。
また、上述の構成において、左右の前記アーム部材は、前上方に延出し、アーム部材の上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部が設けられても良い。
この構成によれば、左右のアーム部材は、前上方に斜めに延出するため、アーム部材の占めるスペースを小さくしながら、車体構成部品を上下方向及び前後方向に亘って支持し易い。また、後上がりに傾斜するカウル支持部によってカウルを良好に支持できる。
この構成によれば、固定部が吸気ダクトの上下に離して設けられるため、車体フレームの前端部によって、左右のアーム部材を高い剛性で支持できる。
また、左右のアーム部材は、車両側面視で、上下の固定部の間に切欠部を備えても良い。
この構成によれば、ステーの剛性を確保しつつ、ステーをコンパクト化できる。
この構成によれば、左右の内側延出部を締結する締結具を利用してステアリングダンパーを簡単な構造で取り付けできる。
また、アーム部材は、吸気ダクトを支持するダクト支持部を備えても良い。この構成によれば、アーム部材によって吸気ダクトを支持できる。
自動二輪車1は、車体フレーム10にパワーユニットとしてのエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部に設けられる車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
図1及び図2を参照し、車体フレーム10は、車体フレーム10の前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後下方に延びる左右一対のメインフレーム16と、メインフレーム16の後端から下方に延出する左右一対のピボットフレーム17と、ピボットフレーム17の上部から後上方に延出する左右一対のシートフレーム18とを備える。
メインフレーム16は、メインフレーム16の前部から下方に延出してエンジン11を支持するエンジンハンガー部16aを備える。
スイングアーム13は、左右のピボットフレーム17に支持されるピボット軸22に軸支される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる。スイングアーム13は、前端部をピボット軸22に軸支され、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる車軸3aに軸支される。
リアサスペンション24の下端は、不図示のリンク機構を介し、スイングアーム13、及び、ピボットフレーム17の下端部に連結される。
エンジン11は、車幅方向(左右方向)に水平に延びるクランク軸27を支持するクランクケース28と、クランクケース28の前部から前上方に延びるシリンダー部29とを備える。シリンダー部29には、シリンダー部29内を往復運動するピストン(不図示)が収容される。シリンダー部29のシリンダー軸線29aは鉛直に対し前傾する。
エアクリーナーボックス31は、シリンダー部29の後上方に配置される。エアクリーナーボックス31は、スロットルボディ(不図示)を介し、シリンダー部29の後面の吸気ポートに接続される。
エンジン11の排気管32は、シリンダー部29の前面の排気ポートから下方に引き出され、エンジン11の下方を通って後方に延びる。排気管32の後端は、後輪3の側方に配置されるマフラー33に接続される。
燃料タンク35は、メインフレーム16の上方で、シート14とエアクリーナーボックス31との間に配置される。
エンジン11のラジエーター36は、エンジン11の前方に配置される。
後輪3の前部を上方から覆うインナーフェンダー46は、スイングアーム13に取り付けられる。
後輪3の後部を上方から覆うリアフェンダー47は、シートフレーム18の後端部から後下方に延びる。
シート14の乗員が足を置くステップ48は、ピボットフレーム17に支持され、ピボットフレーム17の後方に配置される。
図1、図3及び図4を参照し、フロントカウル40は、車両側面視で後上がり(前下がり)に傾斜するカバー部材である。フロントカウル40は、車幅の中央に位置する部分が前方に凸となるように湾曲する。
フロントカウル40の上部には、バックミラー50が左右一対で設けられる。
フロントカウル40の下部において車幅方向の中央部には、フロントカウル40を貫通する吸気口51が設けられる。フロントカウル40の下部において吸気口51の側方には、ヘッドライト52(灯体)が左右一対で設けられる。
フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15に回動自在に軸支されるステアリングシャフト53と、ステアリングシャフト53の上端に固定されるトップブリッジ54と、ステアリングシャフト53の下端に固定されるボトムブリッジ55と、トップブリッジ54及びボトムブリッジ55に支持される左右一対のフォークチューブ56とを備える。
ボトムブリッジ55は、ヘッドパイプ15の下方でステアリングシャフト53から車幅方向に延び、左右のフォークチューブ56を連結する。
車軸2aは、左右のフォークチューブ56の下端部間に渡される。
図2〜図4を参照し、ヘッドパイプ15は、ステアリングシャフト53を軸支するヘッドパイプ本体部15aと、ヘッドパイプ本体部15aを周囲から覆う外殻部15b(図2)と、外殻部15bとヘッドパイプ本体部15aとの間の空間15cを前方に連通させる開口部15dとを備える。外殻部15bの後端部は、エアクリーナーボックス31に接続される。
吸気ダクト60は、吸気ダクト60の軸方向に直交する面で切断した場合の断面が略矩形の管である。
吸気ダクト60の後端は、ヘッドパイプ15の開口部15dに接続され、吸気ダクト60は空間15cに連通する。
吸気ダクト60は、車両側面視で、ヘッドパイプ15側から、下方に湾曲しながら前方に延出する。吸気ダクト60の先端部60aは、フロントカウル40の吸気口51に連通する。
フロントカウル40の吸気口51から取り入れられる空気は、吸気ダクト60及び空間15cを通ってエアクリーナーボックス31内に流入し、エアクリーナーボックス31で浄化された後、シリンダー部29に流れる。
また、ステー65は、左右のアーム部材75L,75Rの下端部から車幅方向内側に延びる内側延出部77L,77Rを備える。
左右のアーム部材75L,75Rは、略左右対称に設けられる。
アーム部材75L,75Rは、吸気ダクト60の後部の側方を上下方向に延びる。
アーム部材75L,75Rは、車両側面視では、全体的に見ると、ヘッドパイプ15から前上方に延出する。
上方延出部78の下部78aは、前方から見ると、吸気ダクト60の左右の側面60bに沿って上方に延びる。上方延出部78の上部78bは、上方に行くに従って車幅方向外側に位置するように傾斜する。
上方延出部78の下部78aには、前方に突出するヘッドライトステー部81が設けられる。
上方延出部78の上部78bには、吸気ダクト60に接続されるダクト支持部82が設けられる。ダクト支持部82は、上方延出部78を車幅方向に貫通する孔部である。
後方延出部79の後端部には、ヘッドパイプ15に固定される上側固定部79a(固定部)が設けられる。上側固定部79aは、ステー65を車体フレーム10に締結する固定具83bが車幅方向外側から挿通される孔部である。
アーム部材75L,75Rにおいて、後方延出部79と上方延出部78の下部78aとの間の部分には、アーム部材75L,75Rの後端部において上側固定部79aと下側固定部78cとの間の部分を前方側に切り欠いた切欠部84が設けられる。切欠部84は、車両側面視でV字状である。切欠部84のV字の先端は、前方に指向する。
固定部80b,80c,80dには、カウル固定具85a,85b,85cが上方から挿通される。
下部連結部86は、内側延出部77L,77Rの車幅方向の内端部同士が上下方向に重なる重なり部86aを車幅方向の中央部に備える。内側延出部77L,77Rは、重なり部86aに下方から挿通される締結具86bによって、互いに締結される。
クロス部材76は、クロス部材76の左右の端部に後方から挿通される固定具76a(図9)によって上方延出部78の上部78bに締結される。クロス部材76は、左右のアーム部材75L,75Rの上部を吸気ダクト60の上方で連結する上部連結部である。
図2に示すように、ヘッドパイプ本体部15aの左右の両側面の下端部には、固定具83aが締結されるステー固定部15eが設けられる。ヘッドパイプ本体部15aの左右の両側面の上端部には、固定具83bが締結されるステー固定部15fが設けられる。
図8に示すように、ステー65は、左右のアーム部材75L,75Rの後端部が、固定具83a,83bによってヘッドパイプ15に締結されることで、車体フレーム10の前端部に固定される。固定具83aが締結される下側固定部78cは、吸気ダクト60よりも下方に位置し、固定具83bが締結される上側固定部79aは、吸気ダクト60よりも上方に位置する。
ステー65をヘッドパイプ15に組み付ける際には、左右に分割されたアーム部材75L,75Rが吸気ダクト60を左右から挟むようにして組み付けされ、その後、クロス部材76がアーム部材75L,75Rに組み付けられる。このため、ステー65の組み付け性が良い。
図9に示すように、吸気ダクト60は、左右の側面60bから車幅方向外側に延出するボス部60cを一対備える。
吸気ダクト60は、吸気ダクト60の後端部がヘッドパイプ15の前面に結合されるとともに、ボス部60cがアーム部材75L,75Rのダクト支持部82に固定されることで、車体に支持される。
図3及び図11を合わせて参照し、フロントカウル40は、カウル固定具85a,85b,85cによってカウル支持部80に締結される。
カウル支持部80は、後上がりに傾斜するフロントカウル40に沿って後上方に延出するため、フロントカウル40を良好に支持できる。
本実施の形態では、ステー65の上端のカウル支持部80が吸気ダクト60の上面60dよりも上方に位置する。このため、吸気ダクト60を上方に避けた位置の支持部によってフロントカウル40を効率良く支持できる。
図4、図12及び図13を参照し、ステアリングダンパー71は、フロントフォーク12の回動を減衰するダンパーであり、車体とフロントフォーク12とを接続する。
ステアリングダンパー71は、抵抗に抗してピストンが摺動するダンパー部90と、ダンパー部90の減衰力を調整する制御部91とを備える。
制御部91は、車幅方向に延びる第2筒状部91a内に、ダンパー部90の減衰力を調整するためのアクチュエーター(例えばモーター)等を備える。
筒状部90aと第2筒状部91aとは、互いに略平行に配置されるとともに、前後に並べて配置され、筒状部90aの外周部と第2筒状部91aの外周部とは一体に結合される。
ステアリングダンパー71は、ダンパー部90の車体連結部90dを介して車体に連結される。
詳細には、車体連結部90dは、ステー65の下部連結部86の下方に配置され、左右のアーム部材75L,75Rを固定する締結具86bによって下部連結部86の重なり部86aに共締めされる。このため、ステー65用の締結具86bを利用してステアリングダンパー71を車体に簡単に固定できる。
本実施の形態では、ステー65の下端の下部連結部86が、吸気ダクト60の下面60eよりも下方に位置する。このため、下部連結部86を利用して、吸気ダクト60を下方に避けた位置の支持部によってステアリングダンパー71を効率良く支持できる。
ステアリングダンパー71のピストンロッド90bのフォーク連結部90cは、ボトムブリッジ55のダンパー支持部55aに連結される。
フロントフォーク12が左右に回動すると、ピストンロッド90bが抵抗に抗してストロークし、フロントフォーク12の回動が減衰される。
ヘッドライト52は、吸気ダクト60の側面60bに対向するように配置され、車両側面視では、側面60bに重なる。
各ヘッドライト52は、光源93を支持するハウジング94と、ハウジングに取り付けられて光源93を前方から覆うレンズ95とを備える。
レンズ95は、光源93の光を前方に発光させる発光面である。レンズ95の前面は、平面視では、車幅方向外側に向かうに連れて後方に位置するように傾斜する。
レンズ95の前面は、前方に突出する突出部95aを備える。突出部95aは、車幅方向においてレンズ95の一端部から他端部まで延在し、車両の前方から見ると、車幅方向外側に行くに従って位置が高くなるように傾斜する。
ヘッドライト52は、吸気ダクト60のヘッドライト支持部60f及びステー65のヘッドライトステー部81に固定される。すなわち、ヘッドライト52は、吸気ダクト60によって車幅方向内側から支持され、ステー65によって後方から支持される。
カバー61は、左右のフロントサイドカバー41の間でフロントカウル40の下方に設けられる。フロントカウル40の下端部は、カバー61の上部に前方から重なり、カバー61の上部を隠す。
レンズ95の突出部95aは、レンズ開口部61aに後方から差し込まれ、レンズ開口部61aから前方に露出する。
吸気開口部61bは、吸気ダクト60の先端部60aの周縁部を覆って隠すとともに、先端部60aの開口を前方に露出させる。吸気開口部61bは、車両前方から見た場合に、外側から視認される外観部である。吸気開口部61bは、吸気口51を含むフロントカウル40の下端部に連続するように、フロントカウル40の形状に合わせて形成される。
前面視では、レンズ95の突出部95aは、フロントカウル40とカバー61との間から前方に露出する。
ドライバー66は、箱状の筐体66a内に制御回路等を備える。筐体66aは、上下方向よりも前後方向に長く形成され、車両側面視では、長方形状である。
ドライバー66は、ボトムブリッジ55の前方で吸気ダクト60の下面60eの下方、且つ、左右のヘッドライト52の下端部52aの間に配置される。すなわち、ドライバー66は、下部空間96に配置される。このため、下部空間96を活用してドライバー66をコンパクトに配置できる。
ドライバー66は、筐体66aの前端部及び下端部がドライバー支持部60gに締結され、吸気ダクト60に支持される。
ドライバー66は、車両側面視では、吸気ダクト60の下面60eの傾斜に沿って前下がりに傾斜して配置される。
ステアリングダンパー71は、フロントフォーク12が左右に操舵されると、図13に仮想線で示すように、回動して前方に移動し、ステアリングダンパー71の前部は、左右のヘッドライト52の下端部52aの間に位置するようになる。このように、左右のヘッドライト52の下端部52aの間の空間を利用してステアリングダンパー71の移動可能範囲を確保できるため、ステアリングダンパー71を効率良く配置できる。
図4〜図8を参照し、左右のレゾネーター70は、取付孔60hに車幅方向外側から取り付けられる。レゾネーター70は、吸気ダクト60に対し車幅方向外側に配置され、レゾネーター70の上部は、吸気ダクト60の上面60dよりも上方に延出する。また、レゾネーター70は、左右のヘッドライト52のハウジング94の上方で、ステー65のアーム部材75L,75R及びメーター67の前方に配置される。
レゾネーター70は、内部が空洞であり、レゾネーター70の内部は、取付孔60hを介し吸気ダクト60の吸気通路に連通する。吸気ダクト60を通る空気の一部は、レゾネーター70の内部に流入する。レゾネーター70は、共鳴作用によって吸気音を低減させる。
電装品68は、吸気ダクト60の前部の上面60dに固定される。電装品68は、前下がりの上面60dの傾斜に沿って前下がりに傾斜して配置される。
電装品68は、ステー65、メーター67、及びレゾネーター70の前方に配置される。電装品68は、上面視では、車幅方向において、吸気ダクト60の幅内に収まる。
この構成によれば、ステー65のアーム部材75L,75Rは、吸気ダクト60を左右に避けるようにして上下に延び、吸気ダクト60の上方及び下方まで延びるため、ステー65の形状の自由度が高い。このため、フロントカウル40、メーター67、及びステアリングダンパー71を効率良く支持できる。
また、ステー65は、左右のアーム部材75L,75Rを吸気ダクト60の上方で左右に連結する上部連結部としてクロス部材76を備える。この構成によれば、クロス部材76によって左右のアーム部材75L,75Rが連結されるため、ステー65の剛性を向上できる。ステー65は、左右のアーム部材75L,75R及びクロス部材76によって吸気ダクト60を周囲から囲うことになるため、車体構成部品を支持し易い。
また、左右のアーム部材75L,75Rは、前上方に延出し、アーム部材75L,75Rの上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部80が設けられる。この構成によれば、左右のアーム部材75L,75Rは、前上方に斜めに延出するため、アーム部材75L,75Rの占めるスペースを小さくしながら、フロントカウル40、メーター67、及びステアリングダンパー71を上下方向及び前後方向に亘って支持し易い。また、後上がりに傾斜するカウル支持部80によってフロントカウル40を良好に支持できる。
また、左右のアーム部材75L,75Rは、車両側面視で、上下の上側固定部79a及び下側固定部78cの間に切欠部84を備える。この構成によれば、ステー65の剛性を確保しつつ、ステー65をコンパクト化できる。
また、アーム部材75L,75Rは、吸気ダクト60を支持するダクト支持部82を備える。この構成によれば、アーム部材75L,75Rによって吸気ダクト60を支持できる。
この構成によれば、吸気ダクト60の下方で左右のヘッドライト52の下端部52aの間の空間を活用してドライバー66を配置でき、ヘッドライト52及びドライバー66を効率良く配置できる。
また、フロントフォーク12を回動可能に支持するヘッドパイプ15の後方にエアクリーナーボックス31が設けられ、吸気ダクト60は、車幅中央に配置されるとともにエアクリーナーボックス31に接続され、吸気ダクト60は、ヘッドパイプ15側から、下方に湾曲しながら前方に延出し、フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15の下方で左右のフォークチューブ56を左右に接続するボトムブリッジ55を備え、ボトムブリッジ55は吸気ダクト60の下方に位置し、ボトムブリッジ55と車体とを接続するステアリングダンパー71が設けられ、ステアリングダンパー71は、吸気ダクト60の下方でドライバー66とボトムブリッジ55との間に配置され、ステアリングダンパー71の少なくとも一部(前端部)は、ヘッドライト52の左右の下端部52aの間で回動する。
この構成によれば、前下方に湾曲する吸気ダクト60の下方でドライバー66とボトムブリッジ55との間の空間を活用して、ステアリングダンパー71を配置できる。
また、ヘッドライト52は、フロントカウル40から前方に露出するレンズ95と、レンズ95を支持するハウジング94とを備え、ハウジング94は、吸気ダクト60の先端部60aよりも後方に位置し、レンズ95は、先端部60aよりも前方に延出する。この構成によれば、ハウジング94を吸気ダクト60の先端部60aよりも後方でフロントカウル40内にコンパクトに配置できるとともに、レンズ95をフロントカウル40から前方に露出させることができる。
上記実施の形態では、ステアリングダンパー71の制御部91とダンパー部90とは、車両側面視で、制御部91がダンパー部90の前下方に位置するように配置されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車両側面視で、ダンパー部90が制御部91の前下方に位置する構成としても良い。
また、上記実施の形態では車両として鞍乗り型車両である自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗型車両、4輪以上を備えた鞍乗型車両、及びその他の車両に適用可能である。
2 前輪
10 車体フレーム
12 フロントフォーク
40 フロントカウル(車体構成部品)
60 吸気ダクト
60d 上面
60e 下面
65 ステー
67 メーター(車体構成部品)
71 ステアリングダンパー(車体構成部品)
75L,75R アーム部材
76 クロス部材(上部連結部)
77L,77R 内側延出部
78c 下側固定部(固定部)
79a 上側固定部(固定部)
80 カウル支持部
82 ダクト支持部
84 切欠部
86 下部連結部
86b 締結具
Claims (14)
- 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記吸気ダクト(60)は、前輪(2)を支持するフロントフォーク(12)を操舵自在に支持するヘッドパイプ(15)から前方に延出し、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記ヘッドパイプ(15)の前方で前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置することを特徴とする車両の前部構造。 - 前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の下方で左右に連結する下部連結部(86)を備えることを特徴とする請求項1記載の車両の前部構造。
- 前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の上方で左右に連結する上部連結部(76)を備えることを特徴とする請求項1または2記載の車両の前部構造。
- 前記上部連結部(76)は、前記アーム部材(75L,75R)とは別体のクロス部材(76)であり、前記クロス部材(76)は、メーター(67)を支持することを特徴とする請求項3記載の車両の前部構造。
- 左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前上方に延出し、
前記アーム部材(75L,75R)の上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部(80)が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両の前部構造。 - 左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前記車体フレーム(10)の前端部に接続される固定部(78c,79a)を備え、
前記固定部(78c,79a)は、少なくとも前記吸気ダクト(60)の上方及び下方に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両の前部構造。 - 左右の前記アーム部材(75L,75R)は、車両側面視で、上下の前記固定部(78c,79a)の間に切欠部(84)を備えることを特徴とする請求項6記載の車両の前部構造。
- 前記下部連結部(86)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)から車幅方向内側に延びる一対の内側延出部(77L,77R)であり、左右の前記内側延出部(77L,77R)は締結具(86b)によって互いに連結され、
前輪(2)を支持するフロントフォーク(12)と車体とを接続するステアリングダンパー(71)が設けられ、
前記ステアリングダンパー(71)は、前記締結具(86b)によって前記下部連結部(86)に共締めされることを特徴とする請求項2記載の車両の前部構造。 - 前記アーム部材(75L,75R)は、前記吸気ダクト(60)を支持するダクト支持部(82)を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両の前部構造。
- 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、
前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の上方で左右に連結する上部連結部(76)を備え、
前記上部連結部(76)は、前記アーム部材(75L,75R)とは別体のクロス部材(76)であり、前記クロス部材(76)は、メーター(67)を支持することを特徴とする車両の前部構造。 - 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、
左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前上方に延出し、
前記アーム部材(75L,75R)の上端には、車両側面視で後上がりに傾斜するカウル支持部(80)が設けられることを特徴とする車両の前部構造。 - 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、
左右の前記アーム部材(75L,75R)は、前記車体フレーム(10)の前端部に接続される固定部(78c,79a)を備え、
前記固定部(78c,79a)は、少なくとも前記吸気ダクト(60)の上方及び下方に設けられ、
左右の前記アーム部材(75L,75R)は、車両側面視で、上下の前記固定部(78c,79a)の間に切欠部(84)を備えることを特徴とする車両の前部構造。 - 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、
前記ステー(65)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)を前記吸気ダクト(60)の下方で左右に連結する下部連結部(86)を備え、
前記下部連結部(86)は、左右の前記アーム部材(75L,75R)から車幅方向内側に延びる一対の内側延出部(77L,77R)であり、左右の前記内側延出部(77L,77R)は締結具(86b)によって互いに連結され、
前輪(2)を支持するフロントフォーク(12)と車体とを接続するステアリングダンパー(71)が設けられ、
前記ステアリングダンパー(71)は、前記締結具(86b)によって前記下部連結部(86)に共締めされることを特徴とする車両の前部構造。 - 車体フレーム(10)の前方に設けられるフロントカウル(40)と、前記フロントカウル(40)の内側に配置される吸気ダクト(60)と、車体構成部品(40,67,71)を支持するステー(65)とを備え、前記車体フレーム(10)に支持される前記吸気ダクト(60)が前後方向に延出する車両の前部構造において、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の左右に配置されるとともに前記車体フレーム(10)に支持され、
前記ステー(65)は、前記吸気ダクト(60)の側方を上下方向に延びるアーム部材(75L,75R)を左右一対備え、
前記アーム部材(75L,75R)の上端は、前記吸気ダクト(60)の上面(60d)よりも上方に位置し、前記アーム部材(75L,75R)の下端は、前記吸気ダクト(60)の下面(60e)よりも下方に位置し、
前記アーム部材(75L,75R)は、前記吸気ダクト(60)を支持するダクト支持部(82)を備えることを特徴とする車両の前部構造。
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