JP6827700B2 - 画像形成装置及び異常判定方法 - Google Patents
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Description
(1)感光体や中間転写ベルトの回転方向と直行するヨコスジ状の異常画像(横方向の濃度むら画像ともいう)。
(2)スポット状に発生する異常画像(黒点状の画像ともいう)。
(3)感光体や中間転写ベルトの回転方向に沿ったタテスジ状に発生する異常画像(縦方向の濃度むら画像ともいう)。
図1は実施例1に係る画像形成システムを示すブロック図である。この画像形成システムは後述するが読取ユニットとレーザービームプリンタからなるシステム(装置)である。まず、外部装置として接続されるホストコンピュータ2(以降、コンピュータ2という)から印刷を指示する場合、コンピュータ2にて画像データをビットイメージに展開して画像形成装置1に転送する。画像形成装置1はコンピュータ2から入力される画像データをCPU(中央処理装置)3により処理してメモリ4に格納する。メモリ4に格納した画像データを読出し、画像形成ユニット200が動作することによって用紙の画像を形成して出力する。また、コンピュータ2からの画像データによらず原稿を読み取って複写する場合は、ユーザーが原稿読み取りユニット100に原稿をセットし、オペレーションパネル5から複写動作を指示する。原稿読み取りユニット100は原稿の画像を読みとり、読み取った画像をCPU3に転送し、CPU3は、ビットイメージに展開して画像データとしてメモリ4に格納する。CPU3はメモリ4に格納した画像データを読出し、画像形成ユニット200が動作することによって用紙の画像を形成して出力する(コピー動作ともいう)。
読み取りユニット100は、原稿Gの画像を読み取って入力する装置として機能し、後述する画像形成ユニット200の上部に設けられている。読取ユニット100は原稿Gをセットする給紙部101と、原稿Gを一枚ずつ送り出すピックアップローラ102及び給送・分離ローラ対103を備える。原稿搬送路104には原稿Gの上面側を読み取る読取ユニット105を備える。読取ユニット105はCIS(コンタクトイメージセンサ)を内部に有している。この読取ユニット105によって画像データを読み取り、読み取った画像をCPU3に送る。また、原稿排紙ローラ106によって排紙された原稿Gを積載する排紙部107を備える。CPU3に送られる画像は、CPU3によって、例えば24bpp(1画素(ピクセル)当たり24ビットのデータ)でエンコードされたRGBの情報として取り込まれる。より具体的には、赤・緑・青(r値・g値・b値)の輝度を示す三つの8ビット符号無し整数(0から255まで)で表現されるデータとして取り込まれる。ここで例えば、ブラックのピクセルは(r値,g値,b値)=(0,0,0) 。レッドのピクセルは(255,0,0) 、グリーンピクセルは(0,255,0)、ブルーのピクセルは(0,0,255) となる。
画像形成ユニット200は、電子写真プロセス方式を利用したレーザービームプリンタである。201は像担持体としての感光ドラムであり、所定の周速度にて回転駆動され、その表面は帯電ローラ202により所定の極性、所定の電位に帯電処理される。露光手段としてのレーザービームスキャナ203は、CPU3から送信される画像データに応じて変調したレーザー光Lを出力して、レーザー光Lが感光ドラム201上を走査することでその表面が露光される。この走査及び露光により感光ドラム上に静電潜像が形成される。204は現像装置であり、現像ローラ205から感光ドラム201の表面にトナーが供給されて静電潜像がトナー像として現像される。そして、所定のタイミングで生成される給紙開始信号に基づいて給紙ローラ206が駆動されて記録材Pが一枚ずつピックアップされて分離して給送される。その記録材Pは、レジストレーションローラ207を介して、感光ドラム201と転写ローラ208とで形成された転写ニップに所定のタイミングで搬送される。転写ローラ208はトナーと逆極性の転写電圧が印加されることで感光ドラム201の表面に形成されたトナー像を記録材Pの表面に転写する。その後、記録材Pは定着装置209でトナー像が定着処理され、排紙トレイ210上に排出される。一方、感光ドラム201の表面に残留したトナーを当接方式のクリーニング装置(クレーニングブレード)211でクリーニングする。
以下に電子写真プロセス方式の画像形成装置において発生しうる代表的な3つの異常画像についてに説明する。
帯電ローラ202の周回方向(回転方向ともいう)の抵抗むら(帯電むらともいう)があると、感光ドラムの表面電位の変動が発生する。表面電位の変動は、現像ローラによってトナーを供給した際のトナーの載り量が不均一となり、その結果として周回方向に直交する方向に画像の濃度ムラが発生して横スジ画像となる。これは、帯電ローラを連続して使用して、その表層コート層の抵抗が上昇したり、異物が付着して堆積すると顕著になる。
帯電ローラの表面に異物(紙粉等)が付着して堆積すると、その部分だけ感光ドラムの表面における一部が帯電電位を適正に形成することが出来ず、黒点状の画像不良が発生することがある。
クリーニングブレード211を感光ドラム201に対して安定的に当接させるために、その当接部分にトナーやトスパール等の潤滑剤を供給、または、担持させて滑り性を確保する必要がある。潤滑剤が担持されていない状態でプリントを続ければ徐々に当接状態が不安定になり、感光ドラムに残留したトナーを充分にクリーニングする(掻き落とす)ことができず、一部がすり抜けてしまう。 トナーがすり抜けてしまうと画像上には微細な縦スジが発生してしまう。
次に、異常画像の読み取りと読み取った画像の異常を判定する動作の流れについて説明する。図3に示すフローチャートに従って異常画像の読み取り工程が進行してゆく。(ステップS01)ユーザーはオペレーションパネル5(図1)から異常画像の読み取りと判定を指示する(ステップS01)。CPU3はユーザーからの指示に応じてメモリ4に格納してある画像データのうち、図4(A)に示すように画像データが無い一部の領域(記録材に対して画像が形成されない領域)Eを認識する(ステップS02)。ここで、画像データの無い一部の領域とは、画像形成可能な画像形成領域のなかで画像データに基づき画像が形成されない領域を意味する。この時、診断に使用する画像は、例えばユーザーが別用途で印字を指示した任意の画像で良く、専用のテストチャートを用いる必要はない。CPU3はステップS02でメモリに格納した画像データに基づき、画像形成ユニット200で印字動作を行う(ステップS03)。ユーザーは印字動作を終えた記録材Pを読み取りユニット100にセットして読み取りを指示する(ステップS04)。読み取りユニット100は給紙された記録材Pに形成された画像をスキャンする(ステップS05)。CPU3は読み取った画像(本例の場合はカラー画像)のRGB信号をモノクロ画像の信号に変換する。なお、RGB値から明度Yを算出する演算式は、例えば、以下の(式1)となる。
Y=0.3R+0.59G+0.11B ・・・(式1)
次に図3のステップS07における異常画像判別処理の詳細について説明する。図5(A)は、異常画像の一例として“黒点状の画像”を示した図である。縦8画素×横8画素の領域内における画素毎に明度が閾値以上であるかを計算し、閾値以上である部分を黒、閾値以下である部分を白として表示したものである。同様に図5(B)は縦方向の濃度むら画像、図5(C)は横方向の濃度むら画像を示す。なお、図5(B)、(C)における濃度むら画像としては、むらが最も顕著な状態になった画像であり、白いスジ上の画像となった場合の画像を示している。
2)縦変化量の合計>横変化量の合計:縦方向の濃度むら画像
3)横変化量の合計<横変化量の合計:横方向の濃度むら画像
ここで、判別した結果が“黒点状の画像”又は“横方向の濃度むら画像”の場合は、帯電ローラに異常が発生したことを示す情報をオペレーションパネル又はコンピュータを介して表示する。また、判別した結果が“縦方向の濃度むら画像”の場合は、クリーニングブレードに異常が発生したことを示す情報をオペレーションパネル又はコンピュータを介して表示する。これによりユーザーやサービスマンに異常を報知する。
図7は実施例2の画像形成装置の概略構成を示している。実施例1の画像形成装置と異なるのは、静電吸着搬送ベルト221で記録材Pを搬送する点、そして複数色の画像を記録材Pに形成する複数の画像形成ユニットを有する点である。色の異なる画像形成ユニットとしてイエロー用のプロセスカートリッジY、マゼンタ用のプロセスカートリッジM、シアン用のプロセスカートリッジC、ブラック用のプロセスカートリッジKが縦一列に配置されている。そして、静電吸着搬送ベルト221の移動方向において各プロセスカートリッジが実施例1と同様の動作を繰り返して、各色毎に形成されたトナー像が静電吸着搬送ベルト221上に吸着して搬送される記録紙P上で重ね合わされてフルカラー画像が形成される。この構成において発生した異常画像が発生した場合に、付着トナーの色が異なるため、どのプロセスカートリッジで発生したかを特定することが重要である。本実施例の画像不良判別アルゴリズムは色度の分析することを特徴とする。
異常画像の色の情報は、CPU3によって、24bpp(1ピクセル(画素)当たり24ビット)でエンコードされたRGBの情報として取り込まれる。赤・緑・青(r値、g値、b値)の輝度を示す三つの8ビット符号無し整数(0から255まで)で表せる。例えば、ブラック=(0,0,0) 、イエロー=(255,255,0)、マゼンタ=(255,0,255)、シアン=(0,255,255) となる。例えば、シアンのプロセスカートリッジ起因の異常画像が発生した場合、そのステーションの色が最も多く、(r値、g値、b値)は上記のシアンの値(0,255,255)を中心とした分布を形成する。従って新規に発生した異常画像がどのステーションの異常画像であるかを判別するためには、(r値、g値、b値)に対する判別の閾値を夫々用意しておけば良い。閾値は、予め取得しておいたシアンカートリッジ起因の異常画像のサンプルを分析し、(r値、g値、b値)の平均値mを求めておく。新たに発生した異常画像の(r値、g値、b値)の値をPiとし、各値の標準偏差σを求める。ここで、標準偏差σは、分散σ2=Σ{(Pi−m)2/N}の平方根である。Nは母集団の数である。
このように、1)多くの特徴量から総合的に判定する必要がある場合、2)各特徴量と異常画像のレベルとの関係が曖昧でバラつきがある場合の判別アルゴリズムが必要になる。このような判別を可能とするアルゴリズムとしては、例えば、非特許文献1に記載のマハラノビス・タグチ法(以下MT法)を使うことが有効である。MT法は、予め基準となる正常データのグループを定め(このグループは単位空間と呼ばれる)、多次元の情報の分布状態に基づいて、この正常データのグループ(母集団)に対する評価対象データのマハラノビス距離(以下MDと略す)を計算する。そして、計算された統計距離がある一定のしきい値以下か否かで当該評価対象データが正常か異常かを判定する方法である。
まず、図9(A)の点線で囲んだ領域Fとしてクリーニング不良の画像の一部を抽出する。本実施例では領域Fは5mm(記録材の搬送方向)×10mm(搬送方向に直交する方向)の長方形として画像を抽出する。実施例2と同じ方法で色を判断したのち、実施例1と同じ方法でRGB情報を明度に変換し、矢印に示す搬送方向の成分は平均化して、(B)に示すように1次元データとする。明度の最小値U、閾値S1を超えた線の本数、線幅の最大値Wを抽出する。以下<表3>に抽出した特徴量を示す。
本発明では、単位空間を同一の異常画像のランク見本である、クリーニング不良ランクA,ランクB,ランクCと定義する。このデータは、予め取得しておき、CPU3内部のメモリ(不図示)に格納しておく。または、不図示のEEPROMに書き込んでおく。ランク判別は人間の主観的な評価で行い、次のような判断基準とした。(Aランク)極軽微な発生レベルで通常は気づくことがない。(Bランク)気づきはするが許容範囲である。(Cランク)許容範囲を超えている。
<表3>に示すデータを評価対象とし、単位空間をランクA(<表4>に示す数列)、ランクB(<表5>に示す数列)、ランクC(<表6>に示す数列)とした場合のMD(マハラノビス距離)を計算する。なお、この計算方法は周知の非特許文献1に示す方法を用いた。計算結果を以下の<表7>に示す。
図10は本実施例の画像形成装置である。記録材Pの搬送路を原稿Gの搬送路として共用する構成である。以下、記録紙Pを原稿搬送路304に導く工程について説明する。排紙ローラ212の下流側、排紙トレイ210の上方に、記録材Pを導くためのフラッパ301が設けられている。フラッパ301は、不図示のアクチュエータによって、排紙ローラ212から排出される記録材Pを排紙部210に排出させる方向と、原稿排紙ローラ303へと送る方向とに切り換える搬送路切換部として機能する。画像形成された記録材Pはフラッパ301に案内されて合流フラッパ305を介して、原稿排紙ローラ303によって給紙部302に搬送される。記録材Pの後端が合流フラッパ305を通過した後、合流フラッパ305を破線の位置に切り換えた状態で原稿排紙ローラ303を逆回転に切り換える。これにより、記録材Pは読取ユニット306a,306bに導かれることによって、記録紙P上に形成された画像を読み取る。その後、記録材Pは搬送ローラ36によって原稿排紙ローラ307に送られて排紙部308に排紙、積載される。なお、本装置の構成は読み取りユニット306aと306bで記録材Pの両面に形成された画像を読み取ることが可能である。
実施例4は、図11に示すフローチャートに従って異常画像の読み取り工程を実行する。本実施例では、100枚印字毎等の予め定められたタイミングで画像不良検知シーケンスをスタートする。CPU3はメモリ4に格納してある画像データより、図4(A)に示す何も書かれていない領域Eを認識する(ステップS11)。この時、診断に使用する画像は、例えばユーザーが別用途で印字を指示した任意の画像で良く、専用のテストチャートを用いる必要はない。CPU3はメモリ4に格納した画像データに基づき、像形成ユニット300で印字動作を行う(ステップS12)。フラッパ301が切り換わり、記録材Pが原稿搬送路304に導かれる(ステップS14)。原稿搬送路304に導かれた記録材Pは、読取ユニット306a(306b)によって画像が読みとられる(ステップS15)。実施例1と同様の方法で異常画像の種類を判別する((ステップS16)。実施例2と同様の方法で色判別を行う(ステップS17)。実施例3と同じ方法で異常画像のランクを判別する(ステップS18)。判別結果をCPU3に送信し、判別結果をメモリ(不図示)に格納する(ステップS19)。判別結果としてCランクが発生したら、次のステップS21に進む(ステップS20)。AランクまたはBランクの場合はシーケンスを終了する。なお、Cランクの場合はユーザーに報知し(ステップS21)、Cランクの異常画像が発生した色のプロセスカートリッジの交換を促す。
2 ホストコンピュータ
3 CPU(中央処理装置)
4 メモリ(RAM)
100 原稿読み取りユニット
200 画像形成ユニット
Claims (6)
- 画像データを入力するための入力手段と、
前記入力手段により入力された前記画像データに基づき記録材に画像を形成する画像形成手段であって、画像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電部材と、前記像担持体をクリーニングするクリーニング部材を有する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって記録材上において前記画像データに基づく画像が形成されていない領域を読み取る読取手段と、
前記画像が形成されていない領域を前記読取手段によって読み取った結果、前記読み取られた画像を含む所定領域内における画像データにおいて、前記記録材の搬送方向における画像の変化量を示す第一の値と、前記記録材の搬送方向に直交する方向における画像の変化量を示す第二の値を求め、前記第一の値と前記第二の値の比較結果に基づき、前記画像形成手段の異常が発生したことを示す情報を出力する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第一の値が前記第二の値より大きい場合に、前記クリーニング部材に異常が発生したことを示す情報を出力し、前記第一の値が前記第二の値より小さい場合に、前記帯電部材に異常が発生したことを示す情報を出力することを特徴とする画像形成装置。 - 前記読取手段で読み取った前記画像の種類は、黒点状の画像、記録材の搬送方向の濃度むら画像、前記搬送方向に直交する方向の濃度むら画像を含み、
前記制御手段は、前記第一の値が前記第二の値より大きい場合に、前記記録材の搬送方向の濃度むら画像であると判別し、前記第一の値が前記第二の値より小さい場合に、前記搬送方向に直交する方向の濃度むら画像であると判別し、前記第一の値と前記第二の値が等しい場合に、前記黒点状の画像であると判別し、
前記制御手段は、前記記録材の搬送方向の濃度むら画像であると判別した場合に、前記クリーニング部材に異常が発生したことを示す情報を出力し、前記搬送方向に直交する方向の濃度むら画像であると判別した場合、または、前記黒点状の画像であると判別した場合に、前記帯電部材に異常が発生したことを示す情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、複数色の画像を形成するための複数の画像形成ユニットを含み、前記制御手段は、前記画像が形成されていない領域を前記読取手段で読み取った画像の色を判別し、判別した色に基づき前記複数の画像形成ユニットのうちのいずれの画像形成ユニットで異常が発生したかを判別することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 記録材の両面に画像を形成するために記録材が搬送される両面搬送路を有し、
前記読取手段は、前記両面搬送路に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記読取手段は、前記画像形成手段の上部に配置されており、
前記画像形成手段によって画像が形成された記録材を前記読取手段に搬送するための搬送路切り換え手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第一の値及び前記第二の値とは、前記読み取った画像の画像データにおいて白画素から黒画素に、または、黒画素から白画素に変化する回数であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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