JP6826846B2 - 難燃性フィルム - Google Patents

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本発明は、ポリエチレン系難燃性フィルムに関し、詳しくは、特定の樹脂と、特定の難燃剤とを組み合わせた樹脂原料をフィルム成形に用いることにより得られる、優れた難燃性、高い強度及び高透明性を有するフィルムに関する。
従来、塗装を伴う建築現場、火気を使用する工事現場或いは、高速道路橋脚下の塗装工事等では、塗装剤の拡散或いは火花類の拡散を防止することを目的に現場周辺を覆う養生フィルムが使用されてきた。この養生フィルムは作業現場周辺の視界を確保し、また作業現場そのものの採光を確保するために、透明性の高いフィルムが求められる。更には現場での各種使用機材との接触による破れ或いは過酷な取り扱い等にも耐えられる強度が要求されており、塩化ビニルフィルム、ポリエチレン系フィルム等が使用されてきた。
近年、これら養生フィルムにも火気を伴う現場での安全性確保のため、使用フィルムの難燃化が求められる様になってきた。元々難燃性能の高かった塩化ビニルフィルムは問題ないものの、ポリエチレンフィルムは難燃性に劣り、その改善が強く求められている。また塩化ビニルフィルムの難燃性は問題ないものの、使用廃棄後の償却で塩化水素等の有害ガスが発生する等の問題があり、環境への配慮等から使用は制限されつつある。
一方、ポリエチレン系フィルムの難燃化については、種々検討がなされ、一般的には難燃性能を比較的安価に付与し易い、塩素化パラフィン、塩素化ポリフェノール、パークロルペンタシクロデカン等の塩素系難燃剤や、エチレンビスペンタブロモジフェニル、テトラブロモエタン、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルエーテル等の臭素系難燃剤が使用されてきた。しかしながら、これらハロゲン系の難燃剤は難分解性、高濃縮性の危険性を理由に一部のものが監視化学物質に指定される等、環境性に問題があり、近年、急速に使用が制限されつつある。
前記の状況を受け、最近はハロゲン系難燃剤の代替としてノンハロゲン系難燃剤が注目されている。例えば、ポリオレフィン系樹脂に水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウム等の無機物を添加して難燃化されたもの(特許文献1)、或いは直鎖状低密度ポリエチレンに金属水酸化物及び三酸化アンチモンを添加し難燃化されたもの(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、これら無機系の難燃剤は難燃性確保のため、比較的大量の添加量が必要であり、結果としてフィルムの強度を大きく低下させ、またフィルムの透明性の確保が出来ない等の問題があった。
特開2009−102554号公報 特開2007−204653号公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、高い防炎性能(JIS防炎1級)を有し、且つ高強度、高透明性を保持し、更には環境に問題のないポリエチレン系難燃性フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記問題点を解消するために鋭意検討の結果、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体と高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂を特定の割合で含むポリエチレン系樹脂が特定の物性を有しており、当該ポリエチレン系樹脂に特定のヒンダードアミン系化合物を特定量配合することにより、特定のフィルム厚みの範囲に於いて、優れた防炎性能(JIS防炎1級)を有し、且つ高強度、高透明性を保持し、更には環境に問題のないフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1]エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体を45〜80重量%、及び高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂を20〜55重量%含み、下記(1)〜(2)の特徴を有するポリエチレン系樹脂を100重量部
(1)MFR(190℃、21.18N荷重下で測定したメルトフローレート)が0.5〜4.0g/10分
(2)密度が0.905〜0.935g/cm
及び
アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物を0.8〜4.0重量部
含む樹脂組成物を成膜してなるフィルムであって、下記(a)〜(d)の特性を有することを特徴とするポリエチレン系難燃性フィルム。
(a)フィルムの厚さが25〜95μm
(b)JIS A1322に基づく防炎試験において、防炎1級である
(c)JIS K716に基づくフィルムヘイズ値が15%以下である
(d)JIS P8134に基づくパンクチャー衝撃強度が0.6J以上である。
[2]前記エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体が、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒で重合された共重合体であることを特徴とする[1]に記載のポリエチレン系難燃性フィルム。
[3][1]または[2]に記載の難燃性フィルムからなる養生フィルム。
を、提供するものである。
本発明のポリエチレン系難燃性フィルムは、特定のポリエチレン系樹脂と特定の難燃剤を特定量配合することにより、特定のフィルム厚みの範囲に於いて優れた防炎性能を有し、且つ高強度、高透明性を保持した環境にも優れたものである。
1.ポリエチレン系難燃性フィルム
本発明のポリエチレン系難燃性フィルム(以下、「本発明のフィルム」ともいう。)は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体を45〜80重量%、及び高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂を20〜55重量%含み、以下の(1)〜(2)の特性を有するポリエチレン系樹脂を100重量部
(1)190℃、21.18N荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.5〜4.0g/10分
(2)密度が0.905〜0.935g/cm
及び
アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物を0.8〜4.0重量部含むことを特徴とする。
以下、本発明を各項目ごとに説明する。
(1)MFR
本発明に使用されるポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.5〜4.0g/10分、好ましくは0.7〜3.5g/10分、より好ましくは1.0〜3.0g/10分である。MFRが4.0g/10分を超えると火炎による着火時に溶融樹脂が垂れ易く、防炎性能が悪くなり、また、フィルム強度も劣ることに加え、インフレーションフィルム成形時の成膜安定性にも問題を生じる。MFRが0.5g/10分より小さくなると、成形押出時の押出機への負荷が増大して電気代等加工コストが上昇し、また、樹脂の溶融延展性不足から30〜35μm程度の薄物フィルムの生産に支障をきたす。
なお、MFRは、JIS−K6922−2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した値である。
(2)密度
本発明に使用されるポリエチレン系樹脂の密度は0.905〜0.935g/cm、好ましくは0.910〜0.930g/cm、より好ましくは、0.918〜0.928g/cmである。密度が0.905g/cmより小さいとフィルムの剛性が不足しフィルムの現場施工時にシワが発生したり、フィルム重ね部が密着したりする等、フィルムのハンドリング性が大幅に低下する。また、密度が0.935g/cmより大きくなるとフィルムの透明性が悪化し、施工現場の視認性及び採光性の低下という問題と共に衝撃強度も低下し問題となる。
なお、密度は、JIS K−7112に準拠し測定した値である。
(3)ポリエチレン系樹脂
本発明に使用されるポリエチレン系樹脂は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体45〜80重量%と高圧ラジカル法ポリエチレン樹脂20〜55重量%とを含むポリエチレン系樹脂であることが好ましい。また、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体の中でも、さらに、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体のコモノマーとして用いられるα−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることができる。また、α−オレフィンの含有量は、前記共重合体の全モノマー100モル%に対して、3〜40モル%であることが好ましい。エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体として、長鎖分岐を有する共重合体を用いても良い。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体の製造に用いられる重合触媒としては、特に限定されず、チーグラー系触媒、バナジウム系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン触媒等、従来から公知のものが使用できる。中でも、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒が好ましい。
シングルサイト系触媒としては、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができるが、好ましくはシクロペンタジエニル骨格を有する基等が配位したジルコニウム化合物などのメタロセン化合物と助触媒とを触媒成分とする触媒が挙げられる。これらシングルサイト系触媒で重合されたエチレンとα−オレフィンとの共重合体を用いると、フィルムの機械的強度が優れ好ましい。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体の製造法としては、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等が挙げられるが何れの製法のポリエチレン系樹脂を用いても構わない。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体は、市販品から適宜選択して用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名ノバテックLL(登録商標)「UF230」(日本ポリエチレン社製)、商品名:ハーモレックス(登録商標)「NF366A」(日本ポリエチレン社製)などが挙げられる。
一方、高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂は、高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンをいう。本発明に使用される高圧法ポリエチレン系樹脂は、市販品から適宜選択して用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名:ノバテックLD(登録商標)「ZF33」(日本ポリエチレン社製)、商品名:ノバテックLD(登録商標)「LF240」(日本ポリエチレン社製)などが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂の配合比は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体が45〜80重量%と高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂が20〜55重量%である。エチレンとα−オレフィンとの共重合体が80重量%を超える場合、または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂が20重量%より少なくなる場合には、火炎による着火時に樹脂の溶融たれが大きく目的の防炎性能が得られない。また、インフレーションフィルム成形時の成膜安定性も悪くなり、シワのない良好なフィルムを得ることが困難となる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合体の配合比が45重量%より少なくなる場合、または高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂の配合比が55重量%を超える場合にはフィルムの強度が低下し、養生フィルムとしての目的の強度が得られない。
(4)アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物
本発明に使用されるアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン化合物としては、例えば特表2002−507238号公報に記載されている、一般式(1)で表される基を含むヒンダードアミン系化合物、あるいはその反応生成物を用いることができる。
Figure 0006826846
(式中、G及びGは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は一緒になってペンタメチレン基を示し、Z及びZは、それぞれメチル基を有し、また、たがいに結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、エステル基、エーテル基、アミド基、アミノ基、カルボキシル基、又はウレタン基によって置換されていてもよい。Eは炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素数7〜25のアラルキルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基を示す。)
前記一般式(1)において、ZとZとがたがいに結合して6員環、特に置換されたピペリジン環を形成したもの、具体的には置換された2,2,6,6―テトラメチルピペリジン構造を有するものが好ましい。また、Eとしては、メトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基が好ましく、特にプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基が好ましい。
前記一般式(1)で表される基を含むヒンダードアミン系化合物、あるいはその反応生成物としては、例えば、過酸化処理した4−ブチルアミノー2,2,6,6―テトラメチルピペリジンと、2,4,6―トリクロローS−トリアジンと、シクロヘキサンと、N,N―エタンー1,2―ジイルビス(1,3―プロパンジアミン)との反応生成物であり、FLAMESTAB NOR 116(登録商標、BASFジャパン社製)として市販されている。
本発明に使用されるアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物の添加量は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、0.8〜4.0重量部であり、好ましくは1.0〜3.0重量部、より好ましくは1.2〜2.5重量部である。添加量が0.8重量部未満であるとJISの防炎1級の性能が得られない。また添加量が4.0重量部を超えると、防炎性能は飽和して、フィルムのコストのみが上昇することとなり好ましくない。また、添加されるアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物は、予め、ベース樹脂に使用されるポリエチレン系樹脂と同じポリエチレン系樹脂にアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物を高濃度に混合されたものを造粒押出機で溶融混錬粒状化し、マスターバッチとして用いることが好ましい。
(5)フィルムの厚み
本発明のフィルムの厚みは、25〜95μm、好ましくは30〜90μmであり、より好ましくは40〜80μmであり、更に好ましくは50〜70μmである。フィルムの厚みが25μm未満となると、フィルム強度が不足となり破れ等の発生が有り施工現場での使用に耐えられない。またフィルムの厚みが95μmを超えると、所定量の難燃剤を添加してもJISの防炎1級達成が困難になることに加え、透明性の低下も顕著で施工現場での視認性、採光性の確保が出来ないことと、フィルム価格も上昇し経済性の面でも問題となる。
本発明のフィルムに用いられる樹脂組成物には、必要に応じて一般にフィルムに用いられている公知の各種補助添加剤、例えば、ブロッキング防止剤、スリップ剤、酸化防止剤、中和剤、UV吸収剤、光安定剤、各種顔料等を配合することが出来る。
添加される各種補助添加剤は、各々所望の組成をドライブレンド等のようにヘンシェルミキサー、押出機等で単純ブレンドして調製してもよいが、好ましくはあらかじめ、ベース樹脂に高濃度に配合し押出機にて溶融混練したマスターバッチとして供してもよい。ペレット状化したマスターバッチとすることにより、取り扱いや運搬・作業性が容易となり且つ、組成物中に均一に分散することができ、フィルムへの添加むらを生ぜず、均質な性能のフィルムが得られる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。
1.樹脂物性の評価方法
(1)メルトフローレート(MFR):JIS−K6922−2:1997附属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度:JIS K−7112に準拠して測定した。
2.フィルム物性の評価方法
(1)ヘイズ
直読ヘイズメーター(東洋精機製作所製)を用い、JIS−K76に準拠して測定を行った。
(2)パンクチャー衝撃強度試験
JIS−P8134(1976)に準じて以下のものを備えた試験機を用い、貫通破壊エネルギーを測定した。
・先端に貫通部を取り付けることの出来る90°弧状の腕をもち、自由に振動することが出来る振り子。
・貫通部は25.4mmΦの半球型の金属製を標準とし、表面は鏡面光沢をもち確実に振り子の弧状の腕の先端に取り付け出来るもの。
・試験片を水平均一に締め付けるクランプ、このクランプの内径は50mmΦを標準とする。
(3)防炎性試験
JIS−A1322(1966)に基づく防炎性試験を行い防炎性能(1〜3級)の判定を行った。
3.インフレーションフィルムの成形安定性の評価方法
インフレーションフィルム成形時のバブル(インフレチューブ)の安定性を以下の基準で評価した。
〇;バブル安定、成形加工問題なし。
△;バブルの揺れまたは、フィルムの皺発生。
×;バブルの揺れ大きく、フィルム成形不可
4.使用するポリエチレン系樹脂
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体
エチレン・α―オレフィン共重合体1;日本ポリエチレン社製 ノバテックLL「UF230」(MFR1.0g/10分、密度0.921g/cm、チーグラー触媒、コモノマー;ブテン1)
エチレン・α―オレフィン共重合体2:日本ポリエチレン社製 ハーモレックス「NF366A」(MFR1.5g/10分、密度0.919g/cm、メタロセン触媒、コモノマー;ヘキセン1)
エチレン・α―オレフィン共重合体3:日本ポリエチレン社製 カーネル「KF380」(MFR4.0g/10分、密度0.918g/cm、メタロセン触媒、コモノマー;ヘキセン1)
(2)高圧ラジカル法ポリチレン系樹脂
高圧ラジカル法PE−1:日本ポリエチレン社製 ノバテックLD「ZF33」(MFR1.1g/10分、密度0.920g/cm
高圧ラジカル法PE−2:日本ポリエチレン社製 ノバテックLD「LF240」(MFR0.7g/10分、密度0.924g/cm
高圧ラジカル法PE−3:日本ポリエチレン社製 ノバテックLD「LS640」(MFR5.0g/10分、密度0.924g/cm
5.使用する難燃剤
アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物;BASFジャパン社製 FLAMESTAB NOR116
水酸化マグネシウム;協和化学工業社製 キスマー5A
三酸化アンチモン;日本精鉱社製 アンチモンリスター
[実施例1]
エチレン・α―オレフィン共重合体1を60重量%と高圧ラジカル法PE−1を40重量%とを混合したベース樹脂100重量部に対し、アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物を1.6重量部混合し、インフレーションフィルム成形機(ダイ口径235mmφ、リップ巾3mm)を用い、成形温度190℃にて押出し、フィルム折巾1,000mm、フィルム厚みが60μmの単層フィルムを得た。尚、ヒンダードアミン系化合物は、予めベース樹脂と同じポリエチレンに20重量%の高濃度に配合したものを溶融押出し混錬し、MB方式として添加を行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
フィルム厚みを30μmとした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
フィルム厚みを90μmとした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ベース樹脂を、エチレン・α―オレフィン共重合体2を60重量%と高圧ラジカル法PE−2を40重量%とした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mm、フィルム厚みが60μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物の添加量を0.6重量部とした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mm、フィルム厚みが60μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
フィルム厚みを100μmとした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
エチレン・α―オレフィン共重合体1を90重量%と高圧ラジカル法PE−1を10重量%とした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mm、フィルム厚みが60μmの単層フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例4]
添加する難燃剤を、水酸化マグネシウム30重量部、三酸化アンチモン8重量部とした以外、実施例1と同様に成形を行い、フィルム折巾1,000mm、フィルム厚みが60μmの単層フィルムを得た。尚、ベース樹脂と水酸化マグネシウム、三酸化アンチモンの混合物は、所定量を予め押出混錬機で溶融混錬されたものを用いた。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例5]
エチレン・α―オレフィン共重合体3を60重量%と高圧ラジカル法PE−3を40重量%とした以外、実施例1と同様に成形を行ったが、成形時のバブルの揺れが大きくフィルム成形が出来なかった。
[評価]
表1に示す結果から、本発明の要件を満たす実施例1〜4は、防炎性能、ヘイズ、パンクチャー衝撃強度、成形安定性ともに優れている。
Figure 0006826846
一方、アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物が本発明の規定する下限未満の比較例1では、防炎性能が不適合となる。また、フィルム厚みが本発明の規定する上限を超える比較例2では、所定量の難燃剤が添加されているにも拘わらず防炎性能が2級となり1級の性能保持が出来ない。また、エチレン・α−オレフィン共重合体が90重量%となる比較例3では、着火時の溶融樹脂ダレが大きく防炎性能が劣ることと、インフレーションフィルム成形が不安定となりバブルの揺れが発生する。また、本発明と異なる別のノンハロゲン系の難燃剤を使用した比較例4では、透明性(ヘイズ)が大きく劣り、強度も低下し、養生フィルムとして適さないばかりか、インフレーション成形の安定性にも問題が生じた。更に、ベース樹脂のエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRを4.0g/10分とし、高圧ラジカル法PEのMFRを5.0g/10分とした組み合わせの比較例5では、樹脂の合成されたMFRが4.4g/10分となり成形安定性が著しく阻害され、フィルム成形不可であった。
本発明のポリエチレン系難燃性フィルムは、塗装を伴う建築現場、火気を使用する工事現場、高速道路橋脚下の塗装工事現場等で、塗装剤、火花の拡散を防止する養生フィルムとして好適に用いることができ、産業上おおいに有用である。また、自動車の塗装時に用いられる養生フィルムとしても好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体を45〜80重量%、及び高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂を20〜55重量%含み、下記(1)〜(2)の特徴を有するポリエチレン系樹脂を100重量部
    (1)MFR(190℃、21.18N荷重下で測定したメルトフローレート)が0.5〜4.0g/10分
    (2)密度が0.905〜0.935g/cm3
    及び
    アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物を0.8〜4.0重量部
    含む樹脂組成物を成膜してなるフィルムであって、下記(a)〜(d)の特性を有することを特徴とするポリエチレン系難燃性フィルム。
    (a)フィルムの厚さが25〜95μm
    (b)JIS A1322に基づく防炎試験において、防炎1級である
    (c)JIS K716に基づくフィルムヘイズ値が15%以下である
    (d)JIS P8134に基づくパンクチャー衝撃強度が0.6J以上である。
  2. 前記エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体が、シングルサイト系触媒で重合された共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系難燃性フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の難燃性フィルムからなる養生フィルム。
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