JP2001045884A - 農業用積層フィルム - Google Patents

農業用積層フィルム

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JP2001045884A
JP2001045884A JP11228621A JP22862199A JP2001045884A JP 2001045884 A JP2001045884 A JP 2001045884A JP 11228621 A JP11228621 A JP 11228621A JP 22862199 A JP22862199 A JP 22862199A JP 2001045884 A JP2001045884 A JP 2001045884A
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ethylene
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JP11228621A
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Yoshihei Naka
善平 仲
Kiyomaro Sudo
清麿 須藤
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、強度、防曇性、展張作業性の全てに
優れ、焼却時の問題も少なく、保温性、耐候性、防曇持
続性を備えた農業用積層フィルムの提供。 【解決手段】 積層フィルムの一層が(A)エチレンと
炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体100重
量部、(B)アンチブロッキング剤0.03〜1.5重
量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.005〜
5.0重量部からなり、かつ特定の物性を有するポリエ
チレン系樹脂組成物であり、もう一層がエチレン・酢酸
ビニル共重合体100重量部、無機化合物1〜20重量
部、ヒンダードアミン系光安定剤0.005〜5.0重
量部とからなる樹脂組成物であり、少なくともこの2層
を含むことを特徴とする農業用積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウス、トンネル
栽培に用いる農業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】農業上の促成栽培を目的としたハウス栽
培、トンネル栽培及びマルチ栽培などでは、一般に被覆
資材として各種熱可塑性樹脂からなる農業用フィルムが
多量に使用されている。主に使用されているフィルムと
して、例えばポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフ
ィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム等があ
り、なかでもポリ塩化ビニルフィルムは、透明性、強靭
性、保温性、防曇持続性等に優れており最も多く使用さ
れている。しかしながら、ポリ塩化ビニルフィルムの場
合は、同一体積でのフィルム重量が重く、かつベタツキ
があるということから、ハウス展張作業性の面で劣る
上、可塑剤への塵埃付着によりフィルムの透明性が悪化
する、いわゆる防塵性が劣るという問題や廃棄焼却時に
有毒ガスを発生するという問題がある。一方、ポリエチ
レンフィルムは、ポリ塩化ビニルフィルムに比べ、価
格、展張作業性、防塵性および廃棄処理の点で優れてい
るものの、防曇持続性、透明性、強靭性、保温性が劣る
という問題がある。また、エチレン・酢酸ビニル共重合
体を主成分とするフィルムを農業用フィルムに適用した
場合は、上記ポリエチレンフィルムに比べ透明性、保温
性が改善されるものの、ポリ塩化ビニルフィルムに比べ
ると、依然として及ばないという問題がある。
【0003】これらの問題を有するポリエチレンやエチ
レン−酢酸ビニル共重合体を農業用フィルムとして用い
る場合、赤外線吸収能の高い無機添加剤を添加すること
によりそのフィルムの保温性を改良しようとする試みが
これまでになされ、例えば、無機添加剤としては、シリ
カ粉末(特公昭47−13853号公報)、マグネシウ
ム化合物(特公平3−50791号公報)、ハイドロタ
ルサイト(特公昭62−31744号公報)等が提案さ
れている。しかしながら、このようなポリエチレンやエ
チレン−酢酸ビニル共重合体のようなポリエチレン系樹
脂からなる農業用フィルムは、そのフィルムの保温性は
改良されているものの、依然としてポリ塩化ビニルフィ
ルムに比べ、透明性、強靭性が不充分である。
【0004】このようなポリエチレン系樹脂フィルムの
強靭性を改善するため、近年直鎖状低密度ポリエチレン
の強靭性を利用する農業用フィルムが考案されるように
なってきている。例えば、特開昭58−160146号
公報には、直鎖状低密度ポリエチレンを主体とする基材
層と従来の製造法によるポリエチレン系樹脂層とを積層
してなる農業用多層フィルムが提案されている。この農
業用多層フィルムは、ある程度強靭性の面で改善してい
るものの、インフレーションフィルム成形加工時の欠点
である折り目部強度に関し、なお改善が不充分であるこ
とに加え、透明性において、ポリ塩化ビニルフィルムに
比べ劣るという問題がある。また、特開平1−1820
37号公報には、外層が直鎖状エチレン−α−オレフィ
ン共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂で形成さ
れ、内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
るポリエチレン系樹脂で形成されている農業用多層フィ
ルムが提案されている。該公報記載の農業用多層フィル
ムも、前述の特開昭58−160146号公報記載の多
層フィルムと同様に、強靭性、透明性において充分満足
出来るものでない。さらに、特開平9−249774号
公報にはシングルサイト触媒によって重合されたエチレ
ン・α−オレフィン共重合体を用いることが提案されて
いる。該公報記載の農業用フィルムは強度、防塵性の改
善或いは透明性と展張作業性のバランスの改善はされる
ものの、透明性は未だ十分ではなかった。十分な透明性
を得るためには、高圧法低密度ポリエチレンをブレンド
する方法が考えられるが、この場合には強度が低下して
しまう。したがって、これらの問題を解消するため、上
述した従来の農業用積層フィルムと比べポリ塩化ビニル
フィルムと同等の透明性、防曇性を有し、かつ、それを
上回る強靭性を有した農業用フィルムの出現が望まれて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、強
度、防曇性、展張作業性の全てに優れ、焼却時の問題も
少なく、保温性、耐候性、防曇持続性を備えた農業用フ
ィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するべく種々の検討を重ねた結果、特定の成分
からなり、特定の特性を有するポリエチレン系樹脂組成
物と特定無機化合物等を含有する特定のエチレン・酢酸
ビニル共重合体との積層フィルムが上記課題を解決する
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、積層フィルムの一層が、下記成分(A)〜(C)か
らなり、下記特性(D)〜(H)を有するポリエチレン
系樹脂組成物であり、もう一層が酢酸ビニル含有量が
2.0〜30重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体1
00重量部と、Mg、Ca、Al、LiおよびSiの群
より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無機化合
物1〜20重量部と下記成分(C)とからなる、少なく
ともこの2層を含むことを特徴とする農業用積層フィル
ムである。 成分(A):エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体 100重量部 成分(B):アンチブロッキング剤 0.03〜1.5
重量部 成分(C):ヒンダードアミン系光安定剤 0.005
〜5.0重量部 特性(D):フロ−レシオ(FR)が7.2以下である
こと、 特性(E):MFRが0.1〜15g/10分であるこ
と、 特性(F):密度が0.905〜0.940g/c
、 特性(G):ヘキサン可溶分が2.5重量%以下である
こと、 特性(H):以下に示すKの値が、0.15≦K≦4.
0を満足すること、 (1)樹脂組成物のフロ−レシオ(FR)が、FR≦M
w/Mn+4.4の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
−0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
4Mw/Mn−0.128)e
−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
.05Mw/Mn+0. 93)) (2)樹脂組成物のFRが、FR>Mw/Mn+4.4
の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
−0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
4Mw/Mn−0.128)e
−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
.05Mw/Mn+0. 93))−0.097(FR−
0.9Mw/Mn)/(LogMFR+0.39) ただし、MFRは190℃、2.16kg荷重での測定
値であり、FRは190℃における10kg荷重でのM
FR測定値であるI10と、190℃における2.16
kg荷重でのMFR測定値であるI2.16との比(I
10/I2.1 )であって、MTは190℃、引張速
度4m/分で測定した溶融張力(g)、Mwは重量平均
分子量、Mnは数平均分子量を示す。また、eは自然対
数の底を示す。
【0007】また、前記2層を含む積層フィルムの最内
層へ、下記成分(B)および成分(C)を含み且つ、下
記特性(E)を有する高圧法低密度ポリエチレン又は、
エチレン・α−オレフィン共重合体又は、酢酸ビニル含
有量が2.0〜10重量%のエチレン・酢酸ビニル共重
合体を積層することを特徴とする前記の農業用積層フィ
ルムである。 成分(B):アンチブロッキング剤 0.03〜1.5
重量部 成分(C):ヒンダードアミン系光安定剤 0.005
〜5.0重量部 特性(E):MFRが0.1〜15g/10分であるこ
と、
【0008】また、前記積層フィルムの少なくとも1層
に、樹脂100重量部に対して、防曇剤が0.05〜
5.0重量部含まれてなることを特徴とする農業用積層
フィルムである。
【0009】さらに、前記積層フィルムの外面に、親水
性有機高分子化合物100重量部に対し、親水性無機コ
ロイド物質が20〜150重量部の割合で配合されてい
る流滴剤をコーティングしてなることを特徴とする農業
用積層フィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。 [I]ポリエチレン系樹脂組成物 1.樹脂組成物構成成分 本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、次の成分
(A)、(B)及び(D)からなる。 成分(A):エチレンと炭素数3〜12のα−オレ
フィンとの共重合体 成分(A)のエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体は、成分(A)〜成分(C)からなる樹
脂組成物として特性(D)〜特性(H)を満足する限り
限定されないが、α−オレフィンは炭素数3〜12、好
ましくは4〜10のものが用いられる。具体的には、例
えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
ドデセン、或いはこれらの混合物であり、これに加え
て、少量のポリエン等が共重合されても良い。上記ポリ
エンとしては、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができ
る。
【0011】本発明で用いるエチレンと炭素数3〜12
のα−オレフィンとの共重合体を製造する重合方法とし
ては、限定されるものではないが、以下の様なオレフィ
ン重合用触媒を用いる方法が挙げられる。オレフィン重
合用触媒として、成分(a)のメタロセン系遷移金属化
合物、及び、成分(b)の塩類処理及び/又は酸処理を
行なって得られた、(b)無機珪酸塩、及び、
(b)珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物からなる
群より選ばれた少なくとも1種の化合物を必須成分とす
るオレフィン重合用触媒によって製造することが重要で
ある。
【0012】(i)メタロセン系遷移金属化合物(成分
(a)) オレフィン重合用触媒成分である成分(a)は、下記の
一般式(I)で表されるメタロセン系遷移金属化合物で
ある。 R (CpR )(CpR )MX ・・・(I) (式中、Cpはシクロペンタジエニル基を表し、R
長周期律表第14族元素を含む共有結合架橋基であり、
iは0又は1であり、R及びRはハロゲン、珪素含
有基、炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン含有炭
化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基
であり、2個のR或いはRがシクロペンタジエニル
環に隣接して置換されている場合は互いに結合してC
〜Cの環を形成していてもよく、m、nは0〜5の整
数で、i+m=5及びi+n=5を満たし、Mは長周期
律表第3、4、5、6族の遷移金属であり、X及びX
はハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の炭化水
素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基を表
す。) 一般式(I)で表されるメタロセン系遷移金属化合物
は、置換されていても良い1個若しくは2個のシクロペ
ンタジエニル系配位子、すなわち置換基が結合して縮合
環を形成していても良い1〜2個のシクロペンタジエニ
ル環含有配位子と長周期律表の3、4、5、6族の遷移
金属からなる有機化合物、或いは、それらのカオチン型
錯体である。かかるメタロセン系遷移金属化合物とし
て、好ましいものは、下記の一般式(II)若しくは
(III)で表される化合物である。 (CpR 5−a(CpR 5−bMR ・・・(II) 〔(CpR 5−a(CpR 5−bMR n+〔R n− ・・・(III)
【0013】上記の一般式(II)及び(III)中、
CpR 5−a及びCpR 5−bは、シクロ
ペンタジエニル(Cp)基の誘導体を示す。
【0014】一般式(II)及び(III)中、R
は、炭素数1〜20の置換されていても良い炭化水
素基、珪素含有置換基、燐含有置換基、窒素含有置換
基、酸素含有置換基であり、各々同一でも異なっていて
も良い。
【0015】具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアル
キル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m
−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、プロモメチル基、プ
ロモエチル基、プロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等の珪素含有置換基、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ
基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチル
フェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ
基、o−トリルオキシ基等のアリールオキシ基等を挙げ
ることができる。これらの中でも好ましくは、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のア
ルキル基、トリメチルシリル基、メトキシ基、エトキシ
基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ
基等である。
【0016】また、RとRは、互いに結合して架橋
基を形成しても良い。具体的には、メチレン基、エチレ
ン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデ
ン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジ
フェニルメチリデン基のようなアリキリデン基、ジメチ
ルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレ
ン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン
基、メチルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチ
ルシリレン基のような珪素含有架橋基、ジメチルゲミレ
ン基、ジエチルゲミレン基、ジプロプルゲミレン基、ジ
イソプロピルゲミレン基、ジフェニルゲミレン基、メチ
ルエチルゲミレン基、メチルフェニルゲミレン基、メチ
ルイソプロピルゲミレン基、メチル−t−ブチルゲミレ
ン基のようなゲルマニウム含有架橋基等、アミノ基等、
ホスフィニル基等を挙げることができる。
【0017】更に、R同士、又はR同士で互いに結
合して架橋基を形成しても良い。具体的には、インデニ
ル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オ
クタヒドロフルオレニル基等が好ましく挙げられ、これ
らは置換されていても良い。
【0018】Rは、炭素数1〜20の置換されていて
も良い炭化水素基、水素、ハロゲン、珪素含有置換基、
アルコキシ、アリールオキシ、アミド、又は、チオアル
コキシであり、具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の
アルキル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル
基、m−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、
フルオロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル
基、クロロエチル基、クロロフェニル基、プロモメチル
基、プロモエチル基、プロモフェニル基、ヨードメチル
基、ヨードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭
化水素基、弗素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン、トリ
メチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシ
リル基等の珪素含有置換基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ
トキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキ
シ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ
基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−ト
リルオキシ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミド
基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジイソプ
ロピルアミド基、メチルチオアルコキシ基、エチルチオ
アルコキシ基、プロピルチオアルコキシ基、ブチルチオ
アルコキシ基、t−ブチルチオアルコキシ基、フェニル
チオアルコキシ基等のチオアルコキシ基を挙げることが
できる。これらの中で好ましくは水素、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニ
ル基、塩素等のハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、ジメチルアミド基、メ
チルチオアルコキシ基を挙げることができ、中でも、水
素、メチル基、塩素が特に好ましい。
【0019】また、Rは、R若しくはR若しくは
Cpと結合していても良く、このような配位子の具体例
として、CpH(CHO−(1≦n≦5)、C
pMe(CHO−(1≦n≦5)、CpH
(MeSi)(t−Bu)N−、CpMe(Me
Si)(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエ
ニル基、Meはメチル基、Buはブチル基を示す。)が
挙げられる。更に、Rが相互に結合して二座配位子を
形成しても良い。この様なRの具体例としては、−O
CHO−、−OCHCHO−、−O(o−C
)O−等を挙げることができる。
【0020】Mは、周期律表3、4、5、6族の原子で
あり、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ラン
タン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリ
ウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジス
プロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッ
テルビウム、ルテチウム、アクチニウム、トリウム、プ
ロトアクチニウム、ウラン、チタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステンが挙げられる。これらの
うち、4族のチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが
好ましく用いられる。また、これらは混合しても用いて
もよい。
【0021】Lは、電気的に中性な配位子、mはその個
数で0以上の整数を示す。具体的にはジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジメチルホル
ムアミドのようなアミド類、トリメチルフォスフィンの
ようなフォスフィン類、トリメチルアミンのようなアミ
ン類を挙げることができる。好ましくはテトラヒドロフ
ラン、トリメチルフォスフィン、トリメチルアミンであ
る。
【0022】〔R〕は、カチオンを中和する1個また
は2個以上のアニオンである。具体的には、テトラフェ
ニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバ
ドデカボレート、ジカルバウンデカボレート、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオ
ロボレート、ヘキサフルオロフォスフェートを挙げるこ
とができる。
【0023】a、bは0〜5の整数である。また、p、
q、rは、Mの価数をVとしたときに、メタロセン系化
合物が一般式(II)の場合には、p+q+r=Vを満
たす負でない整数であり、メタロセン系化合物が一般式
(III)の場合には、p+q+r=V−nを満たす負
でない整数である。通常p、qは0〜3の整数で、好ま
しくは0または1である。rは0〜3の整数で、好まし
くは1または2である。また、nは0≦n≦Vを満たす
整数である。
【0024】上述のメタロセン系遷移金属化合物は、具
体的にはジルコニウムを例にとれば、一般式(II)に
相当するものとしては、(1)ビス(メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2)ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(4)ビス(エチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(5)ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、(6)
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水
素化物、(7)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、(8)ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(9)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
(10)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(11)ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジメチル、(12)ビス(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(13)ビス
(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、(14)イソプロピリデン−ビス
(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(15)イ
ソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウム二水
素化物、(16)ペンダメチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(17)ペンダメチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(18)イソプ
ロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)
ジルコニウムジクロライド、(19)イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジメチル、
【0025】(20)ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(21)ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(22)ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、(23)メ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(24)メチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、(25)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(26)イ
ンデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(27)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、(28)インデニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(2
9)トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(30)トリフルオロ
メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、(31)トリフルオロメチ
ルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(32)ビス(シクロペンタジエニ
ル)(トリメチルシリル)(メチル)ジルコニウム、
(33)メチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、(34)エチレン−ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(3
5)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、(36)ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、(3
7)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリフ
ルオロメタンスルホナトクロライド、(38)ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスル
ホナト)、(39)エチレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
【0026】(40)(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジベンジ
ルジルコニウム(第3級ブチルアミド)ジメチル(2,
3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)シラ
ンジベンジルジルコニウム、(41)インデニルジルコ
ニウムトリス(ジメチルアミド)、(42)(第3級ブ
チルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−
1,2−エタンジルコニウムジクロライド、(43)
(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(44)(フェニルフォスフィド)ジメチル(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロ
ライド、(45)ビス(1,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、(46)ビス
(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、(47)ビス(1−n−プロピル
−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、(48)ビス(1−i−プロピル−3−メチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(4
9)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、
【0027】(50)ビス(1−i−ブチル−3−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(51)ビス(1−シクロヘキシル−3−メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(52)ビ
ス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、(53)ビス(1−エチル−3−メチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(5
4)ビス(1−n−プロピル−3−メチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(55)ビス(1−
n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(56)ビス(1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミ
ド)、(57)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)、
(58)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)等が
ある。
【0028】また、一般式(III)に相当するものと
しては、(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、(2)ビス(エチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(3)ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチ
ル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、(4)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、(5)ビス(メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(6)ビス(ジメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(7)ビス(インデニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(8)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒド
ロフラン錯体、(9)ビス(トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、
【0029】(10)イソプロピリデン−ビス(インデ
ニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、(11)イソプロピ
リデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(12)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコ
ニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラ
ヒドロフラン錯体、(13)ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、(14)イソプロピリデン(シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(15)ビス(シクロペンタジエニル)(メチル)ジル
コニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、(16)メチルシクロペンタジエニル(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(17)
ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(18)インデニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(19)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
【0030】(20)ビス(シクロペンタジエニル)
(トリメチルシリル)ジルコニウム(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、(21)ビス(シク
ロペンタジエニル)(トリメチルシリルメチル)ジルコ
ニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体、(22)エチレン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(23)ジメチルシリ
ル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、(24)エチレン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(25)ジメチルシリル
−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチ
ル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、(26)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、(27)ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウム(メタンスルホナト)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体等がある。
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物等の第3、
4、5、6族金属化合物についても、上記と同様の化合
物が挙げられる。更に、これらの化合物の混合物を用い
てもよい。
【0031】(ii)成分(b)の化合物 オレフィン重合用触媒成分である成分(b)の化合物と
しては、塩類処理及び/又は酸処理を行って得られた、
(b)無機珪酸塩、及び、(b)珪酸塩を除くイオ
ン交換性層状化合物からなる群より選ばれた少なくとも
一種の化合物を用いる。
【0032】(イ)(b)無機珪酸塩 無機珪酸塩としては、ゼオライト、珪藻土、及び、大部
分の粘土を挙げることができる。また、粘土は、通常、
粘土鉱物を主成分として構成される。これらゼオライ
ト、珪藻土、粘土、粘土鉱物は天然に産出する鉱物を用
いてもよいし、人工合成物であってよい。また、これら
は特に酸処理を行うことなくそのまま用いてもよいし、
ボールミル、篩分け、酸処理等の処理を行った後に用い
てもよい。また単独で用いても、2種以上を混合して用
いてもよい。
【0033】・粘土、粘土鉱物 粘土、粘土鉱物の具体例としてはアロフェン等のアロフ
ェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、ア
ノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカ
オリン族、クリソタイル、リザルタイト、アンチゴライ
ト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バ
イデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライ
ト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、
バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、雲母、セ
ライト、サリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジ
ャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、木節粘土、
ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョ
クデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成して
いてもよい。これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、ベントナイト、テニオライト等のス
メクタイト、雲母、イライト等の雲母鉱物、バーキュラ
イト等のバーキュライト鉱物族が好ましい。
【0034】(ロ)(b)珪酸塩を除くイオン交換性
層状化合物 珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物としては、六方最
密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI
型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等
を例示することが出来る。このような結晶構造を有する
イオン交換性層状化合物の具体例としては、α−Zr
(HAsO・HO、α−Zr(HPO
α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO
、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn
(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ
−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO
O等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。これ
らは特に処理を行うことなくそのまま用いてもよいし、
ボールミル、節分け、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、
蟻酸、酢酸、安息香酸等の有機酸、等との接触による酸
処理等の処理を行った後に用いてもよい。また単独で用
いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】本発明に用いられる、塩類処理も酸処理も
施されていない状態の、珪酸塩を除くイオン交換性層状
化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれた少なくと
も一種の化合物は、交換可能な1族金属の陽イオン(通
常、例えばNa、K)を含有する。1族金属の陽イオン
の含有量は、0.1重量%好ましくは0.5重量%であ
ることが望ましい。これら、珪酸塩を除くイオン交換性
層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれた少な
くとも一種の化合物を塩類処理及び/又は酸処理するこ
とによってオレフィン重合用触媒成分である成分(b)
の化合物が得られる。
【0036】本発明において、塩類処理及び/又は酸処
理によって、固体の酸強度を変えることができる。ま
た、塩類処理は、イオン複合体、分子複合体、有機誘導
体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができ
る。即ち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオン
を別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間
が拡大した状態の層状物質を得ることが出来る。本発明
においては、塩類で処理される前の、珪酸塩を除くイオ
ン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ば
れた少なくとも一種の化合物の含有する交換可能な1族
金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上
を、下記に示す塩類より解離した陽イオンとイオン交換
することが必要である。
【0037】・塩類 このようなイオン交換を目的とした本発明の塩類処理で
用いられる塩類は、2〜14族原子からなる群より選ば
れた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化
合物であり、好ましく、2〜14族原子からなる群より
選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロ
ゲン原子、無機酸及び有機酸からなる群より選ばれた少
なくとも一種の陰イオンとからなる化合物であり、更に
好ましくは、2〜14族原子からなる群より選ばれた少
なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、
I、F、PO、SO、NO、CO、C
ClO、OCOCH、CHCOCHCOCH
OCl、O(NO、O(ClO、O(S
)、OH、OCl、OCl、OCOH、OC
OCHCH、C及びCからな
る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる
化合物である。具体的には、CaCl、CaSO
Ca(NO、MgCl、MgBr、MgSO
、Mg(PO、Mg(NO、Mg(Cl
、Ti(CO、Ti(NO、Ti
(SO、TiF、TiCl、Zr(CO
、Zr(NO、Zr(SO、ZrC
、VOSO、VOCl、VCl、VCl
VBr、CrOCl、CrF、CrCl、C
rBr、Cr(NO、Cr(SO、C
o(CHCOCHCOCH、CoCO、Co
、CoF、NiCO、NiC、Pb
SO、Pb(NO、CuBr、Cu(OCO
CH、Zn(CHCOCHCOCH、Z
n(OCOCH 、Zn(OOCH)、ZnCO
、Zn(SO)、Zn(NO、ZnCl
AlCl、Al(NO、GeI、GeB
、Sn(OCOCH、Pb(ClO
PbI等が挙げられる。これらの塩類のうち、4、
5、又は、6族原子の陽イオンを含有する化合物で処理
されたオレフィン重合用触媒成分である成分(b)の化
合物を用いることが特に好ましい。酸処理は表面の不純
物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽
イオンの一部又は全部を溶出させる。
【0038】・酸 酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝
酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる塩類
及び酸は、2種以上であってもよい。塩類処理と酸処理
を組み合わせる場合においては、塩類処理を行った後、
酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩類処理を行う
方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。
【0039】・処理条件 塩類及び酸による処理条件は、特には制限されないが、
通常塩類及び酸濃度は、0.1〜30重量%、処理温度
は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選
択して、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物及び無機
珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物
を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で
行うことが好ましい。また、塩類及び酸は、一般的には
水溶液で用いられる。本発明では、上記塩類処理及び/
又は酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に粉砕や
造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理
や有機物処理等の他の化学処理を併用してもよい。この
ようにして得られる成分(b)の化合物性分としては、
水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.
1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gのものが好
ましい。
【0040】これら珪酸塩を除くイオン交換性層状化合
物及び無機珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一
種の化合物には、通常、吸着水及び層間水が含まれる。
本発明においては、これらの吸着水及び層間水を除去し
て(b)化合物成分を得る。ここで、吸着水とは粘土、
粘土鉱物又はイオン交換性層状化合物粒子の表面あるい
は結晶破面に吸着された水で、層間水は結晶の層間に存
在する水である。本発明では、加熱処理によりこれらの
吸着水及び/又は層間水を除去したものが用いられるこ
とになり、望ましい。粘土、粘土鉱物及び層間水の吸着
水及び層間水の加熱処理方法は特に制限されないが、加
熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水及び
有機溶媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の際
の温度は、層間水が残存しないように、100℃以上、
好ましくは150℃以上であるが、構造破壊を生じるよ
うな高温条件は好ましくない。また、空気流通下での加
熱等の架橋構造を形成させるような加熱脱水方法は、触
媒の重合活性が低下し、好ましくない。加熱時間は0.
5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、除
去した後の成分(b)の化合物の水分含有率が、温度2
00℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合
の水分含有量を0重量%としたとき、3重量%以下、好
ましくは1重量%以下、下限は0重量%以上であること
が必要である。
【0041】 成分(B):アンチブロッキング剤 本発明に用いるアンチブロッキング剤としては、二酸化
珪素、滑石、ゼオライト、等が挙げられる。更に詳細に
は、天然シリカ、合成シリカ、タルク、A型ゼオライ
ト、Pc型ゼオライト、X型ゼオライト等が挙げられ、
何れも酸変性やイオン交換等の処理が施されていてもよ
い。アンチブロッキング剤は、単独でも、2種以上を組
み合わせて用いてもよいが、何れも平均粒径が10μm
以下のものが好ましい。アンチブロッキング剤の配合量
は、成分(A)100重量部に対して0.03〜1.5
重量部であり、好ましくは、0.08〜0.5重量部で
ある。配合量が上記範囲未満であると、展張作業性が十
分でなく、上記範囲を超えると、フィルムの透明性が悪
化する。
【0042】 成分(C):ヒンダードアミン系光安
定剤 本発明で用いられる光安定剤は、ヒンダードペリジン構
造を含む化合物で、ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−
1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラ
キス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル
ベンゾエート、ビス−(1,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネー
ト、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)セバケート、1,1’−(1,2
−エタンジイル)ビス(3,3,5,5―テトラメチル
ピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,
4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリ
デシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート、ミックスト{2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3
−9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、ミックスト{1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,
β’,β’−テトラメチル−3−9−[2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ
ル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、N,N’−ビス(3−アミノピロピル)エチレンジ
アミン−2−4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−4−ピペリジル)アミ
ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロ
モエタンとの縮合物、[N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
プロピオンアミド、ポリ{[6−[(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジ
ン−2,4−ジイル][[(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ]}等が挙げられる。これらの光安定剤は、単独
で用いても2種類以上の混合物として用いても良い。光
安定剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して
0.005〜5.0重量部であり、好ましくは、0.0
1〜2.0重量部である。配合量が上記範囲未満である
と、耐候性が十分でなく、上記範囲を超えると、フィル
ム表面へのブルーミング現象が起こり好ましくない。
【0043】 その他の成分 また、本発明で用いる樹脂組成物には、任意成分とし
て、下記特性(D)〜特性(H)を満足する限り、高圧
ラジカル法による低密度ポリエチレンや高密度ポリエチ
レン等のポリエチレン樹脂が含まれていてもよい。さら
に、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で付加的成
分、例えば、防曇剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収
剤、滑剤、分子量調整剤、着色剤、衝撃改良剤、接着性
向上剤、及び印刷性向上剤を配合することができる。本
発明で用いられる防曇剤としては、一般に使用される防
曇剤を使用することができる。例えば、ノニオン系、ア
ニオン系、およびカチオン系の界面活性剤が使用され
る。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリ
コールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート、グリ
セリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトール
モノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビ
タンモノベヘネート、ソルビタンジステアレート、ジグ
リセリンモノオレエート、トリグリセリンジオレエー
ト、ナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸
ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリル酸ラウリルアミド
エチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダ
イド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシル
ピリジニウム硫酸塩の塩基性ピリジニウム塩などが挙げ
られる。このうち、特に好ましいのは、炭素数が14〜
22の脂肪酸と、ソルビタン、ソルビトール、グリセリ
ン、ポリグリセリン、プロピレングリコール等の多価ア
ルコールとのエステルあるいは、そのアルキレンオキサ
イド付加物を主成分とする非イオン系界面活性剤などが
挙げられる。本発明の農業用積層フィルムに添加される
防曇剤は、樹脂100重量部に対し、0.05〜5.0
重量部であり、好ましくは0.5〜3.0重量部であ
る。防曇剤添加量が前述の範囲より少ないと、防曇性の
発現が充分でなく、また、前述の範囲を越えると、フィ
ルム成膜直後から防曇剤の表面への移行が顕著となり、
ベタつきや透明性低下が問題となる。係る防曇剤は、積
層フィルムの1層のみに限らず、全層に配合しても良
い。
【0044】2.ポリエチレン系樹脂組成物の特性 成分(A)〜成分(C)からなるポリエチレン系樹脂組
成物は、次の特性(D)〜(H)を有している必要があ
る。 特性(D) 成分(A)〜成分(C)からなる樹脂組成物のフローレ
シオ(FR)は、7.2以下、好ましくは7.0以下で
あることが重要である。FRが上記範囲を超過すると、
フィルムの透明性が低下すると、同時にフィルムの強度
も低下する。
【0045】 特性(E) 成分(A)〜成分(C)からなる樹脂組成物のMFR
は、0.1〜15g/10分、好ましくは0.2〜5g
/10分、さらに好ましくは0.5〜2g/10分の範
囲にあることが重要である。MFRが上記範囲未満で
は、成形時の押し出し負荷が高くなって加工性が低下す
る。一方、MFRが上記範囲を超過すると、成形安定性
低下すると同時に、フィルムの強度も低下する。
【0046】 特性(F) 成分(A)〜成分(C)からなる樹脂組成物の密度は、
0.905〜0.940g/cm、好ましくは0.9
05〜0.935g/cm、さらに好ましくは0.9
10〜0.930g/cmの範囲にあることが重要で
ある。密度が上記範囲未満では、展張作業性が低下す
る。一方、密度が上記範囲を超過すると、フィルムの透
明性や強度が低下する。
【0047】 特性(G) 成分(A)〜成分(C)からなる樹脂組成物のヘキサン
可溶分は、2.5重量%以下、好ましくは2.2重量%
以下、さらに好ましくは1.8重量%以下であることが
重要である。ヘキサン可溶分が上記範囲を超過すると、
展張作業性が低下する。
【0048】 特性(H) 成分(A)〜成分(C)からなる樹脂組成物は、下記式
に示すKの値が、0.15≦K≦4.0、好ましくは
0.20≦K≦3.0を満足することが重要である。K
の値が上記範囲未満ではフィルムの透明性が不十分であ
る。一方、Kの値が上記範囲を超過してもフィルムの透
明性が却って悪化する。 (1)樹脂組成物のFRが、FR≦Mw/Mn+4.4
の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
−0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
4Mw/Mn−0.128)e
−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
.05Mw/Mn+0. 93)) (2)樹脂組成物のFRが、FR>Mw/Mn+4.4
の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
−0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
4Mw/Mn−0.128)e
−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
.05Mw/Mn+0. 93))−0.097(FR−
0.9Mw/Mn)/(LogMFR+0.39) ただし、MFRは190℃、2.16kg荷重での測定
値であり、FRは190℃における10kg荷重でのM
FR測定値であるI10と、190℃における2.16
kg荷重でのMFR測定値であるI2.16との比(I
10/I2.1 )であって、MTは190℃、引張速
度4m/分で測定した溶融張力(g)、Mwは重量平均
分子量、Mnは数平均分子量を示す。また、eは自然対
数の底を示す。
【0049】[II]エチレン・酢酸ビニル共重合体組
成物層 1.樹脂組成物構成成分 エチレン・酢酸ビニル共重合体 本発明で用いるエチレン・酢酸ビニル共重合体は、酢酸
ビニル含有量が2.0〜30重量%、好ましくは5.0
〜20重量%である。酢酸ビニル含有量が、上記範囲未
満では保温性改善効果が不十分であり、上記範囲を超え
るとフィルム成形時の熱安定性に問題を生じる。
【0050】 無機化合物 本発明で、酢酸ビニル含有量が2.0〜30重量%のエ
チレン・酢酸ビニル共重合体に添加される、Mg、C
a、Al、Li及びSiの群より選ばれる少なくとも1
種の原子を含有する無機化合物としては、その酸化物、
水酸化物または複合化合物のいずれの形態でもよく、具
体的には、SiO、Al、MgO、CaO、L
iO、Al(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)
、LiOHまた以下の一般式(IV)及び(V)で表
わされる化合物や、その焼成物等が挙げられる。 M2+ 1−xAl(OH)(An−x/n・mHO …(IV ) (式中、M2+はMg、CaおよびZnよりなる群から
選ばれた二価金属イオンを示し、xおよびmは、0<x
<0.5、 0≦m≦2である。) Li(Al3+(OH)・(An−1/n・mHO …(V) (式中、An−はn価のアニオンを示し、nは1〜4の
整数を示し、mは0≦m≦3である。) なお、これらの無機化合物は、1つまたは2つ以上を併
用することができる。これら無機化合物は、平均粒径が
10μm以下、好ましくは5μm以下、特に好ましく3
μm以下であるのが望ましい。平均粒径が大きすぎると
フィルムの透明性が損なわれるので好ましくない。無機
化合物の配合量は、エチレン・酢酸ビニル共重合体10
0重量部に対して1〜20重量部であり、好ましくは、
4〜15重量部である。配合量が上記範囲未満であると
保温性改善効果が不十分であり、上記範囲を超えるとフ
ィルムの透明性及び強度の低下を招く。
【0051】 ヒンダードアミン系光安定剤 本発明で、酢酸ビニル含有量が2.0〜30重量%のエ
チレン・酢酸ビニル共重合体に添加されるヒンダードア
ミン系光安定剤は、前記エチレン系樹脂組成物で用いる
成分(C)と同様の光安定剤である。ヒンダードアミン
系光安定剤の配合量は、エチレン・酢酸ビニル共重合体
100重量部に対して0.005〜5.0重量部であ
り、好ましくは、0.01〜2.0重量部である。配合
量が上記範囲未満であると耐候性が十分でなく、上記範
囲を超えるとフィルム表面へのブルーミング現象が起こ
り好ましくない。
【0052】 その他の成分 また、本発明で用いるエチレン・酢酸ビニル共重合体層
においても、任意成分として、本発明の効果を著しく阻
害しない範囲で、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチ
レン等のポリエチレン樹脂、防曇剤、酸化防止剤、中和
剤、紫外線吸収剤、滑剤、分子量調整剤、着色剤、衝撃
改良剤、接着性向上剤、及び印刷性向上剤を配合するこ
とができる。防曇剤としては、上記ポリエチレン系樹脂
組成物で用いたものと同様の防曇剤を使用することがで
きる。
【0053】[III]混練・造粒 上述の成分(A)エチレンと炭素数3〜20のα−オレ
フィンとの共重合体、成分(B)アンチブロッキング
剤、成分(C)ヒンダードアミン系光安定剤及び防雲
剤、その他の配合剤を上述の配合割合で配合し、溶融混
練、あるいはドライブレンドすることにより、本発明の
農業用積層フィルムの一層成分であるポリエチレン系樹
脂組成物を得ることができる。また、酢酸ビニル含有量
が2.0〜30重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体
とMg、Ca、Al、Li及びSiの群より選ばれる少
なくとも1種の原子を含有する無機化合物と必要によ
り、防曇剤、その他の配合剤を上述の割合で配合し、溶
融混練、あるいはドライブレンドすることにより、本発
明の農業用積層フィルムのもう一層成分である樹脂組成
物を得ることができる。但し、ドライブレンドする場合
には、アンチブロッキング相、ヒンダードアミン系光安
定剤、防曇剤、無機化合物、及びその他の配合剤につい
ては、マスターバッチ方式を取ることが好ましい。上記
溶融混練は、一般に一軸押出機、ニ軸押出機、バンバリ
ーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダー、ニーダー
等の通常の混練機を用いて、通常170〜250℃の温
度で混練し、好適には、造粒することによって、本発明
の農業用積層フィルムに用いる樹脂組成物を得ることが
できる。
【0054】[IV]フィルム成形 上記で得られた樹脂組成物を、公知の成形方法、即ち、
積層数に応じた押出機と通常のフィードブロックタイ
プ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ
の接合・合流部を有する空冷インフレーションフィルム
成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレーションフィ
ルム成形等で好適なフィルムを得ることができる。フィ
ルムの厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜1
80μm、さらに好ましくは70〜150μmの範囲に
あるのが好ましく、また、多層フィルムとする場合の多
層構成比としては、一層の厚みが5〜100μm、好ま
しくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μ
mの範囲にあり、もう一層の厚みが10〜150μm、
好ましくは20〜120μm、さらに好ましくは30〜
100μmの範囲にある。
【0055】また、前述の2層を含む積層フィルムのさ
らに最内層へ、高圧法低密度ポリエチレン又は、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体又は、酢酸ビニル含有量が
2.0〜10重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体を
積層することによって、二層フィルムによるカール発生
を防ぐ効果と共に、保温剤添加層を被うことにより、フ
ィルムの透明性の改善を行うことができる。この最内層
へ積層する樹脂は、ポリエチレン系樹脂組成物で述べた
下記成分及び特性を備えていることが好ましい。 成分(B):アンチブロッキング剤 0.03〜1.5
重量部 成分(C):ヒンダードアミン系光安定剤 0.005
〜5.0重量部 特性(E):MFRが0.1〜15g/10分であるこ
と この場合、最内層に積層するフィルム厚みは、5〜10
0μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは
15〜60μmの範囲にあるものが好適である。本発明
のフィルムには、必要に応じてコロナ放電処理、フレー
ム処理、延伸処理等の各種処理を行うことができる。
【0056】[V]流滴剤のコーティング 本発明の積層フィルムには、外面の流滴性改良のため、
流滴剤をコーティングすることができる。 1.流滴剤 積層フィルムの外面にコーティングされる流滴剤として
は、親水性無機コロイド物質(イ)と親水性有機高分子
化合物(ロ)を含有する塗布型の流滴剤が使用できる。 (イ)親水性無機コロイド 親水性無機コロイドとしては、例えば、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、コロイド状のFe(O
H)、コロイド状のSn(OH)、コロイド状のT
iO、コロイド状のBaSOおよびコロイド状のリ
チウムシリケート等が利用でき、なかでもコロイダルシ
リカ、コロイダルアルミナが好適である。
【0057】(ロ)親水性有機高分子化合物 親水性有機高分子化合物としては、例えば、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、5−スルホイソフタル
酸等の二価カルボン酸とエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ポリエチレングリコール等の二価アルコー
ルとから得られるポリエステル類;メトキシメチル化ナ
イロン、ポリアミンとダイマー酸のような二価カルボン
酸とから得られるポリアミド類等、これらの縮重合型高
分子;水酸基を有するビニル単量体50〜99.9重量
%とα、β−不飽和カルボン酸0.1〜15重量%、必
要により他のビニル単量体0〜35重量%との共重合
体、その部分または完全中和体;スチレンスルホネート
・アクリル酸低級アルキルエステル共重合体;ビニルピ
ロリドン・スチレン・アクリルアミド・メタクリル酸低
級アルキルエステル共重合体であり、これらは水溶液、
水分散液の形態で使用される。上記水酸基含有ビニル単
量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルメタクリレート等が使用でき、好ましくは
2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートである。α、β−不飽和カルボン
酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸、フマル酸等が使用でき、好ましくはアク
リル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸である。その
他のビニル単量体としては、アクリル酸低級アルキルエ
ステル、メタクリル酸低級アルキルエステル(低級アル
キル基の炭素数は1〜8)、エチレン、酢酸ビニル、フ
ェニルマレイミド等が使用できる。これらの流滴剤は併
用して用いられることもある。
【0058】親水性無機コロイド物質は、親水性有機高
分子化合物100重量部当たり、20〜150重量部、
好ましくは40〜100重量部の割合で用いられる(い
ずれも固形分比)。必要により、界面活性剤を親水性無
機コロイド物質100重量部当たり、10〜50重量部
の割合で配合してもよい。かかる界面活性剤は非イオン
系でもアニオン系でもよい。さらに、流滴剤には、シラ
ンカップリング剤を配合してもよい。シランカップリン
グ剤を配合する場合は、親水性有機高分子化合物100
重量部当たり、1〜10重量部の割合で用いることが好
ましい。
【0059】2.流滴剤のコーティング方法 流滴剤は、コーティングを容易とするため、親水性無機
コロイド物質及び親水性有機化合物あるいは親水性無機
コロイド物質、親水性有機化合物及び界面活性剤の温度
が2〜50重量%となるように水、メタノール、アルコ
ール、イソプロパノール等の親水性溶媒で希釈して用い
る。流滴剤のフィルム表面へのコーティング方法は、各
種のロール印刷法やどぶ漬け法や吹き付け法等いずれで
もかまわない。また、コーティングはフィルム成形後に
引き続いて行うインラインコートや、フィルム成形、巻
き取り後にフィルムの巻き戻し工程で行うアウトライン
コート、さらにはフィルム展張後にその内面に吹き付け
コートする方法等で実施できる。流滴剤のフィルム表面
への塗布後は流滴剤の乾燥を行うが、この際、流滴剤乾
燥温度に特に制限はないが、生産性あるいは流滴剤のフ
ィルムとの接着力の観点から高温の方が望ましく、具体
的には、50〜120℃でフィルムが軟化しない温度が
好ましい。流滴剤の塗布量は、固形分量で0.1〜10
g/m、好ましくは0.3〜2g/mである。
【0060】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。なお、物性の評価方法及び各
成分の調製法は、以下の通りである。 [I]物性の測定方法と評価方法 (1)MFR:JIS−K6760に準拠し、190
℃、2.16kg荷重の条件で測定した。 (2)密度:JIS−K6760に準拠して測定した。 (3)FR:JIS−K6760に準拠し、190℃、
10kg荷重の条件で測定したMFRであるI10kg
と、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したMF
RであるI2.16kgの比、I10kg/I
2.16kgを計算し、FRとした。 (4)MT:(株)東洋精機製作所製キャピログラフを
使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8.00
mm、流入角180°、設定温度190℃で、ピストン
押出速度10.0mm/分、引取速度4.0m/分の条
件でで測定した。 (5)Mw/Mn:Mw/Mnは、武内著、丸善発行の
「ゲルパーミエイションクロマトグラフィー」に準拠して
値を求めた。すなわち、分子量既知の標準ポリスチレン
(東ソ−社製単分散ポリスチレン)を使用し、ユニバー
サル法により、数平均分子量Mn及び重量平均分子量
(Mw)に換算し、Mw/Mnの値を求めた。測定はウ
ォーターズ社製ISOC−ALC/GPCを用い、カラ
ムは昭和電工社製AD80M/Sを3本使用し、試料は
o−ジクロロベンゼンに溶解して0.2重量%溶液とし
て200μlを使用し、140℃、流速1ml/分で実
施した。 (6)ヘキサン可溶分:プレス成形機を用いて、190
℃で0.1mm厚のプレスシートを作製し、そのプレス
シートを10mm×50mmの長方形に切り、これを合
計でおおよそ5gとなるように集め、秤量する。この試
料をヘキサン200ccで高温用ソックスレー抽出器に
て3時間還流抽出する。次いで室温まで冷却した後、抽
出残分を減圧乾燥して重量を計り、元の重量から減圧乾
燥後の重量を引いたものを、元の重量で割り、100倍
した値をヘキサン可溶分とした。
【0061】(7)ヘーズ:JIS−K7105に準拠
して測定した。 (8)引張破断点強度:JIS−K6781に準拠し
て、縦方向の測定値を示した。 (9)エルメンドルフ引裂強度:JIS−Z1702に
準拠して、縦方向の測定値を示した。 (10)打ち抜き衝撃強度:JIS−P8134に準拠
し、振り子の弧状の腕の先端に13mmの半球状の鏡面
光沢を持った金属製の貫通部を取り付けて測定した。 (11)防曇性:各評価フィルムを、三重県四日市市の
日本ポリケム(株)の試験圃場に設置したミニハウス
(間口2m、奥行き3m、高さ2m)に被覆し、199
8年9月から1999年5月までの8ヶ月間、展張試験
を行い、フィルム内面の水滴付着状態を経時観察し、次
の3段階評価基準に基づいた防曇性評価とした。 ○:フィルム内面全面に水膜を形成し、流滴状態を保
持。 △:フィルム内面の一部に大粒の水滴が付着。 ×:フィルム内面のほぼ全面に細かい水滴が付着し、流
滴状態を喪失。 (12)保温性:各評価フィルムを、三重県四日市市の
日本ポリケム(株)の試験圃場に設置したミニハウス
(間口2m、奥行き3m、高さ2m)に被覆し、199
9年1月の20日間、午前4時のハウス内の温度及びハ
ウス外部の温度を測定し、その温度差の平均値を算出し
た。 (13)耐候性:耐候性評価は以下の様に行った。前述
の通り成形したインフレーションフィルムから、JIS
−K6781に準拠の引張試験打ち抜き刃型を用いてフ
ィルムの横方向が引張方向と平行になるようにフィルム
を打ち抜き、引張試験片を得た。その試験片をブラック
パネル温度63℃、試料スプレー圧力1kg/cm
降雨サイクル12分/hrに設定したスガ試験機(株)
製「スタンダードサンシャインウエザーメーター」WEL
−SUN−HC型を用いて促進試験を行い、1000時
間後に試験片を取り出して、促進試験後の試験片と、別
途保管しておいたウエザーメーターにかけていない試験
片について、JIS−K6781に準拠して引張試験を
実施して、引張破断点伸度を測定した。促進試験後の試
験片の引張破断点伸度の値を促進試験をしていない試験
片の引張破断点伸度の値で割り、それを100倍した値
(%)を求め、耐候性指標とした。この値が大きい程耐
候性に優れると判断する。
【0062】[II]各樹脂成分の調製 1.樹脂成分(A)の調製 (i)粘土鉱物の化学処理 硫酸亜鉛7水和物15.0kgを脱塩水105.0kg
に溶解させ、そこに合成雲母(コープケミカル社製、ソ
マシフ、ME−100F)30.0kgを添加、分散後
18時間攪拌し、脱塩水でろ過・洗浄した。硝酸クロム
(III)9水和物4.8kgを脱塩水7.5kgに溶
解させた水溶液を添加、室温で18時間攪拌した。この
とき、スラリー濃度が20.0重量%となるように調製
した。ろ過・脱塩水にて洗浄した後、固形分濃度19.
0重量%となるように調製した。そこに合成スメクタイ
ト(コープケミカル社製、SWN)をスラリー中の全固
形分に対して5重量%となるように添加し、十分分散し
た後、該スラリーを噴霧乾燥機にて乾燥・造粒し、球状
の造粒粒子を得た。得られた粉体を更に、ロータリー・
キルンを用いて、温度260℃、向流窒素気流下(窒素
流量49Nm/hr)で、3kg/hrの速さ(滞留
時間10分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で回収した。
【0063】(ii)触媒調製および予備重合 容量10リットルの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプ
タン4.0リットル、(i)で得られた合成雲母の粒子
75.9gを導入した。これに600ミリリットルのト
ルエンに溶解したビス(1−n−ブチル−3−メチルシ
クロペンタジニエル)ジルコニウムジクロリド8.99
mmolの溶液を添加し、30℃で10分間攪拌した。
引き続きトリエチルアルミニウム107.7mmolを
添加し、系の温度を60℃とした。10分後エチレンガ
スを導入し、2.4時間反応を続けた。この間に生成し
たポリエチレンは540gであった。
【0064】(iii)エチレン−1−ヘキセン共重合 上記(ii)の予備重合触媒を使用してエチレン−ヘキ
セン気相重合を行った。すなわち、エチレンと1−ヘキ
センとの混合ガス(1−ヘキセン/エチレン=3.9
%)が循環する連続式気相重合反応器に固体触媒成分と
して112mg/hr、トリエチルアルミニウムとジエ
チルアルミニウムモノエトキシドを、各々170mg/
hr、198mg/hrを間欠的に供給した。重合反応
の条件は83℃、エチレン分圧18kg/cm、平均
滞留時間4.2hrであった。生成ポリエチレンの平均
重合レートは285g/hrであった。得られたエチレ
ン・ヘキセン共重合体AのMFRは1.5g/10
分、密度は0.922g/cm であった。
【0065】(iv)ペレット化 上記のエチレン・ヘキセン共重合体Aのパウダー10
0重量部に対し、酸化防止剤としてオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートを0.03重量部と、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンジホスホナイトを0.08重量部、中和剤としてステ
アリン酸亜鉛0.10重量部、アンチブロッキング剤
(B)として、富士タルク社製タルク「MT−7」を
0.13重量部、非イオン系界面活性剤(D)として
ジグリセリンモノステアレートを2.0重量部、ヒンダ
ードアミン系光安定剤(C)としてポリ{[6−
[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ]}を0.20重量部加え、これ
らを容量50リットルのスーパーミキサーを用いて、回
転数800rpm/分で5分間混合した後、スクリュー
径40mmφ、L/D26の単軸押出機で200℃、ス
クリュー回転数50rpmにて溶融混練してペレット化
した。このペレットについて、ヘキサン可溶分、MF
R、密度、FR、Mw/Mn、MTを測定し、Kの値を
計算して、その結果を表1に示した。
【0066】2.樹脂成分(A)の調製 (i)粘土鉱物の化学処理 樹脂成分Aの調製と同様の方法でCr処理合成雲母の
球状粒子を得た。ただし、ロータリー・キルンの温度を
200℃とした。
【0067】(ii)触媒の調製および予備重合 乾燥窒素流通下、80℃で2時間乾燥させた10リット
ルのオートクレーブにヘプタン4.0リットルを加え、
攪拌しながら30℃にコントロールした。予め200
℃、2時間減圧乾燥させた3価クロムイオン交換型合成
雲母の造粒品50g(平均粒径55ミクロン)、さらに
メタロセン錯体として4.0mmolのビス(n−ブチ
ルシクロペンタジニエル)ジルコニウムジクロリドのト
ルエン溶液を加え、窒素でおよそ0.5kg/cm
G(ゲージ圧)に加圧した後、その温度で10分間接触
させた。接触終了後、トリエチルアルミニウムのヘプタ
ン溶液(トリエチルアルミニウム192.5mmol)
を添加した後、60℃まで昇温し、その温度でさらに1
0分間接触させた。接触後、内圧が0.2kg/cm
−Gになるまで窒素をパージした後、エチレンを0.6
4リットル/分でフィードした。エチレンの積算フィー
ド量が仕込み合成雲母に対しておよそ8倍のエチレン量
になったところでエチレンのフィードを停止した後、残
重合し、圧力が0.1kg/cm−Gとなったところ
でオートクレーブを冷却しながら内部のエチレンをパー
ジして重合を停止させた。パージ後、内容物をオートク
レーブ下部の抜き出しラインより窒素で充分置換された
内容積2リットルのフラスコに抜き出した。静置、溶媒
のデカント後、減圧下、70℃で2時間乾燥を行った。
得られた触媒の重量は、402gであり、原料の合成雲
母に対して、8.0倍の重量であった。
【0068】(iii)エチレン−ヘキセン共重合 上記で得られた予備重合触媒を用いて気相重合を行っ
た。すなわち、エチレンと1−ヘキセンとの混合ガス
(1−ヘキセン/エチレン=2.3%)が循環する連続
式気相重合反応器に上記固体触媒成分を61.2mg/
hr、トリエチルアルミニウム120mg/hrとジエ
チルアルミニウムモノエトキシド139mg/hrをを
間欠的に供給した。重合反応の条件は83℃、エチレン
分圧18kg/cm−G、平均滞留時間4.0時間で
あり、生成ポリエチレンの平均重合レートは302g/
hrであった。得られたエチレン・ヘキセン共重合体A
のMFRは1.9g/10分、密度は0.923g/
cmであった。
【0069】(iv)ペレット化 上記のエチレン・ヘキセン共重合体Aのパウダー10
0重量部に対し、酸化防止剤としてオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートを0.03重量部と、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレ
ンジホスホナイトを0.08重量部、中和剤としてステ
アリン酸亜鉛0.10重量部、アンチブロッキング剤
(B)として水澤化学工業社製の合成シリカ「シルト
ンJC−30」を0.16重量部、非イオン系界面活性
剤(D)としてジグリセリンモノステアレートとグリ
セリンものステアレートの7:3(重量比)混合物を
1.0重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(C)と
してN,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,
6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリア
ジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−
ジアミンとコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン重縮合物の9:1(重量比)混合物を0.
30重量部加え、これらを容量50リットルのスーパー
ミキサーを用いて、回転数800rpm/分で5分間混
合した後、スクリュー径40mmφ、L/D26の単軸
押出機で200℃、スクリュー回転数50rpmにて溶
融混練してペレット化した。このペレットについて、ヘ
キサン可溶分、MFR、密度、FR、Mw/Mn、MT
を測定し、Kの値を計算して、その結果を表1に示し
た。
【0070】実施例1 内層部樹脂として樹脂成分Aを用い、外層部樹脂とし
てエチレン・酢酸ビニル共重合体(ノバテックEVA
LV241、酢酸ビニル含量7.5wt%、日本ポリケ
ム社製)100重量部に、無機化合物としてハイドロタ
ルサイト(商品名:DHT4A、協和化学社製)を6重
量部及び、ヒンダードアミン系光安定剤(C)として
ポリ{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}を0.20重量
部及び、防曇剤(D)としてジグリセリンモノステア
レートを2.0重量部を配合しペレット化したものを用
い、180℃の温度で、三菱化学エンジニアリング社製
多層インフレーションフィルム成形機にて成形すること
により、内層30μm、外層70μmからなる二層イン
フレーションフィルムを得た。この二層フィルムのにつ
いて評価を行った。内層及び中間層の組成を表1〜2
に、二層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0071】実施例2 外層部樹脂のエチレン・酢酸ビニル共重合体に添加され
る無機化合物を、リチウム‐アルミニウム系包接化合物
(商品名:ミズカラック、水澤化学工業社製)とした点
を除き、実施例1と同様に成形し、二層インフレーショ
ンフィルムを得た。内層及び中間層の組成を表1〜2
に、二層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0072】実施例3 内層部樹脂として樹脂成分Aを用い、中間層部樹脂と
してエチレン・酢酸ビニル共重合体(ノバテックEVA
LV420、酢酸ビニル含量15wt%、日本ポリケ
ム社製)100重量部に、無機化合物としてDHT4A
を9重量部及び、ヒンダードアミン系光安定剤(C
を0.20重量部及び、防曇剤(D)を2.0重量部
を配合しペレット化したものを用い、外層部樹脂として
エチレン・酢酸ビニル共重合体(ノバテックEVA L
V120、酢酸ビニル含量1.5wt%、日本ポリケム
社製)100重量部に、アンチブロッキング剤(B
として富士タルク社製タルク「MT−7」を0.13重
量部及び、ヒンダードアミン系光安定剤(C)を0.
20重量部及び、防曇剤(D)を2.0重量部を配合
しペレット化したものを用い、180℃の温度で、三菱
化学エンジニアリング社製多層インフレーションフィル
ム成形機にて成形することにより、内層20μm、中間
層60μm、外層20μmからなる三層インフレーショ
ンフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行
った。内層、中間層及び外層の組成を表1〜3に、三層
フィルムの評価結果を表4に示す。
【0073】実施例4 外層部樹脂を、エチレン・α−オレフィン共重合体(ノ
バテックLLUF230、日本ポリケム社製)とした点
を除き、実施例3と同様に成形し、三層インフレーショ
ンフィルムを得た。内層、中間層及び外層の組成を表1
〜3に、三層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0074】実施例5 外層部樹脂を、内層部樹脂として使用のエチレン−ヘキ
セン共重合体とした点を除き、実施例3と同様に成形
し、三層インフレーションフィルムを得た。内層、中間
層及び外層の組成を表1〜3に、三層フィルムの評価結
果を表4に示す。
【0075】実施例6 中間層樹脂のエチレン・酢酸ビニル共重合体に添加され
る無機化合物を、ミズカラックとした点を除き、実施例
5と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得
た。内層、中間層及び外層の組成を表1〜3に、三層フ
ィルムの評価結果を表4に示す。
【0076】実施例7 内層部樹脂として、樹脂成分Aの添加剤をアンチブロ
ッキング剤(B)として、タルク「MT−7」の代わ
りに、竹原化学工業社製タルク「HE5」を0.16重
量部に変更し、防雲剤(D)として、ジグリセリンモ
ノステアレートの代わりに、ジグリセリンモノステアレ
ートとグリセリンモノステアレートの7:3(重量比)
ブレンド品を1.0重量部に変更した点を除き、実施例
3の外層部樹脂と同様のものを用い、中間層部樹脂とし
てエチレン・酢酸ビニル共重合体(ノバテックEVA
LV540、酢酸ビニル含量20wt%、日本ポリケム
社製)100重量部に、無機化合物としてDHT4Aを
9重量部及び、ヒンダードアミン系光安定剤(C)を
0.20重量部及び、防雲剤(D)を2.0重量部配
合しペレット化したものを用い、外層部樹脂として、内
層部樹脂として使用のエチレン−ヘキセン共重合体10
0重量部に、アンチブロッキング剤(B)を0.16
重量部及び、防雲剤(D)を2.0重量部及び、ヒン
ダードアミン系光安定剤(B)を0.2重量部配合し
ペレット化したものを、実施例3と同様に成形し、三層
インフレーションフィルムを得た。内層、中間層及び外
層の組成を表1〜3に、三層フィルムの評価結果を表4
に示す。
【0077】実施例8 内層部樹脂として樹脂成分(A)を用い、中間層樹脂
として、実施例3で用いた中間樹脂の、ヒンダードアミ
ン系光安定剤(C)に代えて、ヒンダードアミン系光
安定剤(C)としてN,N’,N’’,N’’’−テ
トラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−
2,2,6,6−テトラメチルピペジリン−4−イル)
アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデ
カン−1,10−ジアミンとコハク酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物の9:1(重
量比)混合物を0.30重量部に変更し、防曇剤
(D)に代えて、防曇剤(D)としてジグリセリン
モノステアレートとグリセリンモノステアレートの7:
3(重量比)混合物2.0重量部に変更した点を除き、
実施例3の中間層部樹脂と同様のものを用い、外層部樹
脂として、内層部に使用の樹脂成分(A)の防曇剤
(D)を2.0重量部に増加させたものを用い、実施
例3と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを
得た。内層、中間層及び外層の組成を表1〜3に、三層
フィルムの評価結果を表4に示す。
【0078】実施例9 実施例3の内層部、中間層部、外層部各層の防曇剤(D
)を除いた以外は、実施例3と同様に成形し、三層イ
ンフレーションフィルムを得た。この三層フィルムの外
層部表面へ下記の様に調整された流滴剤を、刷毛ロール
コーターにて塗布し、90℃の熱風乾燥を行い、固形分
量0.7g/mの流滴剤が塗布された三層インフレー
ションフィルムを得た。内層、中間層及び外層の組成を
表1〜3に、三層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0079】流滴剤の調製 2−ヒドロキシエチルメタクリレート75重量部、メタ
クリル酸25重量部及び、アゾビスイソプチロニトル
(反応触媒)0.5重量部をメタノール300重量部に
溶解し、これを60℃で5時間反応させて2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体のメタ
ノール溶液(固形分濃度約25重量%)を得た。この2
−ヒドロキシエチルメタクリレート・メタクリル酸共重
合体のメタノール溶液400重量部に、31重量%濃度
のアルコール分散コロイダルシリカ(日産化学社製メタ
ノールシリカ)167重量部、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル(界面活性剤)15重量部、シランカップ
リング剤5重量部及び、メタノール250重量部を混合
し、固形分濃度が約20重量%の塗布型流滴剤組成物を
得た。
【0080】比較例1 実施例3の中間層樹脂部の無機化合物DHT4Aを除い
た点以外は、実施例3と同様に成形し、三層インフレー
ションフィルムを得た。その評価結果を表2に示す。
【0081】比較例2 実施例3の内層部及び、中間層部及び、外層部に添加さ
れているヒンダードアミン系光安定剤(C)を除いた
点以外は、実施例3と同様に成形し、三層インフレーシ
ョンフィルムを得た。内層、中間層及び外層の組成を表
1〜3に、三層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0082】比較例3 実施例3の内層部及び、外層部に添加されているアンチ
ブロッキング剤(B)を除いた点以外は、実施例3と
同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。
内層、中間層及び外層の組成を表1〜3に、三層フィル
ムの評価結果を表4に示す。
【0083】比較例4 実施例3の内層部樹脂をエチレン・α−オレフィン共重
合体Aとして、市販の直鎖状低密度ポリエチレン(ノ
バテックLLUF230、α−オレフィン:1−プテン
含有量7重量%、日本ポリケム社製)とした点及び、内
層部、中間層部、外層部各層の防曇剤(D)を除いた
点以外は、実施例3と同様に成形し、三層インフレーシ
ョンフィルムを得た。内層、中間層及び外層の組成を表
1〜3に、三層フィルムの評価結果を表4に示す。
【0084】比較例5 実施例3の内層部樹脂をエチレン・α−オレフィン共重
合体Aとして、メタロセン触媒を用いて製造された市
販の直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィン:1−
ヘキセン含有量8重量%)とした点を除き、実施例3と
同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。
内層、中間層及び外層の組成を表1〜3に、三層フィル
ムの評価結果を表4に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、強度、防塵
性、展張作業性の全てに優れ、焼却時の問題も少なく、
保温性、耐候性、防曇持続性を備えた農業用積層フィル
ムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 10/00 C08F 10/00 4J028 C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES 4J100 C08K 3/00 C08K 3/00 5/17 5/17 C08L 23/08 C08L 23/08 55/00 55/00 Fターム(参考) 2B024 DB01 DB07 2B029 EB03 EC03 EC16 EC20 4F071 AA15X AA20X AA21X AA81 AA82 AA88 AC12 AE05 AE22 AF05Y AF14 AF30 AF56 AF57 AG02 AH01 BA01 BB06 BC01 4F100 AA02B AK04A AK62A AK68B AL05A AL05B BA02 CA05A CA07A EH20 GB04 JD04 JK01 JL01 JL07 JL09 JN01 4J002 BB051 BB151 DJ006 DJ016 DJ046 EF058 EH048 EH058 EU077 FD047 FD206 FD208 FD318 GA01 4J028 AA01A AB00A AB01A AC00A AC01A AC10A AC28A AC39A AC41A AC42A AC44A AC49A BA00A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC15B BC24B CA13A CA13C CA14A CA14C CA15A CA15C CA16A CA16C CA21A CA21C CA30A CA30C CA36A CA36C CA44A CA44C CA49A CA49C CA54A CA54C CA56A CA56C CB53A CB53C CB54A CB54C CB55A CB55C DA01 EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB13 EB14 EB16 EB17 EC02 FA04 GA06 GA07 GA08 GA22 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q CA04 DA40 DA41 DA42 DA43 DA47 FA10 JA64

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層フィルムの一層が、下記成分(A)
    〜(C)からなり、下記特性(D)〜(H)を有するポ
    リエチレン系樹脂組成物であり、もう一層が酢酸ビニル
    含有量が2.0〜30重量%のエチレン・酢酸ビニル共
    重合体100重量部と、Mg、Ca、Al、Liおよび
    Siの群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する
    無機化合物1〜20重量部と下記成分(C)とからな
    る、少なくともこの二層を含むことを特徴とする農業用
    積層フィルム。 成分(A):エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンとの共重合体 100重量部 成分(B):アンチブロッキング剤 0.03〜1.5
    重量部 成分(C):ヒンダードアミン系光安定剤 0.005
    〜5.0重量部 特性(D):フロ−レシオ(FR)が7.2以下である
    こと、 特性(E):MFRが0.1〜15g/10分であるこ
    と、 特性(F):密度が0.905〜0.940g/c
    、 特性(G):ヘキサン可溶分が2.5重量%以下である
    こと、 特性(H):以下に示すKの値が、0.15≦K≦4.
    0を満足すること、 (1)樹脂組成物のフロ−レシオ(FR)が、FR≦M
    w/Mn+4.4の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
    (0.0942Mw/Mn+0.664)e
    (−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
    −0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
    4Mw/Mn−0.128)e
    −MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
    .05Mw/Mn+0. 93)) (2)樹脂組成物のFRが、FR>Mw/Mn+4.4
    の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
    (0.0942Mw/Mn+0.664)e
    (−MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(
    −0.0 417Mw/Mn+0.382)+(0.46
    4Mw/Mn−0.128)e
    −MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0
    .05Mw/Mn+0. 93))−0.097(FR−
    0.9Mw/Mn)/(LogMFR+0.39) ただし、MFRは190℃、2.16kg荷重での測定
    値であり、FRは190℃における10kg荷重でのM
    FR測定値であるI10と、190℃における2.16
    kg荷重でのMFR測定値であるI2.16との比(I
    10/I2.1 )であって、MTは190℃、引張速
    度4m/分で測定した溶融張力(g)、Mwは重量平均
    分子量、Mnは数平均分子量を示す。また、eは自然対
    数の底を示す。
  2. 【請求項2】 エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
    ィンとの共重合体が、以下に示す触媒を用いて調製され
    たものであることを特徴とする請求項1に記載の農業用
    積層フィルム。 成分(a):メタロセン系遷移金属化合物、及び、 成分(b):塩類処理及び/又は酸処理を行って得られ
    た、 (b):無機珪酸塩、及び、 (b):珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物 からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を必須
    成分とするオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】 エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
    ィンとの共重合体が、下記の一般式(I)で表されるメ
    タロセン系遷移金属化合物を成分(a)とする、請求項
    2に記載の触媒を用いて調製されたものであることを特
    徴とする請求項1に記載の農業用積層フィルム。 R (CpR )(CpR )MX ・・・(I) (式中、Cpはシクロペンタジエニル基を表し、R
    長周期律表第14族元素を含む共有結合架橋基であり、
    iは0又は1であり、R及びRはハロゲン、珪素含
    有基、炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン含有炭
    化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基
    であり、2個のR或いはRがシクロペンタジエニル
    環に隣接して置換されている場合は互いに結合してC
    〜Cの環を形成していてもよく、m、nは0〜5の整
    数で、i+m=5及びi+n=5を満たし、Mは長周期
    律表第3、4、5、6族の遷移金属であり、X及びX
    はハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20の炭化水
    素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基を表
    す。)
  4. 【請求項4】 前記2層を含む積層フィルムの最内層
    へ、下記成分(B)および成分(C)を含み且つ、下記
    特性(E)を有する高圧法低密度ポリエチレン又は、エ
    チレン・α−オレフィン共重合体又は、酢酸ビニル含有
    量が2.0〜10重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合
    体を積層することを特徴とする請求項1記載の農業用積
    層フィルム。 成分(B):アンチブロッキング剤 0.03〜1.5
    重量部 成分(C):ヒンダードアミン系光安定剤 0.005
    〜5.0重量部 特性(E):MFRが0.1〜15g/10分であるこ
    と、
  5. 【請求項5】 前記積層フィルムの少なくとも1層に、
    樹脂100重量部に対して、防曇剤が0.05〜5.0
    重量部含まれてなることを特徴とする請求項1及び4に
    記載の農業用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 積層フィルムの外面に、親水性有機高分
    子化合物100重量部に対し、親水性無機コロイド物質
    が20〜150重量部の割合で配合されている流滴剤を
    コーティングしてなることを特徴とする請求項1及び4
    に記載の農業用積層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016152249A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 三菱樹脂株式会社 農業用フィルム
JPWO2018016617A1 (ja) * 2016-07-22 2019-05-09 デンカ株式会社 農業用フッ素含有積層フィルム及びそれを用いてなる農業用被覆資材

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