JP2001048997A - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

Info

Publication number
JP2001048997A
JP2001048997A JP11230083A JP23008399A JP2001048997A JP 2001048997 A JP2001048997 A JP 2001048997A JP 11230083 A JP11230083 A JP 11230083A JP 23008399 A JP23008399 A JP 23008399A JP 2001048997 A JP2001048997 A JP 2001048997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mfr
component
weight
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11230083A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihei Naka
善平 仲
Kiyomaro Sudo
清麿 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP11230083A priority Critical patent/JP2001048997A/ja
Publication of JP2001048997A publication Critical patent/JP2001048997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Greenhouses (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】透明性、強度、防塵性、展張作業性に優れ、焼
却時の問題も少なく、保温性、耐候性と必要に応じて防
曇持続性を備えた農業用フィルム。 【解決手段】下記成分(A)〜成分(C)のすべてを含
み、かつ、下記特性(D)〜(H)のすべてを有するポ
リエチレン系樹脂組成物からなる層を含むことを特徴と
する農業用フィルム。 成分(A): エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体。 成分(B): アンチブロッキング剤。 成分(C): ヒンダードアミン系光安定剤。 特性(D): 荷重を変えた場合の、MFRの比(F
R)が7.2以下。 特性(E): MFRが0.1〜15g/10分。 特性(F): 密度が0.905〜0.940g/cm
3 。 特性(G): へキサン可溶分が2.5重量%以下。 特性(H): 分子量、溶解張力から計算されるKの値
が0.15〜4.0。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウス、トンネル
栽培等に用いる農業用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウス栽培、トンネル栽培等では、一般
に被覆材として、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α
−オレフィン共重合体等からなる農業用フィルムが多量
に使用されている。中でも、ポリ塩化ビニルフィルム
は、保温性、透明性、強度に優れる為、現在最も多く使
用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニルフィルム
には、使用中の埃等の付着を防ぐ防塵性や、フィルムを
張る際の展張作業性に劣るという問題の他、焼却の際に
有毒ガスを発生する問題がある。一方、エチレン・酢酸
ビニル共重合体のフィルムは、焼却時の問題は少ないも
のの、透明性、強度に劣り、防塵性・展張作業性も不十
分である。他方、高圧法低密度ポリエチレンのフィルム
は、焼却時の問題が少なく、防塵性・展張作業性の点で
エチレン・酢酸ビニル共重合体のフィルムよりは優れる
ものの、未だ不十分であり、透明性、強度についても不
十分である。
【0003】また、エチレン・α−オレフィン共重合体
のフィルムは、焼却時の問題が少なく、防塵性、強度に
優れるが、展張作業性に優れるものは透明性が不十分で
あり、透明性が十分なものは展張作業性に劣るという問
題があった。このエチレン・α−オレフィン共重合体フ
ィルムの透明性と展張作業性を両立させる方法として、
特開平9−249774号公報にはシングルサイト触媒
によって重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
を用いることが提案されている。しかしながら、この方
法では透明性と展張作業性のバランスが改善されるもの
の、透明性は未だ十分ではなかった。十分な透明性を得
るためには高圧法低密度ポリエチレンをブレンドする方
法が考えられるが、この場合には強度が低下してしま
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、強
度、防塵性、展張作業性の全てに優れ、焼却時の問題も
少なく、保温性、耐候性と必要に応じて防曇持続性を備
えた農業用フィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するべく種々の検討を重ねた結果なされたものであ
る。すなわち、本発明の農業用フィルムは、下記成分
(A)〜成分(C)のすべてを含み、かつ、下記特性
(D)〜(H)のすべてを有するポリエチレン系樹脂組
成物からなる層を含むことを特徴とするものである。 成分(A): エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体100重量部 成分(B): アンチブロッキング剤 0.03〜1.
5重量部 成分(C): ヒンダードアミン系光安定剤 0.00
5〜5.0重量部 特性(D): FRが7.2以下であること 特性(E): MFRが0.1〜15g/10分である
こと 特性(F): 密度が0.905〜0.940g/cm
3 であること 特性(G): へキサン可溶分が2.5重量%以下であ
ること 特性(H): 下記式に従って計算されるKが0.15
〜4.0であること (1)FR≦Mw/Mn+4.4の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(-0.0417Mw/Mn+0.382)
(0.464Mw/Mn−0.128)e
(-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0.05Mw/Mn+0.93) ) (2)FR≦Mw/Mn+4.4の条件を満たさない場
合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
(0.0942Mw/Mn+0.664)e
(-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(-0.0417Mw/Mn+0.382)
(0.464Mw/Mn−0.128)e
(-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0.05Mw/Mn+0.93) )−0.
097(FR−0.9Mw/Mn)/(LogMFR+
0.39) 上記特性及び式において、MFRは190℃、2.16
kg荷重で測定したメルトフローレート(g/10分)
であり、FRは190℃、10kg荷重で測定したメル
トフローレートMFR’(g/10分)と、MFRとの
比(フローレシオ:MFR’/MFR)であり、MTは
190℃、引張速度4m/分で測定した溶融張力(g)
であり、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量で
ある。また、eは自然対数の底、Logは常用対数を示
す。
【0006】
【発明の実施の形態】1.構成成分 成分(A): エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体 成分(A)のエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
ンとの共重合体は、成分(A)〜成分(C)を含む樹脂
組成物として特性(D)〜特性(H)を満足する限り限
定されないが、α−オレフィンは、炭素数3〜12、好
ましくは4〜10のものが一種以上用いられる。具体的
には、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−へキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、又はこれらの混合物である。この
共重合体には、α−オレフィンに加えて、少量のポリエ
ン等が共重合されてもよい。そのようなポリエンとして
は、プタジエン、イソプレン、1,4−へキサジエン、
ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。
【0007】上記のエチレンと炭素数3〜12のα−オ
レフィンとの共重合体を得るための重合方法について
は、限定されるものではないが、所望の特性を有する共
重合体組成物を得るためには、オレフィン重合用触媒の
選択が重要である。
【0008】オレフィン重合用触媒 すなわち、成分(a)の、メタロセン系遷移金属化合
物、及び、成分(b)の、(b1)無機珪酸塩及び(b
2)無機珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物からなる
群より選ばれた少なくともl種の化合物で、水分含有率
が3重量%以下のものを、塩類処理及び/又は酸処理を
行なって得られたものを必須成分とするオレフィン重合
用触媒を用いることが重要である。
【0009】成分(a): メタロセン系遷移金属化合
物 オレフィン重合用触媒成分である成分(a)のメタロセ
ン系遷移金属化合物は、置換されていてもよい1個若し
くは2個のシクロペンタジエニル系配位子、すなわち置
換基が結合して縮合環を形成していてもよいl〜2個の
シクロペンタジエニル環含有配位子と周期律表第3〜6
族の遷移金属とからなる有機金属化合物、又は、それら
のカチオン型錯体である。かかるメタロセン系遷移金属
化合物として好ましいものは、下記の一般式[1]若し
くは[2]で表される化合物である。 一般式[1] (CpR1 a5-ap (CpR2 b5-bq MR3
r 一般式[2] [(CpR1 a5-ap (CpR2 b5-bq MR
3 rmn+[R4n-(上記一般式[1]及び[2]
中、CpR1 a5-a 及びCpR2 b5-b は、シクロ
ペンタジエニル(Cp)環上の5個の水素原子を、それ
ぞれ、a個のR1及びb個のR2 で置換したシクロペン
タジエニル系配位子を示す。a、bは、0〜5の整数で
ある。R1 、R2 は、置換されていてもよい炭素数l〜
20の炭化水素基、珪素含有置換基、ゲルマニウム含有
置換基、窒素含有置換基、燐含有置換基、酸素含有置換
基であり、各々同一でも異なっていてもよい。また、R
1 又はR2 が、他のCp環上のR1 若しくはR2 と又は
直接に他のCp環と結合して架橋基を形成してもよい。
さらに、同一のCp環上の2つのR1 又は2つのR2
が、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R3 は、
置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、水
素原子、ハロゲン原子、珪素含有置換基、窒素含有置換
基、燐含有置換基、酸素含有置換基であり、各々同一で
も異なっていてもよい。また、R3 は、R1 若しくはR
2 を介して又は直接にCp環と結合してシクロペンタジ
エニル系二座配位子を形成してもよい。さらに、2つの
3 が、相互に結合して二座配位子を形成してもよい。
Mは、周期律表第3〜6族の遷移金属原子であり、L
は、電気的に中性な配位子、mは1以上の整数を示す。
[R4 ]は、n価のカチオンを中和する1個以上のアニ
オンであり、2個以上の場合は同じでも異なっていても
よい。p、q、rは、0又は正の整数であり、Mの原子
価数がVの場合、一般式[1]では、p+q+r=Vを
満たし、一般式[2]では、p+q+r=V−nを満た
す。また、nは、1〜V−1の整数である。)
【0010】R1 、R2 は、置換されていてもよい炭素
数l〜20の炭化水素基、珪素含有置換基、ゲルマニウ
ム含有置換基、窒素含有置換基、燐含有置換基、酸素含
有置換基であり、各々同一でも異なっていてもよい。置
換されていてもよい炭素数l〜20の炭化水素基は、具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニ
ル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等の
アリール基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フ
ルオロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、
クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、
ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、
ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素基等を挙げるこ
とができる。また、珪素含有置換基としては、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル
基等を、窒素含有置換基としては、ジメチルアミド基、
ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジイソプロピ
ルアミド基等を、燐含有置換基としては、メチルホスフ
ィド基、エチルホスフィド基、フェニルホスフィド基等
を、酸素含有置換基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェ
ノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキ
シ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−
トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオアル
コキシ基、エチルチオアルコキシ基、プロピルチオアル
コキシ基、ブチルチオアルコキシ基、t−ブチルチオア
ルコキシ基、フェニルチオアルコキシ基等のチオアルコ
キシ基等を挙げることができる。これらの中でも好まし
いR1 、R2 は、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基
のような炭素数l〜4のアルキル基、トリメチルシリル
基、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、フ
ェノキシ基のようなアリールオキシ基等である。
【0011】また、R1 とR2 は、他のCp環上のR1
若しくはR2 と結合して、又は直接に他のCp環と結合
して架橋基を形成してもよい。形成される架橋基は、具
体的には、メチレン基、エチレン基のようなアルキレン
基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン
基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基の
ようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチル
シリレン基、ジプロピルシリレン基、ジイソプロピルシ
リレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレ
ン基、メチルフェニルシリレン基、メチルイソプロピル
シリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基のような珪
素含有架橋基、ジメチルゲミレン基、ジエチルゲミレン
基、ジプロピルゲミレン基、ジイソプロピルゲミレン
基、ジフェニルゲミレン基、メチルエチルゲミレン基、
メチルフェニルゲミレン基、メチルイソプロピルゲミレ
ン基、メチル−t−ブチルゲミレン基のようなゲルマニ
ウム含有架橋基、メチルイミノ基、エチルイミノ基のよ
うな窒素含有架橋基、メチルホスフィニレン基、エチル
ホスフィニレン基のような燐含有置換基等を挙げること
ができる。なお、これらの架橋基を介して結合された2
つのCp環は、遷移金属原子の二座配位子を形成する。
さらに、同一のCp環上の2つのR1 又は2つのR2
が、互いに結合して縮合環を形成してもよい。形成され
る縮合環の基は、具体的には、インデニル基、テトラヒ
ドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒドロフル
オレニル基等が好ましく挙げられ、これらは置換されて
いてもよい。
【0012】R3 は、置換されていてもよい炭素数1〜
20の炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、珪素含有
置換基、燐含有置換基、窒素含有置換基、酸素含有置換
基であり、各々同一でも異なっていてもよい。具体的
に、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニ
ル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等の
アリール基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フ
ルオロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、
クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、
ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、
ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素基等を挙げるこ
とができる。また、ハロゲン原子としては、弗素原子、
塩素原子、臭素原子、沃素原子を、珪素含有置換基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基等を、窒素含有置換基としては、ジメ
チルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド
基、ジイソプロピルアミド基等のアミド基を、燐含有置
換基としては、メチルホスフィド基、エチルホスフィド
基、フェニルホスフィド基等を、酸素含有置換基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ
基等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ
基、ペンタメチルフェノキシ基、p−トリルオキシ基、
m−トリルオキシ基、o−トリルオキシ基等のアリール
オキシ基、メチルチオアルコキシ基、エチルチオアルコ
キシ基、プロピルチオアルコキシ基、ブチルチオアルコ
キシ基、t−ブチルチオアルコキシ基、フェニルチオア
ルコキシ基等のチオアルコキシ基を挙げることができ
る。これらの中でも好ましいものとして、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、フェニル基、塩素原子等のハロゲン原子、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、
ジメチルアミド基、メチルチオアルコキシ基を挙げるこ
とができ、中でも、水素原子、メチル基、塩素原子が特
に好ましい。
【0013】また、R3 は、R1 若しくはR2 を介して
Cp環と結合して又は直接にCp環と結合してシクロペ
ンタジエニル系二座配位子を形成してもよい。このよう
な配位子の具体例として、−CpH4 (CH2n O−
(1≦n≦5)、−CpMe 4 (CH2n O−(l≦
n≦5)、−CpH4 (Me2 Si)(t−Bu)N
−、−CpMe4 (Me2 Si)(t−Bu)N−等
(Cpはシクロペンタジエニル基、Meはメチル基、B
uはブチル基を示す。)が挙げられる。さらに、2つの
3 が相互に結合して二座配位子を形成してもよい。こ
のようなR3 の具体例としては、−OCH2 O−、−O
CH2 CH2 O−、−O(o−C64 )O−等を挙げ
ることができる。
【0014】Mは、周期律表第3〜6族の遷移金属原子
であり、具体的には、3族のスカンジウム、イットリウ
ム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウ
ム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビ
ウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリ
ウム、イッテルビウム、ルテチウム、アクチニウム、ト
リウム、プロトアクチニウム、ウラン;4族のチタニウ
ム、ジルコニウム、ハフニウム;5族のバナジウム、ニ
オブ、タンタル;6族のクロム、モリブデン、タングス
テンが挙げられる、これらのうち、4族のチタニウム、
ジルコニウム、ハフニウムが好ましく用いられる。ま
た、これらは混合して用いてもよい。
【0015】Lは、電気的に中性な配位子、mはその個
数で1以上の整数を示す。電気的に中性な配位子は、具
体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンのようなエーテル類、アセトニトリルのような
ニトリル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、
トリメチルホスフィンのようなホスフィン類、トリメチ
ルアミンのようなアミン類を挙げることができる。好ま
しくはテトラヒドロフラン、トリメチルホスフィン、ト
リメチルアミンである。
【0016】[R4 ]は、n価のカチオンを中和する1
個以上のアニオンであり、2個以上の場合は同じでも異
なっていてもよい。このようなアニオンは、具体的に
は、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリル)ボ
レート、カルバドデカボレート、ジカルバウンデカボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェ
ートである。a、bは0〜5の整数である。p、q、r
は、0又は正の整数であり、Mの原子価数がVの場合、
一般式[1]のメタロセン系化合物では、p+q+r=
Vを満たし、一般式[2]のメタロセン系化合物では、
p+q+r=V−nを満たす。通常、p、qは0〜3の
整数で、好ましくは0又は1である。rは0〜3の整数
で好ましくは1又は2である。また、nは0≦n≦Vを
満たす整数である。)
【0017】上述のメタロセン系遷移金属化合物は、具
体的には、ジルコニウムを例にとれば、一般式[1]に
相当するものとしては、(1)ビス(メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2)ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロラ
イド、(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(4)ビス(エチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(5)ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、(6)
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒ
ドリド、(7)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド、(8)ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(9)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
(10)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(11)ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジメチル、(12)ビス(トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(13)ビス
(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、(14)イソプロピリデン−ビス
(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(15)イ
ソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウムジヒ
ドリド、(16)ペンタメチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(17)ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(18)イソプ
ロピリデン−(シクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(19)イソプロピリ
デン−(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジル
コニウムジメチル、
【0018】(20)ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(21)ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(22)ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、(23)メ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(24)メチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、(25)ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(26)イ
ンデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(27)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、(28)インデニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジルコニウムジ
メチル、(29)トリメチルシクロペンタジエニル(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(30)
トリフルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、(31)トリ
フルオロメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(32)ビス(シクロ
ペンタジエニル)(トリメチルシリル)(メチル)ジル
コニウム、(33)メチレン−ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、(34)エチレン−
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、(35)ジメチルシリレン−ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル(36)ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、(37)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムトリフルオロメタンスルホナトクロライド、(3
8)ビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリプルオ
ロメタンスルホナト)、(39)エチレン−ビス(イン
デニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホ
ナト)、
【0019】(40)ジメチルシリレン−(第3級ブチ
ルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジベンジル、(41)インデニルジルコニウム
トリス(ジメチルアミド)、(42)エチレン−(第3
級ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(43)ジメチルシリ
レン−(第3級ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(44)ジ
メチルシリレン−(フェニルホスフィド)(テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(45)ビス(l,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(46)ビス(1−エ
チル−3−メチルシクロペンタジェニル)ジルコニウム
ジクロライド、(47)ビス(1−n−プロピル−3−
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、(48)ビス(1−i−プロピル−3−メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(4
9)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、
【0020】(50)ビス(1−i−ブチル−3−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(51)ビス(1−シクロヘキシル−3−メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(52)
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(53)ビス(l−エチル−3−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(5
4)ビス(l−n−プロピル−3−メチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(55)ビス(1−
n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(56)ビス(1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミ
ド)、(57)ビス(1−エチル−3−メチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)、
(58)ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(ジエチルアミド)等が
ある。
【0021】また、一般式[2]に相当するものとして
は、(1)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、(2)ビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニ
ルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(3)ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(4)ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、(5)ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(6)ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(7)ビス(インデニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(8)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒド
ロフラン錯体、(9)ビス(トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、
【0022】(10)イソプロピリデン−ビス(インデ
ニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、(11)イソプロピ
リデン−ビス(インデニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(12)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコ
ニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)テトラ
ヒドロフラン錯体、(13)ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、(14)イソプロピリデン−(シクロペンタジ
エニル)(フルオレニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(15)ビス(シクロペンタジエニル)(メチル)ジル
コニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、(16)メチルシクロペンタジエニル(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(17)
ジメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(18)インデニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(19)トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフ
ェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
【0023】(20)ビス(シクロペンタジエニル)
(トリメチルシリル)ジルコニウム(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、(21)ビス(シク
ロペンタジエニル)(トリメチルシリルメチル)ジルコ
ニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体、(22)エチレン−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(23)ジメチルシリ
レン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、(24)エチレン−ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(25)ジメチルシリレ
ン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチ
ル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、(26)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェニルボレート)
テトラヒドロフラン錯体、(27)ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウム(メタンスルホナト)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、等があ
る。また、これらの化合物の混合物を用いてもよい。さ
らに、チタニウム化合物、ハフニウム化合物等の第3、
4、5、6族金属化合物についても、上記と同様の化合
物が挙げられる。
【0024】成分(b):オレフィン重合用触媒成分で
ある成分(b)としては、(b1)無機珪酸塩及び(b
2)無機珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物からなる
群より選ばれた少なくとも一種の化合物を用いる。
【0025】(b1)無機珪酸塩 無機珪酸塩としては、ゼオライト、珪藻土及び大部分の
粘土を挙げることができる。また、粘土は、通常、粘土
鉱物を主成分として構成される。これらゼオライト、珪
藻土、粘土、粘土鉱物は、天然に産出する鉱物を用いて
もよいし、人工合成物であってよい。また、これらは、
特に処理を行うことなくそのまま用いてもよいし、ボー
ルミル、篩分け、酸処理等の処理を行った後に用いても
よい。また単独で用いても、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0026】・粘土、粘土鉱物 粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロ
フェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、
アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等の
カオリン族、クリソタイル、リザルタイト、アンチゴラ
イト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトラ
イト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト
族、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、雲
母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタ
パルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、木節
粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライ
ト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を
形成していてもよい。これらの中では、モンモリロナイ
ト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、テニオライト
等のスメクタイト族、雲母、イライト等の雲母鉱物、バ
ーミキュライト等のバーミキュライト鉱物が好ましい。
【0027】(b2)無機珪酸塩を除くイオン交換性層
状化合物 無機珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物としては、六
方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、C
dI2 型等の、イオン結合等によって構成される面が互
いに弱い結合力で平行に積み重なった、層状の結晶構造
を有するイオン結晶性化合物等を例示することができ
る。このような結晶構造を有するイオン交換性層状化合
物の具体例としては、α−Zr(HAsO42 ・H2
O、α−Zr(HPO42 、α−Zr(KPO42
・3H2 O、α−Ti(HPO42 、α−Ti(HA
sO42 ・H2 O、α−Sn(HPO42 ・H2
O、γ−Zr(HPO42 、γ−Ti(HPO4
2 、γ−Ti(NH4 PO42 ・H2 O等の多価金属
の結晶性酸性塩があげられる。これらは特に処理を行う
ことなくそのまま用いてもよいし、ボールミル、篩分
け、酸処理等の処理を行った後に用いてもよい。また単
独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】塩類処理及び/又は酸処理 本発明の好ましい態様においては、上述の(b1)無機
珪酸塩及び(b2)無機珪酸塩を除くイオン交換性層状
化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物
を、塩類処理及び/又は酸処理することによって、オレ
フィン重合用触媒成分の一である成分(b)の化合物が
得られる。これらの処理は、フィルムの性能、特に透明
性を向上させる。しかして、塩類処理も酸処理も施され
ていない状態で、無機珪酸塩及び無機珪酸塩を除くイオ
ン交換性層状化合物からなる群より選ばれた少なくとも
一種の化合物は、通常、交換可能な周期律表第1族金属
(通常、例えばNa、K)の陽イオンを含有する。その
ような周期律表第1族金属の陽イオンの含有量は、0.
1重量%好ましくは0.5重量%であることが望まし
い。
【0029】塩類処理及び/又は酸処理によって、固体
の酸強度を変えることができる。また、塩類処理は、イ
オン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面
積や層間距離を変えることができる。すなわち、イオン
交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高
いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の
層状物質を得ることができる。その場合、塩類で処理さ
れる前の、無機珪酸塩及び無機珪酸塩を除くイオン交換
性層状化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の
化合物の含有する交換可能な周期律表第1族金属の陽イ
オンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示
す塩類より解離した陽イオンとイオン交換することが必
要である。
【0030】・塩類 このようなイオン交換を目的とした塩類処理では、陽イ
オンとして、周期律表第2〜14族の原子を含む塩類が
用いられる。好ましくは、周期律表第2〜14族の原子
を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸及び有機酸か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから
なる塩類であり、さらに好ましくは、周期律表第2〜1
4族の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、P
4 、SO4 、NO3 、CO3 、C24 、ClO4
OCOCH3 、CH3 COCHCOCH3 、OCl2
O(NO32 、O(ClO42 、O(SO4 )、O
H、O2 Cl2 、OCl3 、OCOH、OCOCH2
3 、C244 及びC 657 からなる群から選
ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる塩類であ
る。具体的には、CaCl2 、CaSO4 、Ca(NO
32 、MgCl2 、MgBr2 、MgSO4 、Mg3
(PO42 、Mg(NO32 、Mg(ClO4
2 、Ti(OCOCH34 、Ti(CO32 、Ti
(NO34 、Ti(SO42 、TiF4 、TiCl
4 、Zr(CO32 、Zr(NO34 、Zr(SO
42 、ZrCl4 、VOSO4 、VOCl3 、VCl
3 、VCl4 、VBr3 、CrO2 Cl2 、CrF3
CrCl3 、CrBr3 、Cr(NO33 、Cr2
(SO43 、Co(CH3 COCHCOCH33
CoCO3、CoC24 、CoF2 、NiCO3 、N
iC24 、CuBr2 、Cu(OCOCH32 、Z
n(CH3 COCHCOCH32 、Zn(OCOCH
3 2 、Zn(OOCH)2 、ZnCO3 、Zn(SO
4 )、Zn(NO32 、ZnCl2 、AlCl3 、A
l(NO33 、GeI4 、GeBr4 、Sn(OCO
CH34 、PbSO4 、Pb(NO32 、Pb(C
lO42 、PbI2等の塩類が挙げられる。これらの
中では、CrO2 Cl2 、CrF3 、CrCl 3 、Cr
Br3 、Cr(NO33 、Cr2 (SO43 、Ti
(NO34 、Ti(SO42 、TiF4 、TiCl
4 、Zr(CO32 、Zr(NO3 4 、Zr(SO
42 、ZrCl4 等、陽イオンとして、周期律表第4
〜6族の原子を含む塩類が特に好ましい。
【0031】・酸 酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のA
l,Fe,Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させ
る。酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、安息
香酸等の有機酸から選択される。
【0032】上記の、塩類処理及び/又は酸処理に用い
る塩類及び酸は、2種以上であってもよい。塩類処理と
酸処理を組み合わせる場合においては、塩類処理を行っ
た後、酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩類処理
を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法が
ある。
【0033】・処理条件 塩類処理及び/又は酸処理の処理条件は、特には制限さ
れないが、通常、塩類及び酸濃度は、0.1〜30重量
%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時
間の条件を選択して、無機珪酸塩及び無機珪酸塩を除く
イオン交換性層状化合物からなる群より選ばれた少なく
とも一種の化合物を構成している物質の少なくとも一部
を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類及び
酸は、一般的には水溶液で用いられる。上記塩類処理及
び/又は酸処理に際し、その処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理等の他の化学処理を併用してもよ
い。このようにして得られる成分(b)の化合物成分と
しては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容
積が0.1cm3 /g以上、特には0.3〜5cm3
gのものが好ましい。
【0034】加熱処理 これら無機珪酸塩及び無機珪酸塩を除くイオン交換性層
状化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合
物には、通常、吸着水及び層間水が含まれる。本発明に
おいては、これらの吸着水及び層間水を除去して(b)
化合物成分を得る。ここで、吸着水とは粘土、粘土鉱物
又はイオン交換性層状化合物粒子の表面又は結晶破面に
吸着された水で、層間水は結晶の層間に存在する水であ
る。本発明では、加熱処理によりこれらの水分を除去し
たものを用いることが、望ましい。粘土、粘土鉱物及び
層間水の吸着水及び層間水を除去するための、加熱処理
方法は特に制限されず、加熱脱水、気体流通下の加熱脱
水、減圧下の加熱脱水及び有機溶媒との共沸脱水等の方
法が用いられる。加熱温度は、層間水が残存しないよう
に、100℃以上、好ましくは150℃以上の温度から
選ばれるが、構造破壊を生じるような高温条件は好まし
くない。また、空気流通下での加熱等、架橋構造を形成
させるような加熱脱水方法は、触媒の重合活性が低下
し、好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ま
しくは1時間以上である。その際、加熱処理後の成分
(b)の化合物の水分含有率、すなわち、温度200
℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した後の重量
(これを、水分含有量0重量%とする)に対する残存水
分の重量の百分率が、3重量%以下であることが重要で
あり、好ましくは、1重量%以下、0重量%以上であ
る。
【0035】成分(B): アンチブロッキング剤 本発明に用いるアンチブロッキング剤としては、特に制
限はなく、例えば、二酸化珪素、滑石、ゼオライト等が
挙げられる。さらに詳細には、天然シリカ、合成シリ
カ、滑石、A型ゼオライト、Pc型ゼオライト、X型ゼ
オライト等が挙げられ、何れも酸変性やイオン交換等の
処理が施されていてもよい。アンチブロッキング剤は、
単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、何
れも平均粒径が10μm以下のものが好ましい。アンチ
ブロツキング剤の配合量は、成分(A)100重量部に
対して0.03〜1.5重量部であり、好ましくは、
0.08〜0.5重量部である。配合量が上記範囲未満
であると、展張作業性が十分でなく、上記範囲を超える
と、フィルムの透明性が悪化する。
【0036】成分(C): ヒンダードアミン系光安定
剤 本発明で用いられる光安定剤は、ヒンダードピペリジン
構造を含む化合物で、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル
−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テ
トラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル
ベンゾエート、ビス−(1,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネー
ト、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)セバケート、1,1’−(1,2
−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチル
ピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,
4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミツクスト1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリ
デシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート、ミックスト{2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3
−9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、ミックスト{1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,
β’,β’−テトラメチル−3−9−[2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ
ル}−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレー
ト、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン−2−4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]
−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、N,
N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエ
タンとの縮合物、[N−(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)−2−メチル−2−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]プロ
ピオンアミド、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル][[(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ]}等が挙げられる。これらの光安定剤は、単独で用
いても2種類以上の混合物として用いてもよい。光安定
剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.0
05〜5.0重量部であり、好ましくは、0.01〜
2.0重量部である。配合量が上記範囲未満であると、
耐候性が十分でなく、上記範囲を超えると、フィルム表
面へのブルーミング現象が起こり好ましくない。
【0037】成分(I): 非イオン系界面活性剤 本発明で用いられる非イオン系界面活性剤としては、数
平均分子量が1000未満のものが用いられ、グリセリ
ンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリ
セリンモノステアレート、ジグリセリンモノラウレー
ト、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノ
ステアレート、トリグリセリンモノステアレート等のグ
リセリン系界面活性剤、ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノベヘネー
ト、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と高級
脂肪酸とのエステル等のソルビタン系界面活性剤、ポリ
エチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレング
リコールモノステアレート、ポリエチレングリコールア
ルキルフェニルエーテルエーテ等のポリエチレングリコ
ール系界面活性剤、トリメチロールプロパンモノステア
レート等のトリメチロールプロパン系界面活性剤、ペン
タエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリト
ールモノステアレート、ジペンタエリスリトールモノス
テアレート等のペンタエリスリトール系界面活性剤、ラ
ウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸とジエタノール
アミンとの縮合生成物等のアミド系界面活性剤、パーフ
ロロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面
活性剤、オルガノポリシロキサンのアルキレンオキサイ
ド付加物等のシリコン系界面活性剤等が挙げられる。こ
れらの界面活性剤は、単独で用いても2種類以上の混合
物として用いてもよい。これらの中でも好ましくは、グ
リセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレー
ト、ジグリセリンモノパルミテート、シグリセリンモノ
ステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアレート、パルミチン酸、ステアリン酸とジエタノー
ルアミンの縮合生成物から選ばれる1種又は2種以上の
混合物が用いられる。界面活性剤の配合量は、成分
(A)100重量部に対して0.05〜5.0重量部で
あり、好ましくは、0.5〜3.0重量部である。配合
量が上記範囲未満であると、初期の流滴性が十分でな
く、上記範囲を超えると、フィルムの透明性が悪化す
る。フィルムが多層構成の場合には、界面活性剤は、1
層のみに限らず、全層に配合してもよい。
【0038】その他の配合剤(任意成分) 本発明の農業用フィルムを構成する、成分(A)〜成分
(C)のすべてを含むポリエチレン系樹脂組成物からな
る層は、特性(D)〜特性(H)のすべてを満足する限
り、高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンや高密度
ポリエチレン等のポリエチレン樹脂を含んでいてもよい
し、ポリプロピレン等のポリエチレン以外の樹脂を含ん
でいてもよい。また、本発明の効果を著しく阻害しない
範囲内で、上記ポリエチレン系樹脂組成物には、任意の
付加的成分、例えば、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収
剤、保温剤、滑剤、帯電防止剤、核剤、結露防止剤、分
子量調整剤、着色剤、衝撃改良剤、充填剤、難燃剤、接
着性向上剤、印刷性向上剤等を配合することもできる。
【0039】混練・造粒 上述の成分(A)エチレンと炭素数3〜12のα−オレ
フィンとの共重合体100重量部、成分(B)アンチブ
ロッキング剤 0.03〜1.5重量部及び成分(C)
ヒンダードアミン系光安定剤 0.005〜5.0重量
部に、必要により成分(I)非イオン系界面活性剤
0.05〜5.0重量部、その他の配合剤を、上述の特
性(D)〜特性(H)のすべてを満足するような、所定
の配合割合で配合し、溶融混練又はドライブレンドする
ことにより、本発明の農業用フィルムに用いるポリエチ
レン系樹脂組成物を得ることができる。但し、ドライブ
レンドする場合には、成分(B)アンチブロッキング
剤、成分(C)ヒンダードアミン系光安定剤、成分
(I)非イオン系界面活性剤及びその他の配合剤につい
ては、配合剤の均一分散の観点から、マスターバッチ方
式を採ることが好ましい。上記溶融混練は、一般に一軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキ
サー、ブラベンダープラストグラフ、ニ一ダー等の通常
の混練機を用いて、通常170〜250℃の温度で混練
し、好適には造粒することによって、本発明の農業用フ
ィルムに用いるポリエチレン系樹脂組成物を得ることが
できる。この場合、各成分の分散を良好にすることがで
きる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は
一軸押出機、又は二軸押出機を用いて混練・造粒が行わ
れる。
【0040】2.特性 このようにして得られた上述の成分(A)〜成分(C)
のすべてを含むポリエチレン系樹脂組成物は、下記の理
由から、所定の特性(D)〜特性(H)のすべてを有す
ることが必要である。なお、それぞれの特性の定義は、
請求項1において行った通りであり、測定法の詳細は、
実施例の項に記載する。 特性(D): FR ポリエチレン系樹脂組成物のFRは7.2以下、好まし
くは7.0以下であること。FRが上記範囲を超過する
とフィルムの透明性が低下すると同時に、フィルムの強
度も低下する。
【0041】特性(E): MFR ポリエチレン系樹脂組成物のMFRは0.1〜15g/
10分、好ましくは0.2〜5g/10分、さらに好ま
しくは0.5〜2g/10分の範囲にあること。MFR
が上記範囲未満では成形時の押し出し負荷が高くなって
加工性が低下する。一方、MFRが上記範囲を超過する
と成形安定性が低下すると同時に、フィルムの強度も低
下する。
【0042】特性(F): 密度 ポリエチレン系樹脂組成物の密度は0.905〜0.9
40g/cm3 、好ましくは0.905〜0.935g
/cm3 、さらに好ましくは0.910〜0.930g
/cm3 の範囲にあること。密度が上記範囲未満では展
張作業性が低下する。一方、密度が上記範囲を超過する
とフィルムの透明性や強度が低下する。
【0043】特性(G): ヘキサン可溶分 ポリエチレン系樹脂組成物のへキサン可溶分は2.5重
量%以下、好ましくは2.2重量%以下、さらに好まし
くは1.8重量%以下であること。へキサン可溶分が上
記範囲を超過すると展張作業性が低下する。
【0044】特性(H): K ポリエチレン系樹脂組成物について、上述のKの値が
0.15〜4.0、好ましくは0.20〜3.0を満足
すること。Kの値が上記範囲未満ではフィルムの透明性
が不十分である。一方、Kの値が上記範囲を超過しても
フィルムの透明性が却って悪化する。
【0045】成形 このようにして得られた上述の成分(A)〜成分(C)
のすべてを含み、かつ、特性(D)〜(H)のすべてを
有するポリエチレン系樹脂組成物を、厚みが30〜20
0μmになるようにインフレーション成形、Tダイ成形
等により製膜することにより、本発明の農業用フィルム
又は農業用フィルムを構成する層を得ることができる。
また、共押出インフレーション成形や共押出Tダイ成形
等により、多層構成のフィルムとすることもできる。そ
の場合、少なくとも一層は、上述の成分(A)〜成分
(C)のすべてを含み、かつ、特性(D)〜(H)のす
べてを有するポリエチレン系樹脂組成物からなる厚みが
30〜200μmの層であることが必要である。本発明
によれば、透明性、強度、防塵性、展張作業性に優れ、
焼却時の問題も少なく、保温性、耐候性と必要に応じて
防曇持続性を備えた農業用フィルムを提供することがで
きる。
【0046】
【実施例】以下の実施例及び比較例において用いた測定
方法及び測定条件は、以下の通りである。 (1)FR JIS K6760に準拠し、190℃、10kg荷重
の条件でメルトフローレートMFR’を測定し、これと
下記(2)のメルトフローレートMFRの比、MFR’
/MFRを計算し、FRとした。 (2)MFR(g/10分) JIS K6760に準拠し、190℃、2.16kg
荷重の条件で測定した。(3)密度(g/cm3 ) JIS K6760に準拠して測定した。
【0047】(4)へキサン可溶分(重量%) プレス成形機を用いて、190℃で0.1mm厚のプレ
スシートを作製し、そのプレスシートを10mm×50
mmの長方形に切り、これを合計でおおよそ5gとなる
ように集め、秤量する。この試料をヘキサン200cm
3 で高温用ソックスレー抽出器にて3時間還流抽出す
る。次いで室温まで冷却した後、抽出残分を減圧乾燥し
て重量を計り、元の重量から減圧乾燥後の重量を引いた
ものを元の重量で割り、100倍した値をへキサン可溶
分とした。
【0048】(5)Mw/Mn Mw/Mnは、武内著、丸善発行の「ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー」に準拠して値を求めた。すな
わち、分子量既知の標準ポリスチレン(東ソー社製単分
散ポリスチレン)を使用し、ユニバーサル法により、数
平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwに換算し、Mw
/Mnの値を求めた。測定はウォーターズ社製ISOC
‐ALC/GPCを用い、カラムは昭和電工社製AD8
0M/Sを3本使用し、試料はo‐ジクロロベンゼンに
溶解して0.2重量%溶液として200μlを使用し、
140℃、流速1ml/分で実施した。 (6)MT(g) (株)東洋精機製作所製キャピログラフを使用し、ノズ
ル径2.095mmφ、ノズル長8.00mm、流入角
180°、設定温度190℃で、ピストン押出速度1
0.0mm/分、引取速度4.0m/分の条件で測定し
た。
【0049】(7)へ一ズ(%) JIS K7105に準拠して測定した。 (8)エルメンドルフ引裂強度(kg/cm) JIS Z1702に準拠して、縦方向の測定値を示し
た。
【0050】(9)ブロッキング(展張作業性) インフレーションフィルム成形したチューブ状のフィル
ムサンプルを、チューブの軸方向の長さが20cmとな
るように軸方向に対して垂直に切断し、そのフィルムサ
ンプルの上下を、縦25cm、横35cmの長方形をし
たガラス板2枚ではさみ、ガラス板の上に15kgの荷
重を載せて、45℃に温度設定したギヤオーブン中で、
5日間保管後、荷重とガラス板を取り去り、密着したフ
ィルムを手で引き剥がし、口開き性を次のように3段階
評価した。 ○: ほとんど抵抗なく、引き剥がすことができる △: 引き剥がす際に抵抗があるか、フィルム表面に白
化や損傷の発生が認められる ×: かなりの抵抗があり、引き剥がすとフィルム表面
に白化や損傷の発生が認められるか、又は引き剥がすこ
とができない
【0051】(10)防曇性 内容量が200cm3 で上端面に傾斜構造を持つビーカ
ーに、水150cm3を入れ、インフレーション成形し
たフィルムをビーカーの上端周辺部に張り、ついで50
℃の恒温水槽中にビーカーを浸し、外気温を25℃に保
った状態で20日問保管し、1日後と20日後にビーカ
ー内側のフィルム表面の状態を肉眼で観察し、それぞれ
防曇性を次のような3段階を基準として評価した。 ○: フィルム表面に水滴が全く認められない △: フィルム表面の50%に水滴が付着している ×: フィルム表面全体に水滴が付着している
【0052】(11)耐候性(%) 耐候性評価は以下のように行った。上記の通り成形した
インフレーションフィルムから、JIS K6781に
準拠のダンベル打ち抜き刃型を用いてフィルムのTD方
向が引張方向と平行になるようにフィルムを打ち抜き、
ダンベル型試験片を得た。その試験片をブラックパネル
温度63℃、試料スプレー圧力1kg/cm2 、降水サ
イクル12分/60分に設定したスガ試験機(株)製
「スタンダード サンシャイン ウェザーメーター」W
EL−SUN−HC型を用いて促進試験を行い、350
時間後に試験片を取り出して、促進試験後の試験片と別
途保管しておいたウェザーメーターにかけていない試験
片についてJIS K6781に準拠して引張試験を実
施して、引張破断点伸度を測定した。促進試験後の試験
片の引張破断点伸度の値を促進試験していない試験片の
引張破断点伸度の値で割り、それを100倍した値
(%)を求め、耐候性指標とした。この値が大きいほど
耐候性に優れると判断する。
【0053】実施例1 (1)粘土鉱物の化学処理 硫酸亜鉛7水和物15.0kgを脱塩水105.0kg
に溶解させ、そこに合成雲母(コープケミカル社製、ソ
マシフ、ME−100F)30.0kgを添加、分散後
18時間撹拌し、脱塩水で濾過・洗浄した。硝酸クロム
(III)9水和物4.8kgを脱塩水7.5kgに溶
解させた水溶液を添加、室温で18時間撹拌した。この
とき、スラリー濃度が20.0重量%となるように調製
した。濾過・脱塩水にて洗浄した後、固形分濃度19重
量%となるように調製した。そこに合成スメクタイト
(コープケミカル社製、SWN)をスラリー中の全固形
分に対して5重量%となるように添加し、十分分散した
後、該スラリーを噴霧乾燥機にて乾燥・造粒し、球状の
粒子を得た。得られた粉体をさらに、ロータリーキルン
を用いて、温度260℃、向流窒素気流下(窒素流量4
9Nm3 /hr)で、3kg/hrの速さ(滞留時間1
0分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で回収した。
【0054】(2)触媒調製及び予備重合 上記(1)で得られた合成雲母の粒子75.9gを、容
量10リットルの誘導撹拌装置付き反応器に導入した。
これに600ミリリットルのトルエンに溶解したビス
(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド8.99mmo1の溶液を添
加し、30℃で10分間撹拌した。引き続きトリエチル
アルミニウム107.7mmo1を添加し、系の温度を
60℃とした。10分後エチレンガスを導入し、2.4
時間反応を続けた。この間に生成したポリエチレンは5
40gであった。
【0055】(3)エチレン・1−へキセン共重合 上記(2)で得られた予備重合触媒を用いて気相重合を
行った。すなわち、エチレンと1−へキセンとの混合ガ
ス(1−へキセン/エチレン=3.9%)が循環する連
続式気相重合反応器に上記固体触媒成分を112mg/
hr、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウム
モノエトキシドを、各々170mg/hr、198mg
/hrを間歇的に供給した。重合反応の条件は83℃、
エチレン分圧18kg/cm2 、平均滞留時間4.2時
間であった。生成ポリエチレンの平均重合レートは28
5kg/hrであった。得られたエチレン・へキセン共
重合体AのMFRは1.5g/10分、密度は0.92
3g/cm3 であった。
【0056】(4)ペレット化 上記のエチレン・ヘキセン共重合体Aのパウダ−100
重量部に対し、酸化防止剤としてオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)
プロピオネートを0.03重量部と、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフエニレ
ンジホスホナイトを0.08重量部、中和剤としてステ
アリン酸亜鉛0.10重量部、アンチブロッキング剤
(あ)として富士タルク社製タルク「MT−7」を0.
13重量部、非イオン系界面活性剤(a)としてジグリ
セリンモノステアレートを2.0重量部、ヒンダードア
ミン系光安定剤(ア)としてポリ{[6−[(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジイル][[(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレ
ン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]}を0.10重量部加え、これらを容量5
0リットルのスーパーミキサーを用いて、回転数800
rpmで5分間混合した後、スクリュー径40mmφ、
L/D26の単軸押出機で200℃、スクリュー回転数
50rpmにて溶融混練してペレット化した。このペレ
ットについて、FR、MFR、密度、ヘキサン可溶分、
Mw/Mn、MTを測定し、Kの値を計算して、その結
果を第1表に示した。
【0057】(5)フィルム成形 このペレットをスクリュー径40mmφ、L/D24の
押出機を備えたダイ径75mmφ、ダイリツプ幅3mm
のインフレーションフィルム成形機を用いて、温度20
0℃、スクリュー回転数50rpm、ブロ−アップ比
2.0、引取速度16.5m/分、フロストライン高さ
200mmの条件で成形して、幅230mm、厚み30
μmのインフレーションフィルムを得た。成形したフィ
ルムについて、へーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロ
ッキング、防曇性、耐候性を測定・評価した。結果は、
第1表に示した通りであった。
【0058】実施例2 実施例1で得たエチレン・へキセン共重合体Aを、実施
例1の(4)で、アンチブロッキング剤(い)としてタ
ルク「MT−7」の代わりに竹原化学工業社製タルク
「HE5」を0.16重量%加え、非イオン系界面活性
剤(b)としてジグリセリンモノステアレートの代わり
にジグリセリンモノステアレートとグリセリンモノステ
アレートの7:3(重量比)ブレンド品を1.0重量%
加えた以外は、実施例1と同様にしてペレット化、フィ
ルム成形し、ペレットについてはFR、MFR、密度、
ヘキサン可溶分、Mw/Mn、MTを測定し、Kの値を
計算して、成形したフィルムについてはへーズ、エルメ
ンドルフ引裂強度、ブロッキング、防曇性、耐候性を測
定・評価した。結果は、第1表に示した通りであった。
【0059】実施例3 (1)粘土鉱物の化学処理 実施例1の(1)と同様の方法で、Cr処理合成雲母の
球状粒子を得た。ただし、ロータリーキルンの温度を2
00℃とした。
【0060】(2)触媒調製及び予備重合 乾燥窒素流通下、80℃で2時間乾燥させた10リット
ルのオートクレーブにへプタン4.0リットルを加え、
撹拌しながら30℃にコントロ一ルした。予め200
℃、2時間減圧乾燥させた3価クロムイオン交換型合成
雲母の造粒品50g(平均粒径55μm)、さらにメタ
ロセン錯体として1.62g(4.0mmol)のビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライドのトルエン溶液を加え、窒素でおよそ0.5k
g/cm2 −G(ゲージ圧)に加圧した後、その温度で
10分間接触させた。接触終了後、トリエチルアルミニ
ウムのへプタン溶液(トリエチルアルミニウム192.
5mmol)を添加した後、60℃まで昇温し、その温
度でさらに10分問接触させた。接触後、内圧が0.2
kg/cm2 −Gになるまで窒素をパージした後、エチ
レンを0.64リットル/分でフィードした。エチレン
の積算フィード量が仕込み合成雲母に対しておよそ8倍
のエチレン量になったところでエチレンのフィードを停
止した後、残重合し圧力0.1kg/cm2 −Gとなっ
たところで、オートクレーブを冷却しながら内部のエチ
レンをパージして重合を停止させた。パージ後、内容物
をオートクレーブ下部の抜き出しラインより窒素で充分
置換された内容積2リットルのフラスコに抜き出した。
静置、溶媒のデカント後、減圧下、70℃で2時間乾燥
を行った。得られた触媒の重量は402gであり、原料
の合成雲母に対して、8.0倍の重量であった。
【0061】(3)エチレン・1−へキセン共重合 上記(2)で得られた予備重合触媒を用いて気相重合を
行った。すなわち、エチレンと1−へキセンとの混合ガ
ス(1−へキセン/エチレン=2.3%)が循環する連
続式気相重合反応器に上記固体触媒成分を61.2mg
/hr、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウ
ムモノエトキシドを、各々120mg/hr、139m
g/hrを間歇的に供給した。重合反応の条件は83
℃、エチレン分圧18kg/cm2 、平均滞留時間4.
0時間であった。生成ポリエチレンの平均重合レートは
302kg/hrであった。得られたエチレン・へキセ
ン共重合体BのMFRは1.9g/10分、密度は0.
924g/cm3 であった。
【0062】(4)ペレット化 上記のエチレン・へキセン共重合体Bのパウダー100
重量部に対し、酸化防止剤としてオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)
プロピオネートを0.03重量部と、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフエニレ
ンジホスホナイトを0.08重量部、中和剤としてステ
アリン酸亜鉛0.10重量部、アンチブロッキング剤
(う)として水澤化学工業社製の合成シリカ「シルトン
JC−30」を0.16重量部、非イオン系界面活性剤
(b)としてジグリセリンモノステアレートとグリセリ
ンモノステアレートの7:3(重量比)混合物を1.0
重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(イ)としてN,
N’,N”,N”’,−テトラキス−(4,6−ビス−
(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−
イル)−4,7一ジアザデカン−1,10−ジアミンと
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルビペリジ
ン重縮合物の9:1(重量比)混合物を0.30重量部
加え、これらを容量50リットルのスーパーミキサーを
用いて、回転数800rpmで5分間混合した後、スク
リュー径40mmφ、L/D26の単軸押出機で200
℃、スクリュー回転数50rpmにて溶融混練してペレ
ツト化した。このペレットについて、FR、MFR、密
度、へキサン可溶分、Mw/Mn、MTを測定し、Kの
値を計算して、その結果を第1表に示した。
【0063】(5)フィルム成形 このペレットをスクリュー径40mmφ、L/D24の
押出機を備えたダイ径75mmφ、ダイリツプ幅3mm
のインフレーションフィルム成形機を用いて、温度20
0℃、スクリュー回転数50rpm、ブローアップ比
2.0、引取速度16.5m/分、フロストライン高さ
200mmの条件で成形して、幅230mm、厚み30
μmのインフレーションフィルムを得た。成形したフィ
ルムについて、へーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロ
ッキング、防曇性、耐候性を測定・評価した。結果は、
第1表に示した通りであった。また、実施例1〜3で得
られた本発明の農業用フィルムは、焼却時に塩素ガスを
発生せず、使用中の埃の付着も少なく、実用上十分な保
温性を備えたものであった。
【0064】比較例1 エチレン・α−オレフィン共重合体Cとして日本ポリケ
ム社から市販されている直鎖状低密度ポリエチレン(α
−オレフィン:1−ブテン、1−ブテン含量7重量%)
「ノバテックLL F30FG」を、実施例1と同様に
してペレット化、フィルム成形し、ペレットについては
FR、MFR、密度、へキサン可溶分、Mw/Mn、M
Tを測定し、Kの値を計算して、成形したフィルムにつ
いてはへーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロッキン
グ、防曇性、耐候性を測定・評価した。結果は、第1表
に示した通りであった。
【0065】比較例2 直鎖状低密度ポリエチレンC 90重量部に、日本ポリ
ケム社から市販されている高圧法低密度ポリエチレンD
「ノバテックLD LF280」を10重量部加えた混
合物100重量部に対して、実施例1と同様にしてペレ
ット化、フィルム成形し、ペレットについてはFR、M
FR、密度、へキサン可溶分、Mw/Mn、MTを測定
し、Kの値を計算して、成形したフィルムについてはへ
ーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロッキング、防曇
性、耐候性を測定・評価した。結果は、第1表に示した
通りであった。
【0066】比較例3 エチレン・α−オレフィン共重合体Eとしてメタロセン
触媒を用いて製造された市販の直鎖状低密度ポリエチレ
ン(α−オレフィン:1−へキセン、1−ヘキセン含量
8重量%)を、180℃に設定したロール混練機を用い
て実施例1と同じ添加剤をそれぞれ実施例1と同量だけ
加えたシートを作製し、これをシートペレタイザーを用
いてペレツト化、実施例1の(5)と同様にしてフィル
ム成形し、ペレットについてはFR、MFR、密度、へ
キサン可溶分、Mw/Mn、MTを測定し、Kの値を計
算して、成形したフィルムについてはへ一ズ、エルメン
ドルフ引裂強度、ブロッキング、防曇性、耐候性を測定
・評価した。結果は、第1表に示した通りであった。
【0067】比較例4 実施例1で得たエチレン・へキセン共重合体Aを、実施
例1の(4)で、アンチブロッキング剤のタルク「MT
−7」を加えなかった以外は、実施例1と同様にしてペ
レツト化、フィルム成形し、ペレットについてはFR、
MFR、密度、へキサン可溶分、Mw/Mn、MTを測
定し、Kの値を計算して、成形したフィルムについては
へーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロッキング、防曇
性、耐候性を測定・評価した。結果は、第1表に示した
通りであった。
【0068】比較例5 実施例1で得たエチレン・ヘキセン共重合体Aを、実施
例1の(4)で、非イオン系界面活性剤のジグリセリン
モノステアレートを加えなかった以外は、実施例1と同
様にしてペレツト化、フィルム成形し、ペレットについ
てはFR、MFR、密度、ヘキサン可溶分、Mw/M
n、MTを測定し、Kの値を計算して、成形したフィル
ムについてはへーズ、エルメンドルフ引裂強度、ブロッ
キング、防曇性、耐候性を測定・評価した。結果は、第
1表に示した通りであった。
【0069】比較例6 実施例1で得たエチレン・へキセン共重合体Aを、実施
例1の(4)で、ヒンダードアミン系光安定剤のポリ
{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ア
ミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]
[[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}を加えなかった
以外は、実施例1と同様にしてペレツト化、フィルム成
形し、ペレットについてはFR、MFR、密度、へキサ
ン可溶分、Mw/Mn、MTを測定し、Kの値を計算し
て、成形したフィルムについてはへーズ、エルメンドル
フ引裂強度、ブロッキング、防曇性、耐候性を測定・評
価した。結果は、第1表に示した通りであった。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、強度、防塵
性、展張作業性に優れ、焼却時の問題も少なく、保温
性、耐候性と必要に応じて防曇持続性を備えた農業用フ
ィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/32 103 B32B 27/32 103 4J015 C08F 4/656 C08F 4/656 4J028 4/76 4/76 210/16 210/16 C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 5/3435 5/3435 C08L 23/08 C08L 23/08 23/16 23/16 Fターム(参考) 2B024 DB01 DB07 2B029 EB03 EC03 EC09 EC16 EC18 EC19 EC20 4F071 AA15 AA20 AA21 AA51 AA67 AA88 AB26 AB30 AC10 AC12 AC19 AF05Y AH01 BC01 BC11 4F100 AK62A BA01 CA07A CA17A CA18A GB01 JA06A JA13A JB08A JB11A JJ02 JK01 JL00 JL05 JL09 JN01 4J002 BB051 BB151 BP021 CH052 CP182 DJ006 DJ016 DJ046 EH058 EP008 EU077 EU087 EU187 FD047 FD206 FD312 FD318 GA01 4J015 DA06 DA07 DA08 DA10 DA37 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC28A AC31A AC39A AC41A AC42A AC44A AC50A BA01A BA01B BB01A BB01B BC15A BC24B CA30A CA54A CA56A DA01 DB04A EB02 EB09 EC02 FA04 GA07 GA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)〜成分(C)のすべてを含
    み、かつ、下記特性(D)〜(H)のすべてを有するポ
    リエチレン系樹脂組成物からなる層を含むことを特徴と
    する農業用フィルム。 成分(A): エチレンと炭素数3〜12のα−オレフ
    ィンとの共重合体100重量部 成分(B): アンチブロッキング剤 0.03〜1.
    5重量部 成分(C): ヒンダードアミン系光安定剤 0.00
    5〜5.0重量部 特性(D): FRが7.2以下であること 特性(E): MFRが0.1〜15g/10分である
    こと 特性(F): 密度が0.905〜0.940g/cm
    3 であること 特性(G): へキサン可溶分が2.5重量%以下であ
    ること 特性(H): 下記式に従って計算されるKが0.15
    〜4.0であること (1)FR≦Mw/Mn+4.4の条件を満たす場合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
    (0.0942Mw/Mn+0.664)e
    (-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(-0.0417Mw/Mn+0.382)
    (0.464Mw/Mn−0.128)e
    (-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0.05Mw/Mn+0.93) ) (2)FR≦Mw/Mn+4.4の条件を満たさない場
    合、 K=MT−(0.196Mw/Mn−0.197+
    (0.0942Mw/Mn+0.664)e
    (-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(-0.0417Mw/Mn+0.382)
    (0.464Mw/Mn−0.128)e
    (-MFR+0.025Mw/Mn+0.445)/(0.05Mw/Mn+0.93) )−0.
    097(FR−0.9Mw/Mn)/(LogMFR+
    0.39) 上記特性及び式において、MFRは190℃、2.16
    kg荷重で測定したメルトフローレート(g/10分)
    であり、FRは190℃、10kg荷重で測定したメル
    トフローレートMFR’(g/10分)と、MFRとの
    比(フローレシオ:MFR’/MFR)であり、MTは
    190℃、引張速度4m/分で測定した溶融張力(g)
    であり、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量で
    ある。また、eは自然対数の底、Logは常用対数を示
    す。
  2. 【請求項2】ポリエチレン系樹脂組成物が、下記成分
    (I)を含むことを特徴とする請求項1に記載の農業用
    フィルム。 成分(I): 非イオン系界面活性剤 0.05〜5.
    0重量部
  3. 【請求項3】エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィ
    ンとの共重合体が、下記成分(a)及び成分(b)を含
    むオレフィン重合用触媒を用いて調製されたものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用フィル
    ム。 成分(a): メタロセン系遷移金属化合物 成分(b): 下記(b1)及び(b2)からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の化合物 (b1): 無機珪酸塩 (b2): 無機珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物
  4. 【請求項4】成分(a)が、下記一般式[1]又は
    [2]で表されるメタロセン系遷移金属化合物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の農業用フィルム。 一般式[1] (CpR1 a5-ap (CpR2 b5-bq MR3
    r 一般式[2] [(CpR1 a5-ap (CpR2 b5-bq MR
    3 rmn+[R4n-(上記一般式[1]及び[2]
    中、CpR1 a5-a 及びCpR2 b5-b は、シクロ
    ペンタジエニル(Cp)環上の5個の水素原子を、それ
    ぞれ、a個のR1及びb個のR2 で置換したシクロペン
    タジエニル系配位子を示す。a、bは、0〜5の整数で
    ある。R1 、R2 は、置換されていてもよい炭素数l〜
    20の炭化水素基、珪素含有置換基、ゲルマニウム含有
    置換基、窒素含有置換基、燐含有置換基、酸素含有置換
    基であり、各々同一でも異なっていてもよい。また、R
    1 又はR2 が、他のCp環上のR1 若しくはR2 と又は
    直接に他のCp環と結合して架橋基を形成してもよい。
    さらに、同一のCp環上の2つのR1 又は2つのR2
    が、互いに結合して縮合環を形成してもよい。R3 は、
    置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、水
    素原子、ハロゲン原子、珪素含有置換基、窒素含有置換
    基、燐含有置換基、酸素含有置換基であり、各々同一で
    も異なっていてもよい。また、R3 は、R1 若しくはR
    2 を介して又は直接にCp環と結合してシクロペンタジ
    エニル系二座配位子を形成してもよい。さらに、2つの
    3 が、相互に結合して二座配位子を形成してもよい。
    Mは、周期律表第3〜6族の遷移金属原子であり、L
    は、電気的に中性な配位子、mは1以上の整数を示す。
    [R4 ]は、n価のカチオンを中和する1個以上のアニ
    オンであり、2個以上の場合は同じでも異なっていても
    よい。p、q、rは、0又は正の整数であり、Mの原子
    価数がVの場合、一般式[1]では、p+q+r=Vを
    満たし、一般式[2]では、p+q+r=V−nを満た
    す。また、nは、1〜V−1の整数である。)
JP11230083A 1999-08-16 1999-08-16 農業用フィルム Pending JP2001048997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230083A JP2001048997A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 農業用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230083A JP2001048997A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 農業用フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001048997A true JP2001048997A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16902292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11230083A Pending JP2001048997A (ja) 1999-08-16 1999-08-16 農業用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001048997A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011201967A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 C I Kasei Co Ltd マスターバッチペレット、およびその作製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011201967A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 C I Kasei Co Ltd マスターバッチペレット、およびその作製方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5501047B2 (ja) 無架橋発泡用ポリエチレン系樹脂組成物を含んでなる発泡成形体
US6953828B2 (en) Polymeric membrane compositions
US7220801B2 (en) Metallocene-produced very low density polyethylenes or linear low density polyethylenes as impact modifiers
JP5448956B2 (ja) ポリエチレン樹脂からなるフィルム
WO2007131958A1 (en) Use of propylene copolymer waxes for production of tacky plastics films
JPH11228760A (ja) ポリプロピレン系樹脂フイルム又はシート
JP2001045885A (ja) 農業用フィルム
JP2002363360A (ja) ポリプロピレン系無延伸フィルム
JP2001098028A (ja) 医療容器用ポリエチレン系樹脂及び医療容器
JP2001048997A (ja) 農業用フィルム
JP2009035581A (ja) 難燃性ポリプロピレン樹脂組成物
KR102467898B1 (ko) 고 탄성계수의 단일 부위 선형 저밀도 폴리에틸렌(lldpe)
JP2000001579A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JP3610377B2 (ja) ブロー成形用樹脂組成物からなる医療用容器
JP2021091881A (ja) プロピレン系重合体組成物及び成形品
JP5110747B2 (ja) ポリプロピレン系無延伸フィルム
JPH11293054A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JPH0834819A (ja) エチレン系重合体
JPH11293055A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JP2001045884A (ja) 農業用積層フィルム
JP2002020556A (ja) フイルム用ポリエチレン系樹脂組成物及びそれを成形して成るフイルム
JP2001081253A (ja) 飲料容器用ポリエチレン系樹脂組成物及び飲料容器
JP2000063437A (ja) 透明性に優れるエチレン・α−オレフィン共重合体
JP2012107106A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JPH06256594A (ja) フィラー含有樹脂組成物