JP3835742B2 - 耐農薬性を有する農業用フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた衝撃強度、引裂強度、保温性、防曇持続性及び、耐農薬性を有する農業用ポリエチレンフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
農業上の促成栽培を目的としたハウス栽培、トンネル栽培及びマルチ栽培などでは、一般に被覆資材として各種熱可塑性樹脂からなる農業用フィルムが多量に使用されている。主に使用されているフィルムとして、例えばポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム等があり、なかでもポリ塩化ビニルフィルムは、透明性、強靱性、保温性、防曇持続性等に優れており最も多く使用されている。
【0003】
しかしながら、ポリ塩化ビニルフィルムの場合は、同一体積でのフィルム重量が重く、かつベタツキがあるということから、ハウス展張作業性の面で劣る上、可塑剤への塵埃付着によりフィルムの透明性が悪化する、いわゆる防塵性が劣るという問題や廃棄焼却時に有毒ガスを発生するという問題がある。
一方、ポリエチレンフィルムは、ポリ塩化ビニルフィルムに比べ、価格、展張作業性、防塵性および廃棄処理の点で優れているものの、防曇持続性、透明性、強靱性、保温性が劣るという問題がある。
【0004】
また、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするフィルムを農業用フィルムに適用した場合は、上記ポリエチレンフィルムに比べ透明性、保温性が改善されるものの、ポリ塩化ビニルフィルムに比べると、依然として種々の点で及ばないという問題がある。
これらの問題を有するポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を農業用フィルムとして用いる場合、赤外線吸収能の高い無機添加剤を添加することによりそのフィルムの保温性を改良しようとする試みがこれまでになされ、例えば、無機添加剤としては、シリカ粉末(特公昭47−13853号公報)、マグネシウム化合物(特公平3−50791号公報)、ハイドロタルサイト(特公昭62−31744号公報)等が提案されている。
しかしながら、このようなポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体のようなポリエチレン系樹脂からなる農業用フィルムは、そのフィルムの保温性は改良されているものの、依然としてポリ塩化ビニルフィルムに比べ、透明性、強靱性が不充分である。
【0005】
このようなポリエチレン系樹脂フィルムの強靱性を改善するため、近年直鎖状低密度ポリエチレンの強靱性を利用する農業用フィルムが考案されるようになってきている。
例えば、特開昭58−160146号公報には、直鎖状低密度ポリエチレンを主体とする基材層と従来の製造法によるポリエチレン系樹脂層とを積層してなる農業用多層フィルムが提案されている。この農業用多層フィルムは、ある程度強靱性の面で改善しているものの、インフレーションフィルム成形加工時の欠点である折り目部強度に関し、なお改善が不充分であることに加え、透明性において、ポリ塩化ビニルフィルムに比べ劣るという問題がある。
【0006】
また、特開平1−182037号公報には、外層が直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂で形成され、内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂で形成されている農業用多層フィルムが提案されている。該公報記載の農業用多層フィルムも、前述の特開昭58−160146号公報記載の多層フィルムと同様に、強靱性、透明性において充分満足出来るものでないことに加え、結晶化度の異なる二層フィルムであることから、フィルム製品にカールが発生するという問題がある。
【0007】
また特開平9−249774号公報には、メタロセン触媒を用いたエチレン−α−オレフィン共重合体を主成分とする農業用フィルムが提案されている。該公報記載の農業用フィルムは強靱性、透明性はある程度改善されるものの、後述する耐農薬性を含めた耐候性において充分満足出来るものではない。
【0008】
農業用フィルムに使用した場合には、当然のことながら直射日光や風雨に曝される場所において使用されることから特に高度な耐候性能が要求される。
樹脂の耐候性を改善する方法として、例えば、特開昭56−41254号公報には、特定のフィラーとヒンダードアミン系光安定剤を配合してなる熱可塑性樹脂フィルムが提案されており、特開昭57−168933号公報には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を配合してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されている。
【0009】
また、農業用フィルムとして使用する場合においては、硫黄系、ハロゲン系などの酸性物質からなる農薬、土壌薫蒸剤が多く使用され、これが作用して例えばヒンダードアミン化合物などはその作用効果が低下し、それが原因となって耐候性が低下する。これを解決する目的で、例えば、特開昭63−175072号公報には、熱可塑性樹脂に光安定剤であるヒンダードアミン系化合物とハイドロタルサイト類化合物とを配合した耐農薬性を付与した農業用フィルムが提案されており、特開平8−48822号公報には、立体障害アミンおよび金属酸化物または水酸化物を含有する、耐光性および有害生物防除剤耐性を有するポリオレフィンフィルムが提案されており、特開平8−224049号公報には、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物および紫外線吸収剤を含有し、無機硫黄剤で土壌または植物を処理するハウス栽培に用いられることを特徴とするポリオレフィン系樹脂被覆フィルムが提案されているが、未だ満足できる性能のものは得られていない。
【0010】
また、特開平5−179052号公報、特開平6−248109号公報などには、ハイドロタルサイト類似のアルカリ金属−アルミニウム錯体を樹脂用安定剤とすることが提案されているが、これを高い耐候性、耐農薬性などが要求される農業用フィルムに使用した場合には未だ十分な効果は得られない。
【0011】
従って、これらの問題を解消するため、上述した従来の農業用フィルムと比べ耐候性、耐農薬性、強靱性、保温性、防曇性などの改良された農業用フィルムの出現が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐候性、耐農薬性、衝撃強度、引裂強度、保温性、防曇性に優れた農業用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂とヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂及び、紫外線吸収剤を特定混合比で配合とすることにより上記目的を達成できることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、(B)エチレンと環状アミノビニル化合物とを共重合させて得られたヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体、および(C)ベンゾフェノン系またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を主要成分とする樹脂層を含むことを特徴とするフィルムであって、
(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が、
▲1▼メルトフローレートが、0.1〜10g/10分の範囲内で、
▲2▼密度(D1)が、0.880〜0.928g/cm3の範囲内で、
▲3▼示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が50〜130℃の範囲内であり、かつ、
▲4▼該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関係が関係式
Tem≦286D1−137
を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体であり、
(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂100重量部に対する(B)及び(C)の配合量が、(B)のエチレン系共重合体中の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位の重量と(C)の紫外線吸収剤の重量の合計量が0.03〜5重量部となるような量であり、かつ、(B)のエチレン系共重合体中の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位と(C)の紫外線吸収剤との重量比が5:5〜9:1である耐農薬性を有する農業用フィルムを要旨とするものである。また、本発明は、本発明の(A)、(B)及び(C)を主要成分とする樹脂層中に防曇剤を配合したフィルム、(A)、(B)及び(C)を主要成分とする樹脂層を内層若しくは外層若しくはその両層に配した少なくとも3層以上の多層フィルム、中間層のオレフィン樹脂にMg、Ca、Al、Li及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無機化合物が1〜20重量%の割合で配合されているフィルム、更にフィルムの内面に親水性無機コロイド物質を主成分とする流滴剤をコーティングしたフィルムを要旨とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、以下の▲1▼から▲3▼の物性を示す。
【0015】
▲1▼ MFR
JIS−K7210による190℃、荷重2.16kgでのMFR(メルトフローレート)は、0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜6g/10分、より好ましくは0.5〜4g/10分である。該MFRが上記範囲より大きいと、強度が低下し且つ、フィルムの成膜が不安定となる。また、該MFRが上記範囲より小さいと、樹脂圧力が高くなり、成形加工性が悪くなることに加え、フィルム外観が悪くなる。
【0016】
▲2▼ 密度
JIS−K7112による密度は、0.880〜0.928g/cm3、好ましくは0.885〜0.926g/cm3、より好ましくは0.890〜0.924g/cm3、である。該密度が上記範囲より大きいと、透明性、衝撃強度が不良となる。また、密度が小さすぎると、フィルムの腰が悪化したり、フィルム表面にベタつきが生じるので好ましくない。
【0017】
▲3▼ 示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる微分融解曲線に見られる融解ピークは1つであり、該融解ピークの補外融解終了温度(Tem)は50〜130℃、好ましくは60〜127℃、特に好ましくは70〜124℃の範囲である。更に該温度(Tem)と該共重合体自体の密度(D1)との関係については、次の関係式、Tem≦286D1−137を満たすことが必要である。好ましくはTem≦429D1−271、最も好ましくはTem≦571D1−404を満たすことが望ましい。
【0018】
上記微分融解曲線にピークがない場合は、フィルムにしたときにベタつきが生じるので好ましくない。上記微分融解曲線のピークは、好ましくは1本であり、ピークが2つ以上の場合は、透明性、衝撃強度、引張強度が不良となるので好ましくない。
上記ピークの補外融解終了温度(Tem)が上記範囲より小さい場合は、フィルムにしたときにブロッキングが生じ易くなる。また、該温度が上記範囲より大きい場合は、透明性、衝撃強度、引張強度が不良となるので好ましくない。
尚、該ピークの融解温度以外において融解する成分が認められる場合があるが、非常に融解挙動が緩やかであるものはピークとして認めない。
【0019】
また、本発明に用いられる(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、種々の方法により製造することが出来るが、好ましくは特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35005号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭60−35009号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、および国際公開公報WO91/04257号明細書等に記載されているようなメタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒を使用したりして、主成分のエチレンと従成分のα−オレフィンとを共重合させることにより製造できる。
【0020】
また、共重合されるα−オレフィンとしては、多くの場合、炭素数3〜18のα−オレフィンが用いられる。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4−ジメチル−1−ペンテン等が挙げられるが、これらα−オレフィンの中で、好ましくは炭素数4〜12のもの、特に好ましくは炭素数6〜10のものが望ましい。このα−オレフィンは、多くの場合、上記のものを1種選んで用いられるが、所望に応じて2種以上を同時に併用することもできる。また該α−オレフィンをエチレンと共重合させる場合には、該α−オレフィン2〜50重量%、好ましくは3〜35重量%、特に好ましくは5〜25重量%と、エチレン50〜98重量%、好ましくは75〜97重量%、特に好ましくは75〜95重量%とを共重合させるのが望ましい。
【0021】
また、共重合の方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等を挙げることができる。これらの中では、溶液法および高圧イオン重合法が好ましく、本発明の効果を更に大きく発揮することができる高圧イオン重合法が特に好ましい。
この高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58−225106号の各公報に記載されている方法であり、具体的には、圧力が100kg/cm2以上、好ましくは300〜2,000kg/cm2、温度が125℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下にて行われるエチレン系重合体の製造方法である。
次に、本発明に係る(B)のヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体としては、エチレン(a)と下記一般式(1)で示される環状アミノビニル化合物(b)
【0022】
【化2】
【0023】
(式中、R1及びR2は水素原子またはメチル基を、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ示す。)との共重合体であって、(a)と(b)との和に対する(b)の割合が1モル%未満、好ましくは0.1〜0.7モル%で、該共重合体のMFRが0.1〜200g/10分であるエチレン系共重合体を用いる。
【0024】
中でも該共重合体中に(b)が独立して存在する割合が(b)の総量に対して83%以上であるものが好ましい。上記一般式(1)で示されるビニル化合物の代表例を挙げれば下記の通りである。
4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クリトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クリトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
このヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体は、特開平4−80215号明細書に記載されている高圧ラジカル共重合法によって製造される。
このようなエチレン系共重合体としては、例えば日本ポリケム(株)製のコーカノックス(Kokanox)が好ましいものとして挙げられる。
【0025】
また、本発明で用いられる(C)の紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0026】
樹脂フィルム中の前記(B)のヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位重量と前記紫外線吸収剤の重量の合計量は、0.03〜5重量%で、好ましくは0.05〜4重量%である。0.03重量%未満では耐候性改良効果が少なく、5重量%超過ではこれ以上の耐候性の向上が望めず、経済的に不利である。
また、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位重量と紫外線吸収剤の重量との比率は、重量比で5:5〜9:1で、好ましくは6:4〜8:2である。比率が5:5を越えて紫外線吸収剤量が多くなると耐候性能の低下を招く、また、比率が9:1を越えて紫外線吸収剤量が少なくなると耐農薬性が低下傾向となる。
【0027】
次に、一般に、防曇性を付与していない農業用フィルムをハウスまたはトンネル等の被覆資材として用いた場合、土壌中から蒸発した水分が被覆フィルム内外の温度差によりフィルム内面に凝縮して水滴を形成し、この水滴によりフィルムが曇って太陽光線の一部を反射するためフィルムを透過する光線量が減少することからハウスまたはトンネル内の温度上昇効果を低下させる。また、フィルム内面に凝縮した水滴は、栽培作物上に落下し、幼芽、幼苗を痛めたり、また、病害発生の原因となるなどの悪影響がある。これらの悪影響に対し、フィルムに防曇剤の作用を示す界面活性剤を練り混んだものが用いられており、この防曇剤は、蒸発した水分がフィルム表面に水滴として滞留するのを防ぎ、水滴を膜状に広げ、フィルム内側表面に沿って流下させる作用を行うものである。防曇性を有する農業用フィルムは、練り込まれた防曇剤が、フィルム内部より表面に沿って拡散浸出し、フィルム表面に配位されて表面活性作用を発揮するものである。しかし、フィルム表面に配位した防曇剤は使用中に水滴によって流されてしまうので、フィルムの防曇性を持続させるには防曇剤を常にフィルム内部より表面に向かって移行させる必要がある。防曇性フィルムはこの防曇効果が長いほど、即ち防曇持続性に富んだものほど実際上好ましい。
【0028】
本発明で用いられる防曇剤としては一般に使用される防曇剤を使用することができる。例えば、ノニオン系、アニオン系、およびカチオン系の界面活性剤が使用される。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジステアレート、ジグリセリンモノオレエート、トリグリセリンジオレエート、ナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリル酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム硫酸塩の塩基性ピリジニウム塩などが挙げられる。
このうち、特に好ましいものは、炭素数が14〜22の脂肪酸と、ソルビタン、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールとのエステルあるいは、そのアルキレンオキサイド付加物を主成分とする非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0029】
本発明の農業用フィルムに添加される防曇剤量は、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂100重量部に対し、0.2〜5.0重量部、好ましくは0.4〜4.0重量部、特に好ましくは0.7〜3.0重量部である。防曇剤添加量が前述の範囲より少ないと、防曇性の発現が充分でなく、また、前述の範囲を越えると、フィルム成膜直後から防曇剤の表面への移行が顕著となり、ベタつきや透明性低下が問題となる。
【0030】
また、本発明で供される多層フィルムは、前述の(A)、(B)及び(C)を主要成分とする樹脂層を内層若しくは外層若しくはその両層に配した少なくとも3層以上の多層フィルムであり、その中間層オレフィン樹脂に、Mg、Ca、Al、及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無機化合物が1〜20重量%の割合で配合されているものである。
この中間層に用いられるオレフィン樹脂は、高圧法定密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等が好適にもちいられるが、前記(A)、(B)及び(C)を主要成分とする樹脂層を配しても何らさしつかえない。
【0031】
さらに、上記中間層オレフィン樹脂に添加される、Mg、Ca、Al、Li及びSiの群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する無機化合物としては、その酸化物、水酸化物または複合化合物のいずれの形態でもよく、具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、CaO、LiO、Al(OH)3、Mg(OH)2、Ca(OH)2、LiOH、また以下の一般式(I)及び(II)で表される化合物や、その焼成物等が挙げられる。
【0032】
【化3】
一般式 M2+ 1-xAlx(OH)2(An-)x/n・mH2O (I)
【0033】
式中、M2+はMg、CaおよびZnよりなる群から選ばれた二価金属イオンを示し、そして、xおよびmは、次の条件を満足するものである。
0<x<0.5、 0≦m≦2
【0034】
【化4】
一般式 Li+(Al3+)2(OH)6・(An-)1/n・mH2O (II)
【0035】
式中、An-はn価のアニオンを示し、nは1〜4の整数を示し、mは次の条件を満足するものである。
0≦m≦3
なお、これらの無機化合物は、1つまたは2つ以上を併用することができる。これら無機化合物は、平均粒径が10μm以下、好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下であるのが望ましい。平均粒径が大きすぎるとフィルムの透明性が損なわれるので好ましくない。
【0036】
さらに、本発明でフィルムの内面にコーティングされる流滴剤としては、親水性無機コロイド物質(イ)と有機高分子化合物(ロ)を含有する塗布型の流滴剤が使用できる。
(イ)の親水性無機コロイドとしては、例えばコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイド状のFe(OH)2、コロイド状のSn(OH)4、コロイド状のTiO2、コロイド状のBaSO4およびコロイド状のリチウムシリケート等が利用でき、なかでもコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好適である。
【0037】
(ロ)の有機高分子化合物としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、5−スルホイソフタル酸等の二価カルボン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価アルコールとから得られるポリエステル類;メトキシメチル化ナイロン、ポリアミンとダイマー酸のような二価カルボン酸とから得られるポリアミド類等、これらの縮重合型高分子;水酸基を有するビニル単量体50〜99.9重量%とα,β−不飽和カルボン酸0.1〜15重量%、必要により他のビニル単量体0〜35重量%との共重合体、その部分または完全中和体;スチレンスルホネート・アクリル酸低級アルキルエステル共重合体;ビニルピロリドン・スチレン・アクリルアミド・メタクリル酸低級アルキルエステル共重合体であり、これらは水溶液、水分散液の形態で使用される。
【0038】
上記水酸基含有ビニル単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等が使用でき、好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が使用でき、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸である。その他のビニル単量体としては、アクリル酸低級アルキルエステル、メタクリル酸低級アルキルエステル(低級アルキル基の炭素数は1〜8)、エチレン、酢酸ビニル、フェニルマレイミド等が使用できる。
これらの流滴剤は併用して用いられることもある。
必要により界面活性剤を親水性無機コロイド物質100重量部当たり、10〜50重量部の割合で配合してもよい。かかる界面活性剤は非イオン系でもアニオン系でもよい。
【0039】
本発明のフィルムを形成する(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体には、必要に応じて一般に樹脂組成物用として用いられている公知の各種補助添加成分、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系およびリン系酸化防止剤が好ましい)、アンチブロッキング剤、スリップ剤、熱安定剤、中和剤、着色剤、核剤等を配合することができる。
また、フィルムを成形する際の成形性をより良好なものとするために、エチレン重合体、例えば高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を必要に応じ添加することができる。この場合、その添加量は、ベースとなるエチレン−α−オレフィン共重合体の強靱性を実用上損なわない範囲として、5〜30重量%が好ましい。
【0040】
本発明の農業用フィルムは、所定の添加剤を配合したエチレン−α−オレフィン共重合体を公知の成形方法、即ち、空冷インフレーションフィルム成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレーションフィルム成形等で好適なフィルムを得ることができる。
フィルムの厚みは、30〜200μm、好ましくは50〜180μm、さらに好ましくは70〜150μmの範囲にあるのが好ましく、また、多層フィルムとする場合の多層構成比としては、外層の厚みが5〜100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmの範囲にあり、中間層の厚みが10〜150μm、好ましくは20〜120μm、さらに好ましくは30〜100μmの範囲にあり、内層の厚みが、5〜100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmの範囲にあるものが好ましい。
本発明のフィルムには、必要に応じてコロナ放電処理、フレーム処理、延伸処理、液剤塗布処理等の各種処理を行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
[1]物性の測定方法と評価方法
実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に示す方法によって実施した。
(1)物性の測定方法
(a)MFR:JIS−K7210に準拠して測定した。
(b)密度 :JIS−K7112に準拠して測定した。
(c)示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークの補外融解終了温度(Tem):熱プレスによって成形した100μmのフィルムから5mgの試料を秤量し、それをセイコー電子工業(株)製RDC220示差走査熱量測定装置にセットし、170℃に昇温してその温度で5分間保持した後、降温速度10℃/分で−10℃まで冷却した。次に1分間保持した後、昇温速度10℃/分で170℃まで昇温して測定を行った。その結果、−10℃から170℃に昇温してDSC曲線を得た。JIS−K7121に準拠し、DSC曲線の高温側のベースラインを低温側に延長した線と、融解ピークの高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度を補外融解終了温度(Tem)とした。
【0042】
(2)評価方法
(a)打ち抜き衝撃強度:JIS−P8134に準拠し、振り子の弧状の腕の先端に13mmの半球状の鏡面光沢を持った金属製の貫通部を取り付けて測定した。
【0043】
(b)薫蒸試験:各評価フィルムを、三重県四日市市の日本ポリケム(株)の試験圃場に設置したミニハウス(底辺80cm×150cm、高さ60cm)に被覆し、ミニハウス内部に設置したホットプレート上で硫黄5gを加熱することによって1時間薫蒸処理を行った。薫蒸処理の頻度は1回/1週とし、暴露されたフィルムを3ケ月毎にサンプリング実施し、それぞれのフィルムについて以下の測定を行い耐薫蒸性能を評価した。
引張破断点伸度JIS−K6781に準拠して、横方向の測定を行った。
【0044】
(c)防曇性:各評価フィルムを、三重県四日市市の日本ポリケム(株)の試験圃場に設置したハウス(間口2m、奥行き3m、高さ2m)に被覆し、フィルム内面の水滴付着状態を経時観察し、防曇性評価とした。
【0045】
<3段階評価>
○:フィルム内面全面に水膜を形成し、流滴状態を保持。
△:フィルム内面の一部に大粒の水滴が付着。
×:フィルム内面のほぼ全面に細かい水滴が付着し、流滴機能を喪失。
【0046】
(d)保温性
各評価フィルムを、三重県四日市市の日本ポリケム(株)の試験圃場に設置したハウス(間口2m、奥行き3m、高さ2m)に被覆し、冬期20日間の午前4時のハウス内の温度及びハウス外部の温度を測定し、その温度差の平均値を算出した。
【0047】
[II]各成分の調整
(1)エチレン−α−オレフィン共重合体Aの調整
(a)触媒の調整
触媒の調整は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー製メチルアルモキサンを、該錯体に対し1,000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調整した。
【0048】
(b)重合
内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が75重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、150℃の温度で反応を行った。
反応終了後、MFRが2.2g/10分、密度が0.915g/cm3で、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークが1つであり、補外融解終了温度(Tem)が113℃であるエチレン−1−ヘキセン共重合体を得た。
【0049】
(c)配合
得られた共重合体に、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−EPQ(サンド社製)を適当量配合し、成分Aを調整した。(2)エチレン−α−オレフィン共重合体Bの調整
(1)と同様の触媒、反応器を用いて、1−ヘキセンの供給量、反応器内の圧力、温度を変更して重合を行い、MFRが2.0g/10分、密度が0.905g/cm3で、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークが1つであり、補外融解終了温度(Tem)が105℃であるエチレン−1−ヘキセン共重合体を得た。
得られた共重合体に、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−EPQ(サンド社製)を適当量配合し、成分Bを調整した。
【0050】
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体Cの調整
(1)と同様の触媒、反応器を用いて、1−ヘキセンの供給量、反応器内の圧力、温度を変更して重合を行い、MFRが2.0g/10分、密度が0.935g/cm3で、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークが1つであり、補外融解終了温度(Tem)が131℃であるエチレン−1−ヘキセン共重合体を得た。
得られた共重合体に、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−EPQ(サンド社製)を適当量配合し、成分Cを調整した。
【0051】
(4)ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体の調整
内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレン及び酢酸エチルに溶解させた4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及び触媒としてノルマルヘキサンに溶解させたターシャリーブチルパーオキシピパレートを連続的に供給し、重合圧力2000kg/cm2、重合温度200℃で重合させた。
得られた共重合体のMFRは、2.7g/10分、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン単位の含量は5.0重量%であった。
【0052】
(5)塗布型防曇剤の調整
下記(a)〜(d)の有効成分をそれぞれの割合で混合して得られた防曇剤。(a)重合物−A:100重量部
(b)アルコール分散コロイダルシリカ:35重量部
(c)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤):15重量部
(d)メタノール:450重量部
ただし、上記成分中の重合物−Aは、下記成分(e)〜(h)の配合液を60℃で5時間反応させ、NH3 20%水溶液で中和した化合物である。
(e)2−ヒドロキシエチルアクリレート(反応触媒):0.5重量部
(f)アクリル酸:1重量部
(g)アゾビスイソブチロニトリル(反応触媒):0.5重量部
(h)メタノール:200重量部
【0053】
<単層フィルム>
実施例1
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.5重量部を配合した樹脂を用い、180℃の温度で三菱化学エンジニアリング(株)製多層インフレーションフィルム成形機にてフィルム成形を行った。この時、成形機の内層、中間層、外層へは同一の樹脂を投入し、実質単層構成の100μmのフィルムを得た。尚、内層及び外層には、アンチブロッキング剤としてダイカライト・ホワイトフィラー(ラサ商事社製)を0.5重量部、スリップ剤としてオレイン酸アミド0.2重量部配合した。
このフィルムについて評価を行い、その結果を表1に示す。
【0054】
実施例2
ビンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂の混合量を2重量部とした点を除き、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
実施例3
ビンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂の混合量を6重量部とした点を除き、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0055】
実施例4
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)0.05重量部を混合した樹脂を用い、実施例1と同様条件でフィルム成形を行った。得られたフィルムの外面に塗布型防曇剤を刷毛ロールコーターにて塗布、90℃の熱風乾燥を行い、固形分塗布量0.5g/m2の防曇処理を行ったフィルムを作成した。このフィルムについて評価を行い、その結果を表1に示す。
【0056】
実施例5
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂をBとした点を除き、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
比較例1
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、市販のヒンダードアミン型光安定剤A;ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]を0.15重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.5重量部を配合した樹脂を用い、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0057】
比較例2
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、市販のヒンダードアミン型光安定剤B;コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物を0.15重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.5重量部を配合した樹脂を用い、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0058】
比較例3
ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂の混合量を0.2重量部とした点、及び紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)を0.01重量部とした点を除き、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
比較例4
ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤の添加量を0.1重量部とした点を除き実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0059】
比較例5
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂4重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.5重量部を配合した樹脂を用い、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
比較例6
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂1重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.15重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.5重量部を配合した樹脂を用い、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
比較例7
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂をCとした点を除き、実施例1と同様に配合成形し、得られたフィルムを評価した。その結果を表1に示す。
【0061】
<積層フィルム>
実施例6
内層樹脂として、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.0重量部を配合した樹脂を用い、中間層樹脂として、EVA(ノバテックEVA LV420、酢酸ビニル含量15重量%、日本ポリケム(株)製)100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤2.0重量部と無機化合物としてハイドロタルサイト(商品名:DHT4A、協和化学(株)製)10重量部を配合した樹脂を用い、外層樹脂として、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂A100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤2.0重量部を配合した樹脂を用い、180℃の温度で三菱化学エンジニアリング(株)製多層インフレーションフィルム成形機にて成形することにより、内層20μm、中間層60μm、外層20μmからなる三層インフレーションフィルムを得た。内層及び外層には、アンチブロッキング剤としてダイカライト・ホワイトフィラー(ラサ商事社製)を0.5重量部、スリップ剤としてオレイン酸アミド0.2重量部配合した。
この三層フィルムについての評価を行い、その結果を表2に示す。
【0062】
実施例7
中間層樹脂に添加される無機化合物を、リチウム−アルミニウム系包接化合物(商品名:ミズカラック、水澤化学工業社製)とした点を除き実施例6と同様に配合成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
実施例8
内層及び中間層及び外層の各樹脂に添加されるソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが混合された防曇剤を除いた点、及び各層へ添加される紫外線吸収剤を(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)へ変更した点を除き実施例6と同様に配合成形し三層インフレーションフィルムを得た。得られたフィルムの外面に塗布型防曇剤を刷毛ロールコーターにて塗布、90℃熱風乾燥を行い、固形分塗布量0.5g/m2の防曇処理を行ったフィルムを作成した。このフィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0063】
実施例9
内層樹脂として、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂B100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤1.0重量部を配合した樹脂を用い、中間層樹脂として、EVA(ノバテックEVA LV420、酢酸ビニル含量15重量%、日本ポリケム(株)製)100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤2.0重量部と無機化合物としてハイドロタルサイト(商品名:DHT4A、協和化学(株)製)8重量部を配合した樹脂を用い、外層樹脂として、EVA(ノバテックEVA LV120、酢酸ビニル含量3.5重量%、日本ポリケム(株)製)100重量部に、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂3重量部と、紫外線吸収剤(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン)0.05重量部と、ソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤2.0重量部を配合した樹脂を用い、実施例6と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0064】
実施例10
中間層樹脂を、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂B100重量部へ変更した点、及び中間層樹脂へ添加される無機化合物の添加量を15重量部へ増加した点を除き、実施例6と同様に配合成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0065】
比較例8
内層及び中間層及び外層の各樹脂に添加されるヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体樹脂を、市販のヒンダードアミン型光安定剤B;コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物0.15重量部添加へ変更した点を除き、実施例6と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0066】
比較例9
中間層樹脂に添加される無機化合物を除いた点以外は、実施例6と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
比較例10
内層及び中間層及び外層の各樹脂に添加されるソルビタンモノステアレート/ポリグリセリンモノステアレート/アルキルアミンが2:1:0.3の比率で混合された防曇剤の添加量を0.1重量部とした点を除き、実施例6と同様に成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0067】
比較例11
内層及び外層の樹脂を、EVA(ノバテックEVA LV120、酢酸ビニル含量3.5重量%、日本ポリケム(株)製)100重量部とした点を除き、実施例6と同様に配合成形し、三層インフレーションフィルムを得た。この三層フィルムについて評価を行い、その結果を表2に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】
本発明で得られる農業用フィルムは、耐候性、耐農薬性、衝撃強度、引裂強度に優れ、特に硫黄系ハロゲン系などの酸性物質からなる農薬、土壌薫蒸剤の作用による耐候性の低下の少ない優れた農業用フィルムであり、農園芸産業上に貢献するところ大である。
Claims (7)
- (A)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、(B)エチレンと環状アミノビニル化合物とを共重合させて得られたヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体、および(C)ベンゾフェノン系またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を主要成分とする樹脂層を含むことを特徴とするフィルムであって、
(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が、
▲1▼メルトフローレートが、0.1〜10g/10分の範囲内で、
▲2▼密度(D1)が、0.880〜0.928g/cm3の範囲内で、
▲3▼示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が50〜130℃の範囲内であり、かつ、
▲4▼該補外融解終了温度(Tem)と密度(D1)との関係が関係式
Tem≦286D1−137
を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体であり、
(A)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂100重量部に対する(B)及び(C)の配合量が、(B)のエチレン系共重合体中の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位の重量と(C)の紫外線吸収剤の重量の合計量が0.03〜5重量部となるような量であり、かつ、(B)のエチレン系共重合体中の環状アミノビニル化合物に由来する構成単位と(C)の紫外線吸収剤との重量比が5:5〜9:1である耐農薬性を有する農業用フィルム。 - (A)のエチレン−α−オレフィン共重合体がメタロセン触媒を用いて製造されたポリマーである請求項1記載の農業用フィルム。
- (A)のエチレン−α−オレフィン共重合体が、炭素数3〜18のα−オレフィン共重合体である請求項1又は2記載の農業用フィルム。
- (A),(B)及び(C)を主成分とする樹脂層を内層若しくは外層若しくは両層に配した少なくとも3層以上の多層フィルムであり、その中間層のオレフィン樹脂に、Mg,Ca,Al,及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含有する酸化物、水酸化物または複合化合物が1〜20重量%の割合で配合されている請求項1〜4のいずれかに記載の農業用フィルム。
- (A)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂100重量部に対して、防曇剤が0.2〜5.0重量部含まれてなる請求項1〜5のいずれかに記載の農業用フィルム。
- フィルムの内面に、親水性無機コロイド物質を主成分とする流滴剤をコーティングしてなる請求項1〜6のいずれかに記載の農業用フィルム。
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