JP2001095395A - 農業用多層フィルム - Google Patents
農業用多層フィルムInfo
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Abstract
性の発現速さに優れ、及びこの防曇性が長期間持続され
る農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 メタロセン触媒により共重合して得られ
る下記の特性を有するエチレン−α−オレフィン共重合
樹脂(A)と高密度ポリエチレン樹脂(B)が重量比で
(A)/(B)=99/1〜70/30の範囲にあり、
かつ、当該樹脂が合計60重量%以上配合された樹脂組
成物からなる層が外層及び/又は内層に少なくとも1層
構成されてなる基体ポリオレフィン系樹脂フィルムの片
面又は両面に、疎水性アクリル系樹脂水分散液ポリウレ
タン水性組成物無機質コロイドゾルを主成分とする防曇
剤組成物に由来する塗膜が形成されてなることを特徴と
する農業用多層フィルム。
Description
に関するものである。更に詳しくは、優れた初期透明性
と、優れた防曇性を有する農業用ポリオレフィン系樹脂
多層フィルムに関するものである。
培して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化
ビニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、及びポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊
フィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用作物を
栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに
行われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体
とした特殊フィルムは、フィルム中に可塑剤を含まず化
学的構造も安定しているため、長期の使用にも光線透過
性は殆ど変わらず、焼却しても有害ガスの発生がなく、
更に、インフレーション成形法により、幅継ぎのための
接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供でき
ることなどから近年盛んに利用されるようになってきて
いる。
面が疎水性であるために、これを農業用ハウスの被覆資
材として使用すると、ハウス内の温度、湿度等の条件に
よっては、フィルムのハウス内側表面に曇りを生じる。
この曇りは、フィルムを透過する光線の量を少なくし、
植物の生育を遅くしたり、水滴が栽培植物に落下するこ
とにより、幼芽が害を受けたり、病害の発生の原因とな
ったり、ハウス内の作業者に不快感を与えるなど、種々
の不都合を生ずる。
ム表面に防曇性を付与すればよいことが知られている。
フィルム表面に防曇性を付与するには、界面活性剤のよ
うな親水性物資を練り込む方法、あるいは、フィルム表
面に親水性物質もしくは、水溶性高分子物質を塗布する
方法等が知られている。しかし、前者の方法は、練り込
まれた親水性物質が樹脂表面へブリードアウトすること
により、防曇性を発現させるものであるが、この方法で
はフィルムからの親水性物質のブリードアウトが速く、
該フィルムをハウスに展張後1年も経過すると防曇性の
効果が薄れるため、防曇持続性が甚だ不十分なものしか
得られておらず、後者の方法で防曇性を付与する試みが
されている。
昭51−81877号公報等には、アルミナゾルに界面
活性剤と親水性ポリマーを加えたもの、特開昭57−1
19974号公報、特開昭59−15473号公報等に
は、コロイド状シリカに親水性ポリマーと界面活性剤を
加えたものが開示されている。しかしながら、これら組
成物には無機質水性ゾルとの混和性をだす目的からポリ
ビニルアルコールや水酸基含有アクリル系樹脂等の親水
性ポリマーが配合されているため、形成塗膜は本質的に
耐水性に劣る傾向がある。従って、多湿条件下に常時さ
らされると、無機質水性ゾルが親水性ポリマーと共に流
失したり分散不良を起こし、短期間で防曇性の効力が損
なわれ、実用的に満足できるものではない。
消するために、ガラス転移温度35〜80℃の範囲にあ
る疎水性アクリル系樹脂と無機質コロイドゾルとからな
る防曇剤組成物に関する発明を特公平6−47668号
として提案したが、防曇持続性に優れるものの、フィル
ム展張時の塗膜の傷付きに伴う傷付き部位の防曇性の低
下、または、防曇性を発現するまでの時間が長いという
問題があった。
景下にあって、ハウス被覆用等として優れた初期透明性
と塗膜の耐傷付き性が良好で防曇性の発現速さに優れ、
及びこの防曇性が長期間持続される農業用ポリオレフィ
ン系樹脂多層フィルムを提供すべく、鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至ったものである。しかして本
発明の要旨とするところは、メタロセン触媒により共重
合して得られる下記の特性を有するエチレン−α−オレ
フィン共重合樹脂(A)と高密度ポリエチレン樹脂
(B)が重量比で(A)/(B)=99/1〜70/3
0の範囲にあり、かつ、当該樹脂が合計60重量%以上
配合された樹脂組成物からなる層が外層及び/又は内層
に少なくとも1層構成されてなる基体ポリオレフィン系
樹脂フィルムの片面又は両面に、下記(C)を主成分と
する防曇剤組成物に由来する塗膜が形成されてなること
を特徴とする農業用多層フィルムに存する。 ・エチレン−α−オレフィン共重合樹脂(A)の特性値 (A−1)エチレンと炭素数原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合樹脂であり、当該α−オレフィンから
導かれる構成単位が30重量%以下 (A−2)メルトフローレート:0.1〜10g/10
分 (A−3)密度:0.88〜0.930g/cm3 (A−4)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子
量):1.5〜3.5 ・防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C) (C−1)疎水性アクリル系樹脂水分散液 (C−2)ポリウレタン水性組成物 (C−3)無機質コロイドゾル の3成分を必須成分として含有する防曇剤組成物
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムは2
層以上の層構成からなっており本発明のフィルムを実際
のハウスやトンネルに展張使用した場合に、外側になる
面を外層、内側になる面を内層と称し、また、それらの
中間に層を設けた場合はその層を中間層とする。
共重合して得られる特定の特性を有するエチレン−α−
オレフィン共重合樹脂(A)と高密度ポリエチレン
(B)が重量比で(A)/(B)=99/1〜70/3
0、より好ましくは95/5〜80/20の範囲で混合
され、該混合物が60重量%以上、より好ましくは80
重量%以上配合されてなる樹脂組成物である。該樹脂混
合物中の高密度ポリエチレン(B)の重量比率が1未満
であると、成形時及び展張作業時の開口性が著しく悪化
すると共に、成形時にバブルが蛇行し巻き取りフィルム
の端部が不揃いとなると共に、フィルム厚みの変動が大
きくなり成形安定性が悪化する。
率が30を越えると、高密度ポリエチレンの結晶化によ
り得られたフィルムの透明性が著しく悪化すると共に、
高密度ポリエチレンの配向による縦裂け(フィルムが樹
脂の流れ方向に裂けやすくなる)や衝撃強度等の機械的
強度が低下する。また、該樹脂混合物が60重量%未満
であると、フィルム展張後の経年において低分子物等の
ブリードアウトにより防曇性が悪化すると共に、機械的
強度の低下が大きい。
ィン共重合樹脂(A)は、通常メタロセンポリエチレン
といわれているものであり、エチレンとプロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等、炭素原子
数3〜10のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ
る。これらの中では、炭素原子数4〜8のα−オレフィ
ンとの共重合体が得られる樹脂の強度と生産コストの点
からより好ましい。この共重合体は、(I法)特開昭5
8−19309号、特開昭59−95292号、特開昭
60−35005号、特開昭60−35006号、特開
昭60−35007号、特開昭60−35008号、特
開昭60−35009号、特開昭61−130314
号、特開平3−163088号の各公開公報、ヨーロッ
パ特許出願公開第420436号明細書、米国特許第5
055438号明細書及び国際公報WO91/0424
7号明細書などに記載されている方法、即ちメタロセン
触媒、特にメタロセン・アルモキサン触媒、又は、例え
ば、国際公開公報WO92/01723号明細書等に開
示されているような、メタロセン化合物と、メタロセン
化合物と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触
媒、又は、更には、特開平5−295020号、特開平
5−295022号などに記載されているような、メタ
ロセン化合物を無機化合物に担持させた触媒などを使用
して、主成分のエチレンと従成分の炭素数3〜10のα
−オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.88
0〜0.930g/cm3 となるように共重合させる方
法である。この重合方法としては、高圧イオン重合法、
溶液法、スラリー法、気相法などを挙げることができ
る。これらの中では高圧イオン重合法で製造するのが好
ましい。
56−18607号、特開昭58−25106号の各公
報に記載されているが、圧力が100kg/cm2 以
上、好ましくは300〜1500kg/cm2 で、温度
が125℃以上、好ましくは150〜200℃の反応条
件下に高圧イオン重合法により製造されるものである。
他方、メタロセンポリエチレンといわれるエチレン−α
−オレフィン共重合体の製造方法として、例えば、(II
法)特開平6−9724号、特開平6−136195
号、特開平6−136196号、特開平6−20705
7号の各公開公報に記載されているメタロセン触媒成
分、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、微粒子状
担体、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒
成分、イオン化イオン性化合物触媒成分を含む、オレフ
ィン重合用触媒の存在下に、気相、またはスラリー状あ
るいは溶液状の液相で種々の条件でエチレンとα−オレ
フィン、具体的には炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ンとを、得られる共重合体の密度が0.900〜0.9
30g/cm3 となるように共重合させることによって
も調製することができるが、本発明の主目的であるフィ
ルムでの良好な初期透明性が得られる点で上記(I)法
によりメタロセンポリエチレンの製造がより好ましい。
は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperatu
re Rising Elution Fractio
nation)による測定によって得られる微分溶出曲
線で特定される。即ち、温度上昇溶離分別によって得ら
れる溶出曲線のピークが1つ存在するもので、そのピー
ク温度が20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範
囲内にあるものである。また、該ピーク温度の溶出温度
以外の温度において溶出するものが実質的に該溶出曲線
に存在することがある。上記溶出曲線のピーク温度内の
ピークが2つ以上存在すると透明性が劣るものとなる。
また、存在していない場合にはフィルムがべたつくこと
になる。
曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Ri
sing Elution Fractionatio
n:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journ
al of Applied Polymer Sci
ence.Vol 126,4,217−4,231
(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09
(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づ
いて実施される。すなわち、先ず対象とするポリエチレ
ンを溶媒中で一度完全に溶解させる。その後、冷却し、
不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させる。かかる
ポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に
近い側)に形成され、結晶し難いものが外側に形成され
てなるものである。次に、温度を連続又は段階的に昇温
することにより、先ず、低温度では対象ポリマー中の非
晶部分から、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐
度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共
に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐
の無い直鎖状の部分が溶出して測定は終了する。この各
温度での溶出成分の濃度を連続的に検出して、その溶出
量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピ
ークによってポリマーの組成分布を測定する事ができる
ものである。
られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂(A)は炭
素原子数3〜10のα−オレフィンから導かれる構成単
位が30重量%以下、より好ましくは5〜20重量%の
量で存在する事が好ましい。上記エチレン−α−オレフ
ィン共重合樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)
は、JIS−K6760による測定法で0.1〜10g
/10分、好ましくは0.2〜5g/10分、より好ま
しくは0.5〜5g/10分の範囲にある。該MFRが
この範囲より大きいと高密度ポリエチレンを所定量配合
しても、インフレーション成形時にフィルムが蛇行し巻
き取りフィルムの端部が不揃いとなり、成形安定性に欠
ける。また、該MFRがこの範囲より小さいと成形機へ
の負荷が増大するため、生産速度を減少させて圧力の増
大を抑制しなければならず、生産性が著しく低下し実用
性に乏しい。
(A)の密度はJIS−K6760による測定法で0.
880〜0.930g/cm3 、好ましくは0.900
〜0.930g/cm3 、より好ましくは0.905〜
0.925g/cm3 の範囲にある。該密度がこの範囲
より大きいとフィルムの透明性が悪化するとともに機械
的強度も低下する。また、該密度がこの範囲より小さい
と、高密度ポリエチレンを所定量配合してもフィルム表
面のベタツキによりブロッキングが生じ、ハウスへの展
張作業時の開口性やフィルムの展開性が著しく悪化する
ため実用性に乏しい。
子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)はゲルパー
ミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって
求められる。この場合の分子量分布は1.5〜3.5、
好ましくは1.5〜3.0の範囲にある。該分子量分布
がこの範囲より大きいと機械的強度が低下するととも
に、低分子量成分のブリードアウトにより防塵性が悪化
するため好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小
さいと高密度ポリエチレンを所定量配合しても、成形時
にフィルムが蛇行しバブルの安定性が著しく悪化する。
られる高密度ポリエチレン樹脂(B)は、エチレンとプ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセ
ン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタ
デセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイ
コデセン等、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの
共重合体が挙げられる。これらの中では、炭素原子数4
〜10のα−オレフィンとの共重合体が得られる樹脂の
強度と生産コストの点からより好ましい。
−オレフィンを単独で、または2種以上組み合わせて用
いることが出来る。本発明に用いられる高密度ポリエチ
レン樹脂(B)は炭素原子数3〜20のα−オレフィン
から導かれる構成単位が20重量%以下、より好ましく
は10重量%以下の量で存在する事が好ましい。高密度
ポリエチレン樹脂(B)のメルトフローレート(MF
R)はJIS−K6760による測定法で0.1〜30
g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分、より
好ましくは1.0〜20g/10分の範囲にある。該M
FRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行
し、バブルの安定性が悪化する。また、該MFRがこの
範囲より小さいと、未溶融物(ゲル、ブツ)の生成によ
り著しくフィルム外観が悪化し透明性、防塵性に悪影響
を及ぼすため実用性に乏しい。
IS−K6760による測定法で0.940〜0.97
0g/cm3 、好ましくは0.945〜0.965g/
cm 3 、より好ましくは0.950〜0.965g/c
m3 の範囲にある。該密度がこの範囲より大きいと成形
時に結晶化による球晶の生成、成長によりフィルムの透
明性が悪化するとともに機械的強度が低下する。また、
該密度がこの範囲より小さいと、成形時にフィルムが蛇
行しバブルの安定性が悪化すると共に開口性が悪化する
ため実用性に乏しい。
くとも1層を構成する他の混合成分としては、以下のポ
リオレフィン系樹脂が挙げられる。高圧ラジカル法で製
造されたエチレンの単独重合下(通称 LDPE樹
脂)、チーグラー触媒、酸化クロム触媒、酸化モリブデ
ン触媒の存在下、液相又は気相で共重合させる事により
得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂(通称
L−LDPE樹脂)、酢酸ビニル含有量が1〜15重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(通称 EVA樹
脂)。これらの中で、MFRが0.1〜5g/10分、
かつ、密度が0.910〜0.935の範囲にあるLD
PE、L−LDPE樹脂及び酢酸ビニル含量が1〜15
重量%の範囲にあるEVA樹脂が耐候性、価格の点から
好ましい。
以上を組み合わせて用いることが出来る。しかして、こ
れら混合成分が用いられる量は40重量%以下、より好
ましくは20重量%以下である。該混合成分が40重量
%を越えると本発明の目的である初期透明性に優れたフ
ィルムが得られない。本発明における外層及び/又は内
層の少なくとも1層を構成する層の厚みとして、10〜
100μmが好ましい。10μm未満では実質的に強度
が不足し、100μmを越えると、初期透明性が不足す
るため好ましくない。
くとも1層を構成する樹脂組成物は、上記樹脂に本発明
の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、滑剤ないし熱
安定剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン系光安定剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤
(界面活性剤)等、各種添加剤を配合することが出来
る。
る樹脂としては、酢酸ビニル含有量が25重量%以下の
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂及び/又は密度が0.
910〜0.940g/cm3 のポリオレフィン系樹脂
から選ばれる。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オ
レフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とす
る異種単量体との共重合体であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、1−ヘ
キセン共重合体、1−オクテン共重合体、1−デセン共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メ
チルアクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリル酸
共重合体、イオノマー樹脂等が挙げられる。これらのう
ち、酢酸ビニル含有量が25重量%以下のエチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂および密度が0.910〜0.93
0の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共
重合体が、透明性や耐候性及び価格の点から好ましい。
のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂はこれらのうちでも
特に透明性、柔軟性、保温性、耐候性等の点でより好ま
しい。なお、本発明においては、上記のようなエチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂を単独で、または他の樹脂と2
種以上組み合わせて、酢酸ビニル含有量が25重量%以
下となるように調整して用いることが出来る。
構成する樹脂層には、本発明の目的を損なわない範囲で
外層及び/又は内層の樹脂組成物同様、従来農業用ポリ
オレフィン系フィルムに慣用されている酸化防止剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系光安定剤、着色剤、防曇剤(界面活性剤)、保
温剤等、各種添加剤を配合することが出来る。本発明に
おいて使用しうる酸化防止剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビ
ス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウ
リルチオジプロピオネート等のヒンダードフェノール
系、リン系、イオウ系のもの等を挙げることが出来る。
これら酸化防止剤は単独で、または2種以上を組み合わ
せて用いることができ、通常0.01〜0.5重量部の
範囲が好ましい。
エチレンワックス、流動パラフィン、脂肪族アルコー
ル、ステアリン酸、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸
アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイ
ド、エルシン酸アマイド、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、スイアリ
ン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ジブチル錫ジマ
レート、有機リン酸金属塩、有機ホスフェート化合物、
有機ホスファイト化合物、フェノール類、β−ジケトン
化合物等が挙げられる。これら滑剤ないし熱安定剤は単
独で、または2種以上を組み合わせて用いることがで
き、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。
合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられ
る。これらアンチブロッキング剤は単独で、または2種
以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜
0.5重量%の範囲が好ましい。紫外線吸収剤として
は、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合物、サ
リチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物、シ
アノアクリレート系化合物、2−(4,6−ジフェノー
ル1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキ
シル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系化合物等
が挙げられる。これら紫外線吸収剤は単独で、または2
種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01
〜1.0重量%の範囲が好ましい。
公昭62−59745号公報第5欄第37行〜第16欄
第18行目、特開平2−30529号明細書第20項第
15〜第38項第3行目に記載されているヒンダードア
ミン系化合物である。本発明で使用可能な市販のヒンダ
ードアミン系化合物を例示すれば、TINUVIN77
0、TINUVIN780、TINUVIN144、T
INUVIN622、CHIMASSORB119、C
HIMASSORB944(以上、チバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製)、サノールLS765、(三共
(株)製)、MARK LA−62、MARK LA−
63、MARK LA−67、MARK LA−68、
MARK LA−57(以上、旭電化社製)等が挙げら
れる。これらヒンダードアミン系光安定剤は単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができ、通常
0.05〜1.0重量%の範囲が好ましい。
ルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリ
ザリンレーキ、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、パーマネ
ントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等が挙げ
られる。保温剤としては、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、水
酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐
酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、珪酸マ
グネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸
チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、
アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アル
ミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、マイカ、クレー、ハイドロタルサイト類化
合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物等が挙げられ
る。これら保湿剤は、本発明の多層フィルムにおいて、
外層以外の層に配合されるのが好ましく、配合量として
は、5〜30重量%が好ましい。特に本発明の多層フィ
ルムが3層以上の層構成を有する場合は、最外層および
最内層以外の層に配合されるのが好ましい。防曇剤とし
ては、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤等があげられる。これらのうち、
非イオン系界面活性剤が望ましい。
種添加剤を配合するには、各々必要量配合しリボンブレ
ンダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、スーパー
ミキサーその他従来から知られている配合機、混合機、
混練機を使用すればよい。この様にして得られた樹脂組
成物を多層フィルムとしてフィルム化するには、それ自
体公知の方法、例えば溶融共押出し成形法(Tダイ法、
インフレーション法を含む)、カレンダー成形法、ラミ
ネート法等の従来から知られている方法によればよい。
これらの内でも、特に、空冷インフレーション共押出し
成形法が農業用として適した広幅フィルムが得られる点
でより好ましい。
度やコストの点で、0.03〜0.3mmの範囲が好ま
しく、0.05〜0.2mmの範囲がより好ましい。ま
た、本発明の外層及び/又は内層を構成する樹脂層
(I)と、外層及び/又は内層以外を構成する樹脂層
(II)の層比としては、(I)/(II)=1/0.5〜
1.6の範囲が好ましく、1/1〜1/5の範囲が成形
安定性や強度の点でより好ましい。
ィン系樹脂フィルムの片面又は両面に成分(C−1)〜
(C−3)を主成分とする防曇剤組成物を塗布してな
る。本発明において用いられる防曇剤組成物の成分(C
−1)である疎水性アクリル系樹脂は、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル類または(メタ)アクリル酸アル
キルエステル類とアルケニルベンゼン類との混合物を少
なくとも60重量%、及びこれらと共重合可能なα,β
−エチレン性不飽和単量体0〜40重量%を重合して得
られたガラス転移温度が35〜80℃の範囲にある疎水
性アクリル系樹脂である。
体とは、アクリル酸のまたはメタクリル酸のアルキルエ
ステル類であり、具体的には例えば、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−
n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸デシル等があげられ、一般には、アルキル
基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル
及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリ
ル酸アルキルエステルが使用され、これらは混合して使
用してもよい。
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等があげ
られる。アルケニルベンゼン類と、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類との混合物を用いる場合には、α,
β−エチレン性不飽和単量体の使用量によっても異なる
が、通常(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の使用
割合を10重量%以上とするのがよく、また、疎水性ア
クリル系樹脂中に占めるアルケニルベンゼン類を70重
量%以下の範囲で含有するものがよい。
(メタ)アクリル際アルキルエステル類、またはこれと
アルケニルベンゼン類との混合物を、少なくとも60重
量%含有するものが好ましく、60重量%に満たないと
きは形成塗膜の耐水性が充分でなく、防曇持続性能を発
揮し得ない。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類、またはこれとアルケニルベンゼン類との混合物と共
重合可能なα,β−エチレン性不飽和単量体としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン
酸のようなα,β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2
−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エ
チレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;
アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;アクリル酸
又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等がある。こ
れら単量体は、単独で用いても、又は2種以上の併用で
もよく、0〜40重量%の範囲で使用できる。40重量
%を超えると、防曇性能を低下させるので好ましくな
い。
重合する方法としては、従来から知られている種々な乳
化剤、例えば陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もし
くは2種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる
方法、反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を
含有せずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等
によって得られる。乳化剤の存在下による重合方法の場
合、これら乳化剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.
1〜10重量%の範囲で使用される。この範囲外である
と、重合速度の調整が難しく、また合成される樹脂の分
散安定性が劣るので好ましくない。
られる重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アセチルパーオキサ
イド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等があげられ
る。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1〜
10重量%の範囲で使用される。
1)である疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン
は、各単量体を水系媒質中での重合によって得られた水
系エマルジョンをそのまま使用しても、更にこのものに
液状分散媒を加えて稀釈したものでもよく、また上記の
ような重合によって生じた重合体を分別採取し、これを
液状分散媒に再分散させて水系エマルジョンとしたもの
でもよい。
成分(C−2)であるポリウレタン水性組成物として
は、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネー
ト系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンが用いられ
るが、防曇被膜の基体ポリオレフィン系樹脂フィルムと
の密着性、耐水性及び傷付き性の点でポリカーボネート
系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンが好ましく、
更なる防曇被膜の耐水性、傷付き性向上並びに防曇性を
発現するまでの時間及び防曇持続性の点でシラノール基
を含有するポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタ
ンエマルジョンがより好ましい。これらは1種または2
種以上を組み合わせて使用してもよい。
系のアニオン性ポリウレタンエマルジョンとは、分子内
に少なくとも1個のシラノール基を含有するポリウレタ
ン樹脂と、硬化触媒として強塩基性第3級アミンとを含
有してなり、具体的には水相中にシラノール基含有ポリ
ウレタン樹脂及び前記強塩基性第3級アミンが溶解して
いるもの、又は微粒子状に分散しているコロイド分散系
のもの〔エマルジョン〕をいう。ポリウレタン水性組成
物は、その配合量を固形分重量比で疎水性熱可塑性樹脂
に対して0.01以上、2以下にすることが好ましい。
0.01に満たないときは傷付き性の向上が見られず、
また、防曇性を発現するまでの時間が長く、充分な防曇
効果が発揮できない。また、2を越えるときは、傷付き
性が配合量に比例して向上しないばかりでなく、塗布後
に形成される塗膜が白濁化し光線透過率を低下させ、ま
た、コスト面でも不利であり好ましくない。
成分(C−3)である無機質コロイドゾルとしては、例
えば、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリレー
ト、水酸化鉄、水酸化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム
等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で、水又は
親水性媒体中に分散させた、水性ゾルがあげられる。中
でも好ましいのは、シリカゾルとアルミナゾルである。
これらは、単独で用いても併用してもよい。使用する無
機質コロイドゾルとしては、その固体平均粒子径が5〜
100μmの範囲のものが好ましい。この範囲内にあれ
ば、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを組み
合わせて用いてもよい。平均粒子径が100μmを越え
ると、塗膜が白く失透する傾向がでてくるみならず、防
曇持続性が低下するため好ましくない。また、5μmに
満たないときは、無機質コロイドゾルの安定性に欠ける
恐れがある。
分量比で疎水性熱可塑性樹脂に対して0.5以上、5以
下にすることが好ましい。即ち0.5に満たないとき
は、充分な防曇効果が発揮できない。また、5を越える
ときは、防曇効果が配合量に比例して向上しないばかり
でなく、塗布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率
を低下させ、また、塗膜が粗雑で脆弱になりやすくなる
ので好ましくない。本発明において用いられる防曇剤組
成物には、バインダー成分同士を架橋させる架橋性化合
物を併用してもよい。こうすることにより防曇被膜の耐
水性を向上させることができる。架橋性化合物の使用量
は、バインダー成分の固形分に対し0.1〜30重量%
の範囲、特に0.5〜10重量%の範囲が好ましい。更
に、防曇剤組成物には、必要に応じ、界面活性剤、消泡
剤、滑剤、帯電防止剤、その他の各種添加剤を混合する
ことができる。
は、通常液状で使用される。液状分散媒としては、水を
含む親和性ないし水混合性溶媒が含まれ、水:メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等の一価アルコール類:エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコール類:ベン
ジルアルコール等の環式アルコール類:セロソルブアセ
テート類:ケトン類等があげられる。これらは単独で用
いても併用してもよいが、用いる防曇剤組成物の分散安
定性、フィルム表面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒
除去の難易及び経済性を勘案して決めるのが好ましい。
ポリウレタン水性組成物及び無機質コロイドの固形分と
して一般に0.5〜50重量%の濃度で調製され、普通
1〜20重量%の濃度で調製し、これを稀釈して使用す
ることが多い。かかる防曇剤組成物は、基体ポリオレフ
ィン系樹脂フィルムの表面に塗布し、強制乾燥又は自然
乾燥し、液状分散媒を揮散させることで塗膜を形成す
る。強制乾燥する方法としては、熱風乾燥法、赤外線輻
射法等が採用できる。強制乾燥するときの加熱温度は、
塗布された防曇剤組成物によって決定されるが、50〜
250℃、好ましくは70〜200℃の範囲である。
ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バ
ーコート法、ナイフコート法等それ自体公知のいかなる
方法によってもよい。フィルムの表面に防曇剤組成物を
塗布し、液状分散媒を乾燥、揮散させた後の固形物の付
着量は、通常0.01〜10g/m2 、好ましくは0.
1〜5g/m 2 の範囲である。
成物に由来する塗膜との接着性が充分でない場合には、
防曇剤組成物を塗布する前に、フィルム表面にプラズマ
処理を施すとか、もしくはコロナ放電処理を施す等の方
法によってフィルム表面を改質してもよい。本発明の農
業用多層フィルムを農業用被覆材として展張使用する場
合には、防曇性被膜の設けられた側をハウスまたはトン
ネル等の内側となるようにして使用する。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜 、比較例1〜 (1)多層フィルムの調製 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ
外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層
を40mmφ((株)プラ技研製)として、成形温度を
外内層押出機180℃、中間層押出機170℃、ダイス
温度180℃、ブロー比2.5、引取速度4m/分にて
表−1〜3に示した成分からなる厚さ0.15mmの三
層のフィルムを得た。尚、これらのフィルムは、製膜時
のチューブ内層が展張時にはハウスの外層(外面)とな
る。
2重量部及び水80重量部を仕込んで窒素ガス気流下に
60℃まで加熱し、ここに過硫酸アンモニウム0.5重
量部を添加し、さらに表−4〜5に示した各単量体の混
合物100重量部を3時間にわたって滴下した。この際
の反応温度は60〜70℃の範囲に保持するが、滴下終
了後も同温度範囲に2時間保持してから冷却し、アクリ
ル系樹脂エマルジョンを得た。こうして得られたアクリ
ル系樹脂エマルジョンに、表−6〜7に示した種類及び
量のポリウレタン水性組成物、無機質コロイドゾルその
他を配合し、各種の防曇組成物を調製した。
(展張時にはハウスの内層)に、(2)で得られた各種
防曇剤組成物をバーコート法によって、乾燥後の塗布量
が固形分として0.5g/m2 となるように塗布し、8
0℃の熱風中に1分間滞留させ溶媒を揮散させた。
法で各種の性質を評価し、結果を表−8〜9に示した。
とおりである。 ○ :透明性の低下が認められない ○x :透明性の低下がやや認められるもの △ :透明性の低下がかなり認められるもの × :透明性の低下が非常に激しく、実用に耐えないも
の 防曇剤組成物の塗膜形成後 ○ :基体ポリオレフィン系フィルムと比べて、透明性
がほぼ同等のもの ○x :透明性の低下がやや認められるもの △ :透明性の低下がかなり認められるもの × :透明性の低下が非常に激しく、実用に耐えないも
の
接着し、このセロハンテープを剥がした時に、塗膜の剥
離状況を肉眼で観察した。この評価基準は、次のとおり
である。 ○ :塗膜が全く剥離せず、完全に残ったもの ○x :塗膜の2/3以上が剥離せず残ったもの △ :塗膜の2/3以上が剥離したもの × :塗膜が完全に剥離したもの
断したスコップ・ブライト(3M製)を置き、加重1k
g下で引っ張り速度2cm/秒の速さで引っ張り、防曇
塗膜面の傷付き状況を肉眼で観察した。この評価基準
は、次のとおりである。 ○ :塗膜表面の傷付き性が認められない ○x :塗膜表面の傷付き性がやや認められるもの △ :塗膜表面の傷付き性がかなり認められるもの × :塗膜表面の傷付き性が非常に激しく、実用に耐え
ないもの
した表面を水槽内部に向けて配置し、外気温を20℃、
水槽内気温を50℃に保持し、水槽の上部にフィルムを
配置してから所定期間経過時点での防曇性を肉眼で観察
判定した。評価基準は、次のとおりである。 ◎ :水が薄膜状に付着し、水滴が認められない状態 ○ :水が薄膜状に付着しているが、わずかに大粒の水
滴が認められる状態 ○x :水が薄膜状に付着しているが、部分的に大粒の水
滴が認められる状態 △ :部分的に細かい水滴の付着が認められる状態 × :フィルム内表面全体に、細かい水滴の付着が認め
られる状態
10℃、水槽内気温を20℃に保持し、所定時間経過時
点での、防曇性の発現速さを肉眼で観察判定した。この
評価基準は、上記条件1における場合と同じである。 条件3 フィルムを、戸外の試験圃場に設置した片屋根式ハウス
(間口2m、奥行き20m、棟高2m、屋根勾配30
度)に、防曇性塗膜を設けた面をハウス内側にして被覆
を行い、H10年7月から屋張試験を開始した。展張試
験中に、経済的に、各フィルムの防曇性を肉眼で観察判
定した。この評価基準は、上記条件1における場合と同
じである。
メタロセン触媒により共重合して得られる、エチレン−
α−オレフィン共重合樹脂と高密度ポリエチレン樹脂が
配合された樹脂組成物からなる層が構成されてなる基体
ポリオレフィン系樹脂フィルムと、防曇剤組成物に由来
する被膜との相乗効果により、防曇性の発現速さと防曇
持続効果が飛躍的に向上するので、農業用被覆材として
の利用価値は極めて大きい。
Claims (6)
- 【請求項1】 メタロセン触媒により共重合して得られ
る下記の特性を有するエチレン−α−オレフィン共重合
樹脂(A)と高密度ポリエチレン樹脂(B)が重量比で
(A)/(B)=99/1〜70/30の範囲にあり、
かつ、当該樹脂が合計60重量%以上配合された樹脂組
成物からなる層が外層及び/又は内層に少なくとも1層
構成されてなる基体ポリオレフィン系樹脂フィルムの片
面又は両面に、下記(C)を主成分とする防曇剤組成物
に由来する塗膜が形成されてなることを特徴とする農業
用多層フィルム。 ・エチレン−α−オレフィン共重合樹脂(A)の特性値 (A−1)エチレンと炭素数原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合樹脂であり、当該α−オレフィンから
導かれる構成単位が30重量%以下 (A−2)メルトフローレート:0.1〜10g/10
分 (A−3)密度:0.88〜0.930g/cm3 (A−4)分子量分布(重量平均分子量/数平均分子
量):1.5〜3.5 ・防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C) (C−1)疎水性アクリル系樹脂水分散液 (C−2)ポリウレタン水性組成物 (C−3)無機質コロイドゾル の3成分を必須成分として含有する防曇剤組成物 - 【請求項2】 防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C−
2)の配合量が、固形分重量比で成分(C−1)に対し
て0.01以上、2以下である請求項1記載の農業用多
層フィルム。 - 【請求項3】 防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C−
3)の配合量が、固形分重量比で成分(C−1)に対し
て0.5以上、5以下である請求項1または請求項2記
載の農業用多層フィルム。 - 【請求項4】 防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C−
2)が、ポリカーボネート系のアニオン性ポリウレタン
水性組成物である請求項1ないし請求項3のいずれかの
項に記載の農業用多層フィルム。 - 【請求項5】 防曇剤組成物に由来する塗膜成分(C−
3)が、シリカゾル及び/又はアルミナゾルである請求
項1ないし請求項4のいずれかの項に記載の農業用多層
フィルム。 - 【請求項6】 外層及び/又は内層以外の層が、酢酸ビ
ニル含有量が25重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂及び/または密度が0.910〜0.940g
/cm3 のポリオレフィン系樹脂を主成分とした組成物
である請求項1ないし請求項5のいずれかの項に記載の
農業用多層フィルム。
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-
1999
- 1999-09-28 JP JP27397299A patent/JP2001095395A/ja active Pending
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CN115490940B (zh) * | 2021-06-17 | 2024-02-02 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种防雾透气耐老化的透明聚乙烯复合材料及其制备方法 |
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