JP2004076000A - 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤 - Google Patents

防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004076000A
JP2004076000A JP2003273393A JP2003273393A JP2004076000A JP 2004076000 A JP2004076000 A JP 2004076000A JP 2003273393 A JP2003273393 A JP 2003273393A JP 2003273393 A JP2003273393 A JP 2003273393A JP 2004076000 A JP2004076000 A JP 2004076000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
polyol
film
isocyanate
antifogging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003273393A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Murata
村田 昇
Masahiro Hirugawa
晝河 雅浩
Keiji Honjo
本城 啓司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2003273393A priority Critical patent/JP2004076000A/ja
Publication of JP2004076000A publication Critical patent/JP2004076000A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】耐水性、耐摩耗性、防曇性に優れ、長期間にわたり防曇性能を維持することが可能な防曇性膜を得るための防曇性膜形成用塗布液及び防曇性膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】2液硬化型の防曇性膜形成用塗布剤であって、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤とを有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が少なくとも疎水性ポリオールを有すること。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、浴室用、洗面所用等の防曇鏡、車両用、建築用等の防曇窓ガラス又は防曇鏡、レンズ、ディスプレー等各種用途に用いることが可能で、耐水性と防曇性に優れる防曇性膜を得るための塗布剤並びに形成方法に関する。
 ガラスやプラスチック等の透明基材は、基材を挟んで内面と外面の温湿度の差により、一方の表面が露点以下になった場合、又は、基材に対して急激な温湿度変化が起こった場合(沸騰水蒸気が基材に接触した場合、低温部から高温多湿の環境に移った場合等)に雰囲気中の水分が水滴として付着し、基材表面は結露する。その結果、結露した水滴により光の散乱が起こる。いわゆる「曇り」が発生することで、視界が妨げられ、一般的な窓ガラス、自動車や航空機のフロントガラス、反射鏡、眼鏡、サングラス等では、安全性が著しく損なわれる。
 上記「曇り」の発生を防止する方法として(1)基材表面に界面活性剤を塗布して水に対する接触角を小さくすることにより水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献1)、(2)基材表面に、親水性樹脂、界面活性剤等を混合した溶液を塗布し、加熱、又は、紫外線、もしくは、電子線により硬化させて水に対する接触角を小さくさせることにより水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献2)、(3)基材表面の光触媒を有する膜を形成する方法(例えば特許文献3)、(4)基材表面(裏面)に熱線ヒーターや面上ヒーターを施しヒーターを通電することで基材を加温し露点以上にする方法(例えば、特許文献4)等が考えられてきた。
 しかし、(1)の方法は、初期の防曇性は優れているものの、水との接触により界面活性剤が流出し、防曇効果が短命であるという欠点がある。(2)の方法は、(1)と同様に膜から界面活性剤の流出によりに、防曇付与機能が長時間持続しない。(3)の方法は、無機物による膜であることから耐摩耗性に利点があるが、防曇性発現には紫外光が必要であり、全ての環境で防曇性が発現するわけではない。(4)の方法は、一般的にコストが高く、基材が温まるまでに時間がかかり防曇性発現に時間を要することや熱割れ等の問題がある。以上のように現状では十分な防曇性、防曇持続性、耐水性等の各種耐久性等を満足する防曇性膜は得られていない。
 防曇性と耐摩耗性の両立のため、界面活性剤の親水性とウレタン樹脂の弾性による耐摩耗性を利用した防曇性膜形成用塗布剤が検討されてきた。特許文献5では、ウレタン樹脂の3次元架橋構造中に界面活性剤を含有させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。しかし、該公報で開示された内容物は、界面活性剤が3次元架橋構造中に担持されているにすぎず、界面活性剤が経時とともに樹脂から流出するので、防曇性が劣化する。
 特許文献6では、イソシアネート基を有するイソシアネートと吸水性のポリビニルピロリドンとの2液硬化型樹脂に、イソシアネート基と反応する官能基を有する界面活性剤を導入することで、樹脂の3次元架橋に界面活性剤を結合させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。又、特許文献7では、イソシアネート基を有するイソシアネートと親水性のポリオールとの2液硬化型樹脂に、イソシアネート基と反応する官能基を有する界面活性剤を導入することで、樹脂の3次元架橋に界面活性剤を結合させた防曇性膜形成用塗布剤が開示されている。
 上記特許文献6乃至7の各公報で開示された防曇性膜形成用塗布剤から形成した防曇性膜は、界面活性剤が弾性のある樹脂の3次元架橋と結合しているので、防曇持続性と他の樹脂と比較して良好な耐摩耗性の両方を兼ね備えている。
 しかし、他の樹脂と比べて良好な耐摩耗性であっても、建築用や車両用の窓ガラスや鏡へ、これら防曇性膜形成用塗布剤から防曇性膜を形成した場合には、耐摩耗性はまだ十分ではなく、さらには耐水性も十分ではなく、長期使用に耐えることができない等の問題があった。     
特開平2−16185号公報 特開2001−040294号公報 特許2943768号公報 特開平08−317841号公報 特開昭60−85939号公報 特表昭61−502762号公報 特表2000−515572号公報
 本発明は、防曇性、耐水性、耐摩耗性等に優れる防曇性膜を形成できる防曇性膜形成用塗布剤及び防曇性膜を得ることを課題とする。
 本発明は、前記課題を解決するために、鑑みウレタン樹脂からなる防曇性膜形成用塗布剤について、鋭意検討してなされたものである。すなわち、本発明の防曇性膜形成用塗布剤は、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基とを有する界面活性剤を有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が少なくとも疎水性ポリオールを有することを特徴とする。
 防曇性膜の防曇性は主として、塗布剤Bに添加する水酸基、アミノ基、メルカプト基等のイソシアネート反応性基を有する界面活性剤が寄与する。膜に高い水膜形成能を付与する界面活性剤にイソシアネート反応性基を設けることによって、該界面活性剤は、塗布剤が硬化後に界面活性剤がウレタン樹脂の架橋と結合する。従って、膜から界面活性剤が溶出することがないので、防曇性膜の高耐久化、防曇性の持続性に奏功する。
 防曇性膜の耐水性及び耐摩耗性は主として、塗布剤Bに添加する疎水性ポリオールが寄与し、その含有量は、イソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤の総量(以下ウレタン成分総量)に対して20重量%〜40重量%とすることが好ましい。20重量%未満では、耐水性の効果が小さく、40重量%超では、防曇性が低下するからである。
 前記疎水性ポリオールは、可撓性と耐擦傷性の両方を併せ持つことより防曇性を損なわずに耐水性及び耐摩耗性を向上させることができる平均分子量500〜2000のポリエステルポリオールであることが好ましい。平均分子量が500未満の場合は、膜は緻密になりすぎ耐摩耗性が低下する。一方、2000超では、塗布剤の成膜性が悪化し、防曇性膜を形成することが難しくなる。又、得られる膜の緻密性を考慮すると、該ポリオールの水酸基数は2又は3とすることが好ましい。該ポリエステルポリオールには、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びそれらの混合物のいずれかを使用することができる。尚、本発明での平均分子量は数平均分子量のことを指す。
 防曇性膜に吸水性による防曇性を発現させるために、塗布剤Bに平均分子量400〜5000のオキシエチレン鎖を有するポリオキシアルキレン系のポリオールを含有させることができる。オキシアルキレンには、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、炭素数が4以上のオキシド鎖を有するポリオールを使用できる。この中で、このオキシエチレン鎖は、水を結合水として吸収する機能を有し、防曇性膜に吸水性による防曇性を発現させることを可能とする。防曇性膜の耐水性を鑑み、該ポリオキシアルキレン中のオキシエチレン単位[−CHCHO−]は、ウレタン成分総量に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下とする。又、防曇性膜の吸水性による防曇性と耐水性とを両立させるために、ポリオキシアルキレン系のポリオールは、ウレタン成分総量に対して、40重量%、好ましくは、30重量%、より好ましくは20重量%まで含有させることができる。
 前記ポリオキシアルキレン系のポリオールの平均分子量が400未満の場合は、水を結合水として吸収する能力が低くなり、平均分子量が5000を超える場合は、塗布剤の硬化不良や膜強度の低下等の不具合が生じやすくなる。吸水性や膜強度等を鑑み、該平均分子量は、1500〜4500がより好ましい。
 本発明の防曇性膜は、上記塗布剤から基材上に形成させることができ、疎水成分及び界面活性剤とを含有するウレタン樹脂系の防曇性膜である。疎水性ポリオール由来の疎水成分、及び界面活性剤とが適切に含有されることにより各種特性に優れる防曇性膜を得ることができる。
 前記各種特性に優れる防曇性膜は、少なくともポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合しポリオール成分とイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bを得、該塗布剤にイソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤Aを添加混合し防曇性膜形成用塗布剤を得る工程、前記防曇性膜形成用塗布剤を基材表面上に塗布する工程、室温で放置又は170℃まで、好ましくは80℃以上の熱処理で塗布剤の硬化させる工程とによって効率的に得ることができる。
 本発明の防曇性膜形成用塗布液から形成された防曇性膜は、防曇性、テーバー摩耗性、耐水性等に優れており、高湿度環境および頻繁に払拭を行うような場所においても、使用することができる。
 本発明の防曇性膜形成用塗布剤は、基材に防曇性膜を形成するための防曇性膜形成用塗布剤であって、前記防曇性膜形成用塗布剤が、ウレタン樹脂系の塗布剤であり、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bとから2液硬化型の塗布剤である。
イソシアネート成分には、ジイソシアネート、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートを出発原料としたビウレット及び/又はイソシアヌレート構造を有する3官能のポリイソシアネートを使用できる。当該物質は、耐候性、耐薬品性、耐熱性があり、特に耐候性に対して有効である。又、当該物質以外にも、ジイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート及びトルエンジイソシアネート等も使用することができる。
 前記イソシアネート成分に存在するイソシアネート基の数を、塗布剤B中のポリオール成分、及び界面活性剤に存在する水酸基及びメルカプト基並びにアミノ基の数に対して、その比が0.8〜2、より好ましくは0.9〜1.3となるように調整することが好ましい。0.8未満である場合は、塗布剤の硬化性が悪化するとともに、形成された膜は未反応界面活性剤が膜表面に溶出するので、膜のべたつき感が出る等の不具合が生じる。一方、2を超える場合は、過剰硬化により、防曇性が低下する。 
 界面活性剤は塗布剤から形成される膜に親水性を付与して防曇性を発現させる成分であり、水酸基、メルカプト基、アミノ基等のイソシアネート基と反応し結合する官能基を有する。前記界面活性剤としては、陽イオン系、陰イオン系、両性イオン系、非イオン系を使用できる。
 イソシアネート反応性基を有する陰イオン系界面活性剤としてはひまし油モノサルフェート、ひまし油モノホスフェート、ソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ソルビトール脂肪酸エステルサルフェート、ソルビトール脂肪酸エステルホスフェート、ショ糖脂肪酸エステルサルフェート、ショ糖脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノホスフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノホスフェート等が挙げられる。
 イソシアネート反応性基を有する陽イオン系界面活性剤としてはジアルカノールアミン塩、トリアルカノールアミン塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミンエーテル塩、脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩、ポリオキシアルキレンジアルカノールアミンエーテル塩、ポリオキシアルキレントリアルカノールアミンエーテル塩、ジ(ポリオキシアルキレン)アルキルベンジルアルキルアンモニウム塩、アルキルカルバモイルメチルジ(ポリオキシアルキレン)アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート等が挙げられる。
 イソシアネート反応性基を有する両性イオン系界面活性剤としては、N,N−ジ(β−ヒドロキシアルキル)N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−β−ヒドロキシアルキル−N,N−ジポリオキシアルキレン−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−アルキル−N,N−ジ(ポリオキシアルキレン)アミンとジカルボン酸のモノエステル、N−(ポリオキシエチレン)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)アミノアルキル−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N−(β−ヒドロキシアルキルアミノエチル)−N−(β−ヒドロキシアルキル)アミノエチルカルボン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシアルキル)−N,N′−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン塩、N−(β−ヒドロキシアルキル)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)−N−カルボキシエチルエチレンジアミン塩等が挙げられる。
 イソシアネート反応性基を有する非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ塘脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油エーテル、ポリオキシアルキ レンアルキルアミンポリオキシアルキレンアルキルアミド等があげられる。
 イソシアネート反応性基を有する界面活性剤には、上記に挙げた界面活性剤を単種又は複種使用することができる。イソシアネート反応性基を有する界面活性剤は、ウレタン成分総量に対して、10重量%〜25重量%とすることが好ましい。10重量%未満では、防曇性に対する効果が好くなく、25重量%超では、膜強度が低下するからである。
 塗布剤Bに加えるポリオール成分は、疎水性ポリオールを必須とし、吸水性を有する平均分子量400〜5000、好ましくは、1500〜4500のポリオキシアルキレン系のポリオールを含有させることができる。本発明で使用できる吸水性ポリオールとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン/オキシプロピレンの共重合体ポリオール等を使用することができる。
 塗布剤の硬化性を高め、防曇性膜の強度を高めるために、平均分子量60〜200の短鎖ポリオールを加えることができる。短鎖ポリオールは、鎖長延長剤として機能するので、成膜後の膜の弾性を阻害させずに硬化性を高めることができる。短鎖ポリオールの平均分子量が60未満では、形成される膜の弾性が劣り、200超では形成される膜の硬化性が悪くなる。該短鎖ポリオールの水酸基数は、2又は3であることが好ましい。水酸基が2未満の場合は、該短鎖ポリオールが膜の骨格成分とならないため膜がもろくなり、3を超えた場合は、反応性が活性過ぎて、塗布剤が不安定となる。
 前記短鎖ポリオールは、ウレタン成分総量に対して10重量%迄加えることが好ましい。10重量%を超えるとイソシアネートとの反応性が高まるとともに、比例して添加するイソシアネート量を増加しなければならないので、得られる膜の緻密化が進み、弾性低下による耐摩耗性低下、防曇性の低下を招く。
 短鎖ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1
,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−
エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2,2’−チオジエタノールがあげられ、それらを単独、又は混合物、若しくはそれらの平均分子量200超とならない共重合体等を使用することができる。
 上記短鎖ポリオールは、塗布剤から形成される膜の表面摩擦係数を下げる効果、すなわち、膜表面にスリップ性を付与する効果をも有する。防曇性膜は、使用中に膜表面に多種多様の付着物が付着し、外観及び品質を阻害することは容易に想定され、それらの付着物を除去するために、通常では、布等での払拭が行なわれる。その際、表面のスリップ性が不足している場合は、払拭作業において、除去時間の増加、拭きムラによる外観不良等の不具合が発生する。払拭作業中は、付着物を膜表面に擦りつけるため、スリップ性が悪い場合は、付着物が膜表面に引っかかりやすく、擦り傷も多々発生することや、払拭作業に使用する布等が逆に膜表面に貼り付く等、悪影響を与える場合がある。膜表面のスリップ性が高いと、膜の耐摩耗性、防汚性が向上するので、スリップ性は実用的な観点から非常に重要な物性である。
 通常、疎水性ポリオールや短鎖ポリオール等の膜の耐久性を向上させる成分を導入すると、防曇性膜の防曇性が低下する。しかしながら、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を適切量含有させ、好ましくは吸水性ポリオールを適切量含有させることにより、優れた防曇性、耐水性、耐摩耗性等を有する防曇性膜を得ることができる。  
 防曇性膜の耐摩耗性をさらに向上させるために塗布剤Bに金属酸化物の前駆体、及び/又はイソシアネート反応性基を有するシランカップリング剤を加えることができる。金属酸化物の前駆体に関しては、エトキシド化合物、メトキシド化合物等のアルコキシド化合物、オキシハロゲン化合物、酢酸化合物等を使用することができきる。又、金属酸化物は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタルの中から1種類以上選択したものを使用でき、経済的な観点からシリカが特に好ましい。該金属酸化物の前駆体は、ウレタン成分総量に対して、重量比で1.25倍量迄加えることができる。1.25倍量超では、得られる膜の防曇性が低下する。耐摩耗性向上の観点から、金属酸化物の前駆体は、ウレタン成分総量に対し、重量比で0.1倍量迄加えることが好ましい。
 シランカップリング剤はウレタン成分の総量に対して、重量比で0.25倍量迄加えることができる。0.25倍量超では、シランカップリング剤の未反応の官能基に起因して得られる膜の強度が低下するとともに膜表面にべたつき感が生じる等の不具合が起こる。又、金属酸化物とウレタン樹脂とを架橋させる観点から、シランカップリング剤は、ウレタン成分総量に対して、重量比で0.01倍量加えることが好ましい。該シランカップリング剤は3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであると均質な膜が得やすく特に好ましい。 
 防曇性膜の耐擦傷性を向上させるために塗布剤A及び/又は塗布剤Bに平均粒径が5nm〜50nmのシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタル等の金属酸化物の微粒子を含有させることができ、特にはコロイド状のシリカを含有させることが好ましい。該金属酸化物の微粒子を含有させる場合、防曇性膜の防曇性を低下させないことが重要なので、その含有量は、ウレタン成分の総量に対して、40重量%以下、好ましくは、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下とすることが好ましい。尚、ここでいう平均粒径は、走査型電子顕微鏡観察によって倍率10万倍で膜の断面の観察を行った時に、1μm平方の範囲内に存在する全ての該粒子の粒径を目視で読みとり、その平均値を算出する。この算出を20回繰り返して得られた各値の平均値で定義される。
 ポリオール成分、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合した後に、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を添加混合し塗布剤を得る工程で、イソシアネート基と水酸基及びメルカプト基並びにアミノ基とが反応し、ウレタン結合が生じ、ウレタン樹脂が形成され始める。
 防曇性膜形成用塗布剤の各形成原料、又は、調製された防曇性膜形成用塗布剤には希釈溶媒に添加することができる。希釈溶媒としては、イソシアネート基に対して活性のない溶媒でなければならず、防曇性膜形成用塗布剤の各形成原料、又は、調製された防曇性膜形成用塗布剤の相溶性から、メチルプロピレングリコール、ジアセトンアルコールが好ましい。
 次いで、防曇性膜形成用塗布剤を基材へ塗布する。塗布手段としてはディップコート、フローコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段を採用できる。塗布後、約20℃の室温で放置又は170℃までの熱処理で、防曇性膜形成用塗布剤を硬化させ、基材に防曇性膜を形成する。熱処理の温度が170℃を超えると、ウレタン樹脂の炭化が起こり、膜強度が低下する等の不具合が生じる。塗布剤の硬化反応を促進させるためには、80℃〜170℃で熱処理を行うことがより好ましい。
 防曇性膜の膜厚は、防曇性膜形成用塗布剤の硬化反応後において5μm〜40μm程度にするのが望ましい。5μm未満であると、耐久性が劣る傾向にあり、40μmを超えると外観品質において光学歪みが発生する等の不具合が生じやすくなる。
 本発明の防曇性膜形成用塗布剤を塗布する基材としては、代表的なものとしてはガラスが用いられる。そのガラスは自動車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられている板ガラスであり、フロート法、デュープレックス法、ロールアウト法等による板ガラスであって、製法は特に問わない。ガラス種としては、クリアをはじめグリーン、ブロンズ等の各種着色ガラスやUV、IRカットガラス、電磁遮蔽ガラス等の各種機能性ガラス、網入りガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等防火ガラスに供し得るガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合わせガラスのほか複層ガラス等、銀引き法、あるいは真空成膜法により作製された鏡、さらには平板、曲げ板等各種ガラス製品を使用できる。板厚は特に制限されないが、1.0mm以上10mm以下が好ましく、車両用としては1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。基材への防曇性膜の形成は、基材の片面だけであってもよいし、両面に行ってもよい。又、防曇性膜の形成は基材面の全面でも一部分であってもよい。
 加えて、本発明の防曇性膜形成用塗布剤を塗布する基材は、ガラスに限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、ポリカーボネート等の樹脂、金属(特には金属鏡)、セラミックス等も使用することができる。
 本発明の防曇性膜形成用塗布剤の使用用途としては、建築用には、屋内用鏡、浴室用、洗面所用等の鏡、窓ガラス等、車両、船舶、航空機等には、窓ガラスあるいは鏡、具体的にはルームミラー、ドアミラー等があげられ、その他に眼鏡やカメラ等のレンズ、ゴーグル、ヘルメットシールド、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、試験機、精密機器ケース等の開口部やのぞき窓、道路反射鏡、携帯電話等の移動通信体のディスプレー等があげられる。  
 本発明の塗布剤から形成される防曇性膜は、耐水性にも優れるので、浴室や洗面化粧台等の洗面所用途等の水周りで使用される鏡、水中で使用されるゴーグル、外使いされる車両用ガラス、鏡、道路反射鏡、携帯電話等移動通信体のディスプレーの用途に特に奏功する。
 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例および比較例で得られた防曇性膜は、以下に示す方法により品質評価を行った。
  〔繰返防曇性〕:“JIS S 4030眼鏡用くもり止め剤試験法”により43℃に設定した温水の水蒸気中に3分保持した時の曇り具合と、保持後に常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの呼気による曇り具合を観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、外観に異常がなく曇りが発生にしないものを合格とした。
  〔冷温防曇性〕:4℃に設定した冷蔵庫内に30分保持した後、常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇りを観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、外観に異常がなく曇りが発生にしないものを合格とした。
  〔耐テーバー摩耗性〕:Taber社の5130型テーバー試験機を用いた。膜に摩耗輪(CF−10F)を接触させ、2.45Nの荷重をかけながら500回転実施した時の曇化変化を測定し、△H≦8のものを合格とした。
  〔鉛筆硬度〕:“JIS K 5400 塗料一般試験方法”により荷重1kgで所定の鉛筆を5回引っ掻いた場合、膜の破れが2回未満であった鉛筆を鉛筆硬度とした。
  〔耐水性〕:23±2℃の水中に1時間浸漬し、浸漬後に外観に異常がなく、鉛筆硬度の低下が1ランク以内であるものを合格とした。
  実施例1
(防曇性膜形成用塗布剤の調製)
 イソシアネート基を有するイソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを73重量%有する溶液(「VISGARD−B」;Film Specialties社製)を準備し、これを塗布剤Aとした。
 「63重量部のイソシアネート反応性基を有する界面活性剤であるスルフォン酸アミン塩、及び37重量部のポリオキシアルキレン系のポリオールである平均分子量2100〜4500のエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオール」を27重量%有する溶液1(「VISGARD−A」;Film Specialties社製)、及び疎水性ポリオールである平均分子量1250のポリカーボネートポリオールを80重量%有する溶液2(「PC−61」;日本ポリウレタン社製)を準備した。
 スルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを80重量部、ポリカーボネートポリオールを20重量部になるように前記溶液1及び前期溶液2を混合し、これを塗布剤Bとした。
 100gの塗布剤Bに対し、41gの塗布剤Aを添加混合し、ウレタン成分総量が35重量%となるように塗布剤A及び塗布剤Bの混合物に希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加混合し、防曇性膜形成用塗布剤を調製した。
 (防曇性膜の形成)
 フロート法によって得られた100mm×100mm(2mm厚)のガラス板上に上記で得られた塗布剤をスピンコートにより塗布し、該被塗布ガラス板を約150℃で約30分間熱処理することにより、膜厚15.5μmの防曇性膜を形成した。
 上記方法で得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが7.2、鉛筆硬度がHB、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がBと優れた防曇性膜であることが確認された。     
  実施例2
 実施例1での塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを70重量部、ポリカーボネートポリオールを30重量部とし、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を42gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚20μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが6.2、鉛筆硬度がHB、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がBと優れた防曇性膜であることが確認された。
  実施例3
 実施例1での塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを60重量部、ポリカーボネートポリオールを40重量部とし、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を43gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚17μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが7.0、鉛筆硬度がH、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がHと優れた防曇性膜であることが確認された。
  実施例4
 実施例1での疎水性ポリオールを、平均分子量500のポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセルL205AL」ダイセル化学工業製)とし、塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを59重量部、疎水性ポリオールを40重量部、ポリオキシアルキレン系のポリオールである分子量1000のポリエチレングリコールを1重量部とし、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を44gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚20μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが7.1、鉛筆硬度がH、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がHBと優れた防曇性膜であることが確認された。
  実施例5
 塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを70重量部、疎水性ポリオールを30重量部とし、ポリエチレングリコールを加えず、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を43gとした以外は実施例4と同様の操作を行い膜厚19μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが7.7、鉛筆硬度がHB、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がBと優れた防曇性膜であることが確認された。
  実施例6
 イソシアネート反応性基を有する界面活性剤として、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(商品名「LipoquatR」Lipo Chemicals Inc製)を30重量部、ポリオキシアルキレン系のポリオールとして、平均分子量1000のポリエチレングリコールを2.5重量部、平均分子量3000のポリプロピレンオキサイドポリオール27.5重量部、疎水性ポリールとして、カプロラクトンポリオールを40重量部としたものを塗布剤Bとし、これに塗布剤Aとして、イソシアネート基を有するイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネートのビュレットタイプポリイソシアネート(商品名「N3200」住化バイエルウレタン製)を塗布剤B100g量に対して、45g量を添加混合し塗布剤を得た。該塗布剤のウレタン成分総量の濃度が35重量%となるように希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加し、さらに、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをウレタン成分総量に対して、0.005重量%添加することにより防曇性膜形成用塗布剤を調整した以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚22μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、耐テーバー摩耗性試験において△Hが5.5、鉛筆硬度がHB、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がBと優れた防曇性膜であることが確認された。
  比較例1
 塗布剤Bに疎水性ポリオールを加えず、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を40gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚18μmの防曇性膜を得た。該方法で得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、鉛筆硬度がHBであったが、耐テーバー摩耗性試験において△Hが9.2、耐水性試験後において外観に異常はなかったが、鉛筆硬度が6Bと急激に低下した。   
  比較例2
 実施例1での塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを85重量部、ポリカーボネートポリオールを15重量部とし、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を42gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚21μmの防曇性膜を得た。該方法で得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、冷温防曇性に優れ、鉛筆硬度がHBであったが、耐テーバー摩耗性試験において△Hが8.5、耐水性試験後において外観に異常はなかったが、鉛筆硬度が4Bと急激に低下した。    
  比較例3
 実施例1での塗布剤Bの調製での各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレングオキサイドの共重合体ポリオールを50重量部、ポリカーボネートポリオールを50重量部とし、100gの塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を44gとした以外は実施例1と同様の操作を行い膜厚17μmの防曇性膜を得た。該方法で得られた防曇性膜は、外観に問題はなく、耐テーバー摩耗性試験において△Hが6.6、鉛筆硬度がH、耐水性試験後の外観、鉛筆硬度がHと優れていたが、繰り返し防曇性、冷温防曇性に劣っていた。
  比較例4
 塗布剤Bを、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤を33重量部、疎水性ポリオールを67重量部の平均分子量1250のポリカプロラクトンジオールとし、塗布材Aの塗布剤Bへの添加混合量を44gとした以外は実施例6と同様の操作を行い、膜厚31μmの防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、外観に問題がなく、繰り返し防曇性、耐テーバー摩耗性試験において△Hが6.5、鉛筆硬度がH、耐水性試験後において外観に異常がなく、且つ鉛筆硬度がHであったが、冷温防曇性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 2液硬化型の防曇性膜形成用塗布剤であって、イソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤とを有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が少なくとも疎水性ポリオールを有することを特徴とする防曇性膜形成用塗布剤。
  2. 疎水性ポリオールをイソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤の総量に対して、20重量%〜40重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  3. ポリオール成分が平均分子量400〜5000のポリオキシアルキレン系のポリオールを含有し、該ポリオキシアルキレン中のオキシエチレン単位[−CHCHO−]が疎水性ポリオールをイソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤の総量に対して、10重量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  4. 疎水性ポリオールが平均分子量500〜2000のポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  5. ポリエステルポリオールがポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の防曇性膜形成用塗布剤。
  6. 疎水性ポリオール由来の疎水成分及びウレタン樹脂の架橋と結合した界面活性剤を含有するウレタン樹脂膜であることを特徴とする防曇性膜。
  7. ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合しポリオール成分とイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bを得、該塗布剤にイソシアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤Aを添加混合し防曇性膜形成用塗布剤を得る工程、前記防曇性膜形成用塗布剤を基材表面上に塗布する工程、塗布剤を硬化させる工程とによって基材に防曇性膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の防曇性膜の形成方法。
JP2003273393A 2002-08-01 2003-07-11 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤 Withdrawn JP2004076000A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003273393A JP2004076000A (ja) 2002-08-01 2003-07-11 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002224378 2002-08-01
JP2003273393A JP2004076000A (ja) 2002-08-01 2003-07-11 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004076000A true JP2004076000A (ja) 2004-03-11

Family

ID=32032801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003273393A Withdrawn JP2004076000A (ja) 2002-08-01 2003-07-11 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004076000A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007020759A1 (ja) * 2005-08-17 2007-02-22 Central Glass Company, Limited 防曇性被膜及び防曇性物品
JP2008111050A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Central Glass Co Ltd 防曇性被膜形成用塗布剤及び防曇性被膜の形成方法
EP2714493A4 (en) * 2011-05-31 2015-06-03 Sdc Technologies Inc ANTI-FALL POLYURETHANE COATING COMPOSITIONS
JP7360090B2 (ja) 2019-12-26 2023-10-12 日油株式会社 防曇剤組成物、および防曇物品

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0568006U (ja) * 1992-02-21 1993-09-10 スタンレー電気株式会社 車両用灯具
JPH06122851A (ja) * 1991-05-29 1994-05-06 C I Kasei Co Ltd 防曇性塗膜形成用組成物及びこれを用いた農業用防曇性塩化ビニル系樹脂フイルム
JPH07117202A (ja) * 1993-10-21 1995-05-09 Asahi Glass Co Ltd 透明積層体及びその製造方法
JPH07258600A (ja) * 1994-03-28 1995-10-09 Ipposha Oil Ind Co Ltd 防曇性被覆膜用樹脂組成物および防曇性被覆膜の形成方法
JP2000515572A (ja) * 1996-07-22 2000-11-21 フィルム スペシャルティーズ インコーポレーテッド イソシアナート―反応性界面活性剤を混合したひっかき耐性抗―曇りコーティング組成物
JP2001095395A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Mitsubishi Chem Mkv Co 農業用多層フィルム
JP2001262132A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Mitsubishi Chem Mkv Co 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06122851A (ja) * 1991-05-29 1994-05-06 C I Kasei Co Ltd 防曇性塗膜形成用組成物及びこれを用いた農業用防曇性塩化ビニル系樹脂フイルム
JPH0568006U (ja) * 1992-02-21 1993-09-10 スタンレー電気株式会社 車両用灯具
JPH07117202A (ja) * 1993-10-21 1995-05-09 Asahi Glass Co Ltd 透明積層体及びその製造方法
JPH07258600A (ja) * 1994-03-28 1995-10-09 Ipposha Oil Ind Co Ltd 防曇性被覆膜用樹脂組成物および防曇性被覆膜の形成方法
JP2000515572A (ja) * 1996-07-22 2000-11-21 フィルム スペシャルティーズ インコーポレーテッド イソシアナート―反応性界面活性剤を混合したひっかき耐性抗―曇りコーティング組成物
JP2001095395A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Mitsubishi Chem Mkv Co 農業用多層フィルム
JP2001262132A (ja) * 2000-03-22 2001-09-26 Mitsubishi Chem Mkv Co 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007020759A1 (ja) * 2005-08-17 2007-02-22 Central Glass Company, Limited 防曇性被膜及び防曇性物品
JP2007076999A (ja) * 2005-08-17 2007-03-29 Central Glass Co Ltd 防曇性被膜及び防曇性物品
US8106124B2 (en) 2005-08-17 2012-01-31 Central Glass Company, Limited Antifog coating and antifog article
JP2008111050A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Central Glass Co Ltd 防曇性被膜形成用塗布剤及び防曇性被膜の形成方法
EP2714493A4 (en) * 2011-05-31 2015-06-03 Sdc Technologies Inc ANTI-FALL POLYURETHANE COATING COMPOSITIONS
JP7360090B2 (ja) 2019-12-26 2023-10-12 日油株式会社 防曇剤組成物、および防曇物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4381742B2 (ja) 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤
KR100850829B1 (ko) 방담성 물품, 그의 제조법 및 방담성 피막형성용 도포제
JP5211540B2 (ja) プレ防曇性物品及び防曇性物品並びに防曇性物品のための塗布液
JP4736393B2 (ja) プライマー層が形成されたガラス基材及び防曇性物品
JP7295430B2 (ja) 防曇性物品、及びその製造方法
JP4535708B2 (ja) 防曇性膜形成用塗布剤及び防曇性膜の形成方法
JP4831930B2 (ja) 車両用窓ガラスの視界を確保する方法
JP2008111050A (ja) 防曇性被膜形成用塗布剤及び防曇性被膜の形成方法
JP4535707B2 (ja) 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤
JP2004076000A (ja) 防曇性膜及びその形成方法並びに防曇性膜形成用塗布剤
JP4043207B2 (ja) 防曇性物品およびその形成方法
JP2005110918A (ja) 防曇鏡
JP5151062B2 (ja) 被膜に親水性を付与するための塗布液及び防曇性被膜の製造方法
JP4391250B2 (ja) 防曇性物品の製法
JP4892879B2 (ja) 防曇性物品の製法
JP4574178B2 (ja) 防曇性物品の製法
JP2008134477A (ja) 保護ガラス板を有する表示装置
JP4992894B2 (ja) 防曇窓ガラス
JP4446654B2 (ja) 防曇剤及び防曇性被膜の形成方法
JP2023106722A (ja) 防曇性被膜形成用塗布剤、防曇性物品の製造方法、及び防曇性物品
JP2023025853A (ja) 防曇性被膜形成用塗布剤、防曇性物品の製造方法、及び防曇性物品
JP2009167355A (ja) 浴室用防曇性物品及び製法
JP2022034122A (ja) 防曇性物品及びその製造方法
JP2009256124A (ja) 防曇性物品の製法
JP2023118214A (ja) 防曇性被膜形成用塗布剤、防曇性物品の製造方法、及び防曇性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060117

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100127

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100216

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100325

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100326

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100402

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20111128