JP4535708B2 - 防曇性膜形成用塗布剤及び防曇性膜の形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の塗布剤から形成された防曇性膜は、表面のスリップ性が優れるので、膜表面に汚染物質等が付着しにくく、又、汚染物質等が付着した場合であっても、払拭作業等で容易に除去できるので、耐摩耗性、耐防汚性が高く、上記であげた用途への適用に効果が高く、且つ氷点下環境での防曇性に優れるので、氷点下環境でも使用されうる車両、船舶、航空機等の窓ガラス、鏡、道路反射鏡等の外使いでの使用に特に奏効する。
(防曇性膜形成用塗布剤の調製)
ポリエステルポリオールとして平均分子量500のポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセルL205AL」ダイセル化学工業製)を10.5g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤としてリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(商品名「LipoquatR」Lipo chemicals Inc製)を17.5g量、トリアルカノールアミンとしてトリエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールとして平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。
この塗布剤をスピンコートにより1000mm×1000mm×3mm(厚)サイズのフロート法で製造されたガラス基材上に塗布し、該被塗布ガラス板を約150℃で約30分程度加熱乾燥することにより、膜厚32μmの防曇性膜を形成した。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを8.6g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを15g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを25g量とを混合して塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにイソシアネート成分のヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを46.4g量添加混合した(本実施例ではウレタン成分総量は100gとなる)以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が35μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.74であり、表1に示すように、各種防曇性能、各種強度が優れていることが確認された。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを12.5g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを20g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを15g量とを混合して塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるように、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを47.5g量添加混合した(ウレタン成分総量は100gとなる)以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が35μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.64であり、表1に示すように、各種防曇性能、各種強度が優れていることが確認された。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを23.4g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを15g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを2.5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを15g量とを混合して塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを44.1g量添加混合した(本実施例ではウレタン成分総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が30μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.78であり、表1に示すように、各種防曇性能、各種強度が優れていることが確認された。
ポリエステルポリオールの平均分子量1250のポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセルL212AL」ダイセル化学工業製)を4.7g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを7.5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるように、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを50.3g量添加混合した(本実施例ではウレタン成分総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が28μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.72であり、表1に示すように、各種防曇性能、各種強度が優れていることが確認された。
ポリエステルポリオールの平均分子量1400のポリカーボネートトリオール(商品名「PC−61」固形分濃度80重量%、日本ポリウレタン製)を4.3g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを7.5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるように、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを50.7g量添加混合した(本実施例ではウレタン成分総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が26μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.78であり、表1に示すように、各種防曇性能、各種強度が優れていることが確認された。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを7.8g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを15g量と平均分子量2800のオキシエチレン/オキシプロピレンの共重合体ポリオール(商品名「GEP2800」オキシエチレン含有率50%、三洋化成工業製)10g量とを混合し塗布剤Bを作製した。
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを42.5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを42.5g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるように、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを15g量添加混合した(本比較例ではウレタン成分総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が26μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が1.73で、硬化性が悪く、べとつき感があり、スリップ性が劣っているとともに、テーバー磨耗性及び耐トラバース摩耗性試験において、傷が発生した。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを19.7g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを25g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを7.5g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これにイソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを47.8g量添加混合(本実施例では、ウレタン成分総量は100gとなる)した以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が31μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.73で良好であったが、繰り返し防曇性及び氷点下防曇性において曇りが発生した。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールを19.9g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを25g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これにイソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを50.1g量添加混合(本実施例では、ウレタン成分総量は100gとなる)した以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が24μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.70で良好であったが、繰り返し防曇性において曇りが発生した。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオール11.2g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、トリアルカノールアミンの代わりにジアルカノールアミンのジエタノールアミンを5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを46.3g量添加混合した(本比較例ではウレタン総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚34μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.94でスリップ性が劣っていた。
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤としてリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、トリアルカノールアミンのトリエタノールアミンを8.7g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合し塗布剤Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを53.8g量添加混合した(本比較例ではウレタン総量は100gとなる)以外は、実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.73と良好であったが、氷点下防曇性において曇りが発生した。
ポリエステルポリオールの平均分子量500のポリカプロラクトンジオール24.9g量、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤のリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファートを17.5g量、吸水性ポリオールの平均分子量1000のポリエチレングリコールを20g量とを混合して塗布剤の成分Bを作製した。これに、イソシアネート基/(水酸基+メルカプト基+アミノ基)比が1.2となるようにヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイソシアネートからなる塗布剤Aを37.6g量添加混合した後、ウレタン成分総量の濃度が35重量%となるように希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加した。その後、トリアルカノールアミンの代わりとしてポリエーテル変性シリコーン(商品名「L−7607N」日本ユニカー製)を前記混合された塗布剤に、0.05重量%添加した以外は実施例1と同様の操作で防曇性膜を得た。得られた防曇性膜は、膜厚が27μm、上記スリップ性の評価で得られた静摩擦係数が0.56であり、スリップ性は良好であったが、繰り返し防曇性、氷点下防曇性にて曇りが発生した。
Claims (5)
- 2液硬化型の防曇性膜形成用塗布剤であって、イソシアネート基を有するイソシアネート
成分を有する塗布剤A、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性
剤とを有する塗布剤Bとからなり、前記ポリオール成分が吸水性ポリオール、ポリエステ
ルポリオール、及びアルカノールアミンを有し、当該アルカノールアミンがトリアルカノ
ールアミンからなるものであり、前記イソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシ
アネート反応性基を有する界面活性剤の総量に対して、イソシアネート反応性基を有する
界面活性剤が10重量%〜25重量%、吸水性ポリオールが9重量%〜25重量%、ポリ
エステルポリオールが2.5重量%〜40重量%、トリアルカノールアミンが2.5重量
%〜10重量%であることを特徴とする防曇性膜形成用塗布剤。 - 吸水性ポリオールが平均分子量400〜5000のポリオキシエチレンを有するポリオキ
シアルキレン系のポリオールであり、該ポリオキシエチレン鎖[−CH2CH2O−]単
位が、イソシアネート成分、ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面
活性剤の総量に対して10重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の防曇性膜形成用塗布剤。 - ポリエステルポリオールが平均分子量500〜2000であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防曇性膜形成用塗布剤。
- ポリエステルポリオールがポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の防曇性膜形成用塗布剤。
- ポリオール成分、及びイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を混合しポリオール成
分とイソシアネート反応性基を有する界面活性剤を有する塗布剤Bを得、該塗布剤にイソ
シアネート基を有するイソシアネート成分を有する塗布剤Aを添加混合し防曇性膜形成用
塗布剤を得る工程、前記防曇成膜形成用塗布剤を基材表面上に塗布する工程、室温で放置
又は170℃までの熱処理で塗布剤を硬化させる工程とによって基材に防曇性膜を形成す
ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の防曇性膜形成用塗布剤を用
いる防曇性膜の形成方法。
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