JP4992894B2 - 防曇窓ガラス - Google Patents

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Description

車両用の窓に好適に使用できる防曇ガラスに関する。
ガラスは、透明基材として、車両用窓ガラス、建築用窓ガラス、レンズ、ゴーグル等に使用されている。しかし、ガラスを高湿の場所、又は温度差、湿度差の大きい境界で使用した場合、表面に結露が生じ、曇りが発生する。例えば、湿度の高い梅雨時、温度の低い冬季での車両を走行させた場合、窓での曇り発生は、不可避であり、視界を確保するために、窓に温風、冷風等を送風し、乾燥状態とすることが通常行われている。
従って、窓の視界確保のために消費されるエネルギーは、大きいものであり、車両の燃費特性向上の足枷ともなっていた。特に、室内外の温度差が激しくなる冬季、中でも、氷点下環境になりうる寒冷地では、窓の視界確保のために消費されるエネルギーは、大きくなる。又、乾燥状態とすることによる車両室内の不快感が増大する等の問題があり、これら問題を低減できる窓ガラス、すなわち防曇ガラスを提供することは、環境、人にやさしい車両のためには、必要不可欠である。さらには、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の電気車両では、益々防曇ガラスの必要性が高まるものと予想される。
車両用の防曇ガラスとして、特許文献1では、紫外線低透過ガラスに有機系防曇性材料を含む組成物が塗布されてなる防曇性車両用ガラスが開示されている。又、特許文献2では、室内面にアルミナを含有する水との接触角が30°以下の親水層が設けられた車両用ウィンドーガラスが開示されている。しかし、これら文献での防曇性の発現の手段は、親水層の水膜形成によるものが主たるものなので、氷点下環境では、水膜が凍結し、凍結した水膜を溶かすために、却って、温風送付のためのエネルギー消費を要する等の問題が生じる。
特許文献1では、吸水性による防曇性を発現させるものとして、シリカ微粒子系の多孔質膜、吸水性樹脂の使用が開示されているが、氷点下環境での防曇性発現の観点からの設計がなされていないので、吸水した水が凍結することによる透光性の低下、膜の破壊等の不具合が起こりうる。加えて、これら吸水性の膜の吸水能力は十分でなく、吸水性による防曇性の発現には、さらなる改良が必要であった。
特開2000−239045号公報 特開2003−321251号公報
本発明は、室内外の温度差が激しくなる冬季、特に氷点下環境になりうる寒冷地でも、窓の視界確保を容易にせしめる防曇ガラスを提供することを課題とする。
窓が氷点下環境となりうる寒冷地であっても防曇性を発現せしめるためには、水蒸気がガラス基材に形成された被膜に接触した際に、被膜に吸水された水が凍結することなく、被膜に取り込む必要がある。本発明は、これを達成するために成したもので、被膜中に吸水された水を、被膜中の成分に結合水として取り込めば、吸水された水が凍結することなく、ガラスの視界を確保できることを見出した。
すなわち本発明の防曇ガラスは、ガラス基材、及びガラス基材と密着した被膜を具備した防曇ガラスにおいて、該被膜が吸水性と親水性を呈するポリウレタンからなり、該ポリウレタンがオキシエチレン鎖を有し、該被膜への水滴の接触角が、被膜が吸水していない状態で40°以下であることを特徴とする。ここで、ガラス基材と密着した被膜とは、引っ掻き等の人為的な作業で剥離しない膜で、且つ経時的に被膜自体又は被膜中の成分が溶出することのない膜のことを示す。
水とオキシエチレン鎖中の酸素とは、水素結合するので、被膜に吸水された水は、オキシエチレン鎖部に結合水として取り込まれる。従って、被膜中にオキシエチレン鎖が存在することによって、氷点下環境であっても吸水性による防曇性の発現が可能となる。
オキシエチレン鎖部で水が結合されると、該鎖部で水酸基が生じる。被膜での吸水が飽和に達すると、該水酸基は、被膜表面に現れるので、被膜上に水膜の形成が促進されるので、防曇性を持続させることが可能となる。被膜での吸水飽和となった状態では、例えば、車両の室内温度は上がった状態となっており、水膜が凍結することは、ほとんどなく、又、温風、冷風等を使用して窓の視界を確保する場合であっても、温風、冷風等で費やされるエネルギー量を抑制させることができ、車両の燃費特性の向上に奏功する。
加えて、被膜への水滴の接触角を被膜が吸水していない状態で40°以下と設定することにより、環境は曇り環境となっても、即防曇性を発現させることが可能となる。被膜の機能が吸水性だけの場合、水蒸気が被膜に接触したときに水滴が被膜中に吸水されるまでに時間を要するので、防曇性の発現の時間を要する。被膜に吸水性の機能と親水性の機能を持たせることで、水滴が被膜表面に接触した際に、水と被膜とがより広い面積で接触するようになるので、被膜への吸水が促進される。結果、水蒸気が被膜に接触した時に即防曇性を発現させることが可能となる。尚、ここでの曇り環境とは、100mm×100mm×3mm(厚さ)サイズのフロート法によるソーダ石灰ケイ酸塩ガラスの表面全体に結露が生じる環境のことを指す。
該接触角は、小さい程防曇性には好適であるが、小さい接触角に設定しようとすると、被膜の耐久性を悪くせざるを得ない場合がある。実用的な観点からは、該接触角は、10°以上とすることが好ましい。より好ましくは、25°以上35°以下とすることが好ましい。尚、ここでの被膜への水滴の接触角とは、吸水していない状態の被膜の表面に2μlの水を滴下したときの接触角である。
又、本発明の防曇ガラスは、被膜の吸水飽和時の吸水率が15重量%以上、30重量%以下とすることが好ましい。ここでの吸水率とは、吸水していない状態での被膜の重量を基準としたときの被膜中に存在する水の重量割合を示している。吸水飽和時の被膜への吸水率を上記範囲に設定したのは、15重量%未満では、吸水性の機能による防曇性発現に効果が少なく、30重量%超では、被膜の耐久性が悪くなる傾向にあるからである。吸水飽和時の被膜への吸水率を15重量%以上30重量%以下に設定することにより、被膜が吸水飽和状態となったときに被膜表面が超親水性(水滴の接触角が10°以下の状態)を呈することが容易となり、被膜が吸水飽和状態となっても、防曇性が持続する。
さらには、被膜の十分な吸水性の機能を得るために被膜の膜厚を5μm以上とすることが好ましい。膜厚を厚くする程、被膜の吸水容量は大きくなるが、厚くしすぎると光学的な歪が生じやすくなることや、生産性が低下するので、50μm以下とすることが好ましい。より効率的な生産性を考慮すると、被膜の膜厚は、35μm以下とすることが好ましい。
加えて、防曇ガラスの耐久性を鑑み、被膜の硬度を「JIS K 5400」に準拠して得られる被膜の鉛筆硬度が被膜の吸水飽和時において、HB乃至Fの範囲で設定することが好ましい。又、防曇ガラスを車両用の窓として搭載した場合には、被膜は、布、雑巾等によって、頻繁に払拭されることが想定されるので、払拭による被膜の傷付きを防止するために、「JIS K 7125」に準拠して得られる被膜の静摩擦係数を、被膜が吸水していない状態において、0.4以上0.8以下とすることが好ましい。
本発明の防曇ガラスは、氷点下環境であっても、防曇性が発現し、曇り環境となっても、即防曇性を発現する等の優れた防曇特性を有している。又、耐久性にも優れているので、長期使用に耐えることができる。従って、本発明の防曇ガラスを窓として使用すると、視界の確保が容易であり、車両用の窓として使用した場合は、特にその効果が顕著であり、安全性の向上、車両の燃費特性向上に寄与する。
本発明の防曇ガラスは、ガラス基材とガラス基材と密着した被膜を具備してなる。ガラス基材には、自動車用、建築用、及び産業用ガラス等に通常用いられている板ガラスで、フロート法、デュープレックス法、ロールアウト法等製造されるものを使用することができる。ガラス種としては、クリアガラス、グリーンガラス、ブロンズガラス等の各種着色ガラスやUV、IRカットガラス、電磁遮蔽ガラス等の各種機能性ガラス、網入りガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等防火ガラスに供し得るガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合わせガラス、複層ガラス、プラスチック製のガラス等の各種ガラス製品を使用できる。
ガラス基材の板厚は特に制限されないが、1.0mm以上10mm以下が好ましく、車両用としては1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。基材への被膜の形成は、基材の片面だけであってもよいし、両面に行ってもよい。又、被膜の形成は基材面の全面でも一部分であってもよい。
被膜には、ポリウレタンからなる被膜を使用することができる。ポリウレタンは、ウレタン特有の弾性を有しているので、他の樹脂と比べて、耐磨耗性に優れている等の特徴を有しており、車両用の窓への使用には特に好適である。
ポリウレタンは、イソシアネートプレポリマー(イソシアネート基を有する化学種)とポリオールとを反応させて得られ、ポリオールの種類、及びその他に導入する化学種によって被膜の機能が設定される。このとき、イソシアネート基に対する水酸基、アミノ基、メルカプト基等のイソシアネート反応性基の数を化学量論近傍に調整することが好ましい。
イソシアネートプレポリマー、ポリオール、及びその他の化学種、及び/又はそれらの反応物を有する塗布剤をガラス基材にスピンコート法、ディップコート法、フローコート法等の公知の塗布手段により塗布し、硬化させることで被膜が得られ、該硬化は、室温での放置、又は、170℃までの加熱で行うことができる。
防曇ガラスの耐久性をより向上させるために、ガラス基材にガラス基材と被膜との接着強度を向上させるための処理を予め行うこともできる。そして、防曇ガラスのアルカリ溶液に対する耐久性を向上させるために、ガラス基材の表面を、シランカップリング剤と加水分解性のジルコニア前駆体との組成物を用いて改質してもよい。
該シランカップリング剤には、モノメチルシラノール、ジメチルシラノール、トリメチルシラノール、シラノール(テトラハイドロキシシラン)、モノエチルシラノール、ジエチルシラノール、トリエチルシラノール、モノプロピルシラノール、ジプロピルシラノール、トリプロピルシラノール、トリイソプロピルシラノール、ジフェニルシランジオール、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を使用でき、該ジルコニア前駆体には、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、アルコキシド化合物等を使用できる。
イソシアネートプレポリマーには、イソシアネート基を有する化合物、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートを出発原料としたビウレット及び/又はイソシアヌレート構造を有する3官能のポリイソシアネートを使用できる。当該物質は、耐候性、耐薬品性、耐熱性があり、特に耐候性に対して有効である。又、当該物質以外にも、ジイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート及びトルエンジイソシアネート等も使用することができる。
被膜に吸水性を持たせるために、ポリオールにオリゴマーの吸水性ポリオールを使用することができる。吸水性ポリオールとは、水を吸水して膨潤する性状を有するものであり、分子内の水酸基がイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基と反応してウレタン結合を生じ、ポリウレタンに吸水性の性状を導入することができる。該吸水性ポリオールは水溶性の性状を有してもよい。
吸水飽和時の被膜中の吸水率が15重量%以上となるように、吸水性ポリオールの使用量を調整し、被膜中の吸水性ポリオール由来の吸水成分量を調整する。該吸水性成分は、オキシアルキレン系のポリオール由来のものを使用でき、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖等を有することが好ましく、吸水性に優れるオキシエチレン鎖を有することが特に好ましい。
前記オキシアルキレン系のポリオールは、数平均分子量が400〜5000のものを使用することが好ましい。数平均分子量が400未満の場合は、水を結合水として吸収する能力が低くなり、平均分子量が5000を超える場合は、被膜の強度が低下しやすくなる。吸水性や膜強度等を鑑み、該平均分子量は、400〜4500がより好ましい。該ポリオールには、オキシエチレン/オキシプロピレンの共重合体ポリオール、ポリエチレングリコール等を使用でき、ポリエチレングリコールを使用する場合は、吸水性と得られる被膜の強度を鑑み、数平均分子量を400〜2000とすることが好ましい。
被膜に親水性を付与する代表的な化学種としては、界面活性剤をあげることができる。該界面活性剤が被膜から溶出しないようにするために、樹脂架橋と結合した状態で被膜中に存在させることが好ましい。樹脂架橋と結合した状態とするために、界面活性剤の出発物質を反応性基含有の界面活性剤とする必要がある。該反応性基を、水酸基、アミノ基、メルカプト基等とすると、反応性基がイソシアネートプレポリマーと反応し、界面活性剤を樹脂架橋と化学的に結合させることができる。又、界面活性剤にイソシアネート基を設け、ポリオールと反応させることもできる。
イソシアネート基と反応する反応性基含有の陰イオン系界面活性剤としてはひまし油モノサルフェート、ひまし油モノホスフェート、ソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ソルビトール脂肪酸エステルサルフェート、ソルビトール脂肪酸エステルホスフェート、ショ糖脂肪酸エステルサルフェート、ショ糖脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノホスフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノホスフェート等が挙げられる。
イソシアネート基と反応する反応性基含有の陽イオン系界面活性剤としてはジアルカノールアミン塩、トリアルカノールアミン塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミンエーテル塩、脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩、ポリオキシアルキレンジアルカノールアミンエーテル塩、ポリオキシアルキレントリアルカノールアミンエーテル塩、ジ(ポリオキシアルキレン)アルキルベンジルアルキルアンモニウム塩、アルキルカルバモイルメチルジ(ポリオキシアルキレン)アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート等が挙げられる。
イソシアネート基と反応する反応性基含有の両性イオン系界面活性剤としては、N,N
−ジ(β−ヒドロキシアルキル)N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−β−ヒドロキシアルキル−N,N−ジポリオキシアルキレン−N−
カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−アルキル−N,N−ジ(ポリオキシアルキレン)アミンとジカルボン酸のモノエステル、N−(ポリオキシエチレン)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)アミノアルキル−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N−(β−ヒドロキシアルキルアミノエチル)−N−(β−ヒドロキシアルキル)アミノエチルカルボン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシアルキル)−N,N′−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン塩、N−(β−ヒドロキシアルキル)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)−N−カルボキシエチルエチレンジアミン塩等が挙げられる。
イソシアネート基と反応する反応性基含有の非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ塘脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油エーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミンポリオキシアルキレンアルキルアミド等があげられる。
被膜に親水性を付与する化学種は、被膜が吸水していない状態での水滴の接触角が40°以下となるように被膜に導入させることができる。但し、化学種の過剰な導入は、被膜の強度を弱め、耐久性を悪くするので、該化学種は、該接触角が、10°以上となるように導入することが好ましい。
また、前記イソシアネートプレポリマーには、ジイソシアネート、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートを出発原料としたビウレット及び/又はイソシアヌレート構造を有する3官能のポリイソシアネートを使用できる。当該物質は、耐候性、耐薬品性、耐熱性があり、特に耐候性に対して有効である。又、当該物質以外にも、ジイソフォロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(メチルシクロヘキシル)ジイソシアネート及びトルエンジイソシアネート等も使用することができる。
以上がポリウレタンによる吸水性の機能及び親水性の機能を有する被膜を得るために必要な要件であるが、上記に加え、ポリオールには、疎水性ポリオール、数平均分子量が60〜200の短鎖ポリオールを使用することができる。
前記疎水性ポリオールは、可撓性と耐擦傷性の両方を併せ持ち、被膜の吸水性の機能、及び親水性の機能を低下させにくく、結果、被膜の耐水性及び耐摩耗性を向上させることができる数平均分子量500〜2000のポリエステルポリオールであることが好ましい。
数平均分子量が500未満の場合は、被膜が緻密になりすぎ耐摩耗性が低下する。一方、2000超では、塗布液の成膜性が悪化し、被膜を形成することが難しくなる。又、得られる膜の緻密性を考慮すると、該ポリオールの水酸基数は2又は3とすることが好ましい。該ポリエステルポリオールには、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びそれらの混合物のいずれかを使用することができる。これら疎水性ポリオール由来の疎水成分は、被膜の吸水率、及び水滴接触角が上記した範囲となるように導入し、好ましくは、「JIS K 5400」に準拠して得られる被膜の鉛筆硬度が被膜の吸水飽和時において、HB乃至Fとなるように導入する。
又、短鎖ポリオール由来の成分は、塗布液の硬化性を高め、被膜の強度を高める役割、被膜表面の静的摩擦係数を小さくする効果を有する。防曇鏡は、使用中に膜表面に多種多様の付着物が付着し、外観及び品質を阻害することは容易に想定され、それらの付着物を除去するために、通常では、布等での払拭が行なわれる。その際、表面の静的摩擦係数が大きいと、払拭作業において、除去時間の増加、拭きムラによる外観不良等の不具合が発生する。払拭作業中は、付着物を膜表面に擦りつけるため、該摩擦係数が大きいと、付着物が膜表面に引っかかりやすく、擦り傷も多々発生することや、払拭作業に使用する布等が逆に膜表面に貼り付く等、悪影響を与える場合がある。膜表面の静的摩擦係数が小さいと、膜の耐磨耗性、防汚性が向上するので、該係数は実用的な観点から非常に重要な物
性である。
該短鎖ポリオールの水酸基数は、2又は3であることが好ましい。水酸基が1の場合は、該短鎖ポリオールが膜の骨格成分とならないため膜がもろくなり、3超では、反応性が活性過ぎて、塗布剤が不安定となりやすい。
短鎖ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2,2’−チオジエタノール等のアルキルポリオール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンがあげられ、それらを単独、又は混合物、若しくはそれらの平均分子量200超とならない共重合体等を使用することができ、短鎖ポリオール由来の成分は、被膜の吸水率、及び水滴接触角が上記した範囲となるように導入することができる。特に、「JIS K 7125」に準拠して得られる被膜の静摩擦係数が、被膜が吸水していない状態において、0.4以上0.8以下となるように導入することが好ましい。
被膜の耐磨耗性を向上させるために、塗布剤に金属酸化物の前駆体、シランカップリング剤を導入してもよい。金属酸化物の前駆体に関しては、エトキシド化合物、メトキシド化合物等のアルコキシド化合物、オキシハロゲン化合物、アセチル化合物等を使用することができきる。又、金属酸化物は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタルの中から1種類以上選択したものを使用でき、経済的な観点からシリカが特に好ましい。該金属酸化物の前駆体は、イソシアネートプレポリマー、ポリオール、イソシアネート反応性基を有する界面活性剤の総量(以下ウレタン成分総量とする)に対して、重量比で1.25倍量迄加えることができる。1.25倍量超では、得られる膜の防曇性が低下する。耐磨耗性向上の観点から、金属酸化物の前駆体は、ウレタン成分総量に対し、重量比で0.1倍量迄加えることが好ましい。
シランカップリング剤はウレタン成分の総量に対して、重量比で0.25倍量迄加えることができる。0.25倍量超では、シランカップリング剤の未反応の官能基に起因して得られる膜の強度が低下するとともに膜表面にべたつき感が生じる等の不具合が起こる。又、金属酸化物の前駆体由来の金属酸化物とウレタン樹脂とを架橋させるためには、シランカップリング剤は、ウレタン成分総量に対して、重量比で0.01倍量加えることが好ましい。該シランカップリング剤は3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであると均質な膜が得やすく特に好ましい。
被膜の耐擦傷性を向上させるために塗布剤に平均粒径が5nm〜50nmのシリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化ニオブ、酸化タンタル等の金属酸化物の微粒子を含有させることができ、特にはコロイド状のシリカを含有させることが好ましい。該金属酸化物の微粒子を含有させる場合、防曇性膜の防曇性を低下させないことが重要なので、その含有量は、ウレタン成分の総量に対して、40重量%以下、好ましくは、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下とすることが好ましい。尚、ここでいう平均粒径は、走査型電子顕微鏡観察によって倍率10万倍で膜の断面の観察を行った時に、1μm平方の範囲内に存在する全ての該粒子の粒径を目視で読みとり、その平均値を算出する。この算出を20回繰り返して得られた各値の平均値で定義される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例および比較例で得られた防曇ガラスは、以下に示す方法により品質評価を行った。
〔外観評価〕:被膜の外観、透過性、クラックの有無を目視で評価し、問題ないものを合格(○)、問題のあったものを不合格(×)とした。
〔被膜の吸水飽和時の吸水率〕:湿度50%、温度55℃の環境で12時間保持後、同湿度にて温度25℃の環境で12時間保持したときの防曇鏡の重量(a)を測定し、被膜に43℃飽和水蒸気を5分間接触させ、その後、すぐに被膜表面の水膜を払拭後にガラス基材の重量(b)を測定し、[b−a]/[a−(ガラス基材の重量)]×100(%)の計算式で得られた値を吸水飽和時の吸水率とした。尚、ここでの(a)値は、被膜が吸水していない状態のものに相当する。
〔被膜への水滴の接触角〕:被膜への水滴の接触角については、“JIS R 3257基板ガラス表面のぬれ性試験方法”に準拠して測定した。100mm角の平板の防曇ガラスを、湿度50%、温度55℃の環境で12時間保持後、同湿度にて温度25℃の環境で12時間保持することで、被膜が吸水されていない状態の試験片とした。該試験片を協和界面化学製接触角計(CA−2型)に設置し、被膜上に2μlの水を滴下させて、水滴の接触角を測定した
〔防曇性〕:"JIS S 4030眼鏡用くもり止め剤試験法"に準拠して43℃に設定した温水の水蒸気中に3分保持した時の曇り具合と、常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの呼気による曇り具合を観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生しないものを合格(○)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
〔氷点下防曇性〕:−20℃に設定した冷凍庫内に30分保持した後、常温(23℃、湿度63%)中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇りを観察する。この操作を1サイクルとして10サイクル行い、膜の外観に異常がなく曇りが発生にしないものを合格(○)、曇りが発生したものを不合格(×)とした。該試験に合格する防曇ガラスは、車両用の窓として搭載した場合、氷点下環境となりうる寒冷地で走行した場合でも、窓の曇りが生じ難くなるので、車両の安全走行に寄与する。
〔鉛筆硬度〕:"JIS K 5400 塗料一般試験方法"に準拠して、荷重1kgが付加された鉛筆で膜表面を5回引っ掻き、膜の破れが2回未満であった鉛筆を鉛筆硬度とした。尚、試料は、被膜が吸水飽和状態のものを用いた。該鉛筆硬度は耐擦傷性の指標とすることができる。
〔耐テーバー磨耗性〕:Taber社の5130型テーバー試験機を用いた。膜に摩耗輪(CF−10F)を接触させ、2.45Nの荷重をかけながら500回転実施した時の曇化変化を測定し、△H≦10のものを合格とした。該試験に用いた防曇ガラスは、100mm角の平板のものである。
〔耐トラバース磨耗性〕:膜表面に荷重4.9N/4cm2でネル(綿300番)を5000往復させた時の外観と呼気防曇性を測定し、異常なきものを合格(○)、異常があったものを不合格(×)とした。
〔耐水性〕:23±2℃の水中に1時間浸漬させ、浸漬後に外観に異常がないもの、及び呼気によって曇りが発生しなかったもの、並びに鉛筆硬度の低下が1ランク以内であるものを(〇)、2ランク以上低下するものを不合格(×)とした。
〔スリップ性評価〕:"JIS K 7125 プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法"に準拠して、接触面積40cm2(一辺の長さ6.3cm)の正方形の滑り片を200g荷重で防曇性膜上に乗せ、スリップ性を測定した。尚、滑り片の底面(供試体との接地面)には、実使用での布払拭を想定してネル(綿300番)で覆った。
ここで、測定値より導かれた静摩擦係数が0.8以下のものを合格(○)、0.8を超えるものを不合格(×)とした。スリップ性付与による膜の耐久性向上のために前記静摩擦係数は低いほど好ましいが、防曇性との両立の観点から、実際上は0.4以上0.8以下の範囲で使用することができる。
実施例1
イソシアネートプレポリマーとして、ヘキサメチレンジイソシアネートを73重量%有する溶液(「VISGARD−B」;Film Specialties社製)を準備した。これを塗布剤Aとする。
「63重量部のイソシアネート反応性基を有する界面活性剤であるスルフォン酸アミン塩、及び37重量部の吸水性ポリオールである平均分子量2100〜4500のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの共重合体ポリオール」を27重量%有する溶液1(「VISGARD−A」;Film Specialties社製)、及び吸水性ポリオールである平均分子量1000のポリエチレングリコール、並びに疎水性ポリオールである平均分子量1250のポリカーボネートポリオールを80重量%有する溶液2(「PC−61」;日本ポリウレタン社製)を準備した。
スルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの共重合体ポリオールが70重量部、ポリエチレングリコールが10重量部、ポリカーボネートポリオールが20重量部となるように前記溶液1、前記溶液2及びポリエチレングリコールを混合した。これを塗布剤Bとする。
100gの塗布剤Bに対し、イソシアネート基数/イソシアネート反応性基数比が1.0となるように42gの塗布剤Aを添加混合し、ウレタン成分総量が35重量%となるように塗布剤A及び塗布剤Bの混合物に希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加混合し、吸水性と親水性を呈する被膜を得るための塗布剤を得た。
該塗布剤を、厚さ2mmの1500mm×990mmサイズのフロート法によるソーダ石灰ガラスが曲げ加工された、上辺の角を結ぶ線と上辺の中心が60mm離れ、下辺の角を結ぶ線と下辺の中心が110mm離れ、さらに上辺と下辺の中心を結ぶ線とガラス中央部分が20mm離れている曲面を有する自動車用の窓として供給可能なガラス基材の内周側面にフローコート法で塗布した。尚、[被膜への水滴の接触角]、及び[耐テーバー磨耗性]の両試験用の防曇ガラスには、基材形状を100mm×100mm(2mm厚)の平板とした。
そして、塗布剤が塗布されたガラス基材を150℃で30分間加熱することで、膜厚20μmのオキシエチレン鎖を有するポリウレタンからなる被膜が形成された防曇ガラスを得た。
上記方法で得られた防曇ガラスは、表1に示すように、各種防曇性能、各種耐磨耗性、耐水性等に優れた防曇ガラスであり、車両用の窓に適した防曇ガラスに好適であることが確認された。

実施例2
実施例1での塗布剤Bの調製におてい、各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの共重合体ポリオールを60重量部、ポリエチレンゴリコール20重量部、ポリカーボネートポリオールを20重量部とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、膜厚16μmのオキシエチレン鎖を有するポリウレタンからなる被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、各種防曇性能、各種耐磨耗性、耐水性に優れる防曇ガラスであり、車両用の窓に適した防曇ガラスに好適であることが確認された。
実施例3
実施例1での塗布剤Bの調製において、各成分の混合割合をスルフォン酸アミン塩及びエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドの共重合体ポリオールを60重量部、ポリエチレンゴリコール15重量部、ポリカーボネートポリオールを25重量部とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、膜厚20μmのオキシエチレン鎖を有するポリウレタンからなる被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、各種防曇性能、各種耐磨耗性、耐水性が優れた防曇ガラスであり、車両用の窓に適した防曇ガラスに好適であることが確認された。
実施例4
実施例1でのイソシアネート基数/イソシアネート反応性基数比を1.4となるように塗布剤Bへの塗布剤Aの添加混合量を58gとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、膜厚22μmのオキシエチレン鎖を有するポリウレタンからなる被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、各種防曇性能、各種耐磨耗性、耐水性が優れた防曇ガラスであり、車両用の窓に適した防曇ガラスに好適であることが確認された。
実施例5
イソシアネートプレポリマーとして、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプポリイシシアネート(商品名「N3200」住化バイエルウレタン製)を準備した。これを塗布剤Aとする。
イソシアネート反応性基を有する界面活性剤として17.5gのリシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(商品名「LipoquatR」Lipo chemicals Inc製)、吸水性ポリオールとして20.0gの平均分子量1000のポリエチレングリコール、疎水性ポリオールとして10.5gの平均分子量500のポリカプロラクトンジオール(商品名「プラセルL205AL」ダイセル化学工業製)、短鎖ポリオールして5.0gのトリエタノールアミンとを混合した。これを塗布剤Bとする。
塗布剤Bに対し、イソシアネート基数/イソシアネート反応性基数比が1.2となるように47gの塗布剤Aに塗布剤Bに添加し、混合物を得た。該混合物にウレタン成分総量の濃度が35重量%となるように希釈溶媒としてジアセトンアルコールを添加し、さらに、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートをウレタン成分総量に対して、0.005重量%添加することにより塗布剤を得た。
塗布剤の調製を上記手順とした以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚32μmのオキシエチレン鎖を有するポリウレタンからなる被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、各種防曇性能、各種耐磨耗性、耐水性が優れており、車両用の窓に適した防曇ガラスに好適であることが確認された。
比較例1
塗布剤Bに吸水性ポリオールのポリエチレングリコール、及び疎水性ポリオールのポリカーボネートポリオールを加えずに、100gの塗布剤Aに対する塗布剤Bの添加混合量を40gとした以外は実施例1と同様の操作を行い、膜厚22μmの被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、水滴の接触角が大きく、氷点下防曇性において曇りが生じた。又、耐トラバース磨耗性及びスリップ性が悪く、耐水試験において鉛筆硬度の急激な強度低下が確認された。
比較例2
塗布剤Bに疎水性ポリオールのポリカーボネートポリオールを加えずに、吸水性ポリオールのポリエチレングリコールを30重量部とし、100gの塗布剤Aに対する塗布剤Bへの添加混合量を30gとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、膜厚25μmの被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、耐水試験において鉛筆硬度の急激な強度低下が確認された。
比較例3
塗布剤Bに吸水性ポリオールを加えず、疎水性ポリオールを26gの平均分子量500のポリカプロラクトンジオールとし、塗布剤Aの塗布剤Bへの添加混合量を52gとした以外は実施例4と同様の操作を行い、膜厚32μmの被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、繰り返し防曇性試験、及び氷点下防曇性試験において、曇りが生じた。
比較例4
塗布剤Bに吸水性ポリオールを34g加え、疎水性ポリオールを添加せず、塗布剤Aの塗布剤Bへの添加混合量を44gとした以外は実施例4と同様の操作を行い、膜厚30μmの被膜が形成された防曇ガラスを得た。得られた防曇ガラスは、表1に示すように、耐トラバース磨耗性及びスリップ性が劣っているとともに、耐水試験において鉛筆硬度の急激な強度低下が確認された。

Claims (3)

  1. 氷点下環境にて視界を確保される防曇窓ガラスであり、前記窓ガラスは、ガラス基材、及びガラス基材全面に塗布剤として塗布されて密着した被膜を具備した防曇ガラスからなり、該被膜は吸水性と親水性を呈するポリウレタンからなり、
    前記ポリウレタンがオキシエチレン鎖を有し、且つ数平均分子量が500〜2000のポリエステルポリオールを用いて得られたものであり、
    該被膜への水滴の接触角が、被膜が吸水していない状態で10°以上40°以下、被膜の吸水飽和時の吸水率が15重量%以上、30重量%以下であり、
    「JIS K 5400」に準拠して得られる被膜の鉛筆硬度が被膜の吸水飽和時においてHB乃至F、
    「JIS K 7125」に準拠して得られる被膜の静摩擦係数が被膜が吸水していない状態において0.4以上0.8以下であることを特徴とする防曇窓ガラス。
  2. 被膜の膜厚が5μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防曇窓ガラス。
  3. 前記ポリウレタンがさらに数平均分子量が60〜200の短鎖ポリオールを用いて得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防曇窓ガラス。
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