JPH07258600A - 防曇性被覆膜用樹脂組成物および防曇性被覆膜の形成方法 - Google Patents

防曇性被覆膜用樹脂組成物および防曇性被覆膜の形成方法

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JPH07258600A
JPH07258600A JP6057765A JP5776594A JPH07258600A JP H07258600 A JPH07258600 A JP H07258600A JP 6057765 A JP6057765 A JP 6057765A JP 5776594 A JP5776594 A JP 5776594A JP H07258600 A JPH07258600 A JP H07258600A
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JP
Japan
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urethane resin
coating film
group
resin composition
antifogging coating
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JP6057765A
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Sadahiko Nishikawa
貞彦 西川
Isao Maeda
勲 前田
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Ipposha Oil Industries Co Ltd
Original Assignee
Ipposha Oil Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオキシエチレン基および/またはカルボ
キシル基を含有するウレタン樹脂を含有してなることを
特徴とする防曇性被覆膜用樹脂組成物であり、また、こ
の防曇性被覆膜用樹脂組成物を基材の表面に塗布し、乾
燥することを特徴とする防曇性被覆膜の形成方法。 【効果】 ガラス、プラスチック等の表面に、優れた防
曇性を有しかつ防曇持続性に優れる被膜を容易に形成す
ることができる防曇性被覆用樹脂組成物および防曇性被
覆膜の形成方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防曇性被覆膜用樹脂
組成物および防曇性被覆膜の形成方法に関し、詳しく
は、たとえばガラス、プラスチック、鏡面材料等の透明
基材などの表面に、防曇性および耐久性に優れた被覆膜
を形成することができる防曇性被覆膜用樹脂組成物、お
よび防曇性被覆膜の簡単な形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】各種の材
料を利用して各種の製品を製造した場合に、特にその材
料が透明材料であるときには、その材料が高い透明性を
維持することが、その製品の機能を維持し、あるいはそ
の製品の商品価値を維持する上で極めて重要である。ま
たその材料が透明材料ではなくてもその材料で形成した
製品によっては、その材料で形成した部材の表面状態を
常に鏡面状態に維持することが、その製品の機能を維持
し、あるいはその製品の商品価値を維持する上で極めて
重要である。
【0003】例えば、建造物の窓、ドア、鏡、各種計器
に使用される透視窓、防護マスク等に使用される透視窓
などに使用されるガラス、各種の包材として使用される
プラスチックシートあるいはプラスチックフィルムは、
常時その透明性を維持することが要求される。透明な材
質ではない材料例えば表面が鏡面状態の金属板、不透明
な各種のプラスチックシート、プラスチック製筐体、陶
器の表面などは、常にその高い反射率を維持することが
要求される。
【0004】しかしながら、このような高い透明性ある
いは高い反射率の要求される各種の材質がある湿度と温
度とを有する雰囲気下に置かれた場合に、露点以下の温
度になると、その材料に接する雰囲気中の水分が凝集し
てその材料表面に結露する。その結果、その材料が透明
な材料であればその結露によって透明性が阻害され、ま
たその材料が反射率の高い材料であればその反射率が低
下して、見かけ上失透し、曇を生じてしまう。そして、
その透明材料に要求される高透明性が阻害されることに
より、あるいはその材料に要求される高反射率が低下し
て、その製品あるいは商品の機能の低下あるいは品質の
低下を招来するのである。
【0005】このような問題点を解決するために今まで
種々の試みがなされてきた。
【0006】たとえば、(1) その材料が合成樹脂あるい
は合成樹脂組成物であるときにはその合成樹脂の有する
透明性あるいは高反射率を維持するために、その合成樹
脂あるいは合成樹脂組成物に界面活性剤を配合するこ
と、あるいは、(2) その材料で形成された部材の表面
に、後加工による被覆膜を形成することなどの工夫が提
案されている。
【0007】しかしながら、界面活性剤を配合してなる
樹脂組成物においては、時間が経過するとその樹脂組成
物による部材の表面に界面活性剤がブリードアウトして
その表面状態が劣化し、あるいはその透明性が低下する
と言う問題点がある。換言すると、界面活性剤を折角配
合しても界面活性剤含有の樹脂組成物からなる素材は、
透明性あるいは高反射性に関して耐久性に劣る。
【0008】他方、後加工による被覆膜を形成する手法
においては、後加工に使用する被覆膜形成剤が二液タイ
プであることにより被覆加工が煩雑であったり、触媒を
必要としたり、硬化条件を厳密に選定することが必要で
あったり、硬化条件の制約により被覆膜を形成する素材
が限定されたりなどして、簡便に被覆膜を形成すること
ができると言う訳ではない。
【0009】この発明は前記事情に基づいて完成された
ものである。
【0010】この発明の目的は、高透明性および/また
は高反射性の要求される素材のその表面に、耐久性のあ
る防曇性を付与することのできる防曇性被覆膜用樹脂組
成物を提供することにある。この発明の目的は、高透明
性および/または高反射性の要求される素材のその表面
に、耐久性のある防曇性被覆膜を、簡単に形成すること
のできる方法を提供することにある。
【0011】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためのこの発明の態様は、ポリオキシエチレン基および
/またはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を含有
してなることを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂
組成物であり、この発明の他の態様は、有機イソシアネ
ート化合物と、低分子ポリオール、多価フェノール類お
よびアミン類よりなる群から選択される少なくとも一種
のエチレンオキサイド付加物および/またはポリヒドロ
キシカルボン酸とを反応させて得られてなり、ポリオキ
シエチレン基および/またはカルボキシル基を含有する
ウレタン樹脂を有することを特徴とする防曇性被覆膜用
ウレタン樹脂組成物であり、この発明の他の態様は、有
機イソシアネート化合物と、低分子ポリオール、多価フ
ェノール類およびアミン類よりなる群から選択される少
なくとも一種のエチレンオキサイド付加物および/また
はポリヒドロキシカルボン酸と、前記エチレンオキサイ
ド付加物以外の活性水素化合物とを反応させて得られて
なり、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキシ
ル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とする
防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、この発明の
他の態様は、低分子ポリオール、多価フェノール類およ
びアミン類よりなる群から選択される少なくとも一種の
エチレンオキサイド付加物と低分子ジカルボン酸とを反
応させることにより得られるところの、末端に水酸基を
有するポリエステルおよび/またはポリヒドロキシカル
ボン酸と、有機イソシアネート化合物とを反応させて得
られてなり、ポリオキシエチレン基および/またはカル
ボキシル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴
とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、この
発明の他の態様は、有機イソシアネート化合物と、低分
子ポリオールおよびジカルボン酸を反応させて得られる
ところの、末端に水酸基を有するポリエステルおよび/
またはポリヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られ
てなり、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキ
シル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とす
る防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、この発明
の他の態様は、有機イソシアネート化合物と、低分子ポ
リオールおよびジカルボン酸を反応させて得られるとこ
ろの、末端に水酸基を有するポリエステルおよび/また
はポリヒドロキシカルボン酸と、前記エチレンオキサイ
ド付加物以外の活性水素化合物とを反応させて得られて
なり、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキシ
ル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とする
防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、この発明の
他の態様は、前記いずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹
脂組成物を基材の表面に塗布し、乾燥してなることを特
徴とする防曇性被覆膜の形成方法である。
【0012】以下この発明について、詳細に説明する。
【0013】1.防曇性被覆膜用樹脂組成物 この発明の防曇性被覆膜用樹脂組成物は、ポリオキシエ
チレン基[−(CH2CH2 O)n −を意味する。ただ
し、nは繰り返し単位数を示す。]および/またはカル
ボキシル基(−COOHを意味する。)を分子内に有す
るウレタン樹脂を含有する。
【0014】換言すると、この発明の防曇性被覆膜用樹
脂組成物として、(1) ポリオキシエチレン基を分子内に
有し、カルボキシル基を有していないウレタン樹脂を含
有する態様、(2) ポリオキシエチレン基を有してはいな
いがカルボキシル基を分子内に有するウレタン樹脂を含
有する態様、ならびに(3) ポリオキシエチレン基および
カルボキシル基を分子内に有するウレタン樹脂を含有す
る態様を挙げることができる。
【0015】ウレタン樹脂中に存在するポリオキシエチ
レン基の量は、ウレタン樹脂全体に対して通常5〜85
重量%、好ましくは5〜75重量%、特に好ましくは5
〜65重量%である。この発明においては、ウレタン樹
脂中にポリオキシエチレン基が存在していることによ
り、この発明の目的を十分に達成することができるので
あるが、ウレタン樹脂中のオキシエチレン基の量が前記
範囲を外れるとこの発明の目的達成性が低くなることが
ある。逆の見方をするとウレタン樹脂中のオキシエチレ
ン基の含有量が前記範囲内にあるとこの発明の目的を良
く達成することができる。
【0016】ウレタン樹脂中に存在するカルボキシル基
の量は、ウレタン樹脂全体に対して通常0.1〜6重量
%、好ましくは0.5〜6重量%、特に好ましくは0.
5〜5重量%である。この発明においては、ウレタン樹
脂中にカルボキシル基が存在していることにより、この
発明の目的を達成することができるのであるが、ウレタ
ン樹脂中のカルボキシル基の量が前記範囲を外れるとこ
の発明の目的達成性が低くなることがある。逆の見方を
するとウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量が前記
範囲内にあるとこの発明の目的を良く達成することがで
きる。
【0017】更に詳述すると、ウレタン樹脂中にカルボ
キシル基が存在しない場合におけるウレタン樹脂中のポ
リオキシエチレン基の含有量は、ウレタン樹脂全体に対
して通常5〜85重量%、好ましくは5〜75重量%、
特に好ましくは5〜65重量%である。この発明におい
ては、ウレタン樹脂中にポリオキシエチレン基が存在し
ていることにより、この発明の目的を達成することがで
きるのであるが、ウレタン樹脂中のポリオキシエチレン
基の量が前記範囲を外れるとこの発明の目的達成性が低
くなることがある。逆の見方をするとウレタン樹脂中の
ポリオキシエチレン基の含有量が前記範囲内にあるとこ
の発明の目的を良く達成することができる。
【0018】ウレタン樹脂中にポリオキシエチレン基が
存在しない場合におけるウレタン樹脂中のカルボキシル
基の含有量は、ウレタン樹脂全体に対して通常0.1〜
6重量%、好ましくは0.5〜6重量、特に好ましくは
0.5〜5重量%である。この発明においては、ウレタ
ン樹脂中にカルボキシル基が存在していることにより、
この発明の目的を達成することができるのであるが、ウ
レタン樹脂中のカルボキシル基の量が前記範囲を外れる
とこの発明の目的達成性が低くなることがある。逆の見
方をするとウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量が
前記範囲内にあるとこの発明の目的を良く達成すること
ができる。
【0019】ウレタン樹脂中にポリオキシエチレン基お
よびカルボキシル基が共に存在するときには、ポリオキ
シエチレン基の含有量はウレタン樹脂全体に対して5〜
85重量%、特に5〜65重量%であるのが望ましく、
カルボキシル基の含有量はウレタン樹脂全体に対して
0.1〜6重量%、特に0.5〜5重量%である。ウレ
タン樹脂中のポリオキシエチレン基の含有量およびカル
ボキシル基の含有量が前記範囲内にあると、この発明の
目的を良く達成することができ、例えばポリオキシエチ
レン基やカルボキシル基が前記範囲より少ないと防曇効
果が良く奏されないことがあり、前記範囲より大きいと
水と接触したときに、つまり濡れた状態になったとき
に、被膜強度が不足したり、あるいは透明被膜の形成が
不十分になるなどを生じることがある。
【0020】この発明におけるポリオキシエチレン基お
よび/またはカルボキシル基含有のウレタン樹脂は架橋
型であっても非架橋型であっても良い。非架橋型である
場合の前記ウレタン樹脂の分子量はこの発明の目的を達
成することのできる限り任意であるが、多くの場合、そ
の分子量は5,000〜300,000であり、好まし
くは10,000〜200,000であり、特に好まし
くは10,000〜180,000である。前記ウレタ
ン樹脂の分子量が前記範囲を下まわると、被膜形成性に
劣ったり、被膜強度が小さかったりし、また、余りに分
子量が高いと被膜に柔軟性がなくなり、そのために基材
の変形に対する追随性が悪化したり、あるいは被膜の透
明性が低下したりすることがある。
【0021】この発明に係る防曇性被覆膜用樹脂組成物
は、この発明の目的を達成することのできる限り、ポリ
オキシエチレン基および/またはカルボキシル基を含有
するウレタン樹脂をどのような含有割合で含有していて
も良いのであるが、前記ウレタン樹脂の含有割合は、通
常5重量%以上であり、好ましくは10〜85重量%で
あり、特に好ましくは20〜70重量%である。
【0022】この発明においては、防曇性被覆膜用樹脂
組成物中の前記ウレタン樹脂が100重量%の割合で含
まれていても良い。この場合は、防曇性被覆膜用樹脂組
成物はポリオキシエチレン基および/またはカルボキシ
ル基を含有するウレタン樹脂そのものになる。このウレ
タン樹脂を100重量%の割合で含有する防曇性被覆膜
用樹脂組成物は溶媒その他の添加剤を含んでいない固形
状ないしペースト状物である。したがって、このウレタ
ン樹脂を100重量%の割合で含有する防曇性被覆膜用
樹脂組成物は、保存性が良い。固形状ないしペースト状
の防曇性被覆膜用樹脂組成物は、その使用時に溶媒等で
適当な濃度に希釈するのが好ましい。防曇性被覆膜用樹
脂組成物を溶媒等で希釈すると、刷毛塗り、スプレー塗
布等を作業性良く行うことができるようになる。
【0023】この発明の防曇性被覆膜用樹脂組成物は、
前記ウレタン樹脂の外に、この発明の目的を阻害しない
範囲で他の添加剤等を含有していても良い。
【0024】前記添加剤としては、加水分解防止剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤などを挙げることがで
きる。加水分解防止剤として、例えばカルボジイミド系
スタバクゾール1、PCD(Bayer 社製)、4−t−ブ
チルカテコール、アゾジカルボナミッド、アゾジカルボ
キシリック酸エステル、脂肪酸アマイドなどを挙げるこ
とができる。酸化防止剤としては、BHT、Irganox 10
10、Irganox 1076、BBM、BHA、Cyanox 1790 、Ir
ganox 259 、DLTDP、DSTDP、Santonox R、Ir
ganox 1035、TPP等を挙げることができる。紫外線吸
収剤としては、Viosorb 100 、Viosorb 130 、Viosorb
120 、Cyasorb UV-24 、Tinuvin P 、Tinuvin 320 、Ti
nuvin 327 、Viosorb 510 、Uvinu l400、Uvinul D-50
、Bayer317 等を挙げることができる。防黴剤としては
ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウ
レート、銅−8−ヒドロキシキノリン、ビス(トリ−n
−ブチルチン)などを挙げることができる。
【0025】この防曇性被覆膜用樹脂組成物は、防曇性
被覆膜を形成するための作業性を向上させるために、溶
媒を含有するのが好ましい。
【0026】溶媒としては、水および/または有機溶媒
を使用することができる。
【0027】使用する水として、蒸留水、イオン交換
水、あるいはアンモニア水を挙げることができる。
【0028】有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等の低級アルコールを初めとする各種
のアルコール類、アセトン、ケトン、メチルエチルケト
ンなどの低級アルキルケトンを初めとする各種のケトン
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の単環芳香族炭化
水素を初めとする芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミ
ド、ホルムアミド等のアミド系溶剤およびn−ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族系溶剤等を挙げることができ
る。
【0029】これらの中でも、蒸留水、イオン交換水、
アンモニア水などの水、メタノール、エタノール、プロ
パノール等の低級アルコールを初めとする各種のアルコ
ール類、アセトン、ケトン、メチルエチルケトンなどの
低級アルキルケトンを初めとする各種のケトン類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の単環芳香族炭化水素が好
ましく、特にイオン交換水、アンモニア水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ベンゼン、トルエン、
およびキシレンよりなる群から選択される少なくとも一
種が好ましい。
【0030】水および水に混和する有機溶媒を水系溶媒
と称するのであるが、ポリオキシエチレン基および/ま
たはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂と水系溶媒
との混合物である防曇性被覆膜用樹脂組成物は、防曇性
被覆膜を形成する際に火災の危険がなくて安全である。
【0031】ポリオキシエチレン基および/またはカル
ボキシル基を含有するウレタン樹脂と溶媒との混合物で
ある防曇性被覆膜用樹脂組成物は、ウレタン樹脂におけ
るポリオキシエチレン基および/またはカルボキシル基
の含有量、ならびに溶媒の量等によって一概に決定する
ことができないのであるが、エマルジョン状態または溶
液状態になっている。
【0032】エマルジョン状態の防曇性被覆膜用樹脂組
成物および水溶液状態にすることのできる水溶性の防曇
性被覆膜用樹脂組成物は、有機溶剤を使用せずに基材に
塗布することができるので、作業環境を好適にすること
ができ、しかも取り扱いが容易になる。溶液状態の防曇
性被覆膜用樹脂組成物は、ポリオレフィンフィルム例え
ばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど
の低表面エネルギーを有するプラスチックフィルムに塗
布すると、均一な塗布膜を形成することができると言う
利点を有する。
【0033】以下に、この発明の防曇性被覆膜用樹脂組
成物の好適な態様を列挙する。
【0034】(1) 第1の態様は、ウレタン樹脂全体に対
して5〜85重量%の割合のポリオキシエチレン基およ
び/または0.1〜6重量%の割合のカルボキシル基を
含有するウレタン樹脂を含有してなることを特徴とする
防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、(2) 第2の
態様は、ウレタン樹脂全体に対して5〜75重量%の割
合のポリオキシエチレン基および/または0.5〜6重
量%の割合のカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を
含有してなることを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン
樹脂組成物であり、(3) 第3の態様は、前記第1の態様
および第2の態様において、ウレタン樹脂を10重量%
以上含有してなる防曇性被覆膜用樹脂組成物であり、
(4) 第4の態様は、前記第1の態様および第2の態様に
おいて、ウレタン樹脂を10〜90重量%含有してなる
防曇性被覆膜用樹脂組成物であり、(5) 第5の態様は、
前記第1の態様および第2の態様において、ウレタン樹
脂を3〜60重量%含有してなる防曇性被覆膜用樹脂組
成物であり、(6) 前記第6の態様は、前記第1〜4のい
ずれかの態様において、ウレタン樹脂と水とを含有して
なるエマルジョン液または水溶液である防曇性被覆膜用
樹脂組成物であり、(7) 第7の態様は、前記第1〜5の
いずれかの態様において、ウレタン樹脂の分子量が5,
000〜300,000である防曇性被覆膜用樹脂組成
物であり、(8) 第8の態様は、前記第1〜5のいずれか
の態様において、ウレタン樹脂の分子量が10,000
〜200,000である防曇性被覆膜用樹脂組成物であ
る。
【0035】2.防曇性被覆膜用樹脂組成物 この発明の防曇性被覆膜用樹脂組成物は、別の態様によ
ると、(1) 有機イソシアネート化合物と、低分子ポリオ
ール、多価フェノール類およびアミン類よりなる群から
選択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物
および/またはポリヒドロキシカルボン酸とを反応させ
て得られてなり、ポリオキシエチレン基および/または
カルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有することを
特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、
(2) 有機イソシアネート化合物と、低分子ポリオール、
多価フェノール類およびアミン類よりなる群から選択さ
れる少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物および
/またはポリヒドロキシカルボン酸と、前記エチレンオ
キサイド付加物以外の活性水素化合物とを反応させて得
られてなり、ポリオキシエチレン基および/またはカル
ボキシル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴
とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、(3)
低分子ポリオール、多価フェノール類およびアミン類よ
りなる群から選択される少なくとも一種のエチレンオキ
サイド付加物と低分子ジカルボン酸とを反応させること
により得られるところの、末端に水酸基を有するポリエ
ステルおよび/またはポリヒドロキシカルボン酸と、有
機イソシアネート化合物とを反応させて得られてなり、
ポリオキシエチレン基および/またはカルボキシル基を
含有するウレタン樹脂を有することを特徴とする防曇性
被覆膜用ウレタン樹脂組成物であり、(4) 有機イソシア
ネート化合物と、低分子ポリオールおよびジカルボン酸
を反応させて得られるところの、末端に水酸基を有する
ポリエステルおよび/またはポリヒドロキシカルボン酸
とを反応させて得られてなり、ポリオキシエチレン基お
よび/またはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を
有することを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組
成物であり、(5) 有機イソシアネート化合物と、低分子
ポリオールおよびジカルボン酸を反応させて得られると
ころの、末端に水酸基を有するポリエステルおよび/ま
たはポリヒドロキシカルボン酸と、前記エチレンオキサ
イド付加物以外の活性水素化合物とを反応させて得られ
てなり、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキ
シル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とす
る防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物である。
【0036】−有機イソシアネート化合物− 前記有機イソシアネート化合物としては、例えばエチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデ
カメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカ
トリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン
ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−
ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソ
シアネートエチル)フマレート、ビス(2−イソシアネ
ートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル
−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート等の炭素数
(NCO基中の炭素を除く。以下同じ。)が2〜12の
脂肪族ポリイソシアネート;例えばイソホロンジイソシ
アネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシ
アネート、ビス(2−シソシアネートエチル)4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等の炭素数が
4〜15の脂環族ポリイソシアネート;例えばキシリレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート等の炭素
数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネート;IPDI
およびHDIの三量化物;例えばトリレンジイソシアネ
ート(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタンジイソ
シアネート(MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシ
アネート(PAPI;粗製MDI)、ナフチレンジイソ
シアネート等の炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネ
ート等、およびこれらのポリイソシアネートの変性物を
挙げることができる。
【0037】前記ポリイソシアネートの変性物として
は、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン
基、ビュウレット基、イソシアヌレート基のいずれかの
基もしくはこれらの基を2種以上有する変性物を挙げる
ことができる。
【0038】上記ポリイソシアネートの中でも、炭素数
(NCO基中の炭素を除く。以下同じ。)が2〜12の
脂肪族ポリイソシアネート、炭素数が4〜15の脂環族
ポリイソシアネート、および炭素数8〜12の芳香脂肪
族ポリイソシアネートが好ましく、さらにはHDI、I
PDI、またはテトラメチルキシリレンジイソシアネー
トが好ましく、特にHDIが好ましい。
【0039】これら好ましいポリイソシアネートは、商
業的に入手が容易であり、自然光などの光に対する黄変
が、芳香族系ポリイソシアネート化合物よりも小さいと
いう点で有利である。
【0040】−低分子ポリオール、多価フェノール類お
よびアミン類よりなる群から選択される少なくとも一種
のエチレンオキサイド付加物−前記低分子ポリオールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3
−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキシレングリコール等の2官能ポリオール;グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ソルビトール、シュークローズ等の3官能以上の
ポリオール;乳酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、ジ
メチロールプロピオン酸等のヒドロキシカルボン酸等を
挙げることができる。
【0041】好ましい低分子ポリオールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
1,3−ブタンジオール、および1,4−ブタンジオー
ルを挙げることができる。
【0042】前記多価フェノール類としては、ビスフェ
ノールA等のビスフェノール類を挙げることができる。
多価フェノールの中でも、クレゾール、ビスフェノール
Aが好ましい。クレゾールまたはビスフェノールAを使
用して得られた防曇性被覆膜用樹脂組成物を用いて得ら
れる防曇性被覆膜の強度及び耐水性が向上するからであ
る。
【0043】前記アミン類としては、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレン
トリアミン等の脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げ
ることができる。
【0044】好ましいアミン類はエチレンジアミンであ
る。
【0045】低分子ポリオール、多価フェノール類およ
びアミン類よりなる群から選択される少なくとも一種の
エチレンオキサイド付加物は、前記低分子ポリオール、
多価フェノール類およびアミン類よりなる群から選択さ
れる少なくとも一種にエチレンオキサイドを付加させて
なる付加物であっても良いし、また、前記低分子ポリオ
ール、多価フェノール類およびアミン類よりなる群から
選択される少なくとも一種にエチレンオキサイドとエチ
レンオキサイド以外の活性水素化合物(例えばプロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオ
キサイドなど)とを付加させてなるいわゆるプルロニッ
ク型の付加物であっても良い。
【0046】また、エチレンオキサイド付加物が前記プ
ルロニック型の付加物である場合、エチレンオキサイド
とアルキレンオキサイドその他の活性水素化合物とがラ
ンダムに分子中に結合していても良いし、またブロック
状に結合していても良い。
【0047】−ポリヒドロキシカルボン酸− 前記ポリヒドロキシカルボン酸は、有機イソシアネート
化合物と活性水素化合物とから得られるウレタン樹脂に
カルボキシル基を導入することのできる限り特に制限が
ない。有機イソシアネート化合物と活性水素化合物とか
ら得られるウレタン樹脂にカルボキシル基を導入するに
は、前記有機イソシアネート化合物と縮合反応を行える
ことがポリヒドロキシカルボン酸に要求される。したが
って、ポリヒドロキシカルボン酸は少なくとも2個の水
酸基とカルボキシル基とを有することが望ましい。
【0048】好ましいポリヒドロキシカルボン酸を、次
の化1で示すことができる。
【0049】
【化1】
【0050】ただし、式中のR1 はアルキル基、好まし
くは低級アルキル基、更に好ましくは炭素数1〜3のア
ルキル基である。式中のR2 は置換基を有しても良いア
ルキレン基、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状または分
岐状のアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜3の直
鎖状アルキレン基、更に好ましくはメチレン基である。
式中のR3 は置換基を有しても良いアルキレン基、好ま
しくは炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキレン
基、更に好ましくは炭素数1〜3の直鎖状アルキレン
基、更に好ましくはメチレン基である。R2 およびR3
は互いに同一であっても相違していても良い。
【0051】前記化1で示される示される各種のポリヒ
ドロキシカルボン酸の中でも化2で示される化合物が好
ましい。
【0052】
【化2】
【0053】ただし、式中R1 は前記と同様の意味を示
す。
【0054】前記化2で示される化合物の好適例とし
て、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメ
チロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等を挙げる
ことができる。
【0055】−活性水素化合物− この発明における前記活性水素化合物は低分子ポリオー
ル、多価フェノール類およびアミン類よりなる群から選
択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物以
外の活性水素化合物である。この発明における活性水素
化合物としては、高分子ポリオール、低分子ポリオール
およびポリアミン等を挙げることができる。
【0056】活性水素化合物として使用される前記高分
子ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添
ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、ポリ
マーポリオール等を挙げることができる。
【0057】前記ポリエーテルポリオールとしては、低
分子ポリオール、多価フェノール類およびアミン類から
選択される少なくとも一種とのアルキレンオキサイド付
加物、または環状エーテル化合物の開環重合物等を挙げ
ることができる。
【0058】前記低分子ポリオールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、シクロヘキシレング
リコール等の2官能ポリオール;グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、シュークローズ等の3官能以上のポリオール;乳
酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、ジメチロールプロ
ピオン酸等のヒドロキシカルボン酸等を挙げることがで
きる。
【0059】前記多価フェノール類としては、ビスフェ
ノールA等のビスフェノール類を挙げることができる。
多価フェノールの中でも、ビスフェノールAが防曇性被
覆膜の強度および耐水性を向上させるという利点を有す
るので好ましい。
【0060】前記アミン類としては、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレン
トリアミン等の脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げ
ることができる。
【0061】前記アルキレンオキサイドとしては、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのように低
級アルキル基好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を置
換するエチレンオキサイドを挙げることができる。
【0062】このアルキレンオキサイドの付加物として
は、前記アルキレンオキサイドの一種または二種以上
(ランダムおよびブロック)の付加物を挙げることがで
きる。
【0063】前記環状エーテル化合物の開環重合物とし
ては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等を挙げ
ることができる。
【0064】前記ポリエステルポリオールとしては、ポ
リカルボン酸と前記低分子ポリオールとのエステル、ま
たはポリカルボン酸と前記ポリエーテルポリオールとの
エステルであって、末端にヒドロキシル基を有するポリ
エステルポリオール;ポリカプロラクトンジオール等の
ラクトンポリエステル;ポリカーボーボネートジオール
等を挙げることができる。
【0065】前記ポリカルボン酸としては特に制限はな
く、例えば、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、アゼ
ライン酸、フマル酸、マレイン酸、二量化リノレイン酸
等の脂肪族ポリカルボン酸、およびフタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸を挙げる
ことができる。
【0066】前記各種のポリエステルポリオールの中で
もポリカーボネートジオールが好ましい。
【0067】前記ポリマーポリオールとしては、上記ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポ
リオール中で、アクリルニトリル、スチレン等のビニル
モノマーを重合させてなるポリオール等を挙げることが
できる。
【0068】上記の高分子ポリオールは、一種単独で用
いても良いし、二種以上を混合物として、あるいは別々
に添加することによって併用することもできる。
【0069】前記高分子ポリオールの中でも、ポリエー
テルポリオール、およびポリエステルポリオールが好ま
しい。これらはこの発明の目的を良く達成することがで
き、しかもこれらの組成を変化させることにより、各種
の基材に応じた密着性を付与することができるという利
点を有するので好ましい。
【0070】この発明における高分子ポリオールのOH
当量は、通常200〜3,000であり、好ましくは2
50〜2,000である。OH当量が200未満である
と、被膜が固くなり過ぎて柔軟性に欠けることがあり、
一方、3,000を超えると被膜のブロッキング性が大
きくなるので好ましくない。
【0071】活性水素化合物として使用される低分子ポ
リオールとしては、前記高分子ポリオールの説明中に記
載した低分子ポリオールを好適に使用することができ
る。低分子ポリオールの中でも好ましいのは、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ジ
グリセリンである。これらを用いることにより、ウレタ
ン樹脂被膜の強度を調製することができるという利点を
有するので好ましい。
【0072】活性水素化合物として使用される前記ポリ
アミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン等の脂肪族ポリアミン;4,4’−ジアミノシクロヘ
キシルメタン(水添MBA)、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4’−ジアミノ−ジメチルシクロヘキシ
ルメタン、イソホロンジアミン等の脂環族ポリアミン;
キシリレンジアミン、テトラメチルキシリレンジアミン
等の、芳香環を有する脂肪族アミン;ジフェニルメタン
ジアミン、ジクロロフェニルメタンジアミン、トリレン
ジアミン、ジエチルトリレンジアミン、ベンジジン、フ
ェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、プロパノールアミン、
N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン等のアルカノー
ルジアミン;ポリアルキレンオキサイドポリアミン等を
挙げることができる。
【0073】前記ポリアルキレンエーテルポリアミンと
しては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイドなどの炭素数2〜4のアルキレンオ
キサイドの一種または二種以上(ランダムおよびブロッ
ク)の前記活性水素化合物への付加物およびポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等のように、環状エーテル
化合物を開環重合して得られるポリエーテルポリオール
を挙げることができる。
【0074】上記ポリアミンは、一種単独で用いても良
いし、二種以上を併用しても良い。
【0075】−ウレタン樹脂の合成− ウレタン樹脂にポリオキシエチレン基を導入するには、
(1) 有機イソシアネート化合物と、低分子ポリオール、
多価フェノール類およびアミン類よりなる群から選択さ
れる少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物とを反
応させること、(2) 有機イソシアネート化合物と、低分
子ポリオール、多価フェノール類およびアミン類よりな
る群から選択される少なくとも一種のエチレンオキサイ
ド付加物と、前記エチレンオキサイド付加物以外の活性
水素化合物とを反応させること、および(3) 有機イソシ
アネート化合物とポリエチレングリコールとを反応させ
ること、(4) 有機イソシアネート化合物とポリエチレン
グリコールとポリエチレングリコール以外の活性水素化
合物とを反応させること、(5) 低分子ポリオール、多価
フェノール類およびアミン類よりなる群から選択される
少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物と低分子ジ
カルボン酸とを反応させることにより得られるところ
の、末端に水酸基を有するポリエステルと、有機イソシ
アネート化合物とを反応させることなどの手法を採用す
ることができる。
【0076】ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する
には、(1) カルボキシル基含有ヒドロキシ化合物をグリ
コール成分としてポリカルボン酸と反応させてカルボキ
シル基含有ポリエステルポリオールを合成し、このカル
ボキシル基含有ポリエステルポリオールを活性水素化合
物として有機イソシアネートと反応させる方法、および
(2) ポリヒドロキシカルボン酸を鎖伸長剤として使用す
る方法などを採用することができる。
【0077】いずれにしても、(1) 得られるウレタン樹
脂中にカルボキシル基が導入されずにポリオキシエチレ
ン基が導入されるときには、そのウレタン樹脂中のポリ
オキシエチレン基が5〜85重量%、好ましくは5〜7
5重量%、更に好ましくは5〜65重量%の割合で含有
されるように、各成分の使用量が決定され、(2) 結果と
して得られるウレタン樹脂中にポリオキシエチレン基が
導入されずにカルボキシル基が導入されるときには、そ
のウレタン樹脂中のカルボキシル基が0.1〜6重量
%、好ましくは0.5〜6重量%、更に好ましくは0.
5〜5重量%の割合で含有されるように、各成分の使用
量が決定され、(3) 結果として得られるウレタン樹脂中
にポリオキシエチレン基およびカルボキシル基が導入さ
れるときには、そのウレタン樹脂中のポリオキシエチレ
ン基の含有量が5〜85重量%、好ましくは5〜65重
量%となり、カルボキシル基の含有量が0.1〜6重量
%、好ましくは0.5〜5となるように、各成分の使用
量が決定される。
【0078】前記活性水素化合物を使用する場合、その
活性水素化合物の平均官能基数は、通常2〜3、好まし
くは2〜2.5である。前記活性水素化合物の平均官能
基数が前記範囲内にあると、常法のウレタン樹脂の合成
において、架橋反応などの制御が容易であるという利点
があるので好ましい。
【0079】本発明におけるウレタン樹脂の合成に際し
ては、溶媒を使用することもできる。溶媒としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコー
ルを初めとする各種のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトンなどの低級アルキルケト
ンを初めとする各種のケトン類、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の単環芳香族炭化水素を初めとする芳香族炭
化水素、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、n−
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶剤等を挙げることが
できる。
【0080】合成に際しては、触媒を使用することがで
きる。触媒として、3級アミン化合物および有機金属化
合物などを挙げることができる。この発明においては、
有機金属化合物が好ましく、有機金属化合物の中でも、
スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジ
ブチルチンジラウレート等が好ましい。
【0081】合成時の反応温度は、通常60〜130℃
である。反応時間は、通常1〜5時間である。
【0082】反応に際しては、補助原料として鎖延長
剤、架橋剤、界面活性剤、難燃剤、加水分解防止剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤等を反応系に混入させ
ても良い。
【0083】反応の結果として得られるところの、ポリ
オキシエチレン基および/またはカルボシキル基を有す
るウレタン樹脂を含有する反応生成物は、そのまま防曇
性被覆膜用樹脂組成物として使用することもできるし、
得られた反応生成物に、前述した各種の補助原料、溶
媒、水等を添加して防曇性被覆膜用樹脂組成物を得ても
良い。
【0084】この発明の防曇性被覆膜の形成方法は、前
記のようにして得られた防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組
成物をそのまま基材の表面に付着させ、あるいは防曇性
被覆膜用ウレタン樹脂組成物が流動性を有していないと
きには適宜に溶媒あるいは水を添加することにより防曇
性被覆膜用ウレタン樹脂組成物の粘度調製をしてから、
基材の表面に付着させる。この場合、防曇性被覆膜用ウ
レタン樹脂組成物中における、ポリオキシエチレン基お
よび/またはカルボシキル基を有するウレタン樹脂の含
有量は、通常5〜85重量%、好ましくは5〜75重量
%、更に好ましくは5〜65重量%である。
【0085】前記溶媒としては、水および有機溶媒を挙
げることができる。有機溶媒の例示としては、前述した
のと同様である。
【0086】3.防曇性被覆膜の形成 前述のようにして製造され、かつ溶媒あるいは水を含ん
だ防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物を基材の表面に塗
布し、これを乾燥することにより防曇性被覆膜が形成さ
れる。
【0087】基材としては、透明性の要求される基材、
高反射率の表面を有することが要求される基材を挙げる
ことができる。透明性の要求される基材の具体例とし
て、例えば、ガラス、透明な合成樹脂などの透明材料で
形成された建造物や車両の窓、ドア、鏡、各種計器に使
用される透視窓、防護マスク、各種の包材として使用さ
れるプラスチックシートあるいはプラスチックフィルム
などを挙げることができる。その表面に高反射率の要求
される基材の具体例として、例えば、表面が鏡面状態に
なっている金属製の各種部材、プラスチック製の各種筐
体、陶器などを挙げることができる。
【0088】基材表面への防曇性被覆膜用ウレタン樹脂
組成物の塗布は、例えば、刷毛塗り、スプレー塗布、バ
ーコータによる塗布、ディッピングなどの手段を採用し
て行うことができる。
【0089】乾燥に際しては、熱風あるいは冷風を噴射
して乾燥する手法、自然乾燥させる手法、減圧乾燥する
手法など各種の公知の手法を採用することができる。
【0090】以下に、この発明の防曇性被覆膜用ウレタ
ン樹脂組成物および防曇性被覆膜の形成方法についての
好適な態様を例示する。
【0091】(1) 有機イソシアネート化合物と低分子ポ
リオール、多価フェノール類およびアミン類よりなる群
から選択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付
加物および/またはポリヒドロキシカルボン酸とを反応
させて得られてなり、ポリオキシエチレン基および/ま
たはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有するこ
とを特徴とする第1の防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成
物、(2) 有機イソシアネート化合物と低分子ポリオー
ル、多価フェノール類およびアミン類よりなる群から選
択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付加物お
よび/またはポリヒドロキシカルボン酸と活性水素化合
物とを反応させて得られてなり、ポリオキシエチレン基
および/またはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂
を有することを特徴とする第2の防曇性被覆膜用ウレタ
ン樹脂組成物、(3) 有機イソシアネートとポリエチレン
グリコールおよび/またはポリヒドロキシカルボン酸と
ポリエチレングリコール以外の活性水素化合物とを反応
させて得られてなり、ポリオキシエチレン基および/ま
たはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有するこ
とを特徴とする第3の防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成
物、(4) 低分子ポリオール、多価フェノール類およびア
ミン類よりなる群から選択される少なくとも一種のエチ
レンオキサイド付加物と低分子ジカルボン酸とを反応さ
せて得られるところの、末端に水酸基を有するポリエス
テルおよび/またはポリヒドロキシカルボン酸と、有機
イソシアネート化合物とを反応させて得られてなり、ポ
リオキシエチレン基および/またはカルボキシル基を含
有するウレタン樹脂を有することを特徴とする第4の防
曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物、(5) 前記第1、2、
4のいずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物にお
いて、前記低分子ポリオールが2官能ポリオールである
第5の防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物、(6) 前記第
1、2、4のいずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組
成物において、前記低分子ポリオールがエチレングリコ
ールである第6の態様の防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組
成物、(7) 前記第1、2、4〜6のいずれかの防曇性被
覆膜用ウレタン樹脂組成物において、前記多価フェノー
ル類がビスフェノール類である第7の防曇性被覆膜用ウ
レタン樹脂組成物、(8) 前記第1、2、4〜7のいずれ
かの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物において、前記
アミン類が脂肪族ポリアミンである第8の防曇性被覆膜
用ウレタン樹脂組成物、(9) 前記第1、2、4〜7のい
ずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物において、
前記アミン類がエチレンジアミンである第9の防曇性被
覆膜用ウレタン樹脂組成物、(10)前記第1、2、4〜9
のいずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物におい
て、エチレンオキサイド付加物が、低分子ポリオールに
エチレンオキサイドが付加してなる第10の防曇性被覆
膜用ウレタン樹脂組成物、(11)前記第1〜11のいずれ
かの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物において、前記
有機イソシアネートが炭素数2〜12の脂肪族ポリイソ
シアネート、炭素数4〜15の脂環族ポリイソシアネー
ト、炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネート、
および炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネートより
なる群から選択される少なくとも一種である第11の防
曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物、(12)前記第1〜11
のいずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物におい
て、前記有機イソシアネートが炭素数2〜12の脂肪族
ポリイソシアネートである第12の防曇性被覆膜用ウレ
タン樹脂組成物、(13)前記第1〜11のいずれかの防曇
性被覆膜用ウレタン樹脂組成物において、前記有機イソ
シアネートがHDI、IPDI、水添MDIおよびテト
ラメチルキシリレンジイソシアネートよりなる群から選
択される少なくとも一種である第13の防曇性被覆膜用
ウレタン樹脂組成物、(14)前記第1〜13のいずれかの
防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物において、前記ポリ
ヒドロキシカルボン酸が次の式
【0092】
【化1】
【0093】(ただし、式中のR1 はアルキル基、好ま
しくは低級アルキル基、更に好ましくは炭素数1〜3の
アルキル基である。式中のR2 は置換基を有しても良い
アルキレン基、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状または
分岐状のアルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜3の
直鎖状アルキレン基、更に好ましくはメチレン基であ
る。式中のR3 は置換基を有しても良いアルキレン基、
好ましくは炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキ
レン基、更に好ましくは炭素数1〜3の直鎖状アルキレ
ン基、更に好ましくはメチレン基である。R2 およびR
3 は互いに同一であっても相違していても良い。)で示
される化合物である第14の防曇性被覆膜用ウレタン樹
脂組成物、(15)前記第1〜13のいずれかの防曇性被覆
膜用ウレタン樹脂組成物において、前記ポリヒドロキシ
カルボン酸が次の式
【0094】
【化2】
【0095】(ただし、ただし、式中R1 は前記と同様
の意味を示す。)で示される化合物である第15の防曇
性被覆膜用ウレタン樹脂組成物、(16)前記第1〜13の
いずれかの防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物におい
て、前記ポリヒドロキシカルボン酸が、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、およ
び2,2−ジメチロール吉草酸よりなる群から選択され
る少なくとも一種のカルボン酸である第16の防曇性被
覆膜用ウレタン樹脂組成物、(17)前記第1〜16のいず
れかのウレタン樹脂組成物を基材の表面に塗布し、乾燥
することを特徴とする第1の防曇性被覆膜の形成方法、
【0096】
【実施例】
(実施例1)温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素ガ
ス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリカーボネート
ジオール(MW=2,000)75重量部と、グリコー
ルエチレンオキサイド(EO)/プロピレンオキサイド
(PO)付加物(MW=3,000、EO含有量40重
量%)25重量部と、ジメチロイルプロピオン酸5.6
重量部と、メチルエチルケトン100重量部と、触媒ジ
ブチルチンジラウリレート0.1重量部とを仕込み、内
容物を撹拌しながら、70℃に加熱した。次いで、ヘキ
サメチレンジイソシアネートをOH基に対して2倍モル
滴下した。滴下後更に85℃まで昇温し、NCO残量が
理論量に達するまで反応させた。NCO残量が所定値に
達したとき、これを反応終点として加熱を停止し、40
℃まで冷却した。次いで、エチレンジアミン2.5重量
部を滴下し、反応させた。NCO量を測定し、NCOの
消失により反応の終了を確認した。反応後、アンモニア
水2.8重量部およびイオン交換水500重量部を添加
することによりウレタンエマルジョンを得た。
【0097】(実施例2)実施例1において、ポリカー
ボネートジオールに代えてポリカプロラクトンジオール
(MW=2,000)を使用した他は、実施例1におけ
るのと全く同様にしてウレタンエマルジョンを得た。
【0098】(実施例3)実施例1において、ポリカー
ボネートジオール75重量部およびグリコールEO/P
O付加物25重量部に代えて、ポリカーボネートジオー
ル(MW=2,000)を100重量部としたこと、ジ
メチロイルプロピオン酸の配合量を6.7重量部とした
こと、エチレンジアミンおよびアンモニア水の添加量を
それぞれ3.0重量部および3.4重量部にしたこと以
外は実施例1におけるのと同様にしてウレタンエマルジ
ョンを得た。
【0099】(実施例4)前記四ツ口フラスコに、グリ
コールEO/PO付加物(MW=2,000、EO含有
量40重量%)100重量部と、グリセリン0.45重
量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート110重量部
と、トルエン218.3重量部と、イソプロピルアルコ
ール38.5重量部とを仕込み、内容物を撹拌しなが
ら、80℃まで昇温した。NCO量を測定し、NCO残
量の消失により反応を終了させた。反応後、40℃まで
冷却することによりウレタン溶液を得た。
【0100】(実施例5)前記実施例1において、ポリ
カーボネートジオールに代えてポリアジピン酸ジオール
(MW=2,000、ブタンジオール含有量10重量
%)を使用した外は、前記実施例1におけるのと同様に
してウレタンエマルジョンを得た。
【0101】(実施例6)前記実施例1においてグリコ
ールEO/PO付加物に代えてポリエチレングリコール
(PEG−3,000、MW=3,000)を使用した
外は、前記実施例1におけるのと同様にしてウレタンエ
マルジョンを得た。
【0102】(実施例7)前記実施例1においてエチレ
ンジアミン2.5重量部に代えてエチレンジアミン1.
25重量部とジエチレントリアミン0.36重量部とを
使用した外は、前記実施例1におけるのと同様にしてウ
レタンエマルジョンを得た。
【0103】(実施例8)前記実施例1においてヘキサ
メチレンジイソシアネートに代えてジフェニルメタンジ
イソシアネートを使用した外は前記実施例1におけるの
と同様にしてウレタンエマルジョンを得た。
【0104】(比較例1)温度計、撹拌機、還流冷却器
および窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリ
カーボネートジオール(MW=2,000)を100重
量部と、メチルエチルケトンを100重量部と、触媒ジ
ブチルチンジラウリレートを0.1重量部とを仕込み、
撹拌しながら、70℃に加熱した。次いで、ヘキサメチ
レンジイソシアネートをOH基に対して2倍モル滴下し
た。滴下後更に85℃まで昇温し、NCO残量が所定値
に達するまで反応させた。NCO残量が所定値に達した
後、加熱を停止し40℃まで冷却した。次いで、エチレ
ンジアミンを2.5重量部に滴下し反応させた。NCO
量を測定し、NCOの消失により反応の終了を確認し
た。反応後、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ10重
量部およびイオン交換水500重量部を添加することに
よりウレタンエマルジョンを得た。
【0105】前記実施例1〜8、および比較例1で得ら
れたウレタンエマルジョンまたはウレタン溶液を、PE
Tフィルム上にNo.1のマイヤーバーにて塗工し、1
00℃で1分乾燥させることによりPETフィルム上に
被膜を形成した。
【0106】得られた被膜を有するPETフィルムにつ
いて、以下の方法により高温防曇性、低温防曇性、およ
び防曇効果の持続性を評価した。
【0107】−高温防曇性− 40℃の温水100ccを200ccのビーカーに入
れ、得られた被膜を有するPETフィルムで前記ビーカ
ーの口を覆い、ゴム帯およびテープで密封した。このビ
ーカーを同40℃の恒温槽内に一時間保持した後、フィ
ルム上における水分の凝集の状態、すなわち凝結の状態
を目視により観察し、下記の評価基準により評価した。
結果を表1に示した。
【0108】−低温防曇性− 20℃の温水100ccを200ccのビーカーに入
れ、得られた被膜を有するPETフィルムでビーカーの
口を覆い、ゴム帯およびテープで密封した。このビーカ
ーを5℃の恒温槽内に一時間保持した後、フィルム上に
おける水分の凝集の状態、すなわち凝結の状態を目視に
より観察し、下記の評価基準により評価した。結果を表
1に示した。
【0109】<評価基準>PETフィルムにおけるビー
カー内を向いた面の面積に対する、水滴が付着している
部分の面積の割合により、以下の10ランクとして評価
した 10・・・・・・・・・5%未満 9・・・・5%以上10%未満 8・・・10%以上20%未満 7・・・20%以上30%未満 6・・・30%以上40%未満 5・・・40%以上50%未満 4・・・50%以上60%未満 3・・・60%以上80%未満 2・・・80%以上90%未満 1・・・・・・・・90%以上。
【0110】
【表1】
【0111】−防曇持続性− 水100ccを200ccのビーカーに入れ、得られた
被膜を有するPETフィルムで、被膜形成面がビーカー
内部に向くように、ビーカーの口を覆い、ゴム帯および
テープで密封した。ビーカー内の水面の高さが恒温槽の
水面の高さとほほ同じになるようにビーカーを恒温槽内
に固定した。その後40℃で4日間保持し、その後1日
間室温に放置すると言うサイクルを繰り返し、一定時間
毎にフィルム上における水分の凝集の状態、すなわち曇
りの発生の状態を目視により観察し、下記の評価基準に
より評価した。結果を表2に示した。
【0112】<評価基準>PETフィルムにおけるビー
カー内を向いた面の面積に対する、防曇効果の消失した
部分の面積の割合により、以下の10ランクとして評価
した 10・・・・・・・・・5%未満 9・・・・5%以上10%未満 8・・・10%以上20%未満 7・・・20%以上30%未満 6・・・30%以上40%未満 5・・・40%以上50%未満 4・・・50%以上60%未満 3・・・60%以上80%未満 2・・・80%以上90%未満 1・・・・・・・・90%以上
【0113】
【表2】
【0114】
【発明の効果】この発明によると、優れた防曇性を有
し、かつその防曇効果を長期間に渡って維持することの
できる被膜を、ガラス、プラスチック等の高透明性また
は高反射性を維持するべき基材の表面に形成することが
できる防曇被覆用樹脂組成物を提供することができる。
【0115】この発明の防曇被覆用樹脂組成物によって
被覆された透明材料は、長期間優れた防曇性を維持す
る。
【0116】この発明の防曇被覆用樹脂組成物による
と、防曇持続性に優れた被膜を簡単な操作で透明材料を
初めとする材料の表面に形成することができる。
【0117】この発明の防曇性被覆膜の形成方法による
と、基材の表面に防曇性被覆膜を、簡単な操作で容易に
形成することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシエチレン基および/またはカ
    ルボキシル基を含有するウレタン樹脂を含有してなるこ
    とを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 有機イソシアネート化合物と、低分子ポ
    リオール、多価フェノール類およびアミン類よりなる群
    から選択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付
    加物および/またはポリヒドロキシカルボン酸とを反応
    させて得られてなり、ポリオキシエチレン基および/ま
    たはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有するこ
    とを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機イソシアネート化合物と、低分子ポ
    リオール、多価フェノール類およびアミン類よりなる群
    から選択される少なくとも一種のエチレンオキサイド付
    加物および/またはポリヒドロキシカルボン酸と、前記
    エチレンオキサイド付加物以外の活性水素化合物とを反
    応させて得られてなり、ポリオキシエチレン基および/
    またはカルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有する
    ことを特徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 低分子ポリオール、多価フェノール類お
    よびアミン類よりなる群から選択される少なくとも一種
    のエチレンオキサイド付加物と低分子ジカルボン酸とを
    反応させることにより得られるところの、末端に水酸基
    を有するポリエステルおよび/またはポリヒドロキシカ
    ルボン酸と、有機イソシアネート化合物とを反応させて
    得られてなり、ポリオキシエチレン基および/またはカ
    ルボキシル基を含有するウレタン樹脂を有することを特
    徴とする防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 有機イソシアネート化合物と、低分子ポ
    リオールおよびジカルボン酸を反応させて得られるとこ
    ろの、末端に水酸基を有するポリエステルおよび/また
    はポリヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られてな
    り、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキシル
    基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とする防
    曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 有機イソシアネート化合物と、低分子ポ
    リオールおよびジカルボン酸を反応させて得られるとこ
    ろの、末端に水酸基を有するポリエステルおよび/また
    はポリヒドロキシカルボン酸と、前記エチレンオキサイ
    ド付加物以外の活性水素化合物とを反応させて得られて
    なり、ポリオキシエチレン基および/またはカルボキシ
    ル基を含有するウレタン樹脂を有することを特徴とする
    防曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれかに記載の防
    曇性被覆膜用ウレタン樹脂組成物を基材の表面に塗布
    し、乾燥してなることを特徴とする防曇性被覆膜の形成
    方法。
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