JP2002240216A - 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents
農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムInfo
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- JP2002240216A JP2002240216A JP2001042683A JP2001042683A JP2002240216A JP 2002240216 A JP2002240216 A JP 2002240216A JP 2001042683 A JP2001042683 A JP 2001042683A JP 2001042683 A JP2001042683 A JP 2001042683A JP 2002240216 A JP2002240216 A JP 2002240216A
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- resin
- acrylic
- polyolefin
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
Landscapes
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Protection Of Plants (AREA)
- Greenhouses (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】巻き上げられたフィルムの融着がフィルム透明
性を損なうことなく改善され、かつ、被膜の密着性が良
く、耐候性、防曇性に優れ、長期間にわたって展張して
おくことができる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
を提供する。 【解決手段】 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムで
あって、展張時ハウス外面にアクリル変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含む被膜を形成してなることを特徴とする農
業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
性を損なうことなく改善され、かつ、被膜の密着性が良
く、耐候性、防曇性に優れ、長期間にわたって展張して
おくことができる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
を提供する。 【解決手段】 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムで
あって、展張時ハウス外面にアクリル変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含む被膜を形成してなることを特徴とする農
業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農業用ポリオレフィ
ン系フィルムに関し、さらに詳しくは、フィルム同士が
重なりあった際に融着することが少なく、かつ耐候性に
優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに関するも
のである。
ン系フィルムに関し、さらに詳しくは、フィルム同士が
重なりあった際に融着することが少なく、かつ耐候性に
優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、農業用作物を半促成又は抑制栽培
して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化ビ
ニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、及びポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊フ
ィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽
培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行
われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体と
した農業用ポリオレフィンフィルムは、軽量であり、ま
た焼却しても有毒ガスの発生が少なく、安価であること
などから盛んに利用されるようになってきている。
して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化ビ
ニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、及びポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊フ
ィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽
培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行
われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体と
した農業用ポリオレフィンフィルムは、軽量であり、ま
た焼却しても有毒ガスの発生が少なく、安価であること
などから盛んに利用されるようになってきている。
【0003】なお、農業用塩化ビニルフィルムは汚れや
すい為、その表面にアクリル系樹脂等の防塵性の被膜を
設けることを要するのに対し、ポリオレフィン系樹脂は
比較的汚れにくい性質を有するのと、他の樹脂との相性
が悪いため、通常、ポリオレフィン系樹脂だけの単層又
は多層のフィルムから構成されている。さて、農業用ハ
ウスでは、気温が高い夏期に換気をするため、側面フィ
ルムを金属パイプに巻き付けたまま数ヶ月間放置される
こともあり、この時フィルムは高温度・高湿度の雰囲気
にさらされ、またフィルムは互いに圧着されているた
め、接触面同士が融着することがある。そして、秋〜冬
に気温が低下した時、ハウス内が低温になるのを避ける
ために巻き上げていたフィルムを巻きおろすが、フィル
ムが融着した場合巻きおろすことができず、また、無理
に巻きおろすとフィルムが破れてしまい大きな問題であ
った。
すい為、その表面にアクリル系樹脂等の防塵性の被膜を
設けることを要するのに対し、ポリオレフィン系樹脂は
比較的汚れにくい性質を有するのと、他の樹脂との相性
が悪いため、通常、ポリオレフィン系樹脂だけの単層又
は多層のフィルムから構成されている。さて、農業用ハ
ウスでは、気温が高い夏期に換気をするため、側面フィ
ルムを金属パイプに巻き付けたまま数ヶ月間放置される
こともあり、この時フィルムは高温度・高湿度の雰囲気
にさらされ、またフィルムは互いに圧着されているた
め、接触面同士が融着することがある。そして、秋〜冬
に気温が低下した時、ハウス内が低温になるのを避ける
ために巻き上げていたフィルムを巻きおろすが、フィル
ムが融着した場合巻きおろすことができず、また、無理
に巻きおろすとフィルムが破れてしまい大きな問題であ
った。
【0004】この問題を解決する方法として、農業用ポ
リオレフィン系フィルムの片面に、特定のアクリル系樹
脂からなる被膜を形成することにより、フィルム透明性
を損なうことなく、高温高湿度における巻き上げ時の融
着を防止することを、先に提案している。(特願10−
364505及び11−198601)しかしながら、
かかる特定のアクリル系樹脂をポリオレフィン系樹脂か
らなるフィルムの片面に形成して長期展張を行っていた
場合に、ポリオレフィン系樹脂フィルムとの相性の問題
からか、該フィルムに対するアクリル系樹脂塗膜の密着
性が劣り、長期間外気にさらされている内に、だんだん
とアクリル系樹脂層が剥がれてきて、耐久性に劣るとい
う問題が見いだされてきた。
リオレフィン系フィルムの片面に、特定のアクリル系樹
脂からなる被膜を形成することにより、フィルム透明性
を損なうことなく、高温高湿度における巻き上げ時の融
着を防止することを、先に提案している。(特願10−
364505及び11−198601)しかしながら、
かかる特定のアクリル系樹脂をポリオレフィン系樹脂か
らなるフィルムの片面に形成して長期展張を行っていた
場合に、ポリオレフィン系樹脂フィルムとの相性の問題
からか、該フィルムに対するアクリル系樹脂塗膜の密着
性が劣り、長期間外気にさらされている内に、だんだん
とアクリル系樹脂層が剥がれてきて、耐久性に劣るとい
う問題が見いだされてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明は、上
記問題を解決した、巻き上げられたフィルムの融着がフ
ィルム透明性を損なうことなく改善され、かつ、被膜の
密着性が良く、耐候性、防曇性に優れ、長期間にわたっ
て展張しておくことができる農業用ポリオレフィン系樹
脂フィルムを提供することを目的とするものである。
記問題を解決した、巻き上げられたフィルムの融着がフ
ィルム透明性を損なうことなく改善され、かつ、被膜の
密着性が良く、耐候性、防曇性に優れ、長期間にわたっ
て展張しておくことができる農業用ポリオレフィン系樹
脂フィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とす
るところは、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムであ
って、展張時ハウス外面にアクリル変性ポリオレフィン
系樹脂を含む被膜を形成してなることを特徴とする農業
用ポリオレフィン系樹脂フィルムにある。
るところは、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムであ
って、展張時ハウス外面にアクリル変性ポリオレフィン
系樹脂を含む被膜を形成してなることを特徴とする農業
用ポリオレフィン系樹脂フィルムにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂としては、α−オ
レフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とす
る異種単量体との共重合体であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1
−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これら
のうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエ
チレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸
ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル
共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用
フィルムとして好ましい。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂としては、α−オ
レフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とす
る異種単量体との共重合体であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1
−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これら
のうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエ
チレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸
ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル
共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用
フィルムとして好ましい。
【0008】また、本発明において、ポリオレフィン系
樹脂の一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られ
るエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用すること
ができる。これは、通常、メタロセンポリエチレンとい
われているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−
オレフィンとの共重合体であり、この共重合体は、(A
法)特開昭58−19309号、特開昭59−9529
2号、特開昭60−35005号、特開昭60−350
06号、特開昭60−35007号、特開昭60−35
008号、特開昭60−35009号、特開昭61−1
30314号、特開平3−163088号の各公開公
報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細書、
米国特許第5055438号明細書及び国際公報WO9
1/04247号明細書などに記載されている方法、即
ちメタロセン触媒、特にメタロセン・アルモキサン触
媒、又は、例えば、国際公開公報WO92/01723
号明細書等に開示されているような、メタロセン化合物
と、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化
合物からなる触媒、又は、更には、特開平5−2950
20号、特開平5−295022号などに記載されてい
るような、メタロセン化合物を無機化合物に担持させた
触媒などを使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素
数4〜20のα−オレフィンとを、得られる共重合体の
密度が0.880〜0.930g/cm3 となるように
共重合させる方法である。この重合方法としては、高圧
イオン重合法、溶液法、スラリー法、気相法などを挙げ
ることができる。これらの中では高圧イオン重合法で製
造するのが好ましい。
樹脂の一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られ
るエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用すること
ができる。これは、通常、メタロセンポリエチレンとい
われているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−
オレフィンとの共重合体であり、この共重合体は、(A
法)特開昭58−19309号、特開昭59−9529
2号、特開昭60−35005号、特開昭60−350
06号、特開昭60−35007号、特開昭60−35
008号、特開昭60−35009号、特開昭61−1
30314号、特開平3−163088号の各公開公
報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細書、
米国特許第5055438号明細書及び国際公報WO9
1/04247号明細書などに記載されている方法、即
ちメタロセン触媒、特にメタロセン・アルモキサン触
媒、又は、例えば、国際公開公報WO92/01723
号明細書等に開示されているような、メタロセン化合物
と、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化
合物からなる触媒、又は、更には、特開平5−2950
20号、特開平5−295022号などに記載されてい
るような、メタロセン化合物を無機化合物に担持させた
触媒などを使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素
数4〜20のα−オレフィンとを、得られる共重合体の
密度が0.880〜0.930g/cm3 となるように
共重合させる方法である。この重合方法としては、高圧
イオン重合法、溶液法、スラリー法、気相法などを挙げ
ることができる。これらの中では高圧イオン重合法で製
造するのが好ましい。
【0009】なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭
56−18607号、特開昭58−25106号の各公
報に記載されているが、圧力が100kg/cm2 以
上、好ましくは300〜1500kg/cm2 で、温度
が125℃以上、好ましくは150〜200℃の反応条
件下に高圧イオン重合法により製造されるものである。
他方、メタロセンポリエチレンといわれるエチレン−α
−オレフィン共重合体の製造方法として、例えば、(B
法)特開平6−9724号、特開平6−136195
号、特開平6−136196号、特開平6−20705
7号の各公開公報に記載されているメタロセン触媒成
分、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、微粒子状
担体、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒
成分、イオン化イオン性化合物触媒成分を含む、オレフ
ィン重合用触媒の存在下に、気相、またはスラリー状あ
るいは溶液状の液相で種々の条件でエチレンとα−オレ
フィン、具体的には炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ンとを、得られる共重合体の密度が0.900〜0.9
30g/cm3 となるように共重合させることによって
も調製することができるが、フィルムの良好な初期透明
性及び透明持続性が得られる点で上記(A)法によりメ
タロセンポリエチレンの製造がより好ましい。
56−18607号、特開昭58−25106号の各公
報に記載されているが、圧力が100kg/cm2 以
上、好ましくは300〜1500kg/cm2 で、温度
が125℃以上、好ましくは150〜200℃の反応条
件下に高圧イオン重合法により製造されるものである。
他方、メタロセンポリエチレンといわれるエチレン−α
−オレフィン共重合体の製造方法として、例えば、(B
法)特開平6−9724号、特開平6−136195
号、特開平6−136196号、特開平6−20705
7号の各公開公報に記載されているメタロセン触媒成
分、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、微粒子状
担体、および必要に応じて有機アルミニウム化合物触媒
成分、イオン化イオン性化合物触媒成分を含む、オレフ
ィン重合用触媒の存在下に、気相、またはスラリー状あ
るいは溶液状の液相で種々の条件でエチレンとα−オレ
フィン、具体的には炭素原子数3〜20のα−オレフィ
ンとを、得られる共重合体の密度が0.900〜0.9
30g/cm3 となるように共重合させることによって
も調製することができるが、フィルムの良好な初期透明
性及び透明持続性が得られる点で上記(A)法によりメ
タロセンポリエチレンの製造がより好ましい。
【0010】(A)法によるメタロセンポリエチレン
は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperatu
re Rising Elution Fractio
nation)による測定によって得られる微分溶出曲
線で特定される。即ち、温度上昇溶離分別によって得ら
れる溶出曲線のピークが1つ存在するもので、そのピー
ク温度が20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範
囲内にあるものである。また、該ピーク温度の溶出温度
以外の温度において溶出するものが実質的に該溶出曲線
に存在することがある。
は、温度上昇溶離分別(TREF:Temperatu
re Rising Elution Fractio
nation)による測定によって得られる微分溶出曲
線で特定される。即ち、温度上昇溶離分別によって得ら
れる溶出曲線のピークが1つ存在するもので、そのピー
ク温度が20〜100℃、好ましくは40〜80℃の範
囲内にあるものである。また、該ピーク温度の溶出温度
以外の温度において溶出するものが実質的に該溶出曲線
に存在することがある。
【0011】温度上昇溶離分別(TREF)による溶出
曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Ri
sing Elution Fractionatio
n:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journ
al of Applied Polymer Sci
ence.Vol 126,4,217−4,231
(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09
(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づ
いて実施される。すなわち、先ず対象とするポリエチレ
ンを溶媒中で一度完全に溶解させる。その後、冷却し、
不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させる。かかる
ポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に
近い側)に形成され、結晶し難いものが外側に形成され
てなるものである。次に、温度を連続又は段階的に昇温
することにより、先ず、低温度では対象ポリマー中の非
晶部分から、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐
度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共
に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐
の無い直鎖状の部分が溶出して測定は終了する。この各
温度での溶出成分の濃度を連続的に検出して、その溶出
量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピ
ークによって、ポリマーの組成分布を測定することがで
きるものである。本発明のポリオレフィン系樹脂の一成
分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体
は、以下の物性を示すものである。
曲線の測定 上記温度上昇溶離分別(Temperature Ri
sing Elution Fractionatio
n:TREF)による溶出曲線の測定は、「Journ
al of Applied Polymer Sci
ence.Vol 126,4,217−4,231
(1981)」、「高分子討論会予稿集2P1C09
(昭和63年)」等の文献に記載されている原理に基づ
いて実施される。すなわち、先ず対象とするポリエチレ
ンを溶媒中で一度完全に溶解させる。その後、冷却し、
不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させる。かかる
ポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に
近い側)に形成され、結晶し難いものが外側に形成され
てなるものである。次に、温度を連続又は段階的に昇温
することにより、先ず、低温度では対象ポリマー中の非
晶部分から、すなわち、ポリマーの持つ短鎖分岐の分岐
度の多いものから溶出する。溶出温度が上昇すると共
に、徐々に分岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐
の無い直鎖状の部分が溶出して測定は終了する。この各
温度での溶出成分の濃度を連続的に検出して、その溶出
量と溶出温度によって描かれるグラフ(溶出曲線)のピ
ークによって、ポリマーの組成分布を測定することがで
きるものである。本発明のポリオレフィン系樹脂の一成
分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体
は、以下の物性を示すものである。
【0012】メルトフローレート(MFR) JIS−K7210により測定されたMFRが0.01
〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の
値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと
成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFR
がこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大
し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧
力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の
値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと
成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFR
がこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大
し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧
力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
【0013】密度 JIS−K7112により測定された密度が0.880
〜0.930g/cm 3 、好ましくは0.880〜0.
920g/cm3 の値を示すものである。該密度がこの
範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの
範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロ
ッキングが生じ実用性に乏しくなる。
〜0.930g/cm 3 、好ましくは0.880〜0.
920g/cm3 の値を示すものである。該密度がこの
範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの
範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロ
ッキングが生じ実用性に乏しくなる。
【0014】分子量分布 ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)
によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.
0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より
大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分
布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安
定しない。
によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平
均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.
0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より
大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分
布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安
定しない。
【0015】また本発明における農業用ポリオレフィン
系樹脂フィルムには、必要に応じて、防塵塗膜、防曇塗
膜の密着性を阻害しない範囲で可塑剤、防曇剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔
料、染料等の着色剤、蛍光剤、防霧剤、帯電防止剤、無
機微粒子等を配合することができる。可塑剤としては、
例えば、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピ
ン酸誘導体、マレイン酸誘導体、クエン酸誘導体、イタ
コン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導
体、その他トリクレジルホスフェート、エポキシ化大豆
油、エポキシ樹脂系可塑剤等が挙げられる。
系樹脂フィルムには、必要に応じて、防塵塗膜、防曇塗
膜の密着性を阻害しない範囲で可塑剤、防曇剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔
料、染料等の着色剤、蛍光剤、防霧剤、帯電防止剤、無
機微粒子等を配合することができる。可塑剤としては、
例えば、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピ
ン酸誘導体、マレイン酸誘導体、クエン酸誘導体、イタ
コン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導
体、その他トリクレジルホスフェート、エポキシ化大豆
油、エポキシ樹脂系可塑剤等が挙げられる。
【0016】防曇剤としては、公知の種々の非イオン系
界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤等が挙げられる。例えばソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノパルミレート、ソルビタンモノベヘ
ネート等のソルビタン系脂肪酸エステル、グリセリンモ
ノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリ
ンモノパルミテート、ジグリセリンジラウレート、ジグ
リセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテー
ト、トリグリセリンモノステアレート等のグリセリン系
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレ
ート等のポリエチレングリコール系活性剤等の多価アル
コール系界面活性剤、及びそれらのアルキレンオキサイ
ド付加物、ポリオキシアルキレンエーテル、ソルビタン
類やグリセリン類等の有機酸とのエステル類等を挙げる
ことができる。
界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活
性剤等が挙げられる。例えばソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノパルミレート、ソルビタンモノベヘ
ネート等のソルビタン系脂肪酸エステル、グリセリンモ
ノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリ
ンモノパルミテート、ジグリセリンジラウレート、ジグ
リセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテー
ト、トリグリセリンモノステアレート等のグリセリン系
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレ
ート等のポリエチレングリコール系活性剤等の多価アル
コール系界面活性剤、及びそれらのアルキレンオキサイ
ド付加物、ポリオキシアルキレンエーテル、ソルビタン
類やグリセリン類等の有機酸とのエステル類等を挙げる
ことができる。
【0017】紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリ
アゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シア
ノアクリレート系、フェニルサリシレート系、トリアジ
ン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒド
ロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾールが挙げ
られ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノンが挙げられ、サリチル
酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、パ
ラオクチルフェニルサリシレートが挙げられ、トリアジ
ン系としては2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]
−フェノール等が挙げられる。光安定剤としては、農業
用に通常配合される種々の化合物を使用することができ
る。具体的には、特公昭62−59745号公報第5欄
第37行〜第16欄第18行目、特開平2−30529
号明細書第20頁第15行〜第38頁第3行目に記載さ
れているヒンダードアミン系化合物である。
アゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シア
ノアクリレート系、フェニルサリシレート系、トリアジ
ン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒド
ロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾールが挙げ
られ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノンが挙げられ、サリチル
酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、パ
ラオクチルフェニルサリシレートが挙げられ、トリアジ
ン系としては2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]
−フェノール等が挙げられる。光安定剤としては、農業
用に通常配合される種々の化合物を使用することができ
る。具体的には、特公昭62−59745号公報第5欄
第37行〜第16欄第18行目、特開平2−30529
号明細書第20頁第15行〜第38頁第3行目に記載さ
れているヒンダードアミン系化合物である。
【0018】本発明で使用可能な市販のヒンダードアミ
ン系化合物を例示すれば、TINUVIN770、TI
NUVIN780、TINUVIN144、TINUV
IN622LD、CHIMASSORB119FL、C
HIMASSORB944(以上、チバガイギー社
製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MAR
KLA−63、MARK LA−68、MARK LA
−62、MARK LA−67、MARK LA−57
(以上、アデカ・アーガス社製)等が挙げられる。ま
た、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合
体を使用することもできる。
ン系化合物を例示すれば、TINUVIN770、TI
NUVIN780、TINUVIN144、TINUV
IN622LD、CHIMASSORB119FL、C
HIMASSORB944(以上、チバガイギー社
製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MAR
KLA−63、MARK LA−68、MARK LA
−62、MARK LA−67、MARK LA−57
(以上、アデカ・アーガス社製)等が挙げられる。ま
た、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合
体を使用することもできる。
【0019】酸化防止剤としては、2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレ
ンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル)、ジラウリルチオジプロピオネート等を挙げること
ができる。滑剤ないし熱安定剤としては、例えばポリエ
チレンワックス、流動パラフィン、ビスアマイド、ステ
アリン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪族アルコール、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、リシノー
ル酸バリウム、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
マレート、有機リン酸金属塩、有機ホスファイト化合
物、フェノール類、β−ジケトン化合物等が挙げられ
る。
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレ
ンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル)、ジラウリルチオジプロピオネート等を挙げること
ができる。滑剤ないし熱安定剤としては、例えばポリエ
チレンワックス、流動パラフィン、ビスアマイド、ステ
アリン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪族アルコール、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、リシノー
ル酸バリウム、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
マレート、有機リン酸金属塩、有機ホスファイト化合
物、フェノール類、β−ジケトン化合物等が挙げられ
る。
【0020】着色剤としては例えば、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリ
ザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネン
トレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げる
ことができる。防霧剤としては、フッ素系界面活性剤や
シリコーン系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性
剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに
結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換し
た界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパ
ーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。
以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組
み合わせて使用することができる。上記各種添加剤の配
合量は、フィルムの性能、特に防塵塗膜、防曇塗膜の密
着性を悪化させない範囲で選ぶことができる。
ルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリ
ザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネン
トレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げる
ことができる。防霧剤としては、フッ素系界面活性剤や
シリコーン系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性
剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに
結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換し
た界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパ
ーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。
以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組
み合わせて使用することができる。上記各種添加剤の配
合量は、フィルムの性能、特に防塵塗膜、防曇塗膜の密
着性を悪化させない範囲で選ぶことができる。
【0021】無機微粒子としては、保温剤として有効な
Mg、Ca、Al、SiおよびLiの少なくとも1つの
原子を含有する無機酸化物、無機水酸化物、ハイドロタ
ルサイト類などである。具体的には、SiO2 、Al2
O3 、MgO、CaOなどの無機酸化物;Al(OH)
3 、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 などの無機水酸化
物;式M2+ 1-xAlx (OH)2 (An-)x/n・mH2 O
[式中、M2+は、Mg、CaまたはZnの二価金属イオ
ンであり、An-はCl- 、Br- 、I- 、NO 3 2- 、C
lO4-、SO4 2- 、CO2 2- 、SiO3 2- 、HP
O4 2-、HBO3 2- 、PO4 2- 等のアニオンであり、x
は、0<x<0.5の条件を満足する数値であり、m
は、0≦m≦2の条件を満足する数値である]で表され
る無機複合化合物、その焼成物等のハイドロタルサイト
類などが挙げられる。これら無機微粒子は、それぞれ1
種または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。上記各種添加剤の配合量は、フィルムの性能を悪化
させない範囲、通常は基体のオレフィン系樹脂100重
量部当り30重量部以下の範囲で選ぶことができる。
Mg、Ca、Al、SiおよびLiの少なくとも1つの
原子を含有する無機酸化物、無機水酸化物、ハイドロタ
ルサイト類などである。具体的には、SiO2 、Al2
O3 、MgO、CaOなどの無機酸化物;Al(OH)
3 、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 などの無機水酸化
物;式M2+ 1-xAlx (OH)2 (An-)x/n・mH2 O
[式中、M2+は、Mg、CaまたはZnの二価金属イオ
ンであり、An-はCl- 、Br- 、I- 、NO 3 2- 、C
lO4-、SO4 2- 、CO2 2- 、SiO3 2- 、HP
O4 2-、HBO3 2- 、PO4 2- 等のアニオンであり、x
は、0<x<0.5の条件を満足する数値であり、m
は、0≦m≦2の条件を満足する数値である]で表され
る無機複合化合物、その焼成物等のハイドロタルサイト
類などが挙げられる。これら無機微粒子は、それぞれ1
種または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。上記各種添加剤の配合量は、フィルムの性能を悪化
させない範囲、通常は基体のオレフィン系樹脂100重
量部当り30重量部以下の範囲で選ぶことができる。
【0022】基材ポリオレフィン系樹脂に、各種添加剤
を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダ
ー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来
から知られている配合機、混合機を使用すればよい。こ
のようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するに
は、それ自体公知の方法、例えば溶融押出し成形法(T
ダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー成形
法等の従来から知られている方法によればよい。
を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダ
ー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来
から知られている配合機、混合機を使用すればよい。こ
のようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するに
は、それ自体公知の方法、例えば溶融押出し成形法(T
ダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー成形
法等の従来から知られている方法によればよい。
【0023】本発明に係るフィルムは、透明でも、梨地
でも、半梨地でもよく、その用途は農業用ハウス(温
室)、トンネル等の被覆用に使用できるほか、マルチン
グ用、袋掛用等にも使用できる。また、フィルム厚みに
ついては強度やコストの点で0.03〜0.3mmの範
囲のものが好ましく、0.05〜0.2mmのものがよ
り好ましい。本発明における基材となるフィルムの構成
は、2層以上の多層であることが好ましく、好ましく
は、3層以上の構成とする。
でも、半梨地でもよく、その用途は農業用ハウス(温
室)、トンネル等の被覆用に使用できるほか、マルチン
グ用、袋掛用等にも使用できる。また、フィルム厚みに
ついては強度やコストの点で0.03〜0.3mmの範
囲のものが好ましく、0.05〜0.2mmのものがよ
り好ましい。本発明における基材となるフィルムの構成
は、2層以上の多層であることが好ましく、好ましく
は、3層以上の構成とする。
【0024】そして、ハウス展張時に外面側となる外層
としては、前述のメタロセン触媒で共重合して得られる
エチレン−α−オレフィン共重合樹脂を30重量%以
上、好ましくは45重量%以上、更に好ましくは60重
量%以上含有する層とし、中間層は、エチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体を45重量%以上含有する層とし、ハウ
ス展張時に内面側となる内層は、エチレン−酢酸ビニル
系樹脂を45重量%以上含有するか、及び/又は、メタ
ロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフ
ィン共重合樹脂を30重量%以上含有する層とする層構
成とすることが好ましい。
としては、前述のメタロセン触媒で共重合して得られる
エチレン−α−オレフィン共重合樹脂を30重量%以
上、好ましくは45重量%以上、更に好ましくは60重
量%以上含有する層とし、中間層は、エチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体を45重量%以上含有する層とし、ハウ
ス展張時に内面側となる内層は、エチレン−酢酸ビニル
系樹脂を45重量%以上含有するか、及び/又は、メタ
ロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフ
ィン共重合樹脂を30重量%以上含有する層とする層構
成とすることが好ましい。
【0025】本発明においては、上記基体ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムの展張時ハウス外面に、アクリル変性
ポリオレフィン系樹脂を含む被膜を形成してなることを
特徴とする。アクリル変性ポリオレフィン系樹脂として
は、ポリオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂の共重合体
が種々適用でき、中でも以下に記載の重合生成物(A)
が好ましい。ポリオレフィン系樹脂成分とアクリル系樹
脂成分の比率としては、被膜密着性、及び農業用フィル
ムとしての非汚染性、耐久性といった点から、樹脂中に
含有されるアクリル成分の量が全体の30〜95重量%
のものが良く、好ましくは、60〜90重量%のものが
良い。又、外面を形成する被膜は、アクリル変性ポリオ
レフィン系樹脂よりなる被膜としてもよいし、他成分を
添加して、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂を主成分
とする被膜、又は、他成分を主成分とする被膜としても
よい。
ン系樹脂フィルムの展張時ハウス外面に、アクリル変性
ポリオレフィン系樹脂を含む被膜を形成してなることを
特徴とする。アクリル変性ポリオレフィン系樹脂として
は、ポリオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂の共重合体
が種々適用でき、中でも以下に記載の重合生成物(A)
が好ましい。ポリオレフィン系樹脂成分とアクリル系樹
脂成分の比率としては、被膜密着性、及び農業用フィル
ムとしての非汚染性、耐久性といった点から、樹脂中に
含有されるアクリル成分の量が全体の30〜95重量%
のものが良く、好ましくは、60〜90重量%のものが
良い。又、外面を形成する被膜は、アクリル変性ポリオ
レフィン系樹脂よりなる被膜としてもよいし、他成分を
添加して、アクリル変性ポリオレフィン系樹脂を主成分
とする被膜、又は、他成分を主成分とする被膜としても
よい。
【0026】重合物生成物(A):一分子中に少なくと
も1個の官能基を有するオレフィン樹脂(a)と、該官
能基と反応性を有する官能基を有するラジカル重合性単
量体(b)とを反応させて得られるラジカル重合性オレ
フィン樹脂(c)にアルキル(メタ)アクリレートを必
須成分として含有する共重合体可能な単量体(d)を共
重合して得られる重合生成物。
も1個の官能基を有するオレフィン樹脂(a)と、該官
能基と反応性を有する官能基を有するラジカル重合性単
量体(b)とを反応させて得られるラジカル重合性オレ
フィン樹脂(c)にアルキル(メタ)アクリレートを必
須成分として含有する共重合体可能な単量体(d)を共
重合して得られる重合生成物。
【0027】本発明に使用される重合生成物(A)の原
料として用いられる、一分子中に少なくとも1個の官能
基を有するオレフィン樹脂(a)は、その重量平均分子
量が1000〜200000であるものが好ましく、特
に10000〜100000のものが好ましい。分子量
が低すぎるとポリオレフィン系樹脂基材との接着性が悪
くなり、高すぎると単量体(d)を共重合する際にゲル
化しやすくなるので好ましくない。
料として用いられる、一分子中に少なくとも1個の官能
基を有するオレフィン樹脂(a)は、その重量平均分子
量が1000〜200000であるものが好ましく、特
に10000〜100000のものが好ましい。分子量
が低すぎるとポリオレフィン系樹脂基材との接着性が悪
くなり、高すぎると単量体(d)を共重合する際にゲル
化しやすくなるので好ましくない。
【0028】一分子中に少なくとも1個の官能基を有す
るオレフィン樹脂(a)は、既存のポリオレフィンに目
的とする官能基を有する不飽和化合物を反応させること
により得られる。その前駆体のポリオレフィンとして、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン,ポリブテン−
1,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ブテン
共重合体等のα−オレフィンまたはこれらの共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体,イソブテン−
イソプレン共重合体等のα−オレフィンと共役ジエンの
共重合体、ポリブタジエン,ポリイソプレン等のポリ共
役ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはその水添
物,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体またはその水添物等の
芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合体等が挙げら
れる。
るオレフィン樹脂(a)は、既存のポリオレフィンに目
的とする官能基を有する不飽和化合物を反応させること
により得られる。その前駆体のポリオレフィンとして、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン,ポリブテン−
1,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ブテン
共重合体等のα−オレフィンまたはこれらの共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体,イソブテン−
イソプレン共重合体等のα−オレフィンと共役ジエンの
共重合体、ポリブタジエン,ポリイソプレン等のポリ共
役ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはその水添
物,スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体またはその水添物等の
芳香族ビニル化合物と共役ジエンの共重合体等が挙げら
れる。
【0029】ポリオレフィンと反応させる官能基を有す
る不飽和化合物としては、これら前駆体のポリオレフィ
ンにカルボン酸またはその無水物基を導入する場合、
(メタ)アクリル酸,フマル酸,マレイン酸及びその無
水物,イタコン酸及びその無水物,クロトン酸およびそ
の無水物,シトラコン酸およびその無水物等の不飽和カ
ルボン酸またはその無水物等が、エポキシ基を導入する
場合、グリシジル(メタ)アクリレート,マレイン酸の
モノ及びジグリシジルエステル,イタコン酸のモノ及び
ジグリシジルエステル,アリルコハク酸のモノ及びジグ
リシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、
アリルグリシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジ
ルエーテル,スチレン−p−グリシジルエーテル等のグ
リシジルエーテル、p−グリシジルスチレン,3,4−
エポキシ−1−ブテン,3,4−エポキシ−3−メチル
−1−ブテン等のエポキシオレフィン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド等が、水酸基を導入する場合、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート,N−メチロ―ル(メタ)アクリルア
ミド,2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサ
ノリド付加重合物、2−プロペン−1−オール等のアル
ケニルアルコール、2−プロピン−1−オール等のアル
キニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等が、ま
た、イソシアネート基を導入する場合、2−イソシアネ
ートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソ
シアネート等が挙げられる。ポリオレフィンと官能基を
有する不飽和化合物との反応は、通常の方法でラジカル
開始剤を用いて行われる。
る不飽和化合物としては、これら前駆体のポリオレフィ
ンにカルボン酸またはその無水物基を導入する場合、
(メタ)アクリル酸,フマル酸,マレイン酸及びその無
水物,イタコン酸及びその無水物,クロトン酸およびそ
の無水物,シトラコン酸およびその無水物等の不飽和カ
ルボン酸またはその無水物等が、エポキシ基を導入する
場合、グリシジル(メタ)アクリレート,マレイン酸の
モノ及びジグリシジルエステル,イタコン酸のモノ及び
ジグリシジルエステル,アリルコハク酸のモノ及びジグ
リシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、
アリルグリシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジ
ルエーテル,スチレン−p−グリシジルエーテル等のグ
リシジルエーテル、p−グリシジルスチレン,3,4−
エポキシ−1−ブテン,3,4−エポキシ−3−メチル
−1−ブテン等のエポキシオレフィン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド等が、水酸基を導入する場合、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート,N−メチロ―ル(メタ)アクリルア
ミド,2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサ
ノリド付加重合物、2−プロペン−1−オール等のアル
ケニルアルコール、2−プロピン−1−オール等のアル
キニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等が、ま
た、イソシアネート基を導入する場合、2−イソシアネ
ートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソ
シアネート等が挙げられる。ポリオレフィンと官能基を
有する不飽和化合物との反応は、通常の方法でラジカル
開始剤を用いて行われる。
【0030】本発明に使用される重合生成物(A)の製
造に用いられるラジカル重合性オレフィン樹脂(c)は
オレフィン樹脂(a)の官能基に該官能基と反応性を有
する官能基を有するラジカル重合性単量体(b)を反応
させることにより得られる。オレフィン樹脂(a)のカ
ルボン酸またはその無水物基と反応性を有する官能基に
は水酸基、エポキシ基、及びイソシアネート基がある。
水酸基を有するラジカル重合性単量体としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート,N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミ
ド,2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサノ
リド付加重合物、2−プロペン−1−オール等のアルケ
ニルアルコール、2−プロピン−1−オール等のアルキ
ニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等があり、
エポキシ基を有するラジカル重合性単量体としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート,マレイン酸のモノ及び
ジグリシジルエステル,イタコン酸のモノ及びジグリシ
ジルエステル,アリルコハク酸のモノ及びジグリシジル
エステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル,スチレン−p−グリシジルエーテル等のグリシジル
エーテル、p−グリシジルスチレン,3,4−エポキシ
−1−ブテン,3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブ
テン等のエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモ
ノオキシド等があり、イソシアネート基を有するラジカ
ル重合性単量体としては、2−イソシアネートエチル
(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート
等が挙げられる。
造に用いられるラジカル重合性オレフィン樹脂(c)は
オレフィン樹脂(a)の官能基に該官能基と反応性を有
する官能基を有するラジカル重合性単量体(b)を反応
させることにより得られる。オレフィン樹脂(a)のカ
ルボン酸またはその無水物基と反応性を有する官能基に
は水酸基、エポキシ基、及びイソシアネート基がある。
水酸基を有するラジカル重合性単量体としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート,N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミ
ド,2−ヒドロキシエチルアクリレート−6−ヘキサノ
リド付加重合物、2−プロペン−1−オール等のアルケ
ニルアルコール、2−プロピン−1−オール等のアルキ
ニルアルコール、ヒドロキシビニルエーテル等があり、
エポキシ基を有するラジカル重合性単量体としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート,マレイン酸のモノ及び
ジグリシジルエステル,イタコン酸のモノ及びジグリシ
ジルエステル,アリルコハク酸のモノ及びジグリシジル
エステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグ
リシジルエーテル,2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル,スチレン−p−グリシジルエーテル等のグリシジル
エーテル、p−グリシジルスチレン,3,4−エポキシ
−1−ブテン,3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブ
テン等のエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモ
ノオキシド等があり、イソシアネート基を有するラジカ
ル重合性単量体としては、2−イソシアネートエチル
(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート
等が挙げられる。
【0031】オレフィン樹脂(a)のエポキシ基と反応
性を有する官能基にはカルボキシル基、エポキシ基、及
び水酸基がある。カルボキシル基を有するラジカル重合
性単量体としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸、
カルボキシエチルビニルエーテル,カルボキシプロピル
ビニルエーテル等のカルボキシアルキルビニルエーテル
等があり、水酸基を有するラジカル重合性単量体として
は、前記、オレフィン樹脂(a)のカルボン酸またはそ
の無水物と反応性を有する水酸基を有するラジカル重合
性単量体(b)として例示された単量体が挙げられる。
性を有する官能基にはカルボキシル基、エポキシ基、及
び水酸基がある。カルボキシル基を有するラジカル重合
性単量体としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸、
カルボキシエチルビニルエーテル,カルボキシプロピル
ビニルエーテル等のカルボキシアルキルビニルエーテル
等があり、水酸基を有するラジカル重合性単量体として
は、前記、オレフィン樹脂(a)のカルボン酸またはそ
の無水物と反応性を有する水酸基を有するラジカル重合
性単量体(b)として例示された単量体が挙げられる。
【0032】オレフィン樹脂(a)の水酸基と反応性を
有する官能基にはイソシアネート基、カルボキシル基、
およびエポキシ基がある。イソシアネート基を有するラ
ジカル重合性単量体およびエポキシ基を有するラジカル
重合性単量体としては、前記、オレフィン樹脂(a)の
カルボン酸またはその無水物と反応性を有する該単量体
(b)として例示された夫々の単量体が、又、カルボキ
シル基を有するラジカル重合性単量体としては、前記、
オレフィン樹脂(a)のエポキシ基と反応性を有する該
単量体(b)として例示された単量体が挙げられる。
有する官能基にはイソシアネート基、カルボキシル基、
およびエポキシ基がある。イソシアネート基を有するラ
ジカル重合性単量体およびエポキシ基を有するラジカル
重合性単量体としては、前記、オレフィン樹脂(a)の
カルボン酸またはその無水物と反応性を有する該単量体
(b)として例示された夫々の単量体が、又、カルボキ
シル基を有するラジカル重合性単量体としては、前記、
オレフィン樹脂(a)のエポキシ基と反応性を有する該
単量体(b)として例示された単量体が挙げられる。
【0033】オレフィン樹脂(a)のイソシアネート基
と反応性を有する官能基には水酸基、およびカルボキシ
ル基がある。これら官能基を有するラジカル重合性単量
体としては、夫々、当該単量体(b)として前記により
例示された単量体が挙げられる。オレフィン樹脂(a)
とラジカル重合性単量体(b)は、オレフィン樹脂
(a)中の官能基1当量に対し、ラジカル重合性単量体
(b)中の官能基が0.1〜10当量になるように配合
し反応させるのが好ましい。0.1当量未満ではラジカ
ル重合性オレフィン樹脂(c)に共重合可能な単量体
(d)を共重合する際に成分(d)のホモポリマーの含
有量が多くなり、10当量を越えるとゲル化しやすくな
る傾向がある。
と反応性を有する官能基には水酸基、およびカルボキシ
ル基がある。これら官能基を有するラジカル重合性単量
体としては、夫々、当該単量体(b)として前記により
例示された単量体が挙げられる。オレフィン樹脂(a)
とラジカル重合性単量体(b)は、オレフィン樹脂
(a)中の官能基1当量に対し、ラジカル重合性単量体
(b)中の官能基が0.1〜10当量になるように配合
し反応させるのが好ましい。0.1当量未満ではラジカ
ル重合性オレフィン樹脂(c)に共重合可能な単量体
(d)を共重合する際に成分(d)のホモポリマーの含
有量が多くなり、10当量を越えるとゲル化しやすくな
る傾向がある。
【0034】本発明に使用される重合生成物(A)の製
造に用いられるラジカル重合性オレフィン樹脂(c)と
共重合可能な単量体(d)としては、(メタ)アクリレ
ートを必須成分として含有する単量体である。必須成分
であるアルキル(メタ)アクリレートには、モノマーと
しては、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)
アクリレート,ブチル(メタ)アクリレート,2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、メチル
メタクリレートが最も好ましい。 他の共重合可能な単
量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸,マレイン
酸モノアルキルエステル等のα,β−不飽和カルボン
酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等のオキシラン基を有する重合性単量体、(メタ)
アクリルアミド等の不飽和アミド、(メタ)アクリロニ
トリル、エポキシアクリレート、アルキレンオキサイド
付加体の(メタ)アクリレート、エチレングリコール・
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ジ
(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。必須成分の配合割合は、全
単量体成分(d)に対して30重量%以上、好ましくは
50重量%以上必要である。30重量%以下では被膜の
防塵性、及び耐候性が低下し被膜形成効果が得られにく
くなる。
造に用いられるラジカル重合性オレフィン樹脂(c)と
共重合可能な単量体(d)としては、(メタ)アクリレ
ートを必須成分として含有する単量体である。必須成分
であるアルキル(メタ)アクリレートには、モノマーと
しては、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)
アクリレート,ブチル(メタ)アクリレート,2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、メチル
メタクリレートが最も好ましい。 他の共重合可能な単
量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸,マレイン
酸モノアルキルエステル等のα,β−不飽和カルボン
酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等のオキシラン基を有する重合性単量体、(メタ)
アクリルアミド等の不飽和アミド、(メタ)アクリロニ
トリル、エポキシアクリレート、アルキレンオキサイド
付加体の(メタ)アクリレート、エチレングリコール・
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ジ
(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。必須成分の配合割合は、全
単量体成分(d)に対して30重量%以上、好ましくは
50重量%以上必要である。30重量%以下では被膜の
防塵性、及び耐候性が低下し被膜形成効果が得られにく
くなる。
【0035】本発明に使用される重合生成物(A)は、
前記ラジカル重合性オレフィン樹脂(c)と上記特定の
単量体成分(d)とを共重合させて得られる。オレフィ
ン樹脂(c)に対する単量体成分(d)の配合割合は、
好ましくは両者合計量に対し60〜90重量%、更に好
ましくは70〜80重量%である。低すぎると被膜の防
塵性、および耐候性が低下し被膜形成効果が得られにく
くなり、また高すぎるとポリオレフィン系樹脂基材との
密着性が低下するため好ましくない。成分(c)と成分
(d)との共重合反応は、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エタノール、ブタノール、プロ
パノ―ル等の有機溶剤を反応溶媒とし、重合触媒として
過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、クメンハイ
ドロパーオキシド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾビス化合物等を成分(d)に対して0.
1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%用い、50〜
200℃で1〜20時間加熱反応させることにより行う
ことができる。この場合、共重合成分(c)、および
(d)は、反応物中に合計で5〜50重量%となるよう
に反応溶媒の量を調整し、反応は窒素ガス等の不活性ガ
スの雰囲気下で行うのが好ましい。残存モノマーを少な
くするために、重合開始剤としてアゾビス系化合物と過
酸化物を併用してもよい。
前記ラジカル重合性オレフィン樹脂(c)と上記特定の
単量体成分(d)とを共重合させて得られる。オレフィ
ン樹脂(c)に対する単量体成分(d)の配合割合は、
好ましくは両者合計量に対し60〜90重量%、更に好
ましくは70〜80重量%である。低すぎると被膜の防
塵性、および耐候性が低下し被膜形成効果が得られにく
くなり、また高すぎるとポリオレフィン系樹脂基材との
密着性が低下するため好ましくない。成分(c)と成分
(d)との共重合反応は、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、エタノール、ブタノール、プロ
パノ―ル等の有機溶剤を反応溶媒とし、重合触媒として
過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、クメンハイ
ドロパーオキシド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾビス化合物等を成分(d)に対して0.
1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%用い、50〜
200℃で1〜20時間加熱反応させることにより行う
ことができる。この場合、共重合成分(c)、および
(d)は、反応物中に合計で5〜50重量%となるよう
に反応溶媒の量を調整し、反応は窒素ガス等の不活性ガ
スの雰囲気下で行うのが好ましい。残存モノマーを少な
くするために、重合開始剤としてアゾビス系化合物と過
酸化物を併用してもよい。
【0036】本発明に使用される重合生成物(A)を溶
解する有機溶剤としては、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオキサ
ン,テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸ブチル,セロソルブアセテート等のエステル類、ト
ルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、テトラリン、ミ
ネラルスピリッツやこれらの混合溶媒が挙げられ、上記
溶媒は重合反応に用いた溶液をそのまま使用することも
できる。
解する有機溶剤としては、アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオキサ
ン,テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸ブチル,セロソルブアセテート等のエステル類、ト
ルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、テトラリン、ミ
ネラルスピリッツやこれらの混合溶媒が挙げられ、上記
溶媒は重合反応に用いた溶液をそのまま使用することも
できる。
【0037】本発明においては、更に好ましい態様とし
て、上記基体ポリオレフィン系樹脂フィルムの展張時ハ
ウス内面に、アクリル系樹脂及び無機質コロイドゾルを
主成分とする防曇被膜を形成されてなることを特徴とす
る。アクリル系樹脂は、疎水性であることが好ましく、
該疎水性アクリル系樹脂のガラス転移温度は、35〜8
0℃の範囲であることが好ましく、低すぎる場合、無機
質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとり
やすく、また無機質コロイド粒子の塗布基材に対する固
着が十分でないため、時間の経過とともに無機質コロイ
ド粒子が基材表面から脱落・流失して防曇性能を損なう
ことがあり、また高すぎる場合、透明性のある均一な被
膜を得るのが困難になり、実用性に乏しい。
て、上記基体ポリオレフィン系樹脂フィルムの展張時ハ
ウス内面に、アクリル系樹脂及び無機質コロイドゾルを
主成分とする防曇被膜を形成されてなることを特徴とす
る。アクリル系樹脂は、疎水性であることが好ましく、
該疎水性アクリル系樹脂のガラス転移温度は、35〜8
0℃の範囲であることが好ましく、低すぎる場合、無機
質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとり
やすく、また無機質コロイド粒子の塗布基材に対する固
着が十分でないため、時間の経過とともに無機質コロイ
ド粒子が基材表面から脱落・流失して防曇性能を損なう
ことがあり、また高すぎる場合、透明性のある均一な被
膜を得るのが困難になり、実用性に乏しい。
【0038】本発明において、形成される被膜の疎水性
アクリル系樹脂として好ましく用いられる1つの例とし
ては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメ
タクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、また
はアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類
とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40
重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体
とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下
に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重
合体または共重合体を挙げることができる。 疎水性ア
クリル系樹脂の製造に用いるアクリル酸またはメタクリ
ル酸のアルキルエステル類としては、アクリル酸メチル
エステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n
−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステ
ル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステ
ル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタ
クリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブ
チルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエス
テル、メタクリル酸デシルエステル等が挙げられ、一般
には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸ア
ルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜2
0個のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。ア
ルケニルベンゼン類としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
アクリル系樹脂として好ましく用いられる1つの例とし
ては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメ
タクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、また
はアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類
とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40
重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体
とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下
に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重
合体または共重合体を挙げることができる。 疎水性ア
クリル系樹脂の製造に用いるアクリル酸またはメタクリ
ル酸のアルキルエステル類としては、アクリル酸メチル
エステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n
−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステ
ル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2
−エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステ
ル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチル
エステル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタ
クリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブ
チルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエス
テル、メタクリル酸デシルエステル等が挙げられ、一般
には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸ア
ルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜2
0個のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。ア
ルケニルベンゼン類としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0039】本発明で用いる疎水性アクリル系樹脂は、
上記のようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエ
ステル類、又は、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキ
ルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物
を、少なくとも計60重量%を含有することが好まし
い。60重量%に満たないときは、形成被膜の耐水性が
十分でないために、防曇持続性能を発揮しえないことが
あり好ましくない。疎水性アクリル系樹脂を得るために
用いるα、β−エチレン性不飽和単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα、β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン酸等のα、
β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性不飽和
ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキ
シエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリ
ル類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル
酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。これら単量
体は、単独で用いても、または2種以上の併用でもよ
く、0〜40重量%の範囲で使用するのが好ましい。使
用量が多すぎると、防曇性能を低下させることがあり、
好ましくない。
上記のようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエ
ステル類、又は、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキ
ルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物
を、少なくとも計60重量%を含有することが好まし
い。60重量%に満たないときは、形成被膜の耐水性が
十分でないために、防曇持続性能を発揮しえないことが
あり好ましくない。疎水性アクリル系樹脂を得るために
用いるα、β−エチレン性不飽和単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα、β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン酸等のα、
β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性不飽和
ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキ
シエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリ
ル類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル
酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。これら単量
体は、単独で用いても、または2種以上の併用でもよ
く、0〜40重量%の範囲で使用するのが好ましい。使
用量が多すぎると、防曇性能を低下させることがあり、
好ましくない。
【0040】疎水性アクリル系樹脂は、公知の乳化剤、
例えば陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、
非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もしくは2
種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる方法、
反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を含有せ
ずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等によっ
て得ることができる。乳化剤の存在下での重合方法の場
合、これら乳化剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.
1〜10重量%の範囲で使用するのが、重合速度の調
整、合成される樹脂の分散安定性の点から好ましい。
例えば陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、
非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もしくは2
種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる方法、
反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を含有せ
ずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等によっ
て得ることができる。乳化剤の存在下での重合方法の場
合、これら乳化剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.
1〜10重量%の範囲で使用するのが、重合速度の調
整、合成される樹脂の分散安定性の点から好ましい。
【0041】本発明の疎水性アクリル系樹脂の製造に好
ましく用いられる重合開始剤としては、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アセチルパーオキ
サイド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げら
れる。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1
〜10重量%の範囲で使用することができる。本発明で
用いる無機質コロイドゾルは、疎水性のポリオレフィン
系樹脂フィルム表面に塗布することにより、フィルム表
面に親水性を付与する機能を果たすものである。
ましく用いられる重合開始剤としては、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アセチルパーオキ
サイド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げら
れる。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1
〜10重量%の範囲で使用することができる。本発明で
用いる無機質コロイドゾルは、疎水性のポリオレフィン
系樹脂フィルム表面に塗布することにより、フィルム表
面に親水性を付与する機能を果たすものである。
【0042】無機質コロイドゾルとしては、シリカ、ア
ルミナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸
化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロ
イド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散
させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましく用いら
れるのは、シリカゾルとアルミナゾルで、これらは、単
独で用いても併用しても良い。無機質コロイドゾルとし
ては、その平均粒子径が5〜100nmの範囲で選ぶの
が好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異
なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良
い。平均粒子径が大きすぎると、被膜が白く失透するこ
とがあり、また、平均粒子径が小さすぎると、無機質コ
ロイドゾルの安定性に欠けることがあるため好ましくな
い。
ルミナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸
化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロ
イド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散
させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましく用いら
れるのは、シリカゾルとアルミナゾルで、これらは、単
独で用いても併用しても良い。無機質コロイドゾルとし
ては、その平均粒子径が5〜100nmの範囲で選ぶの
が好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異
なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良
い。平均粒子径が大きすぎると、被膜が白く失透するこ
とがあり、また、平均粒子径が小さすぎると、無機質コ
ロイドゾルの安定性に欠けることがあるため好ましくな
い。
【0043】無機質コロイドゾルは、その配合量をアク
リル系樹脂の固形分重量に対して、固形分として50〜
400重量%にするのが好ましい。すなわち、配合量が
少なすぎる場合は、十分な防曇効果が発揮できないこと
があり、一方、配合量が多すぎる場合は、防曇効果が配
合量に比例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成
される被膜が白濁化してフィルムの光線透過率を低下さ
せる現象があらわれ、また、被膜が粗雑で脆弱になるこ
とがあり、好ましくない。
リル系樹脂の固形分重量に対して、固形分として50〜
400重量%にするのが好ましい。すなわち、配合量が
少なすぎる場合は、十分な防曇効果が発揮できないこと
があり、一方、配合量が多すぎる場合は、防曇効果が配
合量に比例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成
される被膜が白濁化してフィルムの光線透過率を低下さ
せる現象があらわれ、また、被膜が粗雑で脆弱になるこ
とがあり、好ましくない。
【0044】本発明の防曇被膜を形成するための防曇剤
組成物を調製するときに、陰イオン系界面活性剤、陽イ
オン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子界面
活性剤等の界面活性剤を添加することができる。陰イオ
ン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレ
イン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸
エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキル
ベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン
酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアル
キルスルホコハク酸塩;ジアルキルホスフェート塩;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が挙げら
れる。陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミ
ン類;ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミ
ンモノステアレートギ酸塩;ステアラミドエチルジエチ
ルアミン酢酸塩等のアミン塩;ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の
第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
組成物を調製するときに、陰イオン系界面活性剤、陽イ
オン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子界面
活性剤等の界面活性剤を添加することができる。陰イオ
ン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、オレ
イン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸
エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキル
ベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン
酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアル
キルスルホコハク酸塩;ジアルキルホスフェート塩;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が挙げら
れる。陽イオン系界面活性剤としては、エタノールアミ
ン類;ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミ
ンモノステアレートギ酸塩;ステアラミドエチルジエチ
ルアミン酢酸塩等のアミン塩;ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の
第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0045】非イオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル
等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポ
リオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチ
レンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル類;ポリエチレングリコールモノステ
アレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポ
リプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ソ
ルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタンモノベンゾエート等のソルビタン脂肪酸
エステル類;ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセ
リンモノステアレート等のジグリセリン脂肪酸エステル
類;グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸
エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート等
のペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ジペンタエ
リスリトールモノパルミテート等のジペンタエリスリト
ール脂肪酸エステル類;ソルビタンモノパルミテート・
ハーフアジペート、ジグリセリンモノステアレート・ハ
ーフグルタミン酸エステル等のソルビタン及びジグリセ
リン脂肪酸・2塩基酸エステル類;またはこれらとアル
キレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピ
レンオンオキサイド等の縮合物、例えばポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート、ポリオキシプロピレン
ソルビタンモノステアレート等;ポリオキシエチレンス
テアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、
ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシ
エチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類;シュガーエ
ステル類等が挙げられる。
シエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル
等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポ
リオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチ
レンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル類;ポリエチレングリコールモノステ
アレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポ
リプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ソ
ルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタンモノベンゾエート等のソルビタン脂肪酸
エステル類;ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセ
リンモノステアレート等のジグリセリン脂肪酸エステル
類;グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸
エステル類;ペンタエリスリトールモノステアレート等
のペンタエリスリトール脂肪酸エステル類;ジペンタエ
リスリトールモノパルミテート等のジペンタエリスリト
ール脂肪酸エステル類;ソルビタンモノパルミテート・
ハーフアジペート、ジグリセリンモノステアレート・ハ
ーフグルタミン酸エステル等のソルビタン及びジグリセ
リン脂肪酸・2塩基酸エステル類;またはこれらとアル
キレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド、プロピ
レンオンオキサイド等の縮合物、例えばポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート、ポリオキシプロピレン
ソルビタンモノステアレート等;ポリオキシエチレンス
テアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、
ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシ
エチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類;シュガーエ
ステル類等が挙げられる。
【0046】高分子界面活性剤としては、ポリアクリル
酸塩、ポリメタクリル酸塩、セルロースエーテル類等が
挙げられる。これら界面活性剤の添加は、疎水性アクリ
ル系樹脂と無機質コロイドゾルとを容易にかつ速やかに
均一に分散することができ、また無機質コロイドゾルと
併用することにより、疎水性のポリオレフィン系樹脂フ
ィルム表面に親水性を付与する機能を果たす。界面活性
剤の添加量は、疎水性アクリル系樹脂の固形分100重
量部に対し0.1〜50重量部の範囲で選ぶと良い。界
面活性剤の添加量が少なすぎると、疎水性アクリル系樹
脂及び無機質コロイドゾルが十分に分散するのに時間が
かかり、また、無機質コロイドゾルとの併用での防曇効
果を十分に発揮しえず、一方界面活性剤の添加量が多す
ぎると塗布後に形成される被膜表面へのブリードアウト
現象により被膜の透明性が低下し、顕著な場合は被膜の
耐ブロッキング性の悪化や被膜の耐水性低下を引き起こ
す場合がある。
酸塩、ポリメタクリル酸塩、セルロースエーテル類等が
挙げられる。これら界面活性剤の添加は、疎水性アクリ
ル系樹脂と無機質コロイドゾルとを容易にかつ速やかに
均一に分散することができ、また無機質コロイドゾルと
併用することにより、疎水性のポリオレフィン系樹脂フ
ィルム表面に親水性を付与する機能を果たす。界面活性
剤の添加量は、疎水性アクリル系樹脂の固形分100重
量部に対し0.1〜50重量部の範囲で選ぶと良い。界
面活性剤の添加量が少なすぎると、疎水性アクリル系樹
脂及び無機質コロイドゾルが十分に分散するのに時間が
かかり、また、無機質コロイドゾルとの併用での防曇効
果を十分に発揮しえず、一方界面活性剤の添加量が多す
ぎると塗布後に形成される被膜表面へのブリードアウト
現象により被膜の透明性が低下し、顕著な場合は被膜の
耐ブロッキング性の悪化や被膜の耐水性低下を引き起こ
す場合がある。
【0047】本発明の防曇被膜を形成するための防曇剤
組成物を調製するときに、架橋剤を添加することができ
る。架橋剤は、アクリル系樹脂同士を架橋させ、被膜の
耐水性を向上させる効果がある。架橋剤としては、フェ
ノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物類、アジリ
ジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネート化合物
類、エポキシ化合物類、シラン化合物類等が挙げられる
が、特にアミン化合物類、アジリジン化合物類、エポキ
シ化合物類が好ましく使用できる。
組成物を調製するときに、架橋剤を添加することができ
る。架橋剤は、アクリル系樹脂同士を架橋させ、被膜の
耐水性を向上させる効果がある。架橋剤としては、フェ
ノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物類、アジリ
ジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネート化合物
類、エポキシ化合物類、シラン化合物類等が挙げられる
が、特にアミン化合物類、アジリジン化合物類、エポキ
シ化合物類が好ましく使用できる。
【0048】アミン化合物類としては、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族ポリアミン;3,3' −ジメチル−4,
4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジ
アミン等の脂環式アミン;4−4' −ジアミノジヘニル
メタン、m−フェニレンジアミン等の芳香族アミンが使
用される。アジリジン化合物類としては、トリス−2,
4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジ
ン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニル
プロピオネート、トリス[1−(2−メチル)−アジリ
ジニル]ホスフィンオキシド、ヘキサ[1−(2−メチ
ル)−アジリジニル]トリホスファトリアジン等が使用
される。エポキシ化合物類としては、ビスフェノールA
又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生
成物、フェノール(又は置換フェノール)とホルムアル
デヒドとの樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの反応
により生成されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピクロ
ルヒドリン及び脂肪族多価アルコール例えばグリセロー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピレ
ン)グリコール又は類似の多価アルコール成分から生成
される樹脂状反応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ化
により得られる樹脂等が使用される。エポキシ化合物類
では、さらに三級アミン類や四級アンモニウム塩類を触
媒として併用することができる。これら架橋剤は、その
添加量がアクリル系樹脂固形分に対して0.1〜30重
量%の範囲で使用することができる。本発明に使用され
る防曇剤組成物には、必要に応じて、液状分散媒を配合
することができる。かかる液状分散媒としては、水を含
む親水性ないし水混合性溶媒がふくまれ、水;メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、等の1価アルコール類;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;
ベンジルアルコール等の環式アルコール類;セロソルブ
アセテート類;ケトン類等が挙げられる。これら液状分
散媒は単独で用いても併用しても良い。防曇剤組成物
は、疎水性アクリル系樹脂、無機質コロイドの固形分と
して一般に0.5〜50重量%の濃度で調製し、これを
希釈して使用することが多い。本発明で調製される防曇
剤組成物には、更に必要に応じて、消泡剤、可塑剤、造
膜助剤、造粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤を
混合することができる。なお、本発明でいう、アクリル
系樹脂被膜のガラス転移温度は、次式により算出した。
アミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族ポリアミン;3,3' −ジメチル−4,
4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジ
アミン等の脂環式アミン;4−4' −ジアミノジヘニル
メタン、m−フェニレンジアミン等の芳香族アミンが使
用される。アジリジン化合物類としては、トリス−2,
4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジ
ン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニル
プロピオネート、トリス[1−(2−メチル)−アジリ
ジニル]ホスフィンオキシド、ヘキサ[1−(2−メチ
ル)−アジリジニル]トリホスファトリアジン等が使用
される。エポキシ化合物類としては、ビスフェノールA
又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生
成物、フェノール(又は置換フェノール)とホルムアル
デヒドとの樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの反応
により生成されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピクロ
ルヒドリン及び脂肪族多価アルコール例えばグリセロー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピレ
ン)グリコール又は類似の多価アルコール成分から生成
される樹脂状反応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ化
により得られる樹脂等が使用される。エポキシ化合物類
では、さらに三級アミン類や四級アンモニウム塩類を触
媒として併用することができる。これら架橋剤は、その
添加量がアクリル系樹脂固形分に対して0.1〜30重
量%の範囲で使用することができる。本発明に使用され
る防曇剤組成物には、必要に応じて、液状分散媒を配合
することができる。かかる液状分散媒としては、水を含
む親水性ないし水混合性溶媒がふくまれ、水;メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、等の1価アルコール類;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;
ベンジルアルコール等の環式アルコール類;セロソルブ
アセテート類;ケトン類等が挙げられる。これら液状分
散媒は単独で用いても併用しても良い。防曇剤組成物
は、疎水性アクリル系樹脂、無機質コロイドの固形分と
して一般に0.5〜50重量%の濃度で調製し、これを
希釈して使用することが多い。本発明で調製される防曇
剤組成物には、更に必要に応じて、消泡剤、可塑剤、造
膜助剤、造粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤を
混合することができる。なお、本発明でいう、アクリル
系樹脂被膜のガラス転移温度は、次式により算出した。
【0049】
【数1】1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+
Wn/Tgn
Wn/Tgn
【0050】ただし、Tgはアクリル系樹脂のガラス転
移温度(絶対温度)、Tg1、Tg2、…、Tgnは各
成分1、2、…、nのホモポリマーのガラス転移温度
(絶対温度)、W1、W2、…、Wnは各成分1、2、
…、nの重量分率をそれぞれ示す。基体フィルムの表面
にアクリル変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜及び防
曇性被膜をそれぞれ形成するには、前述の重合にて得ら
れた重合生成物(A)の溶液及び防曇剤組成物をそれぞ
れドクターブレードコート法、ロールコート法、ディッ
プコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バー
コート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知
の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の
乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採
用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50
〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾
燥すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥
法、遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾燥
速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有
利である。
移温度(絶対温度)、Tg1、Tg2、…、Tgnは各
成分1、2、…、nのホモポリマーのガラス転移温度
(絶対温度)、W1、W2、…、Wnは各成分1、2、
…、nの重量分率をそれぞれ示す。基体フィルムの表面
にアクリル変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜及び防
曇性被膜をそれぞれ形成するには、前述の重合にて得ら
れた重合生成物(A)の溶液及び防曇剤組成物をそれぞ
れドクターブレードコート法、ロールコート法、ディッ
プコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バー
コート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知
の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の
乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採
用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50
〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾
燥すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥
法、遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾燥
速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有
利である。
【0051】本発明において、基体フィルムの表面に形
成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下を
目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定され
るものではない。被膜の厚さが基体フィルムの1/10
より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差
があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象
がおこりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィル
ムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくな
い。また、基体フィルムと被膜組成物に由来する被膜と
の接着性が充分でない場合には、基体フィルムの表面を
予めアルコールまたは水で洗浄したり、プラズマ放電処
理、あるいはコロナ放電処理を施しておいてもよい。
成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下を
目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定され
るものではない。被膜の厚さが基体フィルムの1/10
より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差
があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象
がおこりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィル
ムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくな
い。また、基体フィルムと被膜組成物に由来する被膜と
の接着性が充分でない場合には、基体フィルムの表面を
予めアルコールまたは水で洗浄したり、プラズマ放電処
理、あるいはコロナ放電処理を施しておいてもよい。
【0052】本発明に係る農業用ポリオレフィン系樹脂
フィルムを、実際に使用するにあたっては、アクリル変
性ポリオレフィン系樹脂による被膜の設けられた側をハ
ウス又はトンネルの外側となるようにして展張するのが
よい。
フィルムを、実際に使用するにあたっては、アクリル変
性ポリオレフィン系樹脂による被膜の設けられた側をハ
ウス又はトンネルの外側となるようにして展張するのが
よい。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 (1)ポリオレフィン系基体フィルムの調製 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機は外内層を
30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40m
mφ((株)プラ技研製)として成形温度160℃、ブ
ロー比2.0、引取速度5m/分にて、表−1に記載の
ポリオレフィン系基材フィルム(A、B)を得た。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 (1)ポリオレフィン系基体フィルムの調製 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機は外内層を
30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40m
mφ((株)プラ技研製)として成形温度160℃、ブ
ロー比2.0、引取速度5m/分にて、表−1に記載の
ポリオレフィン系基材フィルム(A、B)を得た。
【0054】(2)ハウス外面の被膜の形成 表−2及び表−3に記載の組成よりなる重合組成物をト
ルエンに溶解し、固形分濃度が20%になるように調製
し、6種類の被膜形成用塗布液を得た。得られた塗布液
を前記、基材フィルムの表面に、上記被覆材をグラビア
コート法によって塗布した後、150℃に温度調節した
温風乾燥炉内に2分間滞留させ、溶剤を飛散させ防塵被
膜を形成させた。尚、被膜の厚みは全て2μmであっ
た。
ルエンに溶解し、固形分濃度が20%になるように調製
し、6種類の被膜形成用塗布液を得た。得られた塗布液
を前記、基材フィルムの表面に、上記被覆材をグラビア
コート法によって塗布した後、150℃に温度調節した
温風乾燥炉内に2分間滞留させ、溶剤を飛散させ防塵被
膜を形成させた。尚、被膜の厚みは全て2μmであっ
た。
【0055】(3)ハウス内面の防曇被膜の形成 表−4に記載のモノマー組成よりなるアクリル系樹脂の
水分散液を調製し、得られたアクリル系水分散液に表−
5に記載の無機質コロイドゾル、その他の成分を配合
し、2種類の防曇剤組成物を調整した。得られた防曇剤
組成物を、前記、基材フィルムのハウス外面のアクリル
系樹脂被膜を形成した面と別の面にグラビアコート法に
よって塗布した後、80℃に温度調節した温風乾燥炉内
に2分間滞留させ、液状分散媒を飛散させて被膜を形成
させた。
水分散液を調製し、得られたアクリル系水分散液に表−
5に記載の無機質コロイドゾル、その他の成分を配合
し、2種類の防曇剤組成物を調整した。得られた防曇剤
組成物を、前記、基材フィルムのハウス外面のアクリル
系樹脂被膜を形成した面と別の面にグラビアコート法に
よって塗布した後、80℃に温度調節した温風乾燥炉内
に2分間滞留させ、液状分散媒を飛散させて被膜を形成
させた。
【0056】(4)フィルムの評価 得られた各フィルムについて、次のような評価試験を行
い、その結果を表−5に示した。 a)融着性試験 幅30cm、長さ150cmに切断したフィルムを、名
古屋市の水道水に2日間浸し、これを、直径2cm幅3
5cmの亜鉛メッキをした鉄製のパイプに巻き付け、6
5℃のオーブン内で1週間放置し、乾燥させた。このフ
ィルムを鉄パイプから巻き戻した時のフィルム接触部分
の融着が発生した面積の、フィルム全体の面積に対する
割合を示した。
い、その結果を表−5に示した。 a)融着性試験 幅30cm、長さ150cmに切断したフィルムを、名
古屋市の水道水に2日間浸し、これを、直径2cm幅3
5cmの亜鉛メッキをした鉄製のパイプに巻き付け、6
5℃のオーブン内で1週間放置し、乾燥させた。このフ
ィルムを鉄パイプから巻き戻した時のフィルム接触部分
の融着が発生した面積の、フィルム全体の面積に対する
割合を示した。
【0057】b)塗膜密着性 幅20cm、長さ30cmに切断したフィルムを名古屋
市の水道水に浸漬し、5℃雰囲気下に一昼夜放置した。
このフィルムにスコッチブライト(3M製工業用パッド
8448、サイズ;8cm×10cm)をのせ、以下の
条件で塗膜剥離試験を行った。 試験温度:5℃雰囲気下、荷重:4kg、試験回数:長
さ方向へ20cm×10往復試験後のサンプルを乾燥さ
せ、塗膜密着性を以下の基準にて目視評価した。 ○; 剥離面積 0〜20%、 △; 剥離面積 20〜50%、 ×; 剥離面積 >50%
市の水道水に浸漬し、5℃雰囲気下に一昼夜放置した。
このフィルムにスコッチブライト(3M製工業用パッド
8448、サイズ;8cm×10cm)をのせ、以下の
条件で塗膜剥離試験を行った。 試験温度:5℃雰囲気下、荷重:4kg、試験回数:長
さ方向へ20cm×10往復試験後のサンプルを乾燥さ
せ、塗膜密着性を以下の基準にて目視評価した。 ○; 剥離面積 0〜20%、 △; 剥離面積 20〜50%、 ×; 剥離面積 >50%
【0058】c)屋外曝露試験−1)光線透過率残率試
験 三重県一志郡の捕縄に、間口5.4m、棟高3m、奥行
き15mのパイプハウス13棟を構築し、表−5に記載
の構成よりなる13種類のフィルムを各棟に1種類ずつ
防塵被膜が形成された面がハウスの外側になるように展
張した。評価は、次式により算出した光線透過率残率を
以下の評価基準により行った。
験 三重県一志郡の捕縄に、間口5.4m、棟高3m、奥行
き15mのパイプハウス13棟を構築し、表−5に記載
の構成よりなる13種類のフィルムを各棟に1種類ずつ
防塵被膜が形成された面がハウスの外側になるように展
張した。評価は、次式により算出した光線透過率残率を
以下の評価基準により行った。
【0059】
【数2】
【0060】*:波長555nm における平行光線透過率 (U−2000型日立ダブルビーム分光光度計にて測
定) ◎ : 光線透過率残率 ≧90% ○ : 光線透過率残率 70〜89% △ : 光線透過率残率 50〜69% × : 光線透過率残率 <50%
定) ◎ : 光線透過率残率 ≧90% ○ : 光線透過率残率 70〜89% △ : 光線透過率残率 50〜69% × : 光線透過率残率 <50%
【0061】d)屋外曝露試験−2)防曇性試験 評価c)にて展張したフィルムについて、ハウス内面の
防曇性を目視にて評価した。 尚、評価基準は、次の通りである。 ◎・・・フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同
じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、こ
の薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3以上にわた
るもの。 ○・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/
3未満、1/2以上のもの。 △・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/
2未満のもの。 X・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分が認められないもの、または、フ
ィルム表面に付着した水滴同士の合体が認められないも
の。
防曇性を目視にて評価した。 尚、評価基準は、次の通りである。 ◎・・・フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同
じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、こ
の薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3以上にわた
るもの。 ○・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/
3未満、1/2以上のもの。 △・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/
2未満のもの。 X・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分が認められないもの、または、フ
ィルム表面に付着した水滴同士の合体が認められないも
の。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム同士が重なり
あった際にも融着することが少なく、かつ重なり合った
後の透明性に優れ、また外面塗膜の密着性が良いため長
期間にわたり融着性防止、防曇性を持続できる耐久性農
業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることできる。
あった際にも融着することが少なく、かつ重なり合った
後の透明性に優れ、また外面塗膜の密着性が良いため長
期間にわたり融着性防止、防曇性を持続できる耐久性農
業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CES C08J 7/04 CESZ C09K 3/00 C09K 3/00 R // C08L 23:02 C08L 23:02 Fターム(参考) 2B024 DA03 DB01 DB07 2B029 EB03 EC02 EC06 EC09 EC17 EC19 RA03 4F006 AA12 AB12 AB16 AB24 AB76 BA10 BA11 CA06 4F100 AA00B AA20B AC10A AK03A AK03B AK04A AK25B AK62A AK68A AL07B BA02 BA16 CA05A CA10B CC00B EH46 GB01 JK06 JL07 JL08A JL09 JM01B JN01 4J027 AA03 AA08 BA04 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA13 BA14 BA20 BA21 CB03 CD08
Claims (6)
- 【請求項1】 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムで
あって、展張時ハウス外面にアクリル変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含有する被膜を形成してなることを特徴とす
る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 【請求項2】 展張時ハウス外面に形成されるアクリル
変性ポリオレフィン系樹脂が下記重合生成物(A)より
なることを特徴とする請求項1記載の農業用ポリオレフ
ィン系樹脂フィルム。 重合物生成物(A):一分子中に少なくとも1個の官能
基を有するオレフィン樹脂(a)と、該官能基と反応性
を有する官能基を有するラジカル重合性単量体(b)と
を反応させて得られるラジカル重合性オレフィン樹脂
(c)にアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とし
て含有する共重合体可能な単量体(d)を共重合して得
られる重合生成物。 - 【請求項3】 該(d)成分が該重合生成物(A)中の
60〜90重量%を占めてなることを特徴とする請求項
2に記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 【請求項4】 展張時ハウス内面に、アクリル系樹脂及
び無機質コロイドゾルを主成分とする防曇被膜を形成し
てなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂の一成分として、
メタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オ
レフィン共重合樹脂が使用される事を特徴とする請求項
1ないし4のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン系
樹脂フィルム。 - 【請求項6】 フィルムのハウス内面の防曇被膜を形成
するアクリル系樹脂が、アクリル酸またはメタクリル酸
のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル
酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニ
ルベンゼン類との単量体混合物を主要成分として製造さ
れた重合体または共重合体であることを特徴とする請求
項1ないし5のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン
系樹脂フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001042683A JP2002240216A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001042683A JP2002240216A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002240216A true JP2002240216A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18904942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001042683A Pending JP2002240216A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002240216A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008156530A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Mitsui Chemicals Inc | フィルム用防曇剤 |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001042683A patent/JP2002240216A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008156530A (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-10 | Mitsui Chemicals Inc | フィルム用防曇剤 |
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