JP6785835B2 - ミュゲの香りを有する化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、香料の分野に関する。より具体的には本発明は、付香成分としての式(I)のフェニルプロパナール誘導体ならびに該誘導体を含む組成物および消費製品に関する。
従来技術
本発明者らの知る限りでは、本化合物は新規である。
本発明者らの知る限りでは、付香成分として文献で報告されている密接に関係する構造類似体は1種のみであり、それはすなわち米国特許第4491537号明細書(US 4491537)で報告されている3−(4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニル)ブタナールであるが、これは、グリーン調でかつウッディ調の桃様の香気、すなわち本発明の化合物とは全く異なる感覚刺激特性を有する。さらにこの先行技術文献では、式(I)の化合物の感覚刺激特性についても、香料分野における該化合物の使用についても、何ら報告も示唆もなされていない。
発明の説明
ここで、本発明者らは驚くべきことに、式
Figure 0006785835
[式中、
点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
Xは、CN基またはCHO基を表し、
、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC1〜2アルキル基を表し、かつ
Rは、式−[CHC(Me)OHの基を表し、ここで、nは、1または2であり、該Rは、前記芳香環の1位に対してメタ位またはパラ位にある置換基である]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物を、付香成分として使用することができ、例えばドイツスズラン(lily of the valley)のタイプの香りのノートを付与するための付香成分として使用することができることを見出した。
明確にするために述べると、「その立体異性体のうちのいずれか1つ」なる表現またはそれに類する表現は、当業者によって理解される通常の意味を表し、すなわち本発明の化合物は、(キラルの場合には)純粋なエナンチオマーであることもでき、またジアステレオマー(例えば、二重結合が、E型またはZ型の立体配置で存在する)であることもできる。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記化合物は、そのE型異性体の形態で存在してもよいし、そのZ型異性体の形態で存在してもよいし、それらの混合物の形態で存在してもよく、例えば本発明は、同一の化学構造を有するが二重結合の立体配置が異なる式(I)の1つまたは複数の化合物からなる組成物を含む。特に化合物(I)は、E型異性体とZ型異性体とからなる混合物の形態で存在することができ、前記E型異性体は、混合物全体の少なくとも50%、またさらには少なくとも75%を占める(すなわち、含まれるE/Z混合物は、75/25から100/0までである)。
明確にするために述べると、「式中、点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表す」なる表現またはそれに類する表現は、当業者によって理解される通常の意味を表し、すなわち、前記点線により結合される炭素原子の間の結合全体(実線および点線)が、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合であることを表す。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、前記化合物(I)は、式
Figure 0006785835
[式中、
点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
nは、1または2であり、
Xは、CN基またはCHO基を表し、かつ
、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC1〜2アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、C12〜C16化合物であるか、またさらにはC13〜C14化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、式
Figure 0006785835
[式中、
点線、n、R、RおよびRは、上記と同一の意味を有する]の化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、点線が炭素−炭素単結合を表す化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、式
Figure 0006785835
[式中、
n、R、RおよびRは、上記と同一の意味を有する]の化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、nが1を表す化合物である。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、R、RおよびRがそれぞれ互いに独立して、水素原子またはメチル基を表す化合物である。特に、前記R、RおよびRのうちの1つまたは2つは水素原子を表すことができ、残りの1つまたは2つは、水素原子またはメチル基を表すことができる。
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、本発明の前記化合物は、Rが水素原子を表すことができ、RおよびRのうちの一方がそれぞれ互いに独立して水素原子またはメチル基を表すことができる化合物である。特に、Rは水素原子を表すことができ、RおよびRのうちの一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基である。
本発明者らの知る限りでは、本明細書において上記で報告した式(I)の化合物は新規であり、したがって該化合物も本発明の目的である。
本発明の化合物の具体例としては、非限定的な例として、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールを挙げることができ、これは、心地よくかつ十分にバランスのとれたフローラル調でかつドイツスズラン調のヒドロキシシトロネラールの香りのノートと、非常によく知られている成分であるLyral(登録商標)(4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド;供給元:International Flavors & Fragrances、米国)のうちの1つを強く想起させる全体的な嗅覚特性とを有することを特徴とする。この顕著な類似性は、産業上極めて重要である。なぜならば現在、アレルゲンとなるという理由からLyral(登録商標)の使用が制限されており、産業的にこの成分の嗅覚的な代替物が依然として待たれているためである。
実際に、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールをLyral(登録商標)と比較すると、本発明の化合物は、より多くの量感を示す(more substantive)とともに力強い(したがって従来技術の化合物よりもはるかに低水準の供給量で済む)という点に加え、(想定される多くのLyral(登録商標)の代替物とは異なって)Lyral(登録商標)特有の「ウェットな」効果をもたらしつつ輝き感(radiance)の向上をも示すという点が顕著である。
本発明の化合物の他の具体例としては、これらに限定されるものではないが例えば、以下の表1に示すものを挙げることができる。
表1:本発明の化合物およびその香り特性
Figure 0006785835
本発明の特定の一実施形態によれば、式(I)の化合物は、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール、3−(3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)プロパナールまたは3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]ブタナールである。
本発明の化合物の香りを、上記で挙げた従来技術の化合物の香りと比較すると、本発明の化合物は、明らかに香りが異なるという点に加え、ウッディ調でかつグリーン調の桃様のニュアンス(connotation)を有しないという点が顕著である。
興味深いことに、本発明の化合物を、同様にドイツスズランノートを有する3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナールおよび3−(4−イソブチルフェニル)−2−メチルプロパナールを含む周知のファミリーの脱ヒドロキシル化類似体と考えることもできよう。しかしこれらの従来技術の化合物と比較すると、本発明の化合物は、これらの成分のプロファイルに存在する少なくともグリーン調でかつファッティ調の香調を有しない。こうした相違点によって、本発明の化合物と従来技術の化合物とにはそれぞれ異なる用途への適性が与えられ、すなわち異なる感覚刺激的印象が与えられる。
上述の通り本発明は、付香成分としての式(I)の化合物の使用に関する。換言すれば本発明は、付香組成物もしくは着香物品に香り特性を付与するか、または付香組成物もしくは着香物品の香り特性を増強、改善もしくは変調するための方法に関し、該方法は、前記組成物または物品に、式(I)の少なくとも1種の化合物の有効量を加えることを含む。「式(I)の化合物の使用」とは本明細書において、化合物(I)を含むとともに香料産業において有利に使用することができるすべての組成物の使用であるとも理解されなければならない。
特に前記方法または使用は、付香組成物におけるLyral(登録商標)を代替するための方法を対象とすることができる。あるいは同様に、付香組成物もしくは着香物品にフローラル調でかつドイツスズラン調のヒドロキシシトロネラールの香りのノートを付与するか、または付香組成物もしくは着香物品のそうした香りのノートを増強、改善もしくは変調するための方法を対象とすることができる。
実際に付香成分として有利に使用することができる前記組成物も、本発明の目的である。
したがって本発明の他の目的は、
i)付香成分としての、上記で定義された本発明の少なくとも1種の化合物と、
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分と、
iii)任意には、少なくとも1種の香料補助剤と
を含む付香組成物である。
「香料担体」とは本明細書では、香料の観点から実質的に中性である物質、すなわち付香成分の感覚刺激特性を大きく変化させることのない物質を意味する。前記担体は、液体であっても固体であってもよい。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香料に一般的に使用される溶媒を挙げることができる。香料に一般的に使用される溶媒の性質および種類については、すべてを余すことなく詳細に記載できるものではない。しかし非限定的な例として、例えばブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセタート、ジメチルグルタラート、ジメチルアジパート、1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセタート、ジエチルフタラート、イソプロピルミリスタート、ベンジルベンゾアート、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、トリエチルシトラートといった溶媒またはそれらの混合物を挙げることができ、これらが最も一般的に使用されている。香料担体と香料ベースとの双方を含む組成物に関しては、上記のもの以外の適切な香料担体はさらに、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンもしくは他のテルペン類、イソパラフィン類、例えば商標Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)として知られているもの、またはグリコールエーテル類およびグリコールエーテルエステル類、例えば商標Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)として知られているもの、または水添ヒマシ油類、例えば商標Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)として知られているものであってよい。
固体担体とは、付香組成物または付香組成物のある要素が化学的にまたは物理的に結合しうる物質を意味する。一般にこのような固体担体は、組成物を安定化するために、または組成物もしくはいくつかの成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体の使用は、当技術分野で現在有用であり、当業者は所望の効果を得る方法を知っている。しかし、固体担体としての非限定的な例としては、吸収性のゴムまたはポリマーまたは無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機ゲル、無機ゲル、クレー、石膏滑石もしくはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例としては、カプセル化材料を挙げることができる。このような材料の例には、壁形成性材料および可塑剤、例えば単糖類、二糖類、三糖類、天然デンプン、加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またさらには参照文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs− und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に挙げられている材料が含まれうる。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば噴霧乾燥法、凝集法、またさらには押出法のような技術を用いて実施することができ、またコアセルベーション技術および複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。非限定的な例としては特に、重合、界面重合、コアセルベーションまたはこれらすべて(これらの技術はいずれも、従来技術において記載されている)によって生じる相分離プロセスのような技術を使用して、場合によっては高分子安定剤またはカチオンコポリマーの存在下で、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素もしくはポリウレタンといったタイプの樹脂またはそれらの混合物(これらの樹脂はいずれも、当業者に周知である)を用いて行う、コア−シェル型カプセル化を挙げることができる。
特に樹脂としては、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒドおよびそれらの混合物)と、アミン、すなわち尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールなどおよびそれらの混合物との重縮合によって生成されたものを挙げることができる。あるいは、予備成形された樹脂アルコキシル化ポリアミン、例えば商標Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)として市販されているものを使用してもよい。
特に樹脂としては、ポリオール、例えばグリセロールと、ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体またはキシリレンジイソシアネートの三量体またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体または(Takenate(登録商標)供給元:三井化学株式会社の商標として知られている)キシリレンジイソシアネートの三量体のトリメチロールプロパン付加物との重縮合によって生成されたものを挙げることができ、これらのポリイソシアネートのうち、キシリレンジイソシアネートの三量体のトリメチロールプロパン付加物およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体が好ましい。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関連する重要な文献の代表例としては、例えばK.DietrichらによりActa Polymerica, 1989, vol. 40, p.243、325および683ならびに1990, vol. 41, p.91において発表された論文が挙げられる。こうした論文には、従来技術による方法によるこのようなコア−シェル型マイクロカプセルの調製に影響を及ぼす様々なパラメータがすでに記載されており、こうしたパラメータは、特許文献においてさらに詳述されかつ例示されている。Wiggins Teape Group Limitedによる米国特許第4,396,670号明細書(US 4,396,670)は、こうした特許文献の関連する先駆的な一例である。それ以来、他の多くの著者および創作者によって本分野の文献が多数記載されており、発表されたすべての進展を本明細書において網羅することは不可能であろうが、この種のカプセル化の一般的な知識は非常に重要である。こうしたマイクロカプセルの適切な用途をも扱った最近の関連文献の代表例としては例えば、Journal of Microencapsulation, 2002, vol. 19, p.559−569におけるH.Y.Leeらの論文、国際公開第01/41915号(WO 01/41915)、またさらにはChimia, 2011, vol. 65, p.177−181におけるS.Boneらの論文が挙げられる。
「香料ベース」とは本明細書においては、少なくとも1種の付香補助成分を含む組成物を意味する。
前記付香補助成分は、式(I)のものではない。さらに「付香補助成分」とは本明細書においては、心地よい効果を付与するための付香調合物または心地よい効果を付与するための組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、付香成分であると考えられるべきであるこうした補助成分は、単に香りを有しているものとしてではなく、そうした組成物に香りをポジティブにもしくは快いように付与することができるか、またはそうした組成物の香りをポジティブにもしくは快いように変調することができるものとして、当業者には認識されるはずである。
ベース中に存在する付香補助成分の性質および種類については、本明細書においてこれ以上の詳細な記載は保証されないが、いずれにせよすべてを余すことなく詳細に記載できるものではなく、当業者は、自身の一般知識に基づき、また用途および所望の感覚刺激効果に応じて、それらを選択することができる。一般にこれらの付香補助成分は、アルコール類、ラクトン類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アセタート類、ニトリル類、テルペノイド類、含窒素複素環式化合物、含硫黄複素環式化合物および精油といった様々な化学種に属し、また前述の付香補助成分は、天然由来のものであっても合成由来のものであってもよく、さらには副香料(pro−perfume)(すなわち、分解時に付香成分を遊離する化合物)であってもよい。副香料の例は例えば、A. HerrmannによりAngewandte Chemie International Edition, 2007, vol. 46, p.5836−5863に発表された論文、または同様の種類のより最近の著作物および当分野における多数の特許文献に記載されている。
特に、香料処方物に一般的に使用される付香補助成分、例えば
− アルデハイド調成分:デカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、10−ウンデセナール、オクタナールおよび/またはノネナール;
− アロマティックハーバル調成分:ユーカリ油、カンフル、ユーカリプトール、メントールおよび/またはα−ピネン;
− バルサミック調成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
− シトラス調成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセタート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン類、リモネン、1−P−メンテン−8−イルアセタートおよび/または1,4(8)−P−メンタジエン;
− フローラル調成分:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、β−イオノン、メチル−2−(メチルアミノ)ベンゾアート、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、サリチル酸ヘキシル、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、酢酸ベルジル(verdyl acetate)、ゲラニオール、P−メンタ−1−エン−8−オール、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセタート、1,1−ジメチル−2−フェニルエチルアセタート、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、サリチル酸アミル、高シスジヒドロジャスモン酸メチル、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、ベルジルプロプリオナート(verdyl proprionate)、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、シス−7−P−メンタノール、プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノアート、2−メトキシナフタレン、2,2,2−トリクロロ−1−フェニルエチルアセタート、4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、4−フェニル−2−ブタノン、酢酸イソノニル、4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセタート、イソ酪酸ベルジル(verdyl isobutyrate)および/またはメチルイオノン異性体の混合物;
− フルーティ調成分:γ−ウンデカラクトン、4−デカノライド、2−メチルペンタン酸エチル、酢酸ヘキシル、2−メチルブタン酸エチル、γ−ノナラクトン、ヘプタン酸アリル、イソ酪酸2−フェノキシエチル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−酢酸エチルおよび/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル;
− グリーン調成分:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド、2−t−ブチル−1−シクロヘキシルアセタート、酢酸スチラリル、アリル(2−メチルブトキシ)アセタート、4−メチル−3−デセン−5−オール、ジフェニルエーテル、(Z)−3−ヘキセン−1−オールおよび/または1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン;
− ムスク調成分:1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン、ペンタデセノリド、3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−[G]イソクロメン、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノアートおよび/または(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノアート;
− ウッディ調成分:1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、パチョリ油、パチョリ油のテルペン類分、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、メチルセドリルケトン、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、1−(2,3,8,8−テトラメチル−1,2,3,4,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン−2−イル)エタン−1−オンおよび/または酢酸イソボルニル;
− 他の成分(例えばアンバー調、パウダリースパイシー調またはウォータリー調):ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フランおよびその立体異性体のいずれか、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、クローブ油、3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールおよび/または3−(3−イソプロピル−1−フェニル)ブタナール
を挙げることができる。
特に、フローラルノートを有する以下の付香補助成分を挙げることができる:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノール、高シスジヒドロジャスモン酸メチル、テトラヒドロリナロール。
本発明による香料ベースは、上記の付香補助成分に限定されず、これらの補助成分の他の多くがいずれにせよ、例えばS. Arctander著, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはそのより新しい版のような参照文献または同様の性質の他の著作物および香料分野の多数の特許文献に記載されている。前記補助成分は、様々な種類の付香化合物を制御された様式で放出することが知られている化合物であってもよいことも理解される。
「香料補助剤」とは本明細書においては、例えば色、特定の光に対する耐久性、化学的安定性などのようなさらなる付加的な有益性を付与しうる成分を意味する。香料ベースで一般的に使用される補助剤の性質および種類については、すべてを余すことなく詳細に記載できるものではないが、こうした成分は当業者に周知であるという言及を行わなければならない。しかし、非限定的な例として以下のものを挙げることができる:粘性剤(例えば界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば防腐剤、酸化防止剤、熱/光およびまたは緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば染料および/または顔料)、防腐剤(例えば抗細菌剤または抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン類およびそれらの混合物。
当業者は、単に当技術分野の標準的な知識を適用することによってのみならず試行錯誤法によっても付香組成物の上記の成分を混合することによって、所望の効果を得るための最適な処方物を設計することが完全に可能であることが理解される。
式(I)の少なくとも1種の化合物と少なくとも1種の香料担体とからなる本発明の組成物は、本発明の特定の一実施形態を表すとともに、式(I)の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種の香料担体と、少なくとも1種の香料ベースと、適宜少なくとも1種の香料補助剤とを含む付香組成物をも表す。
ここで、上記の組成物において式(I)の複数の化合物を有する可能性が重要であるという言及を行うことは有用である。なぜならば、それによって、調香師が本発明の様々な化合物の香りのトーンを有する香りの調和を生み出すことができるようになるとともに、そうした香りのトーンを有する香料を調合することができるようになり、そのようにして調香師の研究用の新たなツールが生み出されるためである。
明確にするために述べると、出発物質、中間体または最終生成物として本発明の化合物が含まれていると考えられる化学合成から直接的に得られる混合物、例えば適切な精製を行っていない反応媒体は、本発明の化合物を香料に適した形態で提供しない限り、本発明による付香組成物と考えることはできないであろう。
さらに、前記化合物(I)が添加される消費製品に香りをポジティブに付与するか、またはそうした消費製品の香りをポジティブに変調するために、最新の香料の分野、すなわちファインパフューマリーまたは機能性香料のすべての分野において、本発明の化合物を有利に使用することもできる。したがって本発明の他の目的は、上記で定義した式(I)の少なくとも1種の化合物を付香成分として含む付香消費製品によって表される。
本発明の化合物をそのまま加えることも可能であり、また本発明の化合物を本発明の付香組成物の一部として加えることも可能である。
明確にするために述べると、「付香消費製品」とは、消費製品であって、該消費製品が適用される表面(例えば皮膚、毛髪、テキスタイルまたは家庭内表面)に少なくとも快い付香効果を生じさせることが期待されるものを意味するという言及を行わなければならない。換言すれば、本発明による付香消費製品は、機能性処方物と、適宜、所望の消費製品、例えば洗剤またはエアフレッシュナーに応じた追加の有益剤と、本発明の少なくとも1種の化合物の嗅覚的に有効な量とを含む着香消費製品である。明確にするために述べると、前記付香消費製品は、非食用製品である。
付香消費製品の成分の性質および種類については、本明細書においてこれ以上の詳細な記載は保証されないが、いずれにせよすべてを余すことなく詳細に記載できるものではなく、当業者は、自身の一般知識に基づき、また該付香消費製品の性質および所望の効果に応じて、それらを選択することができる。
適切な付香消費製品の非限定的な例は、香水、例えばファインパフューム、スプラッシュパフューム、オードパフューム、コロン、シェーブローションもしくはアフターシェーブローション;布地ケア製品、例えば液体洗剤、固体洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙もしくは漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えばシャンプー、カラーリング用調製物もしくはヘアスプレー、カラーケア製品、整髪用製品、デンタルケア製品)、殺菌剤、インティメイトケア製品;化粧用調製物(例えばスキンクリーム、スキンローション、バニシングクリームもしくは脱臭剤もしくは制汗剤(例えばスプレーもしくはロールオン)、脱毛剤、タンニング用製品、日焼け用製品、日焼け後用製品、ネイル用製品、皮膚洗浄剤、化粧品);またはスキンケア製品(例えば着香石鹸、着香シャワームース、着香シャワーオイル、着香シャワージェル、着香バスムース、着香バスオイル、着香バスジェル、もしくは衛生製品もしくはフット/ハンドケア製品);空気ケア製品、例えば家庭内空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴もしくは車)および/もしくは公共の空間(ホール、ホテル、モールなど)において使用することができるエアフレッシュナーもしくは「すぐに使用可能な」粉末状エアフレッシュナー;またはホームケア製品、例えばカビ除去剤、ファーニッシャー(furnisher)ケア製品、ワイプ、食器用洗剤もしくは硬質表面(例えば床、浴室、衛生用品もしくは窓)清浄化剤;皮革ケア製品;カーケア製品、例えばポリッシュ、ワックスもしくはプラスチッククリーナーであることができる。
上述した付香消費製品のなかには、本発明の化合物に対する攻撃的な媒体となりうるものがあるため、例えばカプセル化によって、または例えば酵素、光、熱もしくはpH変化のような適切な外部刺激を受けると本発明の成分を放出するのに適した他の化学物質に化学的に結合させることによって、本発明の化合物があまりにも早期に分解してしまうのを防ぐことが必要となる場合がある。
本発明による化合物を前述の種々の生成物または組成物に組み込むことのできる割合は、広範囲の値の範囲内で変化する。これらの値は、付香すべき物品の性質および所望の感覚刺激効果に依存するとともに、本発明による化合物を、当技術分野で一般的に使用されている付香補助成分、溶媒または添加剤と混合する場合には、所与のベース中の補助成分の性質にも依存する。
例えば付香組成物の場合に、本発明の化合物の典型的な濃度は、本発明の化合物を組み込む組成物の重量を基準として約0.01重量%から、またさらには1重量%から、15重量%まで、またさらには25重量%までであるか、またはそれを上回る。これらの化合物を付香消費製品に組み込む場合には、これらよりも低い濃度、例えば約0.01重量%から、1重量%まで、またさらには2重量%までを用いることができ、ここで、パーセンテージは物品の重量に対して示される。
実施例に報告するように、相応するジオールを調製し、次いでこれを酸化して所望のアルデヒドを生成することを含む方法によって、本発明の化合物を調製することができる。最終生成物は、出発物質の純度に応じて、例えばオルト生成物、パラ生成物またはメタ生成物のような種々の異性体を含みうることが理解される。
ここで、本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、略称は当技術分野における通常の意味を有し、温度を摂氏(℃)で示し、NMRスペクトルデータを、360MHzまたは400MHzの機器でHおよび13Cに関して(別段の記載がない場合には)CDCl中で記録し、化学シフトδを標準物質としてのTMSに対してppmで示し、結合定数JをHzで表す。
実施例1
式(I)の化合物の合成
・3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール
ステップ1: 3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパノール:
−78℃のTHF(1.06L)中の3−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(22.8g、106ミリモル、1当量)の溶液に、n−BuLi(1.6M、358mL、573ミリモル、5.4当量)を滴加した。−78℃で5時間撹拌した後、温度を−50℃にし、イソブチレンオキシド(47.1mL、530ミリモル、5当量)を滴加した。−50℃で30分間撹拌した後、三フッ化ホウ素エーテラート(101mL、796ミリモル、7.5当量)を滴加した。−50℃で1時間30分撹拌した後、この反応物を酒石酸Na/Kの10%w/w溶液でクエンチし、この混合物を一晩かけて室温にした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。比較的軽い不純物をバルブ・ツー・バルブ蒸留(100〜120℃、10ミリバール)により除去して、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパノールを油状物として得た(11.5g、収率52%)。この油状物は、静止時に固化した。
Figure 0006785835
ステップ2: 3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール:
室温のCHCl(380mL)中のステップ1のアルコール(11.9g、57.1ミリモル、1当量)の懸濁液に、微粉砕したPCC(24.6g、114ミリモル、2当量)を滴加した。この反応物を室温で45分間撹拌した後、これを、エーテルを溶離液として用いてセライトパッドでろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 75:25)およびバルブ・ツー・バルブ蒸留(135℃、0.16〜0.19ミリバール)により精製して、所望のアルデヒドを油状物として得た(4.99g、収率42%)。
Figure 0006785835
・3−(3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル)プロパナール
ステップ1: 3−[3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパノール:
−78℃のTHF(230mL)中の3−(3−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(5.0g、23ミリモル、1当量)の溶液に、n−BuLi(1.6M、78mL、126ミリモル、5.4当量)を滴加した。−78℃で5時間撹拌した後、温度を−50℃にし、イソブチレンオキシド(10.3mL、116ミリモル、5当量)を滴加した。−50℃で30分間撹拌した後、三フッ化ホウ素エーテラート(22.1mL、174ミリモル、7.5当量)を滴加した。−50℃で1時間30分撹拌した後、この反応物を酒石酸Na/Kの10%w/w溶液でクエンチし、この混合物を一晩かけて室温にした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。比較的軽い不純物をバルブ・ツー・バルブ蒸留(100〜120℃、10ミリバール)により除去して、粗3−[3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパノールを得て、これを次のステップにそのまま使用した。
ステップ2: 3−[3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール:
室温のCHCl(155mL)中のステップ1の粗アルコール(4.84g、23ミリモル、1当量)の懸濁液に、微粉砕したPCC(10.0g、46ミリモル、2当量)を滴加した。この反応物を室温で45分間撹拌した後、これを、エーテルを溶離液として用いてセライトパッドでろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 75:25)およびバルブ・ツー・バルブ蒸留(135℃、0.16〜0.19ミリバール)により精製して、所望のアルデヒドを油状物として得た(2つのステップで929mg、収率19%)。
Figure 0006785835
・3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル]プロパナール
ステップ1: メチル(E)−3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アクリラート:
4−ブロモ−2−メチルベンズアルデヒド(5.87mL、44ミリモル、1当量)とトリメチルホスホノアセタート(7.62mL、53mL、1.2当量)との混合物に、炭酸カリウム(12.1g、88ミリモル、2当量)およびDBU(0.2mL、1.3ミリモル、0.03当量)を加えた。この反応物を室温で19時間撹拌した後、これを水でクエンチした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をバルブ・ツー・バルブ蒸留(135〜140℃、0.15ミリバール)により精製して、メチル(E)−3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アクリラートを得た(10.3g、収率92%)。
Figure 0006785835
ステップ2: メチル3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)プロパノアート:
120mLのオートクレーブに、メチル(E)−3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)アクリラート(12.0g、47ミリモル)および酢酸エチル(50mL)中の5%Pd/C(102mg)を導入した。このオートクレーブを密閉し、窒素パージし、これを室温で18バールのH圧力下で反応させた。1時間後、このオートクレーブを窒素パージし、開放し、触媒をろ過し、溶媒を蒸発させた。残滓をバルブ・ツー・バルブ蒸留(130℃、6〜7ミリバール)により精製して、メチル3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)プロパノアートを得た(8.12g、純度81%、収率55%)。
Figure 0006785835
ステップ3: 3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)プロパン−1−オール:
0℃のTHF(31mL)中の水素化アルミニウムリチウム(8.08g、31ミリモル、1当量)の懸濁液に、THF(31mL)中のメチル3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)プロパノアート(8.08g、31ミリモル、1当量)の溶液を滴加した。室温で2時間撹拌した後、この反応物を0℃に冷却し、順に水3.5mL、5%NaOH溶液10.5mLおよび水3.5mLでクエンチした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。この粗生成物を、次のステップにそのまま使用した。
ステップ4: 3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル)プロパン−1−オール:
−78℃のTHF(220mL)中の粗3−(4−ブロモ−2−メチルフェニル)プロパン−1−オール(6.99g、22ミリモル、1当量)の溶液に、n−BuLi(1.6M、74.2mL、119ミリモル、5.4当量)を滴加した。−78℃で5時間撹拌した後、温度を−50℃にし、イソブチレンオキシド(9.76mL、110ミリモル、5当量)を滴加した。−50℃で30分間撹拌した後、三フッ化ホウ素エーテラート(20.9mL、165ミリモル、7.5当量)を滴加した。−50℃で1時間30分撹拌した後、この反応物を酒石酸Na/Kの10%w/w溶液でクエンチし、この混合物を一晩かけて室温にした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。比較的軽い不純物をバルブ・ツー・バルブ蒸留(100〜120℃、10ミリバール)により除去して、粗3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル)プロパン−1−オールを得て、これを次のステップにそのまま使用した。
ステップ5: 3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル)プロパナール:
室温のCHCl(147mL)中の粗3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−メチルフェニル)プロパン−1−オール(4.89g、22ミリモル、1当量)の懸濁液に、微粉砕したPCC(5.69g、26ミリモル、1.2当量)を滴加した。この反応物を室温で45分間撹拌した後、これを、エーテルを溶離液として用いてセライトパッドでろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 75:25)およびバルブ・ツー・バルブ蒸留(135℃、0.16〜0.19ミリバール)により精製して、所望のアルデヒドを油状物として得た(3つのステップで910mg、収率19%)。
Figure 0006785835
・3−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル]プロパナール
ステップ1: メチル−3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)フェニル)アクリラート:
50℃のシクロヘキサン(50mL)中の4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブタ−1−イン−1−イル)ベンズアルデヒド(5.02g、27ミリモル、1当量)およびトリメチルホスホノアセタート(4.24mL、29ミリモル、1.1当量)の溶液に、ナトリウムメタノラート(メタノール中5.4M、5.93mL、32ミリモル、1.2当量)を加えた。2時間撹拌した後、この反応物を塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。この粗生成物を、次のステップにそのまま使用した。
ステップ2: メチル3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル)プロパノアート:
酢酸エチル(60mL)中のステップ1からの粗エステル(6.52g、24ミリモル、1当量)の溶液に、5%Pd/C(187mg)を加え、この懸濁液を、1バールの水素雰囲気下で15時間撹拌した。触媒をろ過し、溶媒を蒸発させ、生成物をバルブ・ツー・バルブ蒸留(145〜150℃、0.15ミリバール)で精製して、メチル3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル)プロパノアート(2つのステップで4.11g、収率68%)を油状物として得た。
Figure 0006785835
ステップ3: 3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル)プロパナール:
−78℃のジクロロメタン(41mL)中のステップ2からのエステル(4.11g、16.4ミリモル、1当量)の溶液に、3時間かけてDIBAL(ヘキサン中1M、41mL、41ミリモル、2.5当量)を加えた。1時間30分撹拌した後、この反応物を酒石酸Na/Kの10%w/w溶液でクエンチし、この混合物を一晩かけて室温にした。これをエーテルで3回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/AcOEt 6:4〜4:6)およびバルブ・ツー・バルブ蒸留(145〜150℃、0.068〜0.073ミリバール)により精製して、3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)フェニル)プロパナール(2.08g、収率58%)を油状物として得た。
Figure 0006785835
実施例2
付香組成物の調製
以下の成分を混合することにより、麝香タイプの女性用の香水を調製した。
Figure 0006785835
Figure 0006785835
Figure 0006785835
ジプロピレングリコール中 **ミリスチン酸イソプロピル中
1)4−シクロヘキシル−2−メチル−2−ブタノールa)
2)テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノールa)
3)シスジヒドロジャスモン酸メチルa)
4)(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノアートa)
5)3−(3,3/1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナールa)
6)メチルイオノン異性体混合物a)
7)3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナールa)
8)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンa)
9)プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノアートa)
10)配合されるフローラル調の香料ベースa)
a)供給元:Firmenich SA、スイス国ジュネーブ
3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール1300重量部を上記のフレグランスに加えることによって、このフレグランスに、驚くべき暖かみと、Lyral(登録商標)によってしか付与することのできなかった「ウェットな」効果に付随して生じるフローラル調の量感とが付与された。本発明の化合物は、このパレット成分の優れた代替物であることが証明された。
実施例3
付香組成物の調製
以下の成分を混合することにより、シープルタイプの付香組成物を調製した。
Figure 0006785835
Figure 0006785835
Figure 0006785835
Figure 0006785835
ジプロピレングリコール中
1)パチョリ油に相応するテルペン画分a)
2)3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナールb)
3)ペンタデカノリドa)
4)シスジヒドロジャスモン酸メチルa)
5)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノンb)
6)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オンa)
7)4−(2,2,C−3,T−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシル)−3−ブテン−2−オンa)
c)配合される香料ベースa)
a)供給元:Firmenich SA、スイス国ジュネーブ
b)供給元:International Flavors & Fragrances、米国
3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナール1000重量部を上記の組成物に加えることによって、この組成物に、顕著な輝き感と、本発明の化合物の代わりにLyral(登録商標)を加えた場合に得られるものに非常に近いフローラル調でかつウェットな香りへの変更に付随して生じる量感とが付与された。

Claims (11)


  1. Figure 0006785835
    [式中、
    点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
    Xは、CN基またはCHO基を表し、
    は水素原子を、および、およびRはそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC1〜2アルキル基を表し、かつ
    Rは、式−[CHC(Me)OHの基を表し、ここで、nは、1または2であり、該Rは、前記芳香環の1位に対してメタ位またはパラ位にある置換基である]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物。

  2. Figure 0006785835
    [式中、
    点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
    nは、1または2であり、
    Xは、CN基またはCHO基を表し、かつ
    、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC1〜2アルキル基を表す]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。

  3. Figure 0006785835
    [式中、
    n、R、RおよびRは、請求項1に定義した通りである]の化合物であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  4. nは1であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  5. 前記R は水素原子を表し、RおよびR 水素原子またはメチル基を表すことができることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  6. 3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]プロパナールであることを特徴とする、請求項1記載の化合物。

  7. Figure 0006785835
    [式中、
    点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
    Xは、CN基またはCHO基を表し、
    、R およびR はそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC 1〜2 アルキル基を表し、かつ
    Rは、式−[CH C(Me) OHの基を表し、ここで、nは、1または2であり、該Rは、前記芳香環の1位に対してメタ位またはパラ位にある置換基である]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物の、付香成分としての使用。
  8. i)
    Figure 0006785835
    [式中、
    点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
    Xは、CN基またはCHO基を表し、
    、R およびR はそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC 1〜2 アルキル基を表し、かつ
    Rは、式−[CH C(Me) OHの基を表し、ここで、nは、1または2であり、該Rは、前記芳香環の1位に対してメタ位またはパラ位にある置換基である]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物の少なくとも1種の化合物と、
    ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分と、
    iii)任意には、少なくとも1種の香料補助剤と
    を含む付香組成物。

  9. Figure 0006785835
    [式中、
    点線は、炭素−炭素単結合または炭素−炭素二重結合を表し、
    Xは、CN基またはCHO基を表し、
    、R およびR はそれぞれ互いに独立して、水素原子またはC 1〜2 アルキル基を表し、かつ
    Rは、式−[CH C(Me) OHの基を表し、ここで、nは、1または2であり、該Rは、前記芳香環の1位に対してメタ位またはパラ位にある置換基である]の化合物であって、その立体異性体のうちのいずれか1つまたはそれらの混合物の形態で存在する化合物の少なくとも1種の化合物を含む、付香消費製品。
  10. 香水、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧用調製物、スキンケア製品、空気ケア製品またはホームケア製品であることを特徴とする、請求項9記載の付香消費製品。
  11. ファインパフューム、スプラッシュパフューム、オードパフューム、コロン、シェーブローション、アフターシェーブローション、液体洗剤、固体洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、カラーリング用調製物、カラーケア製品、整髪用製品、デンタルケア製品、殺菌剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、脱臭剤、制汗剤、脱毛剤、タンニング用製品、日焼け用製品、ネイル用製品、皮膚洗浄剤、化粧品、着香石鹸、着香シャワームース、着香シャワーオイル、着香シャワージェル、着香バスムース、着香バスオイル、着香バスジェルまたはフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、末状エアフレッシュナー、カビ除去剤、ファーニッシャー(furnisher)ケア製品、ワイプ、食器用洗剤、硬質表面清浄化剤、皮革ケア製品、または、カーケア製品から選択されることを特徴とする、請求項9記載の付香消費製品。
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