JP6781367B2 - 常温流通用お好み焼 - Google Patents

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Description

本発明は、生地層と、食材層と、卵シート層とを備える常温流通用層状食品に関する。より詳細には、本発明は、加圧加熱殺菌による食感、風味、色調の劣化が抑制された常温流通用層状食品に関する。
層状食品とは、性質の異なる食品材料を積層して成形した多層構造を有する食品である。層状食品としては、複数の食品材料を繰り返し積層したクロワッサン、デニッシュペストリー、パイ、クラッカー、バウムクーヘンや、異なる種類の食品材料を積層したピザ、サンドイッチ、ハンバーガー、ホットドッグ、タコス、ラザニアなどが挙げられる。
層状食品の1種である「広島流お好み焼」は店や家庭で手作りされ、お土産物や家庭での軽食としても人気の高い食べ物である。市販の焼成済みお好み焼の多くは冷凍食品もしくはチルド食品として流通している。そのため、お好み焼に関して出願されている特許の多くは、冷凍品もしくはチルド品に関するもので、例えば特許文献1や特許文献2のように製造方法や原料に関する特許が多く出願されている。特許文献1では生地の総重量に対して、主原料粉が20〜30重量%、卵が10〜20重量%、水が50〜60重量%、卵白粉末が0.1〜2.0重量%となるようお好み焼の原料生地を混合することで、口溶けがよく、トロミがある冷凍お好み焼の製造方法が記載されている。特許文献2では、予め焼き上げて保存しておいた皮と野菜等のお好み焼の材料を用い、これに水で溶かした小麦粉をかけて焼き上げてから急速に冷凍する冷凍お好み焼の製造方法が記載されている。
お好み焼を常温流通する加工方法として、例えば特許文献3や特許文献4のような乾燥お好み焼が挙げられる。特許文献3では小麦粉の一部を大豆蛋白に置き換える方法や、特許文献4ではバッターに対する野菜の添加量を調節することにより、湯戻りのよい乾燥お好み焼の製造方法が記載されている。
特開2015−192604号公報 特公平02−000028号公報 特公昭63−013668号公報 特開平10−028564号公報
従来から、調理済加工食品には調理、輸送、および保存の簡便性が求められていた。しかしながら、市販品のお好み焼の多数は、特許文献1や特許文献2のような冷凍食品やチルド食品である。冷凍食品は保管や輸送にコストがかかり、チルド食品は長期間の保存に向かない、という欠点がある。また、常温流通を可能にする加工方法として、特許文献3や特許文献4のような乾燥お好み焼が挙げられるが、湯戻し時の表面溶けによりべとつきが生じて風味や食感が悪くなること、食材が不均一に存在しているお好み焼では原料によっては十分な湯戻りができないことから、お好み焼本来の風味や食感が損なわれてしまうという問題があった。
調理、輸送、および保存の簡便性を解決する手段の一つである加圧加熱殺菌技術は、加工食品の常温流通には適しているが、過酷な殺菌条件のため、食材の軟化、色調の変化、風味の劣化が生じるという欠点がある。また、気密性のある容器内で加熱することで、食品中での水分移行が起こり、特に複数の食材を積層して作製した層状食品では食感や風味の劣化が生じるという欠点もある。
よって、本発明の課題は、加圧加熱殺菌による食感、風味、色調の劣化が抑制された常温流通用層状食品を提供することである。
本発明は、層状食品の水分量を調整して作製することで、加圧加熱殺菌による層状食品の食感、風味、色調の劣化を抑制する。また、層状食品を構成する卵シート層に油脂および澱粉を添加することで食感および外観を維持する。
すなわち、本発明によれば、以下の(1)〜(5)の発明が提供される。
(1) 小麦粉、米粉、および澱粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む、生地層と、
野菜、肉類、および魚介類からなる群から選択される少なくとも1種を含む、第1食材層と、
麺を含む、第2食材層と、
卵、油脂、および澱粉を含む、卵シート層と、
を備える、常温流通用層状食品であって、
前記層状食品の水分量が62〜70%であることを特徴とする、常温流通用層状食品。
(2) 前記層状食品に圧縮荷重を連続付与して圧縮破断強度を測定した時に、下記数式1で表される減少率が30%以上のピークが、歪率10〜30%の区間、50〜70%の区間、および75〜90%の区間のうち少なくとも2区間以上で存在する、請求項(1)に記載の常温流通用層状食品。
Figure 0006781367
(3) 前記層状食品が、包装容器に密封されている、(1)または(2)に記載の常温流通用層状食品。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の常温流通用層状食品の製造方法であって、
卵、油脂、および澱粉を混合し、かつpHを酸性に調整した卵液を用いて、卵シートを焼成する、常温流通用層状食品の製造方法。
(5) 前記卵液が、卵液全体に対して、5〜15重量%の油脂と、0.1〜10重量%の澱粉とを含み、pHが5.2〜6.8である、(4)に記載の製造方法。
本発明によれば、層状食品の水分量が調整されているため、製造工程(特に加圧加熱殺菌時)および流通時の水分移行を抑えることができ、さらに油脂および澱粉を添加した卵を用いることで、卵の外観や食感を維持することができるため、食感および外観がよい層状食品を常温(日本工業規格(JIS Z 8703:1983)の規定で5〜35℃の範囲)で流通や保存できるという効果を有する。
実施例1の物性測定の結果を示した図である。 実施例2の物性測定の結果を示した図である。 比較例1の物性測定の結果を示した図である。 比較例2の物性測定の結果を示した図である。 比較例3の物性測定の結果を示した図である。
<層状食品>
本発明の層状食品は、生地層と、第1食材層と、第2食材層と、卵シート層と、を備えるものである。なお、層状食品を構成する各層は、単層であってもよいし、2層以上設けられていてもよい。以下、層状食品を構成する各層について詳述する。
(生地層)
生地層は、小麦粉、米粉、および澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の主原料を含むものである。小麦粉は特に制限はなく、例えば強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉などの小麦粉のいずれも使用できる。澱粉は、例えば小麦デンプン、米デンプン、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、サツマイモデンプンおよびこれらを主原料とした加工デンプンのいずれも使用できる。
生地層は、調味料をさらに含んでもよい。調味料としては、砂糖、塩、香辛料、魚粉、化学調味料、エキス類などのいずれも使用できる。
生地層全体における主原料の含有量は、生地層全体の重量に対して20〜80重量%が好ましく、25〜65重量%がより好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。この範囲であれば、生地の保形性が保たれ、良好な食感が得られ易い。
上記生地原料を生地全体の重量に対して20〜80重量%の水に均一に混合し、加熱器具上で薄い円形に引き伸ばして成形する。加熱器具はガス式や電気式等の加熱方法で加熱する。
(第1食材層)
第1食材層は、野菜、肉類、および魚介類からなる群から選択される少なくとも1種の食材を含む。野菜として、キャベツ、モヤシ、ネギなどが挙げられる。キャベツのカット形状は特に制限しないが、通常のお好み焼で用いられる千切りキャベツの方が好ましく、幅1〜10mm程度にカットすることが好ましい。野菜は水分量を調整するために、元の重量の40〜80重量%、好ましくは元の重量の50〜60重量%になるように乾燥させてもよい。
肉類や魚介類は、一般的なお好み焼に用いる具材を特に制限なく用いることができる。食材の例として、肉類は豚肉、牛肉、鶏肉などの精肉だけでなく、ウインナー、ハムなどの加工肉も使用することができる。魚介類は、イカ、エビ、タコ、カキ、ホタテなどだけでなく、魚肉ソーセージ、蒲鉾、イカ天などの加工品も使用することができる。食材の形状は、そのまま、スライス、ミンチ、角切りなどのものを用いることができる。
上記の食材以外にも、餅、天かす、チーズ、キムチ、コンニャク、納豆など通常のお好み焼に用いる食材を制限なく用いることができる。
第1食材層は、生地層の上に、各食材を層状に積層する。積層する順番は特に制限することはないが、一般的な「広島流お好み焼」では、野菜、肉類、魚介類などは混合せずにそれぞれの食材で層を形成する。層状食品の形状を保持するために、生地層をつなぎとして第1食材層の上にさらに積層することができる。
(第2食材層)
第2食材層に用いる麺は、中華そば、うどんなど麺状の食材を用いることができる。麺は、第1食材層にそのまま載せてもよいし、予め茹でる、焼成するなど加熱してから第1食材層に載せてもよい。また、加熱時に塩、コショウ、ソースなどの調味料で調味してから上記層状食品に載せてもよい。麺は水分量を調整するために、元の重量の60〜90重量%、好ましくは元の重量の60〜70重量%になるように乾燥させてもよい。
(卵シート層)
卵シート層は、卵、油脂、および澱粉を含むものである。卵シート層は、卵、油脂、および澱粉を混合し、かつpHを酸性に調整した卵液を用いて焼成した卵シートを用いることができる。
卵シートに用いる卵は、特に制限されず、通常の卵を用いることができる。卵液中の卵の配合量は、全体に対して、好ましくは70重量%以上94.9重量%以下であり、より好ましくは75重量%以上93重量%以下であり、さらに好ましくは77重量%以上90重量%以下である。
卵シートに用いる油脂は、食用の油脂なら特に制限することなく用いることができ、例えば、サラダ油、オリーブ油、菜種油、大豆油、コーン油、紅花油、胡麻油、綿実油、パーム油などが挙げられる。卵液中の油脂の配合量は、全体に対して、好ましくは5〜15重量%であり、より好ましくは6〜12重量%であり、さらに好ましくは7〜10重量%である。
卵シートに用いる澱粉は、例えば小麦デンプン、米デンプン、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、サツマイモデンプンおよびこれらを主原料とした加工デンプンのいずれも使用できる。卵液中の澱粉の配合量は、全体に対して、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜7重量%であり、さらに好ましくは1〜5重量%である。
卵液のpHを酸性、好ましくはpH5.2〜6.8、より好ましくはpH5.5〜6.5に調節することで、成形性を保つことができ、また、加圧加熱殺菌時の変色を抑制することができる。pHの調整には、食品の原料として用いられる酸なら特に制限することなく用いることができ、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、酒石酸、フマル酸、アスコルビン酸などが挙げられる。卵液中の酸の配合量は、上記pHを実現できるように適宜調整できるが、例えば、卵液全体に対して、好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜4重量%であり、さらに好ましくは1〜3重量%である。
上記卵液を加熱器具上で薄い円形に引き伸ばして成形して、卵シートを形成することができる。加熱器具はガス式や電気式等の加熱方法で加熱する。卵シートは第2食材層上に積層することが好ましい。
生地層、第1食材層、第2食材層、および卵シート層は、それぞれ別々に成形してから層状に成形してもよい。
本発明の層状食品は、気密性および遮光性のある容器に入れて密封した後、加圧加熱殺菌することで、常温流通を可能とすることができる。加圧加熱殺菌の条件は、食品衛生法に定められた中心温度が120℃4分間相当の加熱を行えればどのような方法でもよい。
本発明の層状食品は、全体の水分量が62%〜70%の範囲内であり、63%〜70%であることが好ましく、65%〜70%であることがより好ましい。層状食品全体の水分量が上記範囲内であれば、歯応えがあり、良好な食感を得ることができる。
本発明の層状食品は、圧縮荷重を連続付与して圧縮破断強度を測定した時に、上記数式1で表される減少率が30%以上のピークが、歪率10〜30%の区間、50〜70%の区間、および75〜90%の区間のうち少なくとも2区間以上で存在することが好ましい。層状食品の食感のよさは、各層の破断の有無と相関がある。各層を破断することで食感があると知覚するので、破断点が多いほど良好な食感であると言える。2区間以上で破断点が存在すれば、良好な食感であると言える。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定解釈されるものではない。
[実施例1]
小麦粉40重量%、砂糖4重量%、食塩0.5重量%、水55.5重量%となるように配合した生地原料を均一になるまで混合して生地を調製した。生地40gを200℃に予熱したホットプレートに直径16cmの円形になるように広げて1分間焼成した後、反転してさらに2分間焼成して反転した。焼成した生地の上に、元の重量の50重量%まで乾燥したキャベツ75g、元の重量の50重量%まで乾燥したモヤシ25g、刻みネギ1g、天かす8g、スライスした豚バラ肉30gの順に積層し、つなぎとして生地を5g積層した。全体を反転し、2.5分間焼成した。中華そば75gをホットプレート上で直径16cmの円形に成形し、その上に上記焼成物を積層した。卵89重量%、サラダ油7重量%、加工澱粉(ADIX−H、日澱化學株式会社製)2重量%、食酢2重量%となるように配合した卵液原料を均一になるまで混合した卵液(pH6.5)40gを、180℃に予熱したホットプレートに直径16cmの円形になるように広げて1分間焼成して、卵シートを形成した後、上記焼成物を積層した。焼成した層状食品は、気密性および遮光性のあるレトルト用パウチに入れて密封し、レトルト装置(SR−240、株式会社トミー精工製)を用いて117℃で40分間(F=12分)加圧加熱処理を行い、常温流通用層状食品を作製した。
[実施例2]
元の重量の50重量%まで乾燥したキャベツを75g、元の重量の50重量%まで乾燥したモヤシを35g、元の重量の30重量%まで乾燥した中華そばを46gとする以外は実施例1の作製方法に従って常温流通用層状食品を作製した。
[比較例1]
乾燥させていないキャベツを150g、乾燥させていないモヤシを50gとする以外は実施例1の作製方法に従って常温流通用層状食品を作製した。
[比較例2]
元の重量の30重量%まで乾燥したキャベツを105g、元の重量の30重量%まで乾燥したモヤシを35gとする以外は実施例1の作製方法に従って常温流通用層状食品を作製した。
[比較例3]
元の重量の50重量%まで乾燥したキャベツを75g、元の重量の50重量%まで乾燥したモヤシを35g、元の重量の50重量%まで乾燥した中華そばを33gとする以外は実施例1の作製方法に従って常温流通用層状食品を作製した。
[試験1:層状食品の水分量の測定]
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、および比較例3で作製した層状食品の水分量は、赤外線水分計(FD−800、株式会社ケツト科学研究所製)で測定した。測定結果を表1に示した。水分量の測定は、次の方法で行った。層状食品から縮分法により必要な試料量を採取し、食品用ミル(IFM−800、岩谷産業株式会社製)で粉砕した。粉砕した試料のうち約10gを水分の測定に供した。
[試験2:層状食品の食感・風味・色調の評価]
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、および比較例3で作製した層状食品をレトルト用パウチから取出して電子レンジで600W、1分間調理を行い、食感について下記の4段階評価を行った。評価結果を表1に示した。また、風味、色調についてもコメントを表1に記載した。
[評価基準]
◎:食感が大変良かった。
○:食感が良かった。
△:食感が悪かった。
×:食感が大変悪かった。
Figure 0006781367
表1から明らかなように、本発明の層状食品は加圧加熱処理を行っても食感、風味、色調が良好に保たれていた。比較例1および2では野菜由来の水分が原因で食感、風味、色調が損なわれていた。また、比較例3では全体の水分量が過少となって食感、風味、色調が損なわれていた。
[試験3:層状食品の物性測定]
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2および比較例3で作製した層状食品を、中心線に沿って切断し、更に中心線から2cmの幅で切断し、厚みが不均一な箇所を除去して物性測定用の試料とした。物性測定は、クリープメーター(RE−33005B、株式会社山電製)を用いて行った。温度を20℃±2℃に調整した試料をクリープメーターの試料台に載せ、1mm/秒の速度で試料台を移動させ、カッターナイフの刃を固定した治具(No.21、株式会社山電製)を用いて、歪率が98%になるまで連続的に圧縮した。測定結果として、図1に実施例1を、図2に実施例2を、図3に比較例1を、図4に比較例2を、図5に比較例3の破断強度曲線をそれぞれ示した。各図において、縦軸は試料に加えられた力の大きさである荷重(N)を、横軸は治具の進入率である歪率(%)を示している。歪率10〜30%の区間、50〜70%の区間、75〜90%の区間の各区間において、下記数式1で表される減少率が30%以上のピークが存在するときに、破断点が存在すると判断した。
Figure 0006781367
各試験区の破断点の有無を表2に記載する。破断点がある場合は○、ない場合は×、とした。
Figure 0006781367
歪率10〜30%は層状食品表面の破断、歪率50〜70%は麺と肉の層の破断、歪率75〜90%は野菜の層の破断をそれぞれ示している。表1の食感の評価および表2から明らかなように、層状食品の食感のよさは、各層の破断の有無と相関がある。各層を破断することで食感があると知覚するので、破断点が多いほど良好な食感であると言える。
[実施例3]
卵液に食酢を添加してpHを6.5に調整した。この卵液に10重量%になるようにサラダ油を添加した後、それぞれ1重量%、3重量%、5重量%、10重量%になるように加工澱粉(ADIX−H、日澱化學株式会社製)を添加した。それぞれの卵液50gを160℃のホットプレート上で表裏をそれぞれ1分間ずつ焼成した後、レトルト用パウチに入れて密封した。密封したパウチは、レトルト装置(SR−240、株式会社トミー精工製)を用いて117℃で30分間加圧加熱処理を行い、レトルト卵シートを作製した。
[比較例4]
卵液に食酢を添加してpHを7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.5に調整したもの(サラダ油および加工澱粉は未添加)を用いて、実施例3の焼成方法および加圧加熱処理方法に従ってレトルト卵シートを作製した。
[比較例5]
食酢を添加せずpHを調整しない卵液(pH7.3、サラダ油および加工澱粉は未添加)を用いて、実施例3の焼成方法および加圧加熱処理方法に従ってレトルト卵シートを作製した。
[比較例6]
卵液に食酢を添加してpHを6.5に調整した。この卵液にそれぞれ1重量%、5重量%、10重量%、15重量%になるようにサラダ油を添加したもの(加工澱粉は未添加)を用いて、実施例3の焼成方法および加圧加熱処理方法に従ってレトルト卵シートを作製した。
[比較例7]
卵液に食酢を添加してpHを6.5に調整した。この卵液にそれぞれ1重量%、3重量%、5重量%、10重量%になるように加工澱粉(ADIX−H、日澱化學株式会社製)を添加したもの(サラダ油は未添加)を用いて、実施例3の焼成方法および加圧加熱処理方法に従ってレトルト卵シートを作製した。
[試験4:卵シートの色調測定]
実施例3、比較例4、比較例5、比較例6および比較例7のレトルト卵シートは色彩色差計(CR−400、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、両面のそれぞれ3か所ずつの色調を測定した。色調はCIELAB系の表色値(L*、a*、b*)で表した。ここで得られるL*値は明度(L*が0を黒とし、L*が100を白とする)を表す。また、色相と彩度を示す色度をそれぞれa*、b*値で表し、+a*値は赤の方向、−a*値は緑の方向、+b*値は黄色の方向、−b*値は青の方向の指標である。
卵シートの作製時の成形性、食感、風味、および外観について下記の4段階評価を行った。
[評価基準]
◎:成形性、食感、風味、および外観が大変良かった。
○:成形性、食感、風味、および外観が良かった。
△:成形性、食感、風味、および外観が悪かった。
×:成形性、食感、風味、および外観が大変悪かった。
各試験区のpH、色調、成形性および食感の評価について、表3に実施例3を、表4に比較例4および比較例5を、表5に比較例6を、表6に比較例7を示した。
Figure 0006781367
Figure 0006781367
Figure 0006781367
Figure 0006781367
表3に示す実施例3の結果のように、油脂と澱粉を併用し、かつ酸性に調整した卵液を用いることで卵のふんわりした食感と卵の風味が保持され、シートの成形性や色調等の外観も保持することができた。表4に示す比較例4の結果のように、卵液のpHを酸性にすることでレトルト卵シートの色調がよくなり外観は向上するが、pH4.5および5.0の卵液はレトルト卵シートを成形することができなかった。また、pHを酸性にするだけでは卵の食感が水っぽくゴム状になることを防ぐことはできなかった。さらに、表4に示す比較例5の結果のように、pHを調整せず、油脂および澱粉のいずれも未添加の卵液を用いた場合には、食感、風味、外観の全てが悪かった。表5に示す比較例6の結果のように、澱粉未添加で油脂を添加した卵液を用いた場合には食感が悪く、油脂の添加量が増え過ぎると表面に気泡ができて外観が悪化した。表6に示す比較例7の結果のように、油脂未添加で澱粉を添加した卵液を用いた場合には風味が悪く、澱粉の添加量が増え過ぎると、食感が悪化した。

Claims (6)

  1. 小麦粉、米粉、および澱粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む、生地層と、
    野菜、肉類、および魚介類からなる群から選択される少なくとも1種を含む、第1食材層と、
    麺を含む、第2食材層と、
    卵、油脂、および澱粉を含む、卵シート層と、
    を備える、加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼であって、
    前記お好み焼の水分量が62〜70%であることを特徴とする、加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼
  2. 前記お好み焼に圧縮荷重を連続付与して圧縮破断強度を測定した時に、下記数式1で表される減少率が30%以上のピークが、歪率10〜30%の区間、50〜70%の区間、および75〜90%の区間のうち少なくとも2区間以上で存在する、請求項1に記載の加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼
    Figure 0006781367
  3. 前記お好み焼が、包装容器に密封されている、請求項1または2に記載の加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼の製造方法であって、
    前記生地層、前記第1食材層、および前記第2食材層を準備する工程と、
    卵、油脂、および澱粉を混合し、かつpHを酸性に調整した卵液を用いて、卵シートを焼成して卵シート層を準備する工程と
    準備した前記生地層、前記第1食材層、前記第2食材層、および前記卵シート層を積層して、お好み焼を製造する工程と、
    前記お好み焼を加圧加熱殺菌する工程と、
    を含む、加圧加熱殺菌済みの常温流通用お好み焼の製造方法。
  5. 前記卵液が、卵液全体に対して、5〜15重量%の油脂と、0.1〜10重量%の澱粉とを含み、pHが5.2〜6.8である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 加圧加熱殺菌する工程の前に、前記お好み焼を包装容器に密封する工程をさらに含む、請求項4または5に記載の製造方法。
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