JP6767752B2 - 床版防水構造用プライマー、床版防水構造の施工方法、及び、床版防水構造体の施工方法 - Google Patents

床版防水構造用プライマー、床版防水構造の施工方法、及び、床版防水構造体の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は床版防水構造用プライマー、これを用いた床版防水構造の施工方法、及び、床版防水構造体の施工方法に関する。
高速道路等の補修・保全の際は、アスファルト舗装体等を切削機、バックホウ、ウォータージェット、ショットブラスト等で撤去してコンクリート床版を露出させたうえで、当該コンクリート床版の上面に防水層を含む床版防水構造を形成する。この場合、防水層をコンクリート床版に強固に接着させる必要があるため、例えば、コンクリート床版の上面に接着層を介して防水層を設ける。
ここで、ショットブラスト等に起因して、コンクリート床版の表面には微粉が生じることとなるが、コンクリート床版の表面から微粉を完全に除去することは、相当な手間、労力、時間を要し現実的でない。コンクリート床版の表面に微粉が残存している場合、ここに接着材を直接塗布しても微粉の影響によって十分な接着強度を確保できない。そのため、十分な接着強度を確保すべく、コンクリート床版の上面にプライマーを塗布して硬化させたうえで、この上に接着層を設ける場合がある。
床版防水構造用のプライマーとしては、溶剤(キシレンやトルエン等)を含むエポキシ系プライマーやMMA系プライマーが広く利用されている(特許文献1、2)。溶剤を含むプライマーは、コンクリート床版表面において、微粉に浸透しつつ(或いは微粉を取り込みながら)硬化するため、硬化後、コンクリート床版に強固に固定することができる。また、硬化したプライマーの表面には微粉がほぼ存在せず、凹凸も低減されているため、接着層を設けるにあたって適切な表面となり得る。
特許第3956757号 特開2012−021315号公報
一方、コンクリート床版の表面には微粉以外の成分も残存している場合がある。例えば、切削機等によってアスファルト舗装体を撤去する場合において、コンクリート床版の表面からアスファルト成分を完全に除去することは、相当な手間、労力、時間を要し現実的でない。そのため、通常は、コンクリート床版の表面に上述した微粉に加えてアスファルト成分が残存した状態で、プライマーを塗布することとなる。
しかしながら、アスファルト成分が残存したコンクリート床版に従来の溶剤(キシレンやトルエン等)を含むプライマーを塗布した場合、アスファルト残留物上での溶剤系プライマーのはじきや溶解(カットバック)によって、プライマーの接着力が低下する場合があり、さらにはプライマーの表面べたつきが生じ、プライマーの乾燥や硬化に長時間を要する場合がある。また、MMA系プライマーを使用する場合は、アスファルト成分の影響によって硬化不良を起こす場合がある。
このような事情に鑑み、本発明は、微粉やアスファルト成分が残存したコンクリート床版表面に塗布した場合においても、短時間で乾燥及び硬化させることができ、且つ、硬化後はコンクリート床版に強固に固定可能な床版防水構造用プライマーを提供することを課題とする。また、当該床版防水構造用プライマーを用いて短時間で床版防水構造を施工する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく鋭意研究を進めた結果、本発明者らは以下の知見を得た。
(1)プライマーを構成する溶媒としてアルコールを用いた場合、アスファルト残留物上での溶媒のはじきや溶解を抑制でき、プライマーを短時間で硬化させることができるとともに、硬化後はコンクリート床版に強固に固定できる。すなわち、アスファルト残留物による悪影響を低減できる。
(2)プライマーを構成する溶媒としてアルコールを用いた場合、当該アルコールは揮発性が高いことから、短時間で乾燥させることができる。
(3)プライマーを構成する溶媒としてアルコールを用いた場合、粘度を十分に低下させることができ、コンクリート床版の表面において、微粉に浸透しつつ硬化させることができる。すなわち、微粉による悪影響を低減できる。
(4)アルコールは、従来汎用されていた溶剤(キシレンやトルエン等)と比較して、人的悪影響が低減されており、現場での作業性が良好である。
(5)エポキシ系プライマーであれば、アスファルト成分が残存していたとしても、良好に硬化させることができる。
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、
第1の本発明は、溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含む、床版防水構造用エポキシ系プライマーである。
本発明において、「溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含む」とは、言い換えれば、プライマー全体を基準(100質量%)として、液体のアルコールが10質量%以上95質量%以下含まれていることを意味する。
「床版防水構造用」とは、コンクリート床版の上方に防水層を形成して床版防水構造を施工する際に用いられることを意味する。
「エポキシ系プライマー」とは、エポキシ樹脂と硬化剤との反応によって硬化するものをいい、すなわち、上記したアルコールのほか、少なくともエポキシ樹脂や硬化剤が用いられてなる。
第1の本発明において、アルコールは沸点100℃未満のアルコールであることが好ましい。これにより、より短時間且つ省エネルギーにてアルコールを揮発除去することができ、乾燥時間を一層短縮させることができる。また、溶媒の粘度が低いため、プライマーを微粉に一層浸透させ易くなる。尚、本願において「沸点」とは標準沸点を意味する。
第1の本発明において、アルコールの炭素数は2以上4以下であることが好ましい。この場合も、より短時間且つ省エネルギーにてアルコールを揮発除去することができ、乾燥時間を一層短縮させることができる。また、溶媒の粘度が低いため、プライマーを微粉に一層浸透させ易くなる。
第1の本発明に係る床版防水構造用エポキシ系プライマーは、エポキシ樹脂を含む主剤と、該エポキシ樹脂を硬化させる成分を含む硬化剤との二液型プライマーであることが好ましい。この場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量及び該エポキシ樹脂を硬化させる成分の活性水素当量に基づいて主剤及び硬化剤を混合して混合物とされた場合に、該混合物において、溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含むものとされていることが好ましい。言い換えれば、主剤中のエポキシ樹脂を硬化させるに適切な混合比にて主剤と硬化剤とを混合した場合において、当該混合後の混合物におけるアルコール溶媒の量が10質量%以上95質量%以下となるようにすることが好ましい。主剤と硬化剤との二液型とすることで、現場での作業性・取り扱い性が向上する。
二液型の第1の本発明において、エポキシ樹脂を硬化させる成分はアミンであることが好ましい。
第1の本発明において、アルコール以外の溶媒の含有量は40質量%以下であることが好ましい。言い換えれば、本発明の効果を阻害しない範囲で、プライマーには溶媒としてアルコール以外の溶媒が含まれていてもよい。
第1の本発明において、さらに、無機充填材を1質量%以上50質量%以下含むことが好ましい。
第2の本発明は、第1の本発明に係る床版防水構造用エポキシ系プライマーをコンクリート床版の上面に塗布してプライマー層を形成する第1工程と、プライマー層を乾燥及び硬化させる第2工程と、乾燥及び硬化させたプライマー層の上面に防水層を形成する第3工程とを備える、床版防水構造の施工方法である。
第2の本発明においては、コンクリート床版が表面の一部又は全部(好ましくは一部)にアスファルト成分を有するものであってもよく、コンクリート床版の表面にアスファルト成分を残存させたまま、第1工程を行うことができる。これにより工期を大幅に短縮できる。この場合の「アスファルト成分」とは、既設のアスファルト舗装体(及び防水層)をコンクリート床版から剥がした際、コンクリート床版とアスファルト舗装体(又は防水層)の接合に寄与していたアスファルトプライマーの残留物、アスファルト接着材の残留物、アスファルト防水材の残留物、或いは、アスファルト舗装体由来のアスファルト残留物等である。
例えば、第2の本発明において、第1工程の前に、コンクリート床版の上方に設けられたアスファルト成分を含む舗装体を剥がし、コンクリート床版を露出させる工程を備え、コンクリート床版の表面の一部又は全部(好ましくは一部)にアスファルト成分を残存させたまま、第1工程を行ってもよい。言い換えれば、高速道路等の補修、保全の際、切削機等によって舗装体を除去したうえで、アスファルト成分をコンクリート床版表面から完全に除去することなく、第2の本発明に係る施工方法を実施することができる。
第2の本発明において、防水層がウレタン系樹脂を含む防水層であることが好ましい。
「ウレタン系樹脂」とは、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂の少なくとも一種を含有する樹脂である。
上記の第2の本発明により施工された床版防水構造の上に、例えば、アスファルトを舗装することで、床版防水構造体とすることができる。すなわち、第3の本発明は、第2の本発明に係る方法により床版防水構造を施工する工程と、該床版防水構造の防水層の上面にバインダ層を形成する第4工程と、バインダ層を乾燥及び硬化させる第5工程と、乾燥及び硬化させたバインダ層の上面に接着層を形成する第6工程と、接着層の上面にアスファルト舗装を施す第7工程とを備える、床版防水構造体の施工方法である。
第3の発明においては、第4工程においてバインダ層を形成した後に、第5工程において該バインダ層に珪砂を散布した後で該バインダ層を乾燥及び硬化させる施工方法が好ましく採用できる。
本発明によれば、溶媒としてアルコールを所定量含むエポキシ系プライマーとすることで、微粉やアスファルト成分が残存したコンクリート床版表面に塗布した場合においても短時間で乾燥及び硬化させることができ、且つ、硬化後はコンクリート床版に強固に固定可能な床版防水構造用プライマーを提供することができる。また、当該床版防水構造用プライマーを用いて短時間で床版防水構造を施工する方法を提供することができる。
床版防水構造の施工方法(S10)を説明するための図である。 床版防水構造10を施工する方法を説明するための概略図である。 床版防水構造の施工方法(S20)を説明するための図である。 床版防水構造20を施工する方法を説明するための概略図である。 床版防水構造の施工方法を利用して、床版防水構造体として舗装道路を施工する方法を説明するための図である。 床版防水構造の施工方法を利用して、床版防水構造体として舗装道路を施工する方法を説明するための図である。 実施例にて用いた床版防水構造を示す概略図である。
1.床版防水構造用プライマー
本発明に係る床版防水構造用プライマーは、溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含むことを特徴とする。
1.1.アルコール
本発明に係るプライマーには溶媒としてアルコールが含まれている。アルコールはアスファルト残留物上でのはじきや溶解を生じ難く、プライマーを短時間で硬化させることができるとともに、硬化後はコンクリート床版に強固に固定できる。すなわち、アスファルト残留物による悪影響を低減できる。また、アルコールは揮発性が高いことから、短時間で乾燥させることができる。また、溶媒としてアルコールを用いることで、プライマー全体として粘度を十分に低下させることができ、コンクリート床版の表面において、微粉に浸透しつつ硬化させることができる。すなわち、微粉による悪影響を低減できる。さらに、アルコールは、従来汎用されていた溶剤(キシレン等)と比較して、人的悪影響が低減されており、現場での作業性が良好である。
本発明に係るプライマーにおいて、アルコールは液体状のものであればよい。特に、沸点が100℃未満のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点78.37℃)、1−プロパノール(沸点:97.5℃)、イソプロパノール(沸点82.4℃)、2−ブタノール(沸点99.0℃)等が挙げられる。或いは、炭素数の観点から好ましいアルコールを規定することもできる。すなわち、アルコールは炭素数が4以下のものが好ましい。より好ましくは炭素数2以上4以下のものである。このようなアルコールを用いた場合、より短時間且つ省エネルギーにてアルコールを揮発除去することができ、乾燥時間を一層短縮させることができる。また、溶媒の粘度が低いため、プライマーを微粉に一層浸透させ易くなる。尚、本発明においてアルコールは、1種類を単独で用いてもよいし、数種類のアルコールを混合して用いてもよい。
本発明に係るプライマーにおいては、アルコールが溶媒として10質量%以上95質量%以下含まれる。好ましくは30質量%以上90質量%以下である。更に好ましくは50質量%以上90質量%以下である。本発明では、プライマー中にこのようにアルコールを多量に含ませることで、上述したような効果を適切に発揮させることができる。
本発明に係るプライマーは、溶媒としてアルコールを含むエポキシ系プライマーであり、エポキシ樹脂を硬化剤で硬化させるものである。すなわち、本発明に係るプライマーは、従来のエポキシ系プライマーにおいて、キシレン等の溶剤の少なくとも一部(好ましくは略全部)に替えて、アルコール溶媒を用いた点に特徴を有し、それ以外の構成については、従来のエポキシ系プライマーと同様とすることも可能である。
現場での作業性を考慮した場合、本発明に係るプライマーは二液型であることが好ましい。すなわち、エポキシ樹脂を含む主剤と、該エポキシ樹脂を硬化させる成分を含む硬化剤との二液型プライマーとすることが好ましい。この場合において、主剤及び硬化剤のいずれにおいても、溶媒としてアルコールが含まれていることが好ましい。
1.2.主剤
主剤はエポキシ樹脂を含むとともに、溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含むものが好ましい。エポキシ樹脂は、従来のエポキシ系プライマーに含まれているエポキシ樹脂と同様のものを適用できる。数種類のエポキシ樹脂を混合して用いてもよい。アルコールは上述したものと同様である。
主剤におけるアルコールの含有量は、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。主剤におけるエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
1.3.硬化剤
硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる成分を含む。エポキシ樹脂を硬化させる成分(硬化成分)は、従来のエポキシ系プライマーに含まれている成分と同様のものであって活性水素を持つものを適用できる。例えばアミンが好ましい。アミンによるエポキシ樹脂の硬化反応については公知であるため、ここでは説明を省略する。
硬化剤は、溶媒としてアルコールを含むことが好ましい。アルコールは上述したものと同様である。硬化剤が溶媒としてアルコールを含む場合、硬化剤におけるアルコール含有量は、主剤と硬化剤の比率に応じて調整する。主剤と硬化剤とを質量比で1:1の割合で混合する場合には、硬化剤におけるアルコール含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは96質量%以下である。この場合、硬化剤における硬化成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
硬化剤には公知の硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては例えば三級アミンやフェノール及びその誘導体が好ましい。硬化促進剤を含ませる場合は、その含有量が硬化剤全体を基準(100質量%)として50質量%以下となるようにするとよい。下限は特に限定されないが、例えば、1質量%である。
このような二液型のプライマーは施工現場で混合して使用する。混合比はエポキシ樹脂のエポキシ当量及びアミンの活性水素当量を考慮して適宜調整すればよい。例えば、エポキシ樹脂(主剤)のエポキシ当量が200のものと、アミン(硬化剤)の活性水素当量が100のものを混合する場合、主剤:硬化剤=200:100(質量比)になるよう混合することが好ましい。
ここで、二液型のプライマーは、エポキシ樹脂のエポキシ当量及び該エポキシ樹脂を硬化させる成分の活性水素当量に基づいて主剤及び硬化剤を混合して混合物とされた場合に、該混合物において溶媒としてアルコールを10質量%以上95質量%以下含むものとされていることが好ましい。より好ましくは混合後の当該混合物において溶媒としてアルコールを30質量%以上90質量%以下、特に好ましくは50質量%以上90質量%以下含ませる。一方、当該混合物において、固形分(硬化後に固形分として残存する成分)の含有量が5質量%以上90質量%以下となるようにすることが好ましい。固形分の含有量は、より好ましくは10質量%以上50質量%以下である。混合後の当該混合物におけるアルコールや固形分の含有量をこのような範囲とすることで、微粉やアスファルト成分が残存したコンクリート床版表面に塗布した場合においても短時間で乾燥及び硬化させることができ、且つ、硬化後はコンクリート床版に一層強固に固定可能である。
また、二液型プライマーの混合後の25℃における粘度としては、0.1〜800mPa・sが好ましく、0.5〜500mPa・sが更に好ましい。800mPa・sを超えると、スプレーで散布する際に目詰まりしやすくなったり、均一に薄く塗布することが困難となる場合がある。また、0.1mPa・s未満の場合は、粘度が低すぎて所望の厚みに塗布しにくくなったり、無機充填材を含む場合は、無機充填材が沈降しやすく、所望の無機充填材比率で塗布しにくくなる。
なお、粘度の測定は、東機産業社製、「TVE−25H形粘度計」を使用し、温度25℃、回転速度100rpmの条件で測定することができる。
1.4.その他の成分
本発明に係るプライマー(二液型の場合は主剤及び/又は硬化剤)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルコール以外の溶媒が含まれていてもよいが、その含有量はできるだけ少ないことが好ましい。具体的には、アルコール以外の溶媒の含有量は40質量%以下であることが好ましい。より好ましくは20質量%以下である。二液型の場合は、主剤及び硬化剤のいずれにおいても、アルコール以外の溶媒の含有量が40質量%以下であることが好ましい。より好ましくは20質量%以下である。アルコール以外の溶媒としてはキシレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機溶剤や水が挙げられる。
本発明に係るプライマーには、上述した成分以外の各種添加剤が含まれていてもよい。添加剤については従来と同様であるため説明を省略するが、添加剤の中でも無機充填材を含むことが好ましい。無機充填材を含むと、プライマーとコンクリート床版とのなじみがさらによくなり、また、コンクリート床版表面に凹凸が存在する場合、特に、微粉や残存アスファルト、切削処理、ブラスト処理由来の凹凸が存在する場合には、無機充填材がその凹部に入りこむことによって凹凸具合が低減され、コンクリート床版と後述の防水層との接着性をさらに向上させることができる。加えて、プライマーの乾燥を促進することも容易となり、より短時間で硬化させることができるという利点もある。さらに、無機充填材が凹部を埋めることにより、防水層を施工した際、防水層のピンホール発生を抑制する効果がより高くなるため好ましい。
無機充填材としては、特に制限はなく、繊維状、板状、粒状、粉末状、無定形等いずれの形態ものであってもよい。
繊維状である場合、無機質、有機質のいずれであってもよい。例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維、ワラストナイト等の無機繊維、フッ素樹脂繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等の有機繊維が挙げられる。
板状である場合は、ガラスフレーク、タルク、マイカ、雲母、カオリン等が挙げられる。
粒状、粉末状又は無定形の他の無機充填材としては、セメント、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、シリカ、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロタルサイト、アスベスト、クレー、ゼオライト、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、セメントがより好ましい。
セメントの種類は特に制限はなく、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメント並びに普通セメント及び速硬エコセメント等のエコセメントのいずれであってもよいが、ポルトランドセメントが好ましい。
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等が挙げられる。
混合セメントとしては、高炉セメント(A種、B種、C種)、フライアッシュセメント(A種、B種、C種)、シリカセメント(A種、B種、C種)等が挙げられる。
特殊セメントとしては、ポルトランドセメントをベースに様々な性質を付加したタイプのもの、例えば、膨張性セメント、低発熱セメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、微粒子セメント等が挙げられる。これらの中でも、普通ポルトランドセメントが好ましい。
無機充填材は単独で又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。また、必要に応じて、表面処理が施されていてもよい。
プライマー中の無機充填材の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。含有量が1質量%未満であると、コンクリート床版との接着性が低下したり、プライマーの硬化速度が低下したりする場合がある。一方、50質量%を超えると、プライマーが硬化しにくくなったり、もろくなり凝集破壊力が低下し接着強度が低下しやすい傾向となり好ましくない。
また、本発明に係るプライマーは、染料、顔料等の着色剤を含むことが好ましい。着色剤を含むことで、好ましくは無機充填材と、より好ましくはセメントと併せて含むことで、プライマー塗布前の部分と塗布済の部分との識別がより容易となり、施工性がより向上するという利点がある。
以上の通り、溶媒としてアルコールを所定量含むエポキシ系プライマーとすることで、微粉やアスファルト成分が残存したコンクリート床版表面に塗布した場合においても短時間で硬化させることができ、且つ、硬化後はコンクリート床版に強固に固定可能である。
2.床版防水構造の施工方法
本発明に係るプライマーは、床版防水構造用プライマーとして広く利用可能である。以下、当該プライマーを用いて床版防水構造を施工する方法について説明する。
2.1.第1実施形態
図1、2に示すように、第1実施形態に係る床版防水構造の施工方法(方法S10)は、上述したエポキシ系プライマーをコンクリート床版1の上面に塗布してプライマー層2’を形成する、第1工程(S1)と、プライマー層2’を乾燥及び硬化させる、第2工程(S2)と、乾燥及び硬化させたプライマー層2の上面に防水層3を形成する、第3工程(S3)とを備えている。
2.1.1.第1工程(S1)
図1及び図2(A)に示すように、S1は、上述したエポキシ系プライマーをコンクリート床版1の上面に塗布してプライマー層2’を形成する工程である。プライマーが二液型の場合は、主剤と硬化剤とを混合して得られる混合物をコンクリート床版1の上面に塗布する。コンクリート床版1の上面にプライマーを塗布する方法としては、従来の方法をいずれも適用可能である。例えば、コンクリート床版1の上面にプライマーを吹き付けたり、手塗りすることによって塗布することができる。本発明に係るプライマーは、上述した通り、アルコールによって粘度が十分に低下されているため、公知の装置を用いて、コンクリートに容易に吹き付けたり、ローラー、ローラー刷毛、ゴムレーキ等の公知の施工機器を用いることにより手塗りすることができる。
プライマー層2’の厚み(塗布量)は特に限定されるものではない。本発明に係るプライマーの濃度にもよるが、例えば、0.02kg/m以上1kg/m以下の塗布量とすることが好ましい。より好ましくは、0.05kg/m以上0.8kg/m以下、0.08kg/m以上0.5kg/m以下である。塗布量が0.02kg/m未満であると、コンクリート床版との接着性が低下したり、均一に塗布することが困難となる場合がある。また、塗布量が1kg/mを超えると、乾燥時間を短縮することが困難となる場合があり、例えば、23℃15分、好ましくは10分以内に乾燥することが難しくなる場合がある。
方法S10においては、コンクリート床版1の表面にアスファルト成分52(図6参照)を残存させたまま、S1を行うことも可能である。本発明では、溶媒としてアルコールを含むエポキシ系プライマーを用いているため、アスファルト残留物上でのはじきや溶解を抑制でき、下記第2工程において、当該プライマーを短時間で硬化させることができるとともに、硬化後はコンクリート床版に強固に固定できる。コンクリート床版1の表面にアスファルト成分52が残存した状態でS10を行う形態としては道路の補修を行う場合が挙げられる。詳しくは後述する。
2.1.2.第2工程(S2)
図1及び図2(B)に示すように、S2は、プライマー層2’を乾燥及び硬化させる工程である。上述した通り、本発明に係るプライマーにおいては、溶媒としてアルコールが含まれている。液体のアルコールは揮発性が高いため、S2において、プライマー層2’は短時間で乾燥する。一方、本発明に係るプライマーは、上述の通り、エポキシ樹脂が硬化剤と反応することで硬化するものである。乾燥及び硬化の際は加熱を行ってもよい。加熱温度は特に限定されないが、20℃以上200℃以下が好ましい。乾燥時間や硬化時間は、エポキシ樹脂及び硬化剤の濃度等によって調整可能である。本発明では、溶媒としてアルコールを含むエポキシ系プライマーを用いること、さらに、好ましくは無機充填材、中でもセメントを含むことで、第2工程に要する時間をより短縮することができる。
通常、コンクリート床版1の表面には微粉が存在しており、当該微粉によってプライマー層とコンクリート床版との固定が妨げられる虞がある。この点、本発明に係るプライマーは、上述の通り、アルコールによって粘度が十分に低下されているため、当該微粉に容易に浸み込みつつ(或いは、当該微粉を取り込みつつ)、コンクリート床版1に密着する。さらに、無機充填材、中でもセメントを含む場合には、プライマー中の無機充填材がコンクリート床版1の凹凸を埋めるように分散し、さらに、コンクリート床版1とプライマーとのなじみも向上するため両者の接着性もさらに向上する。加えて、プライマーの乾燥を促進することも容易となり、より短時間で硬化させることができる。また、防水層を施工した際、防水層のピンホール発生を抑制する効果もより高くなる。このようにしてコンクリート床版1に密着したプライマー層2’を乾燥及び硬化させることで、乾燥及び硬化後のプライマー層2(図2(B))は、コンクリート床版1に強固に固定される。
乾燥及び硬化後のプライマー層2の厚みは特に限定されるものではない。例えば、1μm以上250μm以下の厚みとすることが好ましく、30μm以上150μm以下の厚みとすることが更に好ましい。
さらに本発明においては、プライマー層2を形成したのち、もう一度プライマーを塗布しプライマー層2’を形成し、それを乾燥させ、プライマー層2を形成することが好ましい(図2(B’))。このようにプライマーを2度塗布することにより、コンクリート床版1中に存在する水分によるプライマー層への気泡発生を抑制し、それにより、後述の防水層のピンホール発生も抑制しやすくなるという利点がある。また、後述の防水層との接着性の低下を抑制しやすいという利点もある。
プライマーの塗布は2度行うことが好ましいが、コンクリート床版1の表面状態により3度以上行ってもよい。プライマーの塗布を2度以上行う場合は、プライマーの塗布量は、全ての塗布の合計で上記好ましい範囲となるようにすればよく、プライマー層2の厚みも、全ての塗布の合計厚みで、上記好ましい範囲となるようにすればよい。
2.1.3.第3工程(S3)
S3は、乾燥及び硬化させたプライマー層2の上面に防水層3を形成する工程である。硬化したプライマー層2の表面には微粉がほぼ存在せず、凹凸も低減されているため、防水層3を形成するにあたって適切な表面となり得る。方法S10では、プライマー層2を介して、コンクリート床版1の上面に防水層3を強固に固定することができる。防水層3は床版防水構造の防水層として公知のものをいずれも適用できる。防水樹脂を塗布する形態や防水シートを敷設する形態のいずれであってもよい。特にウレタン系樹脂を含む防水層が好ましい。このような防水層としては、例えば、特許第3956757号に記載されたようなウレタン系防水層をそのまま適用できる。
防水層の塗布量は特に限定されるものではないが、例えば、0.3kg/m以上5kg/m以下の塗布量とすることが好ましい。より好ましくは0.5kg/m以上4kg/m以下、さらに好ましくは0.7kg/m以上3.5kg/m以下、特に好ましくは1kg/m以上3kg/m以下である。塗布量が0.3kg/m未満であると、均一に塗布することが困難となったり、防水層に発生するピンホールを塞ぐことが困難となったりし、防水性能が劣る場合がある。また、塗布量が5kg/mを超えると、施工時間が長くなったり、コスト高になったりする等好ましくない。
以上の通り、方法S10では、S1〜S3を経ることで床版防水構造10を施工することができる(図2(C))。ここで、方法S10では、本発明に係るプライマーを用いており、プライマー層2’の乾燥時間や硬化時間を短縮することができる。さらには、コンクリート床版1の表面に残存する微粉やアスファルト成分の影響を低減できることから、コンクリート床版1の表面から微粉やアスファルト成分を完全に除去する必要がない。このように、方法S10によれば、従来よりも短時間で床版防水構造を施工することができる。
2.2.第2実施形態
図3、4に示すように、第2実施形態に係る床版防水構造の施工方法(方法S20)は、上述したエポキシ系プライマーをコンクリート床版1の上面に塗布してプライマー層2’を形成する、第1工程(S11)と、プライマー層2’を乾燥及び硬化させる、第2工程(S12)と、乾燥及び硬化させたプライマー層2の上面に接着層11を形成する、第3工程(S13)と、接着層11の上面に防水層3を形成する、第4工程(S14)とを備えている。
S11及びS12については、上述したS1及びS2と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、S14は、プライマー層2の上面ではなく接着層11の上面に防水層3を形成する点を除き、上述したS3と同様であるため、ここでは説明を省略する。すなわち、方法S20は、上述した方法S10において、S2とS3との間にS13を備えた方法と言い換えることもできる。
接着層11を構成する接着材としては、床版防水構造用の接着材として機能し得るものをいずれも適用できる。作業条件や防水層3の種類にもよるが、ポリアミド系樹脂とアスファルトとを含む接着材、ウレタン系樹脂とアスファルトを含む接着材や、アスファルト系接着材を用いることが好ましい。より好ましくは、ポリアミド系樹脂とアスファルトとを含むポリアミド系接着材である。
尚、本願において、接着材に含まれる「ポリアミド系樹脂」とは、酸とアミンとが反応してできるアミド結合を持つ高分子化合物であるポリアミド樹脂を主成分として含む樹脂であって、熱可塑性のものをいう。「主成分」とは、50質量%以上を意味する。好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。ポリアミド樹脂としては、n-ナイロン(ナイロン6、ナイロン11等)、n,m-ナイロン(ナイロン66、ナイロン610)、ダイマー酸ベースポリアミド、パラ系アラミド、メタ系アラミド等が挙げられる。接着性の観点から、ダイマー酸ベースポリアミドが好ましい。
ポリアミド系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド以外の重合体単位を有していてもよく、或いは、ポリアミド以外の樹脂との混合樹脂であってもよい。ポリアミド系樹脂に占める、ポリアミド以外の重合体単位或いはポリアミド以外の樹脂の含有量は、50質量%以下であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
ポリアミド系樹脂は、アミン価が5mgKOH/g以上のものを用いることが好ましい。アミン価が5mgKOH/g以上のポリアミド系樹脂を用いることで、接着層11に防水層3をより強固に接着することができる。アミン価は好ましくは7mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上である。アミン価の上限は特に限定されるものではない。本発明者らの知見によれば、アミン価が65mgKOH/gのポリアミド系樹脂であっても、所定の接着強度を確保することができる。しかしながら、アミン価が高過ぎると分子量が低くなり、固化後の塗膜伸びが低下し、凝集破壊力が低下する虞がある。この観点からは、ポリアミド系樹脂のアミン価は60mgKOH/g以下であることが好ましい。
なお、アミン価とは、単位質量あたりの分子中に含有される全塩基性成分を中和するのに必要な過塩素酸と等量の水酸化カルシウム(KOH)の質量で定義したものである。アミン価は、例えば、ポリアミド系樹脂試料3gをm−クレゾールに溶解し、過塩素酸メタノール溶液で電位差滴定法により滴定し、KOHのmgに換算することで求められる。
ポリアミド系樹脂のアミン価の調整は、ジカルボン酸とジアミンの仕込み比率を調整して重合したり、重合して得られたポリアミド系樹脂とアミン等の末端調整剤とを加熱して反応させたりすることにより行うことができる。末端調整剤として用いられるアミンとしては、炭素原子数6〜22のものが好ましく、例えば、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第一級アミンが挙げられる。
また、アミン価の調整には、ダイマー酸を用いるのも好ましい。ダイマー酸は周知のように、オレイン酸やリノール酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸を2量化したもので、その代表的なものの一つは炭素数36の二塩基酸及び/又はその水素添加物を主体とし、他に少量の炭素数18の一塩基酸(モノマー)や炭素数54の三塩基酸(トリマー)を含有している。
ポリアミド系樹脂は、常温(25℃)で固体であり、加熱によって溶融させることができるものであればよい。特に、ポリアミド系樹脂は、160〜200℃での溶融粘度が100mPa・s以上100000mPa・s以下であることが好ましい。
また、「アスファルト」の具体例としては、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱歴アスファルト、改質アスファルト等が挙げられる。入手容易性及び施工性の観点から、ストレートアスファルトが好ましい。特に、JIS K2207に準拠して特定される25℃における針入度(1/10mm)が40以上120以下のものが好ましい。針入度はより好ましくは60以上であり、より好ましくは100以下である。アスファルトの軟化点や伸度(15℃、JIS K2207)等は上記の針入度に依存する。例えば、軟化点は好ましくは35℃以上であり、好ましくは60℃以下である。本発明では、このような針入度を有するストレートアスファルトを用いることで、接着強度を一層向上させることができるとともに、冷却固化後のべたつきをより適切に解消できる。
ポリアミド系樹脂とアスファルトとを含むポリアミド系接着材を用いる場合は、当該接着材全体を基準(100質量%)として、ポリアミド系樹脂を45質量%以上99質量%以下、アスファルトを1質量%以上55質量%以下含ませることが好ましい。ポリアミド系樹脂の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、好ましくは95質量%以下である。アスファルトの含有量は、好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下である。ポリアミド系樹脂とアスファルトとの質量比をこのような範囲とすることで、接着材の表面べたつきが少なく、残存アスファルトとの接着強度がより優れたものとなる。加えて、接着層11に防水層3をより強固に接着することができる。
また、ポリアミド系樹脂とアスファルトとを含むポリアミド系接着材中には、相溶性向上や表面タック改良等のため、さらにポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂が含まれていてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンブタジエンブチレンスチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)から選ばれるスチレン系エラストマー;ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロプレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンアクリル酸メチルブロック共重合体(EMA)、エチレンアクリル酸エチルブロック共重合体(EEA)から選ばれるエチレン系エラストマー;ポリプロピレン(PP);熱可塑性ポリウレタン(TPU)等が好ましく例示できる。中でも、スチレン系エラストマーが好ましい。ポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量は、アスファルトとポリアミドとの合計量(100質量部)に対して1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましい。接着層11の厚みは特に限定されるものではない。例えば、0.1mm以上2.0mm以下の厚みとすることが好ましい。
本願において、接着材に含まれる「ウレタン系樹脂」とは、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂の少なくとも一種を含有する樹脂のことである。前述の防水層、後述のバインダ層に含まれるウレタン系樹脂についても同様である。
以上の通り、方法S20では、S11〜S14を経ることで床版防水構造20を施工することができる。ここで、方法S20では、本発明に係るプライマーを用いており、プライマー層2’の乾燥時間や硬化時間を短縮することができる。さらには、コンクリート床版1の表面に残存する微粉やアスファルト成分の影響を低減できることから、コンクリート床版1の表面から微粉やアスファルト成分を完全に除去する必要がない。このように、方法S20によれば、従来よりも短時間で床版防水構造を施工することができる。
3.床版防水構造の施工方法の応用例(床版防水構造体の施工方法)
床版防水構造の施工方法の応用例について説明する。上述の通り、方法S10やS20では、コンクリート床版1の表面に微粉やアスファルト成分が残存した状態のままでS1やS11を行うことが可能である。以下、図5、6を参照しつつ、方法S10の応用例として、道路の補修における床版防水構造体の施工方法(S100)について説明する。
図5、6に示すように、道路の補修の際は、まず、コンクリート床版1の上方に設けられたアスファルト成分を含む舗装体51を剥がし、コンクリート床版1を露出させる工程(S0)を行い、その後、コンクリート床版1の表面にアスファルト成分の一部又は全部(好ましくはアスファルト成分の一部。図6中のアスファルト成分52)を残存させたまま、順次S1〜S3を行うことで、床版防水構造を施工する。その後、防水層3の上面に舗装接着層54(バインダ層及び/又は接着層)等を介して舗装体53を設置する工程(S4)を経て、道路の補修が完了する。
3.1.コンクリート床版1を露出させる工程(S0)
図6(A)に示すように、舗装体51は接着層や任意の防水層等を介してコンクリート床版1の上方に設けられたものである。S0では、このような舗装体51を接着層等とともにコンクリート床版1の表面から剥がし、コンクリート床版1を露出させる。例えば、切削機、バックホウ、ウォータージェット、ショットブラスト等を用いることで、舗装体51をコンクリート床版1から容易に剥がすことができ、コンクリート床版1の表面を露出させることができる。ただし、コンクリート床版1の表面から舗装体51由来のアスファルト成分を完全に除去することは、相当な手間、労力、時間を要し現実的でない。そのため、図6(B)に示すように、コンクリート床版1の表面にはコンクリートの削り微粉(不図示)及びアスファルト成分52が残存したままの状態となる。
3.2.S1〜S3
上述した通り、コンクリート床版1の表面に微粉及びアスファルト成分52が残存したままであっても、S10を行うことが可能である。すなわち、溶媒としてアルコールを含むエポキシ系プライマーを用いることで、微粉やアスファルト成分52の存在によらず、短時間で、コンクリート床版1にプライマー層2を強固に固定することができ、その後、防水層3を適切に設置できる。
3.3.舗装体53を設置する工程(S4)
S4は、S10を経て形成された防水層3の上面に、好ましくは舗装接着層54等を介して舗装体53を設置する工程である。舗装体53としては、例えば、公知のアスファルト舗装体を適用できる。舗装体53と防水層3とを接着させる舗装接着層54についても、特に制限はない。
例えば、舗装接着層54として熱可塑性樹脂や熱可塑性シートを用いる場合、防水層3の表面に接着用バインダを塗布した後、熱可塑性樹脂或いはシートを配置し、加熱された舗装体53の熱によって熱可塑性樹脂或いはシートを軟化・溶融させながら、熱可塑性樹脂或いはシートと舗装体53とを密着させ、その後冷却することで、防水層3の表面に熱可塑性樹脂或いはシートを介して舗装体53を十分な強度でもって設置することができる。或いは、熱可塑性樹脂や熱可塑性シートに替えて、接着用バインダを塗布した後、珪砂や改質アスファルト等の接着材を用いて舗装接着層54を構成することもできる。本発明においては、舗装接着層54は、バインダ層及び/又は接着層等で構成されることが好ましい。具体的には、施工した床版防水構造の防水層3の上面にバインダ層を形成する第4工程と、前記バインダ層を乾燥及び硬化させる第5工程と、乾燥及び硬化させたバインダ層の上面に接着層を形成する第6工程とを経て、防水層3の上面に、バインダ層、珪砂層及び接着層からなる舗装接着層54を形成し、この上にアスファルト舗装を施して舗装体53を設置する。より好ましくは、施工した床版防水構造の防水層3の上面にバインダ層を形成する第4工程と、バインダ層に珪砂を散布した後、該バインダ層を乾燥及び硬化させる第5工程と、乾燥及び硬化させたバインダ層の上面に接着層を形成する第6工程とを経て、防水層3の上面に、バインダ層、珪砂層及び接着層からなる舗装接着層54を形成し、この上にアスファルト舗装を施して舗装体53を設置する。
3.3.1.バインダ層
本発明においては、床版防水構造体の施工時間を短縮でき、防水層3との接着性がより良好となる点から、防水層3の表面に塗布されるバインダとして、バインダの硬化時間が50分以下、さらには40分以下、特に30分以下であるものを用いると、施工時間を大幅に短縮できることが可能となる。
硬化時間の調整は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、主剤と硬化剤との二液型の場合はそれらの混合割合を調整したり、混合の際に添加する触媒量を調整したり、混合の際の温度を調整したりすることによって可能であり、中でも触媒量を調整する方法が好ましい。
バインダの種類は特に制限はなく、防水層3の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、防水層がウレタン系樹脂を含むものである場合は、バインダはウレタン系のものであることが好ましい。
バインダの塗布量は特に限定されるものではないが、例えば、0.01kg/m以上2kg/m以下の塗布量とすることが好ましい。より好ましくは0.05kg/m以上1.5kg/m以下、さらに好ましくは0.08kg/m以上1kg/m以下、特に好ましくは0.1kg/m以上0.7kg/m以下である。塗布量が0.01kg/m未満であると、防水層3と舗装体53との接着不良が発生しやすくなり長期的な耐久性が低下したり、均一に塗布することが困難となったりする場合がある。また、塗布量が2kg/mを超えると、後述の珪砂の必要散布量が多くなったり、バインダ塗布中に硬化が始まる等の不具合が発生する場合がある。また、施工時間が長くなったり、コスト高になったりする等好ましくない。
3.3.2.珪砂層
さらに、塗布されたバインダの硬化が完了しないうちに、珪砂をバインダ層の表面に散布することが好ましい。これにより散布した珪砂がバインダ層の硬化後に保持、固着されることとなり、この後、上面に塗布される接着層及び/又は舗装体53との接着性がより良好となったり、疲労耐久性が向上するという利点がある。
また、バインダが完全硬化していなくても、バインダの表面が珪砂で覆われることによって、人や車輌が通行・作業可能となり、施工時間が短縮できる等の利点がある。なお、散布された珪砂は、バインダ層に保持されていることが好ましいが、その全てがバインダ層に保持されている必要はなく、バインダ層に保持されていない珪砂層が存在していてもよい。
バインダ層に散布する珪砂としては、粒子径0.05〜2.5mmのものが好ましく、0.1〜2mmのものがより好ましく、0.2〜1.5mmのものがさらに好ましく使用でき、一般の珪砂3号(粒子径1.2〜2.4mm)、珪砂4号(粒子径0.6〜1.2mm)又は珪砂5号(粒子径0.3〜0.8mm)等が、散布時の飛散が少なく好ましい。珪砂は、バインダ層と必要に応じてその上に塗布される接着層との引張接着性及びせん断接着性を向上させるものである。従って、粒子径が0.05mm未満であると、これらの接着力が低くなってしまい、防水層3と舗装体53との接着性低下に繋がりやすくなる。一方、粒子径が2.5mmを超えると、バインダ層に取り込まれない部分が多く生じてしまい、舗装体53との接着を阻害してしまうおそれがある。また、バインダ層に固着されない珪砂を保持するための必要なバインダ量が多くなり、乾燥性、施工性の低下、コストアップに繋がる場合もあるので好ましくない。
また、珪砂の材質は、天然にて石英砂の状態で存在する物を採取し、水洗・乾燥篩い分けした天然珪砂、岩石状珪砂を人工的に粉砕し篩い分けした人造珪砂や、ガラス粉砕品等を使うことができるが、コストや入手し易さを基準に選定することができる。しかし、散布時の飛散を防ぐため、予めメーカーで篩い分けして製品化しているものを使うことが好ましい。これらの珪砂は、各々単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
珪砂の散布量は、その粒子径によって適宜調整することが好ましいが、例えば、珪砂5号を使用する場合は、0.3〜2kg/mであることが好ましく、0.5〜1.6kg/mであることがより好ましく、0.7〜1.3kg/mであることがさらに好ましい。散布量が少ないと接着性低下しやすく、多すぎるとバインダ層に固着しない珪砂が多く存在することによって、接着性の低下につながるおそれがある。
3.3.3.接着層
珪砂の散布後、舗装体53と防水層3との接着性をより向上させるために、接着層を形成することが好ましい。接着層に用いる接着材としては、床版防水構造用の接着材として機能し得るものをいずれも適用できる。作業条件や防水層3の種類にもよるが、本発明においては、アスファルト系接着材を用いることが好ましい。具体的には、アスファルトと熱可塑性樹脂を含むものが好ましく、アスファルトを30質量%以上90質量%以下及び熱可塑性樹脂を10質量%以上70質量%以下含むものがより好ましい。
アスファルトとしては特に制限はないが、上述のプライマー層2と防水層3との間に必要に応じて形成されるポリアミド系接着層に含まれるアスファルトと同様のものを使用することができる。アスファルトは、1種又は2種以上混合して使用してもよい。
熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等スチレン系樹脂、スチレン系、エチレン系及びポリウレタン系等のエラストマー、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、石油樹脂、エラストマー、ポリウレタン樹脂が好ましい。
石油樹脂としては、ナフサを分解した際の分解油留分に含まれる不飽和化合物成分を重合したものを用いることができ、C留分を原料とする脂肪族系石油樹脂、C留分を原料とする芳香族系石油樹脂、C留分とC留分の両方を原料とするC共重合石油樹脂を挙げることができる。これらの石油樹脂は、1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族系石油樹脂としては、イソプレン、ピペリレン、2−メチルブテン等の共重合成分を有するものを用いることができ、共役ジオレフィン成分は環化構造を有していてもよい。軟化点は70〜110℃、分子量は800〜2000のものを用いることが好ましい。
芳香族系石油樹脂としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等の共重合成分を有するものを用いることができる。軟化点は80〜150℃、分子量は600〜3500のものを用いることが好ましい。
共重合石油樹脂としては、軟化点60〜150℃、分子量600〜3500のものを用いることが好ましい。
また、特に、バインダ層との接着性向上の点から、分子中に水酸基を有する石油樹脂を用いることも好ましい。この水酸基は、石油樹脂の製造、例えば、重合の際にフェノール等の水酸基を有する化合物を添加することによって分子中に導入することができる。この石油樹脂中の水酸基の含有量は、水酸基価10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、100mgKOH/g以下が好ましく、90mgKOH/g以下がより好ましい。水酸基価が低すぎると、所望の接着性向上効果が得られない場合があり、逆に高すぎると製造コストが高くなりやすい。
エラストマーとしては、感温性等のアスファルト改質効果の点から、例えば、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンブタジエンブチレンスチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)から選ばれるスチレン系エラストマー;ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロプレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンアクリル酸メチルブロック共重合体(EMA)、エチレンアクリル酸エチルブロック共重合体(EEA)から選ばれるエチレン系エラストマー;ポリウレタン(TPU)等が好ましく例示できる。中でもスチレン系エラストマーが好ましく、SEBSがより好ましい。これらは1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
アスファルト系接着材中のアスファルトの含有量は、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、20〜60質量%以下であることがより好ましい。
アスファルトの含有量が30質量%未満では、アスファルト系接着材の加熱溶融時の粘度が高くなりすぎるため、施工時に均一に塗布しにくくなり、作業性が低下しやすくなったり、舗装体53との接着性が低下する場合がある。一方、その含有量が90質量%を超えると、使用環境温度が高い場合、アスファルト系接着材が流動しやすくなるため、交通量が多く荷重が繰り返し作用する場所では、舗装体53との接着不良が発生しやすくなり長期的な耐久性が低下する場合がある。
熱可塑性樹脂の含有量が70質量%を超えると、アスファルト系接着材の加熱溶融時の粘度が高くなりすぎるため、施工時に均一に塗布しにくくなり、作業性が低下しやすくなったり、舗装体53との接着性が低下する場合がある。一方、その含有量が10質量%未満では、アスファルトの感温性、すなわち低温で脆く、高温で流動性が大きい特性を改善する効果が不十分となるため、温度変化の影響を受けやすく耐久性が低下する場合がある。
上記バインダ、接着材の塗布方法は、一般的にローラー刷毛塗り、刷毛塗り、トンボ等による流し塗り、エアレススプレー等によるスプレー塗布などの方法があるが、これらの方法に限定されるものではない。塗布の回数も、目的の接着性を得るために、必要に応じて調整すればよい。
珪砂の散布方法も特に限定はなく、ブロワーを用いて散布する等、従来公知の方法を採用すればよい。
接着材の塗布量も特に限定されるものではないが、例えば、0.1kg/m以上3kg/m以下の塗布量とすることが好ましい。より好ましくは、0.3kg/m以上2kg/m以下、0.5kg/m以上1.5kg/m以下である。塗布量が0.1kg/m未満であると、防水層3と舗装体53との接着不良が発生しやすくなり長期的な耐久性が低下したり、均一に塗布することが困難となったりする場合がある。また、塗布量が3kg/mを超えると、施工時間が長くなったり、コスト高になりやすくなる等好ましくない。
本発明においては、上記のような好ましい構成を採用することにより、プライマーを形成するS1工程から後述の舗装体53の設置前の工程までの施工時間を、大幅に短縮することが可能となる。施工時間は短い方が好ましいが、本発明の態様では、例えば、300mの広さを6時間以内、さらには5時間以内、特に、より好ましい態様を採用した場合には、4時間以内という短い作業時間で完了することが可能となり、特に、道路の補修の際には、本発明の施工方法が好適に採用される。
3.3.4.舗装体
上述のバインダ層及び/又は接着層を塗布した後、舗装体、好ましくはアスファルト舗装体を、舗装体に適した温度、例えば、140〜200℃の温度で、アスファルトフィニッシャー等により敷きならし、鉄輪ローラー、耐薬やローラー等で転圧して舗装体53を設置する。この熱転圧により、舗装体53の熱が防水層3まで伝わり、この防水層3上のバインダ及び/又は接着材が溶融して、舗装体53と防水層3とが接着され、強固に接合される。この工法により、コンクリート床版1から舗装体53まで強固に接合された床版防水構造体100(舗装道路100)が提供される。
以上の通り、方法S10を応用することで、短時間で道路の補修が可能である。補修後の舗装道路100は、床版防水構造において防水層3がプライマー層2を介してコンクリート床版1に強固に固定されており、優れた耐久性・耐候性を示す。
尚、方法S10の応用例としては道路の補修に限られず、既存アスファルト防水層を撤去しての防水改修においてアスファルト成分が残存する場合にも適用可能である。或いは、コンクリート床版の上面に床版防水構造を施工する場合においても適用可能である。例えば、新規にコンクリート床版を設置し、その上に新規に床版防水構造を構成するような場合においても、方法S10を適用できる。さらには、鉄筋コンクリート構造物等建築物の屋上コンクリートに新たに防水層を配する場合においても、方法S10を適用できる。コンクリート床版の表面には少なくとも微粉が存在しており、本発明に係るプライマーを用いる実益があるためである。ただし、本発明による効果が一層顕著となる観点からは、方法S10の適用例としては、コンクリート床版の表面にアスファルト成分や微粉が残存したまま床版防水構造を施工するようなものが好ましい。
尚、上記の説明では、方法S10を応用して床版防水構造体100を施工する方法について例示したが、床版防水構造体の施工方法はこれに限られない。方法S20を応用して床版防水構造体を施工してもよい。例えば、方法S20により床版防水構造20を施工した後、防水層3の上方に、上述の方法にて舗装体53を設置することで、床版防水構造体として舗装道路を施工することができる。
以下、本発明に係るエポキシ系プライマーによって奏される顕著な効果について、実施例を示しながらさらに詳細に説明する。
下記表1、2に示すような組成を有する主剤及び硬化剤からなる二液型のエポキシ系プライマー、バインダ及び接着材を用意し、以下の評価を行った。尚、評価はすべて23℃/50%RHの雰囲気下で実施した。
尚、用いた原料の詳細は以下の通りである。
・ エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三井化学社製、「エポミックR140(エポキシ当量189)」
・ アミン:1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、三菱ガス化学社製、「1,3BAC(活性水素当量35.5)」
・ セメント:普通ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
・ ポリアミド(A):熱可塑性ポリアミド樹脂、ヘンケルジャパン社製、「13U−003」、アミン価15mgKOH/g、200℃での溶融粘度2400mPa・s
・ ポリアミド(B):熱可塑性ポリアミド樹脂、ヘンケルジャパン社製、「PA6030」、アミン価1.8mgKOH/g、160℃での溶融粘度2400mPa・s
<プライマー混合後の粘度>
プライマー混合後の粘度は、東機産業社製、「TVE−25H型粘度計」を用い、25℃、回転速度100rpmの条件で測定した。なお、比較例2、4については、回転速度100rpmでの測定が困難であったため、比較例2は回転速度10rpm、比較例4は回転速度5rpmの条件で測定を行った。
<床版防水構造の評価>
実施例1〜4、比較例1、2:
コンクリート板(300mm×300mm×60mm)の表面をスチールショットブラスト処理し、ブロア−で削り粉を飛ばした後、その半面に、200℃で溶融させたストレートアスファルトを塗布量0.15kg/mにて塗布し、コンクリート床版とした。次に、上述の二液型のエポキシ系プライマーを混合した後、プライマーをローラーで塗布量0.12kg/mとなるようにコンクリート床版の表面全体にローラー塗布した。10分後に、プライマーの表面に、200℃に加温した上述の接着材を塗布量1.0kg/mとなるように金属ヘラで塗布した。10分後、接着材の表面全体に、2液ウレタン系防水材(三菱樹脂インフラテック社製、「ノバレタンES」)を、スプレーガン(ガスマー社製 2液混合型吹付け機 ガスマー20/35Pro)にて塗布量1.5kg/mにて吹付施工した。3日養生後に、ウレタン防水層の表面からカッターで20mm幅にコンクリート床版表面まで切り込みを入れ、端をバネばかりで掴み、135°の角度でピール試験を行い、ピール強度を測定するとともに破壊状況を観察した。図7に、評価に用いた床版防水構造の概略図を示す。図7(A)が側面図、図7(C)が平面図である。
実施例5:
プライマーにセメント40質量部配合し、接着材の塗布を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、評価した。
実施例6:
プライマーにセメント40質量部配合し、接着材の塗布を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして、評価した。
実施例7:
プライマーにセメント40質量部配合し、接着材の塗布を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして、評価した。
比較例3:
プライマーにセメント40質量部配合し、接着材の塗布は行わなかったこと以外は、比較例1と同様にして、評価した。
比較例4:
プライマーにセメント40質量部配合し、接着材の塗布は行わなかったこと以外は、比較例2と同様にして、評価した。
なお、実施例5〜7及び比較例3、4において、図7(B)が評価に用いた床版防水構造の概略側面図、図7(C)が平面図である。
<評価基準1:ピール強度>
上述したピール試験において、ピール強度が4kgf/20mmを超えるものを○、強度が4kgf/20mmに満たないものや、界面破壊となったものは×とした。結果を下記表1に示す。表1において、「ピール強度(1)」はコンクリート床版とプライマー層及び接着層との間のピール強度(実施例1〜4)、コンクリート床版とプライマー層との間のピール強度(実施例5〜7)を示し、「ピール強度(2)」は表面にアスファルトが残存したコンクリート床版とプライマー層及び接着層との間のピール強度(実施例1〜4)、表面にアスファルトが残存したコンクリート床版とプライマー層との間のピール強度(実施例5〜7)を示し、「ピール強度(3)」は接着層と防水層との間のピール強度(実施例1〜4)、プライマー層と防水層との間のピール強度(実施例5〜7)を示す。
<評価基準2:プライマーの表面べたつきの評価>
プライマーを塗布してから10分後に、指触でべたつきを確認した。べたつきの無いものを○、べたついているものを×とした。結果を下記表1に示す。
<評価基準3:接着材の表面べたつきの評価>
接着材を塗布してから10分後に、指触でべたつきを確認した。べたつきの無いものを○、べたついているものを×とした。結果を下記表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、エポキシ系プライマーにおいて溶媒としてアルコールを用いた実施例1〜7は、溶媒としてキシレンを用いた比較例1、3と比べて、ピール強度(2)が優れたものとなり、且つ、プライマーの表面べたつきもない優れたものとなった。比較例1、3においては、アスファルト成分が残存したコンクリート床版にキシレンを含むプライマーを塗布したことで、アスファルト残留物上でのキシレンのはじきや溶解(カットバック)によってプライマーの接着力が低下するとともに、アスファルトの溶解によって、プライマーの乾燥や硬化に長時間が必要となったものと考えられる。一方、実施例1〜7においては、プライマーを構成する溶媒としてアルコールを用いたことで、アスファルト残留物上での溶媒のはじきや溶解を抑制でき、プライマーを短時間で硬化させることができるとともに、硬化後はコンクリート床版に強固に固定できたものと考えられる。
また、比較例2、4の結果から明らかなように、溶媒を含まないエポキシ系プライマーを用いた場合、コンクリート床版の表面に残存する微粉の影響によって、プライマー層をコンクリート床版に強固に固定することができなかった。
<床版防水構造体の評価>
実施例8:
実施例1と同様の方法で得られたコンクリート床版に、表2に記載のプライマーを、ローラー刷毛でコンクリート床版の表面全体に手塗した。15分養生後、同様の方法でさらにプライマーを塗布し15分養生した。プライマーの塗布量は、合計で0.30kg/mとなるように塗布した。その後、プライマー層の表面全体に、2液ウレタン系防水材(三菱樹脂インフラテック社製、「ノバレタンES」)を、スプレーガン(ガスマー社製 2液混合型吹付け機 ガスマー20/35Pro)にて塗布量1.5kg/mにて吹付し、ウレタン系防水層を施工した。3日養生後に、ウレタン系バインダ(三菱樹脂インフラテック社製、「ノバレタンTCバインダ」)を0.25kg/mの塗布量となるように金属ヘラで塗布し、その後直ちにバインダ塗布面に5号珪砂(東北硅砂社製)をブロワーを用いて1.0kg/mの量で散布した。30分養生後、アスファルト系接着材(三菱樹脂インフラテック社製、「TCコンパウンド」)を金属へらで1.0kg/m塗布し、接着層を形成した。
放冷後、ストレートアスファルトを用いた砕石マスチックアスファルトを、舗設温度140℃、線圧30kg/cmの条件で舗設し、床版防水構造体を得た。
実施例9:
ウレタン系防水層施工後の養生時間を10分にした以外は、実施例8と同様にして、床版防水構造体を得た。
実施例10:
実施例8と同様の方法で、ウレタン防水層まで施工し3日養生した後、溶剤系エポキシ樹脂バインダ(三菱樹脂インフラテック社製、「ノバレタンPR−200」)とセメントの混合物(質量比100:20)を、0.15kg/mの塗布量となるようにローラー刷毛で塗布した。続いて、ポリアミド系接着材(ストレートアスファルト45質量%、ポリアミド樹脂(ヘンケルジャパン社製、「13U−003」)55質量%及びSEBS(旭化成ケミカルズ社製、「タフテック1041」)5質量%の混合物)を金属ヘラで1.0kg/m塗布し、接着層を形成した。
続いて実施例8と同様の方法で、アスファルトを舗設し、床版防水構造体を得た。
<評価基準4:ホイールトラッキング試験>
上記記載の方法で得られたアスファルト舗設後の床版防水構造体について、「舗装調査・試験法便覧〔第3分冊〕第III章 試験編(平成19年6月 社団法人日本道路協会)」に記載の試験方法に従って、負荷時間120時間、試験温度60±0.5℃、輪荷重686±10Nの条件で、ホイールトラッキング試験を行った。
試験後の床版構造体について、防水層の性能評価のため、「道路橋床版防水便覧(平成19年3月 社団法人 日本道路協会)」の付録−1に記載の試験方法に従って、引張溶着試験を行った。
床版防水構造体から、直径10cmのコアカッターによってコンクリート床版に達するまで切り込みを入れ、上面にエポキシ接着材で固定治具を接着し、常温で6時間以上放置して接着材を硬化させた。得られた試験体の固定治具を接着剥離試験機(丸菱科学機械製作所社製「BA−800D」)に設置し、温度23℃、載荷速度毎秒0.1N/mmの条件で鉛直方向に引張試験を行った。引張接着強度が0.6N/mm以上であるものを「○」、0.6N/mm未満であるものを「×」とした。結果を、下記表2に示す。
表2に示すとおり、実施例8〜10の引張接着試験の結果は、東日本・中日本・西日本高速道路株式会社・構造物施工管理要領の規格に適合するものであることが確認された。
また、実施例8、9の結果からもわかるように、ウレタン系防水層とアスファルト舗装体とを接着するために用いられる舗装接着材としては、実施例8、9のバインダ及び接着材の組み合わせが好ましい。このような組み合わせにすることにより、ウレタン系防水材を塗布した後に、10分という極めて短い養生時間であっても、アスファルト舗装を施すことが可能であり、このようにして得られた床版防水構造体は、ホイールトラキング試験に十分合格できる良好な接着性、耐久性を有するものであった。
本発明に係るプライマーは床版防水構造においてコンクリート床版と接着層との間に介在させるプライマーとして好適に利用可能である。
10 床版防水構造
1 コンクリート床版
2’ プライマー層(乾燥・硬化前)
2 プライマー層(乾燥・硬化後)
3 防水層
20 床版防水構造
11 接着層
100 床版防水構造体(舗装道路)
51 舗装体
52 アスファルト成分
53 舗装体
54 舗装接着層

Claims (12)

  1. 溶媒としてアルコールを、エポキシ系プライマー全体に対して、30質量%以上95質量%以下含み、前記アルコール以外の溶媒の含有量が20質量%以下である、床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  2. 前記アルコールが沸点100℃未満のアルコールである、請求項1に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  3. 前記アルコールの炭素数が2以上4以下である、請求項1又は2に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  4. エポキシ樹脂を含む主剤と、該エポキシ樹脂を硬化させる成分を含む硬化剤との二液型プライマーであり、
    前記エポキシ樹脂のエポキシ当量及び該エポキシ樹脂を硬化させる成分の活性水素当量に基づいて前記主剤及び前記硬化剤を混合して混合物とされた場合に、該混合物において溶媒としてアルコールを0質量%以上95質量%以下含むものとされている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  5. 前記エポキシ樹脂を硬化させる成分がアミンである、請求項4に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  6. さらに、無機充填材を1質量%以上50質量%以下含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマー。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の床版防水構造用エポキシ系プライマーをコンクリート床版の上面に塗布してプライマー層を形成する第1工程と、
    前記プライマー層を乾燥及び硬化させる第2工程と、
    乾燥及び硬化させた前記プライマー層の上面に防水層を形成する第3工程と
    を備える、床版防水構造の施工方法。
  8. 前記コンクリート床版が表面の一部又は全部にアスファルト成分を有するものであり、前記コンクリート床版の表面に該アスファルト成分を残存させたまま前記第1工程を行う、
    請求項に記載の方法。
  9. 前記第1工程の前に、コンクリート床版の上方に設けられたアスファルト成分を含む舗装体を剥がし、コンクリート床版を露出させる工程を備え、
    前記コンクリート床版の表面の一部又は全部に前記アスファルト成分を残存させたまま、
    前記第1工程を行う、請求項又はに記載の方法。
  10. 前記防水層がウレタン防水層である、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載の方法により床版防水構造を施工する工程と、
    前記床版防水構造の前記防水層の上面にバインダ層を形成する第4工程と、
    前記バインダ層を乾燥及び硬化させる第5工程と、
    乾燥及び硬化させた前記バインダ層の上面に接着層を形成する第6工程と、
    前記接着層の上面にアスファルト舗装を施す第7工程と
    を備える、床版防水構造体の施工方法。
  12. 請求項10のいずれか1項に記載の方法により床版防水構造を施工する工程と、
    前記床版防水構造の前記防水層の上面にバインダ層を形成する第4工程と、
    前記バインダ層に珪砂を散布した後、該バインダ層を乾燥及び硬化させる第5工程と、
    乾燥及び硬化させた前記バインダ層の上面に接着層を形成する第6工程と、
    前記接着層の上面にアスファルト舗装を施す第7工程と
    を備える、床版防水構造体の施工方法。
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