JP6334126B2 - 防水層の構築方法及び防水層並びに防水層用防水材及び接着材 - Google Patents

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Description

本発明は、主として道路橋等で用いられるコンクリート床版や鋼床版などの上に防水層を構築する防水層の構築方法、及びその構築方法によって構築された防水層、並びに防水層用の防水材及び接着材に関する。
道路橋等で用いられるコンクリート床版、PC(プレストレスト・コンクリート)床版、或いは鋼床版上には、アスファルト舗装を浸透してくる雨水や融雪水が直接床版と接触したり床版内に浸透するのを防止するために、アスファルト混合物の舗設に先だって、通常、防水層が構築される。
防水層としては、従来から、床版とアスファルト舗装との間にシート状の防水材などを介在させてこれを防水層とすることが行われている。しかし、従来使用されている防水材の場合、水平方向の変位に対する高い抵抗性を長期間(例えば30年相当分)にわたって維持する防水層を構築することは一般に困難であった。また、シート状の防水材を用いて防水層を構築する場合には、プライマーを塗布した床版上にシート状の防水材を敷き拡げるに際して防水材の下面とプライマーを塗布した床版との間に空気を残存させると、防水材のシートに膨らみが生じ、防水材と床版との接着性が阻害されることになるので、シート状の防水材を床版上に敷き拡げるには熟練した技術と細心の注意を必要とし、施工に手間が掛かるという欠点があった。
このため、シート状の防水材に代わるものとして、疲労抵抗性に優れるポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂を塗布又は散布して防水層を形成することも提案されているが、ポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂は一般的にアスファルトとの親和性に欠け、形成された防水層はその上に舗設されるアスファルト混合物との接着性に劣るという欠点がある。
この欠点を解消すべく、例えば、特許文献1では、防水材とアスファルト舗装との間に、熱溶融型のペレットを混合したアスファルト乳剤からなる接着層を介在させ、上層のアスファルト混合物を下層のポリウレタン樹脂等の防水材との接着力を高めることが提案されている。しかしながら、この方法は異種層間の物理接着を利用するものであるため、水分等の影響により、防水材と接着層内に存在するアスファルトとの間、或いは防水材と接着層内に存在する熱溶融型ペレットとの間の接着力が低下し易く、耐久性に劣るという不都合がある。
さらに、特許文献2では、ウレタン樹脂を塗布して防水材の層を形成した後、その上面にウレタン系プライマーを塗布し、当該ウレタン系プライマーが硬化する前に熱可塑性樹脂を布設し、さらにアスファルト合材を舗設することによって、熱可塑性樹脂層の一部とウレタン系プライマーの一部とを接着一体化させる方法が提案されている。また、特許文献3では、ポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂などの硬化型樹脂Aからなる防水材の層上に、前記硬化型樹脂Aよりも硬化時間が長い硬化型樹脂Bからなる接着層を形成し、当該硬化型樹脂Bが硬化する前にアスファルト混合物を舗設する床版防水工法が提案されている。しかし、これら従来技術の方法では、いずれも、上層のアスファルト混合物と下層の防水層との接着は充分ではなく、長期的に耐久性のある防水層を実現するのは困難であった。
特開2000−170111号公報 特開2003−253608号公報 特開2003−166209号公報
本発明は、上記従来技術の欠点を解消するために為されたもので、床版の撓みにも良く追従して疲労抵抗性が高く、施工が容易なポリウレア系の防水材を用い、舗設されるアスファルト混合物との接着性、一体性に優れ、高い耐久性を有する防水層の構築方法を提供することを課題とするものである。また、本発明は、前記構築方法によって構築される防水層を提供することを課題とし、さらには、接着性、一体性に優れた防水層を構築することを可能にする防水材及び接着材を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決すべく、鋭意研究と試行錯誤を重ねた結果、本発明者らは、防水材の層とアスファルト混合物の層との間に接着材の層を介在させるに際し、接着材として、防水材の層を形成するポリウレア樹脂の構成成分と化学的に反応する基を有する熱可塑性樹脂と、アスファルト混合物と親和性の良いアスファルトとの双方を含むものを用いることによって、防水材の層とアスファルト混合物の層とが接着層を介して強固に接着、結合され、耐久性に優れた防水層を構築できることを見出した。
すなわち、本発明は、施工面上に防水材の層を形成する工程、前記防水材の層の上に接着材の層を形成する工程を含み、前記防水材がポリウレア樹脂を含み、前記接着材が前記ポリウレア樹脂に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とアスファルトとを含むことを特徴とする防水層の構築方法と、当該構築方法によって構築される防水層とを提供することによって、上記の課題を解決するものである。
前記接着材において、ポリウレア樹脂に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基とは、好ましくはアミノ基、カルボキシル基、又はエポキシ基であり、アミノ基はポリイソシアネートと反応し、カルボキシル基及びエポキシ基はポリアミンと反応する。したがって、前記接着材に含まれる熱可塑性樹脂としては、アミノ基、カルボキシル基、又はエポキシ基で変性された熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。また、前記接着材は、前記熱可塑性樹脂に加えてアスファルトを含むものであるが、その配合割合は、アスファルト100質量部に対して、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂を10〜50質量部含んでいるのが好ましい。
一方、前記防水材を構成するポリウレア樹脂は、主液と硬化液とを反応させる二液硬化型のポリウレア樹脂であるのが好ましく、前記主液はポリイソシアネートを含み、前記硬化液はポリアミンを含んでおり、前記硬化材はポリアミンに加えて他の成分を含んでいるのがより好ましい。前記硬化液中のポリアミンと前記他の成分との割合は、ポリアミンと前記他の成分との合計を100質量部としたときに、ポリアミン15〜45質量部に対して前記他の成分が85〜55質量部の割合であり、前記他の成分は、粘着付与剤30〜100質量%、オイル0〜70質量%、及びアスファルト0〜15質量%からなるものであるのが好ましい。
なお、前記硬化液に含有させる粘着付与剤としては、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン系水素添加樹脂、テルペンフェノール共重合体樹脂、クマロンインデンスチレン共重合体樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、クマロン樹脂、及びスチレン樹脂から選ばれる樹脂を単独で、又はその2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。
本発明は、また、主液と硬化液とを反応させる二液硬化型のポリウレア樹脂を含み、前記主液がポリイソシアネートを含み、前記硬化液がポリアミンと他の成分を含み、ポリアミンと前記他の成分との割合が、ポリアミンと前記他の成分との合計を100質量部としたときに、ポリアミン15〜45質量部に対して前記他の成分が85〜55質量部の割合であり、前記他の成分が粘着付与剤30〜100質量%、オイル0〜70質量%、及びアスファルト0〜15質量%からなる防水層用の防水材を提供することによって上記の課題を解決するものである。本発明は、さらに、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とアスファルトとを含んでいる防水層用の接着材を提供することによって、上記の課題を解決するものである。
本発明の防水層の構築方法は、典型的には、道路橋等で用いられるコンクリート床版、PCコンクリート床版、或いは鋼床版などの床版上に防水層を構築する方法として有用であるが、本発明の防水層の構築方法が対象とする施工面は床版に限られず、本発明の構築方法はその上に防水層を構築することが必要とされる全ての施工面を対象とするものである。
本発明の防水層の構築方法によれば、疲労抵抗性が大きく、かつ、施工が容易なポリウレア系の防水材を用いて、アスファルト混合物層との接着性に優れ、高い耐久性を有する防水層を構築することができるという利点が得られる。また、本発明の構築方法によって構築される防水層は、床版の撓みにも良く追従し、大きな撓みが予想される床版上に構築された場合でも、耐久性が高く、長期にわたって防水性機能を発揮するという利点を有している。さらに、本発明の防水層用の防水材及び接着材は、互いに隣接する層との接着性に優れ、耐久性に優れた防水層を構築することができるという利点を備えている。
本発明の構築方法によって構築される防水層を備えた舗装体の一例を示す断面図である。 本発明の構築方法によって構築される防水層を備えた舗装体の他の一例を示す断面図である。 熱可塑性樹脂の添加量を変化させたときの引張接着強度を示す図である。 熱可塑性樹脂の添加量を変化させたときの引張接着強度を示す図である。
以下、まず本発明の防水層の構築方法で用いる材料について説明する。
1.防水材
本発明の防水層の構築方法で用いられる防水材は、基本的に、ポリウレア樹脂であるか、ポリウレア樹脂を含むものである。ポリウレア樹脂とは、良く知られているとおり、イソシアネート基とアミノ基との化学反応によって形成されるウレア結合が主体となった化合物である。本発明においては、ポリイソシアネートを含む主液とポリアミンを含む硬化液とを施工現場で混合して反応硬化させる二液硬化型のポリウレア樹脂が好適に用いられる。なお、ポリイソシアネートの種類に特段の制限はなく、通常、ポリウレア樹脂の主液として用いられているものを適宜使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香環含有脂肪族ポリイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートを好適に使用することができる。また、ポリアミンの種類にも特段の制限はなく、通常、ポリウレア樹脂の硬化液として用いられているものを適宜使用することができ、例えば、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミンを好適に使用することができる。主液と硬化液との混合比率は、主液に含まれるイソシアネート基と硬化液に含まれるアミノ基の比率に基づいて定められ、通常、イソシアネート基1個に対しアミノ基0.3〜2個、好ましくは0.5〜1個の範囲である。
本発明において防水材として用いられるポリウレア樹脂は、ポリイソシアネートとポリアミンとを反応させて得られる通常のポリウレア樹脂であっても良いが、好ましくは、ポリイソシアネート及びポリアミンに加えて、粘着付与剤、オイル、アスファルトから選ばれる他の成分を配合するのが良い。これらの他の成分が配合される場合には、形成される防水材の層の柔軟性が高まり、疲労抵抗性が増すので好ましい。
粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン系水素添加樹脂、テルペンフェノール共重合体樹脂、クマロンインデンスチレン共重合体樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、クマロン樹脂、及びスチレン樹脂から選ばれる樹脂を用いるのが好ましく、これらの樹脂はその2種以上を組み合わせて用いても良い。
オイルとしては、例えば、こめ油、大豆油、亜麻仁油、桐油、ひまし油、やし油、サフラワー油、トール油から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、アスファルトとしては、例えば、ストレートアスファルトや、ポリマー改質アスファルトなどの改質アスファルト、ブローンアスファルトなどを好適に用いることができる。
防水材として上述した二液硬化型のポリウレア樹脂を用いる場合、上記他の成分は、ポリアミンを含む硬化液に混合して用いるのが好ましい。
また、上記他の成分は、形成される防水材層の柔軟性を高め、疲労抵抗性を増す効果を有しているので、わずかでも存在していればそれなりの効果が期待されるが、形成される防水材の層に充分な柔軟性と充分な疲労抵抗性を与えるには、硬化液中に含まれる上記他の成分の量は、ポリアミンと前記他の成分との合計を100質量部としたときに、ポリアミン15〜45質量部に対して上記他の成分が85〜55質量部の割合であるのが好ましい。ポリアミンに対する上記他の成分の割合が上記範囲を下回ると、決して使用できないという訳ではないが、形成される防水材の層は柔軟性及び疲労抵抗性に劣り、脆くなるという不都合がある。逆に、ポリアミンに対する上記他の成分の割合が上記範囲を上回ると、決して使用できないという訳ではないが、形成される防水材の層が柔らかくなり過ぎて、かえって耐久性に劣るという不都合がある。
また、上記他の成分を構成する粘着付与剤、オイル、及びアスファルトの割合は、粘着付与剤30〜100質量%、オイル0〜70質量%、アスファルト0〜15質量%の範囲にあるのが好ましい。つまり、他の成分として粘着付与剤は必須であるが、用いられる粘着付与剤の最大70質量%は、オイル及び/又はアスファルトで置換可能である。ただし、オイルとアスファルトは用いても良いし用いなくても良い任意成分である。因みに、粘着付与剤の70質量%超がオイル及び/又はアスファルトで置換された場合には、形成される防水材の層が柔らかくなり過ぎて、耐久性に劣る恐れがある。
2.接着材
本発明の防水層の構築方法で用いられる接着材は、アスファルトと、前記防水材に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とを含んでいる。
ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基とは、例えば、アミノ基又はエポキシ基又はカルボキシル基である。アミノ基はポリイソシアネートと化学的に反応してウレア結合を形成する。また、エポキシ基及びカルボキシル基は、ポリアミンと反応して化学的に結合する。なお、アミノ基とエポキシ基又はカルボキシル基とが一つの硬化液中に存在すると両者が反応してしまうので、アミノ基を有する熱可塑性樹脂と、エポキシ基又はカルボキシル基を有する熱可塑性樹脂とは、そのいずれか一方のみを用いるのが好ましい。
ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂としては、基本的には、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有することができる限り、どのような熱可塑性樹脂を用いても良いが、SEBS(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)、SBS(スチレンブタジエンブロック共重合体)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体)、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、PE(ポリエチレン)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、PA(ポリアミド)などが用いられ、中でも、SBS、SEBS、SEPSなどが好適に用いられる。
これらの熱可塑性樹脂にポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を導入する方法にも特に制限はないが、例えば、上述したような熱可塑性樹脂を、アミノ基やエポキシ基、カルボキシル基などのポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基で変性することによって導入することができ、市販品がある場合には市販品を用いても良い。
本発明で用いる接着材に配合するアスファルトとしては、接着材層の上に舗設されるアスファルト混合物に含まれるアスファルトとの親和性が良いものであれば、基本的にどのような種類のアスファルトを使用しても良いが、ストレートアスファルト又は人工アスファルト、若しくはその両者の混合物を用いるのが好ましい。人工アスファルトとは、石油樹脂とオイルとを、質量比で、石油樹脂:オイル=80:20〜20:80の割合、好ましくは50:50の割合で混合したものである。オイルとしては、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイルが使用でき、石油樹脂としては、芳香族系、脂肪族系、脂肪族芳香族系、クマロン系、インデン系、スチレン系、クマロンインデンスチレン系、脂環族系、テルペン系、テルペンフェノール系、ロジン系の石油樹脂を使用することができる。ストレートアスファルトと人工アスファルトとは、それぞれを単独で用いても良いし、両者を混合して用いても良い。
接着材に配合されるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とアスファルトの割合は、アスファルト100質量部に対して、上記熱可塑性樹脂が10〜50質量部の範囲であるのが好ましく、20〜40質量部の範囲であるのがより好ましい。ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量が10質量部未満になると、防水材中のポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基の量が少なくなり、防水材の層と接着材の層との間で充分な接着力が得られない恐れがある。一方、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量が50質量部を超えると、アスファルトの相対量が少なくなり、その上に舗設されるアスファルト混合物との接着力が劣る恐れがある。なお、上記のアスファルト100質量部とは、アスファルト又は人工アスファルトを単独で用いる場合には、アスファルト又は人工アスファルト100質量部を意味し、アスファルトと人工アスファルトを混合して併用する場合には、両者の合計で100質量部を意味している。
なお、接着材に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂は、その一部をポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有さない同種又は異種の熱可塑性樹脂で置き換えても良い。置き換え可能な量は、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂10〜50質量部の内、好適には0〜40質量部であり、より好適には0〜30質量部である。ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有さない熱可塑性樹脂の量が最大でも40質量部である場合には、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂が最低でも10質量部存在することになり、防水材の層との間に必要な接着力を確保することができる。
以下、図面を用いて本発明による防水層の構築方法について説明する。図1は、本発明の構築方法によって構築される防水層を備えた舗装体の一例を示す断面図である。図1において、1は床版、2はプライマー、3は防水材の層、4は接着材の層であり、プライマー2、防水材の層3、及び接着材の層4によって防水層5が形成されている。6はアスファルト混合物などを舗設して形成される舗装である。
床版1上に防水層を構築するには、まず、床版1の表面を清掃後、プライマーを塗布し、床版1上にプライマー層2を形成する。プライマーとしては、ポリウレア樹脂を含む防水材の層3を床版1に接着させることができる限り、どのような材料を使用しても良く、例えば、未硬化ポリウレア系樹脂やエポキシ樹脂がプライマーとして好適に用いられる。なお、本発明の防水層の構築方法が対象とする施工面が床版に限られないことは前述したとおりであり、床版1に代表される施工面の状態によっては、プライマー層2は省略しても良い。
プライマー層2の形成後、その上に防水材の層3を形成する。防水材が、二液硬化型のポリウレア樹脂を含むものである場合には、ポリイソシアネートを含む主液と、ポリアミン及び場合によっては前記他の成分を含む硬化液との二種の液体を同時又は相前後してプライマー層2の上に塗布又は散布して両液を反応させ、防水材の層3を形成する。このように、本発明の構築方法においては、防水材の層3は、防水材をプライマー層2の上に塗布又は散布することによって形成されるので、シート状の防水材を用いる場合に比べて施工が簡単であり、形成される防水材の層3の幅や長さにも特段の制限はない。所期の防水効果が得られる限り、防水材の層3の厚みにも特段の制限はないが、通常、0.5mm〜5.0mm程度の厚みに形成するのが好ましく、1.0mm〜2.0mm程度の厚みであるのがより好ましい。
防水材の層3が形成されると、その上に接着材を塗布又は散布して、接着材の層4を形成する。斯くして、プライマー2、防水材の層3、及び接着材の層4からなる防水層5が形成される。接着材の層4の形成後、必要に応じて珪砂などの砂を散布した後、その上にアスファルト混合物を舗設して舗装6を形成する。使用するアスファルト混合物は、硬化してアスファルト舗装を形成できるものであればどのような混合物であっても良く、密粒度、開粒度、いずれのタイプの混合物も使用することができる。ただし、接着材の層4に含まれるアスファルト成分と熱溶着する必要上からは加熱型のアスファルト混合物であるのが好ましい。
上記のようにして、床版1上に、プライマー層2、防水材の層3、接着材の層4、及び舗装6が順次積層され、プライマー層2、防水材の層3、接着材の層4からなる防水層5を備えた舗装体が構築される。斯くして構築される本発明の防水層5は、防水材の層3と舗装6との接着強度が大きく、耐久性に優れた防水層である。なお、本発明の防水層において、防水材の層3と舗装6との間に大きな接着強度が得られる理由は、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂が接着材の層4に含まれており、斯かる基が、防水材の層3に含まれているポリイソシアネート又はポリアミンと化学的に反応し、防水材の層3と接着材の層4とが化学結合によって結合されることに加えて、接着材の層3に含まれるアスファルト成分と舗装6に含まれるアスファルト成分とが互いに熱溶着して結合するためではないかと推測される。
図2は、本発明の構築方法によって構築される防水層を備えた舗装体の他の一例を示す断面図である。図2において、7は床版1の高欄部、8は端部保護材であり、その他、図1におけると同じ部材には同じ符合を付してある。図2に示される舗装体においては、床版1の上面はもとより、高欄部7にもプライマー及び防水材が塗布され、プライマー層2及び防水材の層3が床版1の高欄部7にまで延在している。防水材の層3が高欄部7まで延在している場合には、高欄部7と舗装層6との継ぎ目部分から雨水等が浸透するのを効果的に防止することができ、より高い防水効果をもたらすことが可能となる。なお、端部保護材8は、高欄部7まで延在し露出している防水材の層3を保護するために防水材の層3上に適宜塗布される保護材である。
以下、実験を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
<実験1>
下記の材料を用いて防水層を備えた舗装体を構築し、接着材に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量が防水層の接着強度に与える影響を調べた。
A.プライマー
・エポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)
B.防水材
下記主液と硬化液とを質量比で1:1で混合し、防水材とした。なお、下記主液と硬化液とを1:1の質量比で混合した場合、主液のポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基の個数と、硬化液に含まれるアミノ基の個数の比率は約1:1となる。
(主液)
・ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量20質量%) 100質量部
(硬化液)
・ポリアミン 20質量部
・他の成分
粘着付与剤(インデン樹脂) 60質量部
オイル(ヒマシ油) 20質量部
C.接着材
・アスファルト(ストレートアスファルト(60/80)) 100質量部
・イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂(アミノ基変性SEBS)
0、5、10、15、20、25、30、40、50、又は60質量部
D.アスファルト混合物
・砕石マスチックアスファルト(SMA)(配合を下記表1に示す。)
Figure 0006334126
E.試験方法
試験用のコンクリート床版(30cm×30cm×6cm)の表面を清掃し、床版表面上にプライマーを塗布した。プライマーの乾燥後、プライマー層上に上記防水材を散布して厚さ約1.5mmの防水材の層を形成した。次いで、アスファルト100質量部からなり、アミノ基変性SEBSを含まない(アミノ基変性SEBS含有量0質量部)接着材を塗布し、さらにその上にアスファルト混合物を舗設して、試験用舗装体1を作成した。なお、アスファルト混合物舗設時の転圧温度は140℃であった。接着材に含まれるアミノ基変性SEBSの量を、それぞれ5、10、15、20、25、30、40、50、60質量部に代えた以外は上記と同様にして、試験用舗装体2〜10を作成した。作成した試験用舗装体1〜10を、養生後、引張試験に供し、床版と舗装との間の接着強度を調べた。引張試験は、供試体の両面にエポキシ接着剤を用いて金属製の治具を取り付け、それらの治具を万能試験機(INSTRON 8501)を用いて互いの間隔が離れる方向に引っ張り、供試体が破壊した時点の強度をもって引張接着強度とした。なお、各試験用舗装体あたり3個の供試体を調製して引張試験に供し、得られた3個の測定値を平均して各試験用舗装体の引張接着強度とした。対照として、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材(三菱樹脂グループ製、商品名「ノバレタン」)を用い、接着材として「TCバインダ」、接着材層上に敷設する接着用の穴あきシートとして「TCコート」を用いた以外は上記と同様にして、対照舗装体1を作成し、上記と同様に引張試験に供して床版と舗装との間の接着強度を調べた。結果を図3に示す。なお、いずれの試験用舗装体及び対照舗装体1も、防水材の層と舗装との界面で破断した。
図3に示されるとおり、イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂であるアミノ基変性SEBSの添加量が0質量部の場合には、0.5N/mmという比較的低い引張接着強度しか得られないが、アミノ基変性SEBSの添加量が5質量部になると引張接着強度は約0.92N/mmに上昇した。アミノ基変性SEBSの添加量が10質量部では引張接着強度は約1.1N/mmに上昇し、対照として用いた従来のウレタン系防水材とほぼ同等の引張接着強度を示した。アミノ基変性SEBSの添加量が15質量部になると引張接着強度は約1.2N/mmに上昇し、対照として用いた従来のウレタン系防水材の引張接着強度を凌駕した。その後も、イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂であるアミノ基変性SEBSの添加量が増えるに連れて引張接着強度は上昇し、添加量が20質量部になると引張接着強度は約1.4N/mmに達し、添加量が40質量部まではほぼ一定の引張接着強度を示した。アミノ基変性SEBSの添加量が更に増えて50質量部になると、引張接着強度は約1.3N/mmにやや低下する傾向を示し、60質量部になると、対照として用いた従来のウレタン系防水材の引張接着強度を下回る結果となった。これらの結果から、イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂の添加量は、アスファルト100質量部に対して、10〜50質量部の範囲が好ましく、20〜40質量部の範囲がより好ましいことが分かった。
<実験2>
アミノ基変性SEBSをカルボシキル基変性SEBSに置き換えた以外は実験1と同様にして防水層を備えた試験用舗装体11〜20を作成し、実験1と同様の引張試験に供して、各試験用舗装体の引張接着強度を調べた。なお、いずれの試験用舗装体も防水材の層と舗装との界面で破断した。結果を図4に示す。なお、実験1において作成した対照舗装体1の引張接着強度も併せて図4に示すが、この値は図2に示した値を転写したものである。
図4に示されるとおり、ポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂であるカルボキシル基変性SEBSの添加量が0質量部の場合には、0.55N/mmという比較的低い引張接着強度しか得られないが、カルボキシル基変性SEBSの添加量が5質量部になると引張接着強度は約0.90N/mmに上昇した。カルボキシル基変性SEBSの添加量が10質量部では引張接着強度は約1.15N/mmに上昇し、対照として用いた従来のウレタン系防水材とほぼ同等の引張接着強度を示した。カルボキシル基変性SEBSの添加量が15質量部になると引張接着強度は約1.25N/mmに上昇し、対照として用いた従来のウレタン系防水材の引張接着強度を凌駕した。その後も、ポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂であるカルボキシル基変性SEBSの添加量が増えるに連れて引張接着強度は上昇し、添加量が20質量部になると引張接着強度は約1.35N/mmに、また、添加量が25質量部になると引張接着強度は約1.5N/mmに達した。カルボキシル基変性SEBSの添加量が更に増えて50質量部になると、引張接着強度は約1.05N/mmにやや低下する傾向を示し、60質量部になると、対照として用いた従来のウレタン系防水材の引張接着強度を下回る結果となった。これらの結果から、ポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂の添加量は、イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂と同様に、アスファルト100質量部に対して、10〜50質量部の範囲が好ましく、20〜40質量部の範囲がより好ましいことが分かった。
<実験3>
下記の材料を用いて防水層を備えた舗装体を構築し、防水材の硬化液に含まれるポリアミンの量が防水層の接着強度に与える影響を調べた。
A.プライマー
・実験1におけると同じエポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)を用いた。
B.防水材
下記主液と硬化液とを質量比で1:1で混合し、防水材とした。
(主液)
・ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量20質量%)
(硬化液)
実験1で用いたのと同じポリアミン、粘着付与剤(テルペン樹脂)、及びオイル(ひまし油)に加えて、ストレートアスファルト(60/80)を下記表2に示す配合割合で混合し、ポリアミン含量の異なる8種類の硬化液(配合1〜配合8)を製造した。
Figure 0006334126
C.接着材
実験1で用いたのと同じアスファルト、及びアミノ基変性SEBS(イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂)に加え、オイル(アロマ系オイル)、石油樹脂(芳香族系石油樹脂)、EVA、SEBS、及びはく離防止剤を下記表3に示す配合割合で混合し、接着材とした。なお、オイルと石油樹脂とは上述した人工アスファルトを構成している。したがって、下記表3に示す接着材はアスファルトと人工アスファルトの混合物であり、アスファルトと人工アスファルトの両者の合計を100質量部とすると、イソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂であるアミノ基変性SEBSの配合量は20質量部となる。SEBS及びEVAはアミノ基変性SEBSの一部を置き換える熱可塑性樹脂として使用した。また、はく離防止剤は任意添加成分であり、塗布された接着材の耐水性を向上させるために配合されているものである。
Figure 0006334126
D.アスファルト混合物
・実験1で用いたのと同じ砕石マスチックアスファルト(SMA)を用いた。
上記材料を用い、使用する硬化液の配合を表2に示す配合1から配合8まで変更した以外は実験1と同様にして8種類の試験用舗装体21〜28を作成した。作成した試験用舗装体21〜28を実験1と同様の引張試験に供し、各試験用舗装体の引張接着強度を調べた。なお、いずれの試験用舗装体も防水材の層と舗装との界面で破断した。結果を下記表4に示す。なお、実験1において作成した対照舗装体1の引張接着強度も併せて表4に示すが、この値は図2に示した値を転写したものである。
Figure 0006334126
表4に示すとおり、配合2〜配合6(ポリアミン含量が15質量%〜45質量%)の硬化液を使用して製造された試験用舗装体22〜26の引張接着強度は、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度である1.1N/mm以上となり、特に、配合3〜配合6(ポリアミン含量が20質量%〜45質量%)の硬化液を使用して製造された試験用舗装体13〜16は1.2N/mm以上という優れた引張接着強度を示した。
これに対し、配合7(ポリアミン含量が50質量%)の硬化液を使用して製造された試験用舗装体27の引張接着強度は、0.95N/mmに低下し、対照として用いた従来のウレタン系防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度を下回る結果となった。この結果は、硬化液に含まれるポリアミンの量が45質量%を上回り、粘着付与剤やオイル、アスファルトなどの他の成分の合計が55質量%未満になると、引張接着強度が低下し、好ましくないことを示している。また、配合1(ポリアミン含量が10質量%)の硬化液を使用して製造された試験用舗装体21の引張接着強度は、0.89N/mmと低く、対照として用いた従来のウレタン系防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度を下回る結果となった。この結果は、硬化液に含まれるポリアミンの量が15質量%を下回り、粘着付与剤やオイル、アスファルトなどの他の成分の割合が85質量%超にまで増加すると、引張接着強度はやはり低下し、好ましくないことを示している。これらの結果から、防水材の硬化液には、ポリアミンだけではなく、粘着付与剤やオイルなどの他の成分を共存させる方が好ましく、その量は、ポリアミンと他の成分の合計量を100質量部とした場合に、(ポリアミン:他の成分)が15:85〜45:55の範囲が好ましく、20:80〜45:55の範囲がより好ましいと結論された。
<実験4>
実験3で、硬化液に含まれるポリアミンの量は20質量%〜45質量%の範囲が特に好ましいことが分かったので、硬化液におけるポリアミンの含量を20質量%、30質量%、40質量%に変化させ、接着材に含まれる、イソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量が防水層の接着強度に与える影響を調べた。使用した材料は以下のとおり。
A.プライマー
・実験1におけると同じエポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)を用いた。
B.防水材
下記主液と硬化液とを質量比で1:1で混合し、防水材とした。
(主液)
・ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量20質量%)
(硬化液)
実験2で製造した配合3(ポリアミン含量20質量%)、配合4(ポリアミン含量30質量%)、及び配合5(ポリアミン含量40質量%)の硬化液を用いた。
C.接着材
実験3で用いた接着材と基本的な配合組成を同じくし、アミノ基変性SEBSの配合量を下記表5に示すように、アスファルト成分(アスファルト+人工アスファルト)100質量部に対して、0、5.0、10.0、20.0、30.0、40.0、50.0、及び60.0質量部に変化させて、アミノ基変性SEBS含量の異なる8種類(配合A〜配合H)の接着材を製造した。
Figure 0006334126
D.アスファルト混合物
・実験1で用いたのと同じ砕石マスチックアスファルト(SMA)を用いた。
上記材料を用い、使用する硬化液の配合を配合3から配合5まで変化させるとともに、接着材の配合を配合Aから配合Hまで変化させた以外は実験1と同様にして、3種類の硬化液×8種類の接着材の組み合わせで合計24種類の試験用舗装体29〜52を作成した。作成した試験用舗装体29〜52を実験1と同様の引張試験に供し、各試験用舗装体の引張接着強度を調べた。なお、いずれの試験用舗装体も防水材の層と舗装との界面で破断した。結果を下記表6(硬化液の配合3)、表7(硬化液の配合4)、及び表8(硬化液の配合5)に示す。なお、実験1において作成した対照舗装体1の引張接着強度も併せて表6〜8に示すが、この値は図2に示した値を転写したものである。
Figure 0006334126
Figure 0006334126
Figure 0006334126
表6に示されるとおり、硬化液に含まれるポリアミン含量が20質量%の場合には、配合C〜配合G(アミノ基変性SEBS含量が10質量%〜50質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体31〜35の引張接着強度は、1.15N/mm以上となり、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度を上回った。特に、配合D〜配合G(アミノ基変性SEBS含量が20質量%〜50質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体32〜35の引張接着強度は、1.27N/mm以上となり、高い引張接着強度を示した。
また、表7に示されるとおり、硬化液に含まれるポリアミン含量が30質量%の場合には、配合C〜配合G(アミノ基変性SEBS含量が10質量%〜50質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体39〜43の引張接着強度は、1.11N/mm以上となり、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度を上回った。特に、配合D〜配合G(アミノ基変性SEBS含量が20質量%〜50質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体40〜43の引張接着強度は、1.25N/mm以上となり、高い引張接着強度を示した。
さらに、表8に示されるとおり、硬化液に含まれるポリアミン含量が40質量%の場合には、配合C〜配合G(アミノ基変性SEBS含量が10質量%〜50質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体47〜51の引張接着強度は、1.1N/mm以上となり、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材を用いて製造された対照舗装体1の引張接着強度とほぼ同等かそれ以上であった。特に、配合D〜配合F(アミノ基変性SEBS含量が20質量%〜40質量%)の接着材を使用して製造された試験用舗装体48〜50の引張接着強度は、1.25N/mm以上となり、高い引張接着強度を示した。
以上の結果から、防水材を構成する硬化液に含まれるポリアミン含量が20質量%〜40質量%の範囲で変化する場合であっても、接着材に含まれるアミノ基変性SEBS、つまり、ポリイソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量は10質量%〜50質量%の範囲が好ましく、20質量%〜40質量%の範囲がより好ましいとの結論が得られた。また、接着材中に含まれる、ポリイソシアネートと反応する基を有する熱可塑性樹脂の量は10質量%〜50質量%の範囲が好ましく、20質量%〜40質量%の範囲がより好ましいとの実験1及び実験2で得られた結論は、接着材中のアスファルトとしてアスファルトと人工アスファルトの混合物を使用する本実験においても、妥当なものであることが確認された。
<実験5>
下記の材料を用いて、防水材の主材におけるイソシアネート基の含量の違いが防水層の接着強度に与える影響を調べた。使用した材料は以下のとおり。
A.プライマー
・実験1で用いたのと同じエポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)を用いた。
B.防水材
下記主液と硬化液とを質量比で1:1で混合し、防水材とした。
(主液)
・ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量が20質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%と異なる7種類のポリイソシアネート、配合(1)〜(7)を用いた。)
(硬化液)
実験3で製造した配合3(ポリアミン含量20質量%)の硬化液を用いた。
C.接着材
実験4で製造した配合D(アミノ基変性SEBS含有量20質量%)を用いた。
D.アスファルト混合物
・実験1で用いたのと同じ砕石マスチックアスファルト(SMA)を用いた。
上記材料を用い、防水材の主液として使用するポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基の含有量を配合(1)から配合(7)まで(20質量%から80質量%まで)変化させた以外は実験1と同様にして7種類の試験用舗装体53〜59を作成した。作成した試験用舗装体53〜59を実験1と同様の引張試験に供し、各試験用舗装体の引張接着強度を調べた。なお、いずれの試験用舗装体も防水材の層と舗装との界面で破断した。結果を下記表9に示す。なお、実験1において作成した対照舗装体1の引張接着強度も併せて表9に示すが、この値は図2に示した値を転写したものである。
Figure 0006334126
表9に示されるとおり、主液に含まれ反応に関与するイソシアネート基の含量が配合(1)から配合(7)へと増加するに連れて、得られる試験用舗装体53〜59の引張接着強度は徐々に低下し、イソシアネート基含量が40質量%(配合(3))を超えて50質量%(配合(4))になると、対照舗装体1の引張接着強度である1.1N/mmを下回り、60質量%(配合(5))を超えて70質量%(配合(6))になると、1.0N/mm未満となった。以上の結果は、防水材を構成する主液に含まれるイソシアネート基の含量は、20質量%以上40質量%以下が好ましく、多くとも、60質量%以下が好ましいことを示している。
<実験6>
下記の材料を用いて防水層を備えた舗装体を構築し、アスファルト混合物の転圧温度が、防水層とアスファルト混合物層との接着強度に与える影響を調べた。使用した材料は以下のとおり。
A.プライマー
・実験1で用いたのと同じエポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)を用いた。
B.防水材
下記主液と硬化液とを質量比で1:1で混合し、防水材とした。
(主液)
・ポリイソシアネート(イソシアネート基含有量20質量%)
(硬化液)
実験3で製造した配合3(ポリアミン含量20質量%)の硬化液を用いた。
C.接着材
実験4で用いた配合D(アミノ基変性SEBS含量20質量%)の接着材を用いた。
D.アスファルト混合物
・実験1で用いたのと同じ砕石マスチックアスファルト(SMA)を用いた。
上記材料を用いた以外は実験1と同様にして、防水層上にアスファルト混合物を舗設する際の転圧温度を140℃として試験用舗装体60を作成するとともに、転圧温度を110℃に変えた以外は同様にして試験用舗装体61を作成した。対照として、実験1で用いたのと同じウレタン樹脂を用いた市販の防水材(三菱樹脂グループ製、商品名「ノバレタン」)を用い、接着材として「TCバインダ」、接着材層上に敷設する接着用の穴あきシートとして「TCコート」を用いた以外は上記と同様にして、アスファルト混合物の舗設時の転圧温度を140℃、110℃とした場合の対照舗装体2及び対照舗装体3を作成した。試験用舗装体60、61及び対照舗装体2、3を実験1と同様の引張試験に供して床版と舗装との間の接着強度を調べた。結果を表10に示す。なお、いずれの試験用舗装体及び対照舗装体も、防水材の層と舗装との界面で破断した。
Figure 0006334126
表10に示すとおり、ウレタン樹脂を用いた市販の防水材を用いて防水層を構築した対照舗装体は、転圧温度が140℃と高い場合には、1.1N/mm(対照舗装体2)と比較的高い引張接着強度を示したが、転圧温度が110℃に低下すると、引張接着強度も約0.8N/mm(対照舗装体3)まで低下した。これに対し、本発明の防水材及び接着材を用いて防水層を構築した舗装体は、転圧温度が140℃のとき(試験用舗装体60)はもとより、転圧温度が110℃に低下した場合(試験用舗装体61)でも1.3N/mm以上という比較的高い引張接着強度を示し、本発明の防水材及び接着材を用いて防水層を構築する場合には、アスファルト混合物を110℃という比較的低い転圧温度で舗設しても、アスファルト混合物との接着性、一体性に優れ、耐久性に優れた防水層を構築することができることが確認された。因みに、転圧温度が低くても良いということは、舗設時におけるアスファルト混合物の加熱温度を低くすることができることを意味し、加熱に要するエネルギーを低減し、COの発生量を削減することができることは勿論、舗設時や転圧作業時における作業員の危険度を低くすることができるという利点がもたらされる。
<実験7>
下記材料を用いて防水層を備えた舗装体を構築し、水に浸漬した状態でトラバース荷重を掛け、水浸状態での防水層の耐久性を試験した。
実験6で用いたのと同じ材料を使用し、転圧温度を140℃として、床版上に防水層を備えた舗装体を構築し、試験用舗装体62とした。
試験用舗装体62を、防水層の上2cmまで水温50℃の水に浸漬した状態で、アスファルト混合物層の上に、輪荷重686±10N、走行速度42±1回/分、トラバース速度10cm/分、トラバース幅25cmで荷重輪を6時間又は24時間走行させ、走行後、水から取り出して、実験1と同様に引張試験に供し、床版と舗装との間の接着強度を調べた。結果を、走行0時間(水浸漬状態でのトラバース荷重なし)の結果とともに、表11に示す。なお、いずれの試験用舗装体も、防水材の層と舗装との界面で破断した。
Figure 0006334126
表11に示すとおり、本発明の防水材及び接着材を用いて防水層を構築した試験用舗装体62では、当初は1.38N/mmあった引張接着強度が、水浸状態で6時間のトラバース荷重を負荷すると、逆に、1.60N/mmまで上昇し、24時間でも1.37N/mmと、水浸トラバース荷重の負荷前とほぼ同等の引張接着強度を保持していた。この結果は、本発明の防水材及び接着材を用いて構築された防水層は、降雨時等においても、アスファルト混合物層との高い接着性、一体性を保ち、耐久性に優れていることを示すものである。
工場構内に設置した試験施工用のコンクリート床版上に、以下の手順で、本発明の防水層を備えた舗装体を構築した。
(1)コンクリート床版上に実験1で用いたのと同じプライマー(エポキシ樹脂系プライマー(商品名「HQプライマAU」、ニチレキ株式会社製)を、0.125kg/mの割合で刷毛で塗布した。
(2)プライマーが指触で乾燥した後に防水材を1.5kg/mの割合で散布した。用いた防水材は、質量比で主液:硬化液=100:100で、主液はポリイソシアネート(イソシアネート基含有量20質量%)、硬化液は、ポリアミン、ストレートアスファルト、粘着付与剤(インデン樹脂)、及びオイル(ヒマシ油)を、質量比で20:5:65:10の割合で配合したものを用いた。
(3)防水材の散布後、実験1で用いたのと同じ接着材を0.8kg/mの割合で塗布し、さらに、その上に、4号硅砂を0.7kg/mの割合で散布した。
(4)上記接着材及び珪砂の上に実験1で用いたのと同じ加熱アスファルト混合物(砕石マスチックアスファルト)を舗設した。
以上のようにして構築された本発明の防水層を備えた舗装体は、防水層とアスファルト混合物層との接着性に優れ、防水層が長期にわたって高い防水性能を発揮する優れた舗装体である。
以上説明したとおり、本発明の防水層の構築方法によれば、施工が容易で防水性に優れたポリウレア樹脂系の防水材を使用して、舗装との接着性に優れ、耐久性の良い防水層を構築することができる。斯かる本発明の構築方法は、本発明の防水層用の防水材及び防水層用の接着材を組み合わせて使用することによって実現されるものである。長期にわたって優れた防水性を発揮する防水層を容易に構築することを可能にする本発明は、特に、PC橋やその他の道路橋における床版防水に有効であり、極めて有用な産業上の利用可能性を有するものである。
1 床版
2 プライマー層
3 防水材の層
4 接着材の層
5 防水層
6 舗装
7 高欄部
8 端部保護材

Claims (9)

  1. 施工面上に防水材の層を形成する工程、前記防水材の層の上に接着材の層を形成する工程を含み、前記防水材がポリウレア樹脂を含み、前記接着材が前記ポリウレア樹脂に含まれるポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とアスファルトとを含み、前記熱可塑性樹脂と前記アスファルトの割合が、アスファルト100質量部に対して、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂を10〜50質量部の割合であることを特徴とする防水層の構築方法。
  2. 前記防水材において、前記ポリウレア樹脂が主液と硬化液とを反応させる二液硬化型のポリウレア樹脂であり、前記主液がポリイソシアネートを含み、前記硬化液がポリアミンと他の成分を含み、ポリアミンと前記他の成分との割合が、ポリアミンと前記他の成分との合計を100質量部としたときに、ポリアミン15〜45質量部に対して前記他の成分が85〜55質量部の割合であり、前記他の成分が粘着付与剤30〜100質量%、オイル0〜70質量%、及びアスファルト0〜15質量%からなる請求項1記載の防水層の構築方法。
  3. 前記粘着付与剤が、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン系水素添加樹脂、テルペンフェノール共重合体樹脂、クマロンインデンスチレン共重合体樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、クマロン樹脂、及びスチレン樹脂から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載の防水層の構築方法。
  4. 前記接着材において、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する前記基がアミノ基又はエポキシ基若しくはカルボキシル基であり、前記熱可塑性樹脂がアミノ基又はエポキシ基若しくはカルボキシル基で変性された熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の防水層の構築方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の防水層の構築方法によって構築された防水層。
  6. 主液と硬化液とを反応させる二液硬化型のポリウレア樹脂を含み、前記主液がポリイソシアネートを含み、前記硬化液がポリアミンと他の成分を含み、ポリアミンと前記他の成分との割合が、ポリアミンと前記他の成分との合計を100質量部としたときに、ポリアミン15〜45質量部に対して前記他の成分が85〜55質量部の割合であり、前記他の成分が粘着付与剤30〜100質量%、オイル0〜70質量%、及びアスファルト0〜15質量%からなる防水層用防水材。
  7. 前記粘着付与剤が、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン系水素添加樹脂、テルペンフェノール共重合体樹脂、クマロンインデンスチレン共重合体樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、クマロン樹脂、及びスチレン樹脂から選ばれる1種又は2種以上である請求項記載の防水層用防水材。
  8. ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂とアスファルトとを含み、前記熱可塑性樹脂と前記アスファルトの割合が、アスファルト100質量部に対して、ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する基を有する熱可塑性樹脂を10〜50質量部の割合であることを特徴とする防水層用接着材。
  9. ポリイソシアネート又はポリアミンと反応する前記基がアミノ基、エポキシ基、又はカルボキシル基であり、前記熱可塑性樹脂が、アミノ基、エポキシ基、又はカルボキシル基で変性された熱可塑性樹脂である請求項8記載の防水層用接着材。
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