JP2014177769A - 床版用防水部材、床版防水構造、及び床版防水構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間に床版防水構造の施工を可能とする床版用防水部材を提供する。
【解決手段】床版1とアスファルト舗装体2との間に設ける床版用防水部材3であって、床版1上に形成されるプライマー樹脂層4と、プライマー樹脂層4上に形成されるウレタン系樹脂を含む防水層5と、防水層5上に形成される熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹層6と、を有し、熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、床版用防水部材3とする。
【選択図】図1
【解決手段】床版1とアスファルト舗装体2との間に設ける床版用防水部材3であって、床版1上に形成されるプライマー樹脂層4と、プライマー樹脂層4上に形成されるウレタン系樹脂を含む防水層5と、防水層5上に形成される熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹層6と、を有し、熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、床版用防水部材3とする。
【選択図】図1
Description
本発明は新規な床版用防水部材、該床版用防水部材を備えた床版防水構造、および該床版防水構造の施工方法に関する。
近年、橋梁等のコンクリート床版では、雨水等の水分が侵入することによる劣化亀裂の問題が生じることが言われている。そのため、床版上に防水層を介してアスファルト舗装材を設けた床版防水構造とすることが一般的である。従来は防水層としても舗装材と同じアスファルト系のものを用いることが一般的であった。この場合、舗装材と防水層とが同種のアスファルト系の素材であり、両者の接着性が良好であるという利点を有する。しかしながら、アスファルト系防水層は耐久性に問題があると言われている。
そこで、アスファルト系防水層に代わる防水層として、高温(50℃以上)で強度を維持しつつ、低温(−30℃以下)では弾性を維持する熱硬化性樹脂を塗布して形成した樹脂塗膜防水層などが注目されている。しかしながら、当該樹脂塗膜防水層はアスファルト舗装体との接合性が不十分であるという問題や、アスファルト舗装体との接合を行うための接着層を設ける際の施工性が悪い等の問題があった。
例えば、上記従来の樹脂塗膜防水層を用いる工法として、ウレタン系樹脂を含む樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体とを接合するために、熱可塑性樹脂の粉末やペレットを樹脂塗膜防水層の表面に散布する方法が試みられていた。しかしながら、アスファルト舗装体を舗設するためにトラックやフィニシャーが面上を走行するとき、熱可塑性樹脂の飛散や偏りが生じ、表面に熱可塑性樹脂を均一に分散させにくく、結果として樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体とが十分に接合されにくかった。
例えば、上記従来の樹脂塗膜防水層を用いる工法として、ウレタン系樹脂を含む樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体とを接合するために、熱可塑性樹脂の粉末やペレットを樹脂塗膜防水層の表面に散布する方法が試みられていた。しかしながら、アスファルト舗装体を舗設するためにトラックやフィニシャーが面上を走行するとき、熱可塑性樹脂の飛散や偏りが生じ、表面に熱可塑性樹脂を均一に分散させにくく、結果として樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体とが十分に接合されにくかった。
下記特許文献1に記載された技術では、樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体との接合において特定の熱可塑性樹脂シートを利用した接着材層を設けることによって、上述したような問題の解決を図っている。即ち、下記特許文献1に記載された技術は、橋梁等の床版上に、樹脂塗膜防水材層、アスファルト舗装体を積層してなる床版防水構造であって、樹脂塗膜防水材層とアスファルト舗装体とが特定の熱可塑性樹脂シートを介して接合されているものである。
上記特許文献1に記載された技術では、ウレタン系樹脂を含む樹脂塗膜防水層(ウレタン系防水層)の上にウレタン系樹脂などの接着剤を薄く塗布し、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系熱可塑性樹脂シートを敷き詰めている(特許文献1の0010段落など参照)。
ウレタン系防水層を用いた従来の一般的な床版防水構造は、プライマー樹脂層、ウレタン系防水層、ウレタン樹脂接着剤層、EVA系熱可塑性樹脂シートを順次積層してなる構成である。このような従来の構成の床版防水構造は、プライマー樹脂層およびウレタン系防水層を形成した後、ウレタン樹脂接着剤の主剤/硬化剤(イソシアネート/ポリオール)を工事現場で混合し、それをローラ刷毛等で薄く均一に塗布し、熱可塑性樹脂シートを敷き均して施工する。プライマー樹脂層の形成(プライマーの硬化(乾燥))には冬季の場合は1時間程度要し、さらにウレタン樹脂接着剤を硬化(乾燥)させるには2〜3時間以上の時間を費やしていた。即ち、従来の床版防水構造の施工方法は工程数が多く、かつ接着剤等の硬化(乾燥)・養生に多くの時間を必要としていた。
一方、供用中の道路橋梁の舗装および防水層の補修工事は一般的に短い道路規制時間(夜間8〜10時間)内に行う必要がある。上記のような従来の床版防水構造は施工に時間がかかり過ぎるため、このような短時間で行うべき補修工事等には不向きであった。
ウレタン系防水層を用いた従来の一般的な床版防水構造は、プライマー樹脂層、ウレタン系防水層、ウレタン樹脂接着剤層、EVA系熱可塑性樹脂シートを順次積層してなる構成である。このような従来の構成の床版防水構造は、プライマー樹脂層およびウレタン系防水層を形成した後、ウレタン樹脂接着剤の主剤/硬化剤(イソシアネート/ポリオール)を工事現場で混合し、それをローラ刷毛等で薄く均一に塗布し、熱可塑性樹脂シートを敷き均して施工する。プライマー樹脂層の形成(プライマーの硬化(乾燥))には冬季の場合は1時間程度要し、さらにウレタン樹脂接着剤を硬化(乾燥)させるには2〜3時間以上の時間を費やしていた。即ち、従来の床版防水構造の施工方法は工程数が多く、かつ接着剤等の硬化(乾燥)・養生に多くの時間を必要としていた。
一方、供用中の道路橋梁の舗装および防水層の補修工事は一般的に短い道路規制時間(夜間8〜10時間)内に行う必要がある。上記のような従来の床版防水構造は施工に時間がかかり過ぎるため、このような短時間で行うべき補修工事等には不向きであった。
そこで本発明は、短時間に床版防水構造の施工を可能とする床版用防水部材を提供することを課題とする。また、該床版用防水部材を備えた床版防水構造、及び該床版防水構造の施工方法を提供する。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、樹脂塗膜防水層とアスファルト舗装体との接合において、特定の樹脂を含む樹脂シートを利用した接着材層を設けることで、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の第1の態様は、床版とアスファルト舗装体との間に設ける床版用防水部材であって、床版上に形成されるプライマー樹脂層と、プライマー樹脂層上に形成されるウレタン系樹脂を含む防水層と、防水層上に形成される熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹層と、を有し、熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、床版用防水部材である。
上記本発明の第1の態様において、ポリアミド樹脂が重合脂肪酸系ポリアミド樹脂であることが好ましい。
また、上記本発明の第1の態様において、熱可塑性樹脂層が厚さ方向に貫通した通気孔を有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、床版上に設ける床版防水構造であって、上記本発明の第1の態様にかかる床版用防水部材と、該床版用防水部材上に舗設されたアスファルト舗装体とを有する、床版防水構造である。
本発明の第3の態様は、床版上に設ける床版防水構造の施工方法であって、床版上にプライマー樹脂層を形成する工程と、プライマー樹脂層上にウレタン系樹脂を含む防水層を形成する工程と、防水層上に熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂シートを敷設する工程と、熱可塑性樹脂シート上にアスファルト舗装体を舗設する工程と、を有し、当該熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、床版防水構造の施工方法である。
本発明によれば、短時間で床版防水構造を施工することができる。
本発明の上記作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図は構成を概略的に示したものであり、各構成要素の大きさや形状を正確に示すものではない。
1.床版防水構造
図1は本発明の床版防水構造の一例である床版防水構造10を概略的に示した断面図である。図1に示したように、床版防水構造10は、床版1、アスファルト舗装体2、及びこれらの間に設けられた床版用防水部材3を備えている。また、床版用防水部材3は、プライマー樹脂層4、防水層5、及び熱可塑性樹脂層6を備えている。
以下、床版防水構造10を構成するこれらの構成要素について説明する。
図1は本発明の床版防水構造の一例である床版防水構造10を概略的に示した断面図である。図1に示したように、床版防水構造10は、床版1、アスファルト舗装体2、及びこれらの間に設けられた床版用防水部材3を備えている。また、床版用防水部材3は、プライマー樹脂層4、防水層5、及び熱可塑性樹脂層6を備えている。
以下、床版防水構造10を構成するこれらの構成要素について説明する。
(床版1)
床版1は道路や橋等の床版である。床版1を構成する材料は特に限定されない。床版1を構成する材料の例としては、コンクリートや鋼などがあり、コンクリートと鋼とを合成させたものもある。
床版1は道路や橋等の床版である。床版1を構成する材料は特に限定されない。床版1を構成する材料の例としては、コンクリートや鋼などがあり、コンクリートと鋼とを合成させたものもある。
(プライマー樹脂層4)
プライマー樹脂層4は、床版1の表面を均して床版1および防水層5を接着させるための層である。プライマー樹脂層4を構成する組成物としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂(ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂等)の少なくとも1種を含む接着剤組成物を挙げることができる。
プライマー樹脂層4は、床版1の表面を均して床版1および防水層5を接着させるための層である。プライマー樹脂層4を構成する組成物としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはウレタン系樹脂(ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂等)の少なくとも1種を含む接着剤組成物を挙げることができる。
プライマー樹脂層4は、床版1の表面に上述したプライマー樹脂層4を構成する組成物を塗布または散布することよって形成できる。プライマー樹脂層4は、例えば、スプレー塗布、ローラー刷毛塗布、刷毛塗布などによって形成できる。また、プライマー樹脂層4は、例えば、塗布量が0.2kg/m2以上0.5kg/m2以下、好ましくは0.2kg/m2以上0.3kg/m2以下で床版1の表面に上記組成物を塗布または散布することによって形成できる。塗布量が0.2kg/m2以上であれば、吹付けムラや塗りムラの発生が少なく、良好な防水性能を得やすくなる。一方、塗布量が0.5kg/m2以下であれば、コストが割高になることを抑制し、且つ、材料の混合や塗布にかかる手間を少なくすることができる。
(防水層5)
防水層5は、アスファルト舗装体2側から床版1へと水が侵入することを抑制するために設けられた層である。防水層5は、ウレタン系樹脂(ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂等)を含む組成物によって構成されている。防水層5は、例えば、NCO基を有する化合物を主とする主剤と、該主剤と反応して硬化させる架橋剤、充填材、添加剤等を含む硬化剤と、の2液を混合させて架橋硬化して形成することができる。上記主剤の例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のプレポリマー及びカルボジイミド変性体等の混合物が挙げられ、NCO%が10〜30%程度のものが好ましい。また、上記硬化剤の例としては、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、エチレングリコール等ジオール化合物、ポリエーテル、アミノ化ポリエーテル等、及びそれらの混合物などが挙げられる。
防水層5は、アスファルト舗装体2側から床版1へと水が侵入することを抑制するために設けられた層である。防水層5は、ウレタン系樹脂(ウレア樹脂、ウレタン樹脂、ウレアウレタン樹脂等)を含む組成物によって構成されている。防水層5は、例えば、NCO基を有する化合物を主とする主剤と、該主剤と反応して硬化させる架橋剤、充填材、添加剤等を含む硬化剤と、の2液を混合させて架橋硬化して形成することができる。上記主剤の例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)のプレポリマー及びカルボジイミド変性体等の混合物が挙げられ、NCO%が10〜30%程度のものが好ましい。また、上記硬化剤の例としては、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、エチレングリコール等ジオール化合物、ポリエーテル、アミノ化ポリエーテル等、及びそれらの混合物などが挙げられる。
防水層5は上記のようにして形成されたプライマー樹脂層4上に、防水層5を構成する上記組成物を、塗布または散布することによって形成できる。防水層5は、例えば、スプレー塗布、ローラー刷毛塗布、刷毛塗布などによって形成できる。また、防水層5は、例えば、塗布量が1.0kg/m2以上3.0kg/m2以下、好ましくは、1.5kg/m2以上2.0kg/m2以下で上記組成物を塗布または散布して硬化させることによって形成できる。塗布量が1.0kg/m2以上であれば防水層5が十分な防水性能を発揮しやすく、塗布量が1.5kg/m2以上であれば吹き付けムラや塗りムラの発生を抑制しやすくなる。一方、塗布量が2.0kg/m2以下であればコストが割高になることを抑制できる。
(熱可塑性樹脂層6)
熱可塑性樹脂層6は自己接着性または加熱によって一旦溶融した後に硬化することによって、防水層5およびアスファルト舗装体2に強固に接着する層である。本発明者は、特定のポリアミド樹脂が、ウレタン系樹脂を含む防水層に対して強固に接着し、かつアスファルト舗装体とも溶融接着することを見出した。
従来の技術では上述したように熱可塑性樹脂シートを防水層に接着させるためにウレタン樹脂接着剤を塗布して2〜3時間以上の硬化(乾燥)させる時間が必要であったのに対して、床版防水構造10では熱可塑性樹脂層6が自己接着性または溶融接着により防水層5およびアスファルト舗装体2に簡易かつ強固に接着する。溶融接着させる場合は熱可塑性樹脂層6を80℃以上120℃以下程度に加熱した後、50℃以下に冷ました状態で、または熱可塑性樹脂層6が自己接着性を有するものである場合には熱可塑性樹脂層6を形成後すぐに、アスファルト舗装体2を舗設することができる。
このように、床版防水構造10は上述した従来技術のようにウレタン樹脂接着剤を塗工して硬化(乾燥)させる必要がなく、施工時間を大幅に短縮させることができる。したがって、改修工事など短期間で施工する必要がある場合に好適である。
熱可塑性樹脂層6は自己接着性または加熱によって一旦溶融した後に硬化することによって、防水層5およびアスファルト舗装体2に強固に接着する層である。本発明者は、特定のポリアミド樹脂が、ウレタン系樹脂を含む防水層に対して強固に接着し、かつアスファルト舗装体とも溶融接着することを見出した。
従来の技術では上述したように熱可塑性樹脂シートを防水層に接着させるためにウレタン樹脂接着剤を塗布して2〜3時間以上の硬化(乾燥)させる時間が必要であったのに対して、床版防水構造10では熱可塑性樹脂層6が自己接着性または溶融接着により防水層5およびアスファルト舗装体2に簡易かつ強固に接着する。溶融接着させる場合は熱可塑性樹脂層6を80℃以上120℃以下程度に加熱した後、50℃以下に冷ました状態で、または熱可塑性樹脂層6が自己接着性を有するものである場合には熱可塑性樹脂層6を形成後すぐに、アスファルト舗装体2を舗設することができる。
このように、床版防水構造10は上述した従来技術のようにウレタン樹脂接着剤を塗工して硬化(乾燥)させる必要がなく、施工時間を大幅に短縮させることができる。したがって、改修工事など短期間で施工する必要がある場合に好適である。
熱可塑性樹脂層6はポリアミド樹脂、好ましくは重合脂肪酸系ポリアミド樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂からなるシートによって構成することができる。当該ポリアミド樹脂の軟化点は、50℃以上150℃以下であり、60℃以上100℃以下であることが好ましく、70℃以上90℃以下であることがより好ましい。軟化点が150℃を超える場合、熱可塑性樹脂層6を溶融させ難くなり、熱可塑性樹脂層6を防水層5およびアスファルト舗装体2に溶融接着させ難くなる。一方、軟化点が50℃未満であると、施工現場が高温となりやすい夏季などでは上記シートが溶融し、熱可塑性樹脂層6を形成し難くなる。また、上記のようにシートが溶けてベタつくと、アスファルト舗装体2を舗設するための機械等を該シート上に乗せられなくなり、アスファルト舗装体2を舗設できなくなる。
また、上記ポリアミド樹脂の200℃における溶融粘度は2000mPa・s以上である。熱可塑性樹脂層6を構成するポリアミド樹脂の溶融粘度がある程度高くなければ、熱可塑性樹脂層6を形成し難くなる、防水層5との接着が悪くなるなどの問題を生じる。
なお、上記熱可塑性樹脂からなるシートの形態はシート状であればよい。すなわち、熱可塑性樹脂からなるシートは、孔の開いていない表面が平滑なシートでもよく、あるいは、織物、編み物、不織布からなるシートであっても良い。
また、上記ポリアミド樹脂の200℃における溶融粘度は2000mPa・s以上である。熱可塑性樹脂層6を構成するポリアミド樹脂の溶融粘度がある程度高くなければ、熱可塑性樹脂層6を形成し難くなる、防水層5との接着が悪くなるなどの問題を生じる。
なお、上記熱可塑性樹脂からなるシートの形態はシート状であればよい。すなわち、熱可塑性樹脂からなるシートは、孔の開いていない表面が平滑なシートでもよく、あるいは、織物、編み物、不織布からなるシートであっても良い。
熱可塑性樹脂層6は、例えば0.4kg/m2以上0.8kg/m2以下の目付け量で、厚さ0.5mm以上1.5mm程度に形成することができる。目付け量を0.4kg/m2以上とすることによって、熱可塑性樹脂層6と防水層5及びアスファルト舗装体2との接着強度を十分に確保しやすくなる。一方、目付け量を0.8kg/m2以下とすることによって、熱可塑性樹脂層6がアスファルト舗装体2の熱容量で溶融しやすくなるので防水層5及びアスファルト舗装体2との接着強度を十分に確保しやすくなる、施工性が良くなる、コストが割高になることを抑制できるなどの利点を有する。
また、熱可塑性樹脂層6は、厚さ方向に貫通した通気孔を有していることが好ましい。当該通気孔は、孔径が0.01mm以上2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがより好ましい。また、当該通気孔は、0.5cm以上5cm以下おきで略等間隔に設けられていることが好ましい。なお、「厚さ方向に貫通した通気孔」とは、熱可塑性樹脂層6の厚さ方向に貫通していて空気が流通可能な孔であればよい。また、「厚さ方向に貫通した通気孔」とは、シートの一方の面から他方の面に直線状に貫通した孔に限定されず、折れ曲がった経路でシートの一方の面から他方の面に貫通した孔も含む。例えば、熱可塑性樹脂層6を構成するシートが不織布等からなる場合、当該シートを構成する繊維同士の隙間によって形成される孔が当該シートの厚さ方向に貫通していれば、当該孔も「厚さ方向に貫通した通気孔」に含まれる。このような通気孔を熱可塑性樹脂層6に設けることによって、熱可塑性樹脂層6と防水層5との間に気泡が残留することを抑制しやすくなり、熱可塑性樹脂層6を接着力が均一で強固な接着層としやすくなる。
(アスファルト舗装体2)
アスファルト舗装体2は熱可塑性樹脂層6上に舗設される。アスファルト舗装体2としては、従来のアスファルト舗装体を特に限定することなく用いることができる。アスファルト舗装体2は、例えば40mm以上200mm以下程度の厚さに舗設することができる。また、アスファルト舗装体2は、施工時の環境や構成材料などによって異なるが、例えば110℃以上や130℃以上、または180℃以上の温度で加熱転圧して舗設できる。このとき、アスファルト舗装体2の下部の熱可塑性樹脂層6は少なくとも一部が一時的に溶融してアスファルト舗装体2と硬化することで、熱可塑性樹脂層6をアスファルト舗装体2に簡易かつ強固に接着させることができる。
アスファルト舗装体2は熱可塑性樹脂層6上に舗設される。アスファルト舗装体2としては、従来のアスファルト舗装体を特に限定することなく用いることができる。アスファルト舗装体2は、例えば40mm以上200mm以下程度の厚さに舗設することができる。また、アスファルト舗装体2は、施工時の環境や構成材料などによって異なるが、例えば110℃以上や130℃以上、または180℃以上の温度で加熱転圧して舗設できる。このとき、アスファルト舗装体2の下部の熱可塑性樹脂層6は少なくとも一部が一時的に溶融してアスファルト舗装体2と硬化することで、熱可塑性樹脂層6をアスファルト舗装体2に簡易かつ強固に接着させることができる。
2.床版防水構造の施工方法
次に、上述した床版防水構造10の施工方法を例にして本発明の床版防水構造の施工方法について説明する。
次に、上述した床版防水構造10の施工方法を例にして本発明の床版防水構造の施工方法について説明する。
床版防水構造10は、プライマー樹脂層4、防水層5、熱可塑性樹脂層6、アスファルト舗装体2を床版1上に順次積層することによって施工できる。
プライマー樹脂層4は、床版1の表面に上述したプライマー樹脂層4を構成する組成物を塗布または散布することよって形成できる。プライマー樹脂層4は、プライマー樹脂層4を構成する上記組成物を、スプレー塗布、ローラー刷毛塗布、刷毛塗布などによって、上述した塗布量で床版1の表面に塗布することよって形成できる。
プライマー樹脂層4を形成する際、上記組成物を塗布または散布する前に、床版1の表面からコンクリートのレイタンスなどの脆弱層や油などの異物、また補修床版における以前の防水層などはきれいに除去しておくことが好ましい。このような場合は、床版1の表面を、研掃、清掃、洗浄、及び乾燥後、必要に応じて、ショットブラスト処理を行うことが好ましい。
プライマー樹脂層4を形成する際、上記組成物を塗布または散布する前に、床版1の表面からコンクリートのレイタンスなどの脆弱層や油などの異物、また補修床版における以前の防水層などはきれいに除去しておくことが好ましい。このような場合は、床版1の表面を、研掃、清掃、洗浄、及び乾燥後、必要に応じて、ショットブラスト処理を行うことが好ましい。
またプライマー樹脂層4は、補修床版などにおける切削不陸や欠損部などを平滑にすることが好ましい。このような方法としては、プライマー樹脂層4を構成する組成物に硅砂などの骨材を予め混合し不陸部を補修する方法や、プライマー樹脂層4を構成する組成物を塗布した後に、その上から硅砂などの骨材を散布し、その上にさらにプライマー樹脂層4を構成する組成物を塗布する方法等がある。このようにしてプライマー樹脂層4をできるだけ平坦に形成することによって、防水層5を構成する組成物を平滑かつ均一に所定量で散布または塗布しやすくなる。
防水層5は上記のようにして形成されたプライマー樹脂層4上に形成する。防水層5は、防水層5を構成する上記組成物を、スプレー塗布、ローラー塗布、刷毛塗布などによって、上述した塗布量で塗布して硬化させることで形成することができる。
熱可塑性樹脂層6は、上記のようにして防水層5を形成した後に、熱可塑性樹脂を含むシートを防水層5上に敷設することで形成することができる。熱可塑性樹脂層6は後述するようにしてアスファルト舗装体2を舗設する際に溶融させて定着させることが可能であるが、熱可塑性樹脂層6(熱可塑性樹脂を含むシート)の位置がずれることを防止する観点からは、アスファルト舗装体2を舗設する前に熱可塑性樹脂層6を加熱して溶融させ、位置がずれない程度に防水層5に定着させておいてもよい。
アスファルト舗装体2は、上記のようにして形成した熱可塑性樹脂層6上に舗設する。アスファルト舗装体2を舗設する方法は特に限定されず、上述した所定の温度でアスファルト舗装体2を構成する材料を加熱転圧することで敷設できる。このとき、アスファルト舗装体2の下部の熱可塑性樹脂層6の少なくとも一部が一時的に溶融した後に硬化することで、熱可塑性樹脂層6を防水層5およびアスファルト舗装体2に簡易かつ強固に接着させることができる。
上記のようにして、床版1、床版用防水部材3、およびアスファルト舗装体2が強固に結合した耐久性があって高性能な床版防水構造10を短時間で施工することができる。したがって、本発明の床版防水構造の施工方法は、改修工事など短期間で施工する必要がある場合に好適である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
1.事前検討
表1に示した品名の熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂)を目付け量0.6kg/m2で用いて熱可塑性樹脂シートを作製した。ただし、試験1で用いた熱可塑性樹脂はシート状に成形することができなかった。また、各試験に用いた熱可塑性樹脂は全て株式会社 T&K TOKA製のトーマイドである。なお、試験7〜10では、2種の熱可塑性樹脂を表1に示した割合(重量比)で混合して用いた。また、各試験に用いた熱可塑性樹脂の軟化点および200℃における溶融粘度は表1に示した通りである。
表1に示した品名の熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂)を目付け量0.6kg/m2で用いて熱可塑性樹脂シートを作製した。ただし、試験1で用いた熱可塑性樹脂はシート状に成形することができなかった。また、各試験に用いた熱可塑性樹脂は全て株式会社 T&K TOKA製のトーマイドである。なお、試験7〜10では、2種の熱可塑性樹脂を表1に示した割合(重量比)で混合して用いた。また、各試験に用いた熱可塑性樹脂の軟化点および200℃における溶融粘度は表1に示した通りである。
次に、作製した熱可塑性樹脂シートをウレタン樹脂を含む防水層と重ねて、表1に示した加熱温度で1時間加熱し、ウレタン樹脂との接着性を評価した。接着した場合を「○」、接着しなかった場合を「×」として、結果を表1に示した。
試験1で用いた熱可塑性樹脂は軟化点が低く、溶融粘度も低いため、シート状に成形することができなかった。すなわち、当該熱可塑性樹脂は防水層やアスファルト舗装体に強固に接着させることは困難であると考えられる。
試験5および6で用いた熱可塑性樹脂は溶融粘度が低く、ウレタン樹脂と接着させることができなかった。
一方、試験2〜4、7〜10で用いた熱可塑性樹脂はシート状に成形することができ、ウレタン樹脂と接着させることもできた。ただし、試験2〜4、7、8で用いた熱可塑性樹脂は軟化点がやや高く、アスファルト舗装体と溶融接着させるには、試験9、10で用いた熱可塑性樹脂の方が適していると考えられるので、以下の実施例では試験9、10で用いた熱可塑性樹脂を用いた。
試験5および6で用いた熱可塑性樹脂は溶融粘度が低く、ウレタン樹脂と接着させることができなかった。
一方、試験2〜4、7〜10で用いた熱可塑性樹脂はシート状に成形することができ、ウレタン樹脂と接着させることもできた。ただし、試験2〜4、7、8で用いた熱可塑性樹脂は軟化点がやや高く、アスファルト舗装体と溶融接着させるには、試験9、10で用いた熱可塑性樹脂の方が適していると考えられるので、以下の実施例では試験9、10で用いた熱可塑性樹脂を用いた。
2.床版防水構造の作製
以下のようにして表2に示した条件で各例にかかる床版防水構造を作製した。
以下のようにして表2に示した条件で各例にかかる床版防水構造を作製した。
(実施例1)
30cm×30cm×6cmのコンクリート版(JIS A 5317のI類に規格の普通平板、略号:N、呼び300)の表面をショットブラスト等の処理をしてレイタンス等を除去し、次に、エポキシ樹脂を主成分とするプライマー(三菱樹脂株式会社製、商品名:ノバレタンPR−200主剤/硬化剤)を混合してローラー刷毛で塗布し(塗布量:0.2kg/m2)、養生(乾燥)させてプライマー層を形成した。プライマー層を形成した後に常温硬化2液型ポリウレタン樹脂防水材(三菱樹脂株式会社製、商品名:ノバレタンES(登録商標))をスプレーガンにて塗布して養生(硬化)させて防水層を形成した。その後、当該防水層上に上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シート(表3には単に「シート」と表記している。)を敷設し、工業用熱風器(商品名:ヒーティングガン)で熱可塑性樹脂シートの表面を100℃程度まで熱して防水層に熱溶着させた後、自然放冷した。更に、この熱可塑性樹脂シート上に、常法により180℃に加熱されたアスファルト舗装体を厚さ4cmで舗設し、実施例1にかかる床版防水構造を作製した。なお、表2に示したアスファルト舗装体転圧温度[℃]はアスファルト舗装体を舗設したときのアスファルト舗装体の温度であり、コンクリート版温度[℃]はアスファルト舗装体を敷設したときのコンクリート版(床版)の温度である。
30cm×30cm×6cmのコンクリート版(JIS A 5317のI類に規格の普通平板、略号:N、呼び300)の表面をショットブラスト等の処理をしてレイタンス等を除去し、次に、エポキシ樹脂を主成分とするプライマー(三菱樹脂株式会社製、商品名:ノバレタンPR−200主剤/硬化剤)を混合してローラー刷毛で塗布し(塗布量:0.2kg/m2)、養生(乾燥)させてプライマー層を形成した。プライマー層を形成した後に常温硬化2液型ポリウレタン樹脂防水材(三菱樹脂株式会社製、商品名:ノバレタンES(登録商標))をスプレーガンにて塗布して養生(硬化)させて防水層を形成した。その後、当該防水層上に上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シート(表3には単に「シート」と表記している。)を敷設し、工業用熱風器(商品名:ヒーティングガン)で熱可塑性樹脂シートの表面を100℃程度まで熱して防水層に熱溶着させた後、自然放冷した。更に、この熱可塑性樹脂シート上に、常法により180℃に加熱されたアスファルト舗装体を厚さ4cmで舗設し、実施例1にかかる床版防水構造を作製した。なお、表2に示したアスファルト舗装体転圧温度[℃]はアスファルト舗装体を舗設したときのアスファルト舗装体の温度であり、コンクリート版温度[℃]はアスファルト舗装体を敷設したときのコンクリート版(床版)の温度である。
(実施例2)
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を110℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例2にかかる床版防水構造を作製した。
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を110℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例2にかかる床版防水構造を作製した。
(実施例3)
熱可塑性樹脂シートを舗設した後に工業用熱風器(商品名:ヒーティングガン)を用いなかった以外は実施例2と同様にして、実施例3にかかる床版防水構造を作製した。
熱可塑性樹脂シートを舗設した後に工業用熱風器(商品名:ヒーティングガン)を用いなかった以外は実施例2と同様にして、実施例3にかかる床版防水構造を作製した。
(実施例4)
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を90℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例4にかかる床版防水構造を作製した。
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を90℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例4にかかる床版防水構造を作製した。
(実施例5)
熱可塑性樹脂シートとして上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて上記試験10で作製した熱可塑性樹脂シート(表3には単に「シート」と表記している。)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5にかかる床版防水構造を作製した。
熱可塑性樹脂シートとして上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて上記試験10で作製した熱可塑性樹脂シート(表3には単に「シート」と表記している。)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5にかかる床版防水構造を作製した。
(実施例6)
熱可塑性樹脂シートとして上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて上記試験10で作製した熱可塑性樹脂シートを用いた以外は実施例2と同様にして、実施例6にかかる床版防水構造を作製した。
熱可塑性樹脂シートとして上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて上記試験10で作製した熱可塑性樹脂シートを用いた以外は実施例2と同様にして、実施例6にかかる床版防水構造を作製した。
(比較例1)
上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて、EVA系熱可塑性シート(表3には単に「EVAシート」と表記している。)を用い、当該EVA系熱可塑性シートをウレタン系接着剤によって防水層に接着させた以外は実施例1と同様にして、比較例1にかかる床版防水構造を作製した。なお、ウレタン系接着剤の使用量(目付け量)は表2に示した通りである。
上記試験9で作製した熱可塑性樹脂シートに代えて、EVA系熱可塑性シート(表3には単に「EVAシート」と表記している。)を用い、当該EVA系熱可塑性シートをウレタン系接着剤によって防水層に接着させた以外は実施例1と同様にして、比較例1にかかる床版防水構造を作製した。なお、ウレタン系接着剤の使用量(目付け量)は表2に示した通りである。
(比較例2)
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を110℃とした以外は比較例1と同様にして、比較例2にかかる床版防水構造を作製した。
アスファルト舗装体を舗設するときの温度を110℃とした以外は比較例1と同様にして、比較例2にかかる床版防水構造を作製した。
3.評価
上記のようにして作製した各例にかかる床版防水構造について、道路橋床版防水便覧(平成22年9月30日第5刷発行 社団法人日本道路協会 128頁「引張接着試験」)に記載の引張接着試験の試験方法に沿って、23℃における引張接着強度を測定した。その結果を表2に示した。
また、各例にかかる床版防水構造の施工に要した時間を表3に示した。
上記のようにして作製した各例にかかる床版防水構造について、道路橋床版防水便覧(平成22年9月30日第5刷発行 社団法人日本道路協会 128頁「引張接着試験」)に記載の引張接着試験の試験方法に沿って、23℃における引張接着強度を測定した。その結果を表2に示した。
また、各例にかかる床版防水構造の施工に要した時間を表3に示した。
表2に示したように、実施例1〜6にかかる床版防水構造は比較例1、2にかかる床版防水構造と同等以上の引張接着強度を有しており、且つ、短時間に施工することができた。
また、表3に示したように、実施例1〜6にかかる床版防水構造によれは、比較例1、2にかかる床版防水構造に比べて施工時間を大幅に短縮させることができた。
また、表3に示したように、実施例1〜6にかかる床版防水構造によれは、比較例1、2にかかる床版防水構造に比べて施工時間を大幅に短縮させることができた。
1 床版
2 アスファルト舗装体
3 床版用防水部材
4 プライマー樹脂層
5 防水層
6 熱可塑性樹脂層
10 床版防水構造
2 アスファルト舗装体
3 床版用防水部材
4 プライマー樹脂層
5 防水層
6 熱可塑性樹脂層
10 床版防水構造
Claims (5)
- 床版とアスファルト舗装体との間に設ける床版用防水部材であって、
前記床版上に形成されるプライマー樹脂層と、前記プライマー樹脂層上に形成されるウレタン系樹脂を含む防水層と、前記防水層上に形成される熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層と、を有し、
前記熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、床版用防水部材。 - 前記ポリアミド樹脂が重合脂肪酸系ポリアミド樹脂である、請求項1に記載の床版用防水部材。
- 前記熱可塑性樹脂層が厚さ方向に貫通した通気孔を有する、請求項1または2に記載の床版用防水部材。
- 床版上に設ける床版防水構造であって、
請求項1乃至3のいずれかに記載の床版用防水部材と、該床版用防水部材上に舗設されたアスファルト舗装体とを有する、床版防水構造。 - 床版上に設ける床版防水構造の施工方法であって、
床版上にプライマー樹脂層を形成する工程と、
前記プライマー樹脂層上にウレタン系樹脂を含む防水層を形成する工程と、
前記防水層上に熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂シートを敷設する工程と、
前記熱可塑性樹脂シート上にアスファルト舗装体を舗設する工程と、を有し、
前記熱可塑性樹脂が、軟化点が50℃以上150℃以下であり、且つ、200℃における溶融粘度が2000mPa・s以上であるポリアミド樹脂を含む、
床版防水構造の施工方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105735081A (zh) * | 2016-03-09 | 2016-07-06 | 广东工业大学 | 一种新型减振道路结构及其施工方法 |
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-
2013
- 2013-03-13 JP JP2013050905A patent/JP2014177769A/ja active Pending
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