JP4225796B2 - 床版の防水舗装施工法及びその構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として橋梁の鉄筋入りコンクリート製床版や鋼床版等のように、施工用車両等の走行に伴う衝撃荷重や繰り返し応力、さらには雨水浸透による腐食などから床版を保護してその供用耐久性を長期に亘り維持することが要求されているような床版の防水舗装施工法及びその構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁等の床版の防水舗装施工法として、従来一般には、床版上にゴム系防水シートを熱溶融接着し、この防水シート上にアスファルト表層舗装体を舗設するシート防水舗装施工法あるいは床版上にゴム溶剤型塗料を塗布して防水性塗膜を形成し、この塗膜上にアスファルト表層舗装体を舗設する塗膜防水舗装施工法が主流であった。
【0003】
しかし、上記した従来一般のシート防水舗装施工法では、床版と防水シートの間に膨れ等の欠陥が発生したり、施工効率の悪さから一日の施工面積が制約される等の多くの難点があり、また、塗膜防水舗装施工法では、塗布及び養生を数回繰り返すことが必要で施工効率が非常に悪いだけでなく、塗膜による防水層に膨れ等の欠陥が発生し易い等の難点があり、いずれの施工法も施工性及び防水面での信頼性、さらには交通車両の走行に伴う衝撃荷重や繰り返し応力に対する耐応強度に欠け、供用耐久性の長期維持という要求を達成することができず、短期間の供用サイクルで全面的に補修しなければならないという問題があった。
【0004】
このような多くの問題を有する従来一般の床版の防水舗装施工法に代わるものとして、従来、床版上に防水層を形成し、この防水層上に、ビーズ、ペレット、ピレット、チップ等の各種形状を持つ熱可塑性樹脂粒子を散布したのち、この熱可塑性粒子上に加熱アスファルト舗装体を舗設することにより、該加熱アスファルト舗装体の熱で可塑性樹脂粒子を溶融し流動させて上記防水層とアスファルト舗装体とを接着する接着層を形成させる床版の防水舗装施工法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−93904号公報
【0006】
上記した従来の床版の防水舗装施工法によれば、軽量で施工が非常に容易であり、かつ、常温で安全に取扱える熱可塑性樹脂粒子を防水層上に散布し、その上に加熱アスファルト舗装体を施すだけでよいから、所定の防水舗装を効率よく施工することができる。また、アスファルト舗装体の熱で溶融された熱可塑性樹脂がアスファルト舗装体の隙間部及び防水層の損傷部に隙間なく浸透し充填するアンカー効果により、防水層とアスファルト舗装体との接着性の向上が図れて膨れ等の欠陥の発生を防止できるとともに、防水層をシームレスなものとして優れた防水性能を確保し雨水浸透による床版の腐食等を防止できる。さらに、施工時における重機等の施工車両の通行に際して防水層にかかる荷重を熱可塑性樹脂粒子により分散させて防水層の損傷、破壊を抑制でき橋梁等の床版の供用耐久性の長期維持を達成することができるという利点を有している。
【0007】
ところで、上記のごとき利点を有する従来の床版の防水舗装施工法において、防水層とアスファルト舗装体とを接着する接着層を形成するための粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤としては、繰り返し衝撃性の他に材料コストの面及び接着性と防水性の面からポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、エチレンエチルアクリレート(EEA)、エチレンビニルアセテート(EVA)、スチレンブチレンエラストマー(SBS)の中から選択された一種又は複数種のものが使用されるが、このようなEEA,EVA,SBSを使用した場合は、溶融流動して形成される接着層の防水層に対する接着強度が不十分であり、そのため、舗装体として使用する時に繰り返し加わる引張負荷やせん断負荷あるいはそれらの合成負荷によって層間に膨れや剥がれが発生しやすい。したがって、耐衝撃性及び防水性に優れた材料を用いる割に、防水性能が比較的短期間のうちに劣化されて橋梁等の床版の供用耐久性を一段と向上するには改善の余地が残されていた。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、接着層の形成材料としてEEA等の低コストで防水性に優れた材料を用いつつ、その接着層の防水層に対する接着強度を高めて膨れや剥がれによる防水性能の劣化を抑制して床版の供用耐久性を顕著に向上することができる床版の防水舗装施工法及びその構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る床版の防水舗装施工法は、床版上に速硬化型液状樹脂を塗布して防水層を形成する工程と、この防水層上にウレタン系樹脂接着剤を塗布して一次接着層を形成する工程と、この一次接着層上に粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を散布する工程と、この粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤上に加熱アスファルト舗装体を舗設して該加熱アスファルト舗装体の熱で上記粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を溶融流動させて上記一次接着層とアスファルト舗装体との間に両者が互いに接着される二次接着層を形成する工程とを有する床版の防水舗装施工法であって、上記一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤として、ブタジエン変性ポリオールを含有したものを使用することを特徴とする。
【0010】
上記と同様な目的を達成するために、本発明の請求項4に係る床版の防水舗装構造は、床版上に速硬化型液状樹脂を塗布して形成された防水層と、この防水層上にウレタン系樹脂接着剤を塗布して形成された一次接着層と、この一次接着層上に粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を散布して形成される二次接着層と、この二次接着層上に舗設された加熱アスファルト舗装体とからなり、上記一次接着層とアスファルト表層舗装体とは、一次接着層上に散布された粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤が加熱アスファルト舗装体の熱で溶融流動されて形成される二次接着層により相互に接着されている床版の防水舗装構造であって、上記一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤には、ブタジエン変性ポリオールが含有されていることを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に記載の本発明に係る床版の防水舗装施工法並びに請求項4に記載の本発明に係る床版の防水舗装構造によれば、一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤や一次防水層を形成するウレタン樹脂若しくはウレア樹脂又はウレアウレタン樹脂として、ブタジエン変性ポリオールを含有したものを使用することによって、この一次接着層や一次防水層上に散布されアスファルト舗装体の熱で溶融流動されて二次接着層や二次防水接着層を形成するための粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤として、繰り返し衝撃性に優れている他に材料コストが安く、かつ、接着性と防水性に優れたEEA,EVA,SBSの中から選択されたものを使用しながらも、溶融流動により形成された二次接着層や二次防水接着層を一次接着層や一次防水層に強力に接着させて上下両層の接着強度を非常に大きくすることができる。これによって、舗装体として使用する時、引張負荷やせん断負荷あるいはそれらの合成負荷が繰り返し加わったとしても一次と二次の層間に膨れや剥がれが発生することに伴う防水性能の劣化を抑制して、耐衝撃性能と相俟って防水舗装床版の供用耐久性の顕著な向上を図ることが可能である。
【0012】
以下、本発明において使用される材料について詳細に説明する。
請求項2のように、床版上に塗布して接着層を形成する常温硬化型液状樹脂としては、ウレタン系、エポキシ系、MMA系、エピスルフィド系のものが用いられる。その中でもNCO%:5〜35%の芳香族イソシアネートを用いたウレタン樹脂の使用が好ましく、また、その接着層は乾燥面であってもよいが、湿潤面であることが望ましい。
【0013】
防水層や形成する速硬化型液状樹脂としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、ウレアウレタン樹脂のいずれかを主剤とし、これに硬化剤を混合した2液混合型のものが好ましい。なお、防水層を形成するウレタン樹脂若しくはウレア樹脂又はウレアウレタン樹脂の主剤には、分子量500〜5000のブタジエン変性ポリオールが含有されている。
【0014】
ここで、主剤となる樹脂は、4−4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイサシアネート等のポリイソシアネート化合物または4−4−ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとの反応物であるイソシアネート基末端プレポリマーが好ましく、また、硬化剤は、ポリエーテル系ポリオールと芳香族ポリアミンを混合した変性品が好ましい。
【0015】
上記のような主剤及び硬化剤を使用する2液混合可速硬化型液状樹脂は、引張伸度が100%以上、好ましくは300%以上となり、塗布後の硬化速度は3時間以内、好ましくは1時間以内になるという特長を有している。
【0016】
防水層の上に請求項1及び請求項4でいう一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤としては、ウレタン変性エポキシ樹脂又は1液型もしくは2液型のウレタン樹脂が使用され、この一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤には、分子量500〜5000のブタジエン変性ポリオールが含有されている。
【0017】
また、請求項1でいう一次接着層上に散布され、アスファルト舗装材の舗設時に該加熱アスファルト舗装体の熱で溶融流動されて二次接着層を形成する粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤としては、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、EEA,EVA,SBSの中から選択された一種又は複数種で、融点が50℃以上、引張伸度が100%以上、好ましくは300%以上の繰り返し衝撃性に優れた材料を使用することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明の請求項1,2に係る床版の防水舗装施工法により完工された請求項6に係る床版の防水舗装構造を示す要部の縦断面図であり、橋梁等の鉄筋入りコンクリート製又は鋼製の床版1上には、0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.5mm厚さの湿潤面接着層2が施されており、この湿潤接着層2上に、2液混合可撓性速硬化型液状樹脂を塗布して0.5〜5mm、好ましくは1.5〜3.5mm厚さの防水層3が形成されている。この防水層3の上には、ウレタン系樹脂接着剤により形成される一次接着層4A及び粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤の溶融流動により形成される二次接着層4Bからなり、0.5〜2mm、好ましくは1〜1.5mm厚さの舗装接着層4が形成されており、この舗装接着層4上に加熱アスファルト舗装体5を舗設することで、該加熱アスファルト舗装体5と防水層3とが舗装接着層4により接着されている。なお、上記接着層2は、湿潤面であることが望ましいが、乾燥面であってもよい。
【0019】
次に、上記構成を持つ床版の防水舗装構造の施工法について工程順に詳しく説明する。
床版1上に、図2に示すように、既述した常温硬化型液状樹脂を、0.05〜0.3kg/m2 、好ましくは0.1〜0.2kg/m2 塗布して上記湿潤面接着層2を床版1上に形成する。
その湿潤面接着層2が硬化する30分位の養生時間経過後に、該湿潤面接着層2上に、図3に示すように、既述した主剤と硬化剤との2液混合可撓性速硬化型液状樹脂を、0.5〜5.0kg/m2 、好ましくは1.5〜3.5kg/m2塗布又はスプレーして上記防水層3を形成する。
【0020】
次に、防水層3が硬化する30分程度の養生時間経過後に、該防水層3上に、図4に示すように、既述したようなブタジエン変性ポリオールが含有されたウレタン系樹脂接着剤を、0.1〜0.3kg/m2 、好ましくは0.2kg/m2塗布して一次接着層4Aを形成する。
この一次接着層4Aの形成後直ちに、該一次接着層4A上に、図5に示すように、既述のEEA,EVAまたはSBSからなる粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6をおおよそ0.5〜2.0kg/m2 、好ましくは1.0kg/m2 程度に散布する。
【0021】
しかる後、上記粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6上に加熱アスファルト舗装体5を舗設することにより、熱溶融接着剤6を加熱アスファルト舗装体5の熱で溶融流動させて一次接着層4Aとアスファルト舗装体5の間に全面が均一な厚みの二次接着層4Bが形成されることになる。ここで、一次接着層Aを形成するウレタン系樹脂接着剤にはブタジエン変性ポリオールが含有されているので、EEA,EVA,SBSといった低コストで防水性に優れた材料の粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6を用いたとしても、これら一次及び二次の接着層4A,4Bを互いに強力に接着させて両層4A,4B間に大なる接着強度が得られ、舗装体として使用する時、引張負荷やせん断負荷あるいはそれらの合成負荷が繰り返し加わったとしても一次と二次の接着層4A,4B間に膨れや剥がれが発生することがなく、非常に優れた防水性能を確保することができる。
【0022】
このように強力に接着された二次接着層4Bと一次接着層4Aからなる舗装接着層4を介してアスファルト表層舗装体5と防水層3とが相互に接着されて図1に示すような床版の防水舗装構造が施工される。
【0023】
上記のように施工される床版の防水舗装構造においては、湿潤面接着層2の形成、2液混合可撓性速硬化型液状樹脂の塗布による防水層3の形成、熱溶融接着膜6の散布及び加熱アスファルト舗装体5の舗設といった一連の防水舗装工程を連続的に行うことによって、所定の防水舗装を非常に効率よく施工することができる。
【0024】
しかも、施工後は、湿潤面接着層2上に防水層3、一次接着層4A及び二次接着層4Bからなる舗装接着層4という二層の防水構造が存在している上に、全面に亘って均一かつ強力な接着強度が得られ非常に優れた防水性能が維持されているるとともに、衝撃荷重や繰り返し応力を受けても防水層の損傷や破壊を防止し得るだけの強度特性も得られ、これらの相乗により橋梁等の床版の供用耐久性を長期維持することができる。
【0025】
図6は床版の防水舗装施工法により完工された床版の防水舗装構造を示す要部の縦断面図であり、橋梁等の鉄筋入りコンクリート製又は鋼製の床版1上には、0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.5mm厚さの湿潤面接着層2が施されており、この湿潤接着層2上に、既述したようなブタジエン変性ポリオールが含有された2液混合可撓性速硬化型のウレタン樹脂若しくはウレア樹脂又はウレアウレタン樹脂を塗布して0.5〜5mm、好ましくは1.5〜3.5mm厚さの一次防水層7が形成されており、この一次防水層7上に、粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤の溶融流動により形成される二次防水接着層8が0.5〜2mm、好ましくは1〜1.5mm厚さで形成され、この二次防水接着層8上に加熱アスファルト舗装体5を舗設することで、該加熱アスファルト舗装体5と一次防水層7とが二次防水接着層8により接着されている。
【0026】
次に、上記構成を持つ床版の防水舗装構造の施工法について工程順に詳しく説明する。
床版1上に、図7に示すように、既述した常温硬化型液状樹脂を、0.05〜0.3kg/m2 、好ましくは0.1〜0.2kg/m2 塗布して上記湿潤面接着層2を床版1上に形成する。
その湿潤面接着層2が硬化する30分位の養生時間経過後に、該湿潤面接着層2上に、図8に示すように、既述したようなブタジエン変性ポリオールが含有された2液混合可撓性速硬化型のウレタン樹脂若しくはウレア樹脂又はウレアウレタン樹脂を0.5〜5.0kg/m2 、好ましくは1.5〜3.5kg/m2 塗布又はスプレーして上記一次防水層7を形成する。
【0027】
しかる後、直ちに、該一次防水層7上に、図9に示すように、既述のEEA,EVA又はSBSからなる粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6をおおよそ0.5〜2.0kg/m2 、好ましくは1.0kg/m2 程度に散布し、続いて、この粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6上に加熱アスファルト舗装体5を舗設することにより、熱溶融接着剤6を加熱アスファルト舗装体5の熱で溶融流動させて一次防水層7とアスファルト舗装体5の間に全面が均一な厚みの二次防水接着層8が形成されることになる。ここで、一次防水層7を形成するウレタン樹脂若しくはウレア樹脂又はウレアウレタン樹脂にはブタジエン変性ポリオールが含有されているので、EEA,EVA,SBSといった低コストで防水性に優れた材料の粉粒状又はペレット状熱溶融接着剤6を用いたとしても、これら一次防水層7と二次防水接着層8を互いに強力に接着させて両層7,8間に大なる接着強度が得られ、舗装体として使用する時、引張負荷やせん断負荷あるいはそれらの合成負荷が繰り返し加わったとしても一次防水層7と二次防水接着層8間に膨れや剥がれが発生することがなくなり、非常に優れた防水性能を確保することができる。
【0028】
このように強力に接着された一次防水層7と二次防水接着層8を介してアスファルト舗装体5と湿潤面接着層2とが相互に接着されて図1に示すような床版の防水舗装構造が施工される。
【0029】
上記のように施工される床版の防水舗装構造においては、湿潤面接着層2の形成、2液混合可撓性速硬化型樹脂の塗布による一次防水層7の形成、熱溶融接着膜6の散布及び加熱アスファルト舗装体5の舗設といった一連の防水舗装工程を連続的に行うことによって、所定の防水舗装を非常に効率よく施工することができる。
【0030】
しかも、施工後は、湿潤面接着層2上に一次防水層7及び二次防水接着層8という二層の防水構造が存在している上に、全面に亘って均一かつ強力な接着強度が得られ非常に優れた防水性能が維持されているるとともに、衝撃荷重や繰り返し応力を受けても防水層の破壊を防止し得るだけの強度特性も得られ、これらの相乗により橋梁等の床版の供用耐久性を長期維持することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上要するに、請求項1及び4に係る発明において一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤として、ブタジエン変性ポリオールを含有したものを使用することによって、この一次接着層上に散布されアスファルト舗装体の熱で溶融流動されて二次接着層や二次防水接着層を形成するための粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤として、繰り返し衝撃性に優れている他に材料コストが安く、かつ、接着性と防水性に優れたEEA,EVA,SBSの中から選択されたものを使用したとしても、溶融流動により形成された二次接着層や二次防水接着層を一次接着層に強力に接着させて上下両層の接着強度を非常に大きくすることができ、舗装体として使用する時に繰り返し加わる引張負荷やせん断負荷あるいはそれらの合成負荷によって一次と二次の層間に膨れや剥がれが発生することを確実に防止し初期の優れた防水性能を長期に亘って安定よく維持できる。したがって、施工性に優れ、かつ、材料コストも低くして施工費全体をできるだけ軽減しつつ、防水性能の信頼性向上と耐衝撃性能とが相俟って防水舗装床版の供用耐久性を顕著に増大することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1,2に係る床版の防水舗装施工法により完工された請求項6に係る床版の防水舗装構造を示す要部の縦断面図である。
【図2】 本発明の請求項1,2に係る床版の防水舗装施工法の第一工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図3】 同上防水舗装施工法の第二工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図4】 同上防水舗装施工法の第三工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図5】 同上防水舗装施工法の第四工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図6】 床版の防水舗装施工法により完工された床版の防水舗装構造を示す要部の縦断面図である。
【図7】 床版の防水舗装施工法の第一工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図8】 同上防水舗装施工法の第二工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【図9】 同上防水舗装施工法の第三工程を示す要部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 床版
2 湿潤面接着層
3 防水層
4A 一次接着層
4B 二次接着層
5 加熱アスファルト舗装体
6 粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤
7 一次防水層
8 二次防水接着層
Claims (4)
- 床版上に速硬化型液状樹脂を塗布して防水層を形成する工程と、この防水層上にウレタン系樹脂接着剤を塗布して一次接着層を形成する工程と、この一次接着層上に粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を散布する工程と、この粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤上に加熱アスファルト舗装体を舗設して該加熱アスファルト舗装体の熱で上記粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を溶融流動させて上記一次接着層とアスファルト舗装体との間に両者が互いに接着される二次接着層を形成する工程とを有する床版の防水舗装施工法であって、上記一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤として、ブタジエン変性ポリオールを含有したものを使用することを特徴とする床版の防水舗装施工法。
- 床版上に速硬化型液状樹脂を塗布して防水層を形成する前工程として、床版上に常温硬化型液状樹脂を塗布して接着層を形成する工程を有する請求項1に記載の床版の防水舗装施工法。
- 上記粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤として、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ゴエチレンエチルアクリレート、エチレンビニルアセテート、スチレンブチレンエラストマーの中から選択された一種又は複数種を使用する請求項1または2に記載の床版の防水舗装施工法。
- 床版上に速硬化型液状樹脂を塗布して形成された防水層と、この防水層上にウレタン系樹脂接着剤を塗布して形成された一次接着層と、この一次接着層上に粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤を散布して形成される二次接着層と、この二次接着層上に舗設された加熱アスファルト舗装体とからなり、上記一次接着層とアスファルト表層舗装体とは、一次接着層上に散布された粉粒状又はペレット状の熱溶融接着剤が加熱アスファルト舗装体の熱で溶融流動されて形成される二次接着層により相互に接着されている床版の防水舗装構造であって、
上記一次接着層を形成するウレタン系樹脂接着剤には、ブタジエン変性ポリオールが含有されていることを特徴とする床版の防水舗装構造。
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