JP3940312B2 - 防水工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、後打ち材の接着性に優れた防水工法に関する。より詳しくは、地下構造物、橋梁床版等において、舗装材等の後打ち材の施工より先に防水材の施工を行ういわゆる先防水工法で、後打ち材の接着性に優れた防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下構造物、橋梁床版等の先防水施工における防水工法は、合成樹脂防水材と、その上に打設するコンクリート、モルタル、アスファルト等の後打ち材との接着強度が不充分になりやすかった。
【0003】
このため、従来は、骨材散布によるアンカー効果によって接着強度を高くする目的で、合成樹脂防水材が未硬化の状態で硅砂等の骨材を散布し、合成樹脂防水材の硬化後に固着しなかった余剰の骨材を除去し、後打ち材を打設する工法が採用されている。
【0004】
また、接着強度の問題を解決するための他の従来技術として、例えば、特開平9−228318号公報、特開平9−21113号公報には、防水材上に粒状アスファルト、熱可塑性のペレット等を散布してからアスファルト舗装を行い、前記ペレット等を溶融させることにより、防水材とアスファルト舗装の接着力を増強する技術が開示されている。また、特開平7−54314号公報には防水材が硬化する前に熱可塑性ペレットを散布して同様の効果を得る技術が開示されている。さらに特開平8−92905号公報では、熱可塑性防水シートを使用して防水材とアスファルト舗装を一体化させる技術が開示されている。
【0005】
さらに、特開平10−36658号公報では、コンクリートとコンクリートの層間に一液難燃性ウレタン防水層を形成する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のうち、合成樹脂防水材が未硬化の状態で硅砂等の骨材を散布し、合成樹脂防水材の硬化後に固着しなかった余剰の骨材を除去し、後打ち材を打設する工法においては、合成樹脂防水材が未硬化の状態で骨材を散布することが必要であり、合成樹脂防水材の硬化時間により大きな制約を受ける。
【0007】
例えば合成樹脂防水材がウレタン樹脂系防水材の場合は次のような問題が挙げられる。すなわち、ウレタン樹脂系防水材が2液混合吹き付け型の場合、初期硬化時間は1〜30秒程度と短く、ウレタン樹脂系防水材とほぼ同時に骨材を散布する必要があるので、局部的に骨材が多く散布される結果、防水層が薄くなる部分が発生するという問題があった。また、ウレタン樹脂系防水材が手塗り型の場合、初期硬化時間は5分〜24時間程度であり硬化までの時間が長く、散布のタイミングが早すぎて骨材が防水材中に沈降してアンカー効果が得られない、または散布のタイミングが遅すぎて防水材と骨材との充分な接着強度が得られないという問題が起きやすい。
【0008】
さらに、2液混合吹き付け型、手塗り型のいずれの場合においても、ウレタン樹脂系防水材と固着しなかった余剰の骨材の除去が不充分な場合には、防水材と後打ち材との層間剥離が発生しやすい等の問題もあった。
【0009】
このように、骨材を散布してアンカー効果を持たせる上記の従来技術においては、合成樹脂防水材の初期硬化時間と骨材を散布するタイミングの調整の問題があり、このため層間剥離が生じ易く、防水材と後打ち材との接着強度が得にくいという問題があった。
【0010】
一方、上記特開平9−228318号公報、特開平9−21113号公報、特開平7−54314号公報等の、防水材上に粒状アスファルト、熱可塑性のペレット等を散布してからアスファルト舗装を行う方法や、特開平8−92905号公報の熱可塑性防水シートを使用して防水材とアスファルト舗装を一体化させる技術においては、熱可塑性のアスファルト、樹脂等を用いるため、後打ち材が高温で打設されるアスファルト舗装材に限られ、常温で打設するコンクリート、モルタル等には適用できない。さらにアスファルトを打設する場合においても、特に冬季の気温の低い場合などは、熱可塑性樹脂等が充分に溶融しないことがあり、防水材とアスファルトとの充分な接着強度が得られない場合があるという問題を生じていた。
【0011】
また、特開平10−36658号公報のコンクリートとコンクリートの層間に一液難燃性ウレタン防水層を形成する方法においては、防水性能はあるが後打ちのコンクリートの接着性が悪く、防水層と後打ちコンクリートが剥離する問題があり、更に防水層に欠陥が生じて漏水した場合に防水層と後打ちコンクリートとの層間全体に漏水した水が廻ってしまうため、漏水個所の限定等が難しく補修に手間がかかる問題等があった。
【0012】
したがって、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、合成樹脂防水材と、合成樹脂防水材上に打設する後打ち材との接着性に優れた防水工法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の防水工法は、合成樹脂防水材上に後打ち材を打設する防水工法において、合成樹脂防水材上にバインダ塗材を塗布し、前記バインダ塗材が充分に硬化する前に後打ち材を打設することを特徴とする。
【0014】
本発明の方法によれば、合成樹脂防水材上のバインダ塗材が充分に硬化する前に後打ち材を打設するので、後打ち材表面の凹凸がバインダ塗材中に食い込み、アンカー効果を発揮するので、合成樹脂防水材と後打ち材との接着強度が従来工法に比べ非常に高くなる。また、既に硬化させた合成樹脂防水材上に前記バインダ塗材を塗布するので、充分な厚さの防水材を設けることができる。
【0015】
本発明においては、バインダ塗材が、エポキシ樹脂系塗材、ウレタン樹脂系塗材、硬化性メタクリル酸メチル樹脂系塗材より選ばれた1種であることが好ましい。上記のバインダ塗材は特に合成樹脂防水材との接着性が良好であるので、特に好適に用いることができる。
【0016】
さらに、本発明においては、合成樹脂防水材がウレタン樹脂系防水材であることが好ましく、特にウレタン樹脂系防水材が、主剤と硬化剤の混合型であり、かつ、主剤のイソシアネート基と硬化剤の活性水素含有基とのモル比が1.3〜0.8となるように混合することが好ましい。これにより、初期の防水性能や長期の耐久性等が良好になる。
【0017】
また、本発明の好ましい態様としては、上記の合成樹脂防水材が、2液混合吹付け型ウレタン樹脂系防水材であり、かつ、20℃における初期硬化時間が1〜30秒である。これにより、合成樹脂防水材を短時間で硬化させることができ、工期の短縮が可能となる。
【0018】
さらに、本発明の別の好ましい態様としては、上記の合成樹脂防水材が、手塗り型ウレタン樹脂系防水材であり、かつ、20℃における初期硬化時間が5分〜24時間である。これにより、合成樹脂防水材の塗布時の飛散を防止することができる。
【0019】
また、本発明においては、後打ち材が、コンクリート、モルタル、アスファルトより選ばれた1種であることが好ましい。本発明においては後打ち材が常温で打設可能であるので、上記の後打ち材が特に好適に使用できる。
【0020】
また、本発明はさらに、合成樹脂防水材上にコンクリートおよびモルタルから選ばれる後打ち材を打設し、該後打ち材上にアスファルトを打設する防水工法において、合成樹脂防水材上にバインダ塗材を塗布し、塗布したバインダ塗材が充分に硬化する前に後打ち材を打設することを特徴とする防水工法を提供する。この態様によれば、橋梁床版等の先防水施工が確実に行えるばかりでなく、舗装面の維持管理も容易に行える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の防水工法の一実施形態を示す概略工程図である。
【0022】
本発明の防水工法は、図1(a)〜(d)に示すように、下地1上に合成樹脂防水材の防水層2、バインダ塗材の塗膜層3、後打ち材層4の各層を順に施工する。以下各工程を順に説明する。
【0023】
下地1は、本発明の先防水工法において防水加工が必要な面であり、例えば、地下構造物における床面、垂直面、天井面等、橋梁のアスファルト舗装下面等の、コンクリート、モルタル、ソイルセメントモルタル、鋼板、H鋼等より形成されている面である。
【0024】
次に図1(b)に示すように、下地1上に合成樹脂防水材の防水層2を施工する。ここで、合成樹脂防水材は、塗布型防水材であれば特に限定されない。例えばウレタン樹脂系防水材、ポリウレア樹脂系防水材、エポキシ樹脂系防水材、硬化性メタクリル酸メチル(MMA)樹脂系防水材等が挙げられる。このうち、初期の防水性能や長期の耐久性等を考慮すると、ウレタン樹脂系防水材が好ましい。ウレタン樹脂系防水材としては、吹付け型でも手塗り型でもよく、1液型でも2液以上の混合型でもよい。特に工期短縮等を考慮する場合は、ウレタン樹脂系防水材が2液混合吹付け型であり、かつ、20℃における初期硬化時間が1〜30秒であるものが好ましい。
【0025】
また、塗料の飛散防止等を考慮する場合は、ウレタン樹脂系防水材が、手塗り型であり、かつ、20℃における初期硬化時間が5分〜24時間であるものが好ましい。
【0026】
さらに、湿度の影響が少なく硬化時間が制御しやすい点からウレタン樹脂は2液混合型が好ましく、特にポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ポリオール、ポリアミンおよび水から選ばれる少なくとも1種を主成分とする硬化剤とを混合するウレタン樹脂系防水材が好ましい。
【0027】
前記ポリイソシアネートとしては特に限定されないが、例えばジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(液状MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低分子量イソシアネート化合物が挙げられる。また前記イソシアネート化合物を変性した、イソシアネート基末端プレポリマー、ビュレット化変性体等も挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、前述の低分子量イソシアネート化合物と後述のポリオールとを、NCO比が1.5〜20、イソシアネート基含有率が1〜20質量%となるように反応させたイソシアネート基末端プレポリマーが好ましい。ただしNCO比とは、イソシアネート基と活性水素含有基との混合割合、すなわちイソシアネート基の量を活性水素含有基の量で割ったモル比である。ここで活性水素含有基とは、アミノ基(−NH2)、水酸基(−OH)等であり、ポリオールの場合は水酸基である。
【0028】
合成樹脂防水材が2液混合吹付け型ウレタン樹脂系防水材の場合は、ポリイソシアネートがMDIまたは液状MDIもしくはこれらの変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が好ましい。手塗り型ウレタン樹脂系防水材の場合は、2,4−TDI、2,6−TDI、MDIまたは液状MDIもしくはこれらの変性体、イソシアネート基末端プレポリマー等が好ましい。
【0029】
前記硬化剤としては、ポリオール、ポリアミン、および水から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましいが、ポリアミンのみ、または、ポリアミンとポリオールとの混合物を用いることが特に好ましい。
【0030】
前記ポリオールとしては水酸基を2個以上持つものであれば特に限定されないが、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール等の一般ポリオール、含燐ポリオール等の難燃性ポリオール等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記ポリアミンとしては特に限定されないが、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン等が挙げられる。具体的には、ジエチルトルエンジアミン、ジアルキル−4,4’−メチレンジアニリン、テトラアルキル−4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、ビスメチルチオトルエンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、メタキシリレンジアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0032】
主剤と硬化剤を混合するウレタン樹脂系防水材では、主剤のイソシアネート基と硬化剤の活性水素含有基とのモル比(NCO比)が1.3〜0.8となるように混合することが好ましく、1.25〜0.9となるように混合することがより好ましい。前記NCO比が1.3を超えて大きくイソシアネート化合物が過剰である場合は、硬化が遅くなるとともに、過剰のイソシアネート基が空気中の水分と反応して塗膜中に炭酸ガスが発生し塗膜強度が低下することがあり好ましくない。また前記NCO比が、0.8未満でポリオール、ポリアミン等が過剰である場合は、未反応のポリオール、ポリアミン等が塗膜中に残存して強度低下、ブリード現象が起きることがあり好ましくない。
【0033】
合成樹脂防水材には必要に応じて、可塑剤、硬化触媒、充填材、酸化防止剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、着色顔料等の添加剤を添加してもよい。
【0034】
また、防水層2の塗布方法としては従来公知の方法が使用可能であり特に限定されない。さらに、本発明においては下地1に直接防水層2を設けてもよく、プライマを塗布してから施工してもよい。プライマは特に限定されないが、ウレタン樹脂系プライマ、エポキシ樹脂系プライマ等の、下地1と防水層2とを充分接着できるものが好ましい。防水層2の設定膜厚は任意であるが、橋梁等の躯体にかかる荷重等の点で、1〜10mmが好ましい。また、防水層2は1層のみでもよく、2層以上より構成されていてもよく、下地1の材質や凹凸によって適宜選択可能である。
【0035】
次に、図1(c)に示すように、防水層2上にバインダ塗材の塗膜層3を形成する。
【0036】
本発明においては、防水層2が完全に硬化した後に、塗膜層3を形成することを特徴とする。ここで、塗膜層3を構成するバインダ塗材としては、防水層2との接着性が良好なものであれば特に限定されない。
【0037】
具体的なバインダ塗材としては、例えばエポキシ樹脂系塗材、ウレタン樹脂系塗材、MMA樹脂系塗材、ポリエステル樹脂系塗材、エチレン−酢酸ビニル樹脂系塗材等が挙げられる。このうち、合成樹脂防水材との接着性、後打ち材との馴染み性、施工性等を考慮すると、エポキシ樹脂系塗材、ウレタン樹脂系塗材またはMMA樹脂系塗材が好ましい。
【0038】
また、バインダ塗材は合成樹脂防水材と実質的に同じ組成であっても、異なる組成であってもよい。実質的に同じ組成の場合とは、例えば、防水層2としてウレタン樹脂系防水材を施工し充分に硬化させた後、さらに同じウレタン樹脂系塗材を塗膜層3として設けてもよいことを意味する。
【0039】
ここで、本発明においては少なくとも下地1の上に防水層2を設けて硬化させた後に、その防水層2の上に塗膜層3を設けることが必要であり、下地1上に防水層2のみ設け、これが充分に硬化する前に後打ち材を打設することは、下地の凹凸の影響で充分な防水効果を得られる防水層2の厚さが確保されない。よって、本発明においては、下地1の上に合成樹脂防水材による防水層2を1層以上施工し充分に硬化させた後に、バインダ塗材を塗布して塗膜層3を設けることが必要であり、これにより、防水層2の厚さを確保して高い防水効果をもたせることができる。
【0040】
塗膜層3のバインダ塗材の塗布量は1m2当たり0.01kg以上が好ましい。塗布量が1m2当たり0.01kg未満の場合、バインダ塗材と後打ち材が充分になじまず、合成樹脂防水材と後打ち材が充分接着せず好ましくない。施工性等を考慮すると、バインダ塗材の塗布量は1m2当たり0.1〜3kgがより好ましい。さらに、塗膜層3の形成方法としては従来公知の塗布方法等が使用可能であり特に限定されない。
【0041】
次に、図1(d)に示すように、塗膜層3のバインダ塗材が充分に硬化する前に、塗膜層3上に後打ち材層4を形成する。ここで、図1(d)には後打ち材層4としてコンクリートが打設された場合が示されている。
【0042】
本発明において、バインダ塗材が充分に硬化する前とは、後打ち材が打設される温度において、バインダ塗材が液状または塑性変形可能な状態であることを意味する。特に後打ち材がアスファルトである場合は、バインダ塗材が常温でほとんど固化していても、アスファルト打設時の高温により塑性変形可能であれば、バインダ塗材は充分に硬化する前といえる。具体的には、コンクリート、モルタル等の常温で打設する後打ち材の場合には、常温(0〜40℃)における粘度が1×103Pa・s以下の硬化状態を意味する。またアスファルト等の高温で打設する後打ち材の場合には、打設時の高温(200〜300℃)における粘度が1×103Pa・s以下の硬化状態を意味する。
【0043】
後打ち材層4は上述のようにバインダ塗材が充分に硬化する前に打設される。これにより、後打ち材のコンクリートに含まれる砂利5、砂、セメント粒や、アスファルトの凹凸面が、硬化する前の塗膜層3に物理的に食い込み、アンカー効果を発揮するので、塗膜層3と後打ち材層4の層間の接着強度を向上させることができる。
【0044】
ここで後打ち材としては、先防水工法において防水材の施工後に施工される構造材であり、橋梁床版の舗装材、地下構造物の床、壁または天井等である。具体的には、コンクリート、モルタル、アスファルト等の材料が挙げられる。
【0045】
本発明の防水工法は、合成樹脂防水材上に後打ち材を打設することで優れた防水性能を示すが、特に橋梁床版の舗装等に好適である。すなわち、上述の方法により、合成樹脂防水材上にコンクリートおよびモルタルから選ばれる後打ち材を打設し、さらに該後打ち材上にアスファルトを打設する防水工法である。
【0046】
この態様によれば、基盤となる躯体は合成樹脂防水材で保護される。また、この合成樹脂防水材と後打ち材とは強固に接着し、耐衝撃性等の強度の面でも躯体は保護される。
【0047】
また、コンクリートおよびモルタルの上にアスファルトを打設することは通常実施されていることであるが、合成樹脂防水材の上に直接アスファルトを打設する場合と比較してアスファルトの再打設が容易になり、舗装面の整備が容易となる。
【0048】
さらに、近年普及してきた透水性アスファルトを用いた場合でも、アスファルトを浸透した水は、後打ち材および合成樹脂防水材の2層でさえぎられ躯体まで達することがないため、躯体が保護される。
【0049】
【実施例】
以下の実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0050】
(実施例1〜4)
合成樹脂防水材として下記の2液混合吹付け型ウレタン樹脂系防水材を、それぞれ30cm×30cmのコンクリート板2枚に厚さ2.0mmで塗布した。防水材が硬化後に、バインダ塗材として初期硬化時間が5〜6時間である無溶剤型エポキシ樹脂を表1に示した塗布量で塗布した。さらにバインダ塗材塗布後4〜5分後に、試験体1枚ずつにコンクリートとアスファルトをそれぞれ20mm打設し、7日間養生して実施例1〜4の試験片を得た。
【0051】
2液混合吹付け型ウレタン樹脂系防水材は次の主剤と硬化剤を用いた。主剤としては、液状MDI(日本ポリウレタン社製:ミリオネートMTL)49.8質量部と、分子量が3000のポリオキシプロピレンジオール50.2質量部とを反応させて得られた、イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基含有率13.2質量%)を用いた。この主剤のNCO比は10.7である。硬化剤は分子量が2000のポリオキシプロピレンジオール65.2質量部、ジエチルトルエンジアミン(アルベマールコーポレーション社製:エタキュア100)18.4質量部、および、分子量が2000のポリオキシアルキレンジアミン(サンテクノケミカル社製:ジェファーミンD−2000)16.4質量部の混合物を用いた。主剤と硬化剤の混合比率は、容量比が1:1、NCO比が1.12となるようにし、2液衝突混合マシンを用いて吹き付け塗布を行った。
【0052】
また、無溶剤型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(旭電化工業社製:EP−4520S)100質量部と脂肪族ポリアミン樹脂(旭電化工業社製:EH−220)40質量部を混合したものであり、ローラーを用いて塗布した。
【0053】
(実施例5〜8)
下記の2液混合手塗り型ウレタン樹脂系防水材を用い、バインダ塗材として表2に示した種類と塗布量で行った以外は実施例1〜4と同様の条件で、実施例5〜8の試験片を得た。なお、コンクリートとアスファルトの打設は、実施例5、7、8ではバインダ塗材塗布後4〜5分後に行い、実施例6では同じく1時間後に行った。
【0054】
実施例5〜8に使用した2液混合手塗り型ウレタン樹脂系防水材は次の主剤と硬化剤を用いた。主剤としては、2,4−TDIと2,6−TDIとの混合物(質量比で2,4−TDI/2,6−TDIが80/20)13.5質量部と、分子量が5000のポリオキシプロピレントリオール30.4質量部、分子量が3000のポリオキシプロピレントリオール25.5質量部、および、分子量が2000のポリオキシプロピレンジオール30.6質量部を反応させて得られた、イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基含有率3.42質量%)を用いた。主剤のNCO比は2.1である。硬化剤は4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)1.5質量部、分子量が5000のポリオキシプロピレントリオール23.2質量部、分子量が2000のポリオキシプロピレンジオール15.0質量部、および、充填材として炭酸カルシウム60.3質量部の混合物を使用した。主剤と硬化剤の配合比率は、質量比が1:2、NCO比が1.08となるようにし、撹拌機により混合した後、コテを用いて塗布した。
【0055】
実施例5に使用した無溶剤型エポキシ樹脂は実施例1〜4と同じものを使用し、刷毛を用いて塗布した。
【0056】
実施例6に使用したエマルジョン型エポキシ樹脂は初期硬化時間が4時間の2液硬化型で、次の主剤と硬化剤を用いた。主剤は自己乳化型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業社製:EM−0427、固形分100%)30.1質量部とウレタン変性エポキシ樹脂エマルジョン(旭電化工業社製:EM−0526、固形分45%)69.9質量部との混合物を使用した。硬化剤は水分散型変性脂肪族ポリアミン(旭電化工業社製:EH−4272、固形分80%)40質量部と水60質量部の混合物を使用した。主剤と硬化剤の配合比は質量比で1:1で混合し、エアーレススプレーを用いて塗布した。
【0057】
実施例7で使用した無溶剤型ウレタン樹脂は初期硬化時間が1〜3時間の1液型である。MDI(日本ポリウレタン社製:ミリオネートMT)37.4質量部、分子量が3000のポリオキシプロピレントリオール30.0質量部、および、分子量が3000のポリオキシプロピレンジオール32.6質量部を反応させて得られたイソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基含有率が9.9質量%、NCO比が5.3)を使用し、レーキを用いて塗布した。
【0058】
実施例8で使用した無溶剤型MMA樹脂は、初期硬化時間が30分である三菱レイヨン社製アクリシラップDR−80であり、刷毛を用いて塗布した。
【0059】
(実施例9、10)
バインダ塗材として実施例1〜4と同じ無溶剤型エポキシ樹脂を1m2当たり0.3kg塗布し、防水材として表3に示した種類と塗布量で行った以外は、実施例1〜8と同様に試験を行い、実施例9、10の試験片を得た。なお、コンクリートとアスファルトの打設は、バインダ塗材塗布後4〜5分後に行った。
【0060】
実施例9で使用したポリウレア樹脂系防水材は次の主剤と硬化剤を用いた。主剤は実施例1と同じイソシアネート基末端プレポリマーを使用した。硬化剤はジエチルトルエンジアミン(アルベマールコーポレーション社製:エタキュア100)20.4質量部、分子量が1000の芳香族ジアミン(イハラケミカル社製:エラスマー1000P)9.4質量部、および、分子量が2000のポリオキシアルキレンジアミン(サンテクノケミカル社製:ジェファーミンD−2000)70.2質量部の混合物を使用した。主剤と硬化剤の配合比率は、容量比が1:1、NCO比が1.11となるようにし、2液衝突混合マシンを用いて吹き付け塗布した。
【0061】
実施例10で使用したMMA樹脂系防水材は三菱レイヨン社製アクリシラップXD−359であり、コテを用いて塗布した。
【0062】
(比較例1)
バインダ塗材を使用しないでウレタン防水材に直接コンクリート、アスファルトを打設した以外は実施例1と同様の条件で比較例1の試験片を得た。
【0063】
(比較例2)
バインダ塗材の代りにウレタン防水層塗布直後に3号硅砂を1m2当たり2kg散布した以外は比較例1と同様の条件で比較例2の試験片を得た。
【0064】
(試験例)
実施例および比較例の試験片について、4cm×4cmの切込みを防水層の下地コンクリートまで達するように入れ、建研式引張接着試験機(山本扛重機社製:LPT−400ハンディタイプ)で接着強度の測定を行った。
【0065】
実施例1〜4の結果を表1に、実施例5〜8の結果を表2に、実施例9、10の結果を表3に、比較例1、2の結果を表4にまとめて示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003940312
【0067】
【表2】
Figure 0003940312
【0068】
【表3】
Figure 0003940312
【0069】
【表4】
Figure 0003940312
【0070】
表1〜3の結果より、本発明の実施例1〜10では、後打ち材であるアスファルト、コンクリートのいずれに対しても接着強度はいずれも1MPa以上となり、実用上充分な接着強度であった。これに対して表4の結果より、バインダ塗材を設けない比較例1、硅砂を骨材として用いた比較例2では接着強度がいずれも1MPa以下となり、実用上必要な接着強度が得られないことがわかる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、合成樹脂防水材と後打ち材との接着強度に優れる合成樹脂防水材が施工でき、地下構造物の先防水工法における床面、垂直面、天井面の防水、橋梁のアスファルト舗装下面のコンクリート保護防水、屋上におけるモルタル押さえ防水等として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防水工法の一実施形態を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 下地
2 防水層
3 塗膜層
4 後打ち材層
5 砂利

Claims (8)

  1. 合成樹脂防水材上に後打ち材を打設する防水工法において、合成樹脂防水材上にバインダ塗材を塗布し、前記バインダ塗材が充分に硬化する前に後打ち材を打設することを特徴とする防水工法。
  2. バインダ塗材が、エポキシ樹脂系塗材、ウレタン樹脂系塗材、硬化性メタクリル酸メチル樹脂系塗材より選ばれた1種である、請求項1に記載の防水工法。
  3. 合成樹脂防水材がウレタン樹脂系防水材である、請求項1または2に記載の防水工法。
  4. ウレタン樹脂系防水材が、主剤と硬化剤の混合型であり、かつ、主剤のイソシアネート基と硬化剤の活性水素含有基とのモル比が1.3〜0.8となるように混合する、請求項3に記載の防水工法。
  5. 合成樹脂防水材が、2液混合吹付け型ウレタン樹脂系防水材であり、かつ、20℃における初期硬化時間が1〜30秒である、請求項3または4に記載の防水工法。
  6. 合成樹脂防水材が、手塗り型ウレタン樹脂系防水材であり、かつ、20℃における初期硬化時間が5分〜24時間である、請求項3または4に記載の防水工法。
  7. 後打ち材が、コンクリート、モルタル、アスファルトより選ばれた1種である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の防水工法。
  8. 合成樹脂防水材上にコンクリートおよびモルタルから選ばれる後打ち材を打設し、該後打ち材上にアスファルトを打設する防水工法において、合成樹脂防水材上にバインダ塗材を塗布し、塗布したバインダ塗材が充分に硬化する前に後打ち材を打設することを特徴とする防水工法。
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