JP6763428B2 - 多結晶シリコンロッド及びその製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンロッド及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体機器に利用される単結晶シリコンを製造するための原料として用いられる多結晶シリコンロッド及びその製造方法に関するものである。なお、本国際出願は、2016年6月23日に出願した日本国特許出願第124042号(特願2016−124042)に基づく優先権を主張するものであり、特願2016−124042の全内容を本国際出願に援用する。
シリコン半導体の製造においては、高純度の多結晶シリコンを単結晶化してこの単結晶シリコンが基盤材料とされているが、半導体製品の高性能化、高密度化に伴い、原料となる多結晶シリコンについても、極限まで不純物を低減することが望まれている。高純度の多結晶シリコンを製造するためには、溶融凝固法のような汚染源となるるつぼ等を用いず、反応炉内で高純度の多結晶シリコンを種棒として、通電加熱してその種棒表面にシリコンが析出される、シーメンス法が主流となっている。このシーメンス法の特徴としては、沸点が常温付近にあり、蒸留精製が容易なトリクロロシランが高純度の中間原料として使用され、このトリクロロシランを還元析出させることで、通常10mm角以下の細い多結晶シリコン種棒(以下、単に「種棒」ということもある。)表面にシリコンが析出成長されて直径100mm以上の高純度の多結晶シリコンロッドが製造されている。成長中は、反応炉内に供給される原料ガスの純度などが制御され、徹底して汚染源が排除されているが、この種棒を析出反応炉にて組立てる際には反応炉内部が大気に開放されるため、大気中に含まれる物質の汚染の影響を受けやすい。この汚染を防止する対策として、組立て作業がクリーンブース内で行われたり、組立てた後に反応炉内の空気が不活性ガスなどで置換されている。しかし反応炉が一旦大気開放されると、ある程度の汚染源が残留してしまうことは避けられず、結果として製造された多結晶シリコンロッドの種棒界面付近のロッド芯部の純度は、ロッド表面部の純度より低下する結果となる。一方、シリコン析出に使用される反応炉材質は一般的にステンレス鋼で構成される場合が多く、ステンレス鋼の表面に生成した不動態被膜に含まれるFe、Ni、Cr等の金属化合物が多結晶シリコン成長中に付着すると考えられている。
従来、種棒の汚染を防止する方法として、シリコン芯線(種棒)を洗浄後に1本毎に袋詰めし、この袋詰めの状態で前記シリコン芯線をハンドリングし、反応炉内にセットする(組立てる)際に前記シリコン芯線を袋から取り出して電極に取付ける多結晶シリコンロッドの製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照。)。この方法によれば、シリコン芯線を1本ずつ袋詰めすることで、このシリコン芯線の運搬時、保管時、その他ハンドリング時の破損や汚染を防ぐことができるとされている。
また、シリコン芯線表面に形成された酸化膜、この表面に付着した窒素又はこの表面に付着した炭素成分を除去して、最終的に得られる多結晶シリコンロッドにおいて、シリコン芯線界面の酸素濃度、窒素濃度又は炭素濃度を低減し、純度の高い多結晶シリコンを製造する方法が開示されている(例えば特許文献2参照。)。この方法では、反応炉内にシリコン芯線をセットした(組立てた)後、シリコン析出用原料ガスの供給開始までの間に、反応器内の気体を水素で置換し、前記シリコン芯線の表面温度を所定の温度範囲に維持することにより、前記シリコン芯線表面に生成した酸化膜、付着した窒素や炭素成分を除去している。
また、心棒(種棒)の表面にシリコンを堆積させる前に、ハロゲン化水素を400〜1000℃の心棒温度で、少なくとも1つの心棒を有する反応器(反応炉)内へ導入し、UV光を照射することで生じるハロゲンラジカルや水素ラジカルにより生成された揮発性ハロゲン化物及び水素化物を除去することで、心棒表面の汚染を回避する方法が開示されている(例えば特許文献3参照。)。
更に、芯棒(種棒)の表面にシリコンを堆積させる前に、ガス状のHClのようなガス腐食剤を反応室に導入し、単結晶質珪素棒上を通過させることで、珪素棒表面を腐食させ、次いでガス腐食剤と導入しながらハロゲン化珪素と水素を含有するガス混合物を導入することにより、高純度の単結晶質珪素を製造する方法が開示されている(例えば特許文献4参照。)。この方法では、珪素棒表面が1〜15μmの厚さで除去され、多結晶質珪素を含まない単結晶質珪素を析出させている。
特開2015−030628号公報(請求項1、段落[0018]) WO2014/103939公報(請求項4、段落[0054]〜[0059]) 特開2012−92008号公報(請求項1、段落[0019]、[0020]、[0051]) 特開昭45−2053号公報(特許請求の範囲)
しかし、特許文献1に示される方法は、反応炉内にシリコン芯線をセットする前のシリコン芯線表面の汚染を低減する方法としては効果があるものの、袋から取り出してシリコン芯線を反応炉内にセットした後の反応炉内の環境又は雰囲気、或いはセットする時間などによっては、シリコン芯線への汚染の影響は避けられず、汚染したシリコン芯線を用いた場合、この芯線上に析出したシリコンを高純度にすることができず、更なる改善が求められていた。
また特許文献2に示される方法によれば、シリコン芯線表面に形成された酸化膜、この表面に付着した窒素や炭素成分を除去することはできるものの、この方法はシリコン芯線表面の金属不純物、特にリン成分に関しては、言及されていない。また、特許文献3に示される方法では、ハロゲン化水素を反応炉内に導入するとともに、UV光を照射するためのランプを反応炉内に導入すると、この導入により新たな汚染を誘発する可能性がある。また、ハロゲン化水素を使用する場合、高純度のハロゲン化水素の得るための手段及び排出されるガスの処理設備を用意する他、ハロゲン化水素を導入する経路からの新たな汚染に対しても対策を講じる必要がある等の未解決の課題が残る。
また特許文献3に示される方法によっても、種棒の代表的な不純物であるリンの濃度は26ppta(0.026ppba)レベルであり、更なる不純物の低減を行うためには対策が必要である。
また特許文献4に示される方法では、単結晶質珪素棒上に単結晶質珪素を蒸着(析出)させることを目的としており、析出される多結晶珪素棒表面の不純物除去については言及されていないため、多結晶シリコンの芯棒に適用した場合の効果については不明確である。
上述のように反応炉に種棒を組立てる際にはこの種棒を大気に曝すため、汚染が避けられない。これを回避するためには、種棒を大気に触れさせない方法が必要となるが、このためには作業環境や設備の大幅な改造が必要となる。本発明者は、比較的大幅な設備改造等を必要としない方法で種棒組立て時の汚染を低減する方法を発明し、本発明に到達した。
本発明の目的は、ロッド芯部の汚染を低減することにより、ロッド表面部の汚染レベルと差を低減し、ロッド全体が均質なシリコンを析出することで、特にリン濃度の差が小さい多結晶シリコンロッド及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、ロッド表面部におけるリン濃度が0.015ppba以下の多結晶シリコンロッドにおいて、前記ロッド表面からロッド芯部に向かって5〜10mmま での領域をロッド表面部とするとき、前記ロッド表面部のリン濃度(P1)に対するロッド芯部のリン濃度(P2)の比(P2/P1)が2以下の範囲にあることを特徴とする多結晶シリコンロッドである。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、前記ロッド芯部が多結晶シ リコン種棒を含む多結晶シリコンロッドである。
本発明の第の観点は、第1又は第2の観点に係る多結晶シリコンロッドを破砕して多結晶シリコン塊を製造する方法である。
本発明の第の観点は、シリコン析出反応炉内に多結晶シリコン種棒を組立てた後、前記種棒を1000℃以上シリコンの融点未満の温度に通電加熱し、前記加熱温度で前記反応炉にトリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給して前記種棒表面にシリコンを析出成長させる、シーメンス法による多結晶シリコンロッドの製造方法において、前記種棒を1000℃以上シリコンの融点未満の温度に加熱した後、前記反応炉に四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを、炉壁温度を30℃以上に維持した状態で10分間以上、供給して前記種棒の表面を前記反応炉内でエッチングし、続いて前記加熱温度で前記トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給することを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造方法である。
本発明の第の観点は、第の観点に係る発明であって、製造された多結晶シリコンロッドのバルク鉄(Fe)濃度が0.04ppbw以下、バルクニッケル(Ni)濃度が0.007ppbw以下、バルククロム(Cr)濃度が0.005ppbw以下である多結晶シリコンロッドの製造方法である。
本発明の第の観点は、第の観点に係る発明であって、前記反応炉に供給する四塩化ケイ素ガスが、前記反応炉から排出される四塩化ケイ素含有ガスを回収し、前記四塩化ケイ素含有ガスから四塩化ケイ素ガス以外の成分を分離して精製される四塩化ケイ素ガスである多結晶シリコンロッドの製造方法である。
本発明の第の観点は、第又は第の観点に係る発明であって、前記四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを前記反応炉に供給する間、炉内圧力を0.1MPaG以下に維持する多結晶シリコンロッドの製造方法である。
本発明の第の観点は、第の観点に係る方法により多結晶シリコンロッドを製造する装置であって、反応炉から排出される四塩化ケイ素ガスを含むクロロシランガス、水素ガス、塩化水素ガス等の混合ガスの処理設備が、0.1MPaG以上の反応排ガスを受け入れる第1処理系と0.1MPaG未満の反応ガスを受け入れる第2処理系の2系統を有し、前記四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを前記反応炉に供給するときには炉内圧力を0.1MPaG未満の圧力に維持して、前記反応排ガス経路を第2処理系に切り替え、前記トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給するときには炉内圧力を0.1MPaG以上の圧力に維持して、前記反応排ガス経路を前記第1処理系に切り替えるように構成されたことを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造装置である。
本発明の第1の観点の多結晶シリコンロッドは、ロッド表面からロッド芯部に向かって 5〜10mmまでの領域であるロッド表面部のリン濃度(P1)に対するロッド芯部のリン濃度(P2)の比(P2/P1)が2以下の範囲にあるため、多結晶シリコンロッドの内部から外周部全体にわたってリン濃度の差が小さい均質な析出状態を有する特長がある。
本発明の第の観点の多結晶シリコン塊を製造する方法は、第1又は第2の観点のロッド芯部のリン濃度とロッド表面部のリン濃度の差が小さい多結晶シリコンロッドを破砕する方法であるため、得られる多結晶シリコン塊は、リン濃度が低くて均質であって、半導体材料の基になる単結晶シリコン製造のための高品質な原料として使用ができる。
本発明の第の観点の多結晶シリコンロッドの製造方法では、トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給する前に反応炉に四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを供給するため、多結晶シリコン種棒の表面が四塩化ケイ素ガスでエッチングされる。この種棒表面にシリコンが析出成長されると、ロッド芯部のリン濃度とロッド表面部のリン濃度の差が小さい多結晶シリコンロッドが得られる。即ち多結晶シリコンの種棒を含めた種棒近傍のシリコン品質が向上され、ロッド芯部からロッド表面部まで全体として均質な多結晶シリコンロッドを製造することができる。また炉壁温度を30℃以上に維持した状態で10分間以上、上記エッチングを行うため、反応炉を構成するステンレス鋼の表面に生成した不動態被膜に含まれるFe、Ni、Cr等金属化合物を四塩化ケイ素ガスにより洗浄する効果がある。これにより、多結晶シリコンロッド析出の際に取り込まれる金属不純物が低減される。
本発明の第の観点の多結晶シリコンロッドの製造方法では、多結晶シリコンロッド析出の際に取り込まれる金属不純物が低減されるため、製造された多結晶シリコンロッドのバルク鉄(Fe)濃度が0.04ppbw以下、バルクニッケル(Ni)濃度が0.007ppbw以下、バルククロム(Cr)濃度が0.005ppbw以下であるという特長がある。
本発明の第の観点の多結晶シリコンロッドの製造方法では、反応炉に供給する四塩化ケイ素ガスが、シリコン析出時に副生する四塩化ケイ素ガスを含む反応炉からの排出ガスを回収し、回収されたガスから四塩化ケイ素ガス以外の成分を分離して精製されるものを利用するため、副産物を有効活用でき、かつ大幅な設備改造を必要としない利点がある。
本発明の第の観点の多結晶シリコンロッドの製造方法では、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを前記反応炉に供給する間、炉内圧力を0.1MPaG以下に維持することにより、反応炉の内壁面での四塩化ケイ素ガスの凝縮を防ぐために炉壁温度を高めなくて済む。
本発明の第の観点の多結晶シリコンロッドの製造装置では、反応炉から排出される四塩化ケイ素ガスを含むクロロシランガス、水素ガス、塩化水素ガス等の混合ガスの処理設備が、0.1MPaG以上の反応排ガスを受け入れてこの反応排ガスを蒸留精製する第1処理系と、0.1MPaG未満の反応排ガスを受け入れてこの反応ガスを蒸留精製する第2処理系の2系統を有し、シリコン析出を行う前に種棒表面の不純物を除去するときには、第2処理系で反応排ガスを処理し、シリコン析出を行うときには、第1処理系で反応排ガスを処理する。これにより、エッチング反応とシリコン析出成長反応をそれぞれ最適な、異なる圧力で実施することができる。
本実施形態の多結晶シリコンロッドの製造工程を示す図である。 本実施形態の多結晶シリコンロッドを製造する装置の構成図である。
以下に、本発明の実施形態の多結晶シリコンロッド及びその製造方法を図面を参照して説明する。
〔多結晶シリコンロッド〕
本実施形態の多結晶シリコンロッドは、ロッド表面部におけるリン(P)濃度が0.015ppba以下であって、ロッド表面部のリン濃度(P1)に対するロッド芯部のリン濃度(P2)の比(P2/P1)が2以下の範囲にある。ロッド表面部におけるリン濃度が0.015ppba以下の多結晶シリコンロッドは、十分に蒸留精製したトリクロロシラン(TCS)を原料として、徹底して汚染を排除した閉鎖系でのシリコン析出反応によって実現することができる。上記リン濃度比(P2/P1)が2を超えると、ロッド芯部のリン濃度がロッド表面部に比較して濃度差が大きくなることから、ロッド芯部からロッド表面部まで全体として均質な多結晶シリコンロッドを得ることができない。リン濃度比(P2/P1)の好ましい範囲は1.0〜1.6である。ここで、ロッド芯部とは多結晶シリコンロッドの種棒を含み、種棒を中心として直径20mmまでの領域をいい、ロッド表面部とは多結晶シリコンロッドの表面からロッド芯部に向って5〜10mmまでの領域をいう。また、上記リン濃度は、上述のロッド芯部およびロッド表面部の全周にわたる複数箇所の測定値の平均値である。
〔多結晶シリコン塊の製造方法〕
本実施形態の多結晶シリコン塊(以下、単にシリコン塊ということもある。)は、ロッド表面部におけるリン濃度が0.015ppba以下であって、上記リン濃度比(P2/P1)を有する多結晶シリコンロッド全体を3〜150mmのサイズに破砕して製造される。破砕は、ハンマー等の工具類やクラッシャー等の破砕装置を使用して行われる。破砕されたシリコン塊は、その破砕時に表面に破砕工具や破砕装置が接触するために表面汚染を生じる。そのため、破砕後は薬液によりシリコン塊をエッチングし、純水によりリンスすることによりシリコン塊の表面に付着している薬液、金属不純物等を除去して、シリコン塊を清浄化する。エッチングに使用する薬液としては、フッ酸と硝酸の混酸などの酸液が使用される。これにより、塊状状態の多結晶シリコン塊はリン濃度を初めとして金属不純物濃度が低く、均一な品質を維持したものとなり、乾燥、包装等を経て、単結晶シリコンの原料となる。
〔多結晶シリコンロッドの製造方法〕
本実施形態の多結晶シリコンロッドを製造する一例を次に説明する。この製造方法では、図1に示すように、多結晶シリコン種棒の組立て工程10と、この種棒を通電加熱する工程11と、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを供給する工程12と、トリクロロシラン(TCS)ガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給する工程13とを経て多結晶シリコンロッド14を得る。
本実施形態の多結晶シリコン種棒としては、例えば、バルクのリン(P)濃度が0.02ppba以下の多結晶シリコンロッドから断面形状が7〜10mm角にかつ長さ2000mm程度に切り出したものが用いられる。バルクのリン(P)濃度が0.02ppbaを超えていると、この種棒から多結晶シリコンロッドを製造したときにロッド表面部とロッド芯部のリン濃度比(P2/P1)が2以下になりにくい。このため、種棒は、反応炉内で組立てる前に、種棒の加工やハンドリング等で汚染した表面を薬液により処理を行い、不純物を除去する。使用する薬液としてはフッ酸と硝酸の混酸溶液などの酸液が用いられる。次いで純水により薬液や金属不純物等を除去した後、種棒表面の乾燥を行い、極力汚染させないように種棒を密封包装する。
多結晶シリコン種棒の組立て工程10では2本の多結晶シリコン種棒を図示しない反応炉の内底部に配設された少なくとも一対の電極にそれぞれ立設させ、この状態でこれら2本の種棒の上端部間を1本の連結部材で繋いで鳥居型に組立てる。種棒を反応炉内の電極に立設する際には、極力清浄な環境の下で清潔な手袋等を使用し、種棒の表面汚染を生じさせないようにする。この段階で表面汚染のレベルが大きいと反応炉内に残留する不純物が増えて、期待している効果が得られなくなる。
種棒の通電加熱工程11では、種棒を反応炉内で組立てた後、不活性ガスを供給し、炉内のガス置換を行う。炉内に設置してあるヒータにより種棒を予熱後、種棒の通電加熱を行う。具体的には上記電極から多結晶シリコン種棒に電流を導通させて多結晶シリコン種棒を不活性ガス雰囲気中で種棒の表面が1000℃以上シリコンの融点未満の温度で加熱する。このときの加熱時間は10〜60分間、炉内圧力は0.04〜0.1MPaGであることが好ましい。加熱温度が1000℃未満であると、種棒表面のエッチング速度が遅くなり、種棒表面の不純物を完全に除去できない。また1400℃を超えると種棒の溶融温度近くになるので、1400℃以下が好ましい。加熱時間が10分未満では種棒表面の不純物を完全に除去できず、60分を超えると種棒表面のエッチングに伴うロス分が多くなるとともに、反応時間の長期化に伴い電力使用量が増加するため、運転コストの増加に繋がる。また炉内圧力が0.04MPaG未満では、後工程の排ガス処理設備へのガスの送り出しが困難になり、0.1MPaGを超えると、供給するガス中の四塩化ケイ素が反応炉内で凝縮し易くなり、所望する四塩化ケイ素ガスの体積濃度が維持しにくくなる。
本実施形態の特徴ある構成は、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを供給する工程12にある。この工程12では、工程11の加熱温度と炉内圧力を維持し、炉壁温度を30℃以上に維持した状態で水素ガス雰囲気にて10分間以上、四塩化ケイ素ガス(STC)と水素ガスの混合ガスを反応炉内に供給する。四塩化ケイ素ガスは種棒表面層をエッチングするガスであり、水素ガスはキャリアガスである。
工程12におけるSTCガスと水素ガスの割合は、STCガスと水素ガスの混合ガス中、STCガスの濃度が20体積%以上90体積%以下であることが好ましい。STCガスの濃度が20体積%以上であればシリコン表面を確実にエッチングできると推察されるため、種棒表面の汚染は確実に除去できると考えられる。STCガスの濃度が20体積%未満であるとシリコン表面のエッチング速度が遅くなり、むしろ成長反応となって不純物を取り込んでしまう。ただし、TCSガスと水素ガスの混合ガスに比べ成長速度が遅いため、Fe、Ni、Crなどの金属による汚染は低減傾向が見られる場合がある。STCガスの濃度が90体積%を超えると、供給配管や反応炉内で混合ガス中のSTCガスが凝縮し易くなり、所望するSTCガス体積濃度を維持できなくなる可能性があると考えられる他、予期しない場所にSTCの液溜まりが発生するなど、安定した反応炉の稼働ができなくなるおそれがある。またSTCガスと水素ガスの混合ガスを供給する際、STCガスの濃度を一定とする必要はなく、20体積%以上の範囲にて濃度のレベルを変動させてもよい。
上記の温度範囲で所定のSTCガス濃度の混合ガスを、少なくとも10分以上反応炉内に供給することが好ましい。10分未満の短い時間の場合、種棒表面の不純物が完全に除去できない場合もあるため、10〜60分の範囲の処理が好ましい。また種棒表面の不純物を効率的に除去するためには、反応炉壁温度は少なくとも30℃以上であることが好ましい。40℃以上80℃以下が更に好ましい。不純物除去に使用されるSTCガスは沸点が57.6℃と常温では液体になるため、25体積%以上の濃度で反応炉内に供給する場合、炉壁面温度が低いと炉壁にSTCガスが凝縮して炉内中のSTCガス濃度が低下することにより、種棒表面での期待したエッチング作用が得られなくなるおそれがあるからである。
〔多結晶シリコンロッドの製造方法で製造された多結晶シリコンロッド〕
上記方法にてSTCガスと水素ガスの混合ガスにて種棒表面のエッチングをしてから製造した多結晶シリコンロッドは、そのバルクFe濃度が0.04ppbw以下、そのバルクNi濃度が0.007ppbw以下、そのバルクCr濃度が0.005ppbw以下である。STCガスの濃度が20体積%以上90体積%以下、かつSTCガスと水素ガスの混合ガス供給時間を10分以上、かつエッチングの際の反応炉壁温度を30℃以上とする限り、バルク金属不純物濃度は上記範囲内となる。
トリクロロシラン(TCS)ガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給する工程13では、反応炉にトリクロロシラン(TCS)ガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給し、通電加熱下での種棒表面においてトリクロロシラン(TCS)ガスの熱分解又は還元反応により種棒表面にシリコンを析出成長させて多結晶シリコンロッドを製造する。ここで、シーメンス法においては、原料ガスとしてTCSガス及び水素ガスが使用されるが、シリコン析出反応時のTCSの熱分解又は還元反応において、STCガスや水素ガス、塩化水素ガス等が生成するとともに、反応排ガス中には反応に寄与しないTCSガスや水素ガスが含まれている。本発明に使用するSTCガスについては、反応排ガス中に含有されているSTCガスを回収及び蒸留により精製し、水素ガスと混合して使用することが好ましい。この場合、回収されたSTCガスは、反応系内から回収されたものであることから、容易に得られるとともに、系内から生成されるため、安定した品質のSTCガスとして使用できる。また、混合ガス中の水素についても同様に反応排ガス中に含まれる水素を回収、精製処理して使用することが好ましい。
また、TCSガス及び水素ガスによるシリコン析出反応時には、反応炉内は圧力が高い方が有利であり、また、外気の漏れ込み等を避けるために常圧より高く設定することが好ましく、0.5〜0.6MPaG程度の圧力下で行われることが望ましい。一方、例えば0.1MPaG以上の炉内圧力とした場合、反応炉壁面でのSTCガスの凝縮が生じないようにするためには、反応炉壁温度条件を50℃以上に維持しなければならない。しかし50℃以上にすると、作業環境への負荷が高くなるばかりでなく、反応炉壁からのアウトガスによる炉内汚染の影響や、反応炉シール部材等への熱の影響なども生じるため、反応炉内圧は0.1MPaG未満に調整し、反応炉壁温度は80℃以下にすることが好ましい。このため、0.1MPaG未満の反応炉内圧における反応排ガスを処理するためには、より低圧の排ガス処理設備を設けることが好ましい。
[多結晶シリコンロッドの製造装置]
この好ましい排ガス処理設備を備えた本実施形態の多結晶シリコンロッドの製造装置を図2に示す。図2に示すようにこの製造装置20は、多結晶シリコンを析出する反応炉21を有する。この反応炉21の底部に設けられたガス供給口にはトリクロロシランガスと水素ガスを混合する第1ガス混合器22が接続される。製造装置20は、反応炉21から排出されるクロロシランガスと水素ガス等の混合ガスの処理設備23を有する。この反応排ガス処理設備23は、0.1MPaG以上の反応排ガスを受け入れる第1処理系23aと、0.1MPaG未満の反応排ガスを受け入れる第2処理系23bの2系統を有する。処理設備23で回収、蒸留精製されたTCSガスと水素ガスは上述した第1ガス混合器22にフィードバックされる。また、同様に蒸留精製されたSTCガスと水素ガスは第2ガス混合器24に導かれ、ここで混合される。このガス混合器24は反応炉21の底部に設けられたガス供給口に接続される。また、反応炉排ガス中には塩化水素ガスも含まれるが、塩化水素ガスも処理設備23a、23bでそれぞれ処理される。図2では、その記載を省略している。
多結晶シリコンロッドの製造装置20は、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを第2ガス混合器24を介して反応炉21に供給するときには、炉内圧力を0.1MPaG未満の圧力に維持して、反応排ガス経路を第2処理系23bに切り替え、一方、トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給するときには、炉内圧力を0.1MPaG以上の圧力に維持して、反応排ガス経路を第1処理系23aに切り替えるように構成される。具体的には、シリコン析出を行う前の種棒表面の不純物除去時に0.1MPa未満の受け入れ圧力可能な第2処理系23bに切り替えられ、シリコン析出反応時においては0.1MPa以上の受け入れ圧力可能な第1処理系23aに切り替えられる。
反応炉内の種棒表面におけるシリコンの析出反応は、先ず反応炉にSTCガスと水素ガスの混合ガスを供給した後、続いてSTCガスと水素ガスの混合ガスをTCSガスと水素ガスの混合ガスに切り替えて供給することで行われる。この場合、種棒は1000℃以上の温度に維持されているため、ヒータ等による初期加熱は必要ない。シリコン析出反応時の条件は、原料ガスを反応炉底部から炉内に供給するとともに、種棒への連続的な通電による加熱により、連続して種棒表面においてシリコン析出が行われ、所望の直径の多結晶シリコンロッドが製造される。所定の反応時間が経過した後、種棒への通電を停止するとともに、原料ガスの供給を停止し、反応炉内の冷却を行う。また反応炉を冷却した後、反応炉を開放する前に、反応炉内の残留ガスを置換するために、所定時間水素又は不活性ガス等を供給して流通させる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
バルクのリン(P)濃度が0.020ppbaであるシリコンロッドから断面形状が約8mm角にかつ長さ約2000mmに切り出した種棒をフッ酸と硝酸の混酸溶液でエッチングし、純水による洗浄で表面を清浄化した。反応炉の内底部に配設された一対の電極に種棒をそれぞれ立設し、これらの種棒の上端部間を連結部材で繋いで鳥居型に組立てた。その後反応炉内を不活性ガスにて置換し、種棒をヒーターで予熱した後に通電して約1100℃に昇温した後、水素ガスを10分間流し、不活性ガスを追い出した。その後、水素ガスを、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガス(25体積%STC)に切り替えて10分間反応炉内に供給した。この際、反応炉の炉壁温度を30℃、炉内圧力を0.06MPaに維持した。その後、STCガスと水素ガスの混合ガスをTCSガスと水素ガスの原料ガスに切り替えて約120時間反応炉内に供給した。種棒の表面上にシリコンが析出成長し直径約115mmの多結晶シリコンロッドが得られた。
<実施例2>
実施例1と同じ処理を行った種棒を用いて実施例1と同様に鳥居型に種棒を組立て、反応炉内を不活性ガスにて置換し、種棒をヒーターで予熱した後に通電して昇温した後、水素ガスを10分間流し、不活性ガスを追い出した。その後、水素ガスを、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガス(50体積%STC)に切り替えて30分間反応炉内に供給した。この際、反応炉の炉壁温度を80℃、炉内圧力を0.07MPaGに維持した。その後、STCガスと水素ガスの混合ガスをTCSガスと水素ガスの原料ガスに切り替えて約120時間反応炉内に供給した。種棒の表面上にシリコンが析出成長し直径約117mmの多結晶シリコンロッドが得られた。
<実施例3>
実施例1と同じ処理を行った種棒を用いて実施例1と同様に鳥居型に種棒を組立て、反応炉内を不活性ガスにて置換し、種棒をヒーターで予熱した後に通電して昇温した後、水素ガスを10分間流し、不活性ガスを追い出した。その後、水素ガスを、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガス(65体積%STC)に切り替えて20分間反応炉内に供給した。この際、反応炉の炉壁温度を80℃、炉内圧力を0.08MPaGに維持した。その後、STCガスと水素ガスの混合ガスをTCSガスと水素ガスの原料ガスに切り替えて約120時間反応炉内に供給した。種棒の表面上にシリコンが析出成長し直径約122mmの多結晶シリコンロッドが得られた。
<比較例1>
実施例1と同じ処理を行った種棒を用いて実施例1と同様に鳥居型に種棒を組立てた。反応炉内を不活性ガスにて置換し、種棒をヒーターで予熱した後に通電して約1100℃に昇温した後、水素ガスを10分間流し、不活性ガスを追い出した。その後、STCガスと水素ガスの混合ガスを反応炉に供給することなく、水素ガスをTCSガスと水素ガスの原料ガスに切り替えて約120時間反応炉に供給した。種棒の表面上にシリコンが析出成長し直径約120mmの多結晶シリコンロッドが得られた。
<比較例2>
実施例1と同じ処理を行った種棒を用いて実施例1と同様に鳥居型に種棒を組立て、反応炉内を不活性ガスにて置換し、種棒をヒーターで予熱した後に通電して約1100℃に昇温した後、水素ガスを10分間流し、不活性ガスを追い出した。その後、水素ガスを、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガス(10体積%STC)に切り替えて10分間反応炉内に供給した。この際、反応炉の炉壁温度を15℃、炉内圧力を0.08MPaGに維持した。その後、STCガスと水素ガスの混合ガスをTCSガスと水素ガスの原料ガスに切り替えて約120時間反応炉内に供給した。種棒の表面上にシリコンが析出成長し直径約120mmの多結晶シリコンロッドが得られた。
<比較試験及び評価>
実施例1〜3と比較例1、2で得られた5種類の多結晶シリコンロッドを円柱状にそれぞれ切り出して試料とした。円柱状に切り出した試料から、(a)種棒を含むロッド芯部、(b)ロッド表面から5mmのロッド表面部、(c)ロッド表面から40mmのロッド中間部のそれぞれから直径12mmの棒を2本切り出し、これらの棒を個別にFZ法によって結晶化し、SEMI MF1389に則って、PL(Photoluminescence)法でリン濃度を測定した。上記とは別に実施例1〜3と比較例1、2で得られた多結晶シリコンロッドから試料をそれぞれ切り出し、試料に含まれるバルクの金属不純物の濃度をICP−MSを用いて測定した。具体的には、ロッドから3個の試料を採取して、試料毎に鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の各濃度を測定し、その平均値を求めた。2本のリン濃度の平均値と、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びクロム(Cr)の各濃度をの平均値を表1に示す。
Figure 0006763428
表1から明らかなように、比較例1では、種棒表面にシリコンを析出する前に四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを供給しなかったため、エッチングが行われず、ロッド表面部のリン濃度(P1)に対するロッド芯部のリン濃度(P2)の比(P2/P1)が6.20であった。また得られたシリコンロッドのバルクFe濃度が0.20ppbw、バルクNi濃度0.010ppbw、バルクCr濃度0.010ppbwであった。
比較例2では、四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを供給する際、STCガスの濃度を10体積%、反応炉の炉壁温度を15℃としたため、エッチングが十分行われず、上記比(P2/P1)が4.30であった。また得られたシリコンロッドのバルクFe濃度が0.05ppbw、バルクNi濃度0.009ppbw、バルクCr濃度0.012ppbwであった。
これに対して、実施例1〜3では、種棒表面にシリコンを析出する前に四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを、STCガスの濃度を25〜65体積%、反応炉の炉壁温度を30℃以上にして10分間以上供給したため、エッチングが十分に行われて、上記比(P2/P1)が1.64〜1.80であり、ロッド内部(芯部)からロッド表面部まで全体として均質な多結晶シリコンロッドが得られることを確認した。また上記シリコンロッドのバルクFe濃度が0.04ppbw以下、バルクNi濃度0.007ppbw以下、バルクCr濃度0.005ppbw以下であり、含有するFe、Ni、Crを低減したシリコンロッドを得られることを確認した。
本発明の多結晶シリコンロッドは、半導体機器に利用される単結晶シリコンを製造するための原料として利用することができる。

Claims (8)

  1. ロッド表面部におけるリン濃度が0.015ppba以下の多結晶シリコンロッドにおいて、前記ロッド表面からロッド芯部に向かって5〜10mmまでの領域をロッド表面部 とするとき、前記ロッド表面部のリン濃度(P1)に対するロッド芯部のリン濃度(P2)の比(P2/P1)が2以下の範囲にあることを特徴とする多結晶シリコンロッド。
  2. 前記ロッド芯部が多結晶シリコン種棒を含む請求項1記載の多結晶シリコンロッド。
  3. 請求項1又は2記載の多結晶シリコンロッドを破砕して多結晶シリコン塊を製造する方法。
  4. シリコン析出反応炉内に多結晶シリコン種棒を組立てた後、前記種棒を1000℃以上シリコンの融点未満の温度に通電加熱し、前記通電加熱した温度で前記反応炉にトリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給して前記種棒表面にシリコンを析出成長させる、シーメンス法による多結晶シリコンロッドの製造方法において、
    前記種棒を1000℃以上シリコンの融点未満の温度に加熱した後、前記反応炉に四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを、炉壁温度を30℃以上に維持した状態で10分間以上、供給して前記種棒の表面を前記反応炉内でエッチングし、続いて前記加熱温度で前記トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給することを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造方法。
  5. 前記製造された多結晶シリコンロッドのバルク鉄(Fe)濃度が0.04ppbw以下、バルクニッケル(Ni)濃度が0.007ppbw以下、バルククロム(Cr)濃度が0.005ppbw以下である請求項記載の多結晶シリコンロッドの製造方法。
  6. 前記反応炉に供給する四塩化ケイ素ガスが、前記反応炉から排出される四塩化ケイ素含有ガスを回収し、この四塩化ケイ素含有ガスから四塩化ケイ素ガス以外の成分を分離して精製される四塩化ケイ素ガスである請求項記載の多結晶シリコンロッドの製造方法。
  7. 前記四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを前記反応炉に供給する間、炉内圧力を0.1MPaG以下に維持する請求項又は記載の多結晶シリコンロッドの製造方法。
  8. 請求項記載の方法により多結晶シリコンロッドを製造する装置であって、反応炉から排出される四塩化ケイ素ガスを含むクロロシランガス、水素ガス、塩化水素ガス等の混合ガスの処理設備が、0.1MPaG以上の反応排ガスを受け入れる第1処理系と0.1MPaG未満の反応ガスを受け入れる第2処理系の2系統を有し、前記四塩化ケイ素ガスと水素ガスの混合ガスを前記反応炉に供給するときには炉内圧力を0.1MPaG未満の圧力に維持して、前記反応排ガス経路を第2処理系に切り替え、前記トリクロロシランガスと水素ガスを主成分とする原料ガスを供給するときには炉内圧力を0.1MPaG以上の圧力に維持して、前記反応排ガス経路を前記第1処理系に切り替えるように構成されたことを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造装置。
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