JP5444839B2 - トリクロロシラン製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テトラクロロシランをトリクロロシランに転換するトリクロロシラン製造装置及び製造方法に関する。
高純度のシリコン(Si:珪素)を製造するための原料として使用されるトリクロロシラン(SiHCl)は、テトラクロロシラン(SiCl:四塩化珪素)を水素と反応させて転換することで製造することができる。
すなわち、シリコンは、以下の反応式(1)(2)によるトリクロロシランの還元反応と熱分解反応で生成され、トリクロロシランは、以下の反応式(3)による転換反応で生成される。
SiHCl+H → Si+3HCl ・・・(1)
4SiHCl → Si+3SiCl+2H ・・・(2)
SiCl+H → SiHCl+HCl ・・・(3)
このトリクロロシランの製造装置として、例えば特許文献1には、反応炉内に複数のカーボン製ヒータが設けられて、これらのカーボン製ヒータが直接通電加熱されて、反応炉に導入されたテトラクロロシランと水素とを含む供給ガスを加熱し、トリクロロシランへ転換させる装置が提案されている。なお、このカーボン製ヒータの表面には、炭化珪素等のシリコン化合物がコーティングされている。すなわち、シリコン化合物のコーティング膜でカーボンを保護することにより、カーボンと供給ガス及び転換して得られた反応生成ガス中の水素、クロロシラン及び塩化水素とが反応してメタン、メチルクロロシラン、炭化珪素等が生成されて不純物となることを防ぐためである。
特開昭62−123011号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記特許文献1の技術では、不純物生成を防ぐためにカーボン製ヒータの表面に炭化珪素等をコーティングしているが、この場合、部材コストが高くなると共に、炭化珪素等のコーティング膜が徐々にエッチングされて劣化することから、長期にわたって使用することができないという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、部材コストの低減を図ると共に長寿命の部材で構成可能なトリクロロシラン製造装置及びトリクロロシラン製造方法を提供することを目的とする。
本発明のトリクロロシラン製造装置は、テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスを反応させてトリクロロシランを含む反応生成ガスを生成するトリクロロシラン製造装置であって、複数のシリコン芯棒が保持される反応炉に、前記原料ガスを前記反応炉内に噴出するためのガス供給口及び反応後のガスを前記反応炉の外に導出するためのガス導出口と、前記シリコン芯棒を加熱する加熱手段とが備えられるとともに、前記ガス供給口に、テトラクロロシランと水素とを含むトリクロロシラン製造用原料ガスと、トリクロロシランと水素とを含む多結晶シリコン析出用原料ガスとを切り替えて供給可能な原料ガス供給系が接続されていることを特徴とする。
また、本発明のトリクロロシラン製造方法は、反応炉内に複数のシリコン芯棒を設けておき、これらシリコン芯棒を加熱するとともに、前記反応炉内部にトリクロロシランと水素とを含む多結晶シリコン析出用原料ガスを供給して前記シリコン芯棒の表面に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコン析出工程と、その後、前記多結晶シリコン析出用原料ガスに替えて、テトラクロロシランと水素とを含むトリクロロシラン製造用原料ガスを前記反応炉内に供給してトリクロロシランを含む反応生成ガスを生成するトリクロロシラン生成工程とを有することを特徴とする。
すなわち、反応炉内にトリクロロシラン製造用原料ガスと多結晶シリコン析出用原料ガスとを供給できるようにしておき、まず、反応炉内のシリコン芯棒を加熱状態として、多結晶シリコン析出用原料ガスを反応炉内に供給することにより、いわゆるシーメンス法として前記反応式(1)(2)の還元反応と熱分解反応によってシリコン芯棒の表面に多結晶シリコンを析出する。このとき、多結晶シリコンはシリコン芯棒だけでなく、その支持部分等の反応炉内の各部表面にも析出し、また、比較的低温の反応炉の壁の内表面には高分子塩化珪素化合物からなるポリマー化合物も付着して、これら多結晶シリコンやポリマー化合物によって反応炉内の各部表面が覆われた状態となる。次いで、多結晶シリコン析出用原料ガスに替えてクロロシラン製造用原料ガスを反応炉内に供給することにより、前記反応式(3)の転換反応によってトリクロロシランが生成される。このときは、シリコン芯棒及びその表面に析出した多結晶シリコンは十分に加熱されているとともに、反応炉内の各部表面が多結晶シリコンやポリマー化合物により覆われた状態となっているため、反応炉内の各部の構成材に起因する不純物の汚染のない、高純度のトリクロロシランを得ることができる。
本発明のトリクロロシラン製造装置において、前記加熱手段は、前記シリコン芯棒を輻射熱によって加熱するカーボン製ヒータと、前記シリコン芯棒に電流を流してジュール発熱させる電源部とを備える構成としてもよい。
このトリクロロシラン製造装置では、カーボン製ヒータによってまずシリコン芯棒を加熱し、次いで、シリコン芯棒を電源部からの通電によってジュール発熱させることにより、シリコン芯棒を高温に加熱状態とすることができる。そして、このシリコン芯棒に多結晶シリコンを析出させる際に、カーボン製ヒータの表面にも多結晶シリコンが析出する。したがって、トリクロロシランを製造する際には、カーボン製ヒータの表面は多結晶シリコンに覆われた状態となっており、カーボンに起因する不純物の生成がなく、純度の高いトリクロロシランを得ることができる。
また、本発明のトリクロロシラン製造装置において、前記反応炉の壁はジャケット構造とされ、そのジャケット内の流路に熱媒体を供給する熱媒体供給系が接続されている構成としてもよい。
つまり、シリコン芯棒に多結晶シリコンを析出させる際には、ジャケットに冷却用の熱媒体を供給して反応炉内表面を冷却することにより、ポリマー化合物が凝縮し易い状態とすることができる。一方、トリクロロシランを製造する際には、数十℃以上の熱媒体を供給することにより、テトラクロロシランを反応炉内表面で凝縮させることなくガス状に維持することができ、テトラクロロシランを有効にトリクロロシランに転換することができる。
また、本発明のトリクロロシラン製造方法において、前記多結晶シリコン析出工程と前記トリクロロシラン生成工程とを交互に繰り返すものとしてもよく、トリクロロシランを所定時間おきに継続して製造することができる。
本発明によれば、シリコン芯棒に多結晶シリコンを析出させる際に、反応炉内の各部表面にも多結晶シリコンやポリマー化合物が析出し、その状態でトリクロロシランを製造するので、反応炉内表面等からの不純物の生成のない、高純度のトリクロロシランを製造することができ、しかも、多結晶シリコン等に覆われた環境で長時間にわたってトリクロロシランの製造を継続することができる。この場合、従来技術のような炭化珪素(SiC)のコーティングが不要になり、構成部材の低コスト化と長寿命化を図ることができる。また、いわゆるシーメンス法による多結晶シリコンの製造に用いられる装置と同様の仕様のものが適用可能であり、設備全体の設計の容易化、コスト低減を図ることができる。
本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態を示す一部を破断した斜視図である。 本実施形態のトリクロロシラン製造装置を示す縦断面図である。 図2に示す状態からシリコン芯棒に多結晶シリコンを析出させた後にトリクロロシランを製造している状態のトリクロロシラン製造装置を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るトリクロロシラン製造装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は本実施形態のトリクロロシラン製造装置の全体を示す図であって、該トリクロロシラン製造装置の反応炉1は、炉底を構成する底板部2と、この底板部2上に脱着自在に取り付けられた釣鐘形状のベルジャ3とを具備している。この場合、底板部2の上面はほぼ平坦な水平面に形成されるが、ベルジャ3は、全体として釣鐘形状をしていて、天井がドーム型であるので、その内部空間は中央部が最も高く外周部が最も低く形成されている。なお、これら底板部2及びベルジャ3は、いずれも例えばステンレス鋼によって形成される。
底板部2には、多結晶シリコンによって形成されたシリコン芯棒4が取り付けられる複数対の電極5と、原料ガスを炉内に噴出するための噴出ノズル(ガス供給口)6と、反応後のガスを炉外に導出するためのガス導出口7とがそれぞれ複数設けられている。
この場合、原料ガスの噴出ノズル6は、各シリコン芯棒4に対して均一に原料ガスを供給することができるように、反応炉1の底板部2の上面のほぼ全域に分散して適宜の間隔をあけながら複数設置されている。これら噴出ノズル6は、反応炉1の外部の原料ガス供給系8に接続されている。また、ガス導出口7は、底板部2の上の外周部付近に周方向に適宜の間隔をあけて複数設置され、外部のガス処理系9に接続されている。
なお、各電極5は外部の電源部10に接続状態とされている。また、これら電極5、噴出ノズル6など、反応炉1内に設置される各部品は、カーボンによって形成されている。
また、シリコン芯棒4は、下端部が電極5内に差し込まれた状態に固定されることにより、上方に延びて立設されており、図1に示すように、そのうちの二本ずつを対として連結するように、上端部に1本の短尺の連結部材12が取り付けられている。この連結部材12もシリコン芯棒4と同じ多結晶シリコンによって形成される。これら二本のシリコン芯棒4とこれらを連結する連結部材12とによって、全体として逆U字状又はΠ字状となるようにシード組み立て体13が組み立てられ、これらシード組み立て体13は、電極5が反応炉1の中心から同心円状に配置されていることにより、全体としてほぼ同心円状に配置されている。なお、これらシリコン芯棒4は、反応炉1の底板部2上に、例えば10〜30本/mの密度で配置されるように設けられる。
また、図2に示すように反応炉1の中心部にはカーボン製ヒータ15が設けられている。このカーボン製ヒータ15は、例えばグラファイトからなり、シリコン芯棒4と同様に、底板部2上の電極5に逆U字状に組み立てられて立設され、シリコン芯棒4の全長に輻射熱を照射できるように、シリコン芯棒4の全長に見合う高さに設定されている。
一方、原料ガス供給系8は、テトラクロロシラン供給系21と、トリクロロシラン供給系22と、水素ガス供給系23との3系統設けられており、それぞれ弁24〜26が設けられ、これら弁24〜26の開閉を切り替えることによってこれらガスのうちの一種又は複数種を選択して供給することができるようになっている。
また、反応炉1の底板部2及びベルジャ3の壁はジャケット構造とされている。すなわち、これら底板部2には、その下面を覆うジャケットとしての外板部27が設けられるとともに、ベルジャの壁3にも、その外側を覆うジャケットの外壁28が設けられ、底板部2と外板部27との間、及びベルジャの壁3と外壁28との間に、内部に熱媒体を流通させる流路29が形成され、該流路29に、熱媒体供給系30及び熱媒体排出系31が接続されている。
なお、符号32は反応炉1の壁に設けた窓、符号33は窓32を介して反応炉1の内部を監視する赤外線カメラを示している。
次に、このように構成したトリクロロシラン製造装置によってトリクロロシランを製造する方法について説明する。
このトリクロロシラン製造方法は、反応炉1内のシリコン芯棒4の表面に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコン析出工程と、そのシリコン芯棒4に多結晶シリコンが析出した状態でトリクロロシランを生成するトリクロロシラン生成工程とを有している。以下、この工程毎に説明する。
<多結晶シリコン析出工程>
図1及び図2に示すように反応炉1内にシリコン芯棒4を立設しておき、このシリコン芯棒4及び中央のカーボン製ヒータ15に各電極5を通して電源部10から通電する。この場合、カーボン製ヒータ15の方がシリコン芯棒4よりも先に発熱して温度上昇し、このカーボン製ヒータ15の輻射熱が近傍位置のシリコン芯棒4に伝えられ、これを外面から加熱する。シリコン芯棒4は、通電可能となる状態までに温度上昇すると、自身の電極5からの通電によってジュール発熱状態となり、その熱が隣接する周囲のシリコン芯棒4に伝わって、これらシリコン芯棒4を加熱し、その伝熱現象が反応炉1の半径方向等に次々に伝播して、最終的に反応炉1内の全てのシリコン芯棒4が通電して発熱状態となる。つまり、本実施形態では、シリコン芯棒を加熱するための加熱手段は、カーボン製ヒータ15と、電極5に接続状態の電源部10とにより構成される。
一方、原料ガス供給系8においては、まず、トリクロロシラン供給系22及び水素ガス供給系23の弁25,26を開くとともに、テトラクロロシラン供給系21の弁24を閉じた状態とし(図中、黒塗りの弁が閉じた状態、白抜きの弁が開いた状態を示している)、多結晶シリコン製造用原料ガスとして水素ガスとトリクロロシランとの混合ガスを反応炉1内に供給する。この場合、水素ガスとトリクロロシランのモル比率は、例えば4.5〜7.5(水素ガス/トリクロロシラン)に設定する。そして、各シリコン芯棒4が原料ガスの分解温度(950〜1100℃)にまで上昇すると、噴出ノズル6から噴出した原料ガスがシリコン芯棒4の表面上に多結晶シリコンを析出する。
また、反応炉1の壁の中の流路29には熱媒体供給系30から熱媒体として例えば25〜40℃の冷却水を流通させておく。
この状態で例えば50〜80時間経過させることにより、シリコン芯棒4の表面に順次析出する多結晶シリコンが図3に示すように大径のシリコンロッドRに成長する。
また、このシリコン芯棒4を保持している電極5や、噴出ノズル6の表面等にも多結晶シリコンが析出する。反応炉1の壁は冷却されていることから、反応により生じたガス中の高分子塩化珪素化合物からなるポリマー化合物が凝縮して表面に付着する。これら付着物を図3に符号Sで示す。なお、ガス導出口7からは、反応生成ガスとしてテトラクロロシラン、未反応のトリクロロシラン及び水素ガス等が導出され、ガス処理系9に送られる。
<トリクロロシラン生成工程>
次に、電源部10からの電流値を調整してシリコンロッドRを例えば1050〜1200℃に加熱した状態とし、原料ガスとしては、トリクロロシラン供給系22の弁25を閉じて、テトラクロロシラン供給系21の弁24を開放することにより、今まで供給していたトリクロロシランに替えて、トリクロロシラン製造用原料ガスとしてテトラクロロシランと水素ガスとの混合ガスを反応炉1内に供給する。この場合、水素ガスとテトラクロロシランとのモル比率は、例えば1.5〜4.5(水素ガス/テトラクロロシラン)に設定する。また、反応炉1の壁内の流路29には、熱媒体として、多結晶シリコン析出時よりも高温の例えば60〜85℃の冷却水を流通させておく。
反応炉1内に供給されたテトラクロロシランは、高温状態に加熱されたシリコンロッドRに接触して、転換反応によりトリクロロシランを含む反応生成ガスに転換される。このトリクロロシランは、一部はさらに熱分解反応及び還元反応によってシリコンロッドRの表面に多結晶シリコンを析出させるが、大部分はガス導出口7から外部に導出される。このとき、同時に未反応のテトラクロロシラン及び水素ガス等も導出され、ガス処理系9に送られてトリクロロシランの回収がなされる。
このトリクロロシランの製造において、反応炉1の内表面や電極5、噴出ノズル6の表面は多結晶シリコンやポリマー化合物等の付着物Sによって覆われた状態となっているため、これらの構成材である金属やカーボンに起因する不純物の生成がなく、純度の高いトリクロロシランを製造することができる。
以上の多結晶シリコン析出工程とトリクロロシラン生成工程との連続した一連の処理を一回のユニットとし、原料ガスを切り替えながら多結晶シリコン析出工程とトリクロロシラン生成工程とを交互に繰り返すことにより、トリクロロシランを所定時間おきに継続して製造することができる。
そして、このトリクロロシランの製造方法は、その一回のユニットの前半において、まず反応炉1内に多結晶シリコンを析出させて反応炉1の内表面やカーボン製ヒータ15、電極5等の表面を覆った状態とし、その後に、テトラクロロシランの混合ガスを供給してトリクロロシランを製造するようにしており、金属製の反応炉1やカーボン製ヒータ15等を使用していながら、これら金属やカーボンに起因する不純物を生成させない製造環境の下でトリクロロシランを製造することができる。また、シリコン芯棒4に析出したシリコンロッドRのジュール発熱によって高温状態を得るようにしており、長時間にわたってトリクロロシランの転換反応を継続させることができ、生産性に優れるものである。
ここで、多結晶シリコン析出工程では、反応炉1内の構成材表面は、反応が進むにつれシリコン芯棒4やそのジュール発熱による輻射熱により高温状態にさらされる部分には多結晶シリコンが表面に析出するようになり、シリコン芯棒4は径が太くなり、シリコンロッドRとなる。また比較的温度が低い部分にはポリマー化合物が付着するが、付着したポリマー化合物がシリコン芯棒4による輻射熱により部分的にシリコン化する場合がある。シリコンロッドRは、次のトリクロロシラン生成工程における加熱源として有効に機能するためには、なるべく大きい表面積とすることが望ましいが、表面積を大きくするためにはシリコンロッドRの径を大きくすることが必要となり、長時間にわたる反応を行うこととなる。
ただし、シリコンロッドRを必要以上に長時間にわたり反応を継続すると、ロッド内部に歪が生じやすくなることから、シリコンロッドR自体が割れたり、それによる倒れ(倒壊)が生じやすくなる。また、シリコンロッドRが太くなると、シリコンロッドR間の間隔が反応の初期段階と比べて狭くなることから、反応炉1内におけるガスの流れが不均一になりやすく、ガス流の停滞が生じやすくなることから、均一な反応が起きにくくなる。シリコンロッドRの径としては、トリクロロシラン生成工程において安定して反応が行われるためには、例えば、直径が50mm以上、140mm以下、好ましくは、70mm以上、100mm以下がよい。また、この状態で、反応炉の内面等にはポリマー化合物等の付着物が、また、カーボン製ヒータ15や電極5部など比較的高温にさらされる部分には0.5〜1.5mm程度のシリコン化された析出物が形成される。
一方、トリクロロシラン生成工程においては、トリクロロシランの一部が多結晶シリコンとして析出し、逆にHClにより多結晶シリコンがエッチングされるなど、多結晶シリコンの析出作用とエッチング作用とが複合して生じており、それらの総和としてはエッチング作用の方が大きくなっている(例えば直径100mm程度のシリコンロッドの場合、その径が1時間当たり0.02mm減少する)。したがって、シリコン芯棒や反応炉内構成材の表面の多結晶シリコン等は徐々に少なくなってくる。この構成材の被覆がなくならないうちに、再度、多結晶シリコン析出工程に切り替えられる。
例えば、1cm角で2m程度の長さのシリコン芯棒が約100本設けられた14mの内容積の反応炉では、多結晶シリコン析出工程において直径50mm以上のシリコンロッドRとするには、トリクロロシランにモル比で4.5〜7.5倍の水素を混合した原料ガス、例えば300モル/分のトリクロロシランに2100モル/分の水素を混合した原料ガスを50時間は供給する必要がある。その状態で次のトリクロロシラン生成工程に切り替えると、テトラクロロシランにモル比で1.5〜4.5倍の水素を混合した原料ガス、例えば200モル/分のテトラクロロシランに600モル/分の水素を混合した原料ガスを25時間継続することができ、約52000モルのトリクロロシランを得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、シリコン芯棒の最初の加熱のためにカーボン製ヒータを使用しているが、高周波誘導加熱等の他の加熱手段の適用を妨げるものではない。
また、各シリコン芯棒は、反応炉の底部に立設状態に配置したが、天井部から吊下げて支持する構成等としてもよく、必ずしも垂直姿勢でなくとも、水平状態等の姿勢で配置してもよい。
また、導入する供給ガスと導出する反応生成ガスとの間でガス−ガス熱交換を行う熱交換機構を設けても構わない。この場合、さらに省電力化を図ることが可能になる。
1 反応炉
2 底板部
3 ベルジャ
4 シリコン芯棒
5 電極
6 噴出ノズル(ガス供給口)
7 ガス導出口
8 原料ガス供給系
9 ガス処理系
10 電源部(加熱手段)
12 連結部材
13 シード組み立て体
15 カーボン製ヒータ(加熱手段)
21 テトラクロロシラン供給系
22 トリクロロシラン供給系
23 水素ガス供給系
24〜26 弁
27 外板部
28 外壁
29 流路
30 熱媒体供給系
31 熱媒体排出系
32 窓
33 赤外線カメラ
R シリコンロッド
S 付着物

Claims (5)

  1. テトラクロロシランと水素とを含む原料ガスを反応させてトリクロロシランを含む反応生成ガスを生成するトリクロロシラン製造装置であって、
    複数のシリコン芯棒が保持される反応炉に、前記原料ガスを前記反応炉内に噴出するためのガス供給口及び反応後のガスを前記反応炉の外に導出するためのガス導出口と、前記シリコン芯棒を加熱する加熱手段とが備えられるとともに、前記ガス供給口に、テトラクロロシランと水素とを含むトリクロロシラン製造用原料ガスと、トリクロロシランと水素とを含む多結晶シリコン析出用原料ガスとを切り替えて供給可能な原料ガス供給系が接続されていることを特徴とするトリクロロシラン製造装置。
  2. 前記加熱手段は、前記シリコン芯棒を輻射熱によって加熱するカーボン製ヒータと、前記シリコン芯棒に電流を流してジュール発熱させる電源部とを備えることを特徴とする請求項1記載のトリクロロシラン製造装置。
  3. 前記反応炉の壁はジャケット構造とされ、そのジャケット内の流路に熱媒体を供給する熱媒体供給系が接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のトリクロロシラン製造装置。
  4. 反応炉内に複数のシリコン芯棒を設けておき、これらシリコン芯棒を加熱するとともに、前記反応炉内部にトリクロロシランと水素とを含む多結晶シリコン析出用原料ガスを供給して前記シリコン芯棒の表面に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコン析出工程と、その後、前記多結晶シリコン析出用原料ガスに替えて、テトラクロロシランと水素とを含むトリクロロシラン製造用原料ガスを前記反応炉内に供給してトリクロロシランを含む反応生成ガスを生成するトリクロロシラン生成工程とを有することを特徴とするトリクロロシラン製造方法。
  5. 前記多結晶シリコン析出工程と前記トリクロロシラン生成工程とを交互に繰り返すことを特徴とする請求項4記載のトリクロロシラン製造方法。
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