JPWO2014103939A1 - 多結晶シリコンロッドおよびその製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンロッドおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、シリコン芯線に気相成長させて得る多結晶シリコンロッドであって、シリコン芯線界面における酸素濃度が低減された多結晶シリコンロッドを提供することを目的としている。【解決手段】シリコン芯線に気相成長させて得る多結晶シリコンロッドであって、前記シリコン芯線界面における酸素濃度が5〜200ppbaである多結晶シリコンロッド。【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶シリコンロッドおよびその製造方法に関する。
半導体あるいは太陽光発電用ウェハーの原料として使用されるシリコンを製造する方法は種々知られており、そのうちのいくつかは既に工業的に実施されている。その一つの方法はシーメンス法と呼ばれる方法であり、シリコン芯線に通電するための少なくとも一対の電極を設けた底板とカバーとよりなる、所謂、ベルジャー型反応器の内部に、前記電極に接続して配置されたシリコン芯線を、通電によってシリコンの析出温度に加熱し、ここにトリクロロシラン(SiHCl)やモノシラン(SiH)等のシラン化合物のガスと水素を供給し、化学気相析出法によりシリコン芯線上にシリコンを析出させる方法である。
シリコン芯線は、通常、多結晶シリコンロッドなどの一部を細い棒状に加工することにより得られる。このため、シリコン芯線の加工後から、シリコン芯線上にシリコンを析出させる工程が開始するまでの間、シリコン芯線が外気等に接触することにより、シリコン芯線の表面には、酸化膜が生成することが確認されている。このため、化学気相析出法により得られる多結晶シリコンロッドは、シリコン芯線界面の酸素濃度が高くなり、多結晶シリコンロッド全体としてシリコンの純度が低下するという問題があった。
特許文献1には、化学気相析出法による多結晶シリコンロッドの製造方法が開示されており、高圧かつ原料大量供給の条件で、ロッドの溶断を防ぎつつ高い成長速度と収率でシリコンロッドを大径に成長させることを目的としている。しかし、多結晶シリコンロッドの純度を向上させることについては開示されていない。
特開2011−37699号公報
本発明は、シリコン芯線に気相成長させて得る多結晶シリコンロッドであって、シリコン芯線界面における酸素濃度が低減された多結晶シリコンロッドを提供すること、および該多結晶シリコンロッドの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、シリコン析出用原料ガスの供給開始までの間に、反応器内の気体を水素で置換し、シリコン芯線の表面温度を所定の温度範囲に保持することにより、シリコン芯線界面における酸素濃度を低減させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シリコン芯線に気相成長させて得る多結晶シリコンロッドであって、前記シリコン芯線界面における酸素濃度が5〜200ppbaである多結晶シリコンロッドである。
本発明に係る多結晶シリコンロッドの製造方法は、少なくとも1対の電極を備える反応器内に、両端が前記電極に接続されているシリコン芯線を配置し、反応器内の予熱開始の後、前記シリコン芯線に通電しながら、シリコン析出用原料ガスを前記反応器内に供給し、前記シリコン芯線に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコンロッドの製造方法であって、
前記シリコン析出用原料ガスの供給開始までの間に、前記反応器内の気体を水素で置換し、前記シリコン芯線の表面温度が900〜1400℃で、該シリコン芯線の表面の酸化膜が除去される時間保持することを特徴とする。
本発明に係る多結晶シリコンロッドの製造方法によれば、シリコン芯線界面における酸素濃度が低減された多結晶シリコンロッドを得ることができる。
本発明に係る多結晶シリコンロッドは、好ましくは、前記シリコン芯線界面における炭素濃度が5〜100ppbaである。
本発明に係る多結晶シリコンロッドは、好ましくは、前記シリコン芯線界面における窒素濃度が15ppba以下である。
本発明に係る多結晶シリコンロッドの製造方法は、好ましくは、カーボンヒーターによって反応器内を予熱し、前記シリコン芯線界面の酸化膜の除去後に、反応器内の気体を水素で再置換する。
本発明の多結晶シリコンロッドは、シリコン芯線界面における酸素濃度が5〜200ppbaである。このことは、同重量の多結晶シリコンロッドと比較して、純度が高く、より高品質なシリコン結晶が求められる半導体用途への使用に対して好適であることを意味する。
図1は本発明の一実施形態に係る多結晶シリコンロッドの断面の概略図である。 図2は本発明の一実施形態に係る多結晶シリコンロッドの製造装置の概略図である。 図3は実施例の実験条件を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
本実施形態に係る多結晶シリコンロッド20は、図1に断面の概略を示したように、シリコン芯線10を中心に多結晶シリコンが析出されてなる。多結晶シリコンは、ポリシリコンとも呼ばれ、微細なシリコン結晶の集合体である。
多結晶シリコンロッドの直径は、特に限定されないが、好ましくは、75〜180mm、より好ましくは100〜160mm、さらに好ましくは110〜150mmである。直径が大きい程、一度の製造工程で多量の多結晶シリコンロッドを得ることができる。
シリコン芯線10は、たとえば、別途製造された多結晶シリコン、単結晶シリコン、溶融凝固シリコンにより製造され、多結晶シリコン等から棒状の部材を切り出して得られる。シリコン芯線10の短手方向の断面形状は、円状、楕円状、略方形形状あるいは多角形形状のいずれであってもよい。
また、略方形の場合、一辺の長さは好ましくは、5〜15mm程度であり、より好ましくは6〜12mm、さらに好ましくは7〜10mmである。円状の場合も同様に、その直径の長さは好ましくは、5〜15mm程度であり、より好ましくは6〜12mm、さらに好ましくは7〜10mmである。芯線を通電し、反応ガスを供給することで、芯線10の周囲に、多結晶シリコンが析出し、多結晶シリコン製のロッド20が形成される。芯線10の数に対応した数でロッド20が形成される。
本発明において、シリコン芯線界面11の酸素、炭素または窒素などの元素濃度は、ロッド断面のシリコン芯線界面11をIR(赤外吸収スペクトル)により測定することにより求めた値をいう。なお、本発明において、シリコン芯線界面とは、芯線表面からシリコンロッドの外表面に向かって成長する析出層のうち、芯線表面に隣接する1mmの範囲をいう。ロッド断面において、酸素、炭素および窒素の各濃度は、通常、シリコン芯線界面付近で最も高く、ロッドの外表面に向かって低減していくが、芯線表面に隣接する上記狭小範囲内でIRを測定した場合、前記各元素の濃度変動は小さく、実質的に同一値が得られる。
本実施形態の多結晶シリコンロッドは、多結晶シリコンの析出条件を制御したシーメンス法により得ることができる。シーメンス法では、図2に概略を示すような一般にはベルジャーと呼ばれる反応器2を備えた製造装置を用いる。
本実施形態では、反応器2は、底板6に対して着脱自在に連結されるベルジャー型のカバー4を有する。本実施形態では、底板6に、少なくとも一対以上の電極12が装着してある。電極12の数は、反応器2の内部に設置されるシリコン芯線10の数に対応して決定される。
反応器2の内部に設置されるシリコン芯線10は、一対の電極12を相互に接続するように、逆U字形状に設置され、電極12を介して通電可能になっている。電極は、カーボン、SUS、Cuなどにより形成されている。
逆U字形状のシリコン芯線10は、複数のシリコン芯線10を連結して形成しても良い。シリコン芯線10の数に対応した数でロッド20が形成される。
カバー4は天井部と側面部が一体となっている構造でもよいし、フランジや溶接により結合された構造であってもよい。
カバー4には、反応器2の内部を観察することができる透明で耐熱性の窓部材8が、少なくとも一つ設置してあることが好ましい。窓部材8の外部には、たとえば赤外線温度センサなどの非接触式温度計38が設置してあっても良い。温度計38は、反応器2の内部に配置してあるシリコン芯線10およびロッド20の各表面温度を計測可能にしてあり、計測された温度信号は、反応器2の外部に配置してある制御装置32に入力される。
原料ガス供給ポート14に原料ガスを供給する供給ラインの途中には、原料ガス供給ポート14から反応器2の内部に供給されるガスの流量を調整するための図示省略してある原料ガス流量制御部が装着してある。原料ガス供給ポート14および反応ガス排出ポート16は、単一の反応器2に複数設けても良い。
カバー4および底板6は、たとえばステンレス金属、炭素鋼、ニッケル系合金、鉄およびそれらのその他の金属との複合材料、石英などの耐熱性部材などの耐熱性部材で構成してあり、内表面と外表面とからなる二重構造となっている。カバー4と底板6のそれぞれの二重構造の内部に冷却通路が形成してあり、カバー4と底板6は、冷媒供給ポート15から冷媒を供給し、冷媒排出ポート17から冷媒を排出する冷却通路連結部9により連結される。
冷媒としては、特に限定されず、水、バーレルサーム(商品名:村松石油株式会社製)の如き熱媒体油など一般に冷却用に使用される液状熱媒体が挙げられるが、そのうち、特に水が好ましい。
冷媒供給ポート15における入口冷媒温度は特に限定されないが、冷媒が水の場合、好ましくは、30〜200℃である。
必要に応じて冷却通路において冷媒が気化しないように高圧条件下で冷媒を流通させてもよい。
冷媒供給ポート15に冷媒を供給する供給ラインの途中には、冷媒供給ポート15から反応器2の内部に供給される冷媒流量を調整するための冷媒流量制御部42が装着してある。冷媒流量制御部42は制御装置32により制御され、たとえば、電磁弁、空気作動弁、油圧作動弁、電動弁により構成される。
冷媒供給ポートに冷媒を供給する供給ラインの途中には、冷媒供給ポート15から反応器2の内部に供給される冷媒の温度を検出するための温度検出部50が装着してある。また、冷媒排出ポート17から排出された冷媒が通る排出ラインにも温度検出部52が装着してあり、反応器2から冷媒排出ポート17に排出される冷媒の温度を検出することができる。
検出された温度信号は、反応器2の外部に配置してある制御装置32に入力される。
冷媒排出ポート17から排出された冷媒は、図示省略してある熱交換器により再冷却され温度調節されて冷媒供給ポート15に戻るように構成してあることが好ましいが、戻らせることなく、加熱された冷媒を、他の用途に用いても良い。
シリコン芯線10に接続してある電極12には、電力供給手段30が接続してある。電力供給手段としては、特に限定されず、たとえば変圧器、バッテリー、サイリスタ、IGBTなどで構成される。電力供給手段30は、制御装置32により制御される。
上述した装置を用いて多結晶シリコン製のロッド20を製造するには、以下のようにして行われる。
まず、後述するシリコン析出用原料ガスを反応器2内に供給する前に、反応器2内の気体を水素で置換するとともに、シリコン芯線10の表面温度を900〜1400℃に保持する。
シリコン芯線10の表面温度を調整する方法としては、特に限定されないが、始めは、カーボンヒーターやシリコンヒーターにより、反応器内を予熱し、その後、電極12を介してシリコン芯線10への通電を開始し、シリコン芯線10を通電加熱することにより行う。
本実施形態では、反応器2内を水素で置換するとともに、シリコン芯線10の表面温度を900〜1400℃に保持することにより、シリコン芯線10の表面の酸化膜が除去される。シリコン芯線の表面温度に関する上記所定温度の保持時間は、酸化膜の除去に十分な時間であればよい。
酸化膜の除去に十分な時間の決定方法としては、実験を繰り返すことにより、経験的に決定してもよいし、熱力学計算などにより 理論的に決定してもよい。
本実施形態では、カーボンヒーターによって予熱した場合、予熱を終了した後、再度、反応器2内を水素で置換することが好ましい。これにより、カーボンヒーターの予熱により発生したメタンガスを反応器2から追い出すことができる。
反応器2内の気体を水素で置換した後、反応器2内に、原料ガス供給ポート14から、原料ガスとしてシランガスおよび還元ガスを反応器2内に供給し、これらシリコン析出用原料ガスの反応(シランの還元反応)によって、シリコンを生成させる。なお、以下では、「シランガスおよび還元ガス」または、「シランガスのみ」をまとめて「シリコン析出用原料ガス」とする。
なお、シリコンの析出温度は約600℃以上であるが、シリコン芯線10上にシリコンを迅速に析出させるために、シリコン析出用原料ガスを反応器2内に供給している間は、シリコン芯線10の表面温度が、950〜1150℃程度になるようにシリコン芯線10の通電加熱を行う。
原料ガス供給ポート14から供給されるシランガスとしては、モノシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、モノクロロシラン、ジクロロシランなどのシラン化合物のガスが使用され、一般的には、トリクロロシランガスが好適に使用される。また、還元性ガスとしては、通常、水素ガスが使用される。トリクロロシランガスと水素ガスを用いた場合を例に取ると、この還元反応は、下記式で表される。
SiHCl +H → Si + 3HCl
なお、上記のシリコン析出用原料ガスにおいては、一般に還元性ガス(水素ガス)が過剰に使用される。
また、上記の還元反応と共に、下記のように、トリクロロシランの熱分解によってもシリコンが生成する。
4SiHCl → Si+ 3SiCl + 2H
また、シリコン析出用原料ガスとして、還元性ガスを用いず、モノシラン(SiH )のみを供給し、下記式に示されるモノシランの熱分解によってシリコンを生成することも可能である。
SiH → Si+2H
上記の反応により生成したシリコン(Si)は、シリコン芯線10上に析出し、この反応を継続して行っていくことにより、シリコン芯線10上のシリコンが成長し、最終的に多結晶シリコンからなるロッド20が得られることとなる。
上記のようにして、一定の厚みのロッド20が得られた段階で反応を終了し、シリコン芯線10への通電を停止し、反応器2内から未反応のシランガス、水素ガスおよび副生した四塩化ケイ素や塩化水素等を排気した後、ベルジャー型のカバー4を開放し、ロッド20が取り出される。
本実施形態では、シリコン析出用原料ガスを反応器2内に供給する前に、反応器2内の気体を水素で置換するとともに、シリコン芯線10の表面温度を900〜1400℃に保持する。これにより、シリコン芯線10の表面に生成した酸化膜が除去され、最終的に得られる多結晶シリコンロッドにおいて、シリコン芯線界面11の酸素濃度が低減され、純度の高い多結晶シリコンロッドを得ることができる。より具体的には、シリコン芯線界面における酸素濃度が5〜200ppba、好ましくは5〜150ppbaである多結晶シリコンロッドを得ることができる。上記の観点から、シリコン析出用原料ガスを反応器2内に供給する前に、シリコン芯線10の表面温度を1000〜1400℃に保持することが好ましく、より好ましくは1050〜1400℃に保持する。
また、従来は、シリコン析出用原料ガスの供給前に、シリコン芯線10が窒素で充填された反応器2内に置かれることにより、シリコン芯線10の表面に窒素が付着し、得られる多結晶シリコンロッドのシリコン芯線界面11は、酸素濃度の他、窒素濃度も高くなる傾向にあった。
これに対して、本実施形態では上記の通り、シリコン析出用原料ガスを反応器2内に供給する前に、反応器2内の気体を水素で置換する。これにより、シリコン芯線10の表面への窒素の付着を防ぎ、最終的に得られる多結晶シリコンロッドのシリコン芯線界面11の窒素濃度を低減させ、純度の高い多結晶シリコンロッドを得ることができる。具体的には、シリコン芯線界面における窒素濃度が15ppba以下、好ましくは10ppba以下である多結晶シリコンロッドを得ることができる。
シリコン析出用原料ガスの供給前に、反応器2内の気体を置換する水素の供給量は、特に限定されないが、反応器1台あたりの多結晶シリコンロッドの生産量が平均20kg/時間以上の場合、水素の供給量としては、0.5≦水素の供給量[m]/反応器の容積[m]≦10を満たす量であることが好ましく、より好ましくは、2≦水素の供給量[m]/反応器の容積[m]≦8を満たす量である。これにより、多結晶シリコンロッドの芯線界面の酸素濃度および窒素濃度を低減させることができる。
さらに、従来は、カーボンヒーターにより反応器2の予熱を行うと、カーボンヒーターの予熱により発生したメタンガスがシリコン芯線10に付着し、得られる多結晶シリコンロッドのシリコン芯線界面11は、酸素濃度および窒素濃度の他、炭素濃度も高くなる傾向にあった。
これに対して、本実施形態の好ましい態様は、カーボンヒーターによる予熱を終了した後、反応器2内を水素で再置換する。これにより、カーボンヒーターの予熱により発生したメタンガスを反応器2から追い出すことができ、シリコン芯線10へのメタンガス、すなわち、炭素成分の付着を防ぎ、最終的に得られる多結晶シリコンロッドのシリコン芯線界面11の炭素濃度を低減させ、純度の高い多結晶シリコンロッドを得ることができる。具体的には、シリコン芯線界面における炭素濃度が5〜100ppba、好ましくは5〜50ppba、より好ましくは8〜35ppbaである多結晶シリコンロッドを得ることができる。
予熱後、反応器2内の気体を再置換する水素の供給量は、特に限定されないが、反応器1台あたりの多結晶シリコンロッドの生産量が平均20kg/時間以上の場合、好ましくは0.5≦水素の供給量[m]/反応器の容積[m]≦10を満たす量であることが好ましく、より好ましくは、2≦水素の供給量[m]/反応器の容積[m]≦8を満たす量である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
試料1
ロッド10本(逆U字型5対)立ての反応器2にて、高さ2000mmの逆U字型のシリコン芯線10を準備した。
まず、反応器2を予熱する前に、窒素が充填されている反応器2内を水素で置換した。
水素の供給量は、水素の供給量[m]/反応器の容積[m]=2を満たす量であった。
次いで、カーボンヒーターにより反応器2内の予熱を開始した後、シリコン芯線10の通電加熱を開始し、シリコン芯線10の表面温度を900〜1400℃の範囲内の所定温度に保持した。保持時間はシリコン芯線10の表面の酸化膜の除去に十分な1.0時間であった。なお、シリコン芯線10の表面温度を上記の温度に保持するため、カバー4と底板6に備えられた冷却通路9を流通する冷媒の流量を適宜調整した。
その後、カーボンヒーターによる予熱を終了し、反応器2内の気体を水素で再置換した。この際の水素の供給量は、水素の供給量[m]/反応器の容積[m]=2を満たす量であった。反応器2内の気体を水素で再置換した後、シリコン析出用原料ガス(トリクロロシランと水素の混合ガス)を反応器2に供給した。直径120mmとなるまで多結晶シリコンを析出させた。
予熱から制御停止までのタイムスケジュールは図3に示す通りであった。なお、図3に示す「予熱ヒーターの出力」、「電源の出力」、「ロッドの表面温度」の経時変化は全て試料1に関するものである。また、「反応器内の雰囲気の変化」は試料1〜試料4の各試料に関するものであり、図3の上部に記載のタイムスケジュールに対応している。
得られた多結晶シリコンロッドを短手方向に切断してロッドの断面を得て、IR(赤外吸収スペクトル)により、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表1に示す。
試料2
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を800℃に保持した以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表1に示す。
試料3
酸化膜除去後における反応器内の水素の再置換を行わなかった以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表1に示す。
試料4
予熱前の反応器内を水素で置換しなかった以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014103939
試料1および試料2より、シリコン芯線10の通電開始後に、シリコン芯線の表面温度を900〜1400℃の範囲内の所定温度に保持した場合(試料1)は、シリコン芯線の表面温度を800℃に保持した場合(試料2)に比べて、シリコン芯線界面の酸素濃度が低くなることが確認できた。
試料1および試料3より、酸化膜除去後における反応器の水素の再置換を行った場合(試料1)は、水素の再置換を行わなかった場合(試料3)に比べて、シリコン芯線界面の炭素濃度が低くなることが確認できた。
試料1および試料4より、予熱前の反応器内を水素で置換した場合(試料1)は、予熱前の反応器内を窒素雰囲気とし、水素で置換しなかった場合(試料4)に比べて、シリコン芯線界面の窒素濃度が低くなることが確認できた。
試料5
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1000℃に保持した以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料6
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1050℃に保持した以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料7
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1100℃に保持した以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料8
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1400℃に保持した以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料9
酸化膜除去後における反応器内の水素の再置換を行わなかった以外は、試料7と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料10
予熱前の反応器内を水素で置換しなかった以外は、試料7と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料11
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1100℃に保持し、さらに、酸化膜除去後における反応器内の水素の再置換時の水素の供給量を、水素の供給量[m]/反応器の容積[m]=0.5とした以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
試料12
シリコン芯線10の通電加熱開始後、シリコン析出用原料ガス供給前に、シリコン芯線の表面温度を1100℃に保持し、さらに、酸化膜除去後における反応器内の水素の再置換時の水素の供給量を、水素の供給量[m]/反応器の容積[m]=8とした以外は、試料1と同様にして、多結晶シリコンロッドを得て、シリコン芯線界面における酸素濃度、炭素濃度および窒素濃度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014103939
2… 反応器
4… カバー
6… 底板
8… 窓部材
9… 冷却通路連結部
10… シリコン芯線
11… シリコン芯線界面
12… 電極
14… 原料ガス供給ポート
16… 反応ガス排出ポート
15… 冷媒供給ポート
17… 冷媒排出ポート
20… ロッド
30… 電力供給手段
32… 制御装置
38… 非接触式温度計
42… 冷媒流量制御部
50,52… 温度検出部

Claims (5)

  1. シリコン芯線に気相成長させて得る多結晶シリコンロッドであって、
    前記シリコン芯線界面における酸素濃度が5〜200ppbaである多結晶シリコンロッド。
  2. 前記シリコン芯線界面における炭素濃度が5〜100ppbaである請求項1記載の多結晶シリコンロッド。
  3. 前記シリコン芯線界面における窒素濃度が15ppba以下である請求項1または2記載の多結晶シリコンロッド。
  4. 少なくとも1対の電極を備える反応器内に、両端が前記電極に接続されているシリコン芯線を配置し、反応器内の予熱開始の後、前記シリコン芯線に通電しながら、シリコン析出用原料ガスを前記反応器内に供給し、前記シリコン芯線に多結晶シリコンを析出させる多結晶シリコンロッドの製造方法であって、
    前記シリコン析出用原料ガスの供給開始までの間に、前記反応器内の気体を水素で置換し、前記シリコン芯線の表面温度が900〜1400℃で、該シリコン芯線の表面の酸化膜が除去される時間保持することを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造方法。
  5. カーボンヒーターによって反応器内を予熱し、前記シリコン芯線の表面の酸化膜の除去後に、反応器内の気体を水素で再置換する請求項4に記載の多結晶シリコンロッドの製造方法。
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