JP2003306321A - 多結晶シリコン及びその製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法によるシリコン単結晶の製造に追チャ
ージ原料として使用するための機械加工における加工割
れを防止できる多結晶シリコンを簡単かつ経済的に製造
する。 【解決手段】 シーメンス法によりクロルシラン類を用
いて多結晶シリコンを製造する。反応炉10内に組み込
まれた種芯20へ通電を開始するときの炉内ガス中の酸
素濃度を50ppm以下にする。炉内に原料ガスを供給
してシリコンを析出させ始めるときの種芯20の表面温
度を1100〜1250℃とする。製造された多結晶シ
リコンの芯付き状態が良好となる。その多結晶シリコン
の横断面に対して、50%フッ化水素水溶液と70%硝
酸水溶液との比率が1:50の混酸溶液により15μm
のエッチング処理を行ったとき、種芯部分と析出シリコ
ン部分との境界部分におけるエッチング深さが200μ
m以下となる。このエッチング深さにより、多結晶シリ
コンの芯付き状態の良好なことが評価される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶の
製造原料に適した多結晶シリコン及びその製造方法に関
し、特にCZ法によるシリコン単結晶製造プロセスにお
ける追チャージやリチャージに適した多結晶シリコン及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイスの素材である
シリコン単結晶は、工業的にはもっぱらCZ法により製
造されている。CZ法によるシリコン単結晶の製造で
は、まず石英ルツボ内で塊状の多結晶シリコンを加熱溶
融してシリコンの原料融液を形成する。次いで、その原
料融液にシリコンの種結晶を漬け、これを回転させなが
ら引き上げることにより種結晶の下方にロッド状のシリ
コン単結晶を育成する。
【0003】ここにおけるシリコン単結晶の製造原料と
しては、シーメンス法により製造された多結晶シリコン
がもっぱら使用される。シーメンス法による多結晶シリ
コンの製造では、周知のとおり、ベルジャーと呼ばれる
反応炉に棒状のシリコン種芯を立て、炉内を減圧や加圧
により水素ガス雰囲気又はArなどの不活性ガス雰囲気
に置換した後、種芯を通電により1000℃前後に加熱
する。そして、この状態で反応炉内にクロルシラン類と
水素ガスを導入する。これにより、種芯の表面に多結晶
シリコンが析出する。種芯は通常、鳥居型に組み合わさ
れ、反応炉内に多数本が一度にセットされる。
【0004】こうして製造されたロッド状の多結晶シリ
コンは、次のようにして、CZ法によるシリコン単結晶
の製造に使用される。通常は、塊状に破砕されて石英ル
ツボにチャージされ、加熱溶融されるが、シリコン塊だ
けだとルツボ内への1チャージ当たりの原料装填量が限
られる。このため、ルツボ内に装填されたシリコン塊を
溶融した後、ロッド状の多結晶シリコンをルツボ上に吊
り下げ、ルツボ内の融液に徐々に溶け込ませて、ルツボ
内の融液量を増加させる操作が行われる(特開2000
−344594号公報)。この操作を追加チャージ或い
は追チャージといい、これに使用されるロッド状の多結
晶シリコンを追チャージ用多結晶シリコンと呼ぶ。
【0005】また、石英ルツボは、これまでは1回の引
き上げに1個の割合で消費されていた。このため、単結
晶の製造コストに占めるルツボコストの割合が高かっ
た。そこで、単結晶の引き上げ後、ルツボ内に残液を残
した状態で、ロッド状の多結晶シリコンをルツボ上に吊
り下げ、ルツボ内に残液に徐々に溶け込ませて、ルツボ
内に所定量の原料融液を再び形成する操作が行われる
(特開2000−344594号公報)。この操作をリ
チャージといい、これに使用されるロッド状の多結晶シ
リコンをリチャージ用多結晶シリコンと呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】追チャージやリチャー
ジに使用される多結晶シリコンには、通常の破砕使用さ
れる多結晶シリコンと異なり、ロッド状のまま使用する
要求があり、且つ、ロッド同士を結合するために、係合
部の形成を目的とした機械加工を端部に行う要求があ
る。しかしながら、その機械加工を行う場合、割れが多
発する。この割れのため、多結晶シリコンロッドの端部
に機械加工を行ったときの歩留りが上がらないという問
題がある。。
【0007】なお、目的は異なるが、リチャージ用多結
晶シリコンが溶融途中に折れて下方のルツボ内に落下す
るのを防止するために、製造後の多結晶シリコンに熱処
理を施して残留歪みを除去する技術はWO97/442
77に記載されている。これによると、溶融途中の折損
防止という本来の目的は達成される。しかしながら、熱
処理を多結晶シリコンの製造後に反応炉外で行う場合
は、多結晶シリコンが汚染されないように特殊な装置を
必要とし、熱処理を反応炉内で析出に続いて行う場合
は、汚染の問題はないものの、多結晶シリコン製造設備
において熱処理に伴い大容量の電源が必要になり、設備
によっては実施できない問題がある。
【0008】本発明の目的は、追チャージやリチャージ
のための機械加工による割れを、熱処理によらずに確実
に防止できる多結晶シリコン及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは追チャージ用多結晶シリコンロッドの
製造における機械加工での端部割れの原因を詳細に調査
した。その結果、ベルジャー炉内で製造された多結晶シ
リコンロッドの種芯部分と析出シリコン部分の境界部分
における品質が、上記の機械加工割れに大きく影響して
いることを知見した。
【0010】即ち、シーメンス法による多結晶シリコン
の製造では、反応炉でシリコンの種芯を電極にセット
し、炉内を水素雰囲気又は不活性ガス雰囲気に置換後、
種芯を通電加熱した状態で、炉内にクロルシラン類のガ
スを供給し、種芯の表面に多結晶シリコンを析出させ
る。種芯を反応炉内に組み込むとき、種芯の表面に付着
した微量の酸化膜や水分により、また反応炉内に残留し
た微量の酸素により、種芯部分と析出する多結晶シリコ
ン部分との境界部分に酸化物ができる。
【0011】この酸化物が微量のときは問題ないが、多
量に生じると、製造された多結晶シリコンロッドの種芯
部分と析出シリコン部分の境界部分が容易に分離する芯
付き不良という現象が起こる。そして、この芯付き不良
の多結晶シリコンロッドに対して追チャージのための機
械加工を施すと、加工割れが非常に発生し易いことが判
明した。その理由のとして、多結晶シリコン析出後、冷
却時に発生する残留応力に、機械加工に伴う応力集中が
加わることにより、種芯部分と析出シリコン部分の境界
部分で容易に剥離が生じ、これが契機となってロッドの
割れに進展することが考えられる。
【0012】このように、本発明者らの知見によれば、
種芯部分と析出シリコン部分の境界部分において比較的
多量の酸化物が生じた多結晶シリコンロッドは、追チャ
ージのための機械加工での割れが生じやすく、逆に、そ
の酸化物の生成が抑制された多結晶シリコンロッドで
は、この割れが効果的に抑制される。即ち、多結晶シリ
コンロッドの種芯部分と析出シリコン部分の境界部分に
おいて酸化物の生成を抑制すれば、熱処理による応力除
去によらず、残留応力を残したままでも、追チャージの
ための機械加工における割れが防止されるのである。そ
して、種芯部分と析出シリコン部分の境界部分における
酸化物の生成抑制は、種芯への通電開始時における炉内
雰囲気の調整、加熱温度の調整等により簡単に実施でき
る。
【0013】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであり、シーメンス法によりクロルシラン類を用いて
製造された多結晶シリコンであり、その横断面に対して
50%フッ化水素水溶液と70%硝酸水溶液との比率が
1:50の混酸溶液により15μmのエッチング処理を
行ったときの、種芯部分と析出シリコン部分との境界部
分におけるエッチング深さが200μm以下となる多結
晶シリコンを要旨とする。
【0014】また、本発明の多結晶シリコンの製造方法
は、反応炉内に種芯を組み込んだ後、種芯への通電を開
始し、その後、クロルシラン類を供給して析出を開始す
るシーメンス法による多結晶シリコンの製造方法におい
て、種芯の表面にシリコンを析出させる際に、その表面
での酸化膜の生成を抑制するものであり、より具体的に
は、種芯への通電を開始するときの炉内ガス中の酸素濃
度を50ppm以下にし、シリコンを析出させ始めると
きの種芯の表面温度を1100〜1250℃とするもの
である。
【0015】シーメンス法で製造された多結晶シリコン
の種芯部分と析出シリコン部分の境界部分における酸化
物の生成量は、フッ化水素水溶液と硝酸水溶液の混酸溶
液により、エッチング処理を所定量実施したときの、境
界部分おけるエッチング深さから評価することができ
る。
【0016】即ち、評価すべき多結晶シリコンから輪切
りにより切り出したウエーハ状の対象試料をエッチング
するに当たり、エッチング液として、フッ化水素水溶液
と硝酸水溶液の混酸溶液を用いると、試料表面のシリコ
ン部分は、先ず硝酸により酸化されてSiO2 になり、
次いでフッ化水素で溶解される。一方、種芯部分と析出
シリコン部分の境界部分に生成した酸化物は、硝酸によ
る酸化反応を経ずに、直接フッ化水素により溶解され
る。このため、境界部分における酸化物量が多いほど、
境界部分におけるエッチング深さが大となり、その深さ
から酸化物量が定量的に推定されるのである。
【0017】そして、本発明者らによる詳細な調査の結
果、エッチング液として50%フッ化水素水溶液と70
%硝酸水溶液との比率が1:50の混酸溶液を用いて析
出シリコン部に15μmのエッチング処理を行ったとき
の、種芯部分と析出シリコン部分との境界部分における
エッチング深さが200μm以下のとき、追チャージや
リチャージのための機械加工を施しても加工割れが発生
しない程度に芯付き状態が良好となることが判明した。
ここにおける混酸の液温度は25℃である。
【0018】種芯のすぐ外側の位置に形成される、この
エッチングによる凹みは、市販のハンディタイプの表面
粗さ測定器により精度よく測定できる。また、ダイヤル
ゲージにより簡易的に測定できる。そして、測定された
凹みの深さが、酸化物の発生量を簡易的に判断できる基
準となる。
【0019】また、エッチング量の測定については、表
面積が算出可能な多結晶シリコンのウエーハ状サンプル
(基準試料)を準備し、事前に重量を測定する。評価す
べき多結晶シリコンから輪切りにより切り出したウエー
ハ状の対象試料を前記サンプルと一緒にエッチングす
る。エッチング後、サンプル重量を測定し、減量した重
量より体積を求め、表面積で割った値がエッチング量と
なる。
【0020】多結晶シリコンの種芯部分と析出シリコン
部分の境界部分における酸化物の生成を抑制する方法と
しては、種芯の表面に多結晶シリコンの析出が開始する
時期において、その表面に酸化膜が生成するのを抑制す
る操作が有効であり、その時期における条件設定が重要
となる。具体的には、種芯への通電を開始するときの炉
内ガス中の酸素濃度と、反応炉内にクロルシラン類を供
給して種芯の表面にシリコンを析出させ始めるときの表
面温度とが重要である。
【0021】即ち、シーメンス法による多結晶シリコン
の製造では、反応炉内を減圧や加圧により、水素ガス雰
囲気或いは不活性ガス雰囲気に置換後、種芯の加熱を開
始し、所定温度に昇温後、クロルシラン類の供給を開始
する。前述した種芯部分と析出シリコン部分との境界部
分におけるエッチング深さを200μm以下に抑制する
ためには、まず種芯への通電開始時において炉内ガス中
の酸素濃度を50ppm以下に抑制し、好ましくは30
ppm以下に抑制するのが有効である。これにより、種
芯表面の酸化反応が抑制され、境界部分における酸化物
の生成量が減少することになる。
【0022】通電開始時において炉内ガス中の酸素濃度
を低下させるには、種芯セット後、炉内を不活性ガス、
水素ガスに置換するときの加圧置換回数、減圧置換時の
真空到達度、不活性ガスや水素ガスのガスパージ量等を
操作すればよい。酸素濃度の下限については、酸化抑制
の点からは低いほど良いので特に規定しないが、極端な
濃度低下は操作を煩雑にするので、実用上は40ppm
程度となる。
【0023】また、酸素濃度の低下と合わせ、シリコン
析出開始時における種芯の表面温度を1100℃以上、
好ましくは1160℃以上、より好ましくは1210℃
以上とするのが有効である。これにより、種芯表面にお
ける吸着水分や自然酸化膜等、種芯表面に酸化膜を形成
する酸素源が十分に除去され、境界部分における酸化物
量が減少する。しかし、種芯は太さが数mmの細い棒体
で、長さが1000mm以上あり、温度を上げすぎる
と、種芯の軟化により曲がりが生じ、最悪の場合は折損
が生じる。このため、上限温度は1250℃とする。
【0024】ちなみに、従来の通電開始時における炉内
ガス中の酸素濃度は90ppm程度であり、シリコン析
出開始時における種芯の表面温度は1000℃程度であ
る。その結果、50%フッ化水素水溶液と70%硝酸水
溶液との比率が1:50の混酸溶液によるエッチング処
理を15μm実施したときの、境界部分おけるエッチン
グ深さは300μm程度となり、熱処理などの格別の破
裂防止対策を講じなかった場合、数%の確率で加工割れ
が発生する。
【0025】なお、クロルシラン類とはSiCl4 、S
iHCl3 、SiH2 Cl2 、SiH3 Clをいい、こ
れらを単独又は混合で使用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1はシーメンス法による多結晶シ
リコン製造方法の概念図である。
【0027】シーメンス法による多結晶シリコンの製造
では、ベルジャーと呼ばれる反応炉10を開放し、炉底
部上に所定本数の種芯20をセットする。種芯20は細
い角棒状の多結晶シリコンからなり、門型に組み合わさ
れて炉底部の電極対と接続される。種芯20のセットが
終わると、反応炉10を閉じ、炉内は真空引きする。そ
の後、水素ガス或いは不活性ガスにより炉内を加圧し置
換する。このとき、置換完了後の炉内ガス中の酸素濃度
は50ppm以下、好ましくは30ppm以下に管理す
る。
【0028】炉内の雰囲気置換が終わると、炉内にセッ
トされた所定本数の種芯20を同時に通電加熱する。加
熱温度は表面温度で1100〜1250℃、好ましくは
1160〜〜1250℃、より好ましくは1210〜1
250℃とする。この状態で、クロルシラン類と水素の
混合ガスを原料ガスとして炉内に供給する。これによ
り、種芯20の表面への多結晶シリコンの析出が開始さ
れる。析出開始期が経過した後の表面温度については、
電力量の調整を行い、1000℃前後の定常温度条件に
する。
【0029】析出シリコン30が所定量に達すると、炉
内への原料ガスの供給を停止する。また、多結晶シリコ
ンへの通電を停止する。このようにして、ロッド状の多
結晶シリコン製品が製造される。
【0030】製造された多結晶シリコン製品を炉外へ取
り出し、両端部を切り落として追チャージ用のロッドと
する。そのロッドから輪切りによりウエーハ状の対象試
料を採取する。その対象試料の表面に対し、50%フッ
化水素水溶液と70%硝酸水溶液との比率が1:50の
混酸溶液を用いて15μmのエッチング処理を行う。混
酸の液温は25℃である。エッチング後、種芯部分と析
出シリコン部分との境界部分におけるエッチング深さを
測定し、測定値が200μm以下の製品を、追チャージ
のための端面機械加工で割れが発生し難い良品、200
μm超の製品をこの割れが発生し易い不良品とする。
【0031】種芯への通電を開始するときの炉内ガス中
の酸素濃度を50ppm以下にし、シリコンを析出させ
始めるときの種芯の表面温度を1100〜1250℃と
することにより、製品はおしなべて良品となり、不良品
の発生は回避される。そして、良品に追チャージのため
の端面機械加工を施す。
【0032】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、比較例と対比す
ることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0033】実施例1 シーメンス法で多結晶シリコンを製造するときに、反応
炉内に多結晶シリコンからなる9mm角の種芯を鳥居型
に組み立ててセットした。反応炉内を真空引きにより
0.03kPaabsまで減圧した。その後、反応炉内を高純
度の水素ガスで220kPaabsまで加圧置換した。このと
き、微量酸素濃度計を用いて炉内雰囲気ガス中の酸素濃
度を測定したところ29ppmであった。
【0034】反応炉内の種芯を通電加熱し、反応炉に設
けられた監視窓から放射温度計を用いて種芯の表面温度
を測定した。その表面温度が1160℃であることを確
認して、反応炉内にトリクロロシランと水素を1:6.
5の比率で混合した原料ガスを供給し、析出を開始し
た。原料ガスの供給開始から10分経過後より、通電量
の調整によって種芯の表面温度を1160℃から100
0℃に120分間かけて変更し、その後は1000℃で
析出を継続した。こうして、外径が約135mmの多結
晶シリコンロッドを製造した。
【0035】製造された多結晶シリコンロッドから採取
したウエーハ状試料の表面を、50%フッ化水素水溶液
と70%硝酸水溶液との比率が1:50の混酸溶液(液
温25℃)により15μmエッチングした。種芯部分と
析出シリコン部分の境界部分における凹みは、目視では
確認できなかった。表面粗さ計を用いてこの凹みの深さ
を測定したところ、幅100μm、深さ50μmで、芯
付けが良好なことが確認された。
【0036】製造された多結晶シリコンロッドをCZ法
によるシリコン単結晶製造における追チャージ原料とす
るため、ロッド端面に機械加工により溝を形成した場合
の加工割れの発生率は0.5%であった。
【0037】実施例2 実施例1において、反応開始時の種芯の表面温度を12
10℃にした。他の条件は実施例1と同じとした。
【0038】実施例1と同じエッチング処理後、種芯部
分と析出シリコン部分の境界部分における凹みを目視で
観察したが、その凹みを確認できなかった。表面粗さ計
を用いてこの凹みの深さを測定したところ、幅50μ
m、深さ20μmで、芯付け状態が更に良好なことが確
認された。
【0039】製造された多結晶シリコンロッドをCZ法
によるシリコン単結晶製造における追チャージ原料にす
るため、ロッド端面に機械加工により溝を形成した場合
の加工割れの発生率は0%であった。
【0040】比較例1 実施例1において、反応炉内の真空引き後の圧力を0.
1kPaabsとし、その後、反応炉内を高純度の水素ガスで
220kPaabsまで加圧置換した。このとき、微量酸素濃
度計を用いて炉内雰囲気ガス中の酸素濃度を測定したと
ころ85ppmであった。他の条件は実施例1と同じと
した。
【0041】実施例1と同じエッチング処理後、種芯部
分と析出シリコン部分の境界部分における凹みを目視で
観察した。目視では凹みを確認できなかったが、表面粗
さ計を用いて凹みの深さを測定したところ、幅150μ
m、深さ250μmであり、製造された多結晶シリコン
の芯付き状態が不良なことが確認された。
【0042】製造された多結晶シリコンロッドをCZ法
によるシリコン単結晶製造における追チャージ原料にす
るため、ロッド端面に機械加工により溝を形成した場合
の加工割れの発生率は5%であった。
【0043】比較例2 実施例1において、反応開始時の種芯の表面温度を10
00℃にした。他の条件は実施例1と同じとした。
【0044】実施例1と同じエッチング処理後、種芯部
分と析出シリコン部分の境界部分における凹みを目視で
観察した。目視では凹みを確認できなかったが、表面粗
さ計を用いて凹みの深さを測定したところ、幅300μ
m、深さ250μmであり、製造された多結晶シリコン
の芯付き状態が不良なことが確認された。
【0045】製造された多結晶シリコンロッドをCZ法
によるシリコン単結晶製造における追チャージ原料にす
るため、ロッド端面に機械加工により溝を形成した場合
の加工割れの発生率は6%であった。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の多結晶
シリコンは、種芯部分と析出シリコン部分との境界部分
における酸化物の生成が抑制され、芯付き状態が良好で
あることにより、追チャージ或いはリチャージのための
機械加工における割れを、熱処理によらずに確実に防止
できる効果がある。
【0047】また、本発明の多結晶シリコンの製造方法
は、芯付き状態が良好で、追チャージ或いはリチャージ
のための機械加工を施しても加工割れを防止できる高品
質な製品を、熱処理によらず残留応力を残したままで簡
単かつ経済的に製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シーメンス法による多結晶シリコン製造方法の
概念図である。
【符号の説明】
10 反応炉 20 種芯 30 析出シリコン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーメンス法によりクロルシラン類を用
    いて製造された多結晶シリコンであり、その横断面に対
    して50%フッ化水素水溶液と70%硝酸水溶液との比
    率が1:50の混酸溶液により15μmのエッチング処
    理を行ったときの、種芯部分と析出シリコン部分との境
    界部分におけるエッチング深さが200μm以下となる
    多結晶シリコン。
  2. 【請求項2】 反応炉内に種芯を組み込んだ後、種芯へ
    の通電を開始し、その後、クロルシラン類を供給して析
    出を開始するシーメンス法による多結晶シリコンの製造
    方法において、種芯の表面にシリコンを析出させる際
    に、その表面での酸化膜の生成を抑制する多結晶シリコ
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応炉内に種芯を組み込んだ後、種芯へ
    の通電を開始し、その後、クロルシラン類を供給して析
    出を開始するシーメンス法による多結晶シリコンの製造
    方法において、種芯への通電を開始するときの炉内ガス
    中の酸素濃度を50ppm以下にし、シリコンを析出さ
    せ始めるときの種芯の表面温度を1100〜1250℃
    とする多結晶シリコンの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多結晶シリコンを製造
    する請求項2又は3に記載の多結晶シリコンの製造方
    法。
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