JP6756033B2 - 原子力発電プラントの金属表面を除染する方法 - Google Patents

原子力発電プラントの金属表面を除染する方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子力プラントの作動中にて放射性流体に曝された金属表面を除染する方法に関する。特に、本発明は、原子力プラント(特に原子炉のクーラント・システム)の要素内に設けられた金属表面であって、放射性物質を含む金属酸化物層で被われている金属表面を除染する方法に関する。
原子炉は、原子炉容器を有して成り、その原子炉容器内に核燃料を含む燃料要素が配置される。加圧水型原子炉(PWR)または重水炉の場合において、少なくとも1つのクーラント・ポンプとつながるクーラント回路(または冷却回路、coolant circuit)を形成している管システムは、蒸気発生器と共に、原子炉容器に接続されている。
通常、クーラント回路の管システムは、オーステナイト系のFeCrNiステンレス鋼から成る。蒸気発生器の熱交換機表面は、Ni合金から形成され得る。さらに、コバルト鋼および/または鋳造材料は、クーラント・ポンプおよび他のパーツに用いられている。原子炉の発電運転の条件下、これらの全ての材料は、水である溶解度を呈する。合金から溶解する金属イオンは、クーラント流れによって原子炉内に送られ、その原子炉において金属イオンは、そこに存在する中性子線(または中性子照射)で放射性核種へと部分的に変換される。放射性核種は、次いで、クーラント流れによってクーラント・システム全体に行き渡り、原子炉の作動時のクーラント・システムの金属表面に形成される酸化物層に沈着(または沈殿)する。
運転時間が増すにつれ、沈着する活性化核種が蓄まることになり、クーラント・システムのパーツにおける放射線および線量率を増加させる。パーツに使用される合金の種類によって、酸化物層は、主成分として、二価および三価の鉄ならびに他の金属(合金成分として存在し得るクロムおよびニッケルなど)の鉄酸化物を含んでいる。
炉システムのパーツにおいて制御、メンテナンス、修理または分解測定を行うのに先立って、反復的なパーツまたは要素の放射線の放射の低減は、ALARAの原則(合理的に達成可能な限り低く、As Low As Reasonably Achievable)に従って、作業員の被曝を減らすために頻繁に必要となる。これは、パーツの表面に存在する酸化物層を“できるだけ完全に行う除染法”によって除去されて達成される。サブシステムまたは要素の除染を含む全システム除染(FSD:Full System Decontamination)または大規模システム除染として実施することができる。かかる目的のため、全クーラント・システム、または、バルブで分離されるシステムの部分は、水性洗浄溶液でみたされ、除染される。
EP1 220 233B1があり、汚染されたパーツに付着した酸化物層を溶解させるといった化学的除染法は知られている。除染法を実施するために、シュウ酸などの有機酸を含む除染溶液が供されている。除染溶液は、電解で処理され、除染溶液中でカソード的にFe(III)イオンを還元する、および/または、アノード的にFe(II)イオンを酸化してFe(III)イオンを形成する。鉄イオンの価数および濃度は、ステンレス鋼パーツの腐食電位が不動態化の状態(passivated state)で留まってパーツがベース金属の攻撃および腐食から防止されるように調整される。
US6,613,153B1があり、最初に酸化物層は除染溶液によって金属パーツから完全に除去されるといった除染方法が知られている。かかる除染工程では、飽和される銀/塩化銀参照電極に対して腐食電位が約200mVであるので、ベース金属攻撃が生じない。引き続いて、除染溶液に存在するFe(III)錯体は、UV処理によって破壊されて溶液から除去され、Fe(III)が還元されてFe(II)が形成される。除染溶液からFe(III)イオンを除去することによって、除染溶液の腐食電位が約-300mVにまで減じられ、ベース金属攻撃が生じることになる。ベース金属攻撃の結果、放射性核種が金属パーツから除去される。過酸化水素などのオキシダントを添加すると、腐食電位は、再び約200mVに増加され得、ベース金属攻撃が停止され得る。
米国特許6,169,221B1号においては、放射性汚染された金属層が、有機酸およびオキシダントを含む除染溶液で処理される除染方法が記載されている。除染溶液は、4.5までのpHで汚染金属層と反応される。次いで、溶液に含まれる金属イオンおよび放射性物質は析出され、溶液から分離される。ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、および、シュウ酸が、有機酸として使用される。オキシダントは過酸化水素であり得る。
既知の除染方法は、別個の除染容器で原子力発電プラントのクーラント・システムのパーツを除染するのに好適である。扱われるシステムの大きな体積に起因して、全システム除染(FSD)または大規模除染は、発電プラントの独自のイオン交換体の利用可能キャパシティと比べて非常に長い処理期間を要することになる。このケースでは、一時的な外部除染設備の形態の付加的なイオン交換体および他の要素が通常使用される。しかしながら、コスト的な理由から、モニタリングの必要がほとんどなく、また、発電プラントによって供されている手段もほとんどなく、付加的な外部イオン交換体を用いずにクーラント・システム全体を除染できることが望ましい。
さらに、単一の発電プラント設備を除染する場合、除染溶液中へのイオン入力の予測できないシャープな増加が除染工程で生じ、発電プラント自体のイオン交換設備のキャパシティの早期の消耗が結果としてもたされることが分かった。さらに、かかる場合、酸化物層がある領域で剥がれ落ちることがあり、その下の金属表面が露出する。露出する金属表面は、ベース金属攻撃によって非所望な腐食に曝され、それは除染溶液中への金属イオン入力を付加的に促進する。金属表面から離れた酸化物フレークは、クーラント・システムの低流れゾーン(low-flow zone)に蓄積され得、放射線が増加した所謂「ホット・スポット(hot spot)」を形成する。よって、金属表面から離れた酸化物フレークは、相当な付加的な労力を伴ってクーラント・システムから除去され得るものであり、作業員にとって危険である。
除染溶液の金属イオン濃度の上昇が早すぎる場合、プロセス温度において溶解性が乏しい塩が溶解限度を超えることになり、除染溶液で析出物を生じ、除染溶液に存在する放射性物質が蓄積され得る。このような放射線汚染の析出物は蓄積し、クーラント・システムの低い流れ領域で沈着し、放射性の“ホット・スポット”をもたらす。
したがって、本発明の目的は、原子力プラントの金属表面、特に原子力発電プラントのクーラント回路および接続される補助システムの金属表面を除染する方法を提供することであり、大きなシステム体積の場合であっても信頼性のあるプロセス制御が可能となり、特に大規模システム除染または全システム除染(FSD:full system decontamination)の観点で大きなシステム体積の場合であっても信頼性のあるプロセス制御が可能であり、そして、プラントによって供されるイオン交換体および他の要素を用いて大規模に除染することが可能となる除染方法を提供することである。
上記目的のために、原子力プラント内、特に原子力発電プラント(または原子力発電所、nuclear power plant)の冷却システム(または冷却系、cooling system)内の要素に設けられた金属表面であって、放射性物質を含む金属酸化物層で被われた金属表面を除染する方法であって、
a)オキシダント(または酸化剤、oxidant)を含んで成る水性オキシデーション溶液(または水性酸化溶液、aqueous oxidation solution)に金属酸化物層を接触させるオキシデーション工程、ならびに
b)オキシデーション工程で処理された金属酸化物層を、最大で炭素原子を6つ有する有機酸の水性溶液と接触させて、金属酸化物層を溶解させ、それによって、有機酸のみならず、金属イオンおよび放射性物質を含んだ除染溶液を形成し、除染溶液はイオン交換体に通して金属イオンおよび放射性物質を固定化させる除染工程
を含んで成り、
工程b)では、酸素、空気、過酸化水素およびオゾンから成る群から選択されるオキシダントを除染溶液に投与する、除染方法が提供される。
本願発明者らは、大規模システム除染の除染工程において金属酸化物層からの金属イオン入力の急激な増加は、除染溶液の酸素消耗(または酸素消費、oxygen depletion)に起因することを見出した。除染溶液中に存在するFe(II)イオンは酸素と反応してFe(III)イオンを形成し、そして、Fe(III)イオンは、除染溶液に含まれる有機酸によって還元されてFe(II)イオンとなる。その結果、有機酸は酸素によって触媒的に酸化される。
全システム除染(FSD)などの大規模システム除染は、大きなシステム体積に起因して、非常に長い処理期間を必要とする。これらは、非常に遅く進行する有機酸の触媒的酸化に十分であり、除染溶液に含まれる酸素の完全な反応が得られる。
驚くべきことに、金属酸化物層の溶解速度(または解離速度、溶解割合もしくは解離割合、dissolution rate)は除染溶液の酸素含量が減少するにつれ増加することが示され得る。したがって、除染溶液への金属イオン入力の急激な増加が酸素消耗と関連し得る。
本発明では、除染工程の長いサイクル期間の間で生じる除染溶液の酸素消耗を補うべく、特に酸化物層の溶解速度を制御して、それをプラントの具体的な限界値未満に維持すべく、早ければ除染の間で除染溶液へとオキシダントを導入するといったことが提案される。金属酸化物層の溶解速度の制御は、外部のイオン交換体に依存することなく発電プラント自身が有するイオン交換体設備を使用することができる。さらに、オキシダント添加で還元される除染溶液のイオン負荷(ion load)により、金属酸化物層から放出される金属イオンの溶解(または溶解度もしくは溶解性)が過度にならない結果がもたらされる。
本発明では、添加されるオキシダントは、酸素、空気、過酸化水素およびオゾンから成る群から選択される。これらのオキシダントは、副的な廃棄物(または二次的な廃棄物)を生じないので、廃棄処理を要する付加的な放射性物質をもたらさない。
本発明の除染方法の別の利点としては、除染溶液に含まれる鉄イオンと比べて、除染溶液からNi(II)イオンが好ましくかつ選択的に除去することができる。これは、除染溶液に含まれるFe(II)イオンをFe(III)イオンへと酸化させるオキシダントによって達成され、生じるFe(III)イオンは、有機酸とアニオン錯体(anionic complex)を形成し、イオン交換体材のフリー・サイトに対してNi(II)カチオンとは競合しない。ニッケル・イオンの好ましい除去は、溶解性の乏しいニッケル塩(溶解性の乏しいニッケル・オキサレートなど)の溶解限度が共通のプロセス温度で超えず、それゆえ、非所望の析出が除染溶液で生じないようにする。
さらに、オキシダント投与による酸化物溶解速度の制御は、単位時間当たりより少ないニッケルが除染溶液に入り、除染溶液のニッケル・イオン濃度を低く維持するといった効果を有する。
オキシダントの投与および酸化物層の溶解速度は、発電プラントで供される手段により制御およびモニタリングすることができる。これにより、広範囲に及ぶ外部のプロセス制御を要さずに全システム除染を行うことができる。金属酸化物層の溶解速度は、経験的(または実験的)に、除染溶液の物理的または電気化学的なパラメータに帰することになり得、例えば、還元−酸化電位、腐食電位、溶液の全酸素含量、および/またはで伝導性に帰することになり得る。これにより、プロセス管理を間接的にモニタリングすることができ、除染溶液へのオキシダント添加がシンプルな手段で制御できる。
更に、本発明の除染方法は、大規模システム除染の間であっても、除染剤としてシュウ酸、他の脂肪族のモノカルボン酸およびポリカルボン酸の継続的な使用が可能となる。シュウ酸などの脂肪族カルボン酸は、非常に安全でほんの僅かな毒性を呈するにすぎない除染剤であることが分かっている。シュウ酸などの脂肪族カルボン酸は、二酸化炭素および水を形成し、廃棄物が殆ど生じず除染回路から除去することができ、したがって、二次的な放射性廃棄物の防止に寄与する。
本発明の更なる利点および特徴は、添付の図面と共に好適な態様の以下の説明から明らかになるであろう。
図1は、原子炉のクーラント・システムの模式図である。 図2は、オキシダント添加無しの処理サイクルの間における除染溶液の腐食電位および全鉄含量の経過を示している。 図3は、オキシダント添加有りの処理サイクルの間における除染溶液の腐食電位および全鉄含量の経過を示している。 図4は、シュウ酸における酸化鉄の溶解速度を測定するための実験セットアップの模式図である。
発明の詳細な説明
本発明の除染方法を用いることによって、放射線汚染された酸化物層が、原子力プラントの要素に位置付けられた金属表面から信頼性良く除去される。特に、金属表面自体をおかすことなく、原子炉のクーラント・システムの要素に位置付けられた金属表面から、放射線汚染された酸化物層が信頼性良く除去される。
本発明の除染方法は、放射性流体と接触するようにさらされる全ての原子力プラントに用いることができ、特に、その原子力プラントの作用中の気体および液体にさらされる全ての原子力プラントに対して用いることができる。かかる意味では、原子力プラントは、特に、燃料要素処理プラントおよび原子力発電プラントである。
本発明の方法に関して以下で行う説明は、限定されるわけではないが、原子力発電プラントのクーラント・システム(または冷却材のシステム)の金属表面の除染に関している。図1は、原子力発電プラントの原子炉のクーラント・システム10の模式図である。かかるクーラント・システム10では、クーラント回路12および蒸気発生器16に接続される原子炉圧力容器14を介して一次クーラントが循環する。クーラント回路12では、主のクーラント・ポンプ18は、一次クーラントおよび/または除染工程の除染溶液を循環させるのに供されている。1つの主のクーラント・ポンプ18の代わりに、幾つかの主のクーラント・ポンプを運転させてもよい。
付加的に、緊急冷却の残留熱除去システム(emergency cooling and residual heat removal system)20およびそれに対応するポンプ(図示せず)は、クーラント回路12に接続される。さらに、クーラント・システム10は、クーラント回路に接続されている体積制御システム22および原子炉水浄化システム24を有して成る。
クーラント18によって生じる廃熱は、除染溶液を所望の反応温度にするのに用いることができる。
クーラント回路12の1つのみのループが図1に示されているものの、本発明の除染方法は、クーラント回路12の2つ又はそれよりも多いループを備えるクーラント・システムを有する原子炉でも用いることができる。
特に、原子炉は、加圧水型炉、沸騰水型炉または重水炉等として設けられていてよい。
付加的に、外部除染設備26は、クーラント回路12および/または緊急冷却の残留熱除去システム20に接続することができる。好ましくは、除染設備26は、モジュール構造を有しており、UVリアクター、1又は幾つかのポンプ、ヒーター、イオン交換体、フィルター、サンプリング・デバイス、モニタリング設備、リモート・アクセス自動システム、および、薬品投与システムを備えることができる。
UVリアクターは、除染工程が引き続くことになる浄化工程の間で有機酸の光触媒的分解のために好ましくは設けられている。サンプリング・システムは、処理サイクルの間でプロセスを制御するのに供されている。オプションとして、除染溶液の機械的濾過は、フィルター・デバイスを用いて行ってよい。
外部除染設備26は、外部除染設備の設計および除染されることになるクーラント・システムの構成またはその要素に応じ、種々の要素に接続することができ、また、クーラント・システムの幾つかのサイトで接続することができる。
図1に示されるクーラント・システム10の構成は変更することができ、本発明に関して限定的に解されるべきではない。
本発明の除染方法は、好ましくは、大規模システム除染(large-scale system decontamination)にとって好適である。したがって、本発明の第1態様では、除染されるクーラント・システムの要素は、一次クーラント(または主たるクーラント)のためのパイプライン、原子炉圧力容器、クーラント・ポンプ、蒸気発生器、減圧設備、および/または補助設備(クーラント・システムに接続される緊急冷却の残留熱除去システム、体積制御システムもしくは炉水浄化システムなど)の要素、または、そのような要素の幾つかなどを少なくとも有して成る。
本発明の除染方法を全システム除去(FSD)のために用いることが特に好ましく、かかる全システム除去(FSD)では、原子炉の発電操作の間で一次クーラントと接触しているクーラント・システムの全ての要素の金属表面から放射線汚染された酸化物層が除去される。
本発明にしたがえば、15m、好ましくは30mから始まるシステム体積(または系体積)、および/または、500m、好ましくは1000mから始まる除染されるシステム面積(または系面積)が、大規模システム除染を要する。このような大きさを上回るシステム体積およびシステム面積では、除染溶液の酸素消耗が、除染の間で生じることが見込まれるものであり、環境的な影響により信頼性よく補償され得ない。
除染されるシステム体積は、少なくとも90mである。しかしながら、全システム除染(FSD)では、システム体積は300m以上であり得る。
大規模システム除染または全システム除染(FSD)では、除染工程で金属イオンおよび放射性物質を固定化するのに用いられるイオン交換体は、好ましくは、1時間当たりで除染される全システム体積の少なくとも10%のフロー・キャパシティ(flow capacity)を有し、特に、少なくとも10〜20%のフロー・キャパシティを好ましくは有している。特に好ましくは、発電プラント自体の炉水浄化システムのイオン交換体のみが除染工程で使用される。
外部処理システムの接続により、イオン交換体のフロー・キャパシティは、1時間当たり全システム体積の30%よりも多いフロー・キャパシティへと増加し得、好ましくは1時間当たり全システム体積の100%よりも多いフロー・キャパシティへと増加し得る。外部除染設備の付加的な使用は、除染工程の継続を相当に減じることができるものの、それは、技術的な努力およびコストが大きくなってしまう。
イオン交換体のフロー・キャパシティは、1時間当たりの除染溶液の体積処理量(volume throughput)を表している。
除染工程の所定の利用できるシステム体積でイオン交換体のフロー・キャパシティが小さくなればなるほど、より多くのオキシダントが除染溶液に投与され、それによって、金属酸化物層の溶解速度が遅くなり、除染溶液に入る金属イオンの量が利用可能なイオン交換体のフロー・キャパシティに適用されることになる。
除染されるシステム体積に対するイオン交換体のフロー・キャパシティの比は、浄化速度(または浄化割合もしくは浄化率、purification rate)と称される。好ましくは、除染工程の間において、浄化速度は、0.1h−1〜0.7h−1の範囲にある。浄化速度は、除染工程において除染溶液へと投与されるオキシダントの量を測るものとして用いられ得る。
酸化物層で被われたクーラント・システム10の要素の金属表面は、少なくともオキシデーション工程、除染工程、オプションとしての浄化工程および/または更なる処理工程を含んで成る1またはそれよりも多い処理サイクルで除染できる。
以下では、本発明の除染方法の個々の工程についてより詳細に説明する。
オキシデーション工程
本発明の除染方法の工程a)は、溶解性に乏しい金属酸化物層の酸化性の前処理および分解のために従来技術として用いられる用途のオキシデーション工程に相当する。かかる工程では、金属酸化物層の多くの溶解は生じない。単に金属酸化物層に含まれるクロムおよび少量の他の金属のみがオキシデーション溶液へと送られる。特に金属酸化物層に存在する鉄はオキシデーション工程では溶解しないが、固体状態で酸化され、三価の鉄を形成する。
オキシデーション工程を実施するために、クーラント回路12においてオキシダントが一次クーラントに導入され、オキシデーション溶液が形成され、そして、オキシデーション溶液をクーラント回路12で循環させ、かかるオキシデーション溶液を金属表面と接触させる。オキシダントは、外部除染設備26または発電プラント自体の体積制御システム22で一次クーラントへと導入できる。
オキシダント溶液の循環のために、クーラント・システム10に存在する少なくとも主のクーラント・ポンプ18および/または更なるポンプであって、熱源と同時に供されるポンプが使用されてよい。
オキシダントとしては、Ce4+、過マンガン酸およびそのアルカリ金属塩などの過マンガン酸塩、Hおよびその塩、ならびにオゾン(O)を用いることができる。好適な態様において、オキシダントは過マンガン酸塩、好ましくは過マンガン酸である。過マンガン酸塩は、容易に入手でき、除染法のためのオキシダントとして技術的に既に照明されている。
オキシデーション溶液のオキシダント濃度は、好ましくは10〜800mg/Lの範囲、好ましくは100〜300mg/Lの範囲である。
通常は、金属表面に形成される酸化物層は、溶解性の乏しいスピネル構造のCr(III)、Fe(II)およびFe(III)ならびにNi(II)を含んでいる。それらがオキシダントと接触することによって、金属表面の酸化物層の含まれるCr(III)およびFe(II)は酸化され、Cr(VI)およびFe(III)を形成し、かかる酸化物層のスピネル構造の破壊がもたらされる。このプロセスでは、オキシダントとして用いられる過マンガン酸塩(MnO )は還元されて、二酸化マンガン(MnO)が形成される。一方、かかる段階では、Cr(VI)は、容易に溶解するクロメートとして溶液に入り、Fe(III)およびNi(II)は、大部分が酸化水和物(oxide hydrate)として金属表面に留まる。
オキシデーション工程は、新鮮なオキシダントの金属表面への輸送によって制限される拡散制御プロセスであり、それゆえ、ある酸化物層厚さのみを破壊し得る。過マンガン酸塩を用いる場合、オキシダントの金属表面への拡散が、オキシデーション時間が経過するにつれ、かかる表面での二酸化マンガンの形成によって、付加的に遅くなる。その結果、Cr(VI)形成が、処理時間に伴って連続的に減少し、酸化物層から溶解するクロムの全量の安定化に至るまで減少する。通常では、オキシデーション工程は、数時間要し、オキシデーション溶液で検知できるCr(VI)濃度の増加が僅か又は全く無くなったときにオキシデーション工程が終了される。
還元工程
本発明の除染方法において、オキシデーション工程に引き続いてオプションとして還元工程が行われる。かかる還元工程では、オキシデーション溶液に還元剤が導入され、オキシデーション溶液に含まれる残留オキシダントが還元され、オプションとして、過マンガン酸塩が使用される場合に形成されるクーラント回路12における二酸化マンガンが還元される。例えば、脂肪族ジカルボン酸、好ましくはシュウ酸が、還元剤として使用することができる。
還元剤としてシュウ酸が用いられる場合、一般的な化学的等式は以下の通りである。

2MnO +5H+6H→2Mn2++10CO+8H
MnO+H+2H→Mn2++2CO+2H
シュウ酸での還元は、COおよびHOを生じるのみであり、過マンガン酸塩1モル当たりで5モルのCOが生じ、二酸化マンガン1モル当たりで2モルのCOが発生する。例えば、還元工程で生じるCOは、外部除染設備26のサージ・タンクまたはクーラント回路12の低圧領域におけるオキシデーション溶液の脱ガスによって除去することができ、対応するフィルターを介して原子力プラントの運転排空気へと送られ得る。
好ましくは、オキシダントの完全な反応のために、還元剤が僅かに過剰に使用される。金属酸化物層の溶解は、還元工程ではまだ行われない。
オキシダントの濃度がもはや減少せず、および/またはある限界値を下回った場合に還元工程が完了する。好ましくは、還元工程の最後において、オキシデーション溶液のオキシダント濃度は5mg/kg未満となっている。
目標とされるオキシダント投与によって酸化工程が、その最後にてオキシダント濃度が所望の限界値未満となるように制御される場合、還元工程は省略することができる。
除染工程
オキシデーション工程またはオプションとしての還元工程に引き続いて行われる本発明の除染方法において、オキシデーション工程で処理された金属表面の酸化物層を、除染剤として用いられる有機酸と接触させ、金属酸化物および放射性物質の少なくとも一部を一次クーラントに溶解させ、除染溶液を生じさせる。
好ましくは、炭素原子1つ当たり1つの酸基(acid group)を有する脂肪族有機酸が、6つの炭素原子を有する有機酸として使用される。脂肪族モノカルボン酸および脂肪族ポリカルボン酸が好ましく、特にジカルボン酸およびトリカルボン酸が好ましい。したがって、クーラント回路12における還元工程と除染工程との間の移行はスムーズであり得る。しかしながら、オキシデーション工程と除染工程とが同時に行われることは意図していない。
ギ酸またはグリオキシル酸、そのアルカリ金属塩は、モノカルボン酸として使用することができる。脂肪族ポリカルボン酸は、好ましくは、2〜6つの炭素原子を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸、および、脂肪族トリカルボン酸から成る群から選択される。特に、クエン酸が、脂肪族トリカルボン酸として使用できる。
6つまでの酸基を有する脂肪族有機酸は、C1〜C6のスルホン酸をさらに含んで成り、好ましくはメチルスルホン酸を含んで成る。除染剤としてのメチルスルホン酸の使用は、EP2 787 509B1号に記載されている。
有機酸は、それ単独で用いられたり、あるいは、混合物として用いられたりしてよい。
好適な態様では、有機酸は、シュウ酸を含んで成るか、あるいは、それから成る。
有機酸の水溶液を用いることが特に好ましい。特に、投与のための濃度として25〜150g/Lの濃度を有するシュウ酸水溶液が用いられ、それが一次クーラントに加えられることで、除染溶液を生じさせる。
除染剤としてシュウ酸を用いる場合、Cr(VI)が還元されてCr(III)が生じ、オキサレート錯体として除染溶液中に留まることになる。酸化物層に場合により含まれるNi(III)は、還元されてNi(II)となり、Ni(II)オキサレート錯体として溶液に入る。その一方、鉄は、アニオン性Fe(III)オキサレート錯体として溶液に入る。付加的には、除染溶液は、金属酸化物層から溶解した放射性物質を含む。
本発明では、酸素、空気、過酸化酸素およびオゾンから成る群から選択されるオキシダントは、除染工程の間で既に除染溶液へと投与される。好ましくは、除染溶液に投与されるオキシダントの量は、酸化物層の溶解速度がシステム体積に従って予め決めされた速度を超えないように制御される。
オキシダントの添加の間、金属酸化物層の溶解速度が、400ppmFe/hを超えないように、好ましくは100ppmFe/hを超えないように、除染溶液へのオキシダント投与が制御されることが特に好ましい。
オキシダントの投与は、溶液のFe(III)濃度の増加として認識される得る除染溶液の酸素消耗と対向するように作用する。したがって、好適な態様では、除染溶液へのオキシダントの投与は、オキシダント添加の間、除染溶液のFe(II)濃度が50ppmを超えないように制御される。
金属酸化物層の溶解速度は、単位時間(h)当たり冷却システムの単位体積(m)に入る鉄イオンの量(g)として規定される。例えば、溶解速度は、サンプルの鉄含量のサンプル的となる光度計測定、滴定測定または分光測定によって決定できる。
好ましくは、金属酸化物層の溶解速度は、利用できるイオン交換体キャパシティ、除染されるシステム体積および/または金属表面の面積に応じて設定される。したがって、単位時間当たりで除染溶液に導入されるオキシダント量が大きくなり、酸化物層の溶解速度がより遅くなるように、オキシダントの添加が制御される。これは、単位時間当たりで添加されるオキシダントの量がより多くなれば、システム体積がより大きくなり、および/または、利用できるイオン交換体キャパシティがより小さくなることを意味している。
別の好適な態様では、オキシダント添加の開始後において、浄化速度に対する金属酸化物層の溶解速度の比が好ましくは最大限で25ppmFe、より好ましくは最大限で20ppmFe、更により好ましくは最大限で15ppmFeとなるように、オキシダントの添加が特に制御される。
オキシダントとして過酸化水素が用いられる場合、除染溶液に投与されるオキシダントの量は、好ましくはシステム体積100m当たり0.1〜1.2L/hの量、特に好ましくはシステム体積100m当たり0.4〜1.0L/hの量である。過酸化水素は、市販の30%水性溶液として使用されることが好ましい。
オキシダントとして空気、酸素またはオゾンなどのガス状(または気体状)のオキシダントが用いられる場合、強制されるベンチレーション(forced ventilation)によって除染溶液にオキシダントを導入することができ、例えば圧力補償タンク(pressure compensation tank)またはスプレー設備(spraying facility)で除染溶液へのオキシダント導入ができる。かかる目的のため、除染溶液の一部が、クーラント回路から外れるようにされ得、圧力補償タンクまたはスプレー設備にて空気または酸素で飽和させられ得る。除染溶液に導入されるオキシダントの量は、クーラント回路から外れ(または逸れ、divert)、空気またはオゾンを用いた飽和の後に戻される除染溶液の体積流れを通じて制御することができる。さらに、ガス状のオキシダントは、加圧下にて直接的に導入することができ、クーラント・システムの適当な投与サイトにてクーラントへと加圧下で直接的に導入することができ、これにより、ガスの溶解を劇的に増加させるので、溶液中のオキシダントの全量を増加させることができる。かかる目的のため、例えば原子炉圧力容器、クーラント・ポンプの圧力補償タンク、または除染処理に際して利用されない圧力溶液の計器レール(instrumentation rail)を利用することができる。
系(またはシステム)へのガス状オキシダントの直接的な導入の場合、空気はあまり好ましくない。なぜなら、空気に含まれる不活性窒素は、処理中、系の種々の高められたサイトでガス・クッションとして蓄積し得、除染溶液で除染される表面の不十分で不均一な濡れを引き起こすからである。脱ガスを許容する大きな要素へとガス状のオキシダントが導入される場合(例えば、沸騰水型炉の原子炉圧力容器内に導入される場合などでは)、かかる不利益はなく、それゆえ、空気がその利用し易さおよび安全性の点で好ましいオキシダントとして使用できる。
いずれに適用に対しても、ガス状のオキシダントとして酸素が用いられることが特に好ましい。酸素は、オゾンよりも安全で扱い易く、空気の不活性窒素の不利益を伴わない。酸素は、加圧ガスボトルにて供給することができたり、需要に応じて膜分離法または他の適当な方法によって、適当な設備を用いて局所的に発生させることができる。
ガス状オキシダントとしてオゾンが用いられる場合、オキシダント含量は、システム体積100m当たり1時間当たりで400g〜1200gのオゾンとなることが好ましい。水中でのオゾンの短い半減期、および原子力発電プラント汚染の毒性ガスの使用に際して生じる安全関連の困難性の点でいえば、かかるオキシダントは好ましくない。
好ましくは、除染工程の間、オキシダントが、連続的に除染溶液に投与される。これによって引き起こされる有機酸の部分的な分解は、害はない。なぜなら、それは、いずれにせよ後刻で分解溶液から再除去されるべきものであり、使用される有機酸が残留を伴わない分解によって好ましくは除去され、二酸化炭素および水が生じるからである。
基本的には、オキシダントは、全体的な除染工程の継続中に除染溶液に投与することができる。好ましくは、除染溶液へのオキシダント投与は、除染工程の継続期間の一部においてのみ為され、好ましくは除染工程の継続期間少なくとも約50%、より好ましくは除染工程の継続期間少なくとも約70%、さらに好ましくは除染工程の継続期間少なくとも約80%、最も好ましくは除染工程の継続期間少なくとも約90%において除染溶液へのオキシダント投与が行われる。
好適な態様では、除染溶液へのオキシダント投与は、時間遅れの手法で行われ、除染工程の開始後においてのみ行われ、これにより、金属酸化物層の溶解速度が除染工程の初期段階でいたずらに遅くならなくなる。除染工程の初期工程では除染溶液の金属イオン濃度が相対的に低いので、かかる時点で、プロセス安定性を妥協せず、および/または析出物形成の虞なく、より高い溶解速度が許容され得る。
除染溶液へのオキシダント投与は、特に好ましくは、除染溶液の全鉄濃度(利用できる浄化速度に依存して変わり得る全鉄濃度)に至った後においてのみ開始される。好ましくは、少なくとも約20ppmの全鉄濃度、好ましくは約20ppm〜約120ppmの全鉄濃度、より好ましくは40〜100ppmの全鉄濃度からオキシダント投与が開始される。
別の好適な態様では、除染工程のオキシダン投与は、除染溶液の1またはそれよりも多い物理的または電気化学的パラメータのモニタリングによって制御され得る。除染溶液の還元-酸化電位、腐食電位、全酸素含量および/または伝導性がモニタリングされることが特に好ましい。数値データの場合、還元-酸化電位は、Ag/AgCl(飽和)標準参照電極と比較した除染溶液の電位差を表している。腐食電位または残りの電位は、除染される金属表面と比較した除染溶液の電位差を表しており、Ag/AgCl(飽和)標準参照電極に関連して測定される。
上記パラメータは、適当なセンサーによってモニタリングすることができる。かかるセンサは、発電プラント自体のシステム制御に接続されているセンサや、あるいは、外部除染設備を含む外部の一時的な設備の評価ユニットに接続されているセンサである。個々のパラメータの所定の限界値を超える又は下回る場合、除染溶液に付加的に投与されるオキシダントの量は、個々の限界値と適合するように調整され得る。さらに、個々の物理的または電気化学的なパラメータは、経験的(または実験的)に金属酸化物層の溶解速度に帰することになり得、その溶解速度は、上記パラメータの測定を介して間接的に制御され得、所望の限界値未満に維持され得る。
好ましくは、除染される材料に応じて、酸化物の溶解速度が所望のフレームワーク内に制御されるだけでなく、除染溶液に含まれる有機酸がベース金属攻撃(base metal attack)を引き起こさないように除染溶液の物理的または電気化学的なパラメータが測定される。これは、ベース金属攻撃によって除染溶液への金属イオン入力の過度な増加を排除する。
オプション的に除染される材料に応じて、除染溶液へのオキシダント投与は、還元-酸化電位および/または腐食電位の下限値が0mV、好ましくは+50mV、特に好ましくは+100mVを下回ることのないように制御される。これにより、除染溶液への金属イオン入力が、長期にわたって高いプロセス安定性をともなって生じることが確保され、また、酸化物層の溶解により、利用可能なイオン交換体フロー・キャパシティを考慮して概して除去され得るイオンよりも多く溶液にもたらされるイオンがないことが確保され、また、除染溶液に導入される金属イオンがそれらの個々の溶解度未満となることが確保される。したがって、除染溶液における析出物形成がないことがもたらされる。
還元-酸化電位および/または腐食電位のモニタリングに加えて、除染溶液のFe(II)濃度がモニタリングされ得、除染溶液に投与されるオキシダントの量は、Fe(II)濃度が50ppmを超えないように制御され得る。
さらに、除染溶液の還元-酸化電位および/または腐食電位は、除染工程におけるオキシダント添加の開始を確立するのに用いることができる。好ましくは、除染溶液へのオキシダント投与は、腐食電位および/または還元-酸化電位が20〜180mVの範囲、好ましくは50〜150mVの範囲にまで下がったら直ぐに開始される。
別法にて又は付加的に、除染溶液へのオキシダント投与が開始されることになる除染溶液に溶解する酸素の限界値が、設定されて、モニタリングされ得る。
本発明では、除染溶液がイオン交換体に通され、金属酸化物層の溶解に由来する金属イオン(特にニッケル・イオンおよび放射性物質)が固定されるといった態様が更に供される。本発明の除染方法の別の好適な態様では、除染溶液は、ニッケル・イオンと鉄イオンとの双方を含んでおり、溶解した金属酸化物層に由来するニッケル・イオンは鉄イオンよりも早期に除染溶液から除去される。
かかる目的のため、金属イオンを含有する除染溶液がカチオン交換体材へと通され、金属酸化物層から溶解する金属イオン、ならびにオキシデーション工程に由来するマンガンおよび放射性物質を拘束する。シュウ酸をアニオン性Fe(III)オキサレート錯体として特に用いる場合、除染溶液へのオキシダント投与によって、除染溶液中の鉄イオンは、有機酸のアニオン性鉄(III)錯体の形態で大部分が存在することになる。かかるアニオン性鉄(III)錯体は、カチオン交換体に結合され得ず、それゆえ、カチオン交換体上のフリーな結合サイト(free binding sites)に対して、除染溶液にニッケル・オキサレートとして好ましくは存在するNi(II)イオンと競合しない。
したがって、本発明の除染方法では、溶解性の乏しいNi(II)塩、特にニッケル・オキサレートが、かかるニッケル塩の溶解度を超えるに先立って、除染溶液から選択的に除去されることが確保される。これに対して、アニオン性Fe(III)錯体は、非常に高い溶解性を有し、それゆえ、次の浄化工程まで除染溶液に留まることができる。
ニッケル・イオンの好適な除去に起因して、金属酸化物層の溶解速度は、プロセス温度を下げることによって付加的に制御することができる。例えば、60℃〜85℃の温度、好ましくは60℃〜80℃の温度で、ニッケル・オキサレートなどのニッケル塩の析出形成なしに、除染工程を行うことができる。
イオン交換体上の除染溶液の永続的な浄化に起因して、放射能(または放射性物)は、クーラント・システムへと戻ることが防止され、現在の処理サイクルの投与露出(dose exposure)が効率的に低減される。
除染溶液の活性減少を検知できなくなったら処理サイクル内の除染工程が完了となる。
浄化工程
オプション的に行われる浄化工程では、除染剤として用いられた有機酸は、放射性物質が無くなった除染溶液から除去される。除染剤としてシュウ酸が用いられた場合、シュウ酸は、UV光を用いて光触媒的な湿式オキシデーション(photocatalytic wet oxidation)によって好ましくは分解され、COおよび水が形成される。反応性があまりない有機酸は、イオン交換体に結合させられ得、および/または再生されられ得る。並行して、除染溶液は、連続的にイオン交換体に更に連続的に通され、残留活性および腐食生成物が除去される。特に、除染溶液に含まれるFe(III)錯体は、かかる工程で壊され、Fe(III)イオンの還元によって形成されるFe(II)イオンをカチオン交換体に結合させる。除染溶液から有機酸を除去することは、次の処理サイクルの準備に資することになり、引き続いて行われるオキシデーション工程で用いられるオキシダントの安定性を確保する。
最終的な処理サイクルの最後では、金属表面の投与速度の所望の低減が達成されたら直ぐに、残留の除染剤が除かれた除染溶液が浄化され、必要であれば混合された床フィルターを介して、設定された伝導性限度に達するまで浄化される。
実施例態様
約500mのシステム体積および約25000mのシステム表面を有する原子力プラントのクーラント回路に対して全システム除染を実施した。クーラント・システムは、ステンレス鋼およびニッケル合金の金属表面を含んでいるものであった。アレバ社(Areva)のHP-CORD(商標)プロセスを使用した。かかるプロセスは、1またはそれよりも多い処理サイクルを含んで成るところ、オキシダントとして過マンガン酸を使用するオキシデーション工程、除染剤としてシュウ酸を用いるオキシデーション工程、および、UV光を用いる光触媒的な湿式オキシデーションでシュウ酸が分解される浄化工程が行われた。除染工程の継続時間は、約125時間であった。除染溶液の温度は約95℃に設定した。
サイクル1:除染工程でオキシダント投与を含まないサイクル
第1処理サイクルでは、除染工程の開始後の約15時間、除染溶液の酸素含量の顕著な減少が見られた。これは、腐食電位の−100mV未満への降下によって認識することができた。それと共に、除染溶液への鉄イオンおよびニッケル・イオンの入力の急増加が見られ、それは95℃から約85℃へと除染溶液の温度を下げることによって実質的に減じられていなかった。外部除染設備と付加的なイオン交換体とを接続することによって、約0.5の浄化速度が供された。これに拘わらず、除染溶液への金属イオンの増加した入力に起因して、イオン交換体の早すぎる排出、ならびに、除染溶液での析出物形成が生じた。
図2は、第1処理サイクルの間の腐食電位、および、金属酸化物層から放出された鉄イオンの全量の経過を示している。オキシデーション工程では、処理サイクルの最初の24時間の間において、金属酸化物層からオキシデーション溶液へと鉄は放出されない。シュウ酸添加が除染工程で開始されるので、金属酸化物層が溶解し、鉄が除染溶液へと入っていく。その結果、除染溶液の腐食電位が約120mVにまで減少し、除染溶液に存在する酸素が完全な消費された後、約−350mVにまで降下する。同じ期間では、鉄イオンの相当量が金属酸化物層から放出され、除染溶液へと導入される。金属酸化物層の溶解速度は、除染工程の長い期間において大きく増加される。
サイクル2:除染工程でオキシダント投与を含むサイクル
第2処理サイクルでは、除染工程において除染溶液にオキシダントが投与された。オキシダントとして30%過酸化水素溶液が使用された。約1.5〜2L/Hの速度(または割合)でオキシダントを連続的に加えた。オキシダントは、除染工程の開始後の10時間以内において加えられた。
図3は、第2処理サイクルの間の腐食電位、および、金属酸化物層から放出された鉄イオンの全量の経過を示している。かかるサイクルであっても、オキシデーション工程において処理サイクルの最初の24時間の間、および、引き続く還元工程において、金属酸化物層からオキシデーション溶液へと鉄イオンは導入されない。シュウ酸添加が除染工程で開始されるので、金属酸化物層が溶解し、鉄およびニッケルが除染溶液へと入っていく。その結果、除染溶液の腐食電位が約120mVにまで減少する。除染溶液にオキシダントを加えることによって、腐食電位はかかる値で実質的に維持される。同じ期間では、金属酸化物層の溶解速度は、5ppm鉄/H未満の値にまで降下し、除染溶液の鉄の全量がゆっくりと増加する。
鉄イオンと共に除染溶液に導入されるニッケル・イオンは、イオン交換体を介して除染溶液から連続的に除去される。鉄イオンは、Fe(III)オキサレート錯体の形態で存在して、除染工程のかかる段階で溶液に留まる。大きいシステム体積にも拘わらず、0.1〜0.3の浄化速度にでき、発電プラントにより専ら供されているイオン交換体に依存することができ、外部の除染設備への接続は無くてよい。
鉄酸化物の溶解速度の測定
図4は、シュウ酸溶液の還元-酸化電位に依存する鉄酸化物の溶解速度を測定するための実験セットアップの模式図である。反応ベッセル100は、純粋な酸素ガスの供給のための酸素インレット102、電極アレイ104、ガスの反応器100からの放出のための一方向ガスバルブ106、撹拌機108、温度制御デバイス110、UVランプ112、および、サンプリングのためのアウトレット114を備えている。
完全に脱塩された水に5g/Lのヘマタイト粉末(Fe)が、反応器100に仕込まれ、撹拌機108で連続的に循環される。ヘマタイト懸濁液の温度は、温度制御デバイスを用いて85℃にセットされる。シュウ酸は、UVランク112が意図される反応器100における開口部を介してヘマタイト懸濁液に添加され、したがって、2000ppmの濃度で存在する。そして、開口部はUVランプで閉鎖される。ヘマタイト懸濁液の所定の還元-酸化電位は、酸素供給および/またはUVランプの運転で設定され、電極アレイによって測定の間において制御され、一定に維持される。
0分、5分、10分、15分、30分、45分、60分および90分のインターバルで、ヘマタイト懸濁液の0.5体積%のサンプルを取り、濾過した。これにより、ICP質量分析法で溶液の鉄含量を測定した。
このように測定された種々の還元-酸化電位におけるヘマタイトの溶解速度は、以下の表1に示される。
Figure 0006756033
シュウ酸溶液におけるヘマタイト粉末の溶解速度は、所定の還元-酸化電位を設定することによって広く影響され得ることが示され、また、シュウ酸溶液の還元-酸化電位が減少するにつれヘマタイト粉末の溶解速度が増すことが示されている。

Claims (21)

  1. 原子力プラント内、特に原子力発電プラントのクーラント・システム内の要素に設けられた金属表面であって、放射性物質を含む金属酸化物層で被われた金属表面を除染する方法であって、
    a)オキシダントを含んで成る水性オキシデーション溶液に金属酸化物層を接触させるオキシデーション工程、ならびに
    b)オキシデーション工程で処理された金属酸化物層を、有機酸の水性溶液と接触させ、金属酸化物層を溶解させ、それによって、有機酸のみならず、金属イオンおよび放射性物質を含んだ除染溶液を形成し、除染溶液をイオン交換体に通して金属イオンおよび放射性物質を固定化させる除染工程
    を含んで成り、
    工程b)では、酸素、空気、過酸化水素およびオゾンから成る群から選択されるオキシダントを除染溶液に投与し、
    除染溶液は、ニッケル・イオンおよび鉄イオンの双方を含み、除染工程においてニッケル・イオンが、鉄イオンよりも早期に除染溶液から除去され、
    カチオン交換体材に除染溶液を通し、ニッケル・イオンをカチオン交換体材に結合させる一方、鉄イオンが、アニオン性鉄(III)錯体の形態で除染溶液に留まる、除染方法。
  2. 除染工程では、プラント内のイオン交換体のみが使用され、好ましくはリアクター水浄化システムのイオン交換体が使用される、請求項1に記載の除染方法。
  3. オキシダント投与は、プラントが備えている設備で専ら制御およびモニタリングされる、請求項1または2に記載の除染方法。
  4. 前記除染方法が、大規模システム除染、好ましくは全システム除染に使用される、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  5. 原子力発電プラントのクーラント・システム内に位置付けられた前記要素は、一次クーラントのパイプライン、リアクター圧力容器、クーラント・ポンプ、蒸気発生器、減圧設備、および/または、クーラント・システムに接続される少なくとも1つの補助システムの要素の1つ又はそれよりも多くを有して成る、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  6. 除染工程の間において、除染されるシステムの体積に対するイオン交換体のフロー・キャパシティの比として規定される浄化速度は、0.1h−1〜0.7h−1である、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  7. 除染溶液へのオキシダント投与は、金属酸化物層の溶解速度が400ppm Fe/h、好ましくは200ppm/hを超えないように制御される、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  8. 除染溶液へのオキシダント投与は、除染溶液のFe(II)イオン濃度が50ppmを超えないように制御される、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  9. 除染溶液へのオキシダント投与は、イオン交換体の利用可能なフロー・キャパシティ、システム体積、および除染される金属表面の面積に応じて制御される、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  10. 除染されるシステムの体積(m)に対するイオン交換体のフロー・キャパシティ(m/h)の比として浄化速度が規定され、該浄化速度に対する金属酸化物層の溶解速度の比が最大限で25ppmFeとなるように除染溶液へのオキシダント投与が制御される、請求項1〜のいずれかに記載の除染方法。
  11. オキシダントとして過酸化水素を用い、該過酸化水素がシステム体積100m当たり0.1〜1L/hの量、好ましくは0.2〜0.5L/hの量で除染溶液に投与される、請求項1〜10のいずれかに記載の除染方法。
  12. オキシダントとして空気、酸素またはオゾンを用い、システムから外される除染溶液の割合の強制ベンティレーションによって投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の除染方法。
  13. 圧力下で空気、酸素またはオゾンを除染溶液に直接的に導入する、請求項1〜12のいずれかに記載の除染方法。
  14. オキシダントを除染溶液に連続的に投与する、請求項1〜13のいずれかに記載の除染方法。
  15. 時間遅れの手法で除染工程の開始後にオキシダントを除染溶液に投与し、好ましくは、全鉄濃度が少なくとも20ppmに達した後、好ましくは20ppm〜120ppmに達した後にオキシダントの投与を開始する、請求項1〜14のいずれかに記載の除染方法。
  16. 除染溶液の1つまたはそれよりも多い物理的パラメータおよび/または電気化学的パラメータをモニタリングすることによって除染溶液へのオキシダント投与を制御する、請求項1〜15のいずれかに記載の除染方法。
  17. 除染溶液の還元-酸化電位、腐食電位、伝導性および/または全酸素含量がモニタリングおよび使用されて、オキシダント投与が制御される、請求項16に記載の除染方法。
  18. 有機酸が前記金属表面におけるベース金属攻撃を引き起こさないように還元-酸化電位および/または腐食電位が設定される、請求項16または17に記載の除染方法。
  19. 除染溶液の腐食電位および/または還元-酸化電位の限界値が0mV、好ましくは50mV、特に好ましくは100mVを下回らないようにオキシダント投与が制御される、請求項16〜18のいずれかに記載の除染方法。
  20. 除染溶液の腐食電位および/または還元-酸化電位が20〜180mV、好ましくは50〜150mVの値にまで下がると直ぐ除染溶液へのオキシダント投与を開始する、請求項16〜19のいずれかに記載の除染方法。
  21. 除染工程の後において、除染溶液に含まれる有機酸を除去し、オプションとして該有機酸を分解する浄化工程を引き続いて行い、
    酸化工程、除染工程および浄化工程はオプションとして繰り返される、請求項1〜20のいずれかに記載の除染方法。
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