JP7475171B2 - 化学除染方法および化学除染装置 - Google Patents

化学除染方法および化学除染装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7475171B2
JP7475171B2 JP2020046084A JP2020046084A JP7475171B2 JP 7475171 B2 JP7475171 B2 JP 7475171B2 JP 2020046084 A JP2020046084 A JP 2020046084A JP 2020046084 A JP2020046084 A JP 2020046084A JP 7475171 B2 JP7475171 B2 JP 7475171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decontamination
hydrogen peroxide
reducing
chemical
reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020046084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021148478A (ja
Inventor
高史 大平
智 大内
元浩 會澤
信之 太田
秀幸 細川
涼 浜田
博雄 吉川
尚史 坪川
正彦 風間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd, Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2020046084A priority Critical patent/JP7475171B2/ja
Priority to US17/197,437 priority patent/US20210296019A1/en
Priority to TW110108494A priority patent/TWI799809B/zh
Publication of JP2021148478A publication Critical patent/JP2021148478A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7475171B2 publication Critical patent/JP7475171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F9/00Treating radioactively contaminated material; Decontamination arrangements therefor
    • G21F9/001Decontamination of contaminated objects, apparatus, clothes, food; Preventing contamination thereof
    • G21F9/002Decontamination of the surface of objects with chemical or electrochemical processes
    • G21F9/004Decontamination of the surface of objects with chemical or electrochemical processes of metallic surfaces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/10Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features
    • B01D15/12Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by constructional or operational features relating to the preparation of the feed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/08Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/24Carbon, coal or tar
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C17/00Monitoring; Testing ; Maintaining
    • G21C17/02Devices or arrangements for monitoring coolant or moderator
    • G21C17/022Devices or arrangements for monitoring coolant or moderator for monitoring liquid coolants or moderators
    • G21C17/0225Chemical surface treatment, e.g. corrosion
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F9/00Treating radioactively contaminated material; Decontamination arrangements therefor
    • G21F9/04Treating liquids
    • G21F9/06Processing
    • G21F9/12Processing by absorption; by adsorption; by ion-exchange
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/36Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving ionic interaction
    • B01D15/361Ion-exchange
    • B01D15/362Cation-exchange
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

本発明は、化学除染方法および装置に関する。
例えば、沸騰水型原子力プラント(以下「BWRプラント」という。)は、原子炉圧力容器(以下「RPV」という。)内に炉心を内蔵した原子炉を有する。再循環ポンプ(またはインターナルポンプ)によって炉心に供給された炉水は、炉心内に装荷された燃料集合体内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。この蒸気は、RPVからタービンに導かれ、タービンを回転させる。タービンから排出された蒸気は、復水器で凝縮され、水になる。この水は、給水として原子炉に供給される。給水は、RPV内での放射性腐食生成物の発生を抑制するため、給水配管に設けられたろ過脱塩装置で主として金属不純物が除去される。炉水とは、RPV内に存在する冷却水をいう。
また、放射性腐食生成物の元となる腐食生成物は、RPV及び再循環系配管等のBWRプラントの構成部材の炉水と接する表面で発生するため、主要な一次系の構成部材には腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などが使用される。また、低合金鋼製のRPVは、内面にステンレス鋼の肉盛りが施され、低合金鋼が、直接炉水と接触することを防いでいる。さらに、原子炉浄化系のろ過脱塩装置は、炉水の一部を浄化し、炉水に僅かに含まれる金属不純物を積極的に除去する。
しかし、上述のような腐食対策を講じても、炉水中における極僅かな金属不純物の存在が避けられないため、一部の金属不純物が、金属酸化物として、燃料集合体に含まれる燃料棒の表面に付着する。燃料棒表面に付着した金属不純物に含まれる金属元素は、燃料棒内の核燃料物質から放出される中性子の照射により原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種になる。これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままであるが、一部の放射性核種は、取り込まれている酸化物の溶解度に応じて炉水中にイオンとして溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出されたりする。炉水中の放射性物質は、原子炉浄化系によって取り除かれる。しかしながら、除去されなかった放射性物質は炉水とともに再循環系などを循環している間に、構成部材の炉水と接触する表面に蓄積される。その結果、構成部材表面から放射線が放射され、定検作業時の従事者の放射線被曝の原因となる。その従業者の被曝線量は、各人毎に規定値を超えないように管理されている。近年この規定値が引き下げられ、各人の被曝線量を経済的に可能な限り低くする必要が生じている。
運転を経験した原子力プラントの構造部材、例えば、配管の表面に形成された、コバルト60及びコバルト58等の放射性核種を含む酸化皮膜を、化学薬品を用いた溶解により除去する化学除染法が行われている。主に化学除染では、還元剤を用いて金属酸化物の被膜を除去する還元除染と酸化剤を用いて金属酸化物中のクロムを6価クロムとし酸化溶解する酸化除染が実施される。
この化学除染法に関する技術として、以下のような特許が開示されている。例えば、特許文献1(特開2000-105295号公報では、カチオン樹脂塔下流にヒドラジンの3倍当量以上の過酸化水素を添加し、ルテニウム担持カーボン粒触媒により還元除染液を分解する方法が記載されている。特許文献1には、還元除染に使用するシュウ酸及びヒドラジンを選択的に分解可能な還元除染液分解装置により、カチオン樹脂塔への負荷となるヒドラジンを選択的に分解でき、シュウ酸単独での除染液よりもpHを高くすることが可能なため、低耐食性の材料を含む場合においても除染することが可能となることが記載されている。
特許文献2(特開2005-134407号公報)では、カチオン樹脂塔前段に触媒塔を設置して還元剤除染時にヒドラジンを分解して、カチオン樹脂負荷を軽減する化学除染方法が記載されている。
特許文献3(特開2000-121791号公報)では、シュウ酸を用いた還元除染時において金属部材表面に形成するシュウ酸鉄を過酸化水素によって除去し、シュウ酸鉄が除去されたクリーンな表面に過酸化水素が接触することにより、高温水中で高耐食性の緻密な酸化被膜が短時間で形成可能と記載している。この高耐食性の緻密な酸化被膜により、プラント運転時の放射性核種の付着を大幅に抑制できる。
特許文献4(特開2009-162687号公報)では、還元除染及び酸化除染終了後の除染対象物表面に過酸化水素とカタラーゼを接触させ、過酸化水素の分解反応で発生する酸素気泡によって残留酸化被膜を除去する方法が記載されている。
特許文献5(特開2018-159647号公報)では、還元除染によって還元除染液に溶解した3価のFeイオンの少なくとも一部を紫外線照射装置を用いて2価のFeイオンに還元し、イオン交換樹脂における除去効率を高める方法が記載している。その結果、後段の触媒塔の触媒へのFe酸化物の付着を大幅に抑制することが可能となる。
特開2000-105295号公報 特開2005-134407号公報 特開2000-121791号公報 特開2009-162687号公報 特開2018-159647号公報
化学除染では、除染液中に過酸化水素が存在する状態でカチオン樹脂に通水するとカチオン樹脂の劣化原因となる。過酸化水素の発生源は2つ考えられる。1つ目は、(1)線量の高い炉内除染で水の放射線分解により発生するものである。2つめは、(2)還元剤の分解を目的としてカチオン樹脂通水後の還元除染液に注入する過酸化水素が、触媒塔の後段にリークしたものである。上述した特許文献1では、カチオン交換樹脂の下流に触媒塔を設置しているため、上記2つの発生源による過酸化水素がカチオン樹脂塔に供給される可能性がある。また、特許文献2では、カチオン樹脂の前に触媒塔を設置しているため、上記(1)の発生源による過酸化水素は分解可能であるが、後者の発生源による過酸化水素がカチオン交換樹脂塔に供給される可能性がある。
カチオン交換樹脂の劣化により、金属イオンを交換するカチオン樹脂の能力が低下する。また、劣化に伴い発生するポリスチレンスルホン酸が、除染液の浄化に用いるアニオン樹脂に吸着することで、除染液を浄化する性能が低下する。結果としてそれぞれの樹脂の使用量の増加を招くこととなり、除染コストの増加につながる。
このように、カチオン交換樹脂の劣化はさまざまな課題を増やすことになるため、カチオン交換樹脂に通水する還元除染液中に含まれる過酸化水素濃度は可能な限り低下させることが望まれている。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、金属イオン交換樹脂の劣化を抑制し、低コストかつ短時間で除染を行うことが可能な化学除染方法および化学除染装置を提供することである。
上記した目的を達成するための本発明の化学除染方法の一態様は、除染対象部に還元除染液を供給し、原子炉を構成する除染対象部を構成する部材の表面を還元除染する還元除染工程と、前記還元除染液中のFe濃度が予め定めた濃度以下となった場合に、還元除染工程後の前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する過酸化水素分解工程と、過酸化水素分解工程後の還元除染液に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去工程と、を有することを特徴とする。
また、上記した目的を達成するための本発明の化学除染装置の一態様は、除染対象部に還元除染液を供給する還元除染液注入装置と、前記除染対象部の後段に設けられ、還元除染工程後の前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する過酸化水素分解装置と、過酸化水素分解装置の後段かつ前記除染対象部の前段に設けられ、過酸化水素分解工程後の還元除染液を金属イオン交換樹脂塔へ供給し、還元除染液中の金属イオンを除去する金属イオン交換樹脂塔と、還元除染液注入装置、過酸化水素分解装置および金属イオン交換樹脂塔を接続する配管と、を備えることを特徴とする。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、金属イオン交換樹脂の劣化を抑制し、低コストかつ短時間で除染を行うことが可能な化学除染方法および化学除染装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例の化学除染方法を示すフローチャート 図1のS5の工程の詳細を示すフロー図 実施例の化学除染装置を備えた沸騰水型原子力発電プラント模式図 図2の化学除染装置の詳細を示す図 化学除染装置の過酸化水素分解効果を示すグラフ 化学除染装置にシュウ酸を通水した際のシュウ酸残存率を示すグラフ 過酸化水素分解効果のFe濃度依存性を示すグラフ
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。上述したように化学除染中の過酸化水素の発生源は2つ考えられる。特許文献1では、カチオン交換樹脂の下流に触媒塔を設置しているため、上記2つの発生源(1)および(2)による過酸化水素がカチオン交換樹脂塔に供給される可能性がある。また、特許文献2では、カチオン交換樹脂の前に触媒塔を設置しているため、上記前者の発生源(1)による過酸化水素は分解可能であるが、後者の発生源(2)による過酸化水素がカチオン交換樹脂塔に供給される可能性がある。このように、従来の装置構成では、過酸化水素がカチオン交換樹脂に通水され、カチオン交換樹脂を劣化させる可能性があった。
そこで、本発明者らは、従来の還元剤を分解するための触媒塔とは別に、炉内からカチオン交換樹脂までの間に過酸化水素を分解可能な触媒に通水することで、カチオン交換樹脂への過酸化水素の流入を抑制可能であることを見出した。本発明は、該知見に基づくものである。
上記知見を見出した実験について、より詳細に説明する。図5は本発明の化学除染装置の過酸化水素分解効果を示すグラフである。グラフ中、「過酸化水素分解装置あり」は、過酸化水素約2000ppmを含む水溶液を、ルテニウムを添着させた活性炭触媒に通水し、通水後の水溶液中の過酸化水素濃度を測定した値である。「過酸化水素分解装置なし」は、活性炭触媒に通水しない場合の水溶液中の過酸化水素濃度の値である。図5に示すように、触媒通水前後で過酸化水素濃度が約1/200となっており、触媒への通水で過酸化水素を大幅に除去できることが分かった。
また、カチオン樹脂への通水は、還元除染工程から還元除染液分解工程で実施するため、過酸化水素がほとんど存在しない還元除染中の還元除染液を触媒に通水した際に還元除染液が分解し、除染効率が低下する可能性がある。そこで、還元除染液を触媒に通水した際の還元除染液の残存率を測定し、除染効率への影響を調べた。
具体的には、還元剤であるシュウ酸約2000ppmを含みヒドラジンでpHを約2.3に調整した水溶液を90℃に加温しながら、触媒に通水し、通水72時間後のシュウ酸濃度を測定することで、シュウ酸の残存率を評価した。図6は化学除染装置にシュウ酸を通水した際のシュウ酸残存率を示すグラフである。
この結果から、触媒への通水後のシュウ酸の残存率は95%以上であり、除染効率への影響はほとんどないことが分かった。また、還元除染中は酸化被膜の溶解によりFeが除染液中に溶出する。Feは、過酸化水素の分解触媒になることから、還元除染中に過酸化水素分解装置への通水が必要か検討した。約10ppmの過酸化水素、Feを含む90℃の試験液を30分間撹拌した。30分後の試験液をサンプリングし、30分後の過酸化水素濃度のFe濃度依存性を調べた。図7は過酸化水素分解効果のFe濃度依存性を示すグラフである。この結果からFe濃度が15ppm以下となった場合は、過酸化水素の分解が進まず、試験液に過酸化水素が残存することが示唆された。よって、還元除染中に酸化被膜の溶解が進み、Fe濃度が下がってきた場合は、過酸化水素分解装置への通水を行うことが、より好ましい。
以上の試験結果より、過酸化水素を分解可能な触媒を炉内からカチオン樹脂塔の間に設置することで、還元除染性能に影響を与えることなく、過酸化水素によるカチオン樹脂の劣化を抑制できることが分かった。さらに、還元除染中であっても鉄濃度が下がってきた場合には、過酸化水素分解装置が有効であることが分かった。
上述した特許文献5等で使用される触媒塔でも過酸化水素の分解は可能であるが、還元除染液を分解することを目的としており、カチオン交換樹脂塔の後段に設置されている。一方、本発明の触媒は、過酸化水素の分解を目的としており、カチオン交換樹脂塔の前段に設置している。つまり、本発明の触媒は、設置目的と設置位置が既出願のものと異なっており、カチオン交換樹脂の劣化を抑制するという異なる効果を得ることができる。
以上の検討結果を反映した、カチオン交換樹脂の劣化を抑制可能な化学除染方法の好ましい実施例を以下に説明する。
[化学除染装置]
まず始めに、本発明の好適な一実施例である化学除染装置を、図1および図2を用いて説明する。本実施例の化学除染方法は、沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)に適用される。
このBWRプラントの概略構成を、図3を用いて説明する。図3は実施例の化学除染装置を備えた沸騰水型原子力発電プラント模式図である。図3に示すように、沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)1は、原子炉2、タービン9、復水器10、再循環系、原子炉浄化系及び給水系等を備えている。原子炉2は、蒸気発生装置であり、炉心4を内蔵する原子炉圧力容器(以下、RPVという)3を有し、RPV3内で炉心4を取り囲む炉心シュラウド(図示せず)の外面とRPV3の内面との間に形成される環状のダウンカマ内に複数のジェットポンプ5を設置している。炉心4には多数の燃料集合体(図示せず)が装荷されている。燃料集合体は、核燃料物質で製造された複数の燃料ペレットが充填された複数の燃料棒を含んでいる。
再循環系は、ステンレス鋼製の再循環系配管6および再循環系配管6に設置された再循環ポンプ7を有する。給水系は、復水器10とRPV3を連絡する給水配管11に、復水ポンプ12、復水浄化装置(例えば、復水脱塩器)13、低圧給水加熱器14、給水ポンプ15および高圧給水加熱器16を、復水器10からRPV3に向って、この順に設置して構成されている。原子炉2は、原子炉建屋(図示せず)内に配置された原子炉格納容器18内に設置される。
RPV3内の冷却水(以下、炉水という)は、再循環ポンプ7で昇圧され、再循環系配管6を通ってジェットポンプ5内に噴射される。ダウンカマ内でジェットポンプ5のノズルの周囲に存在する炉水も、ジェットポンプ5内に吸引され、ジェットポンプ5内に噴射された前述の冷却水と共に炉心4に供給される。炉心4に供給された炉水は、燃料集合体内の燃料棒内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、その一部が蒸気になる。この蒸気は、RPV3から主蒸気配管8を通ってタービン9に導かれ、タービン9を回転させる。タービン9に連結された発電機(図示せず)が回転し、電力が発生する。タービン9から排出された蒸気は、復水器10で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水配管11を通りRPV3内に供給される。給水配管11を流れる給水は、復水ポンプ12で昇圧され、復水浄化装置13で不純物が除去され、給水ポンプ15でさらに昇圧される。この給水は、低圧給水加熱器14及び高圧給水加熱器16で抽気配管17によりタービン9から抽気された抽気蒸気によって加熱されてRPV3内に導かれる。高圧給水加熱器16および低圧給水加熱器14に接続されドレン水回収配管73が、復水器10に接続される。
本実施例の化学除染方法では、図3に示すように、RPV下部と上部に仮設の循環配管19(配管及びホース)を取り付け、化学除染装置20と接続する。RPV下部の接続候補は、具体的にはCRDハウジング78及びICMハウジング79、RPVボトムドレンライン80がある。それぞれ単独で用いても、併用しても良いが、循環流量を多くする観点から併用して使用することがより好ましい。RPV上部の接続候補は、具体的には蒸気出口ノズル81及び給水系ノズル82、炉心スプレイノズル(図示せず)等がある。RPV3を除染液で完全に満たす場合は、RPV上部の滞留部分をより少なくできる蒸気出口ノズル81が好適である。図3では、RPV下部の接続をCRDハウジング78及びICMハウジング79、RPVボトムドレンライン80とし、RPV上部の接続は蒸気出口ノズル81とした。
図4は図2の化学除染装置の詳細を示す図である。化学除染装置20の詳細な構成を、図4を用いて説明する。
化学除染装置20は、循環配管19、過酸化水素分解装置21、循環ポンプ22、冷却器23、混床樹脂塔24、カチオン(金属イオン)交換樹脂塔25、フィルタ26、加熱器27、還元除染液分解装置28、多目的タンク29、過酸化水素注入装置30、酸化剤注入装置31および還元除染液供給装置32を備える。
開閉弁33、弁34、循環ポンプ22、弁37及び40、43、46、加熱器27、弁84、開閉弁55が、上流よりこの順に循環配管19に設けられている。弁34をバイパスする配管65が循環配管19に接続され、弁35及び36、過酸化水素分解装置21が配管65に設置される。過酸化水素分解装置21は、内部に、例えば、ルテニウムを活性炭の表面に添着した活性炭触媒を充填している。
弁37をバイパスして両端が循環配管19に接続される配管66には、冷却器23および弁38、39が設置される。両端が循環配管19に接続されて弁40をバイパスする配管67に、混床樹脂塔24および弁41、42が設置される。両端が循環配管19に接続されて弁43をバイパスする配管68に、カチオン交換樹脂塔25および弁44、45が設置される。カチオン交換樹脂塔25は陽イオン交換樹脂を充填しており、混床樹脂塔24は陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を充填している。弁76をバイパスする配管69が循環配管19に接続され、弁46、フィルタ26が配管69に設置される。循環配管19に加熱器27が接続され、加熱器をバイパスする配管70に弁47が設置される。
弁49よりも下流に位置する還元除染液分解装置28が設置される配管71が、弁48をバイパスして循環配管19に接続される。還元除染液分解装置28は、内部に、例えば、ルテニウムを活性炭の表面に添着した活性炭触媒を充填している。弁84をバイパスするように設置された配管53が多目的タンク29に接続される。加熱器50が多目的タンク29内に配置される。
RPV3の内面の汚染物を還元溶解するために用いるシュウ酸(還元除染液)を多目的タンク29内に供給するためのホッパ(図示せず)に設けられる。多目的タンク29から循環配管19に多目的タンク29内のシュウ酸を注入するための配管54が弁84から弁55までの間の循環配管19に接続される。配管54には、シュウ酸供給ポンプ86及び弁85が設置される。
酸化剤注入装置31は、薬液タンク59、供給ポンプ60および注入配管74を有する。薬液タンク59は、供給ポンプ60および弁61が設けられた注入配管74によって循環配管19に接続される。酸化剤である過マンガン酸の水溶液が、薬液タンク59内に充填される。
還元除染液供給装置32は、薬液タンク62、供給ポンプ63及び注入配管75を有する。薬液タンク62は、供給ポンプ63および弁64が設けられた注入配管75によって循環配管19に接続される。還元剤であるヒドラジンの水溶液が、薬液タンク62内に充填される。注入配管74,75が、弁84から開閉弁55の間で循環配管19に接続される。
過酸化水素注入装置30は、薬液タンク56、供給ポンプ57および供給配管72を有する。薬液タンク56は、供給ポンプ57および弁58が設けられた供給配管72によって配管71に接続される。酸化剤である過酸化水素が薬液タンク56内に充填される。この過酸化水素は、還元除染液分解装置28内における、シュウ酸及び還元剤(例えば、ヒドラジン)の分解時に使用する化学物質として用いられる。
pH計77が弁51と弁52の間で循環配管19に取り付けられる。
[化学除染方法]
図1は実施例の化学除染方法を示すフローチャートであり、図2は図1のS5の工程の詳細を示すフロー図である。本実施例の化学除染方法を、図1および図2に示す手順に基づいて以下に説明する。本実施例では化学除染の例として、特許文献1に記載された化学除染方法を用いている。本実施例の化学除染方法では、化学除染装置20が用いられ、図1に示されるステップS1~S8の各工程が実施される。
まず、除染対象に、化学除染装置20を接続する(ステップS1)。例えば、RPV下部は、CRDハウジング78及びICMハウジング79の下部を切断し、接続治具を取り付け、循環配管19を接続する。RPV上部は、複数ある蒸気出口ノズル81の内、1本を切断し、接続治具を取り付け、循環配管19を接続する。切断した1本以外の蒸気出口ノズルは閉止治具を取り付け、除染液が流れないように閉止する。このとき、除染液がRPV外に流れないように、炉心スプレイノズル(図示せず)等は閉止治具を取り付け、閉止する。循環配管19の両端がRPV3につながる配管に接続され、RPV3を含む閉ループが形成される。
なお、本実施例では、化学除染装置20をCRDハウジング78及びICMハウジング79、蒸気出口ノズル81に接続しているが、上記以外のRPV3に連絡される配管を用いて接続しても良い。また、本実施例では、RPV3を除染対象としているが、残留熱除去系、原子炉隔離時冷却系及び炉心スプレイ系、給水系のいずれかの配管に化学除染装置20を接続し、本実施例の原子力プラントの化学除染方法を適用してもよい。
以下に説明するステップS2~S8の各工程は、化学除染装置20により、RPV3に対して実施される。
化学除染に使用する水を昇温する(ステップS2)。まず、化学除染装置20及びRPV3内の水張りを行う。この水張りは、例えば原子炉補機冷却水系(RCW)を用いて行う。開閉弁33、弁34、37、40、43、76、48、84および開閉弁55をそれぞれ開き、他の弁を閉じた状態で、循環ポンプ22を駆動する。これにより、RPV3及び化学除染装置20内の水が加熱器27により90℃に加熱され、循環配管19及びRPV3によって形成される閉ループ内を循環する。
次にM酸化除染を行う(ステップS3)。上述した水の温度が90℃になったとき、弁61を開く。供給ポンプ60を起動することで注入配管74を通して薬液タンク59内の過マンガン酸水溶液が循環配管19内を流れる水に注入され、循環配管19及びRPV3内で酸化除染液(過マンガン酸水溶液)が生成される。このときの酸化除染液の過マンガン酸濃度は、例えば200ppmである。所定の過マンガン酸濃度に到達後、供給ポンプ60を停止し、過マンガン酸の注入を停止する。注入停止後、弁61を閉じる。前記酸化除染液を循環配管19及びRPV3によって形成される閉ループ内で循環させ、酸化除染を実施する。RPV3の酸化除染時間が所定の時間に達したとき、酸化除染を終了する。
続いて、酸化除染液に含まれる過マンガン酸を分解する(ステップS4)。所定量のシュウ酸が多目的タンク29内に導かれる。このシュウ酸が多目的タンク29内で水に溶解し、シュウ酸水溶液が多目的タンク29内で生成される。このシュウ酸水溶液は、供給ポンプ86の駆動によって多目的タンク29から配管54を通って循環配管19に排出される。所定量のシュウ酸水溶液を酸化除染液に注入後、供給ポンプ86を停止し、シュウ酸水溶液の注入を停止する。シュウ酸水溶液注入停止後、弁85を閉にする。酸化除染液が紫色から無色透明になったことを確認し、酸化剤の分解工程を終了する。
次に、RPV3に還元除染液を供給し、還元除染を行う(ステップS5)。還元除染の準備として、弁44、45を開けて、弁43を閉じることで、分解した酸化除染液をカチオン交換樹脂塔25に通水する。ステップS4と同様に、多目的タンク29内でシュウ酸水溶液(還元除染液)を作製し、供給ポンプ86の駆動によって多目的タンク29から配管54を通って循環配管19に注入する。所定量のシュウ酸水溶液を、循環配管19に流れる水に注入後、供給ポンプ86を停止し、シュウ酸水溶液の注入を停止する。シュウ酸水溶液注入停止後、弁85を閉にする。
pH調整のため、還元除染液供給装置32の薬液タンク62内のヒドラジン水溶液が、弁64を開いて供給ポンプ63を駆動することにより、注入配管75を通して循環配管19内のシュウ酸水溶液に注入される。pH計77で計測されたシュウ酸水溶液のpH値に基づいて供給ポンプ63(または弁64の開度)を制御して循環配管19内へのヒドラジン水溶液の注入量を調節して、シュウ酸水溶液のpHを2.5に調節する。pHが2.5で90℃のシュウ酸水溶液(還元除染液)が循環配管19及びRPV3によって形成される閉ループ内を循環し、還元除染が実施される。その水溶液中のシュウ酸が、RPV3の内側を構成する部材の表面に形成された、放射性核種を含む酸化皮膜を溶解する。
図2に示すように、還元除染、浄化工程S5は、還元除染工程S50、過酸化水素分解工程S51および金属イオン除去工程S52を有する。酸化皮膜の溶解に伴って、シュウ酸水溶液の金属イオン(放射性核種濃度およびFe濃度)が上昇する。このシュウ酸水溶液に含まれる金属イオンは、カチオン交換樹脂塔25内の陽イオン交換樹脂に吸着されて除去される。カチオン交換樹脂塔25から排出されたシュウ酸水溶液は、循環配管19からRPV3に再び供給され、RPV3の還元除染に用いられる。RPV3からカチオン交換樹脂塔25までの還元除染液中のFe濃度が15ppm以下となる場合には、炉内の高線量により水の放射線分解で生成した過酸化水素がFeの触媒作用によって分解されなくなる。よって、Fe濃度が15ppm以下となる場合には、弁35を開け、弁34を閉にすることで、循環配管19を流れる還元除染液、カチオン交換樹脂塔25の上流で過酸化水素分解装置21に通水する。これにより、生成した過酸化水素がカチオン交換樹脂塔25に供給されなくなり、カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。よって、カチオン樹脂が劣化した場合に追加される作業(例えば、酸化剤の注入によるTOC成分の分解等)が不要となる。
RPV3の還元除染箇所の線量率が設定線量率まで低下したとき、または、RPV3の還元除染時間が所定の時間に達したとき、還元除染を終了する。なお、還元除染箇所の線量率が設定線量率まで低下したことは、RPV3の還元除染箇所からの放射線を検出する放射線検出器の出力信号に基づいて求められた線量率により確認することができる。
還元除染液に含まれるシュウ酸及びヒドラジンを分解する(ステップS6)。シュウ酸及びヒドラジンの分解は、以下のようにして行われる。弁49を開いて弁48の開度を一部減少させる。ヒドラジンを含むシュウ酸水溶液は、弁49を通って配管71により還元除染液分解装置28に供給される。このとき、弁58を開いて供給ポンプ57を駆動することにより、薬液タンク56内の過酸化水素が、供給配管72及び配管71を通して還元除染液分解装置28に供給される。シュウ酸水溶液に含まれるシュウ酸及びヒドラジンは、還元除染液分解装置28内で、活性炭触媒及び供給された過酸化水素の作用により分解される。還元除染液分解装置28内でのシュウ酸及びヒドラジンの分解反応は、式(2)及び式(3)で表される。
(COOH)+H→2CO+2HO…式(2)
+2H→N+4HO…式(3)
シュウ酸及びヒドラジンの分解装置28内での分解は、シュウ酸水溶液を循環配管19及びRPVを含む閉ループ内を循環させながら行われる。供給した過酸化水素がシュウ酸及びヒドラジンの分解のために還元除染液分解装置28で完全に消費されて還元除染液分解装置28から流出しないように、薬液タンク56から還元除染液分解装置28への過酸化水素の供給量を、供給ポンプ57の回転速度を制御して調節する。
しかし、分析下限以下の過酸化水素は還元除染液分解装置28から流出する可能性がある。上記のステップS5で、循環配管19を流れる還元除染液を過酸化水素分解装置21に通水しなかった場合は、過酸化水素注入開始前に、弁35を開け、弁34を閉にすることで、循環配管19を流れる還元除染液を過酸化水素分解装置21に通水する。これにより、還元除染液分解装置28から流出した過酸化水素がカチオン交換樹脂塔25に供給されなくなり、カチオン交換樹脂の劣化が抑制される。
シュウ酸濃度が所定値以下になったとき、供給ポンプ57を停止し、弁58を閉にし、過酸化水素の注入を停止する。例えば、シュウ酸水溶液中のシュウ酸濃度が30ppm以下になったときに過酸化水素の注入を停止する。過酸化水素の注入の停止とともに、シュウ酸及びヒドラジンの分解は終了する。
化学除染の終了を判定する(ステップS7)。還元除染の所定時間に達しても、除染箇所の表面線量率が目標値まで低減していなかった場合、ステップS3からステップS6までの工程が繰り返される。例えば、目標値は除染係数(DF)が10となる表面線量率であり、繰り返し回数は、2~3回である。2~3回繰り返し除染を行った結果、除染箇所の表面線量率が設定線量率まで低減していなかった場合でも、表面線量率がバックグラウンドレベルまで低減していれば、次のステップS8に進む。
RPV3及び循環配管19内に残留する水溶液を浄化し、排水する(ステップS8)。弁38、39を開け、弁37を閉じることで、冷却器に循環配管19を流れる水を通水し、循環配管19を流れる水を60℃以下まで冷却する。弁41、42を開け、弁40を閉じることで、循環配管19を流れる60℃以下の水を混床樹脂塔に通水する。循環配管19を流れる水が排水基準を満たし、シュウ酸濃度が所定値以下となったとき、循環配管19を流れる水の浄化を終了する。浄化終了後、循環配管19を流れる水を排水する。
化学除染装置を配管系から除去する(ステップS9)。ステップS1~S8の各工程が実施された後、化学除染装置20をRPV3から取り外す。
以上により、化学除染の各工程が終了する。
以上、説明したように、本発明によれば、カチオン交換樹脂の劣化を抑制し、低コストかつ短時間で除染を行うことが可能な化学除染方法および化学除染装置を提供できることが示された。
具体的には、本実施例によれば、炉内で水の放射線分解で発生した過酸化水素または還元剤分解装置から流出した過酸化水素を含む除染液をカチオン交換樹脂塔に通水する前に、過酸化水素分解装置に通水することで、除染液に含まれる過酸化水素を著しく低減できるため、カチオン交換樹脂の劣化を抑制し、低コストかつ短時間で除染を行うことができる。
上述した構成によれば、還元除染液の通水を止めることなく、還元除染液に含まれる過酸化水素を分解することができる。従来、除染液中の過酸化水素をUV照射によって分解する構成はあったが、この場合、除染液にUVを照射するために、除染液の循環を止める必要があった。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するためにRPVの化学除染を例として説明したものであり、RPV以外の再循環系や炉水浄化系、残留熱除去系等にも適用可能である。
また、本発明は、上述したHOP法、HOP(II)法以外の他の化学除染法でも適用可能である。他の化学除染法として、CORD法(CORD-UV、CORD-D等も含む)が挙げられる。また、T-OZON法も挙げられる。さらに、LOMI法、その上、CITRIX法も挙げられる。
その他、DfD法も挙げられる。CAN-DECON法も挙げられる。CAN-DEREM法も挙げられる。
化学除染法によっては、図1に図示されていない機器を必要とする場合や、図1に図示されている機器の一部を省略できる場合があり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、機器構成の追加、省略、置き換え、変更等を行うことができる。
1…沸騰水型原子力発電プラント、3…原子炉圧力容器、4…炉心、6…再循環系配管、9…タービン、11…給水配管、19…循環配管、20…化学除染装置、21…過酸化水素分解装置、22…循環ポンプ、23…冷却器、24…混床樹脂塔、25…カチオン交換樹脂塔、27…加熱器、28…還元除染液分解装置、29…多目的タンク、30…過酸化水素注入装置、31…酸化剤注入装置、32…還元除染液供給装置。

Claims (15)

  1. 除染対象部に還元除染液を供給し、前記除染対象部を構成する部材の表面を還元除染する還元除染工程と、
    前記還元除染液中のFe濃度が予め定めた濃度以下となった場合に、前記還元除染工程後の前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する過酸化水素分解工程と、
    前記過酸化水素分解工程後の前記還元除染液に含まれる金属イオンを除去する金属イオン除去工程と、を有することを特徴とする化学除染方法。
  2. 前記金属イオン除去工程後の前記還元除染液に過酸化水素を添加し、前記過酸化水素が添加された前記還元除染液を分解する還元除染液分解工程と、
    前記還元除染工程において、前記還元除染液中のFe濃度が予め定めた濃度以下にならず、前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する過酸化水素分解工程を実施しなかった場合、前記還元除染液分解工程後の前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する第二の過酸化水素分解工程を有することを特徴とする請求項1に記載の化学除染方法。
  3. 前記過酸化水素分解工程は、過酸化水素分解触媒として、活性炭と貴金属、二酸化マンガンおよびカタラーゼの内の少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の化学除染方法。
  4. 前記貴金属は、白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウムおよびロジウムの内の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の化学除染方法。
  5. 前記還元除染液を分解する工程において、触媒として、ルテニウムを添着した活性炭を用いることを特徴とする請求項2に記載の化学除染方法。
  6. 前記還元除染液は、シュウ酸、マロン酸、ギ酸およびアスコルビン酸の内の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の化学除染方法。
  7. 前記還元除染液のpH調整として、前記還元除染液にヒドラジンを混合することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の化学除染方法。
  8. 前記還元除染工程前に、前記除染対象部に酸化除染液を供給し、前記除染対象部を構成する部材の表面を酸化除染する酸化除染工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の化学除染方法。
  9. 除染対象部に還元除染液を供給する還元除染液注入装置と、
    前記除染対象部の後段に設けられ、前記還元除染液に含まれる過酸化水素を分解する過酸化水素分解装置と、
    前記過酸化水素分解装置の後段かつ前記除染対象部の前段に設けられ、前記還元除染液に含まれる金属イオンを除去する金属イオン交換樹脂塔と、
    前記還元除染液注入装置、前記過酸化水素分解装置および前記金属イオン交換樹脂塔を接続する配管と、を備えることを特徴とする化学除染装置。
  10. 原子炉の前記除染対象部に接続し、前記還元除染液を前記除染対象部、前記過酸化水素分解装置および前記金属イオン交換樹脂塔を含む閉ループ内で循環させることを特徴とする請求項9に記載の化学除染装置。
  11. 前記過酸化水素分解装置は、過酸化水素分解触媒として、活性炭及び貴金属、二酸化マンガンおよびカタラーゼの内の少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項9または10に記載の化学除染装置。
  12. 前記貴金属は、白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウムおよびロジウムの内の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項11に記載の化学除染装置。
  13. 前記金属イオン交換樹脂塔の後段かつ前記除染対象部の前段に前記還元除染液を分解する還元除染液分解装置を備え、前記還元除染液分解装置は、触媒として、ルテニウムを添着した活性炭を用いることを特徴とする請求項9または10に記載の化学除染装置。
  14. 前記還元除染液は、シュウ酸、マロン酸、ギ酸およびアスコルビン酸の内の少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項9または10に記載の化学除染装置。
  15. 前記還元除染液のpH調整として、前記還元除染液にヒドラジンを混合することを特徴とする請求項9または10に記載の化学除染装置。
JP2020046084A 2020-03-17 2020-03-17 化学除染方法および化学除染装置 Active JP7475171B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020046084A JP7475171B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 化学除染方法および化学除染装置
US17/197,437 US20210296019A1 (en) 2020-03-17 2021-03-10 Chemical Decontamination Method and Chemical Decontamination Apparatus
TW110108494A TWI799809B (zh) 2020-03-17 2021-03-10 化學除汙方法及化學除汙裝置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020046084A JP7475171B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 化学除染方法および化学除染装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021148478A JP2021148478A (ja) 2021-09-27
JP7475171B2 true JP7475171B2 (ja) 2024-04-26

Family

ID=77746801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020046084A Active JP7475171B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 化学除染方法および化学除染装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20210296019A1 (ja)
JP (1) JP7475171B2 (ja)
TW (1) TWI799809B (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004170278A (ja) 2002-11-21 2004-06-17 Toshiba Corp 放射化部品の化学除染方法および装置
JP2006038684A (ja) 2004-07-28 2006-02-09 Hitachi Ltd 原子炉水回収装置
JP2008232773A (ja) 2007-03-20 2008-10-02 Japan Organo Co Ltd 原子力発電所における放射性物質含有水の処理装置
JP2018100836A (ja) 2016-12-19 2018-06-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射性物質付着抑制皮膜の形成方法
JP2018151210A (ja) 2017-03-10 2018-09-27 栗田エンジニアリング株式会社 化学除染方法
JP2019108600A (ja) 2017-12-20 2019-07-04 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 プラントの炭素鋼部材の腐食抑制方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3105384B2 (ja) * 1993-08-26 2000-10-30 荏原工業洗浄株式会社 シュウ酸含有水溶液の処理方法と放射性クラッド除染処理装置及び除染方法
JP4020512B2 (ja) * 1998-09-29 2007-12-12 株式会社日立製作所 化学除染方法及びその装置
US6973154B2 (en) * 1998-09-29 2005-12-06 Hitachi, Ltd. Method of chemical decontamination and system therefor
KR100724710B1 (ko) * 2002-11-21 2007-06-04 가부시끼가이샤 도시바 방사화 부품의 화학적 오염제거 시스템 및 방법
JP4916828B2 (ja) * 2006-09-11 2012-04-18 オルガノ株式会社 放射性物質含有排水の処理方法および装置
DE102009047524A1 (de) * 2009-12-04 2011-06-09 Areva Np Gmbh Verfahren zur Oberflächen-Dekontamination
JP6620081B2 (ja) * 2016-09-20 2019-12-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP6619717B2 (ja) * 2016-09-30 2019-12-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
DE102017115122B4 (de) * 2017-07-06 2019-03-07 Framatome Gmbh Verfahren zum Dekontaminieren einer Metalloberfläche in einem Kernkraftwerk

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004170278A (ja) 2002-11-21 2004-06-17 Toshiba Corp 放射化部品の化学除染方法および装置
JP2006038684A (ja) 2004-07-28 2006-02-09 Hitachi Ltd 原子炉水回収装置
JP2008232773A (ja) 2007-03-20 2008-10-02 Japan Organo Co Ltd 原子力発電所における放射性物質含有水の処理装置
JP2018100836A (ja) 2016-12-19 2018-06-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射性物質付着抑制皮膜の形成方法
JP2018151210A (ja) 2017-03-10 2018-09-27 栗田エンジニアリング株式会社 化学除染方法
US20200013519A1 (en) 2017-03-10 2020-01-09 Kurita Engineering Co., Ltd. Chemical decontamination method
JP2019108600A (ja) 2017-12-20 2019-07-04 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 プラントの炭素鋼部材の腐食抑制方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
出水丈志他,原子力プラントにおけるイオン交換樹脂寿命延長技術,エバラ時報,2019年10月,258

Also Published As

Publication number Publication date
US20210296019A1 (en) 2021-09-23
TW202137241A (zh) 2021-10-01
JP2021148478A (ja) 2021-09-27
TWI799809B (zh) 2023-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090290675A1 (en) Method and apparatus for suppressing corrosion of carbon steel, method for suppressing deposit of radionuclide onto carbon steel members composing a nuclear power plant, and film formation apparatus
JP2016102727A (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種付着抑制方法及び皮膜形成装置
JP2007192672A (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材表面にフェライト皮膜を成膜する方法および装置
JP5500958B2 (ja) 原子力部材へのフェライト皮膜形成方法、応力腐食割れの進展抑制方法及びフェライト成膜装置
JP6931622B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP7475171B2 (ja) 化学除染方法および化学除染装置
JP6751044B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法、及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP7344132B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP2017020786A (ja) 原子力プラントの構造部材への貴金属付着方法
JP6523973B2 (ja) 放射性核種の付着抑制方法、及び炭素鋼配管への皮膜形成装置
JP2009210307A (ja) 原子力プラント構成部材への放射性核種の付着抑制方法及びフェライト皮膜形成装置
JP6059106B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材の化学除染方法
JP6868545B2 (ja) プラントの炭素鋼部材の腐食抑制方法
JP6322493B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種付着抑制方法
JP2017138139A (ja) 化学除染方法並びに化学除染装置及びこれを用いる原子力プラント
JP6751010B2 (ja) 放射性物質付着抑制皮膜の形成方法
JP6088173B2 (ja) 原子力プラントの構成部材への放射性核種付着抑制方法
JP7411502B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材の化学除染方法
JP7446180B2 (ja) 原子力プラントの化学除染方法
JP7142587B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP7495887B2 (ja) 化学除染方法及び化学除染装置
JP7001534B2 (ja) 原子力プラントの構造部材への放射性核種の付着抑制方法
JP2019191075A (ja) 化学除染方法及び化学除染装置
JP2023037387A (ja) 化学除染方法および化学除染装置
JP6894862B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種付着抑制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7475171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150