JP4125953B2 - 原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理剤及び方法並びに化学的研削装置 - Google Patents

原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理剤及び方法並びに化学的研削装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、金属部材表面の処理剤、該処理剤を用いる金属部材表面の処理方法及び装置に関するものである。本発明に係る方法及び装置は、特に、原子力プラント稼動後のプラント配管内に付着している鉄酸化物やニッケル又はクロムの酸化物などのクラッドなどを溶解除去し、更に必要な場合には放射能の完全な除染(除却除染)を行って安全な状態にするデコミッショニングの分野に利用することができる。
背景技術
原子炉冷却水系の配管の金属材料表面には、運転中に鉄酸化物やニッケル又はクロムの酸化物などのクラッドが付着する。これらのクラッド中には、60Co、58Co、54Mnなどの放射性核種が取り込まれて蓄積する。したがって、この放射性クラッドを洗浄除去する所謂除染が必要であり、特に化学除染剤を用いてクラッドを溶解除去する種々の技術が研究開発されている。
原子力プラント配管系の洗浄方法として、シュウ酸を用いて行う洗浄方法が行われている。これによればクラッドを溶解除去すると共に、更に母材の表面を腐食させて化学的に削り取ることで除却除染を行うことが可能である。しかしながら、Fe2+、Ni2+、Cu2+等の2価金属のシュウ酸塩は、水中での溶解度が小さい。このため、これらの2価金属はシュウ酸水溶液中に一旦溶解するが、すぐにシュウ酸塩を形成して結晶となって沈積する。この沈積物が洗浄対象物の表面を覆い、以後の溶解を阻害する。このような問題のために、多量のFe2+などの溶解を伴う洗浄プロセスにおいてはシュウ酸を適用することができなかった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、シュウ酸洗浄液の上記の問題点を解決し、多量のFe2+などの2価金属イオンの溶解を伴う洗浄プロセスにおいても、シュウ酸を有効に用いることができるような手法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、シュウ酸に硫酸のような無機酸を加えることにより、シュウ酸の2価金属塩の水中での溶解度を増加させることができ、これによって酸化鉄クラッドの溶解を可能にし、併せてプラント母材の腐食性の環境を整えて母材表面の化学的研削をも行うことができるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
発明の開示
即ち、本発明の一態様は、シュウ酸と無機酸との混合酸水溶液から構成される原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理剤(以下、「金属部材表面処理剤」と称する)に関する。また、本発明の他の態様は、かかる処理剤によって原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面(以下、「金属部材表面」と称する)を処理することを特徴とする金属部材表面の処理方法に関する。更には、本発明はかかる処理剤を用いて金属部材表面の処理を行うための装置にも関する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳細に説明する。なお、以下においては、便宜上、鉄(II)イオンに関連して説明するが、以下に説明する技術的事項は、鉄(II)以外の2価金属イオン、例えば、Ni2+やCu2+についても同様のことが言える。
シュウ酸は、有機カルボン酸の一種で、カルボキシル基を二つ持つジカルボン酸の中で最も分子量の小さな有機酸である。この酸の特徴は、他のどの有機酸に比べても、金属酸化物、特に鉄酸化物などのクラッドを溶解するのに優れた力を有するという点である。鉄酸化物は、一般に、それを溶解しようとすると、無機酸であっても有機酸であっても還元剤の補助作用が必要で、還元剤を用いなければ殆ど溶解することができない。しかし、シュウ酸は、他の酸とは異なり、還元剤の補助作用を必要とせずに、直接鉄酸化物を溶解することができ、しかも低濃度で有効に鉄酸化物を溶解することができるという点で唯一の酸である。しかしながら、シュウ酸には、次のような問題点がある。特に炭素鋼の表面に形成されるクラッドに含まれる酸化鉄には、ヘマタイトと呼ばれる三二酸化鉄Feと、マグネタイト呼ばれる四三酸化鉄Feの形態がある。シュウ酸水溶液によってマグネタイトと呼ばれる四三酸化鉄(Fe)を溶解すると、この酸化鉄に含まれている2価の鉄イオンFe2+が溶解するが、このFe2+のシュウ酸塩の水中での溶解度、即ちFe2+のシュウ酸水溶液中での溶解度は小さく、例えば60℃においては、Fe2+としてわずか70mg/リットル程度の値である。このように、2価の鉄のシュウ酸塩の水中での溶解度が小さいので、シュウ酸水溶液で酸化鉄を含むクラッドを処理すると、その表面を溶解するが、その場でシュウ酸鉄(II)塩が形成・析出して表面に堆積し、表面を覆ってしまう。その結果、大部分のクラッドが溶解されずに残留することになる。これでは、2価の鉄イオンの溶解を伴う用途においてはシュウ酸を処理剤として用いることができず、シュウ酸の処理剤としての利用が限られてしまう。
一方、三二酸化鉄Fe(ヘマタイト)の形態の酸化鉄は、これを溶解すると3価の鉄イオンFe3+が溶解するが、Fe3+とシュウ酸との塩の水中での溶解度は非常に大きいので、シュウ酸水溶液中によく溶解し、析出・沈積することがない。
以上において、鉄酸化物の代表的な形態について述べたが、殆どのクラッドは、このいずれをも含んでいるので、シュウ酸を処理剤としてクラッド溶解に用いると、Fe2+のシュウ酸塩の析出・沈積が生じることが避けられない。したがって、この現象を防止できれば、従来行うことができないとされてきた、2価の鉄イオンの溶解を伴う対象物の洗浄にシュウ酸を用いることが可能になる。シュウ酸を用いることができれば、上記したように、還元剤の添加が不要となり、溶解能力も高いので使用する酸の量も少なくて済み、コスト面でも有利である。更に、シュウ酸は、使用した後は簡単に水と炭酸ガスに酸化分解させることができ、処理が必要な廃棄物を生成しないという利点もある。
また、原子炉水系などの放射能で汚染された鉄鋼材は、その表面の付着物(クラッド)を溶解すれば汚染が除去(除染)されるが、一般産業廃材として扱える放射能レベルまでにするにはそれだけでは不十分であると言われている。その対策として、母材である鋼材表面を腐食させて化学的に研削することにより、放射能レベルを安全な程度にまで処理することができるとされている。なお、ここでいう「化学的研削」とは鋼材表面を腐食によって化学的に削り取ることを意味する。シュウ酸による化学的研削の場合、鋼材の材質によって処理方法に違いがある。処理対象の鋼材がステンレス鋼の場合、シュウ酸で液側の電位をステンレス鋼の腐食環境電位に構築することによる化学的研削処理で、鋼材表面を削り取って放射性レベルを安全な程度にまで処理することが可能であるとされている。しかしながら、鋼材が炭素鋼の場合、上記したように、腐食反応によって鉄(II)イオンが発生し、この鉄(II)イオンのシュウ酸水溶液中の溶解度が小さいのでシュウ酸鉄(II)塩が形成されるため、シュウ酸単独による処理では、炭素鋼表面にシュウ酸鉄(II)塩の析出・沈着が起こり、クラッドの溶解や母材の腐食が停止して、目的のクラッド溶解及び母材の腐食を起こさせることができなくなるばかりでなく、溶解した放射性クラッドが沈着物の中に取り込まれてしまい、除却除染を遂行することができなくなってしまっていた。また、ステンレス鋼と炭素鋼とが混在する場合には、形成されたシュウ酸鉄(II)塩が炭素鋼及びステンレス鋼の両方の表面に沈着して、除却除染の遂行に支障をきたすようになっていた。これらの問題点はいずれも、シュウ酸鉄(II)塩の水中の溶解度が小さいことに起因するものである。
上記したように、60℃におけるシュウ酸鉄(II)塩の水中での溶解度は、鉄(II)イオン:Fe2+として70mg/リットルである。シュウ酸水溶液中のFe2+の濃度がこの値に到達すると飽和状態になり、これを超える濃度分はシュウ酸鉄(II)塩となり結晶として沈着する。この状態になると、鉄(II)イオンの溶解は停止するので、クラッドの溶解は急速に遅くなり、更にクラッド表面をシュウ酸鉄(II)塩が覆うことによって、クラッドの溶解は完全に停止することになる。
クラッド中の四三酸化鉄の溶解反応及び炭素鋼表面の腐食反応は、次の反応式で示すことができる。
Figure 0004125953
上記の反応によりクラッド表面又は鋼材表面でシュウ酸鉄(II)イオンの沈着が起こるのは、式(1)及び式(2)の反応で溶解した鉄(II)イオンの濃度の一番高い箇所、即ちクラッド又は鋼材の表面部の拡散境膜と言われる僅かな薄い層である。この拡散境膜での鉄(II)イオンの濃度は、すぐに70mg/リットルの飽和値を超えるので、鉄(II)イオンが溶解したその場で直ちにシュウ酸鉄(II)塩が結晶化してクラッド又は母材表面に沈着し、これが保護膜の作用をして、クラッド溶解や腐食の反応を阻害することになる。
このシュウ酸鉄(II)塩の溶解度を大きくすることができれば、上記の現象の発生を防ぐことができることは明らかである。本発明者は、シュウ酸水溶液に硫酸などの無機酸を加えることにより、鉄(II)イオンの溶解度を大幅に向上させることができることを見出した。
硫酸を添加したシュウ酸水溶液でのシュウ酸鉄(II)塩の溶解度を測定した結果を図1に示す。1重量%のシュウ酸水溶液に所定量の硫酸を加えた水溶液について、鉄(II)イオンの溶解度を測定した。図1の横軸は水溶液中の硫酸の濃度(重量%)、縦軸は水溶液中での鉄(II)イオンの溶解度をmg/リットル(ppm)で示す。なお、水溶液の温度は60℃であった。鉄(II)イオンの溶解度は、硫酸濃度が0%のときは70ppmであったが、硫酸濃度を上げていくと、硫酸濃度1%までは急激に増加して約1700ppm(約25倍)となった。更に硫酸濃度を高めると、鉄(II)イオンの溶解度の上昇率は、硫酸濃度1%までと比べると小さいが、少なくとも硫酸濃度5%まではほぼ直線的に増加し、硫酸濃度5%において約3300ppmの鉄(II)イオンの溶解が可能であることが示された。この値は、硫酸濃度0%のときの値の約50倍である。以上の結果から、シュウ酸水溶液に硫酸などの無機酸を加えると、鉄(II)イオンの溶解度が著しく上昇することが分かる。このような現象は、鉄(II)イオンの他に、銅(II)イオンやニッケル(II)イオンなどの2価の金属イオンでも起こる。
以上の説明により、シュウ酸と無機酸との混合酸水溶液を含む本発明に係る金属部材表面処理剤が、クラッドの溶解に極めて有用であることは明らかである。原子力プラントなどで発生するクラッドには、上記に説明した四三酸化鉄、三二酸化鉄の他に、銅やニッケルなどの酸化物も含まれるが、本発明に係る金属表面処理剤は、これらの全てのクラッド金属酸化物に対して優れた溶解性を示す。
本発明に係る金属部材表面処理剤の混合酸水溶液において、シュウ酸の濃度は、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜2重量%、更に好ましくは0.15重量%〜1重量%である。シュウ酸水溶液に加える成分として用いることのできる無機酸としては、硫酸の他に、塩酸などを挙げることができる。混合酸水溶液中の無機酸の濃度は、好ましくは0.1重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%、更に好ましくは0.5重量%〜1重量%である。
本発明に係る金属部材表面処理剤においては、シュウ酸、無機酸に加えて、更にフッ素イオンを混合酸水溶液中に含ませることができる。本発明に係る金属部材表面処理剤にフッ素イオンを含ませることにより、フッ素イオンが金属酸化物の溶解促進剤として働き、各種金属酸化物の溶解性が更に増大する。特に、フッ素イオンを添加することによって、シュウ酸だけでは溶解するのが難しいと言われているニッケルフェライトなどの難溶解性のクラッドもよく溶解することができる。従来法においては、クロムを含むクラッドについては過マンガン酸のような強酸化性剤による酸化処理でクロムを6価のイオンに酸化することで溶解していたが、本発明に係る金属部材表面処理剤においては、フッ素イオンの濃度を増大させることにより、クロムを含むクラッドの溶解にも顕著な効果が示されるようになり、従来法による処理と同等のクラッド溶解能力が得られる。フッ素イオンを添加する場合には、添加する形態としては、フッ酸の形態でも、或いはフッ化ナトリウム又はフッ化アンモニウムなどの塩の形態でもよい。また、フッ素イオンを添加する場合、その濃度は、フッ素イオンの量として、好ましくは0.01重量%〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%、更に好ましくは0.1重量%〜0.3重量%である。
本発明に係る金属部材表面処理剤を用いて、クラッドの溶解、除却除染などの表面処理を行う際の反応温度は、50〜100℃が好ましく、90〜95℃がより好ましい。
上記に説明したように、本発明に係る金属部材表面処理剤は、クラッドの溶解に有用に用いることができるが、更に、放射能汚染材料の除却除染にも有用に用いることができる。
放射能汚染を帯びた原子力プラントの部材は、それ自体が放射化されたもの、即ち中性子線を浴びて放射能を帯びた材料は別にして、放射性物質の付着によって表面汚染された材料については、材料表面に付着した放射性物質を除去することにより、これを一般の産業廃棄物とするための除染(除却除染)を行うことができる。放射性物質に関しては極めて厳しい管理が法的に求められており、原子炉の廃炉などに伴って発生する廃棄物は、可能な限り除却除染することが、処理コスト上極めて重要である。しかしながら、材料表面の単なる洗浄という意味での除染では、放射能を一般廃棄物として認められる安全レベル(クリアランスレベル)に到達させることは難しい。このためには、クラッドを溶解除去するだけでなく、材料の表面部もある程度削り取ることが必要である。この場合、放射性物質を完全に溶解除去することが必要であり、不溶解物(スラッジ)が発生すると、それがどこかの部材の表面に残留してしまう恐れがある。このような除却除染にシュウ酸水溶液を用いることができれば、シュウ酸は酸化鉄の溶解力に優れ、しかもシュウ酸自体の分解処理が簡単で廃棄物発生の源にならないので、極めて有用である。しかしながら、上述したような鉄(II)の溶解度の問題のため、従来、シュウ酸を除却除染に用いることが難しかった。本発明に係る金属部材表面処理剤によれば、シュウ酸水溶液に硫酸などの無機酸を加えることにより、鉄(II)の析出・沈積を防ぐことが可能になったため、これを除却除染に有用に用いることができるようになった。
ところで、配管系などの鋼材のクラッドの溶解除去や更に除却除染を行う場合には、処理液の管理や除染効果の促進、作業環境の安全性などの理由により、通常、処理液(除染液)を循環させて行う。したがって循環されている処理液中に溶解してくる金属イオンを逐次除去してその濃度を低めて、クラッド溶解反応や鋼材の腐食反応を更に促進させると共に、鉄(II)イオンのシュウ酸−無機酸水溶液中の濃度がその飽和濃度に達しないようにしてシュウ酸鉄(II)塩の沈積を防ぐ必要がある。また、クラッドの溶解及び鋼材の腐食により循環液中に溶解する鉄イオンは、鉄(II)と鉄(III)とがあるが、鉄(III)はシュウ酸鉄(III)の安定な錯体の形態で水溶液中に存在するため陽イオン交換器では殆ど捕獲・除去することができない。そこで、循環液中のシュウ酸鉄(III)錯イオンを鉄(II)に還元する必要がある。後述するように、処理対象の鋼材が炭素鋼の場合には、処理液中のシュウ酸鉄(III)錯イオンは、炭素鋼の表面に接触することによって還元されてシュウ酸鉄(II)錯イオンとなり、この鉄(II)錯イオンからは速やかに鉄(II)イオンが陽イオン交換器で吸着されるために、特別の処理を行う必要は必ずしもないが、処理対象の鋼材がステンレス鋼を含む場合には、シュウ酸鉄(III)錯イオンを鉄(II)に還元する処理を行う必要がある。
従来技術においてシュウ酸鉄(III)錯イオンを鉄(II)に還元する方法としては、例えばUV(紫外線)を用いる方法がある。この方法は、シュウ酸の分解にも有効であるので、鉄(III)の還元と、除染処理終了後のシュウ酸の分解に用いることができる。しかしながら、UVを用いたシュウ酸鉄(III)錯イオンの鉄(II)への還元反応及びシュウ酸の分解反応は、触媒として鉄イオンの存在下で進行するため、シュウ酸の分解終了時において、触媒として必要であった鉄が水酸化鉄として系内に残留するおそれがある。したがって、シュウ酸除染の廃棄物処理において、シュウ酸の分解除去はもとより、鉄の沈殿物の発生も起こさない処理法が求められていた。
また、UV装置は、高価なUVランプと数十kWの電力(エネルギー)を必要とし、電気器具のためにランプの破損や故障による運転停止が避けられず、その対策として更に装置のバイパス等を設置することが必要であり、装置がコスト高になるという問題がある。
本発明者らは、シュウ酸鉄(III)錯イオンが、シュウ酸又はヒドラジンの存在下で活性炭等の触媒と接触させることによって、シュウ酸鉄(II)錯イオンに還元されることを見出し、上記問題に対する解決手段を見出した。以下に詳細に説明する。
上記に示したように、本発明に係る金属部材表面処理剤を用いて配管系などの鋼材のクラッドの溶解除去や、更に鋼材の腐食をも含めた除却除染を行うプロセスの概要は、鋼材が炭素鋼から構成されている場合とステンレス鋼から構成されている場合とで多少異なる。
処理対象の鋼材が炭素鋼のみから構成されている場合には、従来技術ではシュウ酸水溶液中の鉄(II)などの2価金属イオンの溶解度に起因する問題点があったが、これは、上記に説明したように本発明においては金属部材表面処理剤中に硫酸等の無機酸を加えて、シュウ酸鉄(II)塩の溶解度を上昇させることにより解決されている。また、処理対象の鋼材が炭素鋼から構成される場合には、循環液中のシュウ酸鉄(III)錯イオンは、炭素鋼の表面に接触することによって還元されて鉄(II)錯イオンになる。この鉄(II)錯イオンから速やかに鉄(II)イオン陽イオン交換器によって吸着除去することが可能である。したがって、陽イオン交換器によって液中の鉄イオンを十分に除去し、更にシュウ酸を再生することが可能である。この炭素鋼表面での鉄(II)錯イオンの鉄(II)錯イオンへの還元反応は下記反応式によって示すことができる。
Figure 0004125953
即ち、本発明の他の態様は、金属部材の処理対象物の表面処理を行う方法であって、前記処理対象物に、上記に示した本発明に係る金属部材表面処理剤を含む処理液を循環して接触させると共に、循環液を陽イオン交換器に通して循環液中に溶解している鉄イオンを吸着除去することを特徴とする方法に関する。 なお、この場合であっても、必要に応じて循環液中に還元剤を加えて、鉄(III)イオンの還元を更に促進させることができる。即ち、本発明の更に他の態様は、上記に記載の方法であって、循環液中に還元剤を加えることにより、循環液中に溶解している鉄(III)を鉄(II)に還元し、鉄(II)イオンを陽イオン交換器により吸着除去する方法に関する。この目的で用いることのできる還元剤としては、ヒドラジン又はその塩類、硫酸ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミンなどが挙げられる。
処理対象の鋼材がステンレス鋼から構成されている場合には、鉄(III)イオンが陽イオン交換器で除去できないという問題に加えて、更にその存在自体が腐食反応を進行させる上で問題となる。シュウ酸系の処理剤でステンレス鋼を腐食させる場合、系中に鉄(III)イオンが存在すると、これが腐食抑制効果を呈して鋼材表面が不動態域に置かれる。したがって、循環液中の鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元して、これを陽イオン交換器で除去することが好ましい。液中の鉄(III)イオンをこのようにして駆逐することにより、液の電位を制御して、ステンレス鋼材の腐食環境に液を保持することができ、鋼材の化学的研削を効率的に行うことができる。ステンレス鋼の場合には、炭素鋼のように、鋼材表面での還元が起こらないので、適当な手段を行って鉄(III)の鉄(II)への還元を進行させる必要がある。
本発明者らは、シュウ酸溶液中の鉄(III)が、活性炭等の触媒の存在下で、シュウ酸と反応して鉄(II)に還元されることを見出した。この反応は次式で示すことができる。なお、以下においては、鉄(II)錯体、鉄(III)錯体の反応に関して、単に、鉄(II)、鉄(III)の反応として簡略化して示した。
Figure 0004125953
また、本発明者らは更に、鉄(III)は、酸性下、活性炭の存在下で、ヒドラジンなどの還元剤により鉄(II)に還元されることも見出した。還元剤としてヒドラジンを用いた場合の鉄(III)の還元反応は次式で示すことができる。
Figure 0004125953
上記の反応によれば、鉄(II)のほかに発生する物質は水素イオンと炭酸ガス(上式(5)の反応)或いは窒素ガスと水(上式(6)の反応)であり、いずれも廃棄物には該当しない物質である。したがって、これらの方法によれば、二次廃棄物の発生を起こすことなく、鉄(III)から鉄(II)への還元を行うことができる。また、シュウ酸とヒドラジンとが系中に共存する場合には、後述の実施例で示すように、上式(6)の反応が優先的に起こり、鉄(III)の還元によるシュウ酸の消耗を防ぐことが可能になる。
上記に示した鉄(III)から鉄(II)への還元反応のために用いることのできる触媒としては、活性炭、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも1種を挙げることができる。また、鉄(III)還元用の還元剤としては、ヒドラジンのほかに、ヒドラジン塩、硫酸ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミンなどを挙げることができる。
また、洗浄対象の鋼材がステンレス鋼と炭素鋼の混合である場合、従来の方法では炭素鋼表面で発生するシュウ酸鉄(II)塩が炭素鋼及びステンレス鋼の両方の表面に沈積してクラッドの溶解及び鋼材の腐食を阻害するという問題があったが、本発明に係る金属部材表面処理剤を用いれば、シュウ酸鉄(II)塩の沈積の問題がないので、ステンレス鋼と炭素鋼との混合部材による配管系などのクラッド除去及び除却除染を効率的に行うことができる。更に、イオン交換器の操作によって、液中に溶解してくる鉄(II)イオンの濃度を調整して、鉄(II)イオン濃度を飽和値近傍に制御することによって、炭素鋼の腐食を抑えて、ステンレス鋼の腐食を選択的に進行させることも可能である。
即ち、本発明の他の態様は、更に、ステンレス鋼材を含む金属部材の処理対象物の表面処理を行う方法であって、前記処理対象物に、上記記載の本発明に係る金属部材表面処理剤を含む処理液を循環して接触させると共に、循環液を鉄(III)還元用触媒に接触させて循環液中に溶解している鉄(III)を鉄(II)に還元すると共に、循環液を陽イオン交換器に通して循環液中に溶解している鉄(II)イオンを吸着除去することを特徴とする方法;前記記載の方法であって、鉄(III)還元用触媒が、活性炭、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも1種である方法;並びに、前記記載の方法であって、循環液中に更にヒドラジンを加えることを特徴とする方法;をも包含する。
所望のクラッド除去及び鋼材表面の腐食による化学的研削が完了したら、例えば、シュウ酸酸化分解触媒として活性炭の存在下で、循環液中に酸化剤を投入することによって、シュウ酸を分解することができる。シュウ酸酸化分解触媒としては、鉄(III)還元触媒として用いられる活性炭、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも1種を挙げることができる。また、シュウ酸酸化分解の目的で用いられる酸化剤としては、過酸化水素、酸素、空気などを用いることができる。この工程により、シュウ酸は容易に二酸化炭素と水に分解され、循環液中には硫酸のみが残留することになる。残留した硫酸は、中和処理で除去することもできるし、或いはイオン交換装置によって処理することもできる。したがって、本発明に係る金属部材表面処理剤は、その構成成分を全て安全な形に分解することが可能で、薬剤に起因する有機物やキレート化合物などが発生することはない。
本発明方法においては、鋼材の十分な腐食を進行させた後に、仮に結果としてシュウ酸鉄(II)塩の沈着が起こった場合であっても、イオン交換処理により循環液から鉄(II)イオンを除去してその濃度を低めることにより、形成されたシュウ酸鉄(II)塩沈着物の溶解を促すことができる。この場合、循環液中に硫酸等の無機酸が添加されているので、鉄(II)塩の溶解度が大きくなっており、容易に溶解除去することができる。また、上記のシュウ酸の分解工程の過程で、循環液中のシュウ酸濃度が低下するに伴って、シュウ酸鉄(II)塩の溶解を素早く進行させることができる。これは、シュウ酸鉄(II)塩の溶解度が無機酸の添加によって飛躍的に大きくなっているので、シュウ酸の分解によってシュウ酸鉄(II)塩の構成員の一方の濃度が小さくなることにより、シュウ酸鉄(II)塩の溶解が促進されるためである。即ち、イオン交換器による鉄(II)イオンの除去と、シュウ酸の分解に、よるシュウ酸濃度の低下により、形成されたシュウ酸鉄(II)塩が鋼材表面部から速やかに除去される。この場合、シュウ酸が完全に分解した後も、液中に溶解している鉄イオンなどの解離は、無機酸の存在によって防止されるので、表面処理後の鋼材表面を清浄な状態に仕上げることが可能となる。更に、ステンレス鋼材を含む金属部材の表面処理においては、従来、循環液中の鉄(III)を陽イオン交換樹脂で除去し易い鉄(II)に還元するためにUV装置等を用いていたが、本発明方法によれば、活性炭等の鉄(III)還元用触媒を配置することによって循環液中の鉄(III)を容易に鉄(II)に還元することができる。更に、本発明の好ましい態様においては、系中にヒドラジン等の還元剤を加えることにより、鉄(III)の還元反応によるシュウ酸の消費を防ぐことができる。 以上の説明から明らかなように、本発明にかかる金属部材表面処理剤は、例えば原子炉配管系などのクラッド溶解や鋼材の腐食を含めた除却除染に有用に用いることができる。更に、本発明にかかる金属部材表面処理剤は、従来シュウ酸を用いることができないとされていた鉄(II)の溶解を伴う任意の金属部材の表面処理に用いることができる。
次に、図9を参照して、本発明に係る金属部材表面処理剤を用いて金属部材の表面処理を行うための装置について説明する。以下の説明は、本発明に係る装置の一具体例を説明するもので、本発明はこれに限定されるものではない。図9は、本発明に係る金属部材表面処理装置の一具体例のフロー図である。図9中、1は被処理対象物、例えば除却除染の対象である原子炉の配管系;2はヒーター;3はポンプ;4は循環を維持するため、及び循環液中のガスを捕捉するためのタンク;5は排ガス処理装置;6は薬剤注入装置;7は鉄(III)還元及び/又はシュウ酸酸化分解用の触媒であり、以下の説明では活性炭を代表例として例示し;8は陽イオン交換器である。なお、薬剤注入装置6は、本発明に係る金属部材表面処理剤、鉄(III)を鉄(II)に還元するための還元剤、処理終了後にシュウ酸を分解するための酸化剤、硫酸を中和するための中和剤などをそれぞれ必要に応じて、別々に投入することができるようにされる。したがって、薬剤注入装置6の形態としては、循環ライン21に接続された一つの導入配管に複数の薬剤タンクを並列に接続した態様や、あるいは複数の薬剤タンクをそれぞれ別々に循環ライン21に接続した態様などを採用することができる。
以下の説明においては、被処理対象物1が原子炉配管系であって、本発明によりクラッド溶解及び鋼材の腐食処理による除却除染を行う態様を例にとって説明する。まず、装置の運転の開始にあたっては、切替弁41、42、44、45、46を操作することによって、被処理物1から出て、ライン21、ライン22、ライン23、ライン27、タンク4、ヒーター2を通って被処理対象物1に戻る循環経路を形成し、ポンプ3によってこの循環経路に水を循環させながら、ヒーター2によって循環水の温度を上昇させる。循環水の温度が所定の温度(例えば80℃)に上昇したら、薬剤注入装置6から、本発明に係る金属部材表面処理剤を投入し、温度を上昇させながら循環液を循環させる。循環液の温度が、本発明に係る金属部材表面処理剤によるクラッド溶解反応温度(例えば90〜95℃)に達して、金属の溶解が始まったら、切替弁42、43、44を操作して、循環水が、ライン21からライン22、ライン24を通って陽イオン交換器8を通過するようにする。これにより、被処理物1のクラッド溶解が進行して鉄などのクラッド構成金属やクラッド中に蓄積していた60Co、58Co、54Mnなどの放射性核種が循環液中に溶解すると共に、これらの溶解金属が陽イオン交換器8によって吸着除去される。被処理物が炭素鋼単独或いは炭素鋼とステンレス鋼との混合である場合には、循環液中に溶解した鉄(III)は炭素鋼表面で還元されて鉄(II)イオンとなるので、これを陽イオン交換器で吸着除去することができる。
一方、被処理物がステンレス鋼単独の場合には、切替弁41、43を操作することにより、循環液が、ライン21から、ライン25を通って活性炭触媒床7を通過するようにし、これにより、循環液中の鉄(III)を鉄(II)に還元する。また、その際、薬剤注入装置6から、ヒドラジンなどの鉄(III)還元用還元剤を投入することによって、鉄(III)の還元を促進させると共にシュウ酸の消費を抑制することができる。この場合、活性炭触媒床7への循環液の供給時期及び還元剤の投入時期は、クラッドの溶解が完了して鋼材の腐食段階に移行する時点が好ましい。この時点は、例えば陽イオン交換器8の前後に放射線測定器10を配置して循環液中の放射能レベルを測定することによって決定することができる。即ち、クラッドの溶解が完了すると放射性核種の溶解がなくなるので、放射線測定器10により循環液中の放射線量をモニターして、放射線量が急激に低下したら、クラッド溶解が完了したと認められ、この時点で活性炭触媒床への循環液の供給及び還元剤の投入を開始する。
なお、還元剤を循環液中に投入する際は、切替弁45、46を操作して、循環液がヒーター2を通過せずにヒーターバイパスライン28を通るようにすることが好ましい。ヒーターは、一般に熱効率を上げるためにその被覆管はかなり薄い材料で構成されており、しかも構造上溶接箇所も多くなるので、薬液による腐食事故が最も生じやすい箇所である。したがって、循環液が還元工程に入って、金属部材の腐食環境が構築される場合には、循環液を、ヒーターを通さずにバイパスさせることにより、ヒーターの腐食を防止することが好ましい。
なお、鋼材の腐食により、水素が発生するが、これは、タンク4で循環液中のガスを取り出し、タンクに接続された排ガス処理装置5によって処理することができる。
腐食による鋼材の化学的研削の程度は、例えば、イオン交換器8の前後にサンプリングライン11を設けて循環液をサンプリングし、その中の鉄イオンの量を例えば原子吸光法などによって定量することにより監視することができる。
所望量の鋼材の化学的研削に見合う量の鉄イオンの溶解が測定されたら、次に、循環液中のシュウ酸の分解を行う。シュウ酸の分解は、例えば、切替弁41、42、43、44を操作して、循環液を、ライン21からライン25を通して活性炭触媒床7を通過させ、更にライン24、ライン23、ライン27を通して循環させると共に、循環液にシュウ酸酸化分解用の酸化剤を投入することによって、行うことができる。シュウ酸の酸化分解は、例えば、シュウ酸酸化分解触媒床7の前後に導電度計9を配置して循環液の導電度を測定することによってモニターすることができる。シュウ酸の酸化分解の際に発生する二酸化炭素は、タンク4で循環液中のガスを取り出し、更にタンクに接続された排ガス処理装置5によって処理することができる。
シュウ酸の酸化分解が完了したら、循環液中には硫酸などの無機酸のみが残留することになる。これは、例えば薬液注入装置6から中和剤を投入したり、或いは循環液を別のイオン交換器(図示せず)を通過させることによって処理することができる。
以下の実施例により、本発明を更に詳細且つ具体的に説明する。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を例示するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。以下においてパーセントは他に示さない限り、全て重量%である。
実施例1:シュウ酸−硫酸混合水溶液による四三酸化鉄の溶解
シュウ酸−硫酸混合水溶液による四三酸化鉄(Fe)の溶解実験を行った。サンプルの酸化鉄は、厚さ1mmのフレーク状のもので、この酸化鉄試料10gをガラス製の密閉容器の内壁上に容器外側からマグネットで固定することによって保持した。シュウ酸1%、硫酸1%の水溶液500mlを容器内に入れて、窒素ガス雰囲気下で、水溶液を温度60℃に保持しながら撹拌して酸化鉄試料の溶解を行った。定時的に水溶液中に溶解している鉄(II)イオンと鉄(III)イオンの濃度を測定した。容器内を窒素ガス雰囲気としたのは、溶解した鉄(II)が酸化するのを防止するためである。酸化鉄10gには鉄元素が7.24g含まれており、その内訳は鉄(II):鉄(III)=1:2である。したがって、酸化鉄10g中の鉄(II)の全量は2.4gとなる。これが水溶液500mlに全量溶解した場合の濃度は4800ppmとなる。溶解実験の結果を表1及び図2に示す。
Figure 0004125953
表1及び図2に示されるように、7時間経過後において、鉄(II)イオンは1450ppmの濃度に溶解し、全溶解鉄イオン(鉄(II)+鉄(III))の濃度は3550ppmであった。図1のデータから、シュウ酸濃度1%、硫酸濃度1%、温度60℃の水溶液の鉄(II)の溶解度(飽和値)は1700ppmであるので、この系では、酸化鉄は鉄(II)の飽和値近くまで溶解することができることが分かった。
比較例1
実施例1と同じ反応装置、反応条件で、硫酸を加えずに、1%シュウ酸水溶液による酸化鉄の溶解実験を行った。結果を表2及び図3に示す。
Figure 0004125953
表2及び図3に示されるように、1時間経過までは鉄(II)は、濃度100ppmまですぐに溶解して過飽和状態になるが、その後、飽和値である70ppmまで低下した。四三酸化鉄中の鉄(II)と鉄(III)との比は1:2であるので、全鉄と鉄(II)との比は3:1となる。しかしながら、6時間経過後の全溶解鉄濃度と溶解鉄(II)濃度との比は約5:1となっている。これは、一部のシュウ酸鉄(II)塩が溶液から分離して結晶となり沈着したためである。
比較例2
比較例1と同様の条件で、水中に硫酸のみを溶解した1%硫酸水溶液で酸化鉄の溶解実験を行った。結果を表3及び図4に示す。
Figure 0004125953
表3及び図4に示されるように、1%硫酸水溶液においては、溶解鉄濃度は、1時間経過後で僅か10ppmで、6時間経過後においても14ppmにしか過ぎなかった。この結果から、硫酸だけでは酸化鉄は殆ど溶解することができないことが分かった。
上記実施例1及び比較例1〜2の結果から、シュウ酸は、酸化鉄を溶解する能力自体は高いが、その鉄(II)塩の溶解度が小さいために、それが障害となって実質的に酸化鉄を十分に溶解することができないが、シュウ酸に硫酸を加えることにより、鉄(II)塩の溶解を大きく促進させて、全酸化鉄の溶解を向上させることができることが分かった。
実施例2
次に、原子力プラントで発生するクラッドの中でも特に難溶解性であると言われているニッケルやクロムを含むスピネル型結晶構造の複合酸化物の溶解実験を行った。硝酸第2鉄、硝酸ニッケル、硝酸クロムを溶解混合し、アンモニアで中和した後、水洗を繰り返して塩分を取り除いた混合物を、300℃で500時間、水熱合成反応にかけることによって、酸化鉄:酸化ニッケル:酸化クロムの重量比=75:15:10のクラッドを人工的に合成した。シュウ酸0.2%、硫酸1%の水溶液1リットル(溶液B)と、それに更に酸性フッ化アンモニウム0.1%(フッ素イオンとして0.07%)を加えた水溶液1リットル(溶液A)とを用意した。それぞれの水溶液に合成クラッド1gを入れ、90℃に保温しながら撹拌してクラッドを溶解させた。溶液中に溶解した金属イオン濃度を定時的に測定した。結果を表4及び図5に示す。
Figure 0004125953
なお、図5においてA−Fe,A−Cr,A−Niはそれぞれフッ素イオンを含む処理剤での鉄、クロム及びニッケルの溶解実験結果、Fe,Cr,Niはそれぞれフッ素イオンを含まない処理剤での鉄、クロム及びニッケルの溶解実験結果を示す。表4及び図5から、シュウ酸−硫酸水溶液にフッ素イオンを添加すると、鉄/ニッケル/クロム複合酸化物の溶解性が約2倍に増大することが示された。
実施例3
次に、鋼材の腐食の実施例について説明する。本発明に係る金属部材表面処理剤として、シュウ酸0.2重量%、硫酸1重量%の混合酸水溶液を用いた。サンプルの腐食測定試験片としては、JIS SS401(炭素鋼)とSUS304(ステンレス鋼)の、表面積24cmの試験片をそれぞれ2枚用いた。容器中に上記混合酸水溶液1リットルを入れ、試験片を同じ容器に浸漬して、60℃で6時間保持した。保持の間、容器内の液をカチオン交換樹脂に通すことにより、溶解鉄(II)を50ml/分の速度で吸着浄化処理した。処理前後の重量差により、研削減量を求め、表面積と処理時間で除して、研削率(mg/cm/h)として算出した。いずれの試験片にも、処理後にシュウ酸鉄塩の沈着は観察されず、表面は平滑であった。結果を下表に示す。
Figure 0004125953
ステンレス鋼の腐食は炭素鋼の約10分の1であった。鉄鋼の比重が7.8としてこれを厚みに換算すると、炭素鋼の減肉は1時間当たり12〜14μmで、ステンレス鋼はその10分の1の約1.4μmであった。これは、当該技術において十分な研削率である。この結果から、必要な研削量を処理時間内でほぼコントロールできることが分かった。
実施例4
実施例3で用いた混合酸水溶液に、フッ素イオンを0.07重量%(酸性フッ化アンモニウムとして0.1重量%)添加して、JIS SS401(炭素鋼)とSUS304(ステンレス鋼)の表面積24cmの試験片をそれぞれ2枚用いて、同様の実験を行った。いずれの試験片にも、処理後にシュウ酸鉄塩の沈着は観察されず、表面は平滑であった。結果を下表に示す。
Figure 0004125953
上記の結果から、フッ素イオンを混合酸水溶液に加えることにより、鋼材の研削率が更に増大したことが示された。これは、研削時間の短縮にもつながることは明白である。
実施例5、6:活性炭触媒による鉄(III)の鉄(II)への還元
シュウ酸鉄(III)錯イオン200ppmを含む、シュウ酸濃度2000ppmのシュウ酸水溶液3.5リットルを、約90℃に保持しながら、活性炭(石炭系)100mlを詰めたカラムにポンプで循環させた。循環流量はS/V=120/h(200ml/min)であった。溶液中の鉄(II)イオンと鉄(III)イオンの濃度を定時的に測定して、その変化から鉄(III)イオンが還元されていく過程を観察した。また、同じシュウ酸水溶液に硫酸0.5%を添加した系において同様の実験を行った(実施例6)。結果を表7、8及び図6に示す。
Figure 0004125953
Figure 0004125953
上記の結果から、活性炭触媒の存在下で、鉄(III)イオンの鉄(II)イオンへの還元が確実に進行していることが分かる。実施例5においては、鉄(II)イオンは60ppm付近で飽和し、その後の鉄イオンの合計濃度は200ppmと成らないが、これは、生成した鉄(II)イオンがシュウ酸塩として活性炭触媒中に沈着し、これによって触媒表面が被覆されて反応の進行が遅延したためであると考えられる。一方、実施例6においては、シュウ酸に硫酸を加えているので、鉄(II)イオンの上昇が継続し、鉄(III)イオンの減少度合もより大きかった。実験結果から、生成した鉄(II)イオンは全量が水溶液中に溶解していると考えられる。
実施例7:金属パラジウム触媒による鉄(III)の鉄(II)への還元
実施例6と同様の条件で、触媒として活性炭に代えて金属パラジウム(直径3mmの球体の活性アルミナを担体として表面濃度2%に担持したもの)100mlを用いて同様の実験を行った。結果を表9及び図7に示す。実施例6とほぼ同様の結果が得られた。
Figure 0004125953
実施例5〜7の結果から、活性炭及び金属パラジウムは、シュウ酸水溶液中で鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元する触媒として有効であることが確認された。また、生成した鉄(II)イオンは全量が水溶液中に溶解していた。
実施例8/比較例3:ヒドラジンを用いたシュウ酸鉄(III)のシュウ酸鉄(II)への還元
シュウ酸鉄(III)錯イオン200ppmを含む、シュウ酸濃度2000ppmのシュウ酸水溶液に、更にヒドラジン30ppmと硫酸0.5%を加えた。この水溶液3.5リットルを、約90℃に保持しながら、活性炭(石炭系)100mlを詰めたカラムにポンプで循環させた。循環流量はS/V=120/h(200ml/min)であった。溶液中の鉄(II)イオンと鉄(III)イオンの濃度を定時的に測定して、その変化から鉄(III)イオンが還元されていく過程を観察した。結果を表10及び図8に示す。なお、図6においては、鉄(III)イオンの濃度変化のみを示す。また、ヒドラジンを加えないで同様の実験を行った(比較例3)。その結果を表11及び図8に示す。更に、75分経過後(比較例3のみ)及び処理終了後(120分経過後)の水溶液中のシュウ酸濃度を測定し、その結果を表10及び11に示した。
Figure 0004125953
Figure 0004125953
上記の表及び図8から、実施例8、比較例3のいずれにおいても、鉄(III)が鉄(II)に還元され、生成した鉄(II)イオンは全て水溶液中に溶解していたことが分かる。また、ヒドラジンを加えた実施例8においては、水溶液中のシュウ酸濃度は、処理終了後においても1980ppmと、元々の2000ppmの測定誤差範囲内であり、鉄(III)の還元にヒドラジンが選択的に消費され、シュウ酸は消費されなかったことが分かる。これに対して、ヒドラジンを加えない比較例3においては、水溶液中のシュウ酸が2000ppmから処理後は1850ppmに減少した。上述の式(5)によれば、シュウ酸による鉄(III)の還元反応では、鉄(III)2モルに対してシュウ酸1モルが消費され、これを重量に換算すると鉄(III)200ppmに対してシュウ酸160ppmが消費されることになる。したがって、比較例3においては、シュウ酸が鉄(III)の還元に消費された結果、その残量は、理論的には1840ppmとなる。したがって、比較例3の実験結果は、反応当量にほぼ等しい量のシュウ酸が減少したことを示している。また、図8において、ヒドラジンを加えた実施例8のプロット(図中において「N2H4添加」と表示)と、ヒドラジンを加えない比較例3のプロット(図中、「NON」と表示)とを比較すると、前者の方が鉄(III)イオンの減少の程度が大きく(直線の勾配が大きい)、ヒドラジンによる鉄(III)イオンの還元反応は、シュウ酸による鉄(III)イオンの還元反応よりも反応速度が速いことが分かる。これらの結果から、ヒドラジンが、本発明に係るシュウ酸洗浄液中の鉄(III)イオンの還元剤として極めて有効であることが示される。
産業上の利用の可能性
本発明に係る金属部材表面処理剤は、シュウ酸水溶液に硫酸等の無機酸を加えたことを特徴とするもので、これにより鉄(II)の溶解度を飛躍的に増大させて、鉄(II)の溶解を伴う処理プロセスにシュウ酸を有利に用いることを可能にする。また、本発明に係る金属部材表面処理剤を用いれば、シュウ酸ベースの薬剤によって原子炉配管系などのクラッド洗浄及び除却除染を有効に行うことができ、薬剤による二次的廃棄物の発生もない。
【図面の簡単な説明】
図1は、1%シュウ酸水溶液に各種濃度で硫酸を加えた系の鉄(II)の溶解度を示すグラフである。
図2は、シュウ酸1%、硫酸1%の本発明に係る金属部材表面処理剤を用いた酸化鉄の溶解実験結果を示すグラフである。
図3は、1%シュウ酸水溶液を用いた酸化鉄の溶解実験結果を示すグラフである。
図4は、1%硫酸水溶液を用いた酸化鉄の溶解実験結果を示すグラフである。
図5は、本発明に係る金属部材表面処理剤を用いた鋼材腐食試験結果を示すグラフである。
図6は、活性炭を鉄(III)の還元触媒として用いた実施例5及び6の実験結果を示すグラフである。
図7は、金属パラジウムを鉄(III)の還元触媒として用いた実施例7の実験結果を示すグラフである。
図8は、ヒドラジンを鉄(III)の還元剤として用いた実施例8の実験結果を示すグラフである。
図9は、本発明に係る金属部材表面処理装置の一例を示す概略図である。

Claims (20)

  1. シュウ酸0.01〜2重量%と硫酸0.1〜5重量%との混合酸水溶液を含むことを特徴とする原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理剤。
  2. 更にフッ素イオンを含む請求項1に記載の金属廃棄物の表面処理剤。
  3. 水溶液のフッ素イオン濃度が0.01〜1重量%である請求項に記載の金属廃棄物の表面処理剤。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の金属廃棄物の表面処理剤を用いて原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面に付着しているクラッドを溶解除去すると共に、前記金属廃棄物の表面を腐食させて化学的研削を行うことを特徴とする原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理方法。
  5. 原子力プラント内で発生する金属廃棄物に、請求項1〜のいずれかに記載の金属廃棄物の表面処理剤を含む処理液を接触させると共に、循環液を陽イオン交換器に通して循環液中に溶解している鉄イオンを吸着除去することを特徴とする原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理方法。
  6. 前記循環液に還元剤を加えることにより、溶解している鉄(III)を鉄(II)に還元し、鉄(II)イオンを陽イオン交換器により吸着除去する請求項に記載の方法。
  7. ステンレス鋼材を含む原子力プラント内で発生する金属廃棄物に、請求項1〜のいずれかに記載の金属廃棄物の表面処理剤を含む処理液を接触させると共に、循環液を鉄(III)還元用触媒に接触させて溶解している鉄(III)を鉄(II)に還元し、次いで陽イオン交換器に通して溶解している鉄(II)イオンを吸着除去することを特徴とする原子力プラント内で発生する金属廃棄物の表面処理方法。
  8. 前記鉄(III)還元用触媒が、活性炭、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも1種である請求項に記載の方法。
  9. 前記循環液に更に鉄(III)還元用の還元剤を加える請求項又は8に記載の方法。
  10. 前記鉄(III)還元用還元剤が、ヒドラジン、ヒドラジン塩、硫酸ヒドロキシルアミン又はシュウ酸ヒドロキシルアミンである請求項に記載の方法。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の金属廃棄物の表面処理剤を含む処理液をヒーターによって加熱し、原子力プラント内で発生する金属廃棄物に接触させると共に、循環液を陽イオン交換器に通して溶解している鉄イオンを吸着除去する段階;次に、循環液に還元剤を投入し、ヒーターに通さずにバイパスさせるように流路を切り替える段階;を含むことを特徴とする方法。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の金属廃棄物の表面処理剤を循環させる循環路と、
    前記循環路内を流れる前記金属廃棄物の表面処理剤を原子力プラント内で発生する金属廃棄物に接触させる処理部と、
    前記循環路に薬剤を供給する薬剤供給装置と、
    前記循環路に流路切替装置を介して接続されており、陽イオン交換器を有する分岐流路と、
    を具備する原子力プラント内で発生する金属廃棄物表面の化学的研削装置。
  13. 前記循環経路に還元剤を供給する還元剤供給装置を更に具備する請求項12に記載の装置。
  14. 前記循環経路内を流れる循環液を加熱するためのヒーターと、
    流路切替装置を介して前記循環経路に接続されており、前記ヒーターをバイパスするヒーターバイパス流路と、
    を更に具備する請求項13に記載の装置。
  15. 前記循環経路に流路切替装置を介して接続されており、鉄(III)還元用触媒床を有する分岐流路を更に具備する請求項12に記載の装置。
  16. 鉄(III)還元用触媒が、活性炭、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも1種である請求項15に記載の装置。
  17. 前記循環経路に鉄(III)還元用還元剤を供給する還元剤供給装置を具備する請求項15又は16に記載の装置。
  18. 鉄(III)還元用還元剤が、ヒドラジン、ヒドラジン塩、硫酸ヒドロキシルアミン又はシュウ酸ヒドロキシルアミンである請求項17に記載の装置。
  19. 前記循環経路に酸化剤を供給する酸化剤供給装置を具備する請求項12〜17のいずれかに記載の装置。
  20. 前記循環経路に流路切替装置を介して接続されており、酸化触媒床を有する分岐流路を更に具備する請求項19に記載の装置。
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