JP6956613B2 - 洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄装置及び洗浄方法に関する。
原子力プラントやボイラープラントでは、原子炉の一次系や二次系、火力発電ボイラー等に、運転を通してマグネタイト等の酸化鉄スケールが生成し、付着する。酸化鉄スケールを除去するため、定期点検作業時には、化学洗浄が行われる。従来の化学洗浄では、酸性溶液を60〜150℃の高温で使用していたため、火気の取扱いが制限され、設備が大規模化する問題があった。
こうした問題に対し、例えば、特許文献1には、第一鉄イオンと酸と還元剤とを含む洗浄液を酸化鉄スケールと接触させる酸化鉄スケールの溶解除去方法が紹介されている。特許文献1の発明は、酸化鉄の溶解速度が高く、低温でも速やかに酸化鉄スケールを溶解除去できている。
特開平7−97694号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、母材の腐食が進行し、それに伴う水素の発生が認められる。母材の腐食は、酸化鉄溶解に伴って発生する第二鉄イオンが酸化剤として作用するためと考えられる。水素の発生は、火気の取扱いの制限、設備の大規模化を招く。
第二鉄イオンの存在は、このような問題を生じるため、第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元することが求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、より還元性の高い雰囲気で酸化鉄スケールを除去できる洗浄装置及び洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る洗浄装置は、白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部と、前記反応部にキレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を供給する第一供給部と、前記反応部を通流した前記洗浄液を洗浄対象に接触させる第二供給部と、を備える。
このような構成によれば、より還元性の高い雰囲気で洗浄対象を洗浄できる。
また、本発明の他の態様に係る洗浄装置は、前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収し、前記第一供給部に供給する回収部をさらに備える。
このような構成によれば、より効率的に酸化鉄スケールを除去できる。
また、本発明の他の態様に係る洗浄装置は、前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質部をさらに備える。
このような構成によれば、白金族系触媒の改質により、より還元性の高い雰囲気の保持が図られる。
また、本発明の一態様に係る洗浄方法は、白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部に、キレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を接触させる還元工程と、前記反応部に接触させた前記洗浄液を洗浄対象に接触させる洗浄工程と、を有する。
このような構成によれば、より還元性の高い雰囲気で洗浄対象を洗浄できる。
また、本発明の他の態様に係る洗浄方法は、前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収する回収工程をさらに有する。
このような構成によれば、より効率的に酸化鉄スケールを除去できる。
また、本発明の他の態様に係る洗浄方法は、前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質工程をさらに有する。
このような構成によれば、白金族系触媒の改質により、より還元性の高い雰囲気の保持が図られる。
本発明の洗浄装置及び洗浄方法によれば、より還元性の高い雰囲気で酸化鉄スケールを除去できる。
本発明の第一実施形態に係る洗浄装置の模式図である。 本発明の第二実施形態に係る洗浄装置の模式図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の第一実施形態に係る洗浄装置1は、貯留槽10と、容体20と、反応部22と、第一供給管30と、第二供給管32と、回収管34と、洗浄対象40と、ポンプ50と、水素濃度計60とを備える。
貯留槽10は、第一供給管30で、容体20と接続されている。容体20は、第二供給管32で、洗浄対象40と接続されている。洗浄対象40は、回収管34で、貯留槽10と接続されている。
本実施形態では、洗浄装置1は、貯留槽10と、容体20と、洗浄対象40との間を、洗浄液が循環できるように構成されている。
ポンプ50は、第一供給管30の途中に設けられている。水素濃度計60は、回収管34に接続されている。
本実施形態において、第一供給部は、第一供給管30と、ポンプ50とで構成されている。
本実施形態において、第二供給部は、第二供給管32で構成されている。
本実施形態において、回収部は、回収管34と、水素濃度計60と、貯留槽10とで構成されている。
貯留槽10は、キレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を内部に貯留する。
貯留槽10としては、例えば、ステンレス等の金属製の水槽又は攪拌槽等が挙げられる。
容体20は、白金族系触媒が充填されてなる反応部22を内部に備える。反応部22は、固定床、流動床のいずれでもよい。
容体20としては、例えば、ステンレス等の金属製の反応塔又は攪拌槽等が挙げられる。
第一供給管30は、容体20に、貯留槽10で貯留された洗浄液を供給する配管である。第一供給管30としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
第二供給管32は、洗浄対象40に、反応部22で白金族系触媒と接触した洗浄液を供給する配管である。第二供給管32としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
ポンプ50としては、第一供給管30又は第二供給管32内の洗浄液を洗浄対象40へと圧送できるものであればよい。
白金族系触媒は、白金族金属、白金族金属化合物を含む触媒であり、白金族金属以外の金属を含有していてもよい。白金族金属は、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム等が挙げられる。白金族金属化合物は、白金族金属のハロゲン化物、白金族金属のハロゲン化物とオレフィンとの錯体、白金族金属のハロゲン化物とアルコールとの錯体、白金族金属のハロゲン化物とアルデヒドとの錯体、白金族金属のハロゲン化物とケトンとの錯体、白金族金属のハロゲン化物とビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。
第二鉄イオンとの反応性の観点から、白金族金属としては、白金、パラジウムが好ましい。白金族金属化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸とシクロペンタジエンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体が好ましい。
洗浄対象40は、原子力プラントやボイラープラントを構成する配管、容器、各種機器等の部品であって、炉水が接触する部品である。洗浄対象40は、母材として鉄を含有する。洗浄対象40は、炉水と接触することにより、鉄が酸化され、Fe(ヘマタイト、マグネタイト)やFe(磁鉄鉱)等の酸化鉄スケールが付着した部品である。
回収管34は、貯留槽10に、洗浄対象40に接触させた洗浄液を供給する配管である。回収管34としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
水素濃度計60は、回収管34内を流通する洗浄液に溶存する水素濃度を測定する計器である。水素濃度計60としては、公知の水素濃度計を例示できる。
次に、本実施形態の洗浄方法について説明する。本実施形態の洗浄方法は、白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部22に、キレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を接触させる還元工程と、前記反応部に接触させた前記洗浄液を洗浄対象に接触させる洗浄工程と、を有する。
還元工程は、例えば、以下の手順で行われる。
キレート剤及び還元剤を溶媒に溶解して洗浄液とする。洗浄液を貯留槽10に貯留する。次いで、ポンプ50を始動する。ポンプ50を始動すると、貯留槽10内の洗浄液は、第一供給管30を経由し、容体20内に流入する。
容体20内に流入した洗浄液は、白金族系触媒に接触しつつ反応部22を通流する。
この間、洗浄液が白金族系触媒により還元され、十分な還元性雰囲気が保持される(還元工程)。
洗浄液は、キレート剤及び還元剤を含有する。
キレート剤は、例えば、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレンテトラミンペンタキス(メチレンホスホン酸)、又は2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の各種ホスホン酸類及びその塩等、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はトリエチレンテトラミン六酢酸等の各種アミノカルボン酸類及びその塩等が挙げられる。
これらのキレート剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄液の総質量に対するキレート剤の含有量は、1000〜400000ppmが好ましく、10000〜400000ppmがより好ましい。上記下限値以上であると、洗浄工程において第一鉄イオンを取り込みやすい。上記上限値以下であると、十分な還元性雰囲気が保持されやすい。
還元剤は、例えば、ヒドラジン、カルボヒドラジド、亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、アデミン酸、アスコルビン酸、亜ジチオン酸ナトリウム、二酸化チオ尿素等が挙げられる。洗浄液のpHを変化させずに第二鉄イオンを還元できる観点から、還元剤としては、ヒドラジンが好ましい。
これらの還元剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄液の総質量に対する還元剤の含有量は、1〜250000ppmが好ましく、100〜100000ppmがより好ましい。上記下限値以上であると、十分な還元性雰囲気が保持されやすい。上記上限値以下であると、環境に対する負荷を軽減しやすい。
洗浄液は、キレート剤及び還元剤以外の成分を含有してもよい。母材の腐食を抑制する観点から、洗浄液は、防錆剤、中性防錆剤を含有することが好ましく、中性防錆剤を含有することがより好ましい。
洗浄液の溶媒としては、例えば、水、エタノール、アセトン、及びこれらの混合物等が挙げられる。
還元工程においては、洗浄液が白金族系触媒と接触するときの温度は、10〜60℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。洗浄液が白金族系触媒と接触するときの温度が上記数値範囲内であると、十分な還元性雰囲気が保持されやすい。
反応部22における洗浄液の通水空間速度(SV)は、10〜1000L/hr/L−触媒が好ましく、10〜100L/hr/L−触媒がより好ましい。通水空間速度が上記下限値以上であると、洗浄液と白金族系触媒との接触効率が高まり、還元反応がより促進されやすい。通水空間速度が上記上限値以下であると、反応部22における差圧を抑制でき、白金族系触媒や容体20への負荷を軽減しやすい。なお、通水空間速度(SV)は、触媒の単位体積(L−触媒)当たりにおける単位時間(hr)当たりの流量(L)である。
還元工程において、反応部22に供給される洗浄液の量は、通水倍量(BV)で10〜1000倍が好ましく、500〜1000倍がより好ましい。通水倍量が上記下限値以上であると、洗浄液と白金族系触媒との接触効率が高まり、還元反応がより促進されやすい。通水倍量が上記上限値以下であると、反応部22における差圧を抑制でき、白金族系触媒や容体20への負荷を軽減しやすい。なお、通水倍量(BV)は、白金族系触媒の体積の何倍を通水したかを示す量である。
洗浄液の通水空間速度、通水倍量は、ポンプ50の圧力、第一供給管30の内径等により調整できる。
反応部22に接触させた洗浄液は、第二供給管32を通流し、洗浄対象40に流入する。
洗浄対象40に流入した洗浄液は、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールと接触する。洗浄液は、酸化鉄スケールの溶解反応を促進する。これは、洗浄液の還元性雰囲気が高く、酸化鉄スケールが第一鉄イオンの形態で洗浄液中に溶出するためであると考えられる。このため、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールが速やかに除去される(洗浄工程)。
一方、酸化鉄スケールの溶解反応により生成した第一鉄イオンは、洗浄液中のキレート剤の配位により洗浄対象40から除去され、洗浄液に取り込まれる。
洗浄工程においては、洗浄液が洗浄対象40と接触するときの温度は、10〜60℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。洗浄液が洗浄対象40と接触するときの温度が上記下限値以上であると、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールが除去されやすい。洗浄液が洗浄対象40と接触するときの温度が上記上限値以下であると、洗浄対象40での水素の発生を抑制しやすい。
洗浄工程においては、洗浄液が洗浄対象40と接触する時間(洗浄時間)は、0.01〜5分が好ましく、0.02〜1分がより好ましい。洗浄時間が上記下限値以上であると、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールが除去されやすい。洗浄時間が上記上限値以下であると、洗浄作業の効率を向上しやすい。
洗浄工程において、例えば、洗浄対象40が水槽の場合、洗浄対象40に供給される洗浄液の量は、水槽の内容量の10〜1000体積倍が好ましく、500〜1000体積倍がより好ましい。洗浄液の量が上記下限値以上であると、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールが除去されやすい。洗浄液の量が上記上限値以下であると、洗浄装置を小型化しやすい。
次に、洗浄対象40に接触した洗浄液は、回収管34を経由して貯留槽10内に流入し、回収される(回収工程)。
回収管34を通流する洗浄液には、母材の腐食により生成した水素が含まれる。洗浄液に溶存する水素濃度は、回収管34に接続された水素濃度計60により測定できる。洗浄液に溶存する水素濃度は、10ppm(体積基準)以下が好ましく、0.1ppm以下がより好ましい。
貯留槽10内に流入した洗浄液は、第一供給管30を経由し、容体20に流入し、再び還元工程に供される。
本実施形態の洗浄方法では、洗浄液が、白金族系触媒と接触するため、洗浄液が白金族系触媒により還元され、十分な還元性雰囲気が保持される。
本実施形態の洗浄方法では、還元性雰囲気が保持されるため、酸化鉄スケールの除去速度を速めることができ、洗浄に要する時間を短縮できる。このため、洗浄作業の効率を向上できる。
本実施形態の洗浄方法では、キレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を用いているため、液性が中性でも酸化鉄スケールを除去できる。このため、酸性雰囲気で発生する水素ガスの濃度を低減できる。
本実施形態の洗浄方法では、回収工程を有するため、洗浄液を循環させることができる。洗浄液が洗浄装置内を循環するため、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールをより多く除去することができる。この結果、洗浄対象40の洗浄効率を高められる。
本実施形態の洗浄方法では、洗浄液が洗浄装置内を循環するため、洗浄液に第二鉄イオンが含まれても、白金族系触媒によって、速やかに第一鉄イオンへと還元できる。
本実施形態の洗浄方法では、洗浄液を循環させているが、回収工程で回収された洗浄液を貯留槽10に供給せずに、別の配管を通して廃棄してもよい。
貯留槽10に別の配管を設けて、新たな洗浄液を供給してもよい。
洗浄対象40に洗浄液を接触させる際は、循環接触に限られず、洗浄液を洗浄対象40内に貯留し、浸漬させてもよい。
回収管34には、水素濃度計60に代えて、あるいは、水素濃度計60と別に酸素濃度計を設けてもよい。酸素濃度計を設けることにより、洗浄液に溶存する酸素濃度を測定できる。測定された酸素濃度により、容体20に収容された白金族系触媒の触媒活性の低下の度合いを確認できる。例えば、洗浄液に溶存する酸素濃度が1ppm(体積基準)以上の場合、白金族系触媒の触媒活性が低下したと判断できる。触媒活性が低下した白金族系触媒は、新しいものと交換できる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図2を参照して説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、本発明の第二実施形態に係る洗浄装置2は、洗浄装置1に触媒改質部70を加えたものである。触媒改質部70は、改質液貯留槽80と、ポンプ52と、給液管90と、容体20と、排液管92とを備える。
改質液貯留槽80は、給液管90で、容体20と接続されている。ポンプ52は、給液管90の途中に設けられている。容体20は、排液管92で、改質液貯留槽80と接続されている。
改質液貯留槽80は、改質液を内部に貯留する。
改質液貯留槽80としては、例えば、ステンレス等の金属製の水槽又は攪拌槽等が挙げられる。
ポンプ52としては、給液管90内の改質液を容体20へと圧送できるものであればよい。
給液管90は、容体20に、改質液貯留槽80で貯留された改質液を供給する配管である。給液管90としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
排液管92は、改質液貯留槽80に、反応部22で白金族系触媒と接触した改質液を供給する配管である。排液管92としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
次に、本実施形態の洗浄方法について説明する。本発明の一態様に係る洗浄方法は、反応部22にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質工程を有する。
触媒改質工程は、例えば、以下の手順で行われる。
リン酸、リン酸水素塩、リン酸二水素塩及びリン酸塩からなる群より選択される1種以上を溶媒に溶解してリン酸含有水溶液(改質液)とする。改質液を改質液貯留槽80に貯留する。
まず、容体20への洗浄液の供給を停止する。次いで、ポンプ52を始動する。ポンプ52を始動すると、改質液貯留槽80内の改質液は、給液管90を経由し、容体20内に流入する。
容体20内に流入した改質液は、白金族系触媒に接触しつつ反応部22を通流する。
この間、白金族系触媒に吸着していた硫化水素イオンや塩化物イオン等の被毒物質が脱着し、白金族系触媒が改質される。なお、触媒改質工程は、白金族系触媒が被毒される前に設けられてもよく、白金族系触媒が被毒された後に設けられてもよい。
反応部内を通流した改質液は、排液管92を通流し、改質液貯留槽80に流入する。
白金族系触媒が被毒される前に触媒改質工程を設けた場合、白金族系触媒は、被毒物質による被毒を抑制できる。このため、白金族系触媒の寿命が向上し、洗浄に掛かるコストを低減することが可能となる。
白金族系触媒が被毒された後に触媒改質工程を設けた場合、白金族系触媒は、被毒物質により低下した触媒活性を高められる(触媒の再生)。このため、白金族系触媒を繰り返し利用することが可能となる。
一般に、白金族系触媒は、工業用水や廃液中に含まれる硫化水素イオンや塩化物イオン等の被毒物質により被毒され、性能が低下することが知られている。被毒により性能が低下した場合、白金族系触媒を新しいものに交換する必要がある。白金族系触媒は一般に高コストであり、新しいものに交換すると経済的な負担が大きい。経済的な負担の低減には、白金族系触媒を新しいものに交換せず、触媒被毒抑制による触媒寿命の向上や被毒された触媒の再生、即ち触媒の改質が好ましい。
リン酸、リン酸水素塩、リン酸二水素塩及びリン酸塩からなる群より選択される1種以上を水に溶解すると、リン酸含有水溶液となり、イオン(以下、リン酸系イオンともいう)が生成する。
リン酸系イオンは、硫化水素イオンや塩化物イオンに優先して白金族系触媒に配位し、吸着することができる。その結果、硫化水素イオンや塩化物イオンによる白金族系触媒の触媒活性の低下を抑制できる。
また、硫化水素イオンや塩化物イオンが配位し、吸着した白金族系触媒をリン酸系イオンと接触させると、硫化水素イオンや塩化物イオンとリン酸系イオンとが置換する。その結果、白金族系触媒の低下した触媒活性が回復する。
リン酸系イオンは、硫化水素イオンや塩化物イオンよりも白金族系触媒との安定した配位結合を形成する。このため、リン酸含有水溶液が、白金族系触媒を改質する改質液として機能すると考えられる。
改質液は、リン酸系イオンを含有する。リン酸系イオンは一般に中性から弱塩基性であるため、改質液は中性から弱塩基性の水溶液である。白金族系触媒に接触させる水溶液が酸性の場合、配管や装置を腐食するおそれがある。このため、改質液は、中性から弱塩基性の水溶液であることが好ましい。加えて、リン酸系イオンは、緩衝作用を有するため、改質液中のpHを調整する必要がなくなる効果が得られる。
改質液中のリン酸系イオンの濃度は、0.1〜10mg/Lが好ましく、0.5〜7.5mg/Lがより好ましい。改質液中のリン酸系イオンの濃度が上記下限値以上であると、白金族系触媒の触媒活性の回復が促進されやすい。上記上限値以下であると、被毒物質をさらに脱着しやすい。
改質液が白金族系触媒と接触するときの温度は、0〜50℃が好ましく、3〜25℃がより好ましい。改質液が白金族系触媒と接触するときの温度が上記数値範囲内であると、被毒物質をさらに脱着しやすい。
反応部22における処理液の通水空間速度(SV)は、10〜1000L/hr/L−触媒が好ましく、10〜100L/hr/L−触媒がより好ましい。通水空間速度が上記下限値以上であると、改質剤と白金族系触媒との接触効率が高まり、より改質されやすい。通水空間速度が上記上限値以下であると、反応部22における差圧を抑制でき、白金族系触媒や容体20への負荷を軽減しやすい。
触媒改質工程において、反応部22に供給される改質液の量は、通水倍量(BV)で10〜1000倍が好ましく、500〜1000倍がより好ましい。通水倍量が上記下限値以上であると、改質剤と白金族系触媒との接触効率が高まり、より改質されやすい。通水倍量が上記上限値以下であると、反応部22における差圧を抑制でき、白金族系触媒や容体20への負荷を軽減しやすい。
改質液の通水空間速度、通水倍量は、ポンプ52の圧力、給液管90の内径等により調整できる。
本実施形態の洗浄方法では、容体20への改質液の供給を停止して触媒改質工程を終えた後、第一供給管30を通して洗浄液を容体20に供給する。
本実施形態の洗浄方法では、触媒改質工程を有することで、白金族系触媒を改質することが可能である。白金族系触媒を改質することで、白金族系触媒の触媒活性の低下を抑制できる。加えて、白金族系触媒の低下した触媒活性を回復できる。このため、触媒活性が低下した白金族系触媒を新しいものと交換するスパンを長くでき、洗浄に掛かるコストを低減できる。
本実施形態の洗浄方法では、白金族系触媒の触媒活性が高められているため、白金族系触媒の寿命を向上できる。そのため、白金族系触媒を適用できる洗浄対象40が限定されず、本実施形態の洗浄方法を適用できる洗浄対象40を拡大できる。本実施形態の洗浄方法を適用できる洗浄対象40としては、原子力プラントの他、ボイラー化学洗浄設備や廃液処理設備等が挙げられる。
触媒改質工程は、洗浄工程と同時に行ってもよい。この場合は、容体20への改質液の供給と、洗浄液の供給とが行われる。
酸化鉄スケールを除去した洗浄液は、貯留槽10に供給せずに、回収管34に設けた別の配管を通して廃棄してもよい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
1,2 洗浄装置
10 貯留槽
20 容体
22 反応部
30 第一供給管
32 第二供給管
34 回収管
40 洗浄対象
50,52 ポンプ
60 水素濃度計
70 触媒改質部
80 改質液貯留槽
90 給液管
92 排液管

Claims (6)

  1. 白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部と、
    前記反応部にホスホン酸類、アミノカルボン酸類及びそれらの塩からなる1種以上のキレート剤並びに還元剤を含有する洗浄液を供給する第一供給部と、
    前記反応部を通流した前記洗浄液を洗浄対象に接触させる第二供給部と、
    を備える、洗浄装置。
  2. 前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収し、前記第一供給部に供給する回収部をさらに備える、請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
  4. 白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部に、ホスホン酸類、アミノカルボン酸類及びそれらの塩からなる1種以上のキレート剤並びに還元剤を含有する洗浄液を接触させる還元工程と、
    前記反応部に接触させた前記洗浄液を洗浄対象に接触させる洗浄工程と、
    を有する洗浄方法。
  5. 前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収する回収工程をさらに有する、請求項4に記載の洗浄方法。
  6. 前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質工程をさらに有する、請求項4または請求項5に記載の洗浄方法。
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