JP6956613B2 - 洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents
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Description
第二鉄イオンの存在は、このような問題を生じるため、第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元することが求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、より還元性の高い雰囲気で酸化鉄スケールを除去できる洗浄装置及び洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る洗浄装置は、白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部と、前記反応部にキレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を供給する第一供給部と、前記反応部を通流した前記洗浄液を洗浄対象に接触させる第二供給部と、を備える。
以下、本発明の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の第一実施形態に係る洗浄装置1は、貯留槽10と、容体20と、反応部22と、第一供給管30と、第二供給管32と、回収管34と、洗浄対象40と、ポンプ50と、水素濃度計60とを備える。
本実施形態では、洗浄装置1は、貯留槽10と、容体20と、洗浄対象40との間を、洗浄液が循環できるように構成されている。
本実施形態において、第一供給部は、第一供給管30と、ポンプ50とで構成されている。
本実施形態において、第二供給部は、第二供給管32で構成されている。
本実施形態において、回収部は、回収管34と、水素濃度計60と、貯留槽10とで構成されている。
貯留槽10としては、例えば、ステンレス等の金属製の水槽又は攪拌槽等が挙げられる。
容体20としては、例えば、ステンレス等の金属製の反応塔又は攪拌槽等が挙げられる。
第一供給管30は、容体20に、貯留槽10で貯留された洗浄液を供給する配管である。第一供給管30としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
第二供給管32は、洗浄対象40に、反応部22で白金族系触媒と接触した洗浄液を供給する配管である。第二供給管32としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
ポンプ50としては、第一供給管30又は第二供給管32内の洗浄液を洗浄対象40へと圧送できるものであればよい。
第二鉄イオンとの反応性の観点から、白金族金属としては、白金、パラジウムが好ましい。白金族金属化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸とシクロペンタジエンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体が好ましい。
水素濃度計60は、回収管34内を流通する洗浄液に溶存する水素濃度を測定する計器である。水素濃度計60としては、公知の水素濃度計を例示できる。
還元工程は、例えば、以下の手順で行われる。
キレート剤及び還元剤を溶媒に溶解して洗浄液とする。洗浄液を貯留槽10に貯留する。次いで、ポンプ50を始動する。ポンプ50を始動すると、貯留槽10内の洗浄液は、第一供給管30を経由し、容体20内に流入する。
容体20内に流入した洗浄液は、白金族系触媒に接触しつつ反応部22を通流する。
この間、洗浄液が白金族系触媒により還元され、十分な還元性雰囲気が保持される(還元工程)。
キレート剤は、例えば、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレンテトラミンペンタキス(メチレンホスホン酸)、又は2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の各種ホスホン酸類及びその塩等、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はトリエチレンテトラミン六酢酸等の各種アミノカルボン酸類及びその塩等が挙げられる。
これらのキレート剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの還元剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄対象40に流入した洗浄液は、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールと接触する。洗浄液は、酸化鉄スケールの溶解反応を促進する。これは、洗浄液の還元性雰囲気が高く、酸化鉄スケールが第一鉄イオンの形態で洗浄液中に溶出するためであると考えられる。このため、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールが速やかに除去される(洗浄工程)。
一方、酸化鉄スケールの溶解反応により生成した第一鉄イオンは、洗浄液中のキレート剤の配位により洗浄対象40から除去され、洗浄液に取り込まれる。
回収管34を通流する洗浄液には、母材の腐食により生成した水素が含まれる。洗浄液に溶存する水素濃度は、回収管34に接続された水素濃度計60により測定できる。洗浄液に溶存する水素濃度は、10ppm(体積基準)以下が好ましく、0.1ppm以下がより好ましい。
貯留槽10内に流入した洗浄液は、第一供給管30を経由し、容体20に流入し、再び還元工程に供される。
本実施形態の洗浄方法では、還元性雰囲気が保持されるため、酸化鉄スケールの除去速度を速めることができ、洗浄に要する時間を短縮できる。このため、洗浄作業の効率を向上できる。
本実施形態の洗浄方法では、キレート剤及び還元剤を含有する洗浄液を用いているため、液性が中性でも酸化鉄スケールを除去できる。このため、酸性雰囲気で発生する水素ガスの濃度を低減できる。
本実施形態の洗浄方法では、回収工程を有するため、洗浄液を循環させることができる。洗浄液が洗浄装置内を循環するため、洗浄対象40に付着した酸化鉄スケールをより多く除去することができる。この結果、洗浄対象40の洗浄効率を高められる。
本実施形態の洗浄方法では、洗浄液が洗浄装置内を循環するため、洗浄液に第二鉄イオンが含まれても、白金族系触媒によって、速やかに第一鉄イオンへと還元できる。
貯留槽10に別の配管を設けて、新たな洗浄液を供給してもよい。
洗浄対象40に洗浄液を接触させる際は、循環接触に限られず、洗浄液を洗浄対象40内に貯留し、浸漬させてもよい。
以下、本発明の第二実施形態について、図2を参照して説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、本発明の第二実施形態に係る洗浄装置2は、洗浄装置1に触媒改質部70を加えたものである。触媒改質部70は、改質液貯留槽80と、ポンプ52と、給液管90と、容体20と、排液管92とを備える。
改質液貯留槽80としては、例えば、ステンレス等の金属製の水槽又は攪拌槽等が挙げられる。
ポンプ52としては、給液管90内の改質液を容体20へと圧送できるものであればよい。
給液管90は、容体20に、改質液貯留槽80で貯留された改質液を供給する配管である。給液管90としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
排液管92は、改質液貯留槽80に、反応部22で白金族系触媒と接触した改質液を供給する配管である。排液管92としては、ステンレス等の金属製の配管等が挙げられる。
触媒改質工程は、例えば、以下の手順で行われる。
リン酸、リン酸水素塩、リン酸二水素塩及びリン酸塩からなる群より選択される1種以上を溶媒に溶解してリン酸含有水溶液(改質液)とする。改質液を改質液貯留槽80に貯留する。
まず、容体20への洗浄液の供給を停止する。次いで、ポンプ52を始動する。ポンプ52を始動すると、改質液貯留槽80内の改質液は、給液管90を経由し、容体20内に流入する。
容体20内に流入した改質液は、白金族系触媒に接触しつつ反応部22を通流する。
この間、白金族系触媒に吸着していた硫化水素イオンや塩化物イオン等の被毒物質が脱着し、白金族系触媒が改質される。なお、触媒改質工程は、白金族系触媒が被毒される前に設けられてもよく、白金族系触媒が被毒された後に設けられてもよい。
反応部内を通流した改質液は、排液管92を通流し、改質液貯留槽80に流入する。
白金族系触媒が被毒された後に触媒改質工程を設けた場合、白金族系触媒は、被毒物質により低下した触媒活性を高められる(触媒の再生)。このため、白金族系触媒を繰り返し利用することが可能となる。
リン酸系イオンは、硫化水素イオンや塩化物イオンに優先して白金族系触媒に配位し、吸着することができる。その結果、硫化水素イオンや塩化物イオンによる白金族系触媒の触媒活性の低下を抑制できる。
また、硫化水素イオンや塩化物イオンが配位し、吸着した白金族系触媒をリン酸系イオンと接触させると、硫化水素イオンや塩化物イオンとリン酸系イオンとが置換する。その結果、白金族系触媒の低下した触媒活性が回復する。
リン酸系イオンは、硫化水素イオンや塩化物イオンよりも白金族系触媒との安定した配位結合を形成する。このため、リン酸含有水溶液が、白金族系触媒を改質する改質液として機能すると考えられる。
本実施形態の洗浄方法では、白金族系触媒の触媒活性が高められているため、白金族系触媒の寿命を向上できる。そのため、白金族系触媒を適用できる洗浄対象40が限定されず、本実施形態の洗浄方法を適用できる洗浄対象40を拡大できる。本実施形態の洗浄方法を適用できる洗浄対象40としては、原子力プラントの他、ボイラー化学洗浄設備や廃液処理設備等が挙げられる。
酸化鉄スケールを除去した洗浄液は、貯留槽10に供給せずに、回収管34に設けた別の配管を通して廃棄してもよい。
10 貯留槽
20 容体
22 反応部
30 第一供給管
32 第二供給管
34 回収管
40 洗浄対象
50,52 ポンプ
60 水素濃度計
70 触媒改質部
80 改質液貯留槽
90 給液管
92 排液管
Claims (6)
- 白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部と、
前記反応部にホスホン酸類、アミノカルボン酸類及びそれらの塩からなる1種以上のキレート剤並びに還元剤を含有する洗浄液を供給する第一供給部と、
前記反応部を通流した前記洗浄液を洗浄対象に接触させる第二供給部と、
を備える、洗浄装置。 - 前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収し、前記第一供給部に供給する回収部をさらに備える、請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
- 白金族系触媒が容体に充填されてなる反応部に、ホスホン酸類、アミノカルボン酸類及びそれらの塩からなる1種以上のキレート剤並びに還元剤を含有する洗浄液を接触させる還元工程と、
前記反応部に接触させた前記洗浄液を洗浄対象に接触させる洗浄工程と、
を有する洗浄方法。 - 前記洗浄対象に接触させた前記洗浄液を回収する回収工程をさらに有する、請求項4に記載の洗浄方法。
- 前記反応部にリン酸含有水溶液を接触させる触媒改質工程をさらに有する、請求項4または請求項5に記載の洗浄方法。
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