JP6370651B2 - 薬液調製方法及び薬液調製装置、並びに化学洗浄方法 - Google Patents
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Description
このため、従来の化学洗浄では洗浄液からスラッジを除去する必要があった。スラッジを除去する方法としては、洗浄液が通過する部分の途中にフィルタを設けて洗浄液中に浮遊するスラッジを捕集する方法や、化学洗浄後に洗浄対象機器の配管等の一部を切断して管内部を点検して、吸引清掃など物理的方法により除去してから再度配管を溶接する方法などがある。
図1は第1実施形態に係る薬液調製装置を説明する概略図である。図1は、メンテナンス時において火力発電システム1に薬液調製装置100が設置された場合を示す。火力発電システム1は貫流ボイラ10を備えている。ボイラの給水系統として復水器20、復水脱塩装置21、グランド蒸気復水器22、低圧給水加熱器23、脱気器24、高圧給水加熱器25、及び、節炭器26が設置されている。ボイラの蒸気系統として気水分離器30、過熱器31、タービン32、及び、再熱器33が設置されている。タービン32としては、高圧タービン、中圧タービンと低圧タービンとが設置されていても良い。火力発電システム1では、貫流ボイラ10の火炉壁管などの伝熱配管内部に粉状スケールであるヘマタイトおよびマグネタイトが形成されて伝熱配管の熱伝導率が低下している。従って、伝熱性能の回復のために、貫流ボイラ10が洗浄対象機器となっている。
薬液タンク101は中性の除錆剤を含む洗浄用薬液を収容できる。薬液タンク101は、上部に開口部を有している。該開口部から薬液タンク101内に洗浄用薬液の原料が供給され得る。図2は、外部からローリー車108(原料供給装置)を用いて原料が供給されるものである。循環ライン104にエジェクタを接続して原料を供給してもよい。
(S1)ヘマタイト洗浄用薬液を調製する工程
(S2)被洗浄部材に形成されたヘマタイトを溶解させる工程
(S3)洗浄に使用したヘマタイト洗浄用薬液を回収する工程
(S4)マグネタイト洗浄用薬液を調製する工程
(S5)被洗浄部材に形成されたマグネタイトを溶解させる工程
(S6)洗浄に使用したマグネタイト洗浄用薬液を回収する工程
薬液調製装置100を用いて、ヘマタイト洗浄用薬液を調製する。
ヘマタイト洗浄用薬液に用いられる原料は、純水および中性の除錆剤を含む。
中性の除錆剤は、キレート剤と還元剤の混合剤である。キレート剤は、例えばEDTA、BAPTA、DOTA、EDDS、INN、NTA、DTPA、HEDTA、TTHA、PDTA、DPTA−OH、HIDA、DHEG、GEDTA、CMGA、EDDSなどのアミノカルボン酸やこれらの塩などのアミノカルボン酸系キレート剤、クエン酸、グルコン酸、ヒドロキシ酢酸などのオキシカルボン酸やこれらの塩などのオキシカルボン酸系キレート剤、ATMP、HEDP、NTMP、PBTC、EDTMP等の有機リン酸やこれらの塩などの有機リン系キレート剤である。還元剤は、例えば、Fe2+、Sn2+などの各種金属イオン、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩、亜ジチオン酸及び亜ジチオン酸塩、チオン酸及びチオン酸塩、三チオン酸、四チオン酸などのポリチオン酸及びポリチオン酸塩、シュウ酸、蟻酸、アスコルビン酸、ピロガロールなどの有機化合物、ヒドラジン、水素などである。中性の除錆剤には腐食抑制剤が添加されていても良い。
バルブV1を閉鎖し、バルブV2を開放して、S1で調製したヘマタイト洗浄用薬液を貫流ボイラ10に供給する。その後、ポンプ103を停止し、バルブV2を閉鎖して、静置してヘマタイトを洗浄する。ヘマタイト洗浄用薬液の供給量は、貫流ボイラ10内でヘマタイトのスケールが形成された領域がヘマタイト洗浄用薬液に浸漬される量であるとよい。漬け置き時間(洗浄時間)はヘマタイトの発生量にもよるが、例えば24時間〜60時間である。
S2で所定時間洗浄した後、バルブV3を開放し、洗浄に用いたヘマタイト洗浄用薬液を薬液タンク101に回収する。洗浄対象機器でスラッジが発生していた場合には、このスラッジも薬液タンク101に回収される。
バルブV3を閉鎖し、薬液調製装置100を用いてマグネタイト洗浄用薬液を調製する。マグネタイト洗浄用薬液の原料成分は、ヘマタイト洗浄用薬液と同様とする。回収したヘマタイト洗浄用薬液は廃棄してもよいが、本実施形態では回収したヘマタイト洗浄用薬液を用いて、マグネタイト洗浄用薬液を調製する。
マグネタイト洗浄用薬液は、所望の洗浄力及び洗浄時間が得られるように、キレート剤、還元剤及び腐食抑制剤の濃度が適切に調整されている。マグネタイト洗浄用薬液は、pHが4〜8であり、好ましくはpHが5〜7である。
バルブV1を閉鎖し、バルブV2を開放して、S4で調製したマグネタイト洗浄用薬液を貫流ボイラ10に供給する。その後、ポンプ103を停止し、バルブV2を閉鎖して、静置してマグネタイトを溶解させる。マグネタイト洗浄用薬液の供給量は、貫流ボイラ10内でマグネタイトのスケールが形成された領域がマグネタイト洗浄用薬液に浸漬される量であるとよい。漬け置き時間(洗浄時間)はヘマタイトの発生量にもよるが、例えば24時間〜60時間である。
S5で所定時間洗浄した後、バルブV3を開放し、洗浄に用いたマグネタイト洗浄用薬液を薬液タンク101に回収する。回収したマグネタイト洗浄用薬液は適宜廃棄する。
ヘマタイト粉末(キシダ化学社製、粒径45μm)およびマグネタイト粉末(キシダ化学社製、粒径45μm)を用いて溶解試験を行った。還元剤として硫黄系還元剤Aを用いた。還元剤濃度1.8重量%のとき、pH6、温度25℃、溶解時間24時間以内で、約7700ppmのヘマタイト試薬の溶解が確認された。また、還元剤濃度0.05%のとき、pH6、温度10℃、溶解時間10時間で、約7500ppmのマグネタイト試薬の溶解が確認された。還元剤濃度0.05%のとき、同様の条件ではヘマタイト試薬は溶解されなかった。溶解試験の結果を図5にまとめた。図5によれば、ヘマタイトは還元剤濃度が1.8重量%以上で溶解でき、マグネタイトは還元剤濃度が0.05重量%以上で溶解でき、ヘマタイトとマグネタイトとは溶解可能な還元剤濃度が異なるという知見が得られた。
第2実施形態に係る薬液調製装置は、原料供給部及び電位制御部を備えている点が第1実施形態と異なる。図7は本実施形態に係る薬液調製装置200を説明する概略構成図である。薬液調製装置200は、薬液タンク201、排出ライン202、ポンプ203、循環ライン204、電位計測部205、供給ライン206、回収ライン(図示せず)、原料供給部207及び電位制御部208を備えている。薬液調製装置100と同様の構成については説明を省略する。
マグネタイト洗浄用薬液を調製する場合には、目標電位をマグネタイトが溶解可能な電位に設定する。
第3実施形態は、洗浄用薬液(ヘマタイト洗浄用薬液、マグネタイト洗浄用薬液)を調製する工程において、中性の除錆剤を含む洗浄用薬液に還元剤を添加した場合の還元剤添加量と洗浄用薬液の電位変化との相関データを予め取得し、その相関データに基づいて各洗浄用薬液への還元剤の添加量を算出することを特徴とする。本実施形態は、第1実施形態または第2実施形態と組み合わせて実施される。第2実施形態と組み合わせる場合は、予め取得された相関データは、電位制御部208に格納されている。電位制御部208は、電位計測部205で計測された電位と目標電位との差分を該相関データに照らし合わせ、差分を埋めるための還元剤供給量を算出し、原料の供給量を制御する。
第4実施形態は、洗浄用薬液(ヘマタイト洗浄用薬液、マグネタイト洗浄用薬液)を調製する工程(S1またはS4)において、溶解試験を行うことを特徴とする。本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態のいずれかと組み合わせて実施される。
溶解試験では、まず、電位を調整した後の液体Lの一部を抜き取り、該液体Lをヘマタイト試薬(またはマグネタイト試薬)40が入った容器41に入れ、液面の上方を窒素パージしてから密封する(A)。一定時間経過後、液体Lの色の変化を観察して溶解したか否かを確認する。液体L’に色が残っていた場合(B)には、再度電位を調整しなおしてもよい。液体L”が透明である場合(C)は、洗浄力が十分である。
第5実施形態は、薬液タンクに対する排出ラインおよび循環ラインの配置に特徴がある。本実施形態は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれかと組み合わせて実施される。図9は本実施形態に係る薬液タンクの上面図である。図10は第1実施形態の薬液タンク101の上面図である。薬液タンク101では、排出ライン102は薬液タンクの壁面に直角に配置されている。
排出ライン502は、薬液タンク501の底部中央に接続されている。「底部中央」は、底面の中央付近であればよく、必ずしも円筒の中心軸と完全に一致していなくてもよい。
第6実施形態は、薬液タンクに収容された液体Lの液面に接触する酸素量を低減させることを特徴とする。本実施形態は、第1実施形態〜第5実施形態のいずれかと組み合わせて実施される。図11は第1実施形態の薬液調製装置100に本実施形態を組み合わせた薬液調製装置100’の概略構成図である。
第7実施形態は、薬液タンクに収容された液体Lの液面に接触する酸素量を低減させることを特徴とするが、接触する酸素量を低減させる手段が第6実施形態とは異なる。本実施形態は、第1実施形態〜第5実施形態のいずれかと組み合わせて実施される。図12は第1実施形態の薬液調製装置100に本実施形態を組み合わせた薬液調製装置100”の概略構成図である。
第8実施形態に係る薬液調製装置は、排出ラインの配置が第1実施形態と異なる。本実施形態は、第2実施形態〜第7実施形態と組み合わせることもできる。図13は本実施形態に係る薬液調製装置800を説明する概略構成図である。薬液調製装置800は、薬液タンク801、排出ライン802、ポンプ803、循環ライン804、電位計測部805、供給ライン806、および回収ライン(図示せず)を備えている。薬液調製装置100と同様の構成については説明を省略する。
第9実施形態に係る薬液調製装置は、排出ラインの配置が第1実施形態と異なる。本実施形態は、第2実施形態〜第7実施形態と組み合わせることもできる。図14は本実施形態に係る薬液調製装置900を説明する概略構成図である。薬液調製装置900は、薬液タンク901、排出ライン902、ポンプ903、循環ライン904、電位計測部905、供給ライン906、および回収ライン(図示せず)を備えている。薬液調製装置100と同様の構成については説明を省略する。
第10実施形態に係る薬液調製装置は、薬液タンクの構造が第1実施形態と異なる。本実施形態は、第2実施形態〜第9実施形態と組み合わせることもできる。図15は本実施形態に係る薬液調製装置110を説明する概略構成図である。薬液調製装置110は、薬液タンク111、排出ライン112、ポンプ113、循環ライン114、電位計測部115、供給ライン116、および回収ライン(図示せず)を備えている。薬液調製装置100と同様の構成については説明を省略する。
第11実施形態に係る薬液調製装置は、薬液タンクがスラッジ排出ラインを備えている点が第10実施形態と異なる。図16は本実施形態に係る薬液調製装置120を説明する概略構成図である。薬液調製装置120は、薬液タンク121、排出ライン122、ポンプ123、循環ライン124、電位計測部125、供給ライン126、および回収ライン(図示せず)を備えている。薬液調製装置110と同様の構成については説明を省略する。
10 貫流ボイラ
20 復水器
21 復水脱塩装置
22 グランド蒸気復水器
23 低圧給水加熱器
24 脱気器
25 高圧給水加熱器
26 節炭器
30 気水分離器
31 過熱器
32 タービン
33 再熱器
40 洗浄用薬液(ヘマタイト洗浄用薬液、マグネタイト洗浄用薬液)
41 容器
60 浮遊部材
70 蓋部材
71 脱気部
72 ガス供給部
100,100’,100”,110,120,200,800,900 薬液調製装置
101,111,121,201,501,801,901 薬液タンク
102,112,122,202,502,802,902 排出ライン
103,113,123,203,803,903 ポンプ
104,114,124,204,804,904 循環ライン
105,115,125,205,805 電位計測部
106,116,126,206,806 供給ライン
107 回収ライン
108 ローリー車
127 スラッジ排出ライン
207 原料供給部
208 電位制御部
209 原料タンク
210 原料供給ポンプ
902a 第1の管状部材
902b 第2の管状部材
Claims (38)
- 母材上にマグネタイトのスケールとヘマタイトのスケールとが形成された部材を洗浄するための薬液を調製する薬液調製方法であって、
中性の除錆剤を含み、かつ、前記ヘマタイトを溶解可能な電位を有するヘマタイト洗浄用薬液を薬液タンクで調製する工程と、
前記中性の除錆剤を含み、かつ、前記ヘマタイト洗浄用薬液の前記電位とは異なる前記マグネタイトを溶解可能な電位を有するマグネタイト洗浄用薬液を前記薬液タンクで調製する工程と、
を含む薬液調製方法。 - 前記部材において、前記母材上にマグネタイトのスケールとヘマタイトのスケールとが順に形成されており、
前記部材の洗浄に用いた前記ヘマタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収した後、前記薬液タンクで前記マグネタイト洗浄用薬液を調製する請求項1に記載の薬液調製方法。 - 前記部材の洗浄に用いた前記ヘマタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収し、前記回収したヘマタイト洗浄用薬液の電位を前記ヘマタイトが溶解可能な電位に再調整する請求項1または請求項2に記載の薬液調製方法。
- 前記部材の洗浄に用いた前記マグネタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収し、前記回収したマグネタイト洗浄用薬液の電位を前記マグネタイトが溶解可能な電位に再調整する請求項1から請求項3のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記ヘマタイト洗浄用薬液に還元剤を添加して、前記ヘマタイト洗浄用薬液の電位を調整する請求項1から請求項4のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記マグネタイト洗浄用薬液に還元剤を添加して、前記マグネタイト洗浄用薬液の電位を調整する請求項1から請求項5のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記中性の除錆剤を含む洗浄用薬液に前記還元剤を添加した場合の、前記還元剤の添加量と前記洗浄用薬液の電位の変化との相関データを予め取得しておき、
前記相関データに基づいて、前記還元剤の添加量を算出する請求項5または請求項6に記載の薬液調製方法。 - 前記調製したヘマタイト洗浄用薬液の一部を前記薬液タンクから抜き取り、該抜き取ったヘマタイト洗浄用薬液及びヘマタイト試薬を用いて溶解試験をして、前記ヘマタイト試薬が溶解することを確認する請求項1から請求項7のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記調製したマグネタイト洗浄用薬液の一部を前記薬液タンクから抜き取り、該抜き取ったマグネタイト洗浄用薬液及びマグネタイト試薬を用いて溶解試験をして、前記マグネタイト試薬が溶解することを確認する請求項1から請求項8のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 円筒型の前記薬液タンクに、前記薬液タンクの壁面に沿って流れるよう前記薬液タンクに収容された液体を供給し、前記薬液タンクの底部中央から前記液体を排出させる請求項1から請求項9のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記薬液タンクに収容された液体の液面に接触する酸素量を低減させる酸素接触低減工程を備えている請求項1から請求項10のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記酸素接触低減工程において、前記薬液タンクに収容された液体の液面に浮遊部材を浮遊させて前記液面を覆う請求項11に記載の薬液調製方法。
- 前記酸素接触低減工程において、蓋部材で前記薬液タンクの開口を塞ぎ、前記薬液タンク内に還元雰囲気ガスを供給するとともに、前記薬液タンク内から脱気する請求項11に記載の薬液調製方法。
- 前記薬液タンクの底部にスラッジ堆積領域を画定し、
前記スラッジ堆積領域を外した領域から前記薬液タンクに収容された液体を排出した後、該排出した液体を前記薬液タンク内へと循環させる請求項2から請求項13のいずれかに記載の薬液調製方法。 - 前記薬液タンクの底部を水平面に対して傾斜させる請求項2から請求項13のいずれかに記載の薬液調製方法。
- 前記スラッジ堆積領域からスラッジを排出させる工程を含む請求項14または請求項15に記載の薬液調製方法。
- 母材上にマグネタイトのスケールとヘマタイトのスケールとが形成された部材を洗浄するための薬液を調製するための薬液調製装置であって、
開口部を有し、中性の除錆剤を含む洗浄用薬液を収容できる薬液タンクと、
前記薬液タンクに収容された液体を前記薬液タンクから排出する排出ラインと、
前記排出ラインに設置されたポンプと、
前記ポンプから送出された液体を前記薬液タンクに循環させる循環ラインと、
前記薬液タンクに収容された液体の電位を計測し、ヘマタイトを溶解可能な電位及びマグネタイトを溶解可能な電位を出力する電位計測部と、
を備えている薬液調製装置。 - 前記ポンプから送出された洗浄用薬液を洗浄対象機器に供給する供給ラインと、
前記洗浄対象機器に供給された前記洗浄用薬液を前記薬液タンクに回収する回収ラインと、
を備えている請求項17に記載の薬液調製装置。 - 前記薬液タンクに前記洗浄用薬液の原料を供給できる原料供給部と、
前記電位計測部および前記原料供給部に接続され、前記原料供給部からの前記原料の供
給量を調整し、前記薬液タンク内に収容されている液体の電位が洗浄対象物質を溶解可能な電位になるよう制御する電位制御部と、
を備えている請求項17または請求項18に記載の薬液調製装置。 - 前記電位制御部が、予め取得された前記中性の除錆剤を含む洗浄用薬液に還元剤を添加した場合の前記還元剤の添加量と前記洗浄用薬液の電位の変化との相関データに基づいて、前記還元剤の添加量を算出する請求項19に記載の薬液調製装置。
- 前記薬液タンクに収容された液体を抜き取り、該抜き取った液体を用いて洗浄対象物質の溶解予備試験を実施する予備試験部を備えている請求項17から請求項20のいずれかに記載の薬液調整装置。
- 前記薬液タンクは円筒型であり、
前記循環ラインの一端は、前記循環ラインから前記薬液タンクに循環される液体が、前記薬液タンク内に流れ込んだ後、前記薬液タンクの壁面に沿って流れるよう、前記薬液タンクの壁面に接続され、
前記排出ラインの一端は、前記薬液タンクの底部中央に接続されている請求項17から請求項21のいずれかに記載の薬液調製装置。 - 前記薬液タンクに収容された液体の液面に接触する酸素量を低減させる酸素接触低減部を備えている請求項17から請求項22のいずれかに記載の薬液調製装置。
- 前記酸素接触低減部が、前記薬液タンクに収容された液体の液面に浮遊し、前記液面を覆う浮遊部材である請求項23に記載の薬液調製装置。
- 前記酸素接触低減部が、前記薬液タンクの前記開口部を塞ぐ蓋部材と、前記蓋部材に設けられた脱気部と、前記薬液タンク内に還元雰囲気ガスを供給するガス供給部と、から構成されている請求項23に記載の薬液調製装置。
- 前記薬液タンクは底部にスラッジ堆積領域が画定され、
前記排出ラインが前記薬液タンクを貫通し、前記排出ラインの一端が前記薬液タンク内に前記スラッジ堆積領域を外して配置されている請求項18から請求項25のいずれかに記載の薬液調製装置。 - 前記排出ラインの一端部が、前記薬液タンクに収容された液体の液面を貫通し、前記液面の上下移動に追従できるフロート構造を有する請求項18から請求項25のいずれかに記載の薬液調製装置。
- 前記薬液タンクの底部が水平面に対して傾斜した傾斜部を有する請求項18から請求項27のいずれかに記載の薬液調製装置。
- 前記スラッジ堆積領域からスラッジを排出できるよう前記薬液タンクに接続されたスラッジ排出ラインを備えている請求項26から請求項28のいずれかに記載の薬液調製装置。
- 母材上にマグネタイトのスケールとヘマタイトのスケールとが形成された部材を洗浄するための化学洗浄方法であって、
中性の除錆剤を含み、かつ、前記ヘマタイトを溶解可能な電位を有するヘマタイト洗浄用薬液を薬液タンクで調製する工程と、
前記ヘマタイト洗浄用薬液を、前記部材を有する洗浄対象機器に供給して前記ヘマタイトを溶解させる工程と、
前記中性の除錆剤を含み、かつ、前記ヘマタイト洗浄用薬液の前記電位とは異なる前記マグネタイトを溶解可能な電位を有するマグネタイト洗浄用薬液を前記薬液タンクで調製する工程と、
前記マグネタイト洗浄用薬液を、前記洗浄対象機器に供給して前記マグネタイトを溶解させる工程と、
を含む化学洗浄方法。 - 前記部材において、前記母材上にマグネタイトのスケールとヘマタイトのスケールとが順に形成されており、
前記部材の洗浄に用いた前記ヘマタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収した後、前記薬液タンクで前記マグネタイト洗浄用薬液を調製する請求項30に記載の化学洗浄方法。 - 前記部材の洗浄に用いた前記ヘマタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収し、前記回収したヘマタイト洗浄用薬液の電位を前記ヘマタイトが溶解可能な電位に再調整した後、前記再調整したヘマタイト洗浄用薬液を前記洗浄対象機器に供給する請求項30または請求項31に記載の化学洗浄方法。
- 前記部材の洗浄に用いた前記マグネタイト洗浄用薬液を前記薬液タンク内に回収し、前記回収したマグネタイト洗浄用薬液の電位を前記マグネタイトが溶解可能な電位に再調整した後、前記再調整したマグネタイト洗浄用薬液を前記洗浄対象機器に供給する請求項30から請求項32のいずれかに記載の化学洗浄方法。
- 前記ヘマタイト洗浄用薬液に還元剤を添加して、前記ヘマタイト洗浄用薬液の電位を調整する請求項30から請求項33のいずれかに記載の化学洗浄方法。
- 前記マグネタイト洗浄用薬液に還元剤を添加して、前記マグネタイト洗浄用薬液の電位を調整する請求項30から請求項34のいずれかに記載の化学洗浄方法。
- 前記中性の除錆剤を含む洗浄用薬液に前記還元剤を添加した場合の、前記還元剤の添加量と前記洗浄用薬液の電位の変化との相関データを予め取得しておき、
前記相関データに基づいて、前記還元剤の添加量を算出する請求項34または請求項35に記載の化学洗浄方法。 - 前記調製したヘマタイト洗浄用薬液の一部を前記薬液タンクから抜き取り、該抜き取ったヘマタイト洗浄用薬液及びヘマタイト試薬を用いて溶解試験をして、前記ヘマタイト試薬が溶解することが確認された後、前記ヘマタイト洗浄用薬液を前記洗浄対象機器に供給する請求項30から請求項36のいずれかに記載の化学洗浄方法。
- 前記調製したマグネタイト洗浄用薬液の一部を前記薬液タンクから抜き取り、該抜き取ったマグネタイト洗浄用薬液及びマグネタイト試薬を用いて溶解試験をして、前記マグネタイト試薬が溶解することが確認された後、前記マグネタイト洗浄用薬液を前記洗浄対象機器に供給する請求項30から請求項37のいずれかに記載の化学洗浄方法。
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