JPH10151354A - 光触媒の再生方法 - Google Patents

光触媒の再生方法

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JPH10151354A
JPH10151354A JP8324879A JP32487996A JPH10151354A JP H10151354 A JPH10151354 A JP H10151354A JP 8324879 A JP8324879 A JP 8324879A JP 32487996 A JP32487996 A JP 32487996A JP H10151354 A JPH10151354 A JP H10151354A
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photocatalyst
activity
hardness component
liquid
acid solution
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JP8324879A
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Akira Fujishima
昭 藤嶋
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Koji Nakano
浩二 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体中の有機物等の光化学反応処理に使用し
て、硬度成分が付着することによって活性低下を起こし
始めた光触媒を、酸溶液等で再生することによって、廃
棄せずに、光化学反応処理結果を悪化させずに、継続的
に光化学反応処理に使用して、処理コストの低減、処理
効率の向上を図る。 【構成】 光触媒の存在下で水銀灯等による光照射を行
って、液体中の有機物の酸化分解等の光化学反応処理を
行い、液体中のカルシウム等の硬度成分の付着により活
性が急激に低下した光触媒を、酸溶液で洗浄して硬度成
分を除去する。光触媒が液体中の硬度成分の付着により
活性低下を起こす直前の時点を、光触媒の金属の原子
と、光触媒に付着した硬度成分の原子との比率が1〜1
00対100〜1になった時点で捉えて、この光触媒を
酸溶液(バブリング)で洗浄して硬度成分を除去し、光
触媒の再生を正確に、効果的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上水や産業用水等の液
体中の有機物の酸化分解、細菌の殺菌等の光化学反応処
理を行い、液体中に含まれているカルシウムやマグネシ
ウム等の硬度成分の付着により活性が低下する光触媒の
再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、半導体や医薬品の製造工程におい
て使用する産業用水には、有機物を酸化分解し、細菌を
殺菌して除去した高純度の液体が使用されており、また
上水や飲用水においては、特に、トリハロメタン等の有
機塩素化合物やその前駆物質の有機物、トリクロロエチ
レンやトリクレン等の有機物を極力除去して使用されて
いるが、通常、前述した有機物は、光触媒の存在下で、
低圧または高圧水銀灯等より光照射をして光化学反応処
理を行うことによって除去をしている。
【0003】しかし、前述した有機物の光化学反応処理
について鋭意研究をしている間に、液体中に有機物とと
もに含まれているカルシウムやマグネシウム等の硬度成
分が光触媒の表面に付着し、光触媒と被処理液の間に被
膜が形成され始めると、急激に光触媒の活性が低下し、
処理液の有機物含有量が低下しない等の光化学反応処理
結果が突然に悪化するという特有の現象を知見して、本
発明を構成した。
【0004】従来においては、液体中に含まれている硬
度成分の付着による光触媒の活性低下のチエックについ
ては、通常の場合、活性の無くなった光触媒を光化学反
応処理に継続使用し、光触媒の有機物除去量の低下、す
なわち処理液の有機物含有量の増加した時点を確認して
光化学反応処理を中断することが多く、処理液の有機物
含有量が多く、処理液の水質の悪化等の問題を起こして
いた。
【0005】あるいは、光触媒の活性が低下する前に光
化学反応処理を中断し、活性が残存する光触媒を早めに
廃棄することによって、処理液の液質の悪化等を防止す
ることもあるが、しかし、活性の再生が可能な光触媒を
廃棄して新たな光触媒と交換すること、特に活性が残存
する光触媒を早めに廃棄することは、光触媒が高価な素
材であるために、有機物の光化学反応処理コストが高く
なり、また資源の有効活用、産業廃棄物の発生の点で問
題があった。
【0006】また、従来、活性の低下した光触媒を廃棄
することなく、再生して再使用する場合もあり、たとえ
ば、悪臭の脱臭に使用することによって大気中に浮遊す
る高分子物質や塵埃に汚染されて活性の低下した光触媒
を、紫外線照射処理で再生する方法(特開平2−169
036)、加熱処理で再生する方法(特開平2−268
835)、界面活性剤洗浄処理で再生する方法(特開平
2−169040)が報告されている。
【0007】しかし、前述した光触媒の再生は、いずれ
も、気体の脱臭に使用されたもので、それも大気中に浮
遊する高分子物質や塵埃に汚染された光触媒の再生方法
に関するものであって、本発明のように、液体中の有機
物の酸化分解、細菌の殺菌等の光化学反応処理を行い、
液体中のカルシウムやマグネシウム等の硬度成分が付着
することによって活性の低下した光触媒の再生方法に関
するものでない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液体中の有
機物の酸化分解、細菌の殺菌等の光化学反応処理を行っ
ている間に、急激に活性低下を起こす光触媒を、この活
性が急激に低下した時点で、特に、硬度成分が付着して
活性低下を起こす直前または活性低下の初期段階の時点
で、酸溶液で再生することによって、光触媒を廃棄する
ことなく、かつ、液体の有機物等の光化学反応処理結果
を悪化することなく、液体の有機物等の光化学反応処理
に継続的に使用し、効率的に、安価なコストで、液体の
有機物等の光化学反応処理を行うことに目的がある。
【0009】また、本発明は、活性の低下した光触媒を
弱酸溶液で再生することによって、洗浄廃液中の弱酸
を、生物処理または簡単な気液接触処理で分解除去し
て、廃水処理を容易にし、洗浄廃液の処理コストを低減
または不要にすることに目的がある。
【0010】さらに、本発明は、光触媒の再生の際、酸
溶液の洗浄とガス等によるバブリングを同時に行うこと
によって、その相乗作用によって、光触媒に付着、蓄積
した硬度成分の剥離、洗い落しを一段とよくし、短時間
で光触媒の再生を可能にし、光触媒による光化学反応処
理効率を格段に向上させることに目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒の再生
方法に関するもので、光触媒の存在下で、低圧または高
圧水銀灯、キセノンランプ、ブラックライト等による光
照射を行って、液体中の有機物の酸化分解、細菌の殺菌
等の光化学反応処理を行い、液体中のカルシウムやマグ
ネシウム等の硬度成分の付着により活性が急激に低下し
た光触媒を、酸溶液で洗浄して硬度成分を除去すること
に特徴がある。
【0012】また、本発明は、前述した液体中の有機物
の酸化分解、細菌の殺菌等の光化学反応処理を行い、光
触媒が液体中のカルシウムやマグネシウム等の硬度成分
の付着により急激に活性低下を起こす直前の時点または
活性低下の初期段階の時点で、酸溶液で洗浄して硬度成
分を短時間で除去し、処理液体の処理結果を極力悪化さ
せないことに特徴がある。
【0013】さらに、本発明は、光触媒が液体中の硬度
成分の付着により活性低下を起こす直前の時点を、光触
媒の金属もしくは金属酸化物、たとえば、チタンの原子
と、光触媒に付着した硬度成分、たとえば、カルシウム
の原子との比率が1〜100対100〜1になった時点
で捉えて、この光触媒を酸溶液で洗浄して硬度成分を除
去し、光触媒の再生を正確に、効果的に行うことに特徴
がある。
【0014】さらに、本発明は、前述した光触媒の再生
方法の酸溶液として、クエン酸、リン酸、二酸化炭素溶
液等の弱酸溶液で光触媒を洗浄することによって、その
光触媒の洗浄廃液の処理を不要にすることに特徴があ
る。
【0015】さらに、本発明は、前述した光触媒の再生
方法の酸溶液の洗浄とともに、ガスによるバブリングま
たはブラシによるブラッシングを並行することによっ
て、光触媒に付着した硬度成分の除去を、より短時間
で、より効率的に行うことに特徴がある。
【0016】以下、本発明の実施態様の一例を図面に従
って説明すると、図1に示すように、光化学反応処理を
行う反応槽1内の中央に、光照射を行うブラックライト
等の光源2を配置し、この光源2の周辺に、二酸化チタ
ン(TiO2 )をコーティングした直径5mmのガラス
ビーズ等の光触媒3を充填し、また反応槽1の下部に流
入管4を接続するとともに反応槽1の上部に流出管5を
接続する。
【0017】反応槽1内のブラックライト等の光源2を
点灯した後、有機物や細菌等を含む被処理液を、下部の
流入管4より反応槽1内に上昇流で流入させ、被処理液
に対して光源2より光照射して、光触媒3と接触させな
がら、液体中の有機物の酸化分解、細菌の殺菌等の光化
学反応処理を行い、有機物や細菌等がほとんど含まない
処理液を反応槽1の上部に流出管5より採液する。
【0018】前述した液体中の有機物の酸化分解、細菌
の殺菌等の光化学反応処理を行っている間に、被処理液
中に含まれているカルシウムやマグネシウム等の硬度成
分が、光触媒3の表面に付着し、硬度成分の被膜を形成
され始めると、光触媒3の活性が急激に低下し、有機物
や細菌等を微量含んだ処理液が反応槽1の上部に流出管
5より流出し、光化学反応処理結果が突然に悪化する。
【0019】そこで、この処理液の処理結果が突然悪化
し始めた時点を捉えて、流入管4より反応槽1内への被
処理液の流入を中断し、反応槽1内のブラックライト等
の光源2を消灯した後、1N(規定)のクエン酸溶液
を、下部の流入管4より反応槽1内に上昇流で流入さ
せ、クエン酸溶液で光触媒3を洗浄することによって、
光触媒3の表面に膜状に付着、蓄積したカルシウムやマ
グネシウム等の硬度成分の洗浄を行って、光触媒3の表
面に付着、蓄積した被膜状の硬度成分を洗い落とし、光
触媒3の表面を露出させて、光触媒3の活性を回復さ
せ、光触媒3を洗浄したクエン酸洗浄廃液を反応槽1の
上部の流出管5より排出させる。
【0020】なお、液体中に含まれている硬度成分が、
光触媒3の表面に付着し、硬度成分の被膜が形成され始
めると、光触媒3が液体中の硬度成分の付着により活性
が急激に低下し、光化学反応処理をした液体の処理結果
も突然に悪化するので、光触媒の活性低下の初期段階、
すなわち、処理液の処理結果が悪化し始めた時点のTO
C値やトリハロメタン値等を測定して、前述したクエン
酸溶液で光触媒3を再生してもよい。
【0021】また、光触媒3の活性が急激に低下し始
め、処理液の処理結果が突然悪化し始めると、光触媒3
のチタンの原子と光触媒に付着したカルシウムの原子の
比率が1〜100対100〜1の値に変化するので、反
応槽1内の光触媒3の一部を間欠的に取り出して、光触
媒3のチタンの原子と光触媒に付着したカルシウムの原
子の比率を柴田科学器機工業(株)製の原子吸光分生光
度計(ANA−182型)で測定し、望ましくは、光触
媒3が液体中の硬度成分の付着により活性が急激に低下
する直前、すなわち、処理液の処理結果が突然悪化する
直前の時点、すなわち、光触媒3のチタンの原子とカル
シウムの原子の比率が1〜100対100〜1の値にな
った時点で、クエン酸溶液で光触媒3を再生することが
最も望ましい。
【0022】なお、クエン酸溶液を反応槽1内に流入す
る際に、反応槽1内に空気等のガスを圧入することによ
って、光触媒3をバブリングし、クエン酸溶液による硬
度成分の剥離、洗い落としを促進してもよいし、また、
反応槽1内に充填されている光触媒3をブラシによって
ブラッシングすることによって、クエン酸溶液による硬
度成分の剥離、洗い落としを促進してもよい。
【0023】また、クエン酸溶液による光触媒3の硬度
成分の洗浄は、反応槽1内の硬度成分を付着した光触媒
3を流出管4より別途の貯槽(図示せず)に取り出し、
この貯槽内にクエン酸溶液を流入させ、攪拌して光触媒
3の表面に付着した硬度成分を洗浄することによって、
硬度成分を剥離して洗い落として光触媒3を再生し、こ
の活性の回復した光触媒3を再び反応槽1内に充填して
もよい。
【0024】光触媒3として使用できる代表的なものと
しては、たとえば、酸化チタン(TiO2 )、チタン酸
ストロンチウム(SrTiO2 )、硫化カドミュウム
(CdS)、硫化モリブデン(MoS2 )、酸化亜鉛
(Zno)、酸化タングステン(WO3 )、酸化銅(C
uO2 )、酸化鉄(Fe23 )、シリコン(Si)等
の半導体単体、またはこれらの半導体単体に金(A
u)、白金(Pt)、銅(Cu)、錫(Sn)、パラジ
ウム(Pd)、ロジウム(Rh)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化ロジウム(RhO2 )等の金属もしくは金属
酸化物を担持したものがある。
【0025】なお、前述した光触媒3をネット状やラシ
リング状等の形状にしたり、また光触媒3を、活性炭、
シリカ、アルミナ、ガラス、ゼオライト等の粒子状の担
体あるいは石英ガラスや硬質ガラス等を被覆したネット
状やラシリング状等の形状の担体にコーティングした
り、さらには、光触媒3を膜状、薄板状にして反応槽1
の内面や構成部品の側面等の流体の接触個所に貼り付け
たり、コーティングしてもよい。
【0026】光源2としては、前述したブラックライト
以外に、低圧または高圧水銀灯、キセノンランプを使用
でき、場合によっては太陽光を使用してもよく、これら
以外にも、可視または紫外線領域の光線を照射できるも
のであればどのようなものでも使用でき、この光源2は
透光管6に内蔵させる。
【0027】光触媒3の金属もしくは金属酸化物の原子
と光触媒に付着した硬度成分の原子の比率を測定する機
器としては、前述した柴田科学器機工業(株)製の原子
吸光分生光度計以外に、(株)島津製作所製の原子吸光
分生光度計(AA−6400)、セイコー電子工業
(株)製原子吸光分生光度計(SAS7500)も使用
することができる。
【0028】光触媒3を洗浄する酸溶液としては、クエ
ン酸、リン酸、二酸化炭素溶液等の弱酸溶液が最適であ
るが、これらの弱酸溶液以外にも、硝酸等の強酸溶液も
使用でき、特に弱酸溶液を使用した場合には廃水処理が
容易であり、たとえば、クエン酸溶液の場合には、生物
処理で分解除去が可能であり、二酸化炭素溶液の場合に
は、簡単な気液接触処理で分解除去が可能であり、場合
によっては、そのまま放流することも可能である。
【0029】クエン酸、リン酸、二酸化炭素溶液等の弱
酸溶液としては、PHを5以下にすることが望ましく、
また触媒3に対する洗浄は1〜30時間行うことが望ま
しい、さらに、硝酸等の強酸溶液としても、PHを5以
下にすることが望ましく、また触媒3に対する洗浄は、
0.1〜30時間行うことが望ましい。
【0030】光触媒3を酸溶液によって洗浄の際、ガス
等によって光触媒3をバブリングすると、これらの相乗
作用によって、光触媒3に付着、蓄積したカルシウムや
マグネシウム等の硬度成分の剥離、洗い落しが一段とよ
くなり、これを行わない場合と比較して、光触媒の再生
時間を1.1〜3倍短縮することができる。ガスとして
は、安価であるために空気が適しているが、空気以外に
も炭酸ガスも使用でき、特に炭酸ガスを使用した場合に
は、洗浄液としての二酸化炭素溶液と同様な作用を有す
るので、最も適している。なお、ガス等によるバブリン
グは、ガスホールアップが1〜100%の条件でで行う
とよい。
【0031】光触媒3を酸溶液によって洗浄する際、光
触媒3をブラシ、たとえばプラスチック製のブラシでブ
ラッシングすると、これらの相乗作用によって、光触媒
3に付着、蓄積したカルシウムやマグネシウム等の硬度
成分の剥離、洗い落しが一段とよくなり、これを行わな
い場合と比較して、光触媒の再生時間を1.1〜3倍短
縮することができる。
【0032】なお、光触媒3の存在下において、被処理
液に対して光源2より光照射して行う、液体中の有機物
の酸化分解、細菌の殺菌等の光化学反応処理は、従来行
われている公知の条件でよいので、説明を省略する。
【0033】
【実施例1】図1に示すような光化学反応処理を行う4
リットルの反応槽内の中央に、光源として東芝ライテッ
ク(株)製の365nm付近の波長のブラックライト
(FL20S BLB)を装填するとともに、この反応
槽内に、光触媒として二酸化チタン(TiO2 、アナタ
ーゼ型)をコーティングした直径5mmのガラスビーズ
を2リットル充填した後、反応槽内に、有機物としてア
セトアルデヒド含有量1000mg/リットルに調整し
た水道水を被処理水として、32リットル/hrの流速
で通水して、アセトアルデヒドの光照射処理を行い、ア
セトアルデヒド含有量50mg/リットルの処理水を採
水した。
【0034】前述した処理を24時間行ったところ、光
触媒に水道水中のカルシウムやマグネシウム等の硬度成
分が付着し、光触媒の表面に硬度成分の被膜を形成され
て行き、光触媒の活性が急激に低下し、光照射した処理
液のアセトアルデヒド含有量が200mg/リットルに
悪化し始めたので、流入管より反応槽内への被処理液の
流入を中断した。
【0035】次いで、洗浄液として、1N(規定)濃度
のクエン酸溶液を1リットル/hrの流速で反応槽内に
12時間通液して活性の低下した光触媒を洗浄し、光触
媒の活性度をほぼ100%再生し、そのクエン酸溶液の
洗浄廃液を特別な処理を行うことなく河川に放流した。
なお、次回のクエン酸溶液の洗浄の際に、加圧した炭酸
ガスを反応槽内に、ガスホールアップが20%上昇する
条件で圧入してバブリングを行い、光触媒の洗浄を6時
間行ったところ、光触媒の活性度はほぼ100%再生
し、クエン酸溶液のみによる洗浄に比較して、光触媒の
再生時間を半減させることができた。
【0036】
【実施例2】図1に示すような光化学反応処理を行う1
リットルの反応槽内の中央に、光源として、株式会社日
本フォトサイエンス社製の254nmの波長の低圧水銀
灯(AY−1)を装填するとともに、この反応槽内に光
触媒としてTiO2 をコーティングしたガラス繊維シー
ト(30×10cm)を挿填した。
【0037】そして、以上述べた反応槽内に、有機物と
してトリクロロエチレン1mg/リットル溶解させた地
下水を被処理水として32リットル/hrの流速で通水
して、トリクロロエチレンの光照射処理を行い、トリク
ロロエチレン0.1mg/リットルの処理水を採水し
た。
【0038】前述の処理を継続している間、反応槽内の
光触媒の一部を間欠的に取り出して、光触媒のチタンの
原子と光触媒に付着したカルシウムの原子の比率を測定
し、この原子比率が1対1になった時点を捉え、流入管
より反応槽内への被処理液の流入を中断し、洗浄液とし
て、1N(規定)濃度のクエン酸溶液を1リットル/h
rの流速で反応槽内に12時間通液して活性の低下した
光触媒を洗浄し、光触媒の活性度をほぼ100%再生
し、そのクエン酸溶液の洗浄廃液を特別な処理を行うこ
となく河川に放流した。
【0039】前述したように、光触媒のチタンの原子と
光触媒に付着したカルシウムの原子の比率が200対1
の場合は、光照射した処理液のトリクロロエチレン含有
量は0.1mg/リットルであって、光触媒の活性は維
持され、処理液の光照射結果は悪化しないが、この原子
比率が100対1を超えて、1対1になると、光触媒の
活性が急激に低下し、光照射した処理液のトリクロロエ
チレン含有量が0.2mg/リットルに悪化した。
【0040】また、次回のクエン酸溶液の洗浄の際に、
反応槽内に加圧した炭酸ガスをガスホールアップが20
%になるような条件で圧入してバブリングを行い、光触
媒を洗浄を6時間行ったところ、光触媒の活性度はほぼ
100%再生し、クエン酸溶液のみによる洗浄に比較し
て、光触媒の再生時間を半減させることができた。
【0041】
【発明の効果】本発明によると、液体中の有機物の酸化
分解、細菌の殺菌等の光化学反応処理を行っている間
に、硬度成分が付着して活性低下した光触媒を、廃棄せ
ずに(特に活性が残存する光触媒を廃棄せずに)、再生
して光化学反応処理に継続して使用できるので、資源の
再利用となり、光触媒による光化学反応処理コストを、
効率的に、安価にすることができるとともに、従来の酸
化剤による光触媒の再生の場合のように、光触媒の素材
を痛めることもない。
【0042】特に、硬度成分が付着して急激に活性低下
を起こす光触媒を、光触媒の金属もしくは金属酸化物
(たとえば、チタン)の原子と光触媒に付着した硬度成
分(たとえば、カルシウム)との原子の比率を測定する
ことによって、活性低下を起こす直前の光触媒を酸溶液
で再生するので、光触媒の活性低下を招くことなく、す
なわち、液体の光化学反応処理結果の悪化を招くことな
く、常に高純度の処理液を一段と効率的に採液すること
が可能である。
【0043】また、本発明によると、弱酸溶液で活性の
低下した光触媒を再生した場合、洗浄廃液中の弱酸を、
生物処理または簡単な気液接触処理で分解除去できるな
ど廃水処理が容易であり、場合によっては、そのまま放
流することも可能であるために、洗浄廃液の処理コスト
を低減できるメリットがある。
【0044】さらに、本発明によると、光触媒の再生の
際、酸溶液の洗浄とガス等によるバブリングを同時に行
うことによって、その相乗作用によって、光触媒に付
着、蓄積した硬度成分の剥離、洗い落しを一段とよく
し、短時間で光触媒の再生を可能にし、光触媒による光
化学反応処理効率を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性の低下した光触媒を酸溶液で再生
する反応槽の説明図である。
【符号の説明】
1 反応槽 2 光源 3 光触媒 4 流入管 5 流出管 6 透光管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 38/62 B01J 38/62 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島2073番地の2ニュ ーシティ本郷台D棟213号 (72)発明者 中野 浩二 東京都八王子市散田町5丁目8番3号 株 式会社日本フォトサイエンス内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒の存在下で、低圧または高圧水銀
    灯、キセノンランプ、ブラックライト等による光照射を
    行って、液体中の有機物の酸化分解、細菌の殺菌等の光
    化学反応処理を行い、液体中のカルシウムやマグネシウ
    ム等の硬度成分の付着により活性が急激に低下した光触
    媒を、酸溶液で洗浄して硬度成分を除去する光触媒の再
    生方法。
  2. 【請求項2】 光触媒が、液体中のカルシウムやマグネ
    シウム等の硬度成分の付着により、活性が急激に低下し
    始める直前または活性が低下する初期段階で、光触媒を
    酸溶液で洗浄して硬度成分を除去する請求項1記載の光
    触媒の再生方法。
  3. 【請求項3】 光触媒が、液体中のカルシウムやマグネ
    シウム等の硬度成分の付着により、活性が急激に低下し
    始める直前または活性が低下する初期段階であって、光
    触媒の金属もしくは金属酸化物、たとえば、チタンの原
    子と、光触媒に付着した硬度成分、たとえば、カルシウ
    ムの原子との比率が1〜100対100〜1になった時
    点で、光触媒を酸溶液で洗浄して硬度成分を除去する請
    求項1または請求項2記載の光触媒の再生方法。
  4. 【請求項4】 クエン酸、リン酸、二酸化炭素溶液等の
    弱酸溶液で洗浄する請求項1または請求項2または請求
    項3記載の光触媒の再生方法。
  5. 【請求項5】 酸溶液の洗浄とともに、ガスによるバブ
    リングまたはブラシによるブラッシングを行う請求項1
    または請求項2または請求項3記載の光触媒の再生方
    法。
JP8324879A 1996-11-21 1996-11-21 光触媒の再生方法 Pending JPH10151354A (ja)

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