JP2000300957A - 気相用光触媒装置及び有害物質処理方法 - Google Patents

気相用光触媒装置及び有害物質処理方法

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JP2000300957A
JP2000300957A JP11109142A JP10914299A JP2000300957A JP 2000300957 A JP2000300957 A JP 2000300957A JP 11109142 A JP11109142 A JP 11109142A JP 10914299 A JP10914299 A JP 10914299A JP 2000300957 A JP2000300957 A JP 2000300957A
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mist
photocatalytic
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gas
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Shiro Ogata
四郎 緒方
Kazuhiko Sonomoto
和彦 園元
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Tao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理対象ガス中の難分解性物質を有効に分解
することができる光触媒装置を提供する。 【解決手段】 ミスト状水分を発生させる水分発生手段
と、ミスト状水分に付着された処理対象ガス中の有害物
質を光触媒機能により分解する光触媒体と、光触媒体を
加温する手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能により
気体中の有機化合物や無機ガス類を分解して清浄化する
気相用光触媒装置及び光触媒機能により有害物質を分解
する有害物質処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学製品が増加して居住環境内外で
フロン、トリクロロエチレン、テトロクロロエチレン、
ハロゲン(フッ素、塩素、臭素など)を含む有機化合物
の複合汚染が問題となっている。これを解決する手段と
して光触媒半導体による酸化分解を利用した浄化装置が
使用されている。例えば、基体の表面に光触媒半導体を
担持したフィルターを有害有機化合物が浮遊する気体中
に置くことにより有害有機化合物を光触媒半導体に接触
させるように構成した装置がある。
【0003】上述した光触媒機能は、アナターゼ型酸化
チタン(TiO)に代表される光触媒半導体超微粒子
の表面に励起波長を受光することで、その表面に酸化還
元分解に必要な活性ラジカル種が発生し、機能すると考
えられている。そのため、光触媒機能をより高活性にす
るために、高活性を有するアナターゼ型酸化チタンを基
板表面に造膜すること、その基板に励起波長を確実に受
光させること及び分解対象物質を光触媒体に確実に接触
させることがまず考えられる。
【0004】そのため、光触媒機能層を形成する材料や
造膜方法のみならず、光触媒機能層を有するフィルター
の形状や配置について種々の提案がなされている。例え
ば、特開平7−108138号には、薄板からなる羽根
状の反応板に光触媒を担持させ、この反応板を空気通路
にブラインド形状に配列した装置が開示されている。特
開平8−121827号には、浄化空気通路中に設置さ
れた紫外線ランプの前後に山形状に折り曲げた光励起触
媒不織布を設置した装置が開示されている。また、特開
平9−136017号には、排ガス中の揮発性有機ハロ
ゲン化合物を含有する排ガスに低圧水銀ランプにより紫
外線を照射しながら光触媒を接触させるように構成した
装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、光触媒
による酸化還元分解は、処理対象物質がO 、OH
等の活性ラジカル種と接触することで分解性能が生まれ
ると言われている。しかしながら、上述した従来の装置
では、処理対象物質が、フロンのように難分解性でかつ
大気中に微量(ppbレベル)含有される有害物質であ
る場合、光触媒フィルターと処理対象物質が確実に接触
するには時間がかかったり、光触媒フィルターと処理対
象物質が接触する機会が少ないという問題があった。ま
た、光触媒による分解性能は、それぞれの化合物の分子
量と共に分子間結合の強度によると言われている。一般
的にアナターゼ型酸化チタンの光触媒効果を有効に発揮
させる紫外線の励起波長は、360〜380nmであ
る。しかるに処理対象物質がフロン(CHClF、C
Cl等)のように分子間結合エネルギーが強い難
分解物質である場合、上記の励起波長をもつ紫外線でこ
の分子間結合を弛緩させることは困難である。例えば3
65nmの波長をもつ紫外線から照射されるエネルギー
は328KJ/molであり、上記の紫外線で分子間結
合を弛緩できる化合物は、0−0、C−N、C−Clと
いった結合をもつものに限られ、上述した活性ラジカル
種による酸化分解で分子間結合を弛緩させるのは極めて
困難である。また、特開平9−136017号に開示さ
れているように波長250nm以下の紫外線を光触媒体
に照射しても活性ラジカル種が発生せず、光触媒機能を
発揮させることはできない。
【0006】したがって本発明の目的は、光触媒機能に
より微量有害物質を分解することのできる気相用光触媒
装置を提供することである。本発明の他の目的は、難分
解性有害物質を分解することのできる有害物質処理方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、有害物質を含有する処理対
象ガスが通過する雰囲気にミスト状水分を発生させる加
温手段と、前記ミスト状水分に付着された有害物質を光
触媒機能により分解する光触媒体と、前記光触媒体を加
温する手段とを有する、という技術的手段を採用した。
第1の発明において、前記ミスト状水分が存在している
雰囲気中に、260nm以下の波長を有する電磁波を照
射する電磁波発生手段が前記光触媒体の前段にもしくは
前記光触媒体と併存して設置されていることが好まし
い。第1の発明において、前記光触媒体は、ステンレス
鋼又は、Cu、Al、Ti及びそれらの合金の内の1種
以上の材料からなる透過接触性をもつ金属基板の上に光
触媒機能層が担持されていることが好ましい。この金属
基板によれば、ガスの透過量が少ないので、光触媒体に
加わる圧力を下げ、流動性を向上することができ、従っ
て光触媒体との接触機会を増すことができる。また、基
板が金属で形成されているので、そこに通電することに
より、光触媒体を加湿することができる。第1の発明に
おいて、前記光触媒体は、流体の移動方向に沿って配置
されていることが好ましい。上記目的を達成するため
に、第2の発明において、有害物質を含む処理対象ガス
をミスト状水分を含む雰囲気中を通過させて、前記有害
物質を前記ミスト状水分に担持させ、このミスト状水分
を加温した後そこに付着した前記有害物質を光触媒体に
接触させると共に前記光触媒体に300〜400nmの
波長をもつ電磁波を照射する、という技術的手段を採用
した。第2の発明において、ミスト状水分を含む雰囲気
中に、260nm以下の波長をもつ電磁波を照射するこ
とが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を図面により説
明する。図1〜図3は、本発明の光触媒装置の概略断面
図である。図1において、1は光触媒装置であり、気相
状態の被処理対象物(排ガス)を流入口からミスト発生
手段4と低圧紫外線ランプ5を有する処理ユニット2内
に導入し、次いで処理ユニット2で加湿された排ガスを
高圧紫外線ランプ9と光触媒体10を有する光触媒ユニ
ット7に導入し、そこで排ガス中に含まれる有害物質を
分解・除去し、次いで清浄化された気体を排出するよう
に構成されている。上記の処理ユニット2により、流入
したガスは、ミスト状水分が浮遊している雰囲気内を通
過することにより、排ガス中に含まれる有害物質はその
水分に付着する。この場合、分解高活性に必要な活性ラ
ジカル種の発生を促す水分は連続的に供給される必要が
ある。この処理ユニット2には、低圧紫外線ランプ5が
設けられているので、排ガスがフロンのような難分解性
物質を含んでいても紫外線ランプ5により260nm以
下の波長をもつ電磁波を照射することにより、化合物の
分子間結合力や静電間結合力を弱めることができる。次
に処理ユニット7内においては、有害物質を担持したH
Oは光触媒機能により、HO+h→OH +H
の反応でヒドロキシシルラジカルは各種化合物を酸化
し、Hによる活性化で、被処理対象物の清浄化が行な
われる。光触媒ユニット7内では、紫外線ランプ9によ
り400nm以下の波長を有する紫外線が照射される。
光触媒体10を後述の金属材料で形成し、この光触媒体
に直流電圧源11を接続すればよい。光触媒体10に電
圧が印加されると、光触媒体は発熱し、そこに付着し
た、有害物質を担持した水分が乾燥し、水の膜厚をコン
トロールすることができる。この場合、光触媒体10は
室温以上、80℃以下の温度になるように加温すればよ
く、特に光触媒ユニット7内の湿度が80%以下になる
ようにすれば、光触媒機能の低下は少ない。なお図1は
処理ユニット7にポンプなどの流体圧送手段(図示せ
ず)を付加することが好ましい。但し、気体が加圧され
るあるいは流体搬送システムそれ自体に搬送圧力がある
場合には、流体圧送手段を設けるまでもない。また光触
媒ユニット7内に異物を除去するためのフィルターを設
けることができる。但し光触媒体が光触媒機能とフィル
ター機能を併せ持つ場合には、フィルターは不要であ
る。
【0009】図2及び図3は、本発明の他の実施例に係
る光触媒ユニットの概略断面図であり、図1と同一機能
部分は同一の参照符号で示す。両図の光触媒ユニット1
Aは、図1に示す2つのユニットを一体化したものであ
る。まず、図2の光触媒装置1Aは、下部に排ガスの流
入口3を有しかつ上部に排ガスの流出口8を有する単一
の光触媒ユニット2Aを備えている。処理ユニット2A
の内部には、その流入口の位置レベルに、ミスト発生手
段4と波長260nm以下(例えば185nm又は25
4nm)の紫外線を発生させる低圧紫外線ランプ5が設
置されると共に、その流出口の位置レベルに、光触媒体
10とそれを加温するための直流電圧源11と光触媒体
10に400nm以下(例えば360〜390nm)の
励起波長を照射するための高圧紫外線ランプ9が設置さ
れている。この光触媒装置1Aによれば、流入口3から
処理ユニット2Aに流入した難分解性有害物質を含む排
ガスは、流入口近傍でミスト状水分と接触することによ
り、ガス中に含まれる有害物質は水分に付着すると共に
上記260nm以下の紫外線により分子間結合が弱めら
れる。水分に付着したこの有害物質は光触媒体10と接
触してそこに付着するが、光触媒体10に電圧を印加す
ることにより、加温されると共に光触媒体10の活性ラ
ジカル種によって容易に分解される。次に、図3の光触
媒装置1Bは、下部に流入口3を有しかつ上部に流出口
8を有する光触媒処理ユニット2Bを備えており、この
処理ユニット2Bの内部には、流入口位置レベルにある
ミスト発生手段4と、光触媒体10と、そこに波長40
0nm以下の励起波長を照射する高圧紫外線ランプ12
が配設されている。この光触媒装置1Bによれば、処理
ユニット2B内に流入した排ガスは、ミスト状水分に付
着し、次いで排ガス中に含まれる有害物質を担持した水
分が光触媒体10に接触することにより、水分の一部は
蒸発すると共に上記有害物質は活性ラジカル種によって
分解される。この装置により、難分解性有害物質を分解
するのは困難であるが、NOxガスなどの分解には有効
である。
【0010】次に、図1の光触媒ユニットの具体的構造
を説明する。図4は本発明の一実施例に係る光触媒ユニ
ットの縦断面図、図5は図4のA-A線矢視図であり、
図1と同一機能部分は同一の参照符号で示す。両図にお
いて、1は光触媒ユニットであり、ベース(図示せず)
上に立設された円筒状を有する処理ユニット7とその内
部に収納され、電磁波発生手段11に接続された斜円板
状の透過接触性光触媒体10とを有する。処理ユニット
7は、下部に処理対象ガスが流入する連通口6を有し、
上部には、浄化されたガスが流出する流出口8が形成さ
れると共に、処理ユニット7の上端面はボルト12を介
して着脱自在に取着されたふた13で密閉されている。
ふた13の内面には、保護管付紫外線ランプ9が装着さ
れている。14は電源プラグである。自然光も利用して
光触媒を機能化する場合には、処理ユニット7に、図示
しない透光性化粧窓[例えば処理槽7の一部を切欠いて
そこに透明なシート(プラスチック板又はガラス板)を
貼着して形成される]を設けてもよい。
【0011】上記処理ユニット7は、励起発光管9から
照射された紫外線を反射させ、光触媒体に導くために、
例えば紫外線が近紫外線の場合には、アルミニウム合金
又はステンレス鋼のような励起波長を反射しうる機能を
有する材料で形成することが望ましい。更に処理槽7の
内周面に光触媒機能層を形成しておくと、処理対象ガス
の清浄化をより効率よく行うことができる。なお紫外線
の波長は360〜390nm程度であれば光触媒体の表
面に活性ラジカル種を有効に発生させることができる。
【0012】上記光触媒ユニット1によれば、処理槽2
(図1参照)で処理され、連通口6より処理ユニット7
内に流入した処理対象ガスは、光触媒体10と接触し、
励起発光管9からの紫外線で活性化された光触媒により
処理対象ガスの各種化合物が酸化分解され、次いで清浄
なガスが流出口8から排出される。光触媒体10は、励
起発光管9に対して傾斜して配置されているので、光触
媒機能層は均等にかつ大量の紫外線を受光することが可
能となり、光触媒機能化を確実に行うことができる。上
記光触媒による酸化分解が継続して行われると、窒素化
合物、イオウ化合物あるいは塩素化合物の場合には、中
間生成物が光触媒機能層の表面に付着して、分解効率が
低下する。その場合には、ふた13を開放した後光触媒
体10を上方に引上げ、この光触媒体10を水(例えば
弱酸性水)で洗浄してから、処理ユニット7内にセット
すればよい。
【0013】本発明では、上述した光触媒体10は、基
体の表面に光触媒機能層が造膜された構造を有し、図6
に示すように、基体を多数の空孔21を有する基板20
に微粒子22からなる多孔質層23を形成して、透過接
触性能を有しかつ多表面積をもつ多孔質積層体(以下多
表面積多孔質積層体という)とした構成とすることが好
ましい。光触媒フィルターに多表面積をもたせるための
多孔質層を構成する微粒子は、セラミック、ガラス、金
属、プラスチック等材質は問わないが、基板の材質と同
一であることが望ましい。また基板は、金網、エクスパ
ンドメタル、パンチングメタル等の網状体又はそれと類
似のものであってもよい。この場合基板と微粒子との位
置関係が重要であって、微粒子は、処理対象物質を含有
する気体が透過する空孔21の周辺に効果的に接触し、
且つ励起波長を受光する位置に配されている必要があ
る。図6において、処理対象物質を含有する気体が多表
面積多孔質積層体{平面投影面積(A)}を透過する時
の単位時間当りの透過量をa、多表面積多孔質積層体の
内光触媒半導体金属が造膜された領域の平面投影面積
(b)と上記平面投影面積(A)との比率(表面積比)
をb/A、多表面積多孔質積層体の側面の表面積(c)
と上記平面投影面積(A)との比率(側面表面積比)を
C/Aとすると、励起波長が図面の上下から発生してい
るとして、透過量(a)及び表面積比(b/A)ができ
るだけ多く、かつ、側面表面積比(C/A)ができるだ
け小さいといった条件を満足させることが好ましい。
【0014】また、光触媒機能化の条件を満足するため
には、光触媒半導体金属が励起波長を受光することが必
要であり、多数の板状光触媒フィルターが表裏とも均等
に受光することが望ましい。そのために本発明では板状
の光触媒フィルターを励起波長発源に対し傾斜させてい
ることで造膜面により多く受光することが可能になる。
【0015】本発明では、次のようにして複数の空孔を
有する基板の表面に微粒子からなる多孔質層を形成する
ことが望ましい。この多孔質層は、例えば、平均粒径1
0〜400μmの金属粉末を水等の溶媒に混合したスラ
リー(固形分60〜80重量%)を基板の表面に塗布
し、乾燥後焼結することにより得られる。基板もしくは
微粉末を形成する金属材料としては、SUS304、S
US310、SUS316等のオーステナイト系ステン
レス鋼、Ti又はその合金(Ti−Mn系、Ti−Cr
系等)、Cu又はその合金あるいは、Al又はその合金
(Al−Si−Mg系)、Fe又はその合金を用い得
る。但しFe系材料の場合は、表面に耐酸化性皮膜(酸
化鉄)を形成することが好ましい。金属粉末は、その粒
径が小さすぎると価格が高くなり(粉砕時間が長くな
る)、大きすぎると微細な空孔が得られなくなるので、
平均粒径10〜400μmのものを用いることが好まし
い。焼結温度は、金属粉末の材質に応じて定めればよい
が、低すぎると十分な焼結密度が得られず、強度が低下
し、一方金属の融点近くになると各粒子が融着して却っ
て粗大な空孔が形成されてしまうので、SUS、Ti、
Cuの場合は800〜1000℃の範囲が、Alの場合
は300〜400℃の範囲が好ましい。
【0016】このようにして得られた多孔質層は、1〜
10μmの空孔径を有することが好ましい。空孔径が大
きすぎると、空気の浄化に使用しても微細な異物を阻止
できなくなり、清浄な空気が得られなくなるので、10
μm以下とする必要がある。また多孔質層の厚さは薄い
と強度が不足し、一方厚いと透過抵抗が大きくなるの
で、10〜100μmの厚さが好ましい。
【0017】多孔質層を形成する金属粒子は、定形粒子
(球形あるいは粒状粉粒子)又は不定形粒子(角状粉粒
子のような鋭利な角をもつ粒子)のことが多いが、鱗状
あるいは薄片状であってもよい。基体への固定に焼付け
などの溶融手段を採用するときは、馴染がよいことから
基体と同じ素材であることが好ましい。しかし、素材が
異なっても適切なバインダーを適量に利用することなく
固定することができる。なお、基体と表面積を増大する
ための粒子とが異種の素材である場合には線膨張係数を
合わせておくか、どちらか一方の材の線膨張に見合う伸
縮性を保持していることが必要である。バインダーとし
ては無機ガラス、フリット(釉薬)、金属粉あるいは通
常の熱可塑性樹脂などを用い得る。上記金属粒子を積層
するには、スプレーやディッピングを数回繰り返すなど
の他にスクリーンを用いた転写(プリント)を繰り返す
などの手段がある。そして、積層に際して粒子を基体側
が密に基体から離れるにしたがって粗に積層する場合に
は、スプレー液やディッピング液における粒子の分散程
度(密度)を調節するとかプリントに使用するスクリー
ンの目の粗さを選択する。また、積層する粒子の粒径を
選択することでも可能である。さらに、断面における積
層の構造を選定することでも可能である。すなわち、正
確に位置決めできるスクリーンを数枚用い、積層の断面
形態において基体側を底辺とし基体から離れた位置に頂
点を備えた構造とする。この構造によっても上記金属粒
子は結果的に基体側が密に基体から離れるにしたがって
粗に積層される。
【0018】本発明において、基板がセラミックスや金
属材料等の無機材料の場合は、光触媒機能層は、例えば
TiOなどの光触媒半導体を混入しているゾル液を、
基体の表面にスプレーやディッピングで付着させ、乾燥
させたのち、200℃〜500℃未満の温度で焼き付け
て、0.1〜1.5μmの厚さに形成することができ
る。基板が有機高分子材料(FRP、アクリル、ポリカ
ーボネート等)の場合は、その表面に直接光触媒半導体
を造膜できないので、アモルファス型過酸化チタンまた
は酸化チタンをブロック層として基板の表面に設け、そ
の上に光触媒半導体を0.1〜1.5μmの厚さに造膜
し、常温〜200℃の温度で焼付けることにより光触媒
機能を有する基板を得るできる。
【0019】さらに、光触媒機能層の中に防黴殺菌など
の機能補完用にPt、Ag、Rh、RuO、Nb、C
u、Sn、NiOの粒子を微量混入したり、吸着機能を
付加して酸化還元による分解性能を向上させるためにゼ
オライト、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、ルチル型酸化チタン、リン酸ジ
ルコニウムなどの無機材料、あるいは各種の活性炭、多
孔質のフェノール樹脂やメラミン樹脂を一種または二種
以上混入することができる。特に、有害物質を光触媒機
能層に確実に付着させるために、Pt、Cr等の粒子を
添加することが望ましい。
【0020】また、基体の表面に過酸化チタン水溶液な
どの保護材をスプレーして保護被膜を形成する下地処理
を施してから光触媒機能層を形成することもできる。い
ずれの場合も過酸化チタン水溶液(オキシサンタイニッ
ク・チタン・アシド)で事前に被膜を形成しておくとT
iOゾル液の付着、展延性が改善されて濡れ易く、基
体の表面に光触機能層を均一に、かつ、広く形成するこ
とができる。この過酸化チタン水溶液は基体がステンレ
ス鋼のような金属の場合でも展延性に優れTiOゾル
液を広く均一に塗布するのに有効である。過酸化チタン
水溶液はバインダーとしても機能するが、組成的にセラ
ミック系統のものを含まず、金属との相性が良いので基
体の表面に形成した光触媒機能層が、基体が撓んだり振
動しても剥離することが少ない。
【0021】光触媒半導体としてはTiOの他にZn
O、SrTiO、CdS、CdO、CaP、InP、
In、CaAs、BaTiO、KNbO
Fe 、Ta、WO、SnO、Bi
、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS
MoS、InPb、RuO、CeOなどがある。
この中で酸化チタンTiO(アナターゼ型)が安価で
特性が安定しており、かつ、人体に無害であり、光触媒
として最も優れている。
【0022】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、種々の変形が可能である。例えば、光触媒
体を収納する容器(処理ユニット)の断面は円形状ある
いは矩形状のものに限らず、楕円形状あるいは多角形状
といった他の形状でもよく、また光触媒体を有する処理
容器に透光性化粧窓を設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明の光触媒装置は、光触媒体の直前
にミスト状水分を発生させ、その雰囲気中を処理対象ガ
スが通過して処理対象物質をミスト状水分に付着させて
から、加温された光触媒体に付着させるので、排ガス中
を浮遊する有機化合物を光触媒機能層に確実に接触させ
ることができ、しかも、光触媒体は加温されているの
で、高い浄化性能を維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光触媒装置の概略断面
図である。
【図2】本発明の他の実施例に係る光触媒装置を示す概
略断面図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る光触媒装置を示す概
略断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る光触媒ユニットを示す
縦断面図である。
【図5】図2のA−A線矢視図である。
【図6】本発明の光触媒体を構成する基体の断面を示す
模式図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 光触媒装置、2、2A、2B、7 処
理ユニット 3 流入口、4 ミスト発生手段、5 低圧紫外線ラン
プ、8 流出口、9 高圧紫外線ランプ、10 光触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/36 J Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC01 HH06 JJ03 KK08 LL02 MM02 QQ12 4D048 AA11 AA17 AB01 AB03 BA02Y BA06Y BA07X BA14Y BA15Y BA16Y BA17Y BA19Y BA20Y BA21Y BA22Y BA24Y BA26Y BA27Y BA32Y BA35Y BA36Y BA38Y BA39X BA41X BA41Y BA42Y BA44Y BA45Y BA46Y BB03 CA01 CC40 CC53 CD10 EA01 4G069 AA01 AA03 BA04A BA04B BA17 BA18 BA48A CA07 CA10 CA15 CA19 DA06 EA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質を含有する処理対象ガスが通過
    する雰囲気にミスト状水分を発生させる加湿手段と、前
    記ミスト状水分に付着された有害物質を光触媒機能によ
    り分解する光触媒体と、前記光触媒体を加温する手段と
    を有することを特徴とする気相用光触媒装置。
  2. 【請求項2】 前記ミスト状水分が存在している雰囲気
    中に、260mm以下の波長をもつ電磁波を照射する電
    磁波発生手段を有し、前記電磁波発生手段は前記光触媒
    体の前段にもしくは光触媒体と併存して設置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の気相用光触媒装置。
  3. 【請求項3】 前記光触媒体は、ステンレス鋼又はC
    u、Al、Ti及びそれらの合金の内の1種以上の材料
    からなる透過接触性をもつ金属基板の上に光触媒機能層
    が担持されていることを特徴とする請求項1記載の気相
    用光触媒装置。
  4. 【請求項4】 前記光触媒体は、流体の移動方向に沿っ
    て配置されていることを特徴とする請求項3記載の気相
    用光触媒装置。
  5. 【請求項5】 有害物質を含む処理対象ガスをミスト状
    水分を含む雰囲気中を通過させて、前記有害物質を前記
    ミスト状水分に担持させ、このミスト状水分を加温した
    後そこに付着した前記有害物質を光触媒体に接触させる
    と共に前記光触媒体に300〜400nmの波長をもつ
    電磁波を照射することを特徴とする有害物質処理方法。
  6. 【請求項6】 ミスト状水分を含む雰囲気中に、260
    nm以下の波長をもつ電磁波を照射することを特徴とす
    る請求項5記載の有害物質処理方法。
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