JP2003088571A - 空気清浄機 - Google Patents

空気清浄機

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JP2003088571A
JP2003088571A JP2001286849A JP2001286849A JP2003088571A JP 2003088571 A JP2003088571 A JP 2003088571A JP 2001286849 A JP2001286849 A JP 2001286849A JP 2001286849 A JP2001286849 A JP 2001286849A JP 2003088571 A JP2003088571 A JP 2003088571A
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photocatalyst
filter
photocatalytic
air
air cleaner
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Application number
JP2001286849A
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English (en)
Inventor
Shinichi Suzuki
紳一 鈴木
Takao Wada
岳雄 和田
Iwao Takamura
岩男 高村
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PARAMAUNT TRADING CO Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
PARAMAUNT TRADING CO Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスが容易でかつ消臭除菌機能を有
する薄型の光触媒を用いた空気清浄機を提供する。ま
た、被処理流体と光触媒との接触効率が高い空気清浄機
を提供する。 【解決手段】 被処理流体である空気の流路の上流から
下流へ向けて、順にフィルタ部、ブロア及び光触媒部を
備え、光触媒部は、多数の空孔を有する基体に光触媒機
能層を担持させてなる光触媒フィルタと、光触媒フィル
タを照射する紫外線照射手段とを空気の流れに対し交互
に直列配置したことを特徴とする空気清浄機。基体は多
数の空孔を有する基板に微粒子からなる多孔質層を形成
してなることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として光触媒機
能を利用して室内または屋外の環境浄化を行う光触媒装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】大気中の汚染物質の除去または室内の空
気を清浄化するために、二酸化チタンに代表される光触
媒半導体粒子による酸化触媒作用を利用した装置が提案
され、実用化されつつある。例えば、米国特許4,89
2,712号には、光触媒を担持したメッシュ状支持体
を丸めて円筒状にして円筒ジャケット内に配置し、中心
部の空間に紫外線ランプを設けた光触媒装置が開示され
ている。特開2000−86497号には、処理対象物
質とより多くの接触機会を作ることを目的として、流体
透過性を有する複数の板状光触媒フィルタが立体的に組
み合わされ、その板状光触媒フィルタが流体の透過方向
に対して傾斜して配置されている立体光触媒フィルタが
開示されている。特開2001−29747号には、円
筒状ハニカム基材の表面に活性炭と光触媒を塗布し円筒
状の中心部に低圧水銀灯を配置した光化学酸化分解反応
器、及び被処理流体は円筒状ハニカム基材の長手方向に
沿って流れ、その途中で同基材を複数回透過することが
開示されている。特開2001−29946号には、光
触媒を塗布したリング状基材を同軸状に並べその中心部
に低圧水銀灯を配置した光触媒反応管、及び被処理流体
はリング状基材に沿って蛇行しながら流れることが開示
されている。特開平9−209319号には、標識や標
示体の基材である樹脂板の表面に光触媒粒子の薄膜を設
けることが開示されている。特開平11−159034
号には、喫煙空間を仕切るパーテイションの内部に集塵
フィルタと光触媒エレメント(脱臭フィルタ)を収容す
ることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光触媒を担持したメッ
シュ状支持体を丸めて円筒状にして円筒ジャケット内に
配置した光触媒装置では、被処理流体は必ずしもメッシ
ュ状支持体を透過する構造ではなくその表面に沿って流
れやすい。また、十分な光が当たるのは最内層のメッシ
ュ状支持体のみである。これらのことからメッシュ状支
持体の面積に比較して高い脱臭効率を得難い。板状光触
媒フィルタが流体の透過方向に対して傾斜して配置され
ている立体光触媒フィルタは、板状光触媒フィルタ表面
と光源との距離が一定ではないためフィルタ表面での光
のエネルギー密度(W/cm)の均一性が不十分であ
る。円筒状ハニカム基材は表面積は大きいものの、形状
が立体的であるため一方向からの光の照射では隅々まで
光が届き難く、届いたとしても基材表面での光のエネル
ギー密度の均一性が不十分である。リング状基材を同軸
状に並べた光触媒反応管は、低圧水銀灯を中心にして放
射状に被処理流体が光触媒を塗布した基材と接触しなが
ら流れるという点において円筒状ハニカム基材を用いた
ものと基本的には同様であり同じ課題を有する。上記の
標示体は、昼間は太陽光が照射され、一方夜間は蛍光灯
などでライトアップされるが、光触媒のバンドギャップ
エネルギー以上の波長をもつ紫外線が効率良く光触媒粒
子の薄膜に照射される構造となっていないので、充分な
光触媒機能が発揮され難い。集塵フィルタや脱臭フィル
タを内臓したパーテイションは、薄型でしかも室内の汚
れた空気を清浄化することは可能であるが、メンテナン
ス費用がかさみ、実用的ではない。
【0004】したがって本発明の目的は、高い消臭除菌
機能を有しかつメンテナンスが容易な薄型の空気清浄機
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の空気清浄機は、被処理流体である空気の流路
の上流から下流へ向けて、順にフィルタ部、ブロア及び
光触媒部を備え、光触媒部は、多数の空孔を有する基体
に光触媒機能層を担持させてなる光触媒フィルタと、光
触媒フィルタを照射する紫外線照射手段とを空気の流れ
に対し交互に直列配置したことを特徴とする。
【0006】本発明の空気清浄機によれば、被処理流体
の全量が必ず光触媒フィルタの小さな空孔を通過するた
め、その際に被処理流体と光触媒機能層との接触が十分
に行われる。また、本発明では光触媒フィルタ表面と光
源(紫外線照射手段)との距離を一定範囲内とすること
が好ましい。そうすることにより一方向からの光の照射
でもフィルタ表面での光のエネルギー密度(W/c
)が一定以上の強さとなり紫外線が照射される面の
全てが有効に酸化分解作用に寄与する。したがって、光
触媒フィルタ表面での光のエネルギー密度を適宜設定す
ることにより光源ランプのエネルギー効率と光触媒の面
積効率の高い且つ薄型の光触媒部を容易に得ることがで
きる。
【0007】本発明では光触媒部の下流側に活性炭部を
備えることが望ましい。また、本発明ではフィルタ部と
光触媒部の間にオゾン発生部を設けてもよい。この場
合、光触媒による酸化分解作用に加えてオゾンによる酸
化分解作用も働くため、本発明の清浄機で分解できる汚
染物質の種類が増えるとともに分解速度を高くすること
ができる。更に前記の活性炭部を併用することにより、
オゾンまたは光触媒作用により分解されなかった汚染物
質や残存オゾンは活性炭部に吸着されるため外部にはほ
とんど排出されない。
【0008】本発明では前記のフィルタ部、オゾン発生
部(任意構成)、光触媒部および活性炭部(任意構成)
を表面板を有するケーシングに収容することにより、薄
型平板状の空気清浄機を得ることが可能である。空気清
浄機をこのような外観形状とすることで表面板を掲示物
やポスター等を貼る掲示板として、或いは広告看板、間
仕切り、額、テーブル平板部等またはその一部として利
用することが出来る。この様な空気清浄機はその存在を
意識させることがない点が特徴である。
【0009】前記の表面板の裏側に蛍光ランプ、平面蛍
光ランプ、LED等の発光体を設けてバックライトをあ
てることにより夜間での視認性を高めることができ、特
に掲示板や広告看板として好適である。表面板を一様に
照射できる点で平面蛍光ランプが特に好ましい。平面蛍
光ランプの前面板を空気清浄機の表面板として使用して
もよい。
【0010】本発明において、光触媒機能とは、アナタ
ーゼ型酸化チタン(TiO)をはじめとした光触媒半
導体金属を基板表面に造膜し、その造膜表面に光触媒半
導体金属のバンドギャップエネルギーより高い光エネル
ギーを有する励起波長が照射されることで活性ラジカル
種が発生し、有機化合物や無機ガスを酸化還元分解して
脱臭及び浄化機能を持つものである。アナターゼ型酸化
チタンの場合には、波長が400nm以下の電磁波(紫
外線)が好ましい。これによって消臭・除菌機能を有す
る装置が可能となる。また、紫外線照射手段として冷陰
極線管を用いると、光触媒部の大幅な薄型化が可能とな
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を図面により説
明する。図1は本発明の一実施例に係る空気清浄機1を
示し、(a)はその内部平面図である。ブロア3で吸引
された空気は入口(流入口)から流入してフィルタ部2
でパーティクルが除去される。次いでフィルタ部を通過
した空気には汚染物質が未だ含まれているので光触媒フ
ィルタ4と紫外線ランプ6とからなる光触媒部10にて
それらの分解を行う。光触媒部で汚染物質が分解除去さ
れるが、更に活性炭部8を通して、光触媒部で分解され
難い汚染物質の除去をおこなう。(b)は入口側から見
た本発明の空気清浄機1の側面図である。
【0012】図2は図1の光触媒部を詳細に示す断面図
である。光触媒部に、多数の空孔を有する基体の両側に
光触媒機能層を担持させてなる平板状の光触媒フィルタ
4と紫外線照射手段である紫外線ランプ6を交互に複数
配置する。1枚の光触媒フィルタはケーシング中の被処
理流体の流路の断面全体をカバーしているので、被処理
流体の全量は必ずこの光触媒フィルタ4を透過する。光
触媒フィルタ4と紫外線ランプ6とは平行に交互に配置
されているので、紫外線ランプ6からの紫外線照射は両
側の光触媒フィルタを励起させるので、紫外線を有効に
使える。光触媒フィルタ4と紫外線ランプ6の距離を一
定距離内に配置することにより、光触媒フィルタ表面は
紫外線強度が一定以上の強度となる。
【0013】図3は光触媒部の平面図の一部を示す。光
触媒フィルタ4及び紫外線ランプ6はそれぞれフィルタ
固定板5、ランプ固定具7に差し込むことにより固定し
ている。そのため、これらはハウジングの蓋を開けるこ
とにより、手で簡単に取り外せるので、メンテナンスや
交換が容易である。
【0014】紫外線ランプ6としては、例えば360〜
380nm程度或いは254nmの波長の紫外線を放射
するランプを用いることができる。光触媒における分解
効率は紫外線強度が強い程大きいことが知られている
が、一定以上の強度では増加率が減少することから、実
用的に好ましい紫外線強度は1mW/cm程度であ
る。また、光触媒効率を高めるには、紫外線照射手段と
光触媒との距離が離れすぎると紫外線強度が低下する点
および近づきすぎると光触媒の面積が低減する点を考慮
する必要がある。360〜380nm程度或いは254
nmの波長の紫外線ランプを用いると、光触媒効率を考
えると厚さTが60〜100mmの装置を形成すること
ができる。特にケースの厚さTを65mm以下とする場
合には、直径が10mm以下(例えば6〜8mm)の冷
陰極管を用いることが好ましい。ランプが細いため、ラ
ンプにより、被処理流体の流れを阻害することが無い。
又、光触媒フィルタ間の間隔が60mm以内とすれば、
光触媒フィルタ表面の紫外線強度は1mW/cmを保
つことができる。冷陰極管は電極にフィラメントを用い
ないので、15mm以上の直径を有する通常のブラック
ライトや熱陰極管式殺菌ランプよりも小口径である。ま
た通常のブラックライトや熱陰極管式殺菌ランプの寿命
は6千時間程度であるが、電極にフィラメントを用いな
い冷陰極管は2万時間以上の使用が可能で、メンテナン
スの手間を少なくできる。なお冷陰極管を使用すると、
その周囲の温度を、光触媒作用を効率よく発揮できる3
0〜40℃の温度にすることができる。
【0015】本発明で用いる光触媒フィルタ4は、図4
に示すように、多数の空孔21を有する基板20に微粒
子22からなる多孔質層23を形成して、透過接触性能
を有しかつ多表面積の基体24の表面に光触媒機能層
(図4では省略)が造膜された構造を有するものが好ま
しい。この微粒子はセラミック、ガラス、金属、プラス
チック等材質は問わないが、基板の材質と同一であるこ
とが好ましい。基板は、金網、エクスパンドメタル、パ
ンチングメタル等の網状体またはそれと類似のものが好
適である。また樹脂製の網状体も使用可能である。この
場合基板と微粒子との位置関係が重要であって、微粒子
は、処理対象物質を含有する気体や液体が透過する空孔
21の周辺に効果的に接触し、且つ励起波長を受光する
位置に配されている必要がある。図4において、処理対
象物質を含有する気体F又は液体Fが多表面積多孔質積
層体{平面投影面積(A)}を透過する時の単位時間当
りの透過量をa、多表面積多孔質積層体の内光触媒半導
体金属が造膜された領域の平面投影面積(b)と上記平
面投影面積(A)との比率(表面積比)をb/A、多表
面積多孔質積層体の側面の表面積(c)と上記平面投影
面積(A)との比率(側面表面積比)をC/Aとする
と、励起波長が図面の上または下から発生しているとし
て、透過量(a)及び表面積比(b/A)ができるだけ
多く、かつ、側面表面積比(C/A)ができるだけ小さ
いといった条件を満足させることが好ましい。したがっ
て本発明では、図4(b)よりも図4(a)の構成が好
適である。
【0016】本発明では、以下のようにして基体の表面
に微粒子から等なる多孔質層を形成することによって、
凹凸を与えることができ表面積を増大することができ、
光触媒機能層と悪臭との接触性を一層向上できる。平均
粒径10〜400μmの金属粉末を水等の溶媒に混合し
たスラリー(固形分60〜80質量%)を基板の表面に
塗布し、乾燥焼結することによって得られる。基板もし
くは微粉末を形成する金属材料としては、SUS30
4,SUS310、SUS316等のオーステナイト系
ステンレス鋼、Tiまたはその合金(Ti−Mn系、T
i−Cr系等)、Cuまたはその合金あるいは、Alま
たはその合金(Al−Si−Mg系)、Feまたはその
合金を用いうる。但し、Fe系材料の場合は表面の耐酸
化性皮膜(酸化鉄)を形成することが望ましい。金属粉
末はその粒径が小さすぎるとコストが高くなり、大きす
ぎると微細な空孔が得られなくなるため、平均粒径10
〜400μmのものが好ましい。焼結温度は金属粉末の
材質に応じて定めればよいが、低すぎると十分な焼結密
度が得られず、強度の低下を招く。一方、金属の融点近
くなると各粒子が融着してしまい、粗大な空孔が形成さ
れる。このため、SUS、Ti、Cuの場合は800〜
1000℃の範囲が、また、Alの場合は300〜40
0℃の範囲が好ましい。
【0017】このようにして得られた基体は、5〜10
00μmの空孔径を有することが好ましい。空孔径が大
きすぎると、被処理流体と光触媒機能層との接触が不十
分となり汚染物質や悪臭成分の分解除去率が低下する。
また被処理流体が空孔を通過する際の線流速が低下する
ので境膜拡散抵抗が増大する。その結果、光子により光
触媒機能層表面に発生した活性酸素種と被処理流体との
接触が不十分となる。一方、空孔径が小さすぎると、圧
力損失が大きくなり消費電力の増大や処理能力の低下を
招く。また、多孔質層の厚さは、薄いと強度が低下し、
厚いと透過抵抗が大きくなるので、10〜300μmの
範囲がよい。
【0018】本発明において、光触媒機能層は、例えば
ペルオキソ基を有するアナターゼ型TiOなどの光触
媒半導体金属微粒子を混入しているゾル液を、基板の表
面にスプレーやディッピングで付着させ、乾燥させたの
ち、常温〜500℃未満の温度で焼き付けて形成するこ
とができる。上記ゾル液の塗布量は、薄すぎると十分な
防汚効果が得られず、厚すぎると剥離し易くなるので、
1.5〜2.5g/100cm2(wet状態)の範囲
が好ましい。常温で乾燥する場合は、光触媒機能層の硬
度(鉛筆硬度)は、2H程度であるが、2〜3カ月放置
すると9Hにもなる。また200〜300℃で加熱する
と、9Hの硬度が得られる。光触媒半導体金属微粒子
は、通常、2〜60nmの粒度分布を有するが、実用的
には10〜20nmの粒度分布を有するものが好まし
い。なお、光触媒半導体の代りにアモルファス型過酸化
チタンまたはそれとアナターゼ型酸化チタンを使用して
も比較的低い温度で光触媒半導体の粒子を基板の表面に
強固に担持させることができる。
【0019】また、基板の表面にアモルファス型過酸化
チタン水溶液などの保護材をスプレーして保護被膜を形
成する下地処理を施してから光触媒機能層を形成するこ
とができる。いずれの場合もアモルファス型過酸化チタ
ン水溶液で事前に被膜を形成しておくとTiOゾル液
の付着、展延性が改善されて濡れ易く、基板の表面に光
触機能層を均一に、かつ、広く形成することができる。
この過酸化チタン水溶液は基体の材質によらず展延性に
優れTiOゾル液を広く均一に塗布するのに有効であ
る。アモルファス型過酸化チタンはバインダーとしても
又金属表面を光触媒機能による酸化分解からのブロック
材としても機能するが、組成的にセラミック系統のもの
を含まず、金属との相性が良いので金属の表面に形成し
た光触媒機能層が、基板が撓んだり振動しても剥離する
ことが少ない。樹脂製の基板の表面に光触媒機能層を形
成する場合は、密着性の点からアモルファス型過酸化チ
タンを薄く(1μm以下)塗布しておくことが好まし
い。
【0020】光触媒半導体としてはTiOの他にZn
O、SrTiO、CdS、CdO、CaP、InP、
In、CaAs、BaTiO、KNbO
Fe 、Ta、WO、SnO、Bi
、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS
MoS、InPb、RuO、CeOなどがある。
この中で酸化チタンTiO(アナターゼ型)が安価で
特性が安定しており、かつ、人体に無害であり、光触媒
として最も優れている。
【0021】本発明において使用されるアモルファス型
過酸化チタンゾルは、例えば次のようにして調整するこ
とができる。四塩化チタンTiClの50%溶液(住
友シチィックス株式会社)を蒸留水で70倍に希釈した
ものと、水酸化アンモニウムNHOHの25%溶液
(高杉製薬株式会社)蒸留水で10倍に希釈したものと
を、容量比7:1に混合し、中和反応を行う。中和反応
後pHを6.5〜6.8に調整し、しばらく放置後上澄
液を捨てる。残ったTi(OH)のゲル量の約4倍の
蒸留水を加え十分に攪拌し放置する。硝酸銀でチェック
し上澄液中の塩素イオンが検出され無くなるまで水洗を
繰り返し、最後に上澄液を捨ててゲルのみを残す。場合
によっては遠心分離により脱水処理を行うことができ
る。この淡青味白色のTi(OH)3,600ml
に、35%過酸化水素水210mlを30分毎2回に分
けて添加し、約5℃で一晩攪拌すると黄色透明のアモル
ファス型過酸化チタンゾル約2,500mlが得られ
る。なお、上記の工程において、発熱を抑えないとメタ
チタン酸等の水に不溶な物質物質が析出する可能性があ
るので、全ての工程は発熱を抑えて行うのが望ましい。
【0022】本発明の空気清浄機に掲示板や広告看板と
しての機能を与えた一例を図5に示す。図5は図1のA
−A断面矢視図に空気清浄機に掲示板広告看板の機能を
与えたものである。空気清浄機1の一面は平面発光ラン
プ9で構成されている。電極9aの表面を誘電体9bで
覆った外部電極型の放電ランプでありキセノン放電が放
電空間9cで放出する真空紫外線で蛍光体9dを発光さ
せる。発光した光は透光性の前面板9eの外表面に担持
された掲示物や広告看板等を裏面から均一に照射する。
また、ランプを設けず、前面板9e自体を掲示物や広告
看板等とすることもできる。
【0023】本発明の空気清浄機の薄型化は、光触媒フ
ィルタと紫外線照射手段とを空気の流れに対し交互に直
列配置したこと及び紫外線照射手段として冷陰極線管を
用いたことにより光触媒部を薄型化できたことにより達
成されたことは既に述べた通りである。本発明の空気清
浄機の薄型化にはブロア3の薄型化も寄与しているので
図6を用いて説明する。図6は本発明に用いることので
きるブロアの平面図(a)とたて断面図(b)である。
図5で説明したように空気清浄機の前面全体を掲示板や
広告看板として使用する場合は、空気の吸込み口は側面
に設けざるを得ない。ブロア3の吸入口と排出口とは9
0°ねじれた位置にあるので、吸込み部材3aをブロア
3の吸入口に取り付けることで、厚さの大きな増大を招
くことなくブロア3の吸入口を側面に移動させることが
できる。
【0024】図5に示す掲示板や広告看板としての機能
を与えた本発明の空気清浄機は、図7に示すように壁面
に掛けて使用するのに特に好適である。
【0025】また、本発明の空気清浄機は薄型化できる
ので、例えば図8に示すように間仕切りに組み込んで空
気の入口と出口を一方の空間に向けて開口させる使い方
も可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例によって更に
詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。
【0027】本発明の空気清浄機は、表面板を有するケ
ースに収容し、被処理流体である空気の流路の上流から
下流へ向けて順に、以下に説明するフィルタ部、ブロ
ア、光触媒部、および活性炭部を備えている。
【0028】[実験装置1]ハウジング(アクリル樹脂
製ケース)内(高さH=728mm、幅W=515m
m、奥行D=65mm)にフィルタ部、ブロア、光触媒
部および活性炭部を収納し、外気取り入れ口を4カ所、
排気口を2カ所設け、取り入れた外気は各部を順番に通
し、浄化を行った。 フィルタ部 フィルタは厚さ8mmの平均捕集効率63%のプレフィ
ルターと厚さ5mm比色法効率60%の中性能フィルタ
により構成する。 光触媒部 オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)製線材
で形成後圧延された平織金網(#30メッシュ、厚さ3
00μm、目開き547μm)を基板とし、その表面に
少量の水と混合したSUS316粉末(平均粒径30μ
m)を塗布後燒結して多孔質層を形成した基体を準備し
た。この基体をアモルファス型過酸化チタン水溶液とア
ナターゼ型酸化チタン水溶液とを2:8の比率で混合し
た溶液(固形分1.7質量%)を基体の表面に片面0.
25mg/cm2(dry状態)の吹付け後常温乾燥、
加熱乾燥(400℃×0.5hr)して光触媒フィルタ
を作成した。処理流体がこの光触媒フィルタ(表面積:
228cm2)を必ず透過するように、ケース断面に各
々配置された光触媒フィルタ7枚と、8Wの冷陰極管式
紫外線ランプ[紫外線強度85μW/cm2(30cm
離れて)、波長256nmの紫外線を放射]6本を交互
に並べることにより光触媒部とした。 活性炭部 ハニカム状に形成された厚さ1cmの薬剤添加活性炭を
処理空気がその中を必ず通るようにケースの断面に配置
した。上記の各部材を用いて図1乃至3に示す空気清浄
機と同様の構造の空気清浄機を組立てた。
【0029】(実施例1)実験装置1を密閉容器(容積
4m3)内にセットし、臭気源(ホルムアルデヒドまた
はアセトアルデヒドまたはアンモニアまたは酢酸)を容
器内に導入した後、装置を作動させ密閉容器内のガス濃
度(ppm)を一定時間毎に検知管で測定した。その結
果を図9〜12にそれぞれ示す。各図から臭気が導入さ
れた上記密閉容器は、装置を稼働してから4時間後には
ホルムアルデヒドは96%、アセトアルデヒドは90
%、アンモニアは91%、酢酸は92%分解されること
が分かる。
【0030】[実験装置2]実験装置1と同様に作られ
た基体を波形状に成形し、光触媒フィルタ(表面積:1
586cm)とし、アクリル樹脂製ケース内(高さH
=600mm、幅W=700mm、奥行D=50mm)
の内部に設置し、紫外線ランプとして8Wの冷陰極管
[紫外線照射強度85μW/cm2(30cm離れ
て)、波長253.7nmの紫外線を放射]4本(内1
本は波長185nmの紫外線も放射し、オゾンを16m
g/h発生する。)を用いて図13に示す空気清浄機を
組立てた。(a)は本比較例1に係る空気清浄機の一部
破断正面図、(b)は(a)のG−G線矢視図である。
両図において、空気清浄機1は、上下が開放した直方体
状のケース部材30と、ケース部材30の内部に配置さ
れた一対の平板状の反射板31a,31bと、反射板対
の間に設置された複数の紫外線ランプ32と、各ランプ
に対向して配置され、かつ、表面に光触媒機能層(不図
示)が形成された波形状の光触媒フィルタ33を有す
る。反射板31a、31bは、例えばAl又はその合金
又は、オーステナイト系ステンレス鋼で形成されるとと
もに、紫外線の拡散を容易ならしめる(乱反射させる)
ために、紫外線ランプ32と対向する側の表面に規則的
又はアトランダムに微小凹凸が形成されている。この反
射板は、鏡面仕上を施された通常の反射版の反射率(数
%)と比べ、極めて大なる(80%程度)反射率を有す
る。ケース部材30は、一対のコ字型ケース片30a、
30bを結合部材30cを介して開閉自在に組合せたも
ので、例えば照明看板においてはアクリル系樹脂のよう
な透明又は半透明の材料で形成される。
【0031】(比較例1)この実験装置2(空気清浄
機)を実施例1と同様に密閉容器(容積4m3)内にセ
ットし、臭気源(ホルムアルデヒドまたはアンモニア)
を容器内に導入した後、装置を作動させて密閉容器内の
ガス濃度(ppm)を一定時間毎検知管で測定した。そ
の結果を図14,15にそれぞれ示す。各図から臭気が
導入された上記密閉容器は、装置を稼働してから4時間
後にはホルムアルデヒドは65%、アンモニアは56%
分解されるが明らかに実験装置1より分解性能が劣るこ
とが分かる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、反応効率の良い光触媒
体とそれを補足する活性炭の効果により、薄型でかつ脱
臭・除菌性能が優れた空気清浄機を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る空気清浄機の平面図
(a)と側面図(b)である。
【図2】本発明の空気清浄機のたて断面図である。
【図3】本発明の空気清浄機に用いる光触媒部の一部の
平面図である。
【図4】光触媒部に用いる光触媒フィルタの拡大図であ
る。
【図5】平面発光ランプを備えた本発明の空気清浄機の
断面図である。
【図6】本発明に用いることのできるブロアの平面図
(a)とたて断面図(b)である。
【図7】本発明の空気清浄機の実施の形態。
【図8】本発明の空気清浄機の別の実施の形態。
【図9】本発明の空気清浄機によるホルムアルデヒドの
除去結果である。
【図10】本発明の空気清浄機によるアセトアルデヒド
の除去結果である。
【図11】本発明の空気清浄機によるアンモニアの除去
結果である。
【図12】本発明の空気清浄機による酢酸の除去結果で
ある。
【図13】比較例に係る空気清浄機の平面図(a)と側
面図(b)である。
【図14】比較例に係る空気清浄機によるホルムアルデ
ヒドの除去結果である。
【図15】比較例に係る空気清浄機によるアンモニアの
除去結果である。
【符号の説明】
1 空気清浄機 2 フィルタ部 3 ブロア 4 光触媒フィルタ 5 フィルタ固定板 6 紫外線ランプ(紫外線照射手段) 7 ランプ固定具 8 活性炭ハニカム 9 平面発光ランプ 10 光触媒部 20 基板 21 空孔 22 微粒子 23 多孔質層 24 基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/86 B01J 35/02 J B01J 35/02 F24F 7/00 A F24F 7/00 B01D 53/36 J (72)発明者 高村 岩男 東京都中央区日本橋馬喰町2丁目7番12号 株式会社パラマウントトレーディング内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 AA10 BB02 BB05 CC02 CC08 HH05 KK08 LL10 MM02 MM05 MM08 NN01 QQ03 QQ17 4D048 AA22 AB03 BA07X BA39X BA41X BB07 BB09 CD01 CD05 EA01 4D058 JA12 QA03 QA21 TA03 TA06 TA07 TA08 UA25 4G069 AA03 AA08 BA04B BA17 BA48A CA10 CA17 DA06 EA02Y EA12 FB24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理流体である空気の流路の上流から
    下流へ向けて、順にフィルタ部、ブロア及び光触媒部を
    備え、光触媒部は、多数の空孔を有する基体に光触媒機
    能層を担持させてなる光触媒フィルタと、光触媒フィル
    タを照射する紫外線照射手段とを空気の流れに対し交互
    に直列配置したことを特徴とする空気清浄機。
  2. 【請求項2】 前記のフィルタ部、ブロアと光触媒部と
    を表面板を有するハウジングに収容してなることを特徴
    とする請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 【請求項3】 表面板を裏側から照射する発光体を備え
    る請求項2に記載の空気清浄機
  4. 【請求項4】 光触媒部の下流側に活性炭部を備えた請
    求項1乃至3の何れかに記載の空気清浄機。
  5. 【請求項5】 フィルタ部と光触媒部の間にオゾン発生
    部を備えた請求項1乃至4の何れかに記載の空気清浄
    機。
  6. 【請求項6】 前記基体は多数の空孔を有する基板に微
    粒子からなる多孔質層を形成してなる請求項1乃至5の
    何れかに記載の空気清浄機。
  7. 【請求項7】 前記基板が網状体である請求項6に記載
    の空気清浄機。
  8. 【請求項8】 前記空孔の平均孔径は5〜1000μm
    である請求項1乃至7の何れかに記載の空気清浄機。
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