JP2000084061A - 空気清浄装置 - Google Patents

空気清浄装置

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JP2000084061A
JP2000084061A JP11020835A JP2083599A JP2000084061A JP 2000084061 A JP2000084061 A JP 2000084061A JP 11020835 A JP11020835 A JP 11020835A JP 2083599 A JP2083599 A JP 2083599A JP 2000084061 A JP2000084061 A JP 2000084061A
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discharge lamp
photocatalyst
discharge
filters
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JP11020835A
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English (en)
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Shigeru Okada
茂 岡田
Sadaji Shimokawa
貞二 下川
Akiko Saito
明子 齋藤
Miho Saito
美保 斉藤
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
Munetake Takada
宗武 高田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気清浄化能力が高くて、しかも薄形化が可能
な空気清浄装置を提供する。 【解決手段】波長400nm以下を含む光を発生し、受
電部が一端側に配置されているとともに、受電部側で主
体的に装着されている放電ランプを挟んで離間対向して
二組の光触媒フィルタを配置し、放電ランプの他端側か
ら二組の光触媒フィルタの間に空気を導入する空気導入
手段と、上記空気を光触媒フィルタを通過させて排出す
る空気排出手段とを具備した。放電ランプへの電気接続
および主体的な機械的支持が放電ランプの一端側で行
い、他端側から空気を導入するから、空気抵抗が大きく
なりにくいとともに、薄形にしやすい。光触媒フィルタ
を複数枚空気通過方向に重ねて用いることにより、汚染
物質の捕捉率を高めることができ、結果として空気清浄
能力を高めた空気清浄装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒フィルタを
備えた空気清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平1−139139号公報には、直
管形の殺菌灯の周囲に同軸関係に円筒状の光触媒フィル
タを設け、殺菌灯および光触媒フィルタの一端側にブロ
ワを配設するとともに、殺菌灯および光触媒フィルタを
包囲する筒形のカバーを同軸に配設し、ケースの風上側
の端部にエアーフィルタを、また風下側の端部に多孔板
を、それぞれ配設した構造の空気清浄装置が記載されて
いる。(従来技術1) 従来技術1においては、殺菌灯と光触媒フィルタとの間
にブロワによって送風された空気が殺菌灯からの紫外線
によって活性化された光触媒フィルタの中を通過する際
に光触媒に捕捉された空気中に浮遊する臭いガスや細菌
などの有機の汚染物質が分解されて脱臭、殺菌を行う。
そして、光触媒フィルタを通過して清浄化された空気は
光触媒フィルタに沿ってカバー内を移動して多孔板から
外部に放出される。
【0003】特開平3−106420号公報には、直管
形紫外線灯を角筒状の光触媒で包囲し、光触媒の外側か
ら送風して空気が光触媒の外側から内部へ通過し、さら
に反対側の光触媒を内側から外側へ通過させる構成を2
段階直列に配設した空気清浄装置が記載されている。
(従来技術2) また、上記公報には、紫外線灯を角筒形の光触媒で同軸
に包囲して、紫外線灯と光触媒との間であって、しかも
光触媒の表面に沿って空気を流通させるように構成した
空気清浄装置も記載されている。(従来技術3)
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術1
は、直管形の殺菌灯を用いているため、殺菌灯の両端に
接続する電気配線および殺菌灯の機械的支持のためのラ
ンプソケットなどのために、空気抵抗が大きくなり、光
触媒フィルタに十分な量の空気を導入できないという問
題がある。特にこの問題は、光触媒フィルタの内径を小
さくしてなるべく薄形の空気清浄装置を得ようとする場
合に、大きな障害となる。
【0004】また、従来技術1においては、風上側に位
置しているブロワに向かう紫外線をランプソケットなど
がカットしてしまうので、ブロワにたとえ光触媒膜を形
成しても、ブロワに堆積する汚れを分解して除去する効
果は十分に期待することができない。
【0005】次に、従来技術2は、光触媒フィルタの紫
外線照射を受けない背面側から未浄化の空気が導入され
るので、光触媒フィルタの背面に捕捉された汚染物質が
分解されないで残留するため、浄化効率が著しく損なわ
れるという問題がある。しかも、光触媒フィルタの背面
に堆積した汚染物質によって光触媒フィルタの空気抵抗
が早期に増加するため、清浄化される空気量すなわち空
気清浄化能力が低下してしまうという問題もある。
【0006】また、従来技術2においても、従来技術1
と同様に直管形の殺菌線灯を用いているため、装置の構
造が複雑化してしまい、装置を小形化、薄形化すること
が困難である。
【0007】最後に、従来技術3においては、空気が光
触媒フィルタと殺菌線灯との間を光触媒フィルタの表面
に沿って通過する構造であるため、光触媒フィルタに接
触するのは、通過する空気の一部にすぎないので、空気
清浄化能力はどうしても低くなるという問題がある。な
お、光触媒による汚染物質の分解は、汚染物質が光触媒
に捕捉されることによって初めて行われるのである。
【0008】本発明は、空気清浄化能力が高くて、しか
も薄形化が可能な空気清浄装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の空気清
浄装置は、波長400nm以下を含む光を発光し、受電
部が一端側に配設されているとともに、受電部側で主体
的に装着されている放電ランプと;放電ランプを挟んで
離間対向して配設された二組のほぼ平面状をなす光触媒
フィルタと;放電ランプの他端側から二組の光触媒フィ
ルタの間に空気を導入する空気導入手段と;空気導入手
段によって二組の光触媒フィルタの間に導入された空気
を光触媒フィルタを通過させて排出させる空気排出手段
と;を具備していることを特徴としている。
【0010】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0011】(放電ランプについて)放電ランプは、放
電により波長400nm以下を含む光を発生するのであ
るが、本発明はいわゆる紫外線灯や殺菌線灯に限定する
ものではない。たとえば、主発光が可視光であって、一
部400nm以下の波長の発光成分を含んでいるような
放電ランプであってもよい。しかし、光触媒を活性化さ
せるには、波長400nm以下の光が効果的であるか
ら、これらの波長域成分の多い発光を行う放電ランプを
用いるのが効果的である。
【0012】波長400nm以下の光は、一般に紫外線
と称されるが、人体に対して有害な315nm以下と、
同じく無害なそれ以上の波長域とに分かれる。前者はさ
らに200〜280nmをUV−Cと称し、280〜3
15nmをUV−Bと称し、後者はUV−Aと称してい
るが、いずれの波長域の紫外線も種々の応用が行われて
いる。
【0013】ところで、波長400nm以下の紫外線を
主として発生する放電ランプには、主として254nm
の紫外線を発生する殺菌ランプ、主波長が351nmま
たは365nmの紫外線を発生するブラックライトと称
される蛍光ランプの他に、主として300〜400nm
にわたる幅広い波長域の紫外線を発生する蛍光ランプも
ある。
【0014】本発明においては、上記のいずれの放電ラ
ンプをも用いることができる。しかし、本発明における
光触媒は、清浄化対象の空気が通過するフィルタ形態を
なしている関係で、紫外線がフィルタの内部まで進入し
やすくなるようになるべく波長の長い紫外線を多く発生
する蛍光ランプを用いると効果的である。また、抗菌を
目的にする場合には、殺菌ランプを用いることにより、
殺菌線による殺菌作用が加わる。
【0015】さて、本発明における特徴的構成は、放電
ランプの受電部がその一端側に配設されているととも
に、受電部側で主体的に装着されていることである。
【0016】紫外線を効果的に発生する放電ランプは、
一般に細長い放電路の両端に一対の電極を備え、電極間
に所定電圧を印加して放電させるように構成されてい
る。したがって、放電路の両端に受電部を備えている。
【0017】しかしながら、本発明においては、上記の
ように受電部が放電ランプの一端側に配設されているも
のを用いる。放電ランプの一端側に受電部を配設するに
は、たとえば放電路を折り返して放電路の両端の電極を
放電ランプの一端側に集約させればよい。また、直管形
の放電ランプであっても、他端側の受電部を放電ランプ
に沿って折り返すことにより、一端側に集約させること
ができる。
【0018】次に、放電ランプを受電部側で主体的に装
着するとは、受電部のある基端側で放電ランプを基本的
に取り付けていて、主体的には受電部側で支持されてい
ることを意味する。したがって、放電ランプは先端側に
空気抵抗を大きく増加させるための機構が存在しない。
また、受電部が基端側にあることにより、先端側には受
電のための機構も存在しない。しかし、先端部側を空気
抵抗が大幅に増加しない範囲で補助的に支持することは
許容される。
【0019】(光触媒フィルタについて)光触媒は、光
照射を受けると、その光エネルギーを吸収して励起し、
電子と正孔とが発生して、光触媒の表面にある酸素や水
分と反応して活性酸素やOHラジカルが発生し、これら
が有機物質と結合して分解して炭酸ガスや水となると考
えられている。
【0020】光触媒を構成する物質は、TiO2、WO
3、LaRhP3、FeTiO3、Fe2O3、CdF
e2O4、SrTiO3、CdSe、GaAs、Ga
P、RuO2、ZnO、CdS、MoS3、LaRhO
3、CdFeO3、Bi2O3、MoS2、In2O
3、CdO、SnO2などである。光触媒を得るには、
これらの半導体物質の一種または複数種を混合して用い
ることができる。
【0021】なお、TiO2、WO3、SrTiO2、
Fe2O3、CdS、MoS3、Bi2O3、MoS
2、In2O3、CdOなどは等価電子帯のレドックス
・ポテンシャルの絶対値が伝導帯のレドックス・ポテン
シャルよりも大きいため、酸化力の方が還元力よりも大
きく、有機化合物の分解による消臭作用、防汚作用また
は抗菌作用に優れている。
【0022】また、上記各物質の中で原料コスト面にお
いては、TiO2、Fe2O3およびZnOが優れてい
る。
【0023】しかし、各種の光触媒物質の中でTiO2
は、光触媒作用が顕著であるとともに、安全で工業的に
合理的な価格で、しかも必要量を入手できるので、最も
有望視されている。
【0024】ところで、TiO2には、その結晶構造と
してアナターゼ形およびルチル形があり、光触媒作用は
アナターゼ形の方が優れているといわれている。
【0025】さて、本発明において用いる光触媒フィル
タは、ほぼ平面状をなしていて、かつ通気性を備えてい
る。ガラス繊維を編組して形成したメッシュ構造体に光
触媒物質を適当な結着材によって担持させたものを用い
ることができる。また、ハニカム構造体の表面に光触媒
物質を適当な結着材によって担持させたものを用いても
よい。さらに、光触媒物質を適当な結着材によって直接
ハニカム構造体などの多孔質構造体に形成したものを用
いることができる。
【0026】光触媒フィルタが「ほぼ平面状をなす」と
は、多少の湾曲を含んでいることを許容する意味であ
る。
【0027】また、各組の光触媒フィルタは、それぞれ
1枚ないし複数枚の光触媒フィルタによって構成するこ
とができる。
【0028】さらに、光触媒フィルタのメッシュサイズ
を場所により変化させることができる。これに対して、
メッシュサイズが一定であると、たとえば空気導入口に
近い所では、風圧が高く、順次離れるにしたがって徐々
に風圧が低下し、空気導入口から最も遠い所では風圧は
最も低くなっているから、光触媒膜が同一のメッシュの
大きさであると、風圧の高い場所ほど風速が高くなって
空気通過量が多くなって汚染物質を多く捕捉するが、風
圧の低い場所は反対に風速が低下して空気通過量が少な
くなって汚染物質の捕捉量が低下する。要するに、光触
媒フィルタの中で汚染物質の捕捉率の粗密が生じてしま
い、光触媒フィルタの利用率が低下する。
【0029】そこで、前述のように光触媒フィルタの風
圧の高低分布に応じてメッシュサイズを変えることによ
り、通過空気量をほぼ一定にして光触媒フィルタの利用
率を高めることもできる。たとえば、空気導入部近傍に
おいては光触媒フィルタのメッシュを相対的に密にし、
空気導入部から離隔するにしたがい連続的または段階的
にメッシュを疎にすることができる。
【0030】そうして、本発明においては、二組の光触
媒フィルタを放電ランプを挟んで離間対向して配設する
のであるが、放電ランプと光触媒フィルタとの間の距離
は任意に設定することができる。距離が大きければ、紫
外線照射範囲が大きくなるが、光触媒フィルタに照射さ
れる紫外線強度が小さくなる。反対に接近させれば、照
射される紫外線強度が大きくなるが、照射範囲が狭くな
る。なお要すれば、光触媒フィルタは、放電ランプに接
触していてもよい。放電ランプの紫外線放射量、放電ラ
ンプの使用数および光触媒フィルタの面積などによっ
て、放電ランプおよび光触媒フィルタの間の距離を設計
的に適宜設定すればよい。
【0031】(空気導入手段について)空気導入手段
は、光触媒フィルタの放電ランプと対面している側の面
に清浄化すべき空気を導入することができれば、どのよ
うな構成であってもよい。
【0032】しかし、空気導入手段としてファンを用い
る場合、ファンは軸流ファンおよび横流ファンのいずれ
であってもよい。反対に、後述する空気排出手段にファ
ンを用いる場合には、空気導入手段としては、空気の取
り入れ開口を形成するだけでもよい。
【0033】空気導入手段の外側にはグリルなどのよう
な保護手段やメカニカルフィルタなどを配設することが
望ましい。
【0034】(空気排出手段について)空気排出手段
は、空気導入手段と協働して二組の光触媒フィルタの間
に導入した空気を光触媒フィルタを通過させて清浄化さ
れた空気を空気清浄装置の外部に排出するために機能す
るもので、空気導入手段がファンである場合には、単に
空気排出用の開口だけでもよい。
【0035】また、空気排出手段としてファンを配設す
ることができる。この場合には、前述した空気導入手段
はファンを配設しなくてもよい。
【0036】さらに、光触媒フィルタを通過して空気
は、どのような方向へ排出してもよい。したがって、放
電ランプ、光触媒フィルタなどをケース内に収納する場
合に、空気排出開口をケースの適当な位置に配設するこ
とができる。
【0037】なお、空気排出開口にはグリルや目の大き
なメッシュを保護のために配設することが望ましい。
【0038】(本発明の作用について)本発明において
は、放電ランプの受電手段が一端側に配設されるととも
に、放電ランプを受電部側で主体的に装着しているた
め、空気導入に際して放電ランプの受電のための手段お
よび主体的に機械的に支持する手段が空気導入手段と光
触媒フィルタとの間に存在しないので、これらが空気抵
抗を増加させることがない。このため、空気清浄化能力
が高くなる。たとえ放電ランプの先端部を補助的に支持
したとしても、従来のように空気抵抗が大幅に増加する
ものではない。
【0039】また、二組の光触媒フィルタがほぼ平面状
をなしていて、放電ランプを挟んで配設されているの
で、光触媒フィルタの間に導入された空気は、二手に分
かれて光触媒フィルタを通過する。その通過の際に光触
媒に接触した悪臭成分や揮発性有機成分(VOC)は光
触媒フィルタに捕捉され、次いで分解されて除去され
る。さらに、細菌類もその多くが光触媒に捕捉されるこ
とにより殺菌されるし、有機質の汚れ物質も光触媒フィ
ルタに捕捉されて分解除去される。
【0040】そうして、放電ランプは、幅の狭いものを
容易に得ることができるから、本発明の空気清浄装置
は、これをすこぶる薄形に形成することができるととも
に、コンパクトにすることができる。したがって、食品
保管庫や車両などの狭いスペースにも適合する空気清浄
装置を得ることができる。しかし、本発明はコンパクト
な空気清浄装置に限定されるものではなく、ホテル、店
舗、学校、オフィス、工場、下水処理場およびごみ処理
場などの業務用の大容量タイプの空気清浄装置、さらに
は住宅、航空機、バスなどの中容量タイプの空気清浄装
置にも適合するものである。このような中・大容量タイ
プであっても薄形にできる利点は有意義である。
【0041】さらに、空気導入手段に光触媒膜を形成し
たファンを用いる場合に、放電ランプと当該ファンとの
間に障害物がないように構成できるから、紫外線をファ
ンの光触媒膜にも照射してファンブレードに付着した汚
染物質を分解して除去することができる。これにより、
空気導入能力の低下を抑制することができる。
【0042】請求項2の発明の空気清浄装置は、請求項
1記載の空気清浄装置において、放電ランプは、二組の
光触媒フィルタとほぼ平行な面内において折り返されて
いて、放電路の両端に配設された一対の電極が一端側に
位置していることを特徴としている。
【0043】「放電ランプが折り返されている」とは、
放電路の両端の一対の電極が同一の側にあって放電ラン
プの一端を形成していることを意味し、放電路の中間部
は多様な形状を形成していることが許容される。たとえ
ば、U字状、M字状、コ字状、蛇行状などであってもよ
い。
【0044】そうして、放電ランプを折り返すことによ
り、受電部を放電ランプの一端側へ揃えることができる
とともに、放電路長を大きくしてランプ電圧を高くし、
これによって消費電力を大きくすることで紫外線発生量
を多くすることができる。このため、本発明において
は、放電ランプの幅を増加することなく、紫外線発生量
を増加できるから、コンパクトでありながら空気清浄能
力の高い空気清浄装置を得ることができる。
【0045】請求項3の発明の空気清浄装置は、請求項
1または2記載の空気清浄装置において、放電ランプ
は、二組の光触媒フィルタの面に直交する方向の幅が1
2mm以下であることを特徴としている。
【0046】放電ランプの上記方向の幅を12mm以下
に規定するのは、空気清浄装置の奥行を少なくとも50
mm以下にするためである。奥行が50mm以下であれ
ば、壁掛け形にして使用する場合などにおいて、場所を
選ばなくて済む。
【0047】しかし、一層好適な奥行は30mm程度で
ある。この一層好ましい奥行を実現するには、放電ラン
プの一対の光触媒フィルタの面に直交する方向の幅を8
mm以下好ましくは6mm以下にすればよい。
【0048】請求項4の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし3のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、電極が冷陰極であることを特徴としてい
る。
【0049】冷陰極は、電子を電界放出させる方式の電
極であるから、電極を小形化することができる。電極を
小形化することにより、放電ランプの幅を小さくするこ
とができる。既に説明したように、放電ランプの小形化
により空気清浄装置の薄形化を実現することができる。
【0050】放電ランプの電極には、冷陰極の他に熱陰
極があるが、熱陰極は、フィラメントを用いる構成のも
のは、放電ランプの幅を8mm以下にするのが困難であ
る。
【0051】請求項5の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし3のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、電極が熱陰極であることを特徴としてい
る。
【0052】熱陰極は、熱電子放出作用を有する陰極で
あるが、始動時のモードについては冷陰極スタートモー
ドおよび熱陰極スタートモードのものに分かれる。
【0053】冷陰極スタートモードは、始動時は冷陰極
として作用するが、点灯時には熱陰極として作用する。
【0054】熱陰極スタートモードは、始動時から熱陰
極として作用する。熱陰極スタートモードは、直熱形お
よび傍熱形に分かれる。直熱形は、タングステンなどの
金属フィラメントを陰極としてこれに直接電流を流して
過熱して熱電子放出を行う。傍熱形は、陰極の中に加熱
用のヒータを内蔵して熱電子放射物質を加熱して熱電子
放出を行う。
【0055】本発明は、いずれのモードをも含む。
【0056】そうして、熱陰極は、電子放出量が多いの
で、紫外線発生量を多くできるという特徴がある。しか
し、加熱のためのフィラメントを用いると、前述したよ
うに小形化が困難になるために、十分な薄形化が困難に
なるが、適度に薄形であればよいなら、効果的である。
【0057】しかし、点灯時に熱陰極モードであればよ
いなら、たとえば特開平6−267404号公報に記載
されているようなセラミック電極材料を用いることによ
り、熱陰極を備えていても放電ランプの小形化が可能に
なる。
【0058】また、放電ランプが熱陰極を備えているこ
とにより、電子放出量を多くして紫外線発生量を多くす
ることができるので、放電ランプの使用数を減らして空
気清浄装置のコストを低減することができる。
【0059】さらに、熱陰極を備えた放電ランプは、電
子放出量が多いので、紫外線発生量を所要に維持してさ
らに可視光を発生するように放電ランプを構成すること
もできる。すなわち、紫外線を効率よく発生する蛍光体
に可視光を発生する蛍光体を混合して放電容器の内面側
に蛍光体層を形成することにより、このような放電ラン
プを容易に得ることができる。
【0060】可視光を適度に含む放電ランプを用いるこ
とにより、放電ランプの点灯を容易に確認することがで
きる。また、可視光を用いて表示パネルを内面から透過
光により表示することもできる。
【0061】請求項6の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし5のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、その複数が光触媒フィルタのほぼ平面と
ほぼ平行な同一面内に沿って離間して配設されているこ
とを特徴としている。
【0062】本発明は、複数の放電ランプを用いること
により、光触媒フィルタの面積に応じた所望量の紫外線
を発生させる場合に好適である。
【0063】また、本発明においては、複数の放電ラン
プを用いていても、同一面内に配設しているので、空気
清浄装置の奥行が大きくなるようなことはない。なお、
「ほぼ平行な同一面内」とは、多少のばらつきは許容さ
れるという意味である。
【0064】さらに、複数の放電ランプは全て同一特性
のものを用いることができる。波長254nmの紫外線
を発生する放電ランプを用いると、光触媒による汚染物
質の分解に加えて殺菌線による殺菌を行うので、殺菌を
主とする空気清浄装置の場合に効果的である。
【0065】また、主として波長約365nmまたは3
51nmをピークとする紫外線を発生する放電ランプや
波長300〜400nmの範囲の幅広い波長の紫外線を
発生する放電ランプを用いることができるが、大別して
上記3種類の異なる発光特性の放電ランプの2種以上の
放電ランプを組み合わせて用いることもできる。後者の
場合において、同一発光特性の放電ランプを選択的に点
灯できるように構成することもできる。
【0066】請求項7の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし6のいずれか一記載の空気清浄装置において、
二組の光触媒フィルタは、それぞれ複数枚の光触媒フィ
ルタによって構成されていることを特徴としている。
【0067】本発明においては、複数枚の光触媒フィル
タを重ねて配設するか、または互いに間隔をおいてほぼ
平行に配設することにより、汚染物質の捕捉能力が向上
し、空気清浄化能力を高くすることができる。後者の場
合には、風圧抵抗の増加を抑えながら汚染物質の捕捉率
を向上させることができる。
【0068】さらに、複数の光触媒フィルタを用いる際
に前後の光触媒フィルタのメッシュの位置を互いに重な
らないようにずらすことにより、一層汚染物質の捕捉率
を高めることができる。
【0069】さらにまた、光触媒フィルタの枚数は制限
されないが、2枚のときが最も費用対効果比が良好にな
る。
【0070】請求項8の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし7のいずれか一記載の空気清浄装置において、
空気導入手段は、光触媒フィルタより風上に配設される
とともに回転軸が光触媒フィルタの面とほぼ平行な面に
位置している横流ファンであることを特徴とする。
【0071】本発明は、空気清浄装置が薄形にもかかわ
らず十分な風量を確保するための構成を規定している。
【0072】また、本発明において、放電ランプを複数
用いるとともに、光触媒フィルタの面積を大きくして空
気清浄化能力の大きい中・大容量タイプの空気清浄装置
を得る場合には、横流ファンの軸長を大きくすればよい
ので、構成が簡単であるから、容量が比較的大きい空気
清浄装置に好適である。しかし、横流ファンを小形化す
ればよいので、本発明は小形の空気清浄装置にも効果的
である。
【0073】請求項9の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし8記載の空気清浄装置において、放電ランプ、
光触媒フィルタおよび空気導入手段を収納するととも
に、空気排出手段の少なくとも一部を構成しているケー
スを具備していることを特徴としている。
【0074】光触媒フィルタを挟んで放電ランプと対面
しているケースの内面を紫外線反射性に構成することに
より、光触媒フィルタを通過した紫外線をケースの内面
で反射させて光触媒フィルタを背面側から活性化させる
ことができる。このため、さらに空気清浄化能力を高め
ることができる。なお、紫外線反射性に構成するには、
たとえばケースをアルミニウムで形成するか、ケースの
光触媒フィルタに対面する部分に反射板を配設すればよ
い。
【0075】空気排出手段は、光触媒フィルタを通過し
て清浄化された空気を排出して室内に還流するためのも
のである。空気導入手段がファンである場合には、単に
ケースに空気排出用の開口を形成するだけで空気排出手
段を構成することができ、構造の簡単化を図ることがで
きる。
【0076】これに対して、空気排出手段に吸い出し用
のファンを用いる場合には、ケースに空気排出用の開口
を形成して空気排出手段の一部とする。空気排出用の開
口はケースの適当な位置に形成することができる。たと
えば、空気導入手段をケースの上部に配設する場合に
は、空気排出用の開口は、ケースの底面、側面、前面お
よび背面のいずれか一または任意の複数の面に形成する
ことができる。また、空気導入手段をケースの上部以外
の位置に配設した場合には、空気排出用の開口を上部に
配設することもできる。
【0077】また、ケースの内部には放電ランプの点灯
装置をも収納することができる。この場合、光触媒フィ
ルタを通過した空気が空気排出手段から室内に排出され
る前に点灯装置の周囲を通過するような位置に点灯装置
を配置することにより、点灯装置の作動に伴って発生す
る熱を空気中に拡散させることができる。点灯装置によ
る熱の発生量は空気循環量に比較すると、わずかである
から、空気排出手段から排出される空気の温度上昇は無
視できる程度である。
【0078】さらに、点灯装置としては、放電ランプの
発光効率を高くするために、高周波インバータおよび限
流インピーダンスを用いて高周波点灯する形式のものが
望ましい。
【0079】請求項10の発明の空気清浄装置は、請求
項9記載の空気清浄装置において、空気導入手段は、ケ
ースの上部から空気を導入するように構成されており;
空気排出手段は、ケースの下部から空気を排出するよう
に構成されている;ことを特徴としている。
【0080】室内の熱対流によって相対的に汚れた空気
が室内の上側に集まりやすいことから、本発明において
はケースの上部から空気を導入するように空気導入手段
を構成し、清浄化された新鮮な空気を人間がいる下側に
排出するように空気排出手段を構成したものである。し
かし、本発明においては、要すればさらにケースの側面
にも空気排出手段を配設することができる。
【0081】請求項11の発明の空気清浄装置は、請求
項9または10記載の空気清浄装置において、空気導入
手段は、ケースの上部から空気を導入するように構成さ
れており;空気排出手段は、ケースの側部から空気を排
出するように構成されている;ことを特徴としている。
【0082】本発明においては、空気をケースの側部か
ら排出するように構成することにより、空気清浄装置を
たとえば床置き形に構成することが可能になる。床置き
形にすれば、パーティションとして用いることもでき
る。
【0083】また、ケースの下部および側部から空気を
排出するように構成することにより、空気排出速度を低
減させることができるから、人に不快感を与えないよう
にできるとともに、空気排出による空気抵抗を低減でき
るから、空気導入および排出に要する電力を低減して省
電力を図ることができる。
【0084】請求項12の発明の空気清浄装置は、請求
項1ないし11のいずれか一記載の空気清浄装置におい
て、放電ランプの受電部側に挿入されて放電ランプを支
持するとともに、空気導入手段と空気排出手段との間に
おいて周囲から不所望な空気の漏洩を阻止して装着され
るように構成された耐紫外線性の軟質合成樹脂からなる
キャップを具備していることを特徴としている。
【0085】耐紫外線性の合成樹脂としては、たとえば
フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができ
る。なお、本発明において、「耐紫外線性」とは、少な
くとも波長300〜400nmの範囲の紫外線に対して
耐性を備えていればよいことを意味する。
【0086】本発明におけるキャップは、放電ランプを
気密に支持するとともに、空気清浄装置に放電ランプを
配設する際にキャップの周囲から不所望な空気の漏洩が
ないようにキャップを気密に装着するのには、たとえば
空気清浄装置の枠体などに気密に弾接する装着溝を周面
の少なくとも一部に形成することによって実現すること
ができる。
【0087】そうして、本発明においては、放電ランプ
を簡単な構造で空気の不所望な漏れなく支持するととも
に、空気清浄装置へ装着することができる。
【0088】請求項13の発明の空気清浄装置は、請求
項1ないし12のいずれか一記載の空気清浄装置におい
て、放電ランプは、U字状部分に屈曲した部分を含んで
おり;放電ランプのU字状部分の内部空間にU字状部分
を2分するように挿入して配設され、両面に光触媒を被
着したプレートを具備している;ことを特徴としてい
る。
【0089】受電手段が一端側に配設されている放電ラ
ンプを用いることにより、空気導入に際して放電ランプ
の受電のための手段および主体的に機械的に支持する手
段が空気導入手段と光触媒フィルタとの間に存在しない
ので、空気清浄化能力が増加する点については既述した
とおりであり、このような放電ランプとしては、U字状
に屈曲した部分を備えているものがすこぶる好適であ
る。
【0090】本発明者は、上記の構成の利点を備えなが
ら、活性炭やゼオライトなどの吸着剤を用いる空気清浄
機より初期の空気清浄化能力が優れている空気清浄装置
を開発している過程で、放電ランプのU字状部分の紫外
線放射強度に着目して本発明をなすに至るとともに、本
発明により所期の目的を達成することができるようにな
った。
【0091】すなわち、放電ランプがU字状部分を備え
ていると、U字状部分の内部およびその近傍における紫
外線の放射強度が著しく高くなっていることが分かっ
た。したがって、この紫外線の放射強度の高い場所に光
触媒を配設することにより、当該部分の光触媒の活性が
著しく高くなる。
【0092】一方、放電ランプの外側において放電ラン
プを挟むように、たとえばほぼ平行な面内に二組の光触
媒フィルタが配設されていても、これらの光触媒フィル
タの活性化は、上記プレートの存在の有無にあまり関係
なく行われる。
【0093】このため、光触媒を被着したプレートを上
述のように追加することにより、光触媒の面積が増加
し、これに伴い空気清浄化能力が増加する。
【0094】また、光触媒を被着したプレートは、紫外
線照射量が多いので、空気を汚染している微粒子有機物
を迅速に分解するので、初期の清浄化能力向上に効果的
である。
【0095】さらに、プレートに被着させる光触媒にゼ
オライトや活性炭などの吸着剤を添加した複合材料を用
いることにより、初期の空気清浄化能力を一層向上させ
ることができる。
【0096】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0097】図1は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態の正面図である。
【0098】図2は、同じく左側面図である。
【0099】図3は、同じく底面図である。
【0100】図4は、同じくケースの前面および光触媒
フィルタを除去して示す断面図である。
【0101】図5は、同じくケースの前面および前側の
光触媒フィルタを除去して示す断面図である。
【0102】図6は、同じく縦断面図である。
【0103】図7は、図6におけるVII−VII'線に沿う
断面図である。
【0104】各図において、1はケース、2は放電ラン
プ、3は点灯装置、4は光触媒フィルタ、5は空気導入
手段、6は空気排出手段である。
【0105】(ケース1について)ケース1は、ほぼ正
方形をなす浅い箱状をなし、前面上部に空気取り入れグ
リル1aを備え、内部に導風板1b、それぞれ複数の整
流板1c、1d、ランプ支持板1e、パッキング1fお
よび点灯装置装着板1gを備えている。
【0106】また、図示を省略したが、ケース1は、基
体1Aと蓋体1Bとに分離され、ヒンジおよびラッチに
より蓋体1Bが基体1Aに対して開閉自在に構成されて
いる。
【0107】導風板1bは、2組の光触媒フィルタ4、
4の間に空気を誘導するように配設されている。
【0108】整流板1cは、放電ランプ2に沿って空気
を流すように光触媒フィルタの間において複数の放電ラ
ンプ2の間を仕切る位置にランプ支持板1eおよび導風
板1bの間に配設されている。
【0109】整流板1dは、光触媒フィルタ4の外側に
おいて整流板1cとの間で光触媒フィルタを挟持するよ
うに基体1Aおよび蓋体1Bに配設されている。
【0110】ランプ支持板1eは、コ字状に折曲され、
複数のランプの端部を挿入できるように孔が形成されて
いる。
【0111】パッキング1fは、ランプ支持板1eの内
面側に配設されて、放電ランプ2とランプ支持板1eの
孔との隙間から空気が漏れないようにシールする。
【0112】点灯装置装着板1gは、ランプ支持板の片
側を延長して形成されている。
【0113】なお、光触媒フィルタ4に対面するケース
1の内面は紫外線に対する反射面に形成されている。
【0114】(放電ランプ2について)放電ランプ2
は、U字状をなす蛍光ランプで、ピークが波長351n
mの紫外線を発生する。そして、放電ランプ2の両端部
は、ランプ支持板1eの孔からランプ装着板の裏側へ挿
入されて装着されている。
【0115】また、放電ランプ2の両端に封装されてい
る一対の電極から導出されているリード線はランプ装着
板1gに装着されている点灯装置3の出力端子に接続さ
れる。
【0116】さらに、本実施形態において、放電ランプ
2は6灯を用いていて、いずれの放電ランプ2も同一面
内に配置されている。
【0117】(光触媒フィルタ4について)2組の光触
媒フィルタ4、4は、平板状をなし、放電ランプ2を挟
むように放電ランプの両側に配設されている。
【0118】また、光触媒フィルタ4は、編組したガラ
ス繊維を用いて編んだメッシュ構造体にアナターゼ形T
iO2を主体とする光触媒をフッ素樹脂を結着材として
担持させて形成したものである。
【0119】さらに、光触媒フィルタ4は、導風板1b
およびランプ支持板1eに上下端が当接し、前後面が整
流板1cおよび1dの間に挟持されている。
【0120】(空気導入手段5について)空気導入手段
5は、横流ファンによって構成されている。この横流フ
ァンは、ケース1の上部の空気取り入れグリル1aの内
方に配設され、回転すると、回転軸を横切る横流を生じ
て空気取り入れグリル1aから室内の空気を吸い込み、
導風板1bを経由して二組の光触媒フィルタの間に空気
を導入する。
【0121】(空気排出手段6について)本実施形態に
おいて、空気排出手段6は、ケースの下部である底面に
形成した空気排出用開口によって形成されている。
【0122】(動作について)空気導入手段5の作動に
よって空気取り入れグリル1aからケース1内に取り入
れられた空気は、導風板1を介して放電ランプ2および
2組の光触媒フィルタ4、4の間に導入される。そし
て、導入された空気はさらに光触媒フィルタ4、4のメ
ッシュの間を通過して光触媒フィルタ4、4およびケー
ス1の間に出てくる。その過程において、空気中に浮遊
している汚染物質すなわち臭い物質、細菌類および汚れ
物質が光触媒の表面に接触した際に光触媒に吸着すなわ
ち捕捉される。そして、光触媒作用を受けてやがて分解
される。
【0123】放電ランプ2から放射された紫外線の一部
は、光触媒フィルタ4のメッシュの間を通過してケース
1の内面に入射するが、内面で反射されて光触媒フィル
タ4を背面から活性化させる。
【0124】一方、光触媒フィルタ4、4を通過した際
に汚染物質が捕捉されて清浄化された空気は、ケース1
の内面と光触媒フィルタ4、4との間に沿って流れて空
気排出手段6から再び室内に還流していく。ケース1内
における空気の流れの過程で整流板1cおよび1dは、
各放電ランプ2に対して均等に空気を振り分け渦流の発
生を抑制するように作用する。
【0125】また、点灯装置3は、空気排出手段6に向
かって空気が流れる過程で点灯装置3の周囲を通過する
ときに点灯装置3を冷却する。
【0126】図8は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態における臭い物質の分解性能の実験結果を示すグ
ラフである。
【0127】図において、横軸は照射時間(分)を、縦
軸は濃度(%)を、それぞれ示す。また、曲線Aは、波
長254nmの紫外線を主として発生する放電ランプを
用いた場合の測定結果を示す。曲線Bは、主として35
0nmの紫外線を発生する放電ランプに交換した場合の
測定結果を示す。
【0128】この実験は、密閉された箱内に空気清浄装
置を設置し、臭い物質であるアセトアルデヒドを箱内に
充満させた状態にして空気清浄装置を運転して経過時間
に対する箱内のアセトアルデヒドの濃度変化を測定した
ものである。
【0129】図から理解できるように、いずれの波長の
紫外線を照射した場合であっても、空気清浄装置を数十
分間作動させれば、臭い物質は順次光触媒フィルタに捕
捉され、そして光触媒フィルタに捕捉された臭いは確実
に分解されて無臭状態になる。
【0130】図9は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態における光触媒フィルタの枚数を変化させた場合
の臭い物質の捕捉および光触媒フィルタによる分解性能
の実験結果を示すグラフである。
【0131】図において、曲線Cは光触媒フィルタが1
枚の場合、曲線Dは同じく2枚の場合、曲線Eは同じく
3枚の場合の測定結果を示している。図9におけるのと
同様な実験方法であるが、経過時間100分間までは放
電ランプを消灯状態で空気清浄装置を運転し、100分
間経過時に放電ランプを点灯した。
【0132】図から理解できるように、光触媒フィルタ
が1枚の場合には、経過時間45分までアセトアルデヒ
ドを吸着すなわち捕捉し続けるが、経過時間45分間で
ほぼ飽和している。これに対して、光触媒フィルタが2
枚以上の場合には、多少の飽和傾向は認められるものの
100分間経過まで捕捉を継続している。
【0133】次に、100分間経過後放電ランプを点灯
すると、再びアセトアルデヒドは急激に減少して光触媒
膜1枚では点灯開始30分間で完全に消臭状態になっ
た。これに対して、光触媒フィルタが2、3枚の場合
は、点灯10分間以内に完全に消臭状態になった。
【0134】この結果、光触媒フィルタを2枚重ねて用
いると、比較的経済的でありながら顕著な脱臭効果を得
られることが分かった。
【0135】図10は、本発明の空気清浄装置に用いる
ことができる放電ランプの第1の例を示す正面図であ
る。
【0136】図11は、同じく平面図である。
【0137】図において、2は放電ランプ、11はキャ
ップ、12はワイヤハーネスである。
【0138】放電ランプ2は、放電容器2aおよび電極
2bを備えて構成されている。放電容器2aは、254
nmの紫外線を透過する石英ガラスからなり、内部に水
銀および希ガスを封入し、端部にはピンチシール部2a
1を備えているとともに、中間でU字状に折り返されて
いる。
【0139】電極2bは、放電容器2aの両端内部にピ
ンチシール部2a1を介して封装された冷陰極形のもの
である。
【0140】キャップ11は、耐紫外線性の合成樹脂を
成形してなり、放電容器2aの両端部を挿入して材料の
弾力によって支持しているとともに、放電ランプ2を空
気清浄装置へ装着する際に寄与する。
【0141】ワイヤハーネス12は、キャップ11から
延在したリード線12aおよびリード線12aの先端に
接続されたコネクタ12bからなる。そして、コネクタ
12bは、点灯装置の出力端子に接続される。
【0142】次に、上記放電ランプの寸法、諸特性およ
び定格寿命を以下に示す。
【0143】管径6mm、管長190mm、管幅20m
m、定格消費電力6W、ランプ電流16mA、254n
mの紫外線出力1.4W、紫外線放射強度15.4μW
/cm2(ただし、紫外線強度測定の際の照射距離は1
mである。)、定格寿命30000h 図12は、本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第2の例を示す正面図である。
【0144】図において、図11および図12と同一部
分については同一符号を付して説明は省略する。
【0145】この例の放電ランプは、波長約350nm
の紫外線を主として発生するもので、放電容器2aは硬
質ガラスを用いて形成されている。そして、放電容器2
aの内面には波長254nmの紫外線による励起で波長
約350nmの紫外線を効率よく放射する蛍光体層が形
成されている。
【0146】次に、上記放電ランプの寸法、諸特性およ
び定格寿命を以下に示す。
【0147】管径4mm、管長200mm、管幅40m
m、定格消費電力2W、ランプ電流5mA、約350n
mの紫外線出力280mW、紫外線放射強度1500μ
W/cm2(ただし、紫外線強度測定の際の照射距離は
9mmである。)、定格寿命20000h 図13は、本発明の空気清浄装置の第2の実施形態を示
す正面図である。
【0148】図14は、同じく縦断面図である。
【0149】図において、図1および図6と同一部分に
ついては同一符号を付して説明は省略する。
【0150】本実施形態は、ケース1の前面に透光性表
示部1Cを備えている点で異なる。
【0151】すなわち、透光性表示部1Cは、ケース1
の前面に開口1hを形成して、開口1hに裏面から透光
性アクリル樹脂板7を装着し、透光性アクリル樹脂板7
にはたとえば誘導標識など任意所望の表示を施してあ
り、さらに内面に蛍光体層を形成することによって構成
されている。
【0152】そうして、光触媒フィルタ4を透過した紫
外線が蛍光体層に入射すると、蛍光体層が可視光を発生
して透光性アクリル樹脂板7を背面から照明するので、
表示が見えるようになる。
【0153】したがって、空気清浄装置の放電ランプ2
が点灯して紫外線が発生していることの動作表示を行う
ことができる。また、これと同時に表示による効果を奏
するのはいうまでもない。
【0154】図15は、本発明の空気清浄装置の第3の
実施形態を示す正面図である。
【0155】図16は、同じく側面図である。
【0156】図17は、同じく縦断面図である。
【0157】図18は、図17のXVIII−XVIII'線に沿
う断面図である。
【0158】各図において、図1ないし図7と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0159】本実施形態は、空気排出手段6をケース1
の両側面に形成した点で異なる。このため、ケース1
は、第1の実施形態に比較して幅寸法がいくらか大きく
なっている。
【0160】また、ケース1の側面からの空気の排出を
可能にするために、第1の実施形態において用いた整流
板1dは除去してある。
【0161】図19は、本発明の空気清浄装置の第4の
実施形態を示す縦断面図である。
【0162】図において、図14と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0163】本実施形態は、空気清浄装置を床置き形に
するとともに前後両面に透光性表示部1Cを備えている
点で異なる。
【0164】すなわち、ケース1の下部にスタンド8を
備えている。空気排出手段6は、ケース1の下部だけで
なく、図示は省略しているが、両側面にも配設してい
る。なお、ケース1の下部の空気排出手段6から排出さ
れた空気は、スタンド8の図と直交する方向の両側から
室内に導出される。
【0165】また、ケース1には、横流ファンからなる
空気導入手段5の周囲に空気取り入れグリル1aを形成
しているので、ケース1の両側から空気を導入すること
ができる。
【0166】一方、ケース1の前後両面の透光性表示部
1Cは、放電ランプ2から発生する可視光によって内照
される形態を採用している。
【0167】すなわち、ケース1に内蔵される放電ラン
プ2は、その電極を熱陰極形にするとともに、紫外線を
発生する蛍光体と可視光を発生する蛍光体を適当な割合
で混合してなる蛍光体層を備えたものを用いている。こ
のため、空気清浄化のために必要な紫外線を確保しなが
ら所要量の可視光を発生させることができる。そして、
可視光によって透光性アクリル樹脂板7を直接内部から
照明することができる。
【0168】そうして、本実施形態は、床置き形に構成
しているので、パーティションとして用いることもでき
る。
【0169】また、透光性表示部1Cは、放電ランプ2
から発生する十分な量の可視光によって照明されるの
で、表示効果が良好である。
【0170】さらに、放電ランプ2は、紫外線の他に可
視光を発生するので、点灯の有無を容易に確認すること
ができる。
【0171】図20は、本発明の空気清浄装置の第5の
実施形態を示す縦断面図である。
【0172】図において、図19と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0173】本実施形態は、空気導入手段5を小形化し
てケース1の全体を同一奥行寸法に構成した点で異な
る。
【0174】図21は、本発明の空気清浄装置の第6の
実施形態における放電ランプユニットを示す正面図であ
る。
【0175】図22は、同じくキャップを示す断面図で
ある。
【0176】各図において、図13と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0177】本実施形態は、簡単な構造で放電ランプの
支持および空気清浄装置への装着を不所望な空気の漏洩
がなようにした点で異なる。
【0178】すなわち、放電ランプユニットは、放電ラ
ンプ2およびキャップ11によって構成されている。
【0179】キャップ11は、シリコーン樹脂を成形し
て形成したもので、U字状の放電ランプ2の両端を挿入
する一対の挿入孔11aを前後に貫通して形成し、周囲
に装着溝11bを形成している。
【0180】ワイヤハーネス12は、リード線12aお
よびコネクタ12bからなる。
【0181】そうして、放電ランプユニットを組み立て
るには、放電ランプ2にリード線12aを接続してか
ら、リード線12aをキャップ11の挿入孔11aに挿
入し、背面側へ引っ張ることによって、放電ランプ2の
両端部をキャップ11に支持させることができる。そし
て、キャップ11の後方へ導出したリード線12aの先
端にコネクタ12bを接続してワイタハーネス12を組
み立てる。
【0182】放電ランプユニットを空気清浄装置に装着
するには、キャップ11の装着溝11bを空気清浄装置
の枠体13に係合することによって気密に装着すること
ができる。なお、枠体の両面に光触媒フィルタ(図示し
ない。)を配設し、枠体13の一部に空気導入孔を形成
して、空気導入手段からの空気を枠体13内部に導入す
る。
【0183】なお、枠体13は、紫外線の反射が良好で
機械的に所要の強度を有する材料たとえばアルミニウ
ム、ステンレス鋼などの金属、表面に紫外線反射性の金
属膜を形成した合成樹脂などによって形成することがで
きる。また、金属でも紫外線反射性が十分でなければ、
鍍金などによって紫外線反射性の表面処理を行うことが
できる。
【0184】また、枠体の内面に光触媒膜を形成しても
よい。
【0185】図23は、本発明の空気清浄装置の第7の
実施形態における放電ランプユニットを示す正面図であ
る。
【0186】図24は、同じく放電ランプユニットおよ
び枠体を示す一部断面側面図である。
【0187】各図において、図21と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0188】本実施形態は、放電ランプ2のU字状部分
の内部空間に光触媒を被着させたプレート14を具備し
ている点で異なる。
【0189】すなわち、プレート14は、高純度アルミ
ニウム板からなり、基端がキャップ11の前面に形成し
た差し込み溝11cに圧入されて支持されている。な
お、プレート14が絶縁体からなる場合には、先端を放
電ランプ2の湾曲部に当接してもよい。この場合、プレ
ート14の先端には放電ランプ2の放電容器が嵌合する
係合部を形成することができる。
【0190】光触媒膜は、アナターゼ形酸化チタンを主
成分とする光触媒、ゼオライトおよび低温結着剤の分散
液を調整して、当該分散液中にプレート14を浸漬し、
焼成することにより、プレート14の両面に形成され
る。
【0191】枠体13は、図24に示すように、放電ラ
ンプ2の前方に対向する部位に空気導入孔13aが形成
され、空気導入手段によって外部から空気清浄装置内に
導入された空気が空気導入孔13aから枠体13内に導
入される。そして、枠体の表面にもプレート14と同様
に光触媒が被着されている。
【0192】図25は、本発明の空気清浄装置の第7の
実施形態における空気清浄化能力の実験結果を第6の実
施形態のそれと比較して示すグラフである。
【0193】図において、横軸は時間(hr)を、縦軸
はホルムアルデヒドの濃度減少率(%)を、それぞれ示
す。また、曲線Fは本実施形態を、曲線Gは第5の実施
形態を、それぞれ示す。
【0194】本実験は、容積1.2m3のボックス内に
予めホルムアルデヒドを所定濃度に充満させておき、空
気清浄装置を運転したときの経過時間に対するホルムア
ルデヒドの濃度減少率を測定したもので、図はそのデー
タをプロットして得た。
【0195】また、第7の実施形態の空気清浄装置は、
プレート14を備えるとともに、枠体内面に光触媒を被
着しているが、第6の実施形態はこれらの構成を備えて
いない以外は同一仕様である。
【0196】図から明かなように、本実施形態によれ
ば、空気清浄能力が極めて優れていることを理解でき
る。
【0197】
【発明の効果】請求項1ないし13の各発明によれば、
波長400nm以下のを含む光を発生し、受電部が一端
側に配設されているとともに、主体的には受電部側で装
着されている放電ランプを挟んで離間対向した二組のほ
ぼ平面状をなす光触媒フィルタを配設し、放電ランプの
他端側から二組の光触媒フィルタの間に空気を導入する
空気導入手段と、光触媒フィルタを通過させて排出させ
る空気排出手段を具備していることにより、空気清浄化
能力が大きくて、しかも薄形化が可能な空気清浄装置を
提供することができる。
【0198】請求項2の発明によれば、加えて放電ラン
プが二組の光触媒フィルタとほぼ平行な面内において折
り返されていて、放電路の両端に配設された一対の電極
が一端側に位置していることにより、受電部を放電ラン
プの一端側へ揃えるのが容易であるとともに、放電路長
を大きくしてランプ電圧を高くすることで紫外線発生量
を多くしてコンパクトでありながら空気清浄能力の高い
空気清浄装置を提供することができる。
【0199】請求項3の発明によれば、加えて二組の光
触媒フィルタの面に直交する方向の幅が12mm以下で
あることにより、奥行を小さくした薄形の空気清浄装置
を提供することができる。
【0200】請求項4の発明によれば、加えて放電ラン
プの電極が冷陰極であることにより、放電ランプの幅を
小さくして奥行を小さくして薄形の空気清浄装置を提供
することができる。
【0201】請求項5の発明によれば、加えて放電ラン
プの電極が熱陰極であることにより、紫外線発生量を増
加して放電ランプの使用数を低減するか、所要量の紫外
線を確保しながら可視光をも発生させて放電ランプの点
灯確認を容易にしたり、照明に利用することが可能な空
気清浄装置を提供することができる。
【0202】請求項6の発明によれば、加えて光触媒フ
ィルタとほぼ平行な同一面内に沿って離間して配設され
た複数の放電ランプを備えていることにより、光触媒フ
ィルタの面積に応じた所望量の紫外線を発生させること
が可能な空気清浄装置を提供することができる。
【0203】請求項7の発明によれば、加えて二組の光
触媒フィルタをそれぞれ複数枚の光触媒フィルタによっ
て構成したことにより、汚染物質の捕捉能力を高めるこ
とによって光分解を効果的に行う空気清浄化能力の高い
空気清浄装置を提供することができる。
【0204】請求項8の発明によれば、加えて空気導入
手段として光触媒フィルタより風上に配設される横流フ
ァンを用いたことにより、薄形にもかかわらず十分な風
量を確保した空気清浄装置を提供することができる。
【0205】請求項9の発明によれば、加えて放電ラン
プ、光触媒フィルタおよび空気導入手段を収納するケー
スによって空気排出手段の少なくとも一部を構成してい
ることにより、構造の簡単化を図った空気清浄装置を提
供することができる。
【0206】請求項10の発明によれば、加えて空気導
入手段をケースの上部に収納するとともに、空気をケー
スの下部から排出するように構成したことにより、人間
のいる室内の下側に清浄化された新鮮な空気を排出する
空気清浄装置を提供することができる。
【0207】請求項11の発明によれば、加えて清浄化
された空気をケースの側部から排出するように構成した
ことにより、床置きも可能な空気清浄装置を提供するこ
とができる。
【0208】請求項12の発明によれば、加えて耐紫外
線性の軟質合成樹脂からなるキャップに放電ランプの受
電部側を挿入して支持するとともに、キャップによって
周囲から不所望な空気の漏れを阻止して装着するように
構成したことにより、簡単な構造で空気の漏れなく放電
ランプを取り付けた空気清浄装置を提供することができ
る。
【0209】請求項13の発明によれば、加えてU字状
部分を備えた放電ランプのU字状部分の内部空間にU字
状部分を2分するように表面に光触媒を被着したプレー
トを挿入して配設したことにより、光触媒面積を増加し
て空気清浄能力を強化した空気清浄装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態の正面
【図2】同じく左側面図
【図3】同じく底面図
【図4】同じくケースの前面および光触媒フィルタを除
去して示す断面図
【図5】同じくケースの前面および前側の光触媒フィル
タを除去して示す断面図
【図6】同じく縦断面図
【図7】図6におけるVII−VII'線に沿う断面図
【図8】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態におけ
る臭い物質の分解性能の実験結果を示すグラフ
【図9】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態におけ
る光触媒フィルタの枚数を変化させた場合の臭い物質の
捕捉および光触媒フィルタによる分解性能の実験結果を
示すグラフ
【図10】本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第1の例を示す正面図
【図11】同じく平面図
【図12】本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第2の例を示す正面図
【図13】本発明の空気清浄装置の第2の実施形態を示
す正面図
【図14】同じく縦断面図
【図15】本発明の空気清浄装置の第3の実施形態を示
す正面図
【図16】同じく側面図
【図17】同じく縦断面図
【図18】図17のXVIII−XVIII'線に沿う断面図
【図19】本発明の空気清浄装置の第4の実施形態を示
す縦断面図
【図20】本発明の空気清浄装置の第5の実施形態を示
す縦断面図
【図21】本発明の空気清浄装置の第6の実施形態にお
ける放電ランプユニットを示す正面図
【図22】同じくキャップを示す断面図
【図23】本発明の空気清浄装置の第7の実施形態にお
ける放電ランプユニットおよびプレートを示す正面図
【図24】同じく放電ランプユニット、プレートおよび
枠体を示す一部断面側面図
【図25】本発明の空気清浄装置の第7の実施形態にお
ける空気清浄化能力の実験結果を第6の実施形態のそれ
と比較して示すグラフ
【符号の説明】
1…ケース 1a…空気取り入れグリル 1b…導風板 1c…整流板 1d…整流板 1e…ランプ支持板 1f…パッキング 1g…点灯装置装着板 1A…基体 1B…蓋体 2…放電ランプ 3…点灯装置 4…光触媒フィルタ 5…空気導入手段 6…空気排出手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月15日(1999.4.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【書類名】明細書
【発明の名称】空気清浄装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒フィルタを
備えた空気清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平1−139139号公報には、直
管形の殺菌灯の周囲に同軸関係に円筒状の光触媒フィル
タを設け、殺菌灯および光触媒フィルタの一端側にブロ
ワを配設するとともに、殺菌灯および光触媒フィルタを
包囲する筒形のカバーを同軸に配設し、ケースの風上側
の端部にエアーフィルタを、また風下側の端部に多孔板
を、それぞれ配設した構造の空気清浄装置が記載されて
いる。(従来技術1) 従来技術1においては、殺菌灯と光触媒フィルタとの間
にブロワによって送風された空気が殺菌灯からの紫外線
によって活性化された光触媒フィルタの中を通過する際
に光触媒に捕捉された空気中に浮遊する臭いガスや細菌
などの有機の汚染物質が分解されて脱臭、殺菌を行う。
そして、光触媒フィルタを通過して清浄化された空気は
光触媒フィルタに沿ってカバー内を移動して多孔板から
外部に放出される。
【0003】特開平3−106420号公報には、直管
形紫外線灯を角筒状の光触媒で包囲し、光触媒の外側か
ら送風して空気が光触媒の外側から内部へ通過し、さら
に反対側の光触媒を内側から外側へ通過させる構成を2
段階直列に配設した空気清浄装置が記載されている。
(従来技術2) また、上記公報には、紫外線灯を角筒形の光触媒で同軸
に包囲して、紫外線灯と光触媒との間であって、しかも
光触媒の表面に沿って空気を流通させるように構成した
空気清浄装置も記載されている。(従来技術3)
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術1
は、直管形の殺菌灯を用いているため、殺菌灯の両端に
接続する電気配線および殺菌灯の機械的支持のためのラ
ンプソケットなどのために、空気抵抗が大きくなり、光
触媒フィルタに十分な量の空気を導入できないという問
題がある。特にこの問題は、光触媒フィルタの内径を小
さくしてなるべく薄形の空気清浄装置を得ようとする場
合に、大きな障害となる。
【0004】また、従来技術1においては、風上側に位
置しているブロワに向かう紫外線をランプソケットなど
がカットしてしまうので、ブロワにたとえ光触媒膜を形
成しても、ブロワに堆積する汚れを分解して除去する効
果は十分に期待することができない。
【0005】次に、従来技術2は、光触媒フィルタの紫
外線照射を受けない背面側から未浄化の空気が導入され
るので、光触媒フィルタの背面に捕捉された汚染物質が
分解されないで残留するため、浄化効率が著しく損なわ
れるという問題がある。しかも、光触媒フィルタの背面
に堆積した汚染物質によって光触媒フィルタの空気抵抗
が早期に増加するため、清浄化される空気量すなわち空
気清浄化能力が低下してしまうという問題もある。
【0006】また、従来技術2においても、従来技術1
と同様に直管形の殺菌線灯を用いているため、装置の構
造が複雑化してしまい、装置を小形化、薄形化すること
が困難である。
【0007】最後に、従来技術3においては、空気が光
触媒フィルタと殺菌線灯との間を光触媒フィルタの表面
に沿って通過する構造であるため、光触媒フィルタに接
触するのは、通過する空気の一部にすぎないので、空気
清浄化能力はどうしても低くなるという問題がある。な
お、光触媒による汚染物質の分解は、汚染物質が光触媒
に捕捉されることによって初めて行われるのである。
【0008】本発明は、空気清浄化能力が高くて、しか
も薄形化が可能な空気清浄装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の空気清
浄装置は、波長400nm以下を含む光を発光し、受電
部が一端側に配設されているとともに、受電部側で主体
的に装着されている放電ランプと;放電ランプを挟んで
離間対向して配設された二組のほぼ平面状をなす光触媒
フィルタと;放電ランプの他端側から二組の光触媒フィ
ルタの間に空気を導入する空気導入手段と;空気導入手
段によって二組の光触媒フィルタの間に導入された空気
を光触媒フィルタを通過させて排出させる空気排出手段
と;を具備していることを特徴としている。
【0010】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0011】(放電ランプについて)放電ランプは、放
電により波長400nm以下を含む光を発生するのであ
るが、本発明はいわゆる紫外線灯や殺菌線灯に限定する
ものではない。たとえば、主発光が可視光であって、一
部400nm以下の波長の発光成分を含んでいるような
放電ランプであってもよい。しかし、光触媒を活性化さ
せるには、波長400nm以下の光が効果的であるか
ら、これらの波長域成分の多い発光を行う放電ランプを
用いるのが効果的である。
【0012】波長400nm以下の光は、一般に紫外線
と称されるが、人体に対して有害な315nm以下と、
同じく無害なそれ以上の波長域とに分かれる。前者はさ
らに200〜280nmをUV−Cと称し、280〜3
15nmをUV−Bと称し、後者はUV−Aと称してい
るが、いずれの波長域の紫外線も種々の応用が行われて
いる。
【0013】ところで、波長400nm以下の紫外線を
主として発生する放電ランプには、主として254nm
の紫外線を発生する殺菌ランプ、主波長が351nmま
たは365nmの紫外線を発生するブラックライトと称
される蛍光ランプの他に、主として300〜400nm
にわたる幅広い波長域の紫外線を発生する蛍光ランプも
ある。
【0014】本発明においては、上記のいずれの放電ラ
ンプをも用いることができる。しかし、本発明における
光触媒は、清浄化対象の空気が通過するフィルタ形態を
なしている関係で、紫外線がフィルタの内部まで進入し
やすくなるようになるべく波長の長い紫外線を多く発生
する蛍光ランプを用いると効果的である。また、抗菌を
目的にする場合には、殺菌ランプを用いることにより、
殺菌線による殺菌作用が加わる。
【0015】さて、本発明における特徴的構成は、放電
ランプの受電部がその一端側に配設されているととも
に、受電部側で主体的に装着されていることである。
【0016】紫外線を効果的に発生する放電ランプは、
一般に細長い放電路の両端に一対の電極を備え、電極間
に所定電圧を印加して放電させるように構成されてい
る。したがって、放電路の両端に受電部を備えている。
【0017】しかしながら、本発明においては、上記の
ように受電部が放電ランプの一端側に配設されているも
のを用いる。放電ランプの一端側に受電部を配設するに
は、たとえば放電路を折り返して放電路の両端の電極を
放電ランプの一端側に集約させればよい。また、直管形
の放電ランプであっても、他端側の受電部を放電ランプ
に沿って折り返すことにより、一端側に集約させること
ができる。
【0018】次に、放電ランプを受電部側で主体的に装
着するとは、受電部のある基端側で放電ランプを基本的
に取り付けていて、主体的には受電部側で支持されてい
ることを意味する。したがって、放電ランプは先端側に
空気抵抗を大きく増加させるための機構が存在しない。
また、受電部が基端側にあることにより、先端側には受
電のための機構も存在しない。しかし、先端部側を空気
抵抗が大幅に増加しない範囲で補助的に支持することは
許容される。
【0019】(光触媒フィルタについて)光触媒は、光
照射を受けると、その光エネルギーを吸収して励起し、
電子と正孔とが発生して、光触媒の表面にある酸素や水
分と反応して活性酸素やOHラジカルが発生し、これら
が有機物質と結合して分解して炭酸ガスや水となると考
えられている。
【0020】光触媒を構成する物質は、TiO、WO
、LaRhP、FeTiO、Fe、CdF
、SrTiO、CdSe、GaAs、Ga
P、RuO、ZnO、CdS、MoS、LaRhO
、CdFeO、Bi、MoS、In
、CdO、SnOなどである。光触媒を得るに
は、これらの半導体物質の一種または複数種を混合して
用いることができる。
【0021】なお、TiO、WO、SrTiO
Fe、CdS、MoS、Bi、Mo
、In、CdOなどは等価電子帯のレドック
ス・ポテンシャルの絶対値が伝導帯のレドックス・ポテ
ンシャルよりも大きいため、酸化力の方が還元力よりも
大きく、有機化合物の分解による消臭作用、防汚作用ま
たは抗菌作用に優れている。
【0022】また、上記各物質の中で原料コスト面にお
いては、TiO、FeおよびZnOが優れてい
る。
【0023】しかし、各種の光触媒物質の中でTiO
は、光触媒作用が顕著であるとともに、安全で工業的に
合理的な価格で、しかも必要量を入手できるので、最も
有望視されている。
【0024】ところで、TiOには、その結晶構造と
してアナターゼ形およびルチル形があり、光触媒作用は
アナターゼ形の方が優れているといわれている。
【0025】さて、本発明において用いる光触媒フィル
タは、ほぼ平面状をなしていて、かつ通気性を備えてい
る。ガラス繊維を編組して形成したメッシュ構造体に光
触媒物質を適当な結着材によって担持させたものを用い
ることができる。また、ハニカム構造体の表面に光触媒
物質を適当な結着材によって担持させたものを用いても
よい。さらに、光触媒物質を適当な結着材によって直接
ハニカム構造体などの多孔質構造体に形成したものを用
いることができる。
【0026】光触媒フィルタが「ほぼ平面状をなす」と
は、多少の湾曲を含んでいることを許容する意味であ
る。
【0027】また、各組の光触媒フィルタは、それぞれ
1枚ないし複数枚の光触媒フィルタによって構成するこ
とができる。
【0028】さらに、光触媒フィルタのメッシュサイズ
を場所により変化させることができる。これに対して、
メッシュサイズが一定であると、たとえば空気導入口に
近い所では、風圧が高く、順次離れるにしたがって徐々
に風圧が低下し、空気導入口から最も遠い所では風圧は
最も低くなっているから、光触媒膜が同一のメッシュの
大きさであると、風圧の高い場所ほど風速が高くなって
空気通過量が多くなって汚染物質を多く捕捉するが、風
圧の低い場所は反対に風速が低下して空気通過量が少な
くなって汚染物質の捕捉量が低下する。要するに、光触
媒フィルタの中で汚染物質の捕捉率の粗密が生じてしま
い、光触媒フィルタの利用率が低下する。
【0029】そこで、前述のように光触媒フィルタの風
圧の高低分布に応じてメッシュサイズを変えることによ
り、通過空気量をほぼ一定にして光触媒フィルタの利用
率を高めることもできる。たとえば、空気導入部近傍に
おいては光触媒フィルタのメッシュを相対的に密にし、
空気導入部から離隔するにしたがい連続的または段階的
にメッシュを疎にすることができる。
【0030】そうして、本発明においては、二組の光触
媒フィルタを放電ランプを挟んで離間対向して配設する
のであるが、放電ランプと光触媒フィルタとの間の距離
は任意に設定することができる。距離が大きければ、紫
外線照射範囲が大きくなるが、光触媒フィルタに照射さ
れる紫外線強度が小さくなる。反対に接近させれば、照
射される紫外線強度が大きくなるが、照射範囲が狭くな
る。なお要すれば、光触媒フィルタは、放電ランプに接
触していてもよい。放電ランプの紫外線放射量、放電ラ
ンプの使用数および光触媒フィルタの面積などによっ
て、放電ランプおよび光触媒フィルタの間の距離を設計
的に適宜設定すればよい。
【0031】(空気導入手段について)空気導入手段
は、光触媒フィルタの放電ランプと対面している側の面
に清浄化すべき空気を導入することができれば、どのよ
うな構成であってもよい。
【0032】しかし、空気導入手段としてファンを用い
る場合、ファンは軸流ファンおよび横流ファンのいずれ
であってもよい。反対に、後述する空気排出手段にファ
ンを用いる場合には、空気導入手段としては、空気の取
り入れ開口を形成するだけでもよい。
【0033】空気導入手段の外側にはグリルなどのよう
な保護手段やメカニカルフィルタなどを配設することが
望ましい。
【0034】(空気排出手段について)空気排出手段
は、空気導入手段と協働して二組の光触媒フィルタの間
に導入した空気を光触媒フィルタを通過させて清浄化さ
れた空気を空気清浄装置の外部に排出するために機能す
るもので、空気導入手段がファンである場合には、単に
空気排出用の開口だけでもよい。
【0035】また、空気排出手段としてファンを配設す
ることができる。この場合には、前述した空気導入手段
はファンを配設しなくてもよい。
【0036】さらに、光触媒フィルタを通過して空気
は、どのような方向へ排出してもよい。したがって、放
電ランプ、光触媒フィルタなどをケース内に収納する場
合に、空気排出開口をケースの適当な位置に配設するこ
とができる。
【0037】なお、空気排出開口にはグリルや目の大き
なメッシュを保護のために配設することが望ましい。
【0038】(本発明の作用について)本発明において
は、放電ランプの受電手段が一端側に配設されるととも
に、放電ランプを受電部側で主体的に装着しているた
め、空気導入に際して放電ランプの受電のための手段お
よび主体的に機械的に支持する手段が空気導入手段と光
触媒フィルタとの間に存在しないので、これらが空気抵
抗を増加させることがない。このため、空気清浄化能力
が高くなる。たとえ放電ランプの先端部を補助的に支持
したとしても、従来のように空気抵抗が大幅に増加する
ものではない。
【0039】また、二組の光触媒フィルタがほぼ平面状
をなしていて、放電ランプを挟んで配設されているの
で、光触媒フィルタの間に導入された空気は、二手に分
かれて光触媒フィルタを通過する。その通過の際に光触
媒に接触した悪臭成分や揮発性有機成分(VOC)は光
触媒フィルタに捕捉され、次いで分解されて除去され
る。さらに、細菌類もその多くが光触媒に捕捉されるこ
とにより殺菌されるし、有機質の汚れ物質も光触媒フィ
ルタに捕捉されて分解除去される。
【0040】そうして、放電ランプは、幅の狭いものを
容易に得ることができるから、本発明の空気清浄装置
は、これをすこぶる薄形に形成することができるととも
に、コンパクトにすることができる。したがって、食品
保管庫や車両などの狭いスペースにも適合する空気清浄
装置を得ることができる。しかし、本発明はコンパクト
な空気清浄装置に限定されるものではなく、ホテル、店
舗、学校、オフィス、工場、下水処理場およびごみ処理
場などの業務用の大容量タイプの空気清浄装置、さらに
は住宅、航空機、バスなどの中容量タイプの空気清浄装
置にも適合するものである。このような中・大容量タイ
プであっても薄形にできる利点は有意義である。
【0041】さらに、空気導入手段に光触媒膜を形成し
たファンを用いる場合に、放電ランプと当該ファンとの
間に障害物がないように構成できるから、紫外線をファ
ンの光触媒膜にも照射してファンブレードに付着した汚
染物質を分解して除去することができる。これにより、
空気導入能力の低下を抑制することができる。
【0042】請求項2の発明の空気清浄装置は、請求項
1記載の空気清浄装置において、放電ランプは、二組の
光触媒フィルタとほぼ平行な面内において折り返されて
いて、放電路の両端に配設された一対の電極が一端側に
位置していることを特徴としている。
【0043】「放電ランプが折り返されている」とは、
放電路の両端の一対の電極が同一の側にあって放電ラン
プの一端を形成していることを意味し、放電路の中間部
は多様な形状を形成していることが許容される。たとえ
ば、U字状、M字状、コ字状、蛇行状などであってもよ
い。
【0044】そうして、放電ランプを折り返すことによ
り、受電部を放電ランプの一端側へ揃えることができる
とともに、放電路長を大きくしてランプ電圧を高くし、
これによって消費電力を大きくすることで紫外線発生量
を多くすることができる。このため、本発明において
は、放電ランプの幅を増加することなく、紫外線発生量
を増加できるから、コンパクトでありながら空気清浄能
力の高い空気清浄装置を得ることができる。
【0045】請求項3の発明の空気清浄装置は、請求項
1または2記載の空気清浄装置において、放電ランプ
は、二組の光触媒フィルタの面に直交する方向の幅が1
2mm以下であることを特徴としている。
【0046】放電ランプの上記方向の幅を12mm以下
に規定するのは、空気清浄装置の奥行を少なくとも50
mm以下にするためである。奥行が50mm以下であれ
ば、壁掛け形にして使用する場合などにおいて、場所を
選ばなくて済む。
【0047】しかし、一層好適な奥行は30mm程度で
ある。この一層好ましい奥行を実現するには、放電ラン
プの一対の光触媒フィルタの面に直交する方向の幅を8
mm以下好ましくは6mm以下にすればよい。
【0048】請求項4の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし3のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、電極が冷陰極であることを特徴としてい
る。
【0049】冷陰極は、電子を電界放出させる方式の電
極であるから、電極を小形化することができる。電極を
小形化することにより、放電ランプの幅を小さくするこ
とができる。既に説明したように、放電ランプの小形化
により空気清浄装置の薄形化を実現することができる。
【0050】放電ランプの電極には、冷陰極の他に熱陰
極があるが、熱陰極は、フィラメントを用いる構成のも
のは、放電ランプの幅を8mm以下にするのが困難であ
る。
【0051】請求項5の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし3のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、電極が熱陰極であることを特徴としてい
る。
【0052】熱陰極は、熱電子放出作用を有する陰極で
あるが、始動時のモードについては冷陰極スタートモー
ドおよび熱陰極スタートモードのものに分かれる。
【0053】冷陰極スタートモードは、始動時は冷陰極
として作用するが、点灯時には熱陰極として作用する。
【0054】熱陰極スタートモードは、始動時から熱陰
極として作用する。熱陰極スタートモードは、直熱形お
よび傍熱形に分かれる。直熱形は、タングステンなどの
金属フィラメントを陰極としてこれに直接電流を流して
過熱して熱電子放出を行う。傍熱形は、陰極の中に加熱
用のヒータを内蔵して熱電子放射物質を加熱して熱電子
放出を行う。
【0055】本発明は、いずれのモードをも含む。
【0056】そうして、熱陰極は、電子放出量が多いの
で、紫外線発生量を多くできるという特徴がある。しか
し、加熱のためのフィラメントを用いると、前述したよ
うに小形化が困難になるために、十分な薄形化が困難に
なるが、適度に薄形であればよいなら、効果的である。
【0057】しかし、点灯時に熱陰極モードであればよ
いなら、たとえば特開平6−267404号公報に記載
されているようなセラミック電極材料を用いることによ
り、熱陰極を備えていても放電ランプの小形化が可能に
なる。
【0058】また、放電ランプが熱陰極を備えているこ
とにより、電子放出量を多くして紫外線発生量を多くす
ることができるので、放電ランプの使用数を減らして空
気清浄装置のコストを低減することができる。
【0059】さらに、熱陰極を備えた放電ランプは、電
子放出量が多いので、紫外線発生量を所要に維持してさ
らに可視光を発生するように放電ランプを構成すること
もできる。すなわち、紫外線を効率よく発生する蛍光体
に可視光を発生する蛍光体を混合して放電容器の内面側
に蛍光体層を形成することにより、このような放電ラン
プを容易に得ることができる。
【0060】可視光を適度に含む放電ランプを用いるこ
とにより、放電ランプの点灯を容易に確認することがで
きる。また、可視光を用いて表示パネルを内面から透過
光により表示することもできる。
【0061】請求項6の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし5のいずれか一記載の空気清浄装置において、
放電ランプは、その複数が光触媒フィルタのほぼ平面と
ほぼ平行な同一面内に沿って離間して配設されているこ
とを特徴としている。
【0062】本発明は、複数の放電ランプを用いること
により、光触媒フィルタの面積に応じた所望量の紫外線
を発生させる場合に好適である。
【0063】また、本発明においては、複数の放電ラン
プを用いていても、同一面内に配設しているので、空気
清浄装置の奥行が大きくなるようなことはない。なお、
「ほぼ平行な同一面内」とは、多少のばらつきは許容さ
れるという意味である。
【0064】さらに、複数の放電ランプは全て同一特性
のものを用いることができる。波長254nmの紫外線
を発生する放電ランプを用いると、光触媒による汚染物
質の分解に加えて殺菌線による殺菌を行うので、殺菌を
主とする空気清浄装置の場合に効果的である。
【0065】また、主として波長約365nmまたは3
51nmをピークとする紫外線を発生する放電ランプや
波長300〜400nmの範囲の幅広い波長の紫外線を
発生する放電ランプを用いることができるが、大別して
上記3種類の異なる発光特性の放電ランプの2種以上の
放電ランプを組み合わせて用いることもできる。後者の
場合において、同一発光特性の放電ランプを選択的に点
灯できるように構成することもできる。
【0066】請求項7の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし6のいずれか一記載の空気清浄装置において、
二組の光触媒フィルタは、それぞれ複数枚の光触媒フィ
ルタによって構成されていることを特徴としている。
【0067】本発明においては、複数枚の光触媒フィル
タを重ねて配設するか、または互いに間隔をおいてほぼ
平行に配設することにより、汚染物質の捕捉能力が向上
し、空気清浄化能力を高くすることができる。後者の場
合には、風圧抵抗の増加を抑えながら汚染物質の捕捉率
を向上させることができる。
【0068】さらに、複数の光触媒フィルタを用いる際
に前後の光触媒フィルタのメッシュの位置を互いに重な
らないようにずらすことにより、一層汚染物質の捕捉率
を高めることができる。
【0069】さらにまた、光触媒フィルタの枚数は制限
されないが、2枚のときが最も費用対効果比が良好にな
る。
【0070】請求項8の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし7のいずれか一記載の空気清浄装置において、
空気導入手段は、光触媒フィルタより風上に配設される
とともに回転軸が光触媒フィルタの面とほぼ平行な面に
位置している横流ファンであることを特徴とする。
【0071】本発明は、空気清浄装置が薄形にもかかわ
らず十分な風量を確保するための構成を規定している。
【0072】また、本発明において、放電ランプを複数
用いるとともに、光触媒フィルタの面積を大きくして空
気清浄化能力の大きい中・大容量タイプの空気清浄装置
を得る場合には、横流ファンの軸長を大きくすればよい
ので、構成が簡単であるから、容量が比較的大きい空気
清浄装置に好適である。しかし、横流ファンを小形化す
ればよいので、本発明は小形の空気清浄装置にも効果的
である。
【0073】請求項9の発明の空気清浄装置は、請求項
1ないし8記載の空気清浄装置において、放電ランプ、
光触媒フィルタおよび空気導入手段を収納するととも
に、空気排出手段の少なくとも一部を構成しているケー
スを具備していることを特徴としている。
【0074】光触媒フィルタを挟んで放電ランプと対面
しているケースの内面を紫外線反射性に構成することに
より、光触媒フィルタを通過した紫外線をケースの内面
で反射させて光触媒フィルタを背面側から活性化させる
ことができる。このため、さらに空気清浄化能力を高め
ることができる。なお、紫外線反射性に構成するには、
たとえばケースをアルミニウムで形成するか、ケースの
光触媒フィルタに対面する部分に反射板を配設すればよ
い。
【0075】空気排出手段は、光触媒フィルタを通過し
て清浄化された空気を排出して室内に還流するためのも
のである。空気導入手段がファンである場合には、単に
ケースに空気排出用の開口を形成するだけで空気排出手
段を構成することができ、構造の簡単化を図ることがで
きる。
【0076】これに対して、空気排出手段に吸い出し用
のファンを用いる場合には、ケースに空気排出用の開口
を形成して空気排出手段の一部とする。空気排出用の開
口はケースの適当な位置に形成することができる。たと
えば、空気導入手段をケースの上部に配設する場合に
は、空気排出用の開口は、ケースの底面、側面、前面お
よび背面のいずれか一または任意の複数の面に形成する
ことができる。また、空気導入手段をケースの上部以外
の位置に配設した場合には、空気排出用の開口を上部に
配設することもできる。
【0077】また、ケースの内部には放電ランプの点灯
装置をも収納することができる。この場合、光触媒フィ
ルタを通過した空気が空気排出手段から室内に排出され
る前に点灯装置の周囲を通過するような位置に点灯装置
を配置することにより、点灯装置の作動に伴って発生す
る熱を空気中に拡散させることができる。点灯装置によ
る熱の発生量は空気循環量に比較すると、わずかである
から、空気排出手段から排出される空気の温度上昇は無
視できる程度である。
【0078】さらに、点灯装置としては、放電ランプの
発光効率を高くするために、高周波インバータおよび限
流インピーダンスを用いて高周波点灯する形式のものが
望ましい。
【0079】請求項10の発明の空気清浄装置は、請求
項9記載の空気清浄装置において、空気導入手段は、ケ
ースの上部から空気を導入するように構成されており;
空気排出手段は、ケースの下部から空気を排出するよう
に構成されている;ことを特徴としている。
【0080】室内の熱対流によって相対的に汚れた空気
が室内の上側に集まりやすいことから、本発明において
はケースの上部から空気を導入するように空気導入手段
を構成し、清浄化された新鮮な空気を人間がいる下側に
排出するように空気排出手段を構成したものである。し
かし、本発明においては、要すればさらにケースの側面
にも空気排出手段を配設することができる。
【0081】請求項11の発明の空気清浄装置は、請求
項9または10記載の空気清浄装置において、空気導入
手段は、ケースの上部から空気を導入するように構成さ
れており;空気排出手段は、ケースの側部から空気を排
出するように構成されている;ことを特徴としている。
【0082】本発明においては、空気をケースの側部か
ら排出するように構成することにより、空気清浄装置を
たとえば床置き形に構成することが可能になる。床置き
形にすれば、パーティションとして用いることもでき
る。
【0083】また、ケースの下部および側部から空気を
排出するように構成することにより、空気排出速度を低
減させることができるから、人に不快感を与えないよう
にできるとともに、空気排出による空気抵抗を低減でき
るから、空気導入および排出に要する電力を低減して省
電力を図ることができる。
【0084】請求項12の発明の空気清浄装置は、請求
項1ないし11のいずれか一記載の空気清浄装置におい
て、放電ランプの受電部側に挿入されて放電ランプを支
持するとともに、空気導入手段と空気排出手段との間に
おいて周囲から不所望な空気の漏洩を阻止して装着され
るように構成された耐紫外線性の軟質合成樹脂からなる
キャップを具備していることを特徴としている。
【0085】耐紫外線性の合成樹脂としては、たとえば
フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができ
る。なお、本発明において、「耐紫外線性」とは、少な
くとも波長300〜400nmの範囲の紫外線に対して
耐性を備えていればよいことを意味する。
【0086】本発明におけるキャップは、放電ランプを
気密に支持するとともに、空気清浄装置に放電ランプを
配設する際にキャップの周囲から不所望な空気の漏洩が
ないようにキャップを気密に装着するのには、たとえば
空気清浄装置の枠体などに気密に弾接する装着溝を周面
の少なくとも一部に形成することによって実現すること
ができる。
【0087】そうして、本発明においては、放電ランプ
を簡単な構造で空気の不所望な漏れなく支持するととも
に、空気清浄装置へ装着することができる。
【0088】請求項13の発明の空気清浄装置は、請求
項1ないし12のいずれか一記載の空気清浄装置におい
て、放電ランプは、U字状部分に屈曲した部分を含んで
おり;放電ランプのU字状部分の内部空間にU字状部分
を2分するように挿入して配設され、両面に光触媒を被
着したプレートを具備している;ことを特徴としてい
る。
【0089】受電手段が一端側に配設されている放電ラ
ンプを用いることにより、空気導入に際して放電ランプ
の受電のための手段および主体的に機械的に支持する手
段が空気導入手段と光触媒フィルタとの間に存在しない
ので、空気清浄化能力が増加する点については既述した
とおりであり、このような放電ランプとしては、U字状
に屈曲した部分を備えているものがすこぶる好適であ
る。
【0090】本発明者は、上記の構成の利点を備えなが
ら、活性炭やゼオライトなどの吸着剤を用いる空気清浄
機より初期の空気清浄化能力が優れている空気清浄装置
を開発している過程で、放電ランプのU字状部分の紫外
線放射強度に着目して本発明をなすに至るとともに、本
発明により所期の目的を達成することができるようにな
った。
【0091】すなわち、放電ランプがU字状部分を備え
ていると、U字状部分の内部およびその近傍における紫
外線の放射強度が著しく高くなっていることが分かっ
た。したがって、この紫外線の放射強度の高い場所に光
触媒を配設することにより、当該部分の光触媒の活性が
著しく高くなる。
【0092】一方、放電ランプの外側において放電ラン
プを挟むように、たとえばほぼ平行な面内に二組の光触
媒フィルタが配設されていても、これらの光触媒フィル
タの活性化は、上記プレートの存在の有無にあまり関係
なく行われる。
【0093】このため、光触媒を被着したプレートを上
述のように追加することにより、光触媒の面積が増加
し、これに伴い空気清浄化能力が増加する。
【0094】また、光触媒を被着したプレートは、紫外
線照射量が多いので、空気を汚染している微粒子有機物
を迅速に分解するので、初期の清浄化能力向上に効果的
である。
【0095】さらに、プレートに被着させる光触媒にゼ
オライトや活性炭などの吸着剤を添加した複合材料を用
いることにより、初期の空気清浄化能力を一層向上させ
ることができる。
【0096】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0097】図1は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態の正面図である。
【0098】図2は、同じく左側面図である。
【0099】図3は、同じく底面図である。
【0100】図4は、同じくケースの前面および光触媒
フィルタを除去して示す断面図である。
【0101】図5は、同じくケースの前面および前側の
光触媒フィルタを除去して示す断面図である。
【0102】図6は、同じく縦断面図である。
【0103】図7は、図6におけるVII−VII'線に沿う
断面図である。
【0104】各図において、1はケース、2は放電ラン
プ、3は点灯装置、4は光触媒フィルタ、5は空気導入
手段、6は空気排出手段である。
【0105】(ケース1について)ケース1は、ほぼ正
方形をなす浅い箱状をなし、前面上部に空気取り入れグ
リル1aを備え、内部に導風板1b、それぞれ複数の整
流板1c、1d、ランプ支持板1e、パッキング1fお
よび点灯装置装着板1gを備えている。
【0106】また、図示を省略したが、ケース1は、基
体1Aと蓋体1Bとに分離され、ヒンジおよびラッチに
より蓋体1Bが基体1Aに対して開閉自在に構成されて
いる。
【0107】導風板1bは、2組の光触媒フィルタ4、
4の間に空気を誘導するように配設されている。
【0108】整流板1cは、放電ランプ2に沿って空気
を流すように光触媒フィルタの間において複数の放電ラ
ンプ2の間を仕切る位置にランプ支持板1eおよび導風
板1bの間に配設されている。
【0109】整流板1dは、光触媒フィルタ4の外側に
おいて整流板1cとの間で光触媒フィルタを挟持するよ
うに基体1Aおよび蓋体1Bに配設されている。
【0110】ランプ支持板1eは、コ字状に折曲され、
複数のランプの端部を挿入できるように孔が形成されて
いる。
【0111】パッキング1fは、ランプ支持板1eの内
面側に配設されて、放電ランプ2とランプ支持板1eの
孔との隙間から空気が漏れないようにシールする。
【0112】点灯装置装着板1gは、ランプ支持板の片
側を延長して形成されている。
【0113】なお、光触媒フィルタ4に対面するケース
1の内面は紫外線に対する反射面に形成されている。
【0114】(放電ランプ2について)放電ランプ2
は、U字状をなす蛍光ランプで、ピークが波長351n
mの紫外線を発生する。そして、放電ランプ2の両端部
は、ランプ支持板1eの孔からランプ装着板の裏側へ挿
入されて装着されている。
【0115】また、放電ランプ2の両端に封装されてい
る一対の電極から導出されているリード線はランプ装着
板1gに装着されている点灯装置3の出力端子に接続さ
れる。
【0116】さらに、本実施形態において、放電ランプ
2は6灯を用いていて、いずれの放電ランプ2も同一面
内に配置されている。
【0117】(光触媒フィルタ4について)2組の光触
媒フィルタ4、4は、平板状をなし、放電ランプ2を挟
むように放電ランプの両側に配設されている。
【0118】また、光触媒フィルタ4は、編組したガラ
ス繊維を用いて編んだメッシュ構造体にアナターゼ形T
iOを主体とする光触媒をフッ素樹脂を結着材として
担持させて形成したものである。
【0119】さらに、光触媒フィルタ4は、導風板1b
およびランプ支持板1eに上下端が当接し、前後面が整
流板1cおよび1dの間に挟持されている。
【0120】(空気導入手段5について)空気導入手段
5は、横流ファンによって構成されている。この横流フ
ァンは、ケース1の上部の空気取り入れグリル1aの内
方に配設され、回転すると、回転軸を横切る横流を生じ
て空気取り入れグリル1aから室内の空気を吸い込み、
導風板1bを経由して二組の光触媒フィルタの間に空気
を導入する。
【0121】(空気排出手段6について)本実施形態に
おいて、空気排出手段6は、ケースの下部である底面に
形成した空気排出用開口によって形成されている。
【0122】(動作について)空気導入手段5の作動に
よって空気取り入れグリル1aからケース1内に取り入
れられた空気は、導風板1を介して放電ランプ2および
2組の光触媒フィルタ4、4の間に導入される。そし
て、導入された空気はさらに光触媒フィルタ4、4のメ
ッシュの間を通過して光触媒フィルタ4、4およびケー
ス1の間に出てくる。その過程において、空気中に浮遊
している汚染物質すなわち臭い物質、細菌類および汚れ
物質が光触媒の表面に接触した際に光触媒に吸着すなわ
ち捕捉される。そして、光触媒作用を受けてやがて分解
される。
【0123】放電ランプ2から放射された紫外線の一部
は、光触媒フィルタ4のメッシュの間を通過してケース
1の内面に入射するが、内面で反射されて光触媒フィル
タ4を背面から活性化させる。
【0124】一方、光触媒フィルタ4、4を通過した際
に汚染物質が捕捉されて清浄化された空気は、ケース1
の内面と光触媒フィルタ4、4との間に沿って流れて空
気排出手段6から再び室内に還流していく。ケース1内
における空気の流れの過程で整流板1cおよび1dは、
各放電ランプ2に対して均等に空気を振り分け渦流の発
生を抑制するように作用する。
【0125】また、点灯装置3は、空気排出手段6に向
かって空気が流れる過程で点灯装置3の周囲を通過する
ときに点灯装置3を冷却する。
【0126】図8は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態における臭い物質の分解性能の実験結果を示すグ
ラフである。
【0127】図において、横軸は照射時間(分)を、縦
軸は濃度(%)を、それぞれ示す。また、曲線Aは、波
長254nmの紫外線を主として発生する放電ランプを
用いた場合の測定結果を示す。曲線Bは、主として35
0nmの紫外線を発生する放電ランプに交換した場合の
測定結果を示す。
【0128】この実験は、密閉された箱内に空気清浄装
置を設置し、臭い物質であるアセトアルデヒドを箱内に
充満させた状態にして空気清浄装置を運転して経過時間
に対する箱内のアセトアルデヒドの濃度変化を測定した
ものである。
【0129】図から理解できるように、いずれの波長の
紫外線を照射した場合であっても、空気清浄装置を数十
分間作動させれば、臭い物質は順次光触媒フィルタに捕
捉され、そして光触媒フィルタに捕捉された臭いは確実
に分解されて無臭状態になる。
【0130】図9は、本発明の空気清浄装置の第1の実
施形態における光触媒フィルタの枚数を変化させた場合
の臭い物質の捕捉および光触媒フィルタによる分解性能
の実験結果を示すグラフである。
【0131】図において、曲線Cは光触媒フィルタが1
枚の場合、曲線Dは同じく2枚の場合、曲線Eは同じく
3枚の場合の測定結果を示している。図9におけるのと
同様な実験方法であるが、経過時間100分間までは放
電ランプを消灯状態で空気清浄装置を運転し、100分
間経過時に放電ランプを点灯した。
【0132】図から理解できるように、光触媒フィルタ
が1枚の場合には、経過時間45分までアセトアルデヒ
ドを吸着すなわち捕捉し続けるが、経過時間45分間で
ほぼ飽和している。これに対して、光触媒フィルタが2
枚以上の場合には、多少の飽和傾向は認められるものの
100分間経過まで捕捉を継続している。
【0133】次に、100分間経過後放電ランプを点灯
すると、再びアセトアルデヒドは急激に減少して光触媒
膜1枚では点灯開始30分間で完全に消臭状態になっ
た。これに対して、光触媒フィルタが2、3枚の場合
は、点灯10分間以内に完全に消臭状態になった。
【0134】この結果、光触媒フィルタを2枚重ねて用
いると、比較的経済的でありながら顕著な脱臭効果を得
られることが分かった。
【0135】図10は、本発明の空気清浄装置に用いる
ことができる放電ランプの第1の例を示す正面図であ
る。
【0136】図11は、同じく平面図である。
【0137】図において、2は放電ランプ、11はキャ
ップ、12はワイヤハーネスである。
【0138】放電ランプ2は、放電容器2aおよび電極
2bを備えて構成されている。放電容器2aは、254
nmの紫外線を透過する石英ガラスからなり、内部に水
銀および希ガスを封入し、端部にはピンチシール部2a
1を備えているとともに、中間でU字状に折り返されて
いる。
【0139】電極2bは、放電容器2aの両端内部にピ
ンチシール部2a1を介して封装された冷陰極形のもの
である。
【0140】キャップ11は、耐紫外線性の合成樹脂を
成形してなり、放電容器2aの両端部を挿入して材料の
弾力によって支持しているとともに、放電ランプ2を空
気清浄装置へ装着する際に寄与する。
【0141】ワイヤハーネス12は、キャップ11から
延在したリード線12aおよびリード線12aの先端に
接続されたコネクタ12bからなる。そして、コネクタ
12bは、点灯装置の出力端子に接続される。
【0142】次に、上記放電ランプの寸法、諸特性およ
び定格寿命を以下に示す。
【0143】管径6mm、管長190mm、管幅20m
m、定格消費電力6W、ランプ電流16mA、254n
mの紫外線出力1.4W、紫外線放射強度15.4μW
/cm(ただし、紫外線強度測定の際の照射距離は1
mである。)、定格寿命30000h 図12は、本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第2の例を示す正面図である。
【0144】図において、図11および図12と同一部
分については同一符号を付して説明は省略する。
【0145】この例の放電ランプは、波長約350nm
の紫外線を主として発生するもので、放電容器2aは硬
質ガラスを用いて形成されている。そして、放電容器2
aの内面には波長254nmの紫外線による励起で波長
約350nmの紫外線を効率よく放射する蛍光体層が形
成されている。
【0146】次に、上記放電ランプの寸法、諸特性およ
び定格寿命を以下に示す。
【0147】管径4mm、管長200mm、管幅40m
m、定格消費電力2W、ランプ電流5mA、約350n
mの紫外線出力280mW、紫外線放射強度1500μ
W/cm(ただし、紫外線強度測定の際の照射距離は
9mmである。)、定格寿命20000h 図13は、本発明の空気清浄装置の第2の実施形態を示
す正面図である。
【0148】図14は、同じく縦断面図である。
【0149】図において、図1および図6と同一部分に
ついては同一符号を付して説明は省略する。
【0150】本実施形態は、ケース1の前面に透光性表
示部1Cを備えている点で異なる。
【0151】すなわち、透光性表示部1Cは、ケース1
の前面に開口1hを形成して、開口1hに裏面から透光
性アクリル樹脂板7を装着し、透光性アクリル樹脂板7
にはたとえば誘導標識など任意所望の表示を施してあ
り、さらに内面に蛍光体層を形成することによって構成
されている。
【0152】そうして、光触媒フィルタ4を透過した紫
外線が蛍光体層に入射すると、蛍光体層が可視光を発生
して透光性アクリル樹脂板7を背面から照明するので、
表示が見えるようになる。
【0153】したがって、空気清浄装置の放電ランプ2
が点灯して紫外線が発生していることの動作表示を行う
ことができる。また、これと同時に表示による効果を奏
するのはいうまでもない。
【0154】図15は、本発明の空気清浄装置の第3の
実施形態を示す正面図である。
【0155】図16は、同じく側面図である。
【0156】図17は、同じく縦断面図である。
【0157】図18は、図17のXVIII−XVIII'線に沿
う断面図である。
【0158】各図において、図1ないし図7と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0159】本実施形態は、空気排出手段6をケース1
の両側面に形成した点で異なる。このため、ケース1
は、第1の実施形態に比較して幅寸法がいくらか大きく
なっている。
【0160】また、ケース1の側面からの空気の排出を
可能にするために、第1の実施形態において用いた整流
板1dは除去してある。
【0161】図19は、本発明の空気清浄装置の第4の
実施形態を示す縦断面図である。
【0162】図において、図14と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0163】本実施形態は、空気清浄装置を床置き形に
するとともに前後両面に透光性表示部1Cを備えている
点で異なる。
【0164】すなわち、ケース1の下部にスタンド8を
備えている。空気排出手段6は、ケース1の下部だけで
なく、図示は省略しているが、両側面にも配設してい
る。なお、ケース1の下部の空気排出手段6から排出さ
れた空気は、スタンド8の図と直交する方向の両側から
室内に導出される。
【0165】また、ケース1には、横流ファンからなる
空気導入手段5の周囲に空気取り入れグリル1aを形成
しているので、ケース1の両側から空気を導入すること
ができる。
【0166】一方、ケース1の前後両面の透光性表示部
1Cは、放電ランプ2から発生する可視光によって内照
される形態を採用している。
【0167】すなわち、ケース1に内蔵される放電ラン
プ2は、その電極を熱陰極形にするとともに、紫外線を
発生する蛍光体と可視光を発生する蛍光体を適当な割合
で混合してなる蛍光体層を備えたものを用いている。こ
のため、空気清浄化のために必要な紫外線を確保しなが
ら所要量の可視光を発生させることができる。そして、
可視光によって透光性アクリル樹脂板7を直接内部から
照明することができる。
【0168】そうして、本実施形態は、床置き形に構成
しているので、パーティションとして用いることもでき
る。
【0169】また、透光性表示部1Cは、放電ランプ2
から発生する十分な量の可視光によって照明されるの
で、表示効果が良好である。
【0170】さらに、放電ランプ2は、紫外線の他に可
視光を発生するので、点灯の有無を容易に確認すること
ができる。
【0171】図20は、本発明の空気清浄装置の第5の
実施形態を示す縦断面図である。
【0172】図において、図19と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0173】本実施形態は、空気導入手段5を小形化し
てケース1の全体を同一奥行寸法に構成した点で異な
る。
【0174】図21は、本発明の空気清浄装置の第6の
実施形態における放電ランプユニットを示す正面図であ
る。
【0175】図22は、同じくキャップを示す断面図で
ある。
【0176】各図において、図13と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0177】本実施形態は、簡単な構造で放電ランプの
支持および空気清浄装置への装着を不所望な空気の漏洩
がなようにした点で異なる。
【0178】すなわち、放電ランプユニットは、放電ラ
ンプ2およびキャップ11によって構成されている。
【0179】キャップ11は、シリコーン樹脂を成形し
て形成したもので、U字状の放電ランプ2の両端を挿入
する一対の挿入孔11aを前後に貫通して形成し、周囲
に装着溝11bを形成している。
【0180】ワイヤハーネス12は、リード線12aお
よびコネクタ12bからなる。
【0181】そうして、放電ランプユニットを組み立て
るには、放電ランプ2にリード線12aを接続してか
ら、リード線12aをキャップ11の挿入孔11aに挿
入し、背面側へ引っ張ることによって、放電ランプ2の
両端部をキャップ11に支持させることができる。そし
て、キャップ11の後方へ導出したリード線12aの先
端にコネクタ12bを接続してワイタハーネス12を組
み立てる。
【0182】放電ランプユニットを空気清浄装置に装着
するには、キャップ11の装着溝11bを空気清浄装置
の枠体13に係合することによって気密に装着すること
ができる。なお、枠体の両面に光触媒フィルタ(図示し
ない。)を配設し、枠体13の一部に空気導入孔を形成
して、空気導入手段からの空気を枠体13内部に導入す
る。
【0183】なお、枠体13は、紫外線の反射が良好で
機械的に所要の強度を有する材料たとえばアルミニウ
ム、ステンレス鋼などの金属、表面に紫外線反射性の金
属膜を形成した合成樹脂などによって形成することがで
きる。また、金属でも紫外線反射性が十分でなければ、
鍍金などによって紫外線反射性の表面処理を行うことが
できる。
【0184】また、枠体の内面に光触媒膜を形成しても
よい。
【0185】図23は、本発明の空気清浄装置の第7の
実施形態における放電ランプユニットを示す正面図であ
る。
【0186】図24は、同じく放電ランプユニットおよ
び枠体を示す一部断面側面図である。
【0187】各図において、図21と同一部分について
は同一符号を付して説明は省略する。
【0188】本実施形態は、放電ランプ2のU字状部分
の内部空間に光触媒を被着させたプレート14を具備し
ている点で異なる。
【0189】すなわち、プレート14は、高純度アルミ
ニウム板からなり、基端がキャップ11の前面に形成し
た差し込み溝11cに圧入されて支持されている。な
お、プレート14が絶縁体からなる場合には、先端を放
電ランプ2の湾曲部に当接してもよい。この場合、プレ
ート14の先端には放電ランプ2の放電容器が嵌合する
係合部を形成することができる。
【0190】光触媒膜は、アナターゼ形酸化チタンを主
成分とする光触媒、ゼオライトおよび低温結着剤の分散
液を調整して、当該分散液中にプレート14を浸漬し、
焼成することにより、プレート14の両面に形成され
る。
【0191】枠体13は、図24に示すように、放電ラ
ンプ2の前方に対向する部位に空気導入孔13aが形成
され、空気導入手段によって外部から空気清浄装置内に
導入された空気が空気導入孔13aから枠体13内に導
入される。そして、枠体の表面にもプレート14と同様
に光触媒が被着されている。
【0192】図25は、本発明の空気清浄装置の第7の
実施形態における空気清浄化能力の実験結果を第6の実
施形態のそれと比較して示すグラフである。
【0193】図において、横軸は時間(hr)を、縦軸
はホルムアルデヒドの濃度減少率(%)を、それぞれ示
す。また、曲線Fは本実施形態を、曲線Gは第5の実施
形態を、それぞれ示す。
【0194】本実験は、容積1.2mのボックス内に
予めホルムアルデヒドを所定濃度に充満させておき、空
気清浄装置を運転したときの経過時間に対するホルムア
ルデヒドの濃度減少率を測定したもので、図はそのデー
タをプロットして得た。
【0195】また、第7の実施形態の空気清浄装置は、
プレート14を備えるとともに、枠体内面に光触媒を被
着しているが、第6の実施形態はこれらの構成を備えて
いない以外は同一仕様である。
【0196】図から明かなように、本実施形態によれ
ば、空気清浄能力が極めて優れていることを理解でき
る。
【0197】
【発明の効果】請求項1ないし13の各発明によれば、
波長400nm以下のを含む光を発生し、受電部が一端
側に配設されているとともに、主体的には受電部側で装
着されている放電ランプを挟んで離間対向した二組のほ
ぼ平面状をなす光触媒フィルタを配設し、放電ランプの
他端側から二組の光触媒フィルタの間に空気を導入する
空気導入手段と、光触媒フィルタを通過させて排出させ
る空気排出手段を具備していることにより、空気清浄化
能力が大きくて、しかも薄形化が可能な空気清浄装置を
提供することができる。
【0198】請求項2の発明によれば、加えて放電ラン
プが二組の光触媒フィルタとほぼ平行な面内において折
り返されていて、放電路の両端に配設された一対の電極
が一端側に位置していることにより、受電部を放電ラン
プの一端側へ揃えるのが容易であるとともに、放電路長
を大きくしてランプ電圧を高くすることで紫外線発生量
を多くしてコンパクトでありながら空気清浄能力の高い
空気清浄装置を提供することができる。
【0199】請求項3の発明によれば、加えて二組の光
触媒フィルタの面に直交する方向の幅が12mm以下で
あることにより、奥行を小さくした薄形の空気清浄装置
を提供することができる。
【0200】請求項4の発明によれば、加えて放電ラン
プの電極が冷陰極であることにより、放電ランプの幅を
小さくして奥行を小さくして薄形の空気清浄装置を提供
することができる。
【0201】請求項5の発明によれば、加えて放電ラン
プの電極が熱陰極であることにより、紫外線発生量を増
加して放電ランプの使用数を低減するか、所要量の紫外
線を確保しながら可視光をも発生させて放電ランプの点
灯確認を容易にしたり、照明に利用することが可能な空
気清浄装置を提供することができる。
【0202】請求項6の発明によれば、加えて光触媒フ
ィルタとほぼ平行な同一面内に沿って離間して配設され
た複数の放電ランプを備えていることにより、光触媒フ
ィルタの面積に応じた所望量の紫外線を発生させること
が可能な空気清浄装置を提供することができる。
【0203】請求項7の発明によれば、加えて二組の光
触媒フィルタをそれぞれ複数枚の光触媒フィルタによっ
て構成したことにより、汚染物質の捕捉能力を高めるこ
とによって光分解を効果的に行う空気清浄化能力の高い
空気清浄装置を提供することができる。
【0204】請求項8の発明によれば、加えて空気導入
手段として光触媒フィルタより風上に配設される横流フ
ァンを用いたことにより、薄形にもかかわらず十分な風
量を確保した空気清浄装置を提供することができる。
【0205】請求項9の発明によれば、加えて放電ラン
プ、光触媒フィルタおよび空気導入手段を収納するケー
スによって空気排出手段の少なくとも一部を構成してい
ることにより、構造の簡単化を図った空気清浄装置を提
供することができる。
【0206】請求項10の発明によれば、加えて空気導
入手段をケースの上部に収納するとともに、空気をケー
スの下部から排出するように構成したことにより、人間
のいる室内の下側に清浄化された新鮮な空気を排出する
空気清浄装置を提供することができる。
【0207】請求項11の発明によれば、加えて清浄化
された空気をケースの側部から排出するように構成した
ことにより、床置きも可能な空気清浄装置を提供するこ
とができる。
【0208】請求項12の発明によれば、加えて耐紫外
線性の軟質合成樹脂からなるキャップに放電ランプの受
電部側を挿入して支持するとともに、キャップによって
周囲から不所望な空気の漏れを阻止して装着するように
構成したことにより、簡単な構造で空気の漏れなく放電
ランプを取り付けた空気清浄装置を提供することができ
る。
【0209】請求項13の発明によれば、加えてU字状
部分を備えた放電ランプのU字状部分の内部空間にU字
状部分を2分するように表面に光触媒を被着したプレー
トを挿入して配設したことにより、光触媒面積を増加し
て空気清浄能力を強化した空気清浄装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態の正面
【図2】同じく左側面図
【図3】同じく底面図
【図4】同じくケースの前面および光触媒フィルタを除
去して示す断面図
【図5】同じくケースの前面および前側の光触媒フィル
タを除去して示す断面図
【図6】同じく縦断面図
【図7】図6におけるVII−VII'線に沿う断面図
【図8】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態におけ
る臭い物質の分解性能の実験結果を示すグラフ
【図9】本発明の空気清浄装置の第1の実施形態におけ
る光触媒フィルタの枚数を変化させた場合の臭い物質の
捕捉および光触媒フィルタによる分解性能の実験結果を
示すグラフ
【図10】本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第1の例を示す正面図
【図11】同じく平面図
【図12】本発明の空気清浄装置に用いることができる
放電ランプの第2の例を示す正面図
【図13】本発明の空気清浄装置の第2の実施形態を示
す正面図
【図14】同じく縦断面図
【図15】本発明の空気清浄装置の第3の実施形態を示
す正面図
【図16】同じく側面図
【図17】同じく縦断面図
【図18】図17のXVIII−XVIII'線に沿う断面図
【図19】本発明の空気清浄装置の第4の実施形態を示
す縦断面図
【図20】本発明の空気清浄装置の第5の実施形態を示
す縦断面図
【図21】本発明の空気清浄装置の第6の実施形態にお
ける放電ランプユニットを示す正面図
【図22】同じくキャップを示す断面図
【図23】本発明の空気清浄装置の第7の実施形態にお
ける放電ランプユニットおよびプレートを示す正面図
【図24】同じく放電ランプユニット、プレートおよび
枠体を示す一部断面側面図
【図25】本発明の空気清浄装置の第7の実施形態にお
ける空気清浄化能力の実験結果を第6の実施形態のそれ
と比較して示すグラフ
【符号の説明】 1…ケース 1a…空気取り入れグリル 1b…導風板 1c…整流板 1d…整流板 1e…ランプ支持板 1f…パッキング 1g…点灯装置装着板 1A…基体 1B…蓋体 2…放電ランプ 3…点灯装置 4…光触媒フィルタ 5…空気導入手段 6…空気排出手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図7】
【図14】
【図16】
【図19】
【図20】
【図4】
【図10】
【図18】
【図22】
【図5】
【図8】
【図13】
【図6】
【図9】
【図11】
【図12】
【図15】
【図17】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 明子 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 斉藤 美保 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 石崎 有義 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 (72)発明者 高田 宗武 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長400nm以下を含む光を発生し、受
    電部が一端側に配設されているとともに、受電部側で主
    体的に装着されている放電ランプと;放電ランプを挟ん
    で離間対向して配設された二組のほぼ平面状をなす光触
    媒フィルタと;放電ランプの他端側から二組の光触媒フ
    ィルタの間に空気を導入する空気導入手段と;空気導入
    手段によって二組の光触媒フィルタの間に導入された空
    気を光触媒フィルタを通過させて排出させる空気排出手
    段と;を具備していることを特徴とする空気清浄装置。
  2. 【請求項2】放電ランプは、二組の光触媒フィルタとほ
    ぼ平行な面内において折り返されていて、放電路の両端
    に配設された一対の電極が一端側に位置していることを
    特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
  3. 【請求項3】放電ランプは、二組の光触媒フィルタの面
    に直交する方向の幅が12mm以下であることを特徴と
    する請求項1または2記載の空気清浄装置。
  4. 【請求項4】放電ランプは、電極が冷陰極であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の空気清
    浄装置。
  5. 【請求項5】放電ランプは、電極が熱陰極であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の空気清
    浄装置。
  6. 【請求項6】放電ランプは、その複数が光触媒フィルタ
    のほぼ平面とほぼ平行な同一面内に沿って離間して配設
    されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か一記載の空気清浄装置。
  7. 【請求項7】二組の光触媒フィルタは、それぞれ複数枚
    の光触媒フィルタによって構成されていることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか一記載の空気清浄装
    置。
  8. 【請求項8】空気導入手段は、光触媒フィルタより風上
    に配設されるとともに回転軸が光触媒フィルタの面とほ
    ぼ平行な面に位置している横流ファンであることを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれか一記載の空気清浄装
    置。
  9. 【請求項9】放電ランプ、光触媒フィルタおよび空気導
    入手段を収納するとともに、空気排出手段の少なくとも
    一部を構成しているケースを具備していることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれか一記載の空気清浄装
    置。
  10. 【請求項10】空気導入手段は、ケースの上部から空気
    を導入するように構成されており;空気排出手段は、ケ
    ースの下部から空気を排出するように構成されている;
    ことを特徴とする請求項9記載の空気清浄装置。
  11. 【請求項11】空気導入手段は、ケースの上部から空気
    を導入するように構成されており;空気排出手段は、ケ
    ースの側部から空気を排出するように構成されている;
    ことを特徴とする請求項9または10記載の空気清浄装
    置。
  12. 【請求項12】放電ランプの受電部側に挿入されて放電
    ランプを支持するとともに、空気導入手段と空気排出手
    段との間において周囲から不所望な空気の漏洩を阻止し
    て装着されるように構成された耐紫外線性の軟質合成樹
    脂からなるキャップを具備していることを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれか一記載の空気清浄装置。
  13. 【請求項13】放電ランプは、U字状部分に屈曲した部
    分を含んでおり;放電ランプのU字状部分の内部空間に
    U字状部分を2分するように挿入して配設され、両面に
    光触媒を被着したプレートを具備している;ことを特徴
    とする請求項1ないし12のいずれか一記載の空気清浄
    装置。
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