JP2008183522A - 光触媒式空気浄化装置 - Google Patents

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亮正 仲村
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Abstract

【課題】発光極大の波長が350〜410nmである光源を用いても、光触媒性能が高い光触媒式空気浄化装置を提供すること。
【解決手段】本発明の光触媒式空気浄化装置1は、外気と連通する浄化室3と、前記浄化室3内に設置された光触媒5と、前記光触媒5に紫外線を照射する紫外線照射部7と、を備え、前記光触媒5は、白金化合物により表面を修飾された酸化チタンであるとともに、 前記紫外線照射部7が照射する紫外線における発光極大の波長が、350〜410nmの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光触媒作用により、例えば、空気中の臭気物質、細菌等の有機物を分解する光触媒式空気浄化装置に関する。
酸化チタンを代表とする光触媒は、光吸収・励起で生じた強力な酸化還元力で、その表面に吸着した臭気物質・細菌などの有機物を二酸化炭素、水などの無機物へと分解する。この光触媒は、活性炭など従来の吸着型の環境浄化材とは異なり、汚染物質が浄化材に吸着し、残存してしまうようなことがないので、性能の経時的な低下が少なく、また、吸脱着が、より低濃度で平衡に達するので汚染物質の除去能力が高い。このような光触媒の優れた特徴を生かして、今日までに、種々の光触媒式空気浄化装置が考案されている。
光触媒の代表である酸化チタンの励起には紫外光が必要で、原理的には太陽光に含まれる紫外光でも反応は進行するが、効率的に分解反応を進行させるには紫外線光源を光触媒式空気浄化装置に搭載する必要がある。紫外線光源としては、人体に有害な波長領域の紫外線を発しないこと、広い面積を強い強度の紫外光で均一に照射できることから、ブラックライト熱陰極管(通常の蛍光管)が広く用いられている。
近年、光触媒式空気浄化装置の用途は拡がり、冷蔵庫内の脱臭、殺菌、成熟促進物質の分解、あるいは自動車内の脱臭など、小空間で使用されるものが考案されている。これらの用途に用いるためには、光触媒式空気浄化装置の小型化が必要で、光源もできるだけ小型化しなければいけない。
しかし、従来のブラックライト熱陰極管を小型化すると、管の寿命が短くなり、紫外線強度の経時的な低下が速くなるので、安定した光触媒性能を発揮させるには頻繁な管の交換が必要になってしまう。そこで、小型で長寿命の光源として、365nm付近に発光ピークを有する紫外発光ダイオード(UV−LED)や、管径の小さい冷陰極管などを用いることが考えられる。
ただし、光触媒反応を効率的に進行させるには、光触媒の光吸収スペクトルと光源の発光スペクトルとの重なりが大きいことが必要である。活性が高いとされるアナターゼ型酸化チタンの吸収極大は310nm付近にあり、ブラックライト熱陰極管の発光スペクトルとは十分な重なりがあるが、UV−LEDは365nm付近に発光強度の極大を持ち、半値幅の狭い限られた波長領域の光が放出するので、アナターゼ型酸化チタンの吸収スペクトルとUV−LEDの発光スペクトルの重なりは小さく、従来の小型光触媒式空気浄化装置にUV−LED用いた場合は、効率的な光触媒反応の進行は期待できない。
また、冷陰極管のうち、一般によく用いられる370nm近辺に発光極大を示すユーロピウム添加ホウ酸ストロンチウム(SrB47:Eu2+)蛍光体でも、アナターゼ型酸化チタンの吸収スペクトルとの適合性は悪い。
光源としてUV−LEDや冷陰極管を用いる場合に、光触媒性能を向上させるためには、酸化チタンの吸収スペクトルを、上記光源の波長に適合させる必要がある。酸化チタンの吸収スペクトルを遷移させる技術としては、ルチル型酸化チタンを用いる技術(特許文献1〜3参照)が開示されている。ルチル型酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンと比べて、バンドギャップがやや狭く、長波長側の紫外光も吸収するので、365nm付近の光吸収が良好である。
特開2003−290664号公報 特開2001−259434号公報 特開2003−290662号公報
しかしながら、ルチル型酸化チタンは、一般に粒径が大きいため、単位重量あたりの表面積が小さく、光触媒活性は低い。特に酸化チタンによく吸着する塩基性のアンモニアなどを除去する場合には、表面積減少による性能低下が著しく大きいと考えられる。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、発光極大の波長が350〜410nmである光源(例えば、UV−LED、冷陰極管等)を用いても、光触媒性能が高い光触媒式空気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、
外気と連通する浄化室と、
前記浄化室内に設置された光触媒と、
前記光触媒に紫外線を照射する紫外線照射部と、
を備えた光触媒式空気浄化装置であって、
前記光触媒は、白金化合物により表面を修飾された酸化チタンであるとともに、
前記紫外線照射部が照射する紫外線における発光極大の波長が、350〜410nmの範囲にあることを特徴とする光触媒式空気浄化装置を要旨とする。
本発明の光触媒式空気浄化装置は、白金化合物(例えば、PtClx)により表面を修飾された酸化チタンを光触媒として用いるので、発光極大の波長が、350〜410nmの範囲にある紫外線を用いても、光触媒性能が高い。
本発明の光触媒式空気浄化装置が上記効果を奏する理由は、以下のように推測される。すなわち、白金化合物修飾酸化チタンでは、酸化チタンそのもののバンドギャップには著しい変化はないと考えられるが、本来の酸化チタンの光酸化還元反応に加えて、白金化合物の光化学反応が有機物の光分解に関与することで、長波長(波長350〜410nm)の紫外線に対して高い応答を示すと考えられる。
前記酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型、それらから選択される2種以上の混合物が挙げられる。酸化チタンの表面積は、10〜500m2 -1 の範囲が好ましく、50〜500m2 -1の範囲がさらに好ましい。
酸化チタンの表面を修飾するために用いられる物質としては、例えば、塩化白金酸水和物(例えば塩化白金酸六水和物)、塩化白金、硝酸テトラアンミン白金等が挙げられる。
前記光触媒を製造する方法としては、例えば、基材へ酸化チタンを担持すると同時に、酸化チタンの表面を白金化合物で修飾する方法がある。この方法では、まず、酸化チタンを含む任意の濃度の水分散体に、塩化白金酸水和物、塩化白金、硝酸テトラアンミン白金等の水溶液を混合して懸濁液を調製する。この懸濁液において、酸化チタンの量を100重量部としたとき、白金化合物の重量が0.1〜3重量部の範囲となる量であることが好ましい。次に、この懸濁液を、セラミックス発泡体、シリカ繊維濾紙、ガラス繊維濾紙、ガラス板、金属板、粘土造形体、金網などの基材に塗布し、100〜500℃、好ましくは200〜400℃で焼成することで光触媒を製造する。
また、前記光触媒を製造する他の方法としては、あらかじめ合成した白金化合物修飾酸化チタン粉体を、水または有機溶剤に分散して分散体を調製し、この分散体をセラミックス発泡体、シリカ繊維濾紙、ガラス繊維濾紙、ガラス板、金属板、粘土造形体、金網などに塗布する方法がある。この場合、白金化合物修飾酸化チタンの粉体は、例えば、次の方法で合成することができる。まず、ミリポア水に分散した酸化チタンに対して、塩化白金酸水和物(例えば塩化白金酸六水和物)、塩化白金、硝酸テトラアンミン白金等の水溶液を混合し、懸濁液を調製する。この懸濁液において、酸化チタンの量を100重量部としたとき、白金化合物の重量が0.1〜3重量部の範囲となる量であることが好ましい。次に、この懸濁液を乾燥して粉体とし、さらに200〜400℃(好ましくは300℃)で1時間焼成し、ミリポア水で二度洗浄することで、白金化合物修飾酸化チタンの粉末を得る。また、白金化合物修飾酸化チタンとしては、市販の白金化合物修飾酸化チタンを用いることもできる。
前記紫外線照射部としては、例えば、波長350〜410nm、望ましくは360〜395nmに発光の極大を持ち、発光スペクトルの半値幅が10nmのUV−LED、または、蛍光体としてSrB4O7F:Eu2+, SrB4O7:Eu2+, BaSi2O5:Pb+を主成分とし、340〜380nmに発光の極大を持ち、発光スペクトルの半値幅が20〜70nmである冷陰極管等が挙げられる。前記紫外線照射部としては、上述したUV−LEDや冷陰極管のように小型・長寿命の光源が好ましい。そうすることにより、光触媒式空気浄化装置を小型化することができる。
前記光触媒においては、白金化合物修飾酸化チタン表面に、白金化合物に加えてPt, Pd, Rh, Au, Ag, Cu, Feなどの金属微粒子を担持することで、さらに光触媒活性を向上させ、暗所での抗菌性を付与してもよい。さらに、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブなど光触媒活性を示す酸化物半導体微粒子を酸化チタンと混合してもよい。また、活性炭、シリカ、酸化セリウム、アルミナ、セピオライト、ゼオライトなどの吸着剤を酸化チタンと混合しても良い。
本発明を実施例に基づいて説明する。
1.光触媒式空気浄化装置の全体構成
光触媒式空気浄化装置1の全体構成を、図1に基づいて説明する。
光触媒式空気浄化装置1は、断面が長方形であり、両端が開口した筒状筐体3と、筒状筐体3の側面3aの内側に貼り付けられた光触媒担持シート5と、筒状筐体3の中心軸上に、図示しない取り付け具により取り付けられた冷陰極管7と、筒状筐体3の入り口側開口部3cに取り付けられたブロアー9とから構成される。なお、光触媒担持シート5は、筒状筐体3の内側における4面(2つの側面と、上下面)のうち、いずれの面に貼り付けてもよく、また、上記4面の全て、あるいは、そこから選択された1〜3面に貼り付けてもよい。
上記冷陰極管7は、波長370nmに発光極大を示すものであり、半値幅は20nmである。冷陰極管7は、インバータを用いて直流12Vで点灯される。
上記ブロアー9は、外部から取り入れた空気を、筒状筐体3の入り口側開口部3cに吹き出す。このことにより、筒状筐体3の内部には、入り口側開口部3cから出口側開口部3dに向かう空気流が発生する。このブロアー9は、日本サーボ製のE0515H(最大風量:0.125m3 min-1)である。
2.光触媒担持シート5の製造方法
次に、光触媒担持シート5の製造方法を説明する。
まず、アナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)を、濃度が5wt%になるようにミリポア水に分散させ、そこに、塩化白金酸六水和物水溶液(濃度0.1mg L-1)を添加し、酸化チタン懸濁液を調製した。なお、塩化白金酸六水和物水溶液の添加量は、塩化白金酸六水和物の重量が、酸化チタンの重量に対して1wt%となるようにした。
次に、この酸化チタン懸濁液をチャックつきポリ袋に移し、その中に、305mm×25mmの大きさのシリカ繊維濾紙(商品名:QR−100、ADVANTEC製)を入れ、シリカ繊維濾紙に酸化チタン懸濁液を浸み込ませた。シリカ繊維濾紙を引き上げて余分な液を切って乾燥させた後、400℃で1時間焼成し、光触媒担持シート5を完成した。なお、焼成において、400℃に至るまでは、5℃ min-1の割合で昇温した。焼成後において、塩化白金酸六水和物は、PtClxのような別の塩化白金化合物に変化している可能性がある。
3.空気浄化試験
容積70Lの密閉容器に、光触媒式空気浄化装置1を入れた。また、密閉容器内のアセトアルデヒド濃度が測定できるように、赤外線光音響式マルチガスモニター(INNOVA model1412−5)を取り付けた。光触媒式空気浄化装置1の冷陰極管7を消灯状態とし、ブロアー9もOFFにした状態で、9%アセトアルデヒド水溶液を密閉容器内に滴下し、密閉容器内におけるアセトアルデヒド濃度を10ppmとした。アセトアルデヒド濃度を2分間隔でモニターし、アセトアルデヒド濃度が一定になった後、冷陰極管7を点灯し、ブロアー9をONにし、アセトアルデヒドの分解を行った。
また、比較例1として、筒状筐体3に、光触媒担持シート5の代わりに、光触媒シート105を取り付け、同様の実験を行った。この光触媒シート105は、塩化白金酸六水和物を添加しないという点以外は、光触媒担持シート5と同様にして製造したものである。すなわち、光触媒シート105は、塩化白金化合物で修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(P25)をシリカ繊維濾紙に担持したものである。
実験結果を表1に示す。
Figure 2008183522
表1から明らかなように、本実施例1の光触媒式空気浄化装置1は、アセトアルデヒドを分解する速度が非常に速かった。それに対し、塩化白金化合物で修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタンを用いた比較例1では、アセトアルデヒドを分解する速度が遅かった。
1.光触媒式空気浄化装置の全体構成
光触媒式空気浄化装置11の全体構成を、図2に基づいて説明する。
光触媒式空気浄化装置11は、断面が長方形であり、両端が開口した筒状筐体13と、筒状筐体13の下面13aの内側に貼り付けられた光触媒担持シート15と、筒状筐体13の上面13bの内側に取り付けられた2枚の板状光源17と、筒状筐体13の入り口側開口部13cに取り付けられたブロアー19とから構成される。
上記板状光源17は、1枚あたり、25個のUV−LEDを備えており、対向する位置にある光触媒担持シート15に紫外線を照射することができる。板状光源17が備えるUV−LEDは、波長365nmに発光極大を示すものであり、半値幅は10nmである。
上記ブロアー19は、外部から取り入れた空気を、筒状筐体13の入り口側開口部13cに吹き出す。このことにより、筒状筐体13の内部には、入り口側開口部13cから出口側開口部13dに向かう空気流が発生する。このブロアー19は、日本サーボ製のE0515H(最大風量:0.125m3 min-1)である。
2.光触媒担持シート15の製造方法
次に、光触媒担持シート15の製造方法を説明する。光触媒担持シート15としては、光触媒担持シート15Aと、光触媒担持シート15Bとの2種類を製造した。光触媒担持シート15Aは、前記実施例1の光触媒担持シート5と同様にして製造したものである。また、光触媒担持シート15Bは、シリカ繊維濾紙の代わりに、アルミナ/コージェライト製のセラミックス発泡体(型番:♯13、ブリヂストン製)を用いる点では相違するが、その他の点では光触媒担持シート15Aと同様のものである。
3.空気浄化試験
前記実施例1と同様にして、空気浄化試験を行った。試験は、光触媒担持シート15として、光触媒担持シート15Aを用いた場合と、光触媒担持シート15Bを用いた場合とで、それぞれ行った。
また、比較例2として、筒状筐体13に、光触媒担持シート15の代わりに、光触媒シート205Aを取り付け、同様の実験を行った。この光触媒シート205Aは、塩化白金酸六水和物を添加しないという点以外は、光触媒担持シート15Aと同様にして製造したものである。すなわち、光触媒シート205Aは、塩化白金化合物で修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(P25)をシリカ繊維濾紙に担持したものである。
また、比較例3として、筒状筐体13に、光触媒担持シート15の代わりに、光触媒シート205Bを取り付け、同様の実験を行った。この光触媒シート205Bは、塩化白金酸六水和物を添加しないという点以外は、光触媒担持シート15Bと同様にして製造したものである。すなわち、光触媒シート205Bは、塩化白金化合物で修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(P25)をアルミナ/コージェライト製のセラミックス発泡体に担持したものである。
実験結果を表2に示す。
Figure 2008183522
表2から明らかなように、本実施例2の光触媒式空気浄化装置11は、光触媒担持シート15として、光触媒担持シート15A、光触媒担持シート15Bのいずれを用いた場合でも、アセトアルデヒドを分解する速度が非常に速かった。それに対し、塩化白金化合物で修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタンを用いた比較例2、比較例3では、アルデヒドを分解する速度が遅かった。
基本的には前記実施例1と同様にして、光触媒式空気浄化装置を製造した。ただし、光触媒シート5の製造において、アナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)の代わりに、アナターゼ型酸化チタン(商品名:ST01、石原産業製)を同量用いた。本実施例3の光触媒式空気浄化装置も、ほぼ、前記実施例1と同様の効果を奏する。
基本的には前記実施例2と同様にして、光触媒式空気浄化装置を製造した。ただし、光触媒シート15の製造において、アナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)の代わりに、アナターゼ型酸化チタン(商品名:ST01、石原産業製)を同量用いた。本実施例4の光触媒式空気浄化装置も、ほぼ、前記実施例2と同様の効果を奏する。
(試験例1)
前記実施例1〜4の光触媒式空気浄化装置は、下記の光触媒粉末A〜Cを基材に担持したものを、光触媒シートとして用いてもよい。なお、後述する実験における比較対象として、比較粉末D〜Iも調製した。
<光触媒粉末A>
アナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)0.2gをミリポア水25mLに懸濁し、これに0.1g mL-1の塩化白金酸六水和物水溶液を59.6μL添加した。このとき、酸化チタンに対する白金酸六水和物の比率は3wt%である。撹拌した後、酸化チタン懸濁液をシャーレに空け、ホットプレート上で75℃に加熱し乾燥した。乾燥して得た淡黄色の粉末をマッフル炉を用い、200℃、 1時間の条件で焼成した。なお、焼成時の昇温速度は5℃ min-1とした。焼成後、粉末を50%エタノール水溶液で二度洗浄し、最後にエタノールで洗浄して乾燥した。最終的に得られた光触媒粉末Aは淡黄色であった。
<光触媒粉末B>
アナターゼ/ルチル混合型酸化チタンの代わりに、アナターゼ型酸化チタン(400℃で一時間焼成したST101 (石原産業製))を同量用いた点以外は、光触媒粉末Aの場合と同様にして、光触媒粉末Bを製造した。
<光触媒粉末C>
アナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)0.2gをミリポア水25mLに懸濁し、これに0.1g mL-1の硝酸テトラアンミン白金(Aldrich)の水溶液を添加した。このとき、酸化チタンに対する硝酸テトラアンミン白金の比率は3wt%となるようにした。撹拌した後、酸化チタン懸濁液をシャーレに空け、ホットプレート上で75℃に加熱し乾燥した。乾燥して得た白色の粉末をマッフル炉を用い、200℃、 1時間の条件で焼成した。なお、焼成時の昇温速度は5℃ min-1とした。焼成後、粉末を50%エタノール水溶液で二度洗浄し、最後にエタノールで洗浄して乾燥した。最終的に得られた光触媒粉末Cは淡黄褐色であった。
<比較対象粉末D>
白金化合物により表面を修飾されていないアナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)である。
<比較対象粉末E>
白金化合物により表面を修飾されていないアナターゼ型酸化チタン(商品名:ST01、石原産業製)である。
<比較対象粉末F>
白金化合物により表面を修飾されていないブルッカイト型酸化チタンゾル(商品名:NTB−1、昭和電工製) を乾燥して得た粉末である。
である。
<比較対象粉末G>
特開2003−290664号公報記載の方法を参考に合成した白金微粒子担持ルチル型酸化チタンである。その製造方法は次のとおりである。まず、アナターゼ型酸化チタンを800℃で1時間焼成してルチル型酸化チタンとし、これを、1wt%になるように、50vol%エタノール水溶液に懸濁した。次に、この懸濁液に、塩化白金酸六水和物水溶液(0.1g mL-1)を加えて撹拌した。このとき、酸化チタンに対して、塩化白金酸六水和物の割合は、1wt%となるようにした。次に、紫外線照射装置(商品名:LA−310UV、林時計工業製)で14 mWcm-2 (紫外線強度計CUSTOM UVA−365で測定)の紫外線を20分間照射して白金微粒子を酸化チタン表面に析出させた。紫外線照射後、この白金微粒子担持ルチル型酸化チタンを二度水洗して乾燥した後、300 ℃で1時間焼成し、比較対象粉末Gを完成した。
<比較対象粉末H>
比較対象粉末Gにおけるルチル型酸化チタンをアナターゼ/ルチル混合型酸化チタン(商品名:P25、日本アエロジル製)に代え、他は同じ方法で、白金微粒子を担持した比較対象粉末Hを製造した。
<比較対象粉末I>
市販されている可視光応答型酸化チタン(商品名:TP−S201、住友化学製)である。
これらの光触媒粉末A〜Cが、発光極大の波長が350〜410nmである光源を用いても光触媒性能が高いことを実験により確かめた。
まず、実験方法を、図3を用いて説明する。
各粉末を、濃度が1wt%となるようにエタノールに懸濁し、懸濁液を調製した。その懸濁液30μLを2mm角のスライドガラス片に滴下して乾燥し、さらに、15μLの懸濁液を重ねて滴下して乾燥することで、光触媒粒子を塗布したスライドガラス片301を作成した。このスライドガラス片301を容積600mLの密閉容器303に入れ、これに、9wt%アセトアルデヒド水溶液を滴下し、密閉容器303内のアセトアルデヒド濃度が75ppmになるようにした。アセトアルデヒド、二酸化炭素濃度が一定になるまで暗下で放置した後、光源305で紫外光を照射した。実験は、光源305が、UV−LEDの場合、ブラックライトの場合、冷陰極管の場合のそれぞれについて行った。
UV−LEDは、365nmに発光の極大を示すナイトライドセミコンダクターNS365C―2SAAを用いた。このUV−LEDは、縦5個 × 横5個の計25個のLEDを備えているが、そのうち一列分(計5個)のLEDでスライドガラス片301を照射した。スライドガラス片301とLEDとの距離は1.5cmであり、紫外線強度計(CUSTOM UVA−365)で測定したスライドガラス片301面上での紫外線強度は 0.3mWcm-2であった。
冷陰極管は、370 nmに発光極大を示すエレバム M839 (8mm×240mm)を用い、紫外線強度計で測定したスライドガラス片301面上での紫外線強度は0.4mWcm-2であった。
ブラックライトは、350nmに発光の極大を示す東芝ライテックFL8BLB(8W)一本を用い、紫外線強度計で測定したスライドガラス片301面上での紫外線強度は1.2mWcm-2であった。
密閉容器301内のアセトアルデヒド、二酸化炭素濃度は、赤外線光音響マルチガスモニター307(商品名:INNOVA model1412−5)を用い、2分間隔で測定した。そして、アセトアルデヒドの濃度の推移から、分解速度(ppm/min)を算出した。光源305としてUV−LEDを用いたときの分解速度をkLEDとし、光源305として冷陰極管を用いたときの分解速度をkCCLとし、光源305としてブラックライトを用いたときの分解速度をkBLBとする。
試験結果を表3に示す。
Figure 2008183522
表3から明らかなとおり、光触媒粉末A〜Cは、光源としてUV−LED、冷陰極管を使用したときのアセトアルデヒドの分解速度が、顕著に高かった。
(試験例2)
前記実施例1における光触媒担持シート5の光触媒性能が特に高くなる焼成温度を、実験により確かめた。
まず、基本的には、前記実施例1と同様の製造方法であるが、焼成温度のみを様々に変えて、光触媒シート5を製造した。その焼成温度を表4に示す。
Figure 2008183522
そして、それぞれの焼成温度で製造した光触媒担持シート5について、前記試験例1と同様の方法で、アセトアルデヒド分解速度(ppm/min)を算出した。すなわち、図3に示す装置において、スライドガラス片301の代わりに、光触媒担持シート5を置いて試験を行った。また、比較対象として、塩化白金化合物で修飾されていない酸化チタンを担持した光触媒シート105についても同様に試験を行った。なお、光源としては、UV−LEDを用いた。試験結果を上記表4に示す。
表4から明らかなように、光触媒担持シート5は、焼成なしの条件でも、光触媒シート105よりもアセトアルデヒド分解速度が高かった。また、焼成温度が200℃から400℃へと高まるにつれて、光触媒担持シート5のアセトアルデヒド分解速度は一層高くなった。
(試験例3)
前記試験例1における光触媒粉末Aの光触媒性能が特に高くなる、白金化合物の量を実験により確かめた。
まず、基本的には、前記試験例1と同様の製造方法であるが、酸化チタンに対する塩化白金酸六水和物の比率(以下、「白金化合物比率」とする)を様々に変えて、光触媒粉末Aを製造した。そのときの白金化合物比率を表5に示す。
Figure 2008183522
そして、それぞれの光触媒粉末Aについて、前記試験例1と同様の方法で、アセトアルデヒド分解速度(ppm/min)を算出した。なお、光源としては、UV−LEDを用いた。試験結果を上記表5に示す。
表5から明らかなように、光触媒担持シート5は、白金化合物比率が0.1wt%のときに、既に、白金化合物で修飾されていない酸化チタンよりも、アセトアルデヒド分解速度が顕著に向上していた。そして、白金化合物比率が3wt%まで高まるにつれて、アセトアルデヒド分解速度は更に高まった。
光触媒式空気浄化装置1の構成を表す説明図であり、(a)は入り口側開口部3dの方向から見たときの説明図であり、(b)はA−A断面における側断面図である。 光触媒式空気浄化装置11の構成を表す説明図であり、(a)は入り口側開口部13dの方向から見たときの説明図であり、(b)はB−B断面における断面図である。 実験装置の構成を表す説明図である。
符号の説明
1、11・・・光触媒式空気浄化装置
3、13・・・筒状筐体
5、15・・・光触媒担持シート
7・・・冷陰極管
9・・・ブロワー
17・・・板状光源
301・・・スライドガラス片
303・・・密閉容器
307・・・赤外線光音響マルチガスモニター

Claims (4)

  1. 外気と連通する浄化室と、
    前記浄化室内に設置された光触媒と、
    前記光触媒に紫外線を照射する紫外線照射部と、
    を備えた光触媒式空気浄化装置であって、
    前記光触媒は、白金化合物により表面を修飾された酸化チタンであるとともに、
    前記紫外線照射部が照射する紫外線における発光極大の波長が、350〜410nmの範囲にあることを特徴とする光触媒式空気浄化装置。
  2. 前記白金化合物による修飾は、前記酸化チタンの表面に塩化白金酸水和物及び/又はテトラアンミン白金錯体を付着させ、200〜400℃の温度で焼成することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の光触媒式空気浄化装置。
  3. 前記酸化チタンの表面に付着させる前記塩化白金酸水和物及び/又はテトラアンミン白金錯体の量は、前記酸化チタンの量を100重量部としたとき、0.1〜3重量部の範囲となる量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触媒式空気浄化装置。
  4. 前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒式空気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012130921A (ja) * 2012-04-13 2012-07-12 Chugoku Electric Power Co Inc:The アンモニアガス浄化用触媒
JP2013252991A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 二酸化炭素還元方法
JP2019017519A (ja) * 2017-07-12 2019-02-07 有限会社マロニエ技術研究所 浄化装置及び浄化方法

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