JP2010088969A - 有害物質の分解装置及び分解方法 - Google Patents

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和勝 辻
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Abstract

【課題】大気中に排出される化学物質を高効率に分解する安価な分解装置を提供する。
【解決手段】大気中に含まれる有害物質を光触媒で分解し除去する分解装置1Aであって、光触媒を有する光触媒部2と、光触媒部2に、有害物質を含む導入ガスDGを導入する導入部と、光触媒部に光を照射する光源4,5と、少なくとも光触媒部2を加熱する加熱装置7と、を備え、光触媒部2を加熱し、且つ光触媒部2に光を照射しつつ、有害物質と光触媒とを接触させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有害物質の分解装置及び分解方法に関するものである。
近年の環境意識の高まりから、産業設備から大気中に排出される化学物質が問題視されることが多くなってきている。
このような化学物質としては、例えば印刷工場、印刷工場、クリーニング店、ゴム工場などから多く排出されるトルエンやイソプロピルアルコールなどの揮発性有機化合物(VOC)、汚水処理場や畜産関連施設、医療施設等から排出される臭気などが挙げられる。更には、集会場やレストラン等の施設から排出されるたばこの煙や、プラスチック加工場や塗料を用いる作業場から排出される微小な樹脂(プラスチック)の粉じんなども問題となる場合がある。
これらのうち、例えば、VOCについては大気汚染防止法において規制対象・基準値が決められている。しかし、VOCに由来して、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントが発生したり、浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter:SPM)が発生したりすることが知られており、人体への悪影響が懸念されていることから、大気汚染防止法を改正し規制を厳しくするという動きがある。このような動きの中には、中小規模の工場や事業所(以下、中小事業所)への排出量制限の動きも含まれる。中小事業所については、2010年度からVOC排出量の削減規定が適用されることから、削減目標を達成するために早急な対策が求められている。
従来、VOCの排出量削減方法としては、主にVOCを燃焼させる事でCOと水とにまで酸化・分解する方法が取られている。その方法として、VOCを含む空気を火炎に接触させ直接燃焼させる方法(直接燃焼法)や、金属触媒を用いることで直接燃焼法より低温でVOCを酸化分解する方法(触媒燃焼法)が用いられている。その他にも、セラミックなどの蓄熱体を用い、蓄熱体による熱交換によりVOCを含む空気を昇温させてVOCを酸化分解させる方法(蓄熱式燃焼法)や、吸着剤にVOCを吸着させた後に、加熱空気で脱着し燃焼法にて酸化分解させる方法(吸着式濃縮燃焼法)などが知られている。現在は、これら各種の燃焼法を原理とした処理装置が普及しており、VOCの排出量削減に効果を示している。
更に近年では、上記のような燃焼法の他に、酸化チタンなどの光触媒の強い酸化作用を利用し、VOCを酸化し分解することが提案されている。例えば、特許文献1には、管状の筐体の中に紫外線ランプと光触媒とを入れ、紫外線を照射しながら管内に揮発性有機化合物を含むガスを通過させることで、揮発性有機化合物を分解する揮発性有機化合物の分解除去装置が示されている。また、特許文献2では、150〜600℃に加熱した酸化チタンにVOCを接触させることで、VOCを分解する方法が示されている。
特開平9−155160号公報 特開2008−194683号公報
中小事業所は、大規模な事業所と比べると圧倒的に数が多い上に、設備投資や設備維持にかけることができる経済的な余裕が少ない場合が多い。そのため、導入コストやランニングコストが小さい安価な装置が求められている。更には、従業員数が少なくメンテナンスのために人員を割きにくいため、メンテナンスフリーであることが望まれる。
しかしながら、現在普及している処理装置は、大規模な工場から大量に排出される化学物質を処理するために開発された大型設備が多いため、導入コストやランニングコストが大きく、中小事業所で導入しやすいものとはなっていない。上述した燃焼法の中では、金属触媒を用いた触媒燃焼法が処理効率の上で秀でていることが知られているが、触媒に用いるPt,Pd,Rh等の金属はいずれも非常に高価であり、また、使用に伴い触媒表面に触媒毒が付着するために頻繁に取り替える必要が生じるなど、中小事業所に適した処理方法となっていない。
また、特許文献1に記載された光触媒は、酸化作用が非常に強力であることは知られている一方で、照射した光量に対する分解反応の効率(量子収率)が非常に悪いことも知られている。したがって、中小事業所で行われる生産活動で排出されるVOCを分解し、削減目標を達成可能なほどの高効率な分解処理は達成出来ていない。特許文献2に記載された方法では、良好な分解を実現するためには500℃程度にまで酸化チタンを加熱する必要があり、加熱に必要なエネルギーのためにランニングコストが増大する。
このような課題は、排出される化学物質がVOCである場合に限るものではなく、臭気やたばこの煙や樹脂の粉じんが排出される各種の設備であっても同様の課題を抱えている。即ち、現在普及している処理装置は、コスト面において中小事業所の要望に応えるものとなっておらず、中小事業所から大気中に排出される化学物質の削減推進が困難となっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、大気中に排出される化学物質を高効率に分解する安価な分解装置を提供することを目的とする。更には、高効率な化学物質の分解を実現する化学物質の分解方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、酸化チタン触媒に光照射を行って化学物質を分解する際に、酸化チタン触媒を加熱しておくと分解反応の効率が飛躍的に高まることを見出した。すなわち、加熱した酸化チタンに光照射を行うと、それぞれ加熱のみ、光照射のみを酸化チタンに施した場合と比べ、極めて高効率な分解反応が可能であり、本発明はこの新たに見出した現象を利用したものである。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明の分解装置は、大気中に含まれる有害物質を光触媒で分解し除去する分解装置であって、前記光触媒を有する光触媒部と、前記光触媒部に、前記有害物質を含む導入ガスを導入する導入部と、前記光触媒部に光を照射する光源と、少なくとも前記光触媒部を加熱する加熱装置と、を備え、前記光触媒部を加熱し、且つ前記光触媒部に光を照射しつつ、前記有害物質と前記光触媒とを接触させることを特徴とする。
この構成によれば、酸化チタンに加熱と光照射とを行うことができ、熱および光のエネルギーの相乗効果により良好な分解反応が可能な分解装置とすることができる。
本発明においては、前記光触媒として用いる酸化チタンが、20℃以上230℃以下の温度に加熱されていることが望ましい。
酸化チタンの温度が20℃未満の場合は、熱エネルギーが不足し、通常の光照射と変わりない効果しか得られない。また、酸化チタンの温度が230℃を超える場合には、加熱に用いるエネルギーが過大となるため、加熱に要するランニングコストが増大するため不適である。この構成のような温度条件で酸化チタンを加熱し、同時に紫外線照射を行って分解処理を行うことで、熱および光のエネルギーの相乗効果により高効率な分解処理を実現することができる。
本発明においては、前記光触媒部の上流側の前記導入部に、前記導入ガスを加熱する予備加熱部を有することが望ましい。
この構成によれば、予め加熱した導入ガスを光触媒部に供給することができるため、導入する導入ガスによって光触媒部の温度が低下してしまうことを防ぎ、良好な分解処理を行うことが可能な分解装置とすることができる。
本発明においては、前記予備加熱部は、前記光触媒部を通過した気体を用いて前記光触媒部に導入される前記導入ガスを加熱する熱交換部であることが望ましい。
この構成によれば、加熱された光触媒部を通過した気体が内包している熱エネルギーを回収することができるため、導入ガスを加熱するために必要とするエネルギーを低減させることができる。そのため、維持費を下げることができると共に、良好に化学物質を分解反応する分解装置とすることができる。
また、本発明の化学物質の分解方法は、酸化チタンを用い、大気中に含まれる有害物質を光触媒で分解し除去する分解方法であって、20℃以上230℃以下の温度に加熱された前記酸化チタンに光を照射し、当該酸化チタンに前記被処理物質を接触させることを特徴とする。
この方法によれば、酸化チタンの加熱による活性化と、酸化チタンへの光照射による活性化とが同時に生じ、熱および光のエネルギーの相乗効果により触媒効果が活性化するため、飛躍的に分解効率を高めることができる分解方法とすることができる。
本発明によれば、安価な酸化チタンを化学物質の分解反応の触媒として用い、酸化チタンを20〜230℃という低温で加熱しながら光照射することにより、高効率な化学物質の分解が可能な分解装置を提供することができる。更には、酸化チタンの加熱と光照射とを組み合わせることで、酸化チタンを用いた分解反応では従来にない高効率な分解を実現する化学物質の分解方法を提供することができる。
[第1実施形態]
以下、図1を参照しながら本発明の第1実施形態に係る化学物質の分解装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
ここで、本発明の分解装置が分解可能な「有害物質」としては、大気汚染防止法で規定される揮発性有機化合物や、悪臭防止法で規定される特定悪臭物質の他に、生ゴミ臭や畜産関連施設からの臭気、医療施設の薬品臭や医療施設で用いられる設備の排気に含まれる各種薬品、その他たばこの煙、樹脂粉じん、PCBなど、産業施設等から排出される排気に含まれる各種の化学物質が対象となり、固体、液体、気体を問わない。以下の説明では、これらの化学物質を含む空気のことを「導入ガス」と称する。本発明の分解装置は、大気中に含まれる有害物質を分解する機能を有する。
図1は、本実施形態の分解装置1Aを示す模式図である。分解装置1Aは、光透過性の筐体に光触媒が充填された光触媒部2、分解装置1Aに導入される導入ガスを予め加熱しておくための熱気化室(予備加熱部)6を備え、それぞれに配管12,16,18が接続されている。また、光触媒部2に近接して光触媒部2に光を照射する光源4,5が設けられており、光触媒部2、光源4,5は筐体10の中に収納されている。
筐体10の内部は、筐体の内壁に取り付けられた加熱装置7により加熱可能となっており、同様に、熱気化室6の内部は、筐体の内壁に取り付けられた加熱装置8により加熱可能となっている。
以下、各構成について、導入ガスが分解装置1A内を通過する順に説明する。
まず、配管(導入部)12の端部である流入口12aから供給される導入ガスDGは、熱気化室6内に導入される。熱気化室6は、導入ガスDGを予備的に加熱するために設けられており、導入ガスDGは予め設定された熱気化室6内の温度にまで昇温される。導入ガスDGに含まれる有害物質の沸点が高く、配管内で結露しやすいものであっても、熱気化室6内で加熱されるために、有害物質の気化が促進され、良好に下流の光触媒部2に供給することが出来る。
熱気化室6に設けられた加熱装置8は、側壁に取り付けられた熱源である電熱ヒータ(ヒータ)8aと、内温を設定温度に管理するためにヒータ8aの駆動を制御する温度制御装置8bと、を有している。本実施形態の温度制御装置8bは、熱気化室6の内温を150℃となるように制御している。
熱気化室6で予備加熱されたガスは、配管(導入部)16を介して筐体10内に配置された光触媒部2へ供給される。筐体10の内壁には加熱装置7が配置されており、筐体10内部が加熱されている。加熱装置7は、筐体10の側壁に取り付けられた電熱ヒータ(ヒータ)7aと温度制御装置7bとを有している。ヒータ7aは、筐体10内部を加熱し、内部温度を室温よりも高い温度にまで加熱するために設けられている。ヒータ7aによって筐体10内の空気が加熱されると、間接的に光触媒部2が加熱されることとなる。
温度制御装置7bは、光触媒部2の温度が設定温度となるようにヒータ7aの駆動を制御する。また、温度制御装置7bへ接続される温度センサを筐体10の内部側壁や光触媒ユニット2aに設け、測定される温度に応じてヒータ7aの駆動をフィードバック制御することとしても良い。
筐体10は、加熱装置7により加熱された内部の空気が漏れ出さないように気密性高く設けられていると良い。また、筐体10の内部が加熱されるため、筐体10の壁面は断熱構造を有していることが望ましい。断熱構造としては、通常知られた構造であれば用いることができ、筐体10を構成する壁材が2重構造となっていて断熱空気層を挟持している構造や、発泡樹脂のような断熱材を用いた構造などを挙げることができる。筐体10は遮光性を有していても良く、また透光性を有していても構わない。
配管16と接続する光触媒部2は、複数(ここでは5本)の光触媒ユニット2aを有している。各々の光触媒ユニット2aは、下流側が5本に分岐した配管16の下流側端部のそれぞれと接続している。光触媒ユニット2aは、光透過性の筐体の内部に光触媒が充填されたものを使用することができる。本実施形態では、5本の光触媒ユニット2aが各々並列に配置されており、それぞれの光触媒ユニット2aで導入ガスに含まれる化学物質を並列に分解処理している。
光触媒ユニット2aが有する光透過性の筐体としては、例えば、光触媒の触媒作用にて分解されない素材で形成された、両端が開口している管状のものを用いることができる。このような素材としては、ガラスや石英などの無機物をあげることができるが、紫外線を吸収しない石英を形成材料とする方が好ましい。
光触媒ユニット2aで用いられる光触媒としては、酸化チタンを挙げることができる。光触媒として用いる酸化チタンは、通常知られるようにバンドギャップが小さく光照射により触媒作用を発現しやすいアナタース型の結晶構造のものを用いることが望ましい。また、酸化チタンの表面積を増やし反応効率を高める目的で、粒状の酸化チタンを用いても良く、同様の目的により、広い表面積を有する担体の表面に酸化チタンを付着させたものを用いても良い。
酸化チタンを付着させる担体としては、円柱状、球状、ハニカム状、板状など所望の形状のものを用いることができる。これらの担体の表面に酸化チタンを付着させた後に、担体と共に上記光透過性の筐体に充填して、光触媒ユニット2aとすることができる。担体の形成材料としては、例えば光触媒の触媒作用にて分解されないセラミックなどを用いることができる。
光源4,5は、光触媒部2に触媒活性を生じさせるための光Lを照射するものである。本実施形態の分解装置1Aでは、光源4,5に紫外線を照射する紫外線ランプを用い、光触媒部2を挟んで両側から紫外線(光)Lを照射する。光触媒部2に紫外線Lが照射されると、光触媒ユニット2a内の酸化チタンは触媒活性を発現する。
発明者らの検討により、酸化チタンを加熱し同時に紫外線照射を行って分解処理を行うと、通常の室温条件下で紫外線照射を行う場合と比べ、熱および光のエネルギーの相乗効果により高効率な分解処理が実現可能であることが分かった。この検討結果を受け、分解装置1Aの温度制御装置7bは、光触媒部2の設定温度を20℃以上230℃以下に管理することとしている。本実施形態の温度制御装置7bは、設定温度が150℃となっている。
酸化チタンの温度が20℃未満の場合は、熱エネルギーが不足するため、通常の光照射と変わりない効果しか得られない。また、酸化チタンの温度が230℃を超える場合には、加熱に用いるエネルギーが過大となるため、加熱に要するランニングコストが増大するため不適である。したがって、上記のような温度条件で酸化チタンを加熱し、同時に紫外線照射を行って分解処理を行うことで、熱および光のエネルギーの相乗効果により高効率な分解処理を実現することができる。また、供給される導入ガスDGは、熱気化室6において予備的に加熱されているため、導入ガスDGによって光触媒部2が冷却されてしまうことなく、良好な加熱状態を保ったまま分解処理が可能となる。
上記のような条件で加熱され、且つ紫外線が照射された光触媒部2において化学物質を分解する。各々の光触媒ユニット2aの下流側は、各々上流側が5本に分岐した配管1と接続しており、配管18を介して配管18の端部である排出口18aから化学物質が除かれた無害化されたガス(無害化ガス)CGが排出される。
その他、分解装置1Aには、導入ガスDGを光触媒部2へ供給するために導入ガスDGを押し出すブロアーを配管12に接続することとしても良い。また、熱気化室6の上流側に導入ガス濃度を調節するためのバッファタンクを設けることとしても構わない。
本実施形態の分解装置1Aは、以上のような構成となっている。
以上のような構成の分解装置1Aによれば、光触媒部2の光触媒である酸化チタンに加熱と紫外線照射とを行うことができ、熱および光のエネルギーの相乗効果により良好な分解反応が可能な分解装置1Aとすることができる。
また、以上のような分解方法では、光触媒部2の光触媒である酸化チタンを加熱により活性化すると共に、光照射によっても活性化させる。その結果、酸化チタンは、熱および光のエネルギーの相乗効果により触媒効果が活性化するため、飛躍的に分解効率を高めることが可能な分解方法とすることができる。
なお、本実施形態においては、通電することで発熱する電熱ヒータを熱源として用いたが、ヒータの代わりにバーナーを配置し、バーナーで燃やす炎によって導入ガスDGや筐体10内の空気を加熱することとしても良い。
また、本実施形態においては、加熱装置7により筐体10内の空気を加熱することにより間接的に光触媒部2を加熱することとしたが、これに限らない。例えば、光源4,5のうち一方を赤外線を照射する赤外線ランプとし、赤外線を照射することで光触媒部2を加熱することとしても良い。もちろん、紫外線を照射する光源4,5の他に、赤外線を照射し光触媒部2を加熱する赤外線ランプを別途設ける事としても構わない。更には、光触媒ユニット2aに電熱線などの加熱装置を取り付け、直接加熱することとしても良い。いずれにおいても、光触媒部2に対する紫外線照射を遮るような構成ではなく、また、複数の光触媒ユニット2a毎に温度ムラが生じないように加熱を行うと良いのは言うまでもない。
また、本実施形態においては、光源4,5を筐体10の内部に収容することとしているが、筐体10の外から光触媒部2に光を照射することとしても良い。
また、本実施形態においては、光触媒部2に紫外線を照射することとしたが、可視光線を照射して触媒活性を発現させることもできる。通常の光触媒では、光触媒活性を発現するためには紫外線照射が必要であることが知られているが、加熱した光触媒部2に蛍光灯から可視光線領域の波長の光を照射しても触媒活性を発現することを確認した。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係る分解装置1Bの説明図である。分解装置1Bは、光触媒部22、光源24、加温浴26、加熱装置30を備えている。以下、各構成について説明する。
光触媒部22は、2つのU字管の一端同士が更なるU字管で連結された、略W字状の曲がったガラス管に、前述の光触媒を充填して形成されている。両端には配管32、34が接続されており、配管(導入部)32の端部である流入口32aから光触媒部22に導入ガスDGが導入され、導入ガスDGに含まれる化学物質が分解された後、配管34の端部である排出口34aから無害化ガスCGが排出される。光触媒部22のガラス管、および配管32,34は、分解装置1Bの装置本体21を構成している。
光源24は、光触媒部22に光を照射し触媒活性を起こすために設けられる。第1実施形態の光源4,5と同様の装置を用いることができる。
加温浴26は、内部に貯留する熱媒体28を用いて光触媒部22を加熱する。熱媒体28は、湯やシリコーンオイル等を用いることができ、光触媒部22の加熱温度によって変更することができる。
加熱装置30は、ヒータ30aと温度制御装置30bとを有しており、熱媒体28を加熱する。
分解装置1Bは、以上のような構成となっている。
以上のような構成の分解装置1Bであっても同様に、光触媒部を加熱しながら光照射することで、良好に化学物質を分解反応する分解装置とすることができる。
[第3実施形態]
図3は、本発明の第3実施形態に係る分解装置1Cの説明図である。分解装置1Cは、管状の装置本体41を有しており、装置本体41の一端に設けられた流入口41aから導入ガスDGが導入され、導入ガスDGに含まれる化学物質が分解された後、他端に設けられた排出口41bから無害化ガスCGが排出される構成となっている。
分解装置1Cの装置本体41は、内部に設けられた光触媒部42の上流側(導入部)の一部を下流側の一部が貫いており、この上流と下流との重なり部分は熱交換部46となっている。熱交換部46は導入ガスDGの予備加熱部として機能しており、流入口41aから導入される導入ガスDGは、熱交換部46において無害化ガスCGにより予備的に加熱される。
熱交換部46の下流側には、加熱装置44が配置された加熱部47が設けられ、導入ガスDGを加熱しており、加熱部47の下流側には、光触媒部42、光源43が配置された分解部48が設けられ、加熱された導入ガスに含まれる化学物質を酸化・分解している。光触媒部42は、導入ガスにより適温に加熱されている。
加熱装置44は、ヒータ44aと温度制御装置44bと、温度制御装置44bに接続された温度センサ45a,45bを有している。温度センサ45aは光触媒部42の上流側、温度センサ45bは光触媒部42の下流側にそれぞれ配置され、検知する温度に基づいて、温度制御装置44bがヒータ44aを制御し、光触媒部42および導入ガスDGの温度が導入ガスに含まれる化学物質に適した処理温度となるように導入ガスDGを加熱する。
光触媒部42の上流側には、光触媒部42に供給される導入ガス中に含まれる砂埃等を除去するためのフィルタ49を備えていると、光触媒部42の表面が汚染されず好ましい。
分解装置1Cは、以上のような構成となっている。
以上のような構成の分解装置1Cは、熱交換部46を有し導入ガスDGが熱エネルギーを回収しているため、加熱部47で必要とするエネルギーを低減させることができる。そのため、維持費を下げることができると共に、良好に化学物質を分解反応する分解装置とすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
次に、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。
(装置構成)
本実施例では、前述の第1実施形態に示した分解装置1Aを用いた。
実施例では、光触媒ユニットに使用する酸化チタンとして、堺化学工業(株)の球状酸化チタンCS−300S−24(アナタース型100%、直径2〜4mm)を用いた。このような酸化チタンを内径15mm〜30mm×長さ80cmのガラス管に充填し、評価用の光触媒ユニットとして用いた。ここでは、内径25mmのガラス管を用いた場合の結果を示す。
また、光触媒ユニットに照射する光として紫外線を使用した。紫外線の光源として、東芝ライテック(株)社製の捕虫器用蛍光ランプFL30SBLを用いた。
(被処理物)
本実施例では、導入ガスのモデルを作成して、評価を行った。ここでは、被処理物質(化学物質)として酸化エチレンを選択し、一定量を気化させる事で酸化エチレンと空気とを所定の濃度となるように混合して混合ガスを作成した。
(測定装置)
実験結果は、以下の測定装置を用いて測定した。
光触媒ユニット内を流通させる混合ガスの流量(L/min)は、流量計として日本パナメトリックス(株)社製のクランプオン方式超音波ガス流量計GC868を用い、光触媒ユニットの出口にて測定した。
混合ガスの排出炭素濃度(ppmC)は、VOC計として堀場製作所(株)社製のFID法ポータブルVOC分析計(FV−250)及び新コスモス電機(株)社製の高感度ポータブル型TVOC(総揮発性有機化合物)検知器XP−339Vを用いて測定した。測定に際しては、あらかじめ既知の濃度の酸化エチレン混合ガスを用いて校正曲線を作成した上で使用した。
(処理条件)
作成した混合ガスを、所定流量にて光触媒ユニットへ導入し、混合ガスに含まれる酸化エチレンの分解処理を行った。光触媒ユニット内を通過した混合ガスをサンプリングし、サンプルに含まれる酸化エチレン量をVOC計にて測定して、光触媒ユニットによる処理能力を確認した。本実施例においては、混合ガスの濃度および流量、光触媒ユニットの温度、を変更し、各々の条件における本発明の効果を確認した。各設定値は、図4に示す通りである。
光触媒ユニットによる酸化エチレンの処理率(%)は、VOC計で定量したVOC量から、以下の式1により求めた。
Figure 2010088969
以上のような処理条件にて処理を行った結果を図5の表に示す。比較例として、同じ装置を用いて紫外線照射は行うが光触媒ユニットの加熱を行わないもの(比較例1)、及び、紫外線照射を行わず光触媒ユニットの加熱のみ行うもの(比較例2)の結果を同時に示す。表には、上記式1にて求めた処理率が99%以上となる流量を示している。
表に示すように、本実施例では700ppmC〜20000ppmCの濃度の混合ガスを図4の表に示す範囲の流量で流した場合であっても、処理率99%以上であることを確認した。一方で、比較例1,2では、700ppmC〜20000ppmCの濃度の混合ガスをいずれも2L/min以下としないと処理率99%以上を達成することが出来なかった。
また、被処理物質を酸化エチレンからトルエンに換えて実験を行ったところ、光照射のみ、または加熱のみ行う方法と比べて、光照射と加熱とを併用した本発明の分解方法では高効率の処理が可能であることが同様に確かめられた。
この結果より、本発明の構成を備える分解方法の高い処理能力が確認でき、本発明の方法が課題解決に有効であることが確かめられた。
本実施例で用いた装置構成から、更に処理能力を高める場合には、例えば、光触媒ユニットの数を増やす、光触媒ユニットの内径を大きくする、といった変更により、導入ガスの流量を増やし光触媒と導入ガスに含まれる化学物質との接触面積を増やす構成とすると良い。また、光源から照射する光の波長、光量を変化させることとしても処理能力を制御することができる。本発明の分解装置にそのような変更を加えることで、例えば50m/minという大容量の導入ガスを処理することも可能となり、目的とする中小事業所から排出される有害物質の分解処理を行い、排出量の削減を実現可能な分解装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る分解装置を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る分解装置を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る分解装置を示す模式図である。 実施例の条件を示す表である。 実施例の結果を示す表である。
符号の説明
1A,1B,1C…分解装置、2,22,42…光触媒部、4,5,24,43…光源、6…熱気化室(予備加熱部)、7,30,44…加熱装置、12a,32a,41a…流入口、18a,34a,41b…排出口、46…熱交換部(予備加熱部)、DG…導入ガス、L…光(紫外線)、

Claims (5)

  1. 大気中に含まれる有害物質を光触媒で分解し除去する分解装置であって、
    前記光触媒を有する光触媒部と、
    前記光触媒部に、前記有害物質を含む導入ガスを導入する導入部と、
    前記光触媒部に光を照射する光源と、
    少なくとも前記光触媒部を加熱する加熱装置と、を備え、
    前記光触媒部を加熱し、且つ前記光触媒部に光を照射しつつ、前記有害物質と前記光触媒とを接触させることを特徴とする分解装置。
  2. 前記光触媒として用いる酸化チタンが、20℃以上230℃以下の温度に加熱されていることを特徴とする請求項1に記載の分解装置。
  3. 前記光触媒部の上流側の前記導入部に、前記導入ガスを加熱する予備加熱部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の分解装置。
  4. 前記予備加熱部は、前記光触媒部を通過した気体を用いて前記光触媒部に導入される前記導入ガスを加熱する熱交換部であることを特徴とする請求項3に記載の分解装置。
  5. 酸化チタンを用い、大気中に含まれる有害物質を光触媒で分解し除去する分解方法であって、
    20℃以上230℃以下の温度に加熱された前記酸化チタンに光を照射し、当該酸化チタンに前記有害物質を接触させることを特徴とする有害物質の分解方法。
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