JP2010046611A - 紫外線酸化装置 - Google Patents

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Shinichi Ohashi
伸一 大橋
Nobuya Ubukata
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Abstract

【課題】本発明の目的は、光触媒反応の利用効率を高め、被処理水中の有機物の分解率を向上させることができる紫外線酸化装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、紫外線を用いて被処理水中に含まれる有機物を酸化分解処理する紫外線酸化装置1であって、紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記紫外線を前記被処理水に照射して前記有機物の酸化分解を行うための反応槽12と、通水性を有する光触媒フィルタ20aと、を有し、光触媒フィルタ20aは、反応槽12を第1反応部14及び第2反応部16に区画し、紫外線照射手段は、第1反応部14及び第2反応部16のうち少なくともいずれか一方に、光触媒フィルタ20aと対向配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、純水製造等における有機物除去のための紫外線酸化装置に関する。
半導体製造工業等において、洗浄水等の用途に有機物、各種イオン等の不純物を極めて低いレベルにまで低下させた純水の利用が盛んになってきており、純水を更に高純度化した超純水も利用されるに至っている。
超純水の製造工程においては、ppbレベルの全有機炭素(TOC)での有機物の混入までも問題視されるようになってきており、近年、微量有機分の除去方法について、種々の検討がなされている。その結果として、紫外線酸化処理を利用した有機物の分解除去工程が盛んに導入されている。
一般的に、純水の製造装置は、イオン交換装置を主体として構成されている。しかし、イオン交換装置では、ppbレベルでの有機物の除去効果は期待できない。そこで、イオン交換装置での各種イオンを除去して得られる純水中に含まれる有機物に、紫外線を照射して酸化分解し、R−COO、HCO 等の陰イオンに変化させる工程を紫外線酸化装置によって行い、この紫外線酸化処理によって生じたイオンを後段に設けたイオン交換装置で除去することで、ppbレベルでの有機物の除去が可能となる。
また、紫外線と光触媒とを組み合わせて、有機物を除去する技術も報告されている。例えば、特許文献1には、超純水等の液体中に過酸化水素、オゾンを添加するとともに、アナタース型等の光触媒の存在下において、紫外線ランプ等により紫外線照射を行い、超純水等の液体中の有機物を分解する方法が記載されている。
しかし、特許文献1のように過酸化水素、オゾンを併用する方法では、ランニングコストが上昇するとともに、紫外線処理装置の後段でさらに過酸化水素、オゾンの除去を行わなければならず、装置が複雑化するという問題がある。
また、例えば、特許文献2のように、紫外線ランプと内壁に光触媒を保持させた紫外線処理槽とを組み合わせた装置で、紫外線ランプ近傍で空気のバブリングを発生させることにより有機物の酸化を促進するような例も報告されている。
特開平10−151450号公報 特許第2888185号公報
しかし、従来の紫外線ランプと光触媒とを組み合わせた処理方法は、工業的な技術として完成されているものが少なく、実装置として運転されているものは、光触媒と処理対象液体の接触面積が小さく、結果として光触媒反応の利用効率が極端に悪いという問題がある。
例えば、特許文献2のように紫外線処理槽内壁に光触媒を保持する方法では、必ずしも処理対象とする有機物と光触媒とが接触することなく、処理水が紫外線処理装置外に出て行ってしまう場合があるため、有機物の分解効率が極端に低くなってしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、光触媒反応の利用効率を高め、被処理水中の有機物の分解率を向上させることができる紫外線酸化装置を提供することにある。
本発明は、紫外線を用いて被処理水中に含まれる有機物を酸化分解処理する紫外線酸化装置であって、紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記紫外線を前記被処理水に照射して前記有機物の酸化分解を行うための反応槽と、通水性を有する光触媒フィルタと、を有し、前記光触媒フィルタは、前記反応槽を第1反応部及び第2反応部に区画し、前記紫外線照射手段は、前記第1反応部及び前記第2反応部のうち少なくともいずれか一方に、前記光触媒フィルタと対向配置されている。
また、前記紫外線酸化装置において、前記光触媒フィルタの通水抵抗が、4MPa/m〜40MPa/mの範囲であることが好ましい。
また、前記紫外線酸化装置において、前記光触媒フィルタと前記反応槽との当接部をシールするシール手段を備えることが好ましい。
また、前記紫外線酸化装置において、前記紫外線が前記シール手段に照射させることを防止する紫外線防止手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、光触媒反応の利用効率を高め、被処理水中の有機物の分解率を向上させることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
以下に本発明の一実施形態に係る紫外線酸化装置を図面により説明する。図1は、本実施形態に係る紫外線酸化装置の断面模式図である。また、図2は、図1のA−A線における紫外線酸化装置の断面模式図である。
本実施形態に係る紫外線酸化装置1は、紫外線を用いて被処理水中に含まれる有機物を酸化分解処理する紫外線酸化装置1であり、紫外線照射手段である紫外線ランプを内蔵した透過筒10と、紫外線を被処理水に照射して有機物の酸化分解を行うための反応槽12と、通水性を有し、反応槽12を第1反応部14及び第2反応部16、第2反応部16及び第3反応部18に区画する光触媒フィルタ20a,20bと、反応槽12の流入口及び流出口付近に設けられるバッフル22a,22bと、を備える。また、反応槽12の流入口には、被処理水を第1反応部14に供給する流入管24が接続され、反応槽12の流出口には、第3反応部18から排出される処理水が流れる流出管26が接続されている。バッフル22a,22bは必ずしも必要でないが、バッフル22a,22bを設けることにより、各反応部内の被処理水の分散性を向上させることができる。
図1の紫外線酸化装置1において、第1反応部14及び第2反応部16を区画する光触媒フィルタ20a及び第2反応部16及び第3反応部18を区画する光触媒フィルタ20bは、反応槽12の長手方向に沿って、互いに離間して配置されている。なお、図1に示す紫外線酸化装置1は、被処理水中の有機物と光触媒フィルタとの接触機会をより多く確保するために、複数の光触媒フィルタ(20a,20b)を備えているが、本実施形態では、少なくとも反応部を第1反応部14及び第2反応部16に区画する光触媒フィルタ20aを備えていればよい。また、光触媒フィルタ20a,20bは、後述する紫外線ランプを内蔵した透過筒10と対向配置していれば、その設置方向は特に制限されるものではない(反応槽12の長手方向、短手方向等であってもよい)。
紫外線ランプを内蔵した透過筒10は、光触媒フィルタ20a,20bにより区画された各反応部のうち少なくともいずれか1つに、光触媒フィルタ20a,20bと対向配置されていればよい。しかし、紫外線による光触媒フィルタ20a,20bの活性化面積を増やすことができる点で、各反応部に紫外線ランプを内蔵した透過筒10を設け、光触媒フィルタ20a,20bの両面に紫外線を照射することが好ましい。紫外線ランプを内蔵した透過筒10の数は特に制限されるものではないが、例えば、図1の紫外線酸化装置1では、紫外線ランプを内蔵した透過筒10を第1反応部14内に1本、第2反応部16内に3本、第3反応部18内に1本設置している。
ここで、紫外線ランプを内蔵した透過筒10と光触媒フィルタ20a,20bとの対向配置には、紫外線ランプを内蔵した透過筒10と光触媒フィルタ20a,20bとを平行に配置させる場合だけでなく、紫外線ランプを内蔵した透過筒10と光触媒フィルタ20a,20bとが交差していなければ、略平行に配置させる場合も含まれる。紫外線ランプを内蔵した透過筒10と光触媒フィルタ20a,20bとを交差するように配置させる、すなわち紫外線ランプを内蔵した透過筒10を光触媒フィルタ20a,20bに貫通させると、光触媒フィルタ20a,20bの貫通孔と紫外線ランプを内蔵した透過筒10との間に隙間が形成されるため、被処理水が当該隙間を通過してしまい、光触媒フィルタ20a,20b内を通過する被処理水の量が減少する。その結果、光触媒フィルタ20a,20bによる有機物の分解率が低下してしまう。
次に、反応槽12に光触媒フィルタ20a,20bを固定する方法の一例を説明する。図3(A)は、本実施形態に用いられる光触媒フィルタの構成の一例を示す模式平面図であり、図3(B)は、図3(A)のA−A線における光触媒フィルタの模式断面図である。図3(A)に示すように、光触媒フィルタ20a,20bは、光触媒フィルタ本体部21と光触媒フィルタ本体部21が嵌め込まれる枠体28とを有する。光触媒フィルタ20a,20bの強度を向上させることができる点で、上記のような枠体28を設けることが好ましいが、必ずしも必要ではない。また、枠体28は、紫外線等により劣化し難いステンレス等の金属、セラミック系材料等により構成されることが好ましい。このような光触媒フィルタ20a,20bを反応槽12内に設置した後、図2に示すように、槽外から挿入した一対の固定具30により光触媒フィルタ20a,20bを挟み、反応槽12に固定する。上記固定方法は一例であって、これに限定されるものではない。
また、本実施形態では、光触媒フィルタ20a,20bと反応槽12との当接部をシールするシール手段を設け、当接部の密閉性を向上させることが好ましい。例えば、図3(B)に示すように、反応槽12と当接する光触媒フィルタ20a,20bの周囲にシール手段32を配置する(図3(A)においては不図示)。シール手段32としては、シリコーンゴム等の弾性材で構成されるパッキン(O−リング)、熱硬化性樹脂等の接着剤等が挙げられる。また、光触媒フィルタ20a,20b(実質的には枠体28)と反応槽12との当接部にアーク溶接等の溶接を施し、当接部をシールしてもよい。製造コスト、作業性等の点で、シリコーンゴム等の弾性材で構成されるパッキンを用いることが好ましい。
光触媒フィルタ20a,20bと反応槽12との当接部に隙間が生じると、反応槽12内の被処理水は、当該隙間を通過してしまうため、光触媒フィルタ20a,20b内を通過する被処理水の量が減少する。しかし、光触媒フィルタ20a,20bと反応槽12との当接部に上記シール手段32を設けることにより、当接部の密閉性を向上させることができるため、被処理水を効率的に光触媒フィルタ20a,20bに通過させることができる。その結果、光触媒フィルタ20a,20bによる有機物の分解率を向上させることができる。
図4は、図1のA−A線における紫外線酸化装置の他の構成の一例を示す断面模式図である。紫外線ランプから照射される紫外線がシリコーンゴム等のシール手段32に照射されると、シール手段32が劣化、損傷する場合がある。そのため、光触媒フィルタ20a,20bと反応槽12との当接部に配置されるシール手段(図4では不図示)に紫外線が照射されることを防止する紫外線防止手段を備えることが好ましい。紫外線防止手段は、シール手段に紫外線が照射されることを防止できる構造であれば特に制限されるものではない。例えば、図4に示すように、反応槽12に光触媒フィルタ20a,20bの周縁を覆うように設けた凹部34(又は突出部)が、シール手段に紫外線が照射されることを防止する紫外線防止手段となる。なお、この凹部34は、反応槽12に光触媒フィルタ20a,20bを固定する機能も有する。
本実施形態に係る紫外線酸化装置1の運転方法の一例を以下に説明する。まず、図1に示す流入管24から反応槽12の第1反応部14に被処理水を流入させる。第1反応部14に流入した被処理水中の有機物は、紫外線ランプから照射された紫外線により酸化分解する。また、光触媒フィルタ20aの光触媒は、紫外線ランプから照射された紫外線により活性化する。そして、第1反応部14に流入した被処理水が、光触媒フィルタ20aを透過する際に、被処理水中の有機物は、光触媒反応により分解する。また、第2反応部16及び第3反応部18でも、被処理水中の有機物は、紫外線ランプからの紫外線照射、光触媒フィルタ20bの光触媒反応により分解する。そして、反応槽12内で有機物が除去された処理水を流出管26から取り出す。
ここで、本実施形態の紫外線酸化装置1では、反応槽12を第1反応部14、第2反応部16及び第3反応部18に区画する光触媒フィルタ20a,20bと紫外線ランプを内蔵した透過筒10とを対向配置させている。そのため、被処理水が、光触媒フィルタ20a,20b内を通過せずに、第1反応部14から第2反応部16へ、第2反応部16から第3反応部18へ移動することができる隙間はほとんど形成されない。したがって、被処理水が、第1反応部14から第2反応部16へ、第2反応部16から第3反応部18へ移動する際には、光触媒フィルタ20a,20b内を通過するため、光触媒反応による有機物の分解率を向上させることができる。
なお、紫外線酸化装置1の運転停止時には、処理水の一部を反応槽12の流出口から流入口へ通水させて、光触媒フィルタ20a,20bを洗浄することが好ましい。これにより、光触媒フィルタ20a,20bの付着物を除去することができ、目詰まりを低減することができる。
紫外線を照射する紫外線照射手段としては、有機物を分解し、かつ光触媒を光活性化するために必要な波長領域の光を放出するランプであれば特に制限はなく、少なくとも波長100nm〜200nmの真空紫外線を放出するランプであることが好ましい。例えば254nmと185nmの各波長を持つ低圧紫外線ランプ、254nmと194nmと185nmの各波長を持つ低圧紫外線ランプ、中圧ランプ、高圧ランプ等を1本または複数本使用することができる。
光触媒フィルタ20a,20bを構成する光触媒フィルタ本体部21としては、保持材に光触媒を担持したもの等を用いることができる。
光触媒としては、TiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、SnO、Bi、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO、CeO等、および、これらの光触媒にPt、Rh、RuO、Nb、Cu、Sn、NiO等の金属及び金属酸化物のうち少なくとも1つを担持したものから選択される少なくとも1つの他、従来公知のものがすべて適用できる。好ましくはTiOなどである。
光触媒を担持する保持材としては、光触媒を保持し、かつ被処理水を通水させることができる構造であれば特に制限されるものではないが、例えば、多孔質体、メッシュ等の構造であることが好ましい。また、保持材を構成する材料は、例えば、ガラス繊維、セラミック、金属、プラスチック等、いずれも使用することができるが、保持材は紫外線に直接さらされかつ強い酸化力を持つ光触媒を保持するものであるから、酸化反応により侵されにくいセラミック系材料やチタン、アルミニウム、ステンレス等の耐食性金属材料等が好ましい。
光触媒を保持材に担持させる方法としては、ディップコート法、スピンコート法、スプレー法、刷塗り法、CVD法、陽極酸化法など従来公知のものがすべて適用できる。このうち均一な膜厚の光触媒膜が成膜可能で、かつ光触媒剥離の起きにくいディップコート法、CVD法、陽極酸化法等がコーティング法としては好ましい。また、有機物の分解効率を向上させることができる点で、保持材の少なくとも両面に光触媒がコーティングされていることが好ましい。
光触媒フィルタ20a,20bの形状は、特に制限されるものではなく、図1のような膜状のものでも、特開2003−175333号公報で記載されているようなコーン型のもの等でもよい。
光触媒フィルタ20a,20bの厚みは、十分な強度を有すれば良く特に制限はないが、例えば、0.05mm〜5mm、好ましくは0.5mm〜3mmの範囲とすればよい。光触媒フィルタ20a,20bの厚みが0.05mm未満では強度が足りず、5mmを超えると保持材の内部まで光が照射されない場合がある。
光触媒フィルタ20a,20bの通水抵抗は、4MPa/m(at25℃)〜40MPa(at25℃)の範囲であることが好ましい。光触媒フィルタ20a,20bの通水抵抗が4MPa/m未満であると、被処理水が光触媒フィルタ20a,20bの一部分に集中して流れ、光触媒フィルタ20a,20b全体を有効に使用できない場合や、被処理水が出口側から入口側に向かって逆流する場合がある。光触媒フィルタ20a,20bの通水抵抗が40MPa/mを超えると、被処理水が光触媒フィルタ20a,20bを通過し難くなり、処理速度が低下する場合がある。
反応槽12の材質としては、ステンレス、チタン等の公知の材料を用いることができる。反応槽12の内壁面は紫外線を十分に反射する材料で構成されることが好ましい。また、紫外線の反射性が高い材料でコーティングしても良い。また、反応槽12の内壁面に上記光触媒を塗布しても良い。これらによりさらに有機物の分解率を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、反応槽を第1反応部、第2反応部及び第3反応部に区画する光触媒フィルタと紫外線ランプを内蔵した透過筒とを対向配置させているため、被処理水が、光触媒フィルタ内を通過せずに、第1反応部から第2反応部へ、第2反応部から第3反応部へ移動することができる隙間はほとんど形成されない。その結果、光触媒フィルタによる有機物の分解率を向上させることができるため、処理時間の短縮、紫外線処理槽の容積拡大、処理流量の増加、紫外線ランプ使用本数の低減など紫外線酸化処理におけるランニングコストの総合的な低減が可能となる。紫外線ランプ使用本数が低減できれば、複数の紫外線ランプを使用することにより放出した紫外線が遮蔽される陰の部分が少なくなり、紫外線利用効率をさらに向上することができる。さらに、本実施形態では、過酸化水素やオゾンを併用したり、エアバブリング等を別途行ったりする必要はないため、シンプルな装置設計が可能である。
本実施形態に係る紫外線酸化装置は、半導体製造工業等において、洗浄水等の用途に用いる純水、超純水の製造等に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<流動解析>
(実施例1)
図1,図2に示す紫外線酸化装置の構成に下記条件を入力し、流動解析モデルを作成し、流動解析を実施した。流動解析により、光触媒フィルタ(20a,20b)を流出口方向に向かって流れる被処理水の平均流速を求めた。その結果を表1にまとめた。各流速のうちマイナスの値は、流入口方向に向かう被処理水の流れが流出口方向に向かう被処理水の流れより大きいこと、すなわち逆流していることを示している。
(流動解析モデルの作成における入力条件)
反応槽の寸法:内径=108mm、長さ=1500mm
光触媒フィルタの通水抵抗:40(MPa/m at25℃)
反応槽に供給する被処理水の流量:6m/h
(実施例2)
光触媒フィルタの通水抵抗を4(MPa/m at25℃)としたこと以外は、実施例1と同様の条件で流動解析を実施し、光触媒フィルタを流れる被処理水の平均流速を求め、表1にまとめた。
(実施例3)
光触媒フィルタの通水抵抗を0.4(MPa/m at25℃)としたこと以外は、実施例1と同様の条件で流動解析を実施し、光触媒フィルタを流れる被処理水の平均流速を求め、表1にまとめた。
Figure 2010046611
流動解析の結果、実施例1〜3において、被処理水は100%光触媒フィルタを通過した。また、表1の結果から判るように、光触媒フィルタの通水抵抗が4MPa/m〜40MPa/mの範囲では、流出口方向の被処理水の平均流速において、マイナスの値となることがなかった。したがって、光触媒フィルタの通水抵抗を4MPa/m〜40MPa/mの範囲にすることにより、被処理水の逆流を抑制することができることがわかった。
(比較例1)
図5は、流動解析を実施する比較例の紫外線酸化装置の構成を示す模式図である。図5に示すように、比較例の紫外線酸化装置2において、反応槽36の長手方向に光触媒フィルタを等間隔に14枚(No.1〜14)配置し、15個の反応部に分割した。光触媒フィルタに形成した貫通孔に紫外線ランプを内蔵した透過筒38(3本)を挿入し、光触媒フィルタと垂直になるように配置した。このような紫外線酸化装置2の構成に下記条件を入力し、流動解析モデルを作成し、流動解析を実施した。流動解析により、光触媒フィルタを流れる被処理水の通過流量、光触媒フィルタの貫通孔と透過筒との隙間を流れる被処理水の通過流量を求めた。その結果を表2にまとめた。
(流動解析モデルの作成における入力条件)
反応槽の寸法:内径=108mm、長さ=1500mm
光触媒フィルタの通水抵抗:40(MPa/m at25℃)
反応槽に供給する被処理水の流速:6m/h
Figure 2010046611
流動解析の結果、比較例1において、光触媒フィルタの貫通孔と透過筒との隙間を流れる被処理水の通過流量は、97%であった。すなわち、流入管(図5に示す40)から反応部へ流入した被処理水のほとんどは、光触媒フィルタを透過せず、光触媒フィルタの貫通孔と透過筒38との隙間を通過し、流出管(図5に示す42)から排出されてしまうことがわかった。光触媒フィルタを通過する被処理水の割合は、光触媒フィルタを14枚設けた場合でも最大で18%しか通過しない。このため光触媒フィルタを適用したことによる有機物の分解効率の向上は40%程度にとどまると推測される。
<有機物の分解率試験>
(実施例4)
図6は、TOC成分の分解率試験を行うための試験装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、角形テフロン容器44(縦37mm×横37mm×深さ37mm)の中間に光触媒フィルタ46を配置することによって、第1反応部48及び第2反応部50に区画し、光触媒フィルタ46両面からそれぞれ72mm離間した位置に、5000μW/cmの紫外線ランプを内蔵した透過筒52を対向配置した。また、光触媒フィルタ46の外周と角形テフロン容器44の内壁との間に隙間が出来ないように、光触媒フィルタ46を設置した。紫外線ランプから紫外線を照射し、メチレンブルー1mg/Lを含む被処理水を3.5mL/minの通水量で、流入管54から第1反応部48に供給した。そして、各反応部を通って、流出管56から排出された処理水を採取し、メチレンブルーの濃度を測定した。その結果を表3にまとめた。なお、テフロンは登録商標である。
(比較例2)
実施例4の光触媒フィルタ46の代わりに、光触媒機能を有していない多孔質金属フィルタを用いた以外は、実施例4と同様の条件で試験を行い、採取した処理水中のメチレンブルーの濃度を測定した。その結果を表3にまとめた。
(比較例3)
光触媒フィルタ46の外周と角形テフロン容器44の内壁との間に約1mmの間隔を開けて設置したこと以外は、実施例4と同様の条件で試験を行い、採取した処理水中のメチレンブルーの濃度を測定した。その結果を表3にまとめた。
Figure 2010046611
実施例4は、光触媒フィルタと角形テフロン容器の内壁との間に隙間がないため、メチレンブルーの分解率は、93.8%であった。一方、光触媒機能を有していないフィルタを使用している比較例2は、紫外線ランプによる分解しか行われず、メチレンブルーの分解率は、79.7%であった。さらに、光触媒フィルタと角形テフロン容器の内壁との間に隙間がある比較例3のメチレンブルーの分解率は、81.5%であり、光触媒機能を有していないフィルタを使用している比較例2の分解効率とほぼ同等であった。比較例3では、光触媒フィルタと角形テフロン容器との隙間から被処理水が漏れる分だけ、光触媒フィルタを通過する被処理水の量が減少したために、メチレンブルーの分解効率が減少した。実施例4のように、光触媒フィルタの周囲から水漏れが生じないように設置することにより、有機物の分解効率を向上させることができることがわかった。
本実施形態に係る紫外線酸化装置の断面模式図である。 図1のA−A線における紫外線酸化装置の断面模式図である。 (A)は、本実施形態に用いられる光触媒フィルタの構成の一例を示す模式平面図であり、(B)は、(A)のA−A線における光触媒フィルタの模式断面図である。 図1のA−A線における紫外線酸化装置の他の構成の一例を示す断面模式図である。 流動解析を実施する比較例の紫外線酸化装置の構成を示す模式図である。 有機物の分解効率試験を行う試験装置の構成を示す模式図である。
符号の説明
1,2 紫外線酸化装置、10,38,52 紫外線ランプを内蔵した透過筒、12,36 反応槽、14,48 第1反応部、16,50 第2反応部、18 第3反応部、 20a,20b,46 光触媒フィルタ、21 光触媒フィルタ本体部、22a,22b バッフル、24,40,54 流入管、26,42,56 流出管、28 枠体、30 固定具、32 シール手段、34 凹部、44 角形テフロン容器。

Claims (4)

  1. 紫外線を用いて被処理水中に含まれる有機物を酸化分解処理する紫外線酸化装置であって、紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記紫外線を前記被処理水に照射して前記有機物の酸化分解を行うための反応槽と、通水性を有する光触媒フィルタと、を有し、
    前記光触媒フィルタは、前記反応槽を第1反応部及び第2反応部に区画し、
    前記紫外線照射手段は、前記第1反応部及び前記第2反応部のうちの少なくともいずれか一方に、前記光触媒フィルタと対向配置されていることを特徴とする紫外線酸化装置。
  2. 請求項1に記載の紫外線酸化装置であって、
    前記光触媒フィルタの通水抵抗が、4MPa/m〜40MPa/mの範囲であることを特徴とする紫外線酸化装置。
  3. 請求項1又は2に記載の紫外線酸化装置であって、
    前記光触媒フィルタと前記反応槽との当接部をシールするシール手段を備えることを特徴とする紫外線酸化装置。
  4. 請求項3に記載の紫外線酸化装置であって、
    前記紫外線が前記シール手段に照射されることを防止する紫外線防止手段を備えることを特徴とする紫外線酸化装置。
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