JP4150975B2 - 排水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は排水処理装置に係り、特に埋立地浸出水、産業排水、下水等の排水中に存在する環境ホルモン物質を好適に処理する排水処理装置に関する。
環境ホルモン物質とは、生物体内に取り込まれると内分泌系をかく乱させる化学物質のことであり、近年問題視されている。環境ホルモン物質としては、17β−エストラジオール、PCB類、ダイオキシン類、ジオキサン、フタル酸エステル類など約70種類が挙げられる。
埋立地浸出水、産業排水、下水等の排水において高頻度に検出される環境ホルモン物質としては、主にビスフェノールA、ノニルフェノール、ベンゾフェノンなどの数種類であったが、これら環境ホルモン物質は排水に関する規制物質として認定されていない。
ところで、従来の下水処理としては、最初沈殿池、曝気槽、最終沈殿池を備えた活性汚泥処理による生物学的な処理方法が最も広く使用される。また、浸出水の処理としては、凝集沈澱や固液沈澱を行なった後に生物処理を行なう方法が一般的である。
しかしながら、これらの排水処理は、BODやアンモニア性窒素の処理を対象としたものであり、排水中に含有される環境ホルモン物質を効率よく除去することは難しい。
このような背景から、排水中に含有される環境ホルモンの処理方法として、様々な方法が検討されている。特許文献1では、排水を活性炭吸着処理した後にオゾン処理や過酸化水素処理することにより、ビスフェノールAや17β−エストラジオールを除去する方法が提案されている。特許文献2では、ゴミ浸出水に対して過酸化水素処理、オゾン処理、紫外線処理を組み合わせて光化学的反応を起こさせることにより、ダイオキシンを酸化分解する方法が提案されている。特許文献3では、活性炭を用いてノニルフェノール、ビスフェノールA、17β−エストラジオールを吸着除去する方法が提案されている。特許文献4では、バチルス属細菌(Bacillus brevis )を用いてベンゾフェノンを生物分解する穂法が提案されている。
特開2000−354880号公報 特開平11−33593号公報 特開2000−140834号公報 特開2001−128665号公報
しかしながら、排水中から高頻度に検出される環境ホルモン物質のうち、生分解性の高いビスフェノールAやノニルフェノールは、生物処理やオゾンなどの物理化学的処理によって効率よく分解することができるが、同じく排水中から高頻度に検出されるベンゾフェノンは生分解性が低いため、従来の排水処理では効率よく分解して除去することができないという問題があった。
特許文献1〜3で行なわれるオゾン処理では、難分解性のベンゾフェノンを分解することができる。しかしながら、高いオゾン濃度で処理を行なわなくてはならない上、ビスフェノールAやノニルフェノールに比べて分解効率が悪いので、処理に要するコストや時間が増大する。その上、高濃度下でオゾン処理を行なうと、処理に利用されなかったオゾンが放流水中に残存して、変異原性や発ガン性化学物質の生成の要因となるという新たな問題が生じる。
また、特許文献1及び2で行なわれる過酸化水素処理でも、難分解性のベンゾフェノンを分解することができる。しかしながら、オゾン濃度が高い状態で処理を行なわなくてはならないため、ビスフェノールAやノニルフェノールに比べて分解効率が悪く処理コストが増大してしまう。その上、高濃度にオゾン処理を行なうと、処理に利用されなかったオゾンが放流水中に残存して、発ガン性化学物質を生成するという新たな問題が生じる。
特許文献1及び3で行なわれる活性炭吸着処理では、ベンゾフェノンを活性炭に吸着することができるが、ベンゾフェノンを吸着した活性炭が産業廃棄物となってしまい活性炭を再利用できないという問題がある。特許文献4では、ベンゾフェノンを生物処理によって分解することができることが開示されている。しかしながら、処理対象のベンゾフェノン濃度が100ppmと極めて高い状態で行なわれている。排水の実態調査を行なったところ、実際の排水中に含有されるベンゾフェノンは1ppb程度の低濃度で含有されているので、特許文献4の方法では効率よく処理することは難しい。その上、ベンゾフェノンの処理に8日間以上を要してしまうため、実際の排水処理に適応させることが難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、排水中の環境ホルモン物質を除去するとともに、該除去処理によって発生する産業廃棄物を最小限に抑えることができ、特に環境ホルモン物質として生物処理には難分解性なベンゾフェノンを低濃度含有する排水に有効な排水処理装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、環境ホルモン物質を含有する排水を処理する排水処理装置において、前記排水を生物処理する生物処理手段と、前記生物処理された生物処理水を吸着剤に接触させて該生物処理水中に残存する環境ホルモン物質を吸着除去するとともに、前記吸着処理後の吸着剤を有機溶媒で洗浄して前記吸着剤に吸着された環境ホルモン物質を有機溶媒中に取り込む吸着・洗浄処理手段と、前記吸着物質を取り込んだ有機溶媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、紫外線照射された有機溶媒を膜濾過する膜濾過手段と、から構成されることを特徴とする。
本発明は、排水中に含有される環境ホルモン物質として生物処理には難分解性で、紫外線照射により重合する、例えばベンゾフェノンを低濃度含有する排水に対して特に有効な排水処理装置として構成したものである。なお、本発明はベンゾフェノンに限らず、生物処理には難分解性で、紫外線照射により重合する環境ホルモン物質の全てに適用することができる。すなわち、本発明によれば、環境ホルモン物質を含有する排水を生物処理手段で生物処理することにより、環境ホルモン物質のうち生物処理で分解可能な環境ホルモン物質が分解除去される。しかし、ベンゾフェノンのように生物処理には難分解な環境ホルモン物質は生物処理水に大部分残存するので、生物処理水を吸着・洗浄処理手段で吸着剤に接触して生物処理水に残存するベンゾフェノンが吸着剤に吸着させて排水中から除去する。これにより、排水中に含有される環境ホルモン物質のうち、生物処理可能な環境ホルモン物質と生物処理では難分解な環境ホルモン物質の両方を効率的に且つ確実に除去することができる。環境ホルモン物質が除去された生物処理水は放流水として系外に排出される。
吸着・洗浄処理手段において吸着処理を一定期間行なって吸着力が低下したら、吸着剤に吸着された環境ホルモン物質を有機溶媒で洗浄して有機溶媒中に取り込む。これにより、吸着剤の吸着能を回復させて再利用させることができるとともに、有機溶媒中にベンゾフェノンが濃縮される。ベンゾフェノンを取り込んだ有機溶媒は、紫外線照射手段に供給されて紫外線が照射される。この紫外線照射により、有機溶媒中に溶解したベンゾフェノンを重合させて凝集させることができる。このとき、有機溶媒中にはベンゾフェノンが濃縮されているので、重合反応を効率的に行なうことができる。紫外線照射された有機溶媒は、膜濾過手段に供給されて膜濾過される。このとき、有機溶媒中に含有されるベンゾフェノンは、重合により凝集した状態であるため、膜濾過により確実に固液分離されて有機溶媒から除去することができる。膜濾過手段で固液分離後の有機溶媒は、吸着・洗浄処理手段で再利用される。
このように、本発明では、生物処理に難分解性のベンゾフェノンを吸着剤で吸着処理することで排水から除去するだけではなく、吸着剤を有機溶媒で洗浄して有機溶媒に取り込んだベンゾフェノンを紫外線照射により重合させて凝集し、凝集したベンゾフェノンを膜濾過するようにした。これにより、膜濾過で回収したベンゾフェノンだけを最終的に産業廃棄物として処分することができるので、環境ホルモン物質の除去処理で発生する産業廃棄物を最小限に少なくすることができる。更に、吸着剤を有機溶媒で洗浄して再利用することで、排水処理に要するコストを大幅に低減することができる。
なお、有機溶媒は、2−プロパノール又はヘキサンが使用されることが好ましい。これにより、吸着剤に吸着されたベンゾフェノンを効率よく洗浄して、ベンゾフェノンを高濃度に濃縮することができる。また、洗浄で溶解させたベンゾフェノンを紫外線照射により効率よく重合させて凝集させることができる。
また、膜濾過手段は、有機溶媒耐性を有する膜を使用することが好ましい。これにより、膜濾過を行なう対象である有機溶媒によって膜が損傷することを防止できるので、効率のよい膜濾過が行なうことができるとともに、膜の維持に要するランニングコストを低減できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の排水処理装置において、前記吸着・洗浄処理手段は、前記吸着剤が充填された複数の吸着反応塔と、前記吸着反応塔に有機溶媒を供給する有機溶媒供給手段と、前記複数の吸着反応塔のうち、前記有機溶媒供給手段から有機溶媒を供給する供給先を切り換える切り換え手段とを備えたことを特徴とする。
吸着反応塔を例えば2基設けた場合、一方の吸着反応塔に対して生物処理手段で処理された生物処理水を供給して吸着処理を行っている間、切り換え手段を切り換えて、他方の吸着反応塔に対して有機溶媒供給手段から有機溶媒を供給して吸着剤の洗浄処理を行なう。また、他方の吸着反応塔に対して生物処理手段で処理された生物処理水を供給して吸着処理を行っている間、切り換え手段を切り換えて、一方の吸着反応塔に対して有機溶媒供給手段から有機溶媒を供給して吸着剤の洗浄処理を行なう。なお、吸着反応塔を3基以上もうけた場合には、吸着処理する吸着反応塔と洗浄処理する吸着反応塔との切り換え時期を順次ズラす。
このように、請求項5によれば、吸着反応塔を複数設けて、有機溶媒供給手段から供給される有機溶媒の供給先を切り換え手段で切り換えられるようにしたので、排水処理装置を効率良く連続運転することができる。
以上説明したように本発明に係る排水処理装置によれば、排水中に含有され、生物処理水に残存するベンゾフェノンを効率よく吸着除去できる。また、吸着処理で吸着されたベンゾフェノンを有機溶媒によって洗浄することにより、吸着剤を再利用できるとともに、有機溶媒中にベンゾフェノンを高濃度に濃縮することができる。そして、洗浄後の有機溶媒に対して紫外線照射することにより、有機溶媒に濃縮されたベンゾフェノンを重合させて凝集させることができる。したがって、紫外線照射後の有機溶媒を膜処理することにより、ベンゾフェノンをさらに濃縮することができるとともに、有機溶媒を再利用することができる。したがって、本発明を採用することにより、排水中のベンゾフェノンを効率よく処理できるとともに、廃棄物量や処理コストを大幅に低減することができる。
以下添付図面に従って本発明に係る排水処理装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の実施の形態である排水処理装置10の構成を示したブロック図である。なお、実線は一方の処理経路である第1の経路を示しており、破線は他方の処理経路である第2の処理経路を示している。
同図の如く、排水処理装置10は、主に生物処理手段である生物処理槽12と、吸着・洗浄処理手段である第1及び第2の吸着反応塔14a,14b並びに有機溶媒供給槽16と、紫外線照射手段である紫外線照射塔18と、膜濾過手段である膜濾過槽20と、から構成される。
生物処理槽12は、原水管22から流入した下水や、産業排水、埋立地浸出水などの排水原水に対して生物処理を行なう。生物処理槽12における生物処理は、活性炭を複合固定化した多数の微生物担体12a,12a…を槽内に充填し、底部に設置された曝気装置12bによって曝気して3〜12時間行なうことが好ましい。生物処理槽12で処理された生物処理水は、槽内に設置されたスクリーン12cで微生物担体12a,12a…を分離した後、生物処理水供給管24から排出される。生物処理水供給管24には生物処理水分配器26が設けられており、生物処理槽12から排出された生物処理水は、生物処理水分配器26によって分配されて第1又は第2の吸着反応塔14a,14bへ供給される。
第1及び第2の吸着反応塔14a,14bは、下方から生物処理水を供給することにより塔内に上向流が発生した状態で、塔内に充填された多数の吸着剤と接触させることにより吸着処理が行なわれ、上方に設置された各放流管28a,28bから系外へ放流される。各放流管28a,28bには放流弁30a,30bが設置され、開閉することにより各吸着反応塔14a,14bからの放流が制御される。
有機溶媒供給槽16は、第1及び第2の吸着反応塔14a,14bに充填された吸着剤を洗浄するための有機溶媒を貯留している。有機溶媒供給槽16には、有機溶媒供給管が設けられており、付属する有機溶媒分配器34によって第1又は第2の吸着塔14a,14bへ有機溶媒を分配して下方から供給する。有機溶媒としては、2−プロパノール又はヘキサンを使用することが好ましい。こうして第1又は第2の吸着反応塔14a,14bに充填された吸着剤を洗浄した有機溶媒は、各吸着反応塔14a,14bの上方に設置された各有機溶媒排出管36a,36bから排出されて、紫外線照射塔18へ供給される。各有機溶媒排出管36a,36bには有機溶媒排出弁38a,38bが設置され、開閉することにより各吸着反応塔14a,14bから排出される有機溶媒量が調整される。
紫外線照射塔18は、内部に紫外線ランプ18aが設置されており、有機溶媒を下方から供給して上向流の状態で連続式に紫外線が照射される。紫外線ランプ18aは、低圧水銀ランプや高圧水銀ランプ若しくはキセノンランプなどが使用される。また、紫外線の照射量は、各吸着反応塔14a,14bで吸着処理される生物処理水1m3 に対して7〜400kWh/m3 、好ましくは70〜200kWh/m3 の範囲で行なわれる。こうして紫外線照射塔18で紫外線照射された有機溶媒は、紫外線照射排出管40を介して膜濾過槽20へ供給される。
膜濾過槽20は、内部に膜42が浸漬設置され、供給された紫外線照射後の有機溶媒に対して膜濾過による固液分離が行われる。膜42は、有機溶媒返送管44によって有機溶媒供給槽16と連結しており、有機溶媒返送管44に付属する吸引ポンプ46で吸引することにより膜濾過が行われる。膜濾過に使用される膜42としては、有機溶媒に対して耐性を有することが好ましく、例えばセラミック膜が使用される。こうして膜濾過された有機溶媒は、有機溶媒供給槽16へ返送される。一方、膜濾過槽20に残留した物質は、底部から定期的に抜き取られて廃棄される。
次に、上記の如く構成された本発明の実施の形態である排水処理装置10の作用について説明する。
下水や産業排水、浸出水などに含有される主な環境ホルモン物質としては、ビスフェノールA、ノニルフェノール、ベンゾフェノンが挙げられる。ビスフェノールAやノニルフェノールは生分解性が高い物質であるため、従来の生物処理法によって効率よく分解除去することができる。しかしながら、ベンゾフェノンは生分解性が低い物質であるため、生物処理ではほとんど分解されずに残存してしまう。
図2に示した化学反応式のように、ベンゾフェノンは、2−プロパノールやヘキサンなどの有機溶媒に溶解させて紫外線照射することにより、各ベンゾフェノンのカルボニル結合部分で重合することが知られている。そこで、本願発明者は、このベンゾフェノンの重合反応を利用して、排水中のベンゾフェノンを効率よく除去することができる排水処理について提案した。
すなわち、ベンゾフェノンなどの環境ホルモン物質を含有する排水は、生物処理槽にて生物処理されることにより、排水中に含有されるアンモニア性窒素や有機物とともに、ビスフェノールAやノニルフェノール、少量のベンゾフェノンが分解処理される。こうして処理された生物処理水を第1又は第2の吸着反応塔14a,14bで吸着処理されることにより、生物処理水中に残存するベンゾフェノンを除去して、放流水として系外へ排出される。
図3は、本発明の排水処理装置10における排水原水、生物処理水、及び放流水におけるベンゾフェノンの残存率を示したグラフである。
図3のグラフから、ベンゾフェノンは、生物処理によって40%程度しか除去することができなかったが、各吸着反応塔14a,14bでの吸着処理によって全て除去することができることが判明した。したがって、本発明の排水処理装置10を採用することにより、排水中に含有されるベンゾフェノンを効率よく確実に除去することができる。
こうして各吸着反応塔14a,14bで生物処理水に対する吸着処理を一定期間行なうと、充填された吸着剤の吸着力が低下する。そこで、本発明の排水処理装置10では、有機溶媒供給槽16を設けて、一定期間吸着処理を行った第1又は第2の吸着反応塔14a,14bに対して有機溶媒を供給するようにした。これにより、各吸着反応塔14a,14bに充填された吸着剤に付着したベンゾフェノンを洗浄して、洗浄した吸着剤を再利用することができる。また、洗浄に使用された有機溶媒は、生物処理水中に含有される濃度よりも高濃度にベンゾフェノンを溶解している。このため、ベンゾフェノンを有機溶媒中に濃縮することができるので、後工程におけるベンゾフェノンの処理を効率よく行なうことができる。したがって、排水処理に要するコストを低減することができるとともに、排水処理で生じる産業廃棄物量を大幅に抑えることができる。
各吸着反応塔14a,14bの吸着剤を洗浄した有機溶媒は、紫外線照射塔18で連続通水式に紫外線照射される。これにより、図2に示したベンゾフェノンの重合反応を起こさせて、有機溶媒内でベンゾフェノンを重合反応によって凝集させることができる。
図4は、各紫外線照射量に対するベンゾフェノン除去率を示したグラフである。
図4のグラフでは、各吸着反応塔14a,14bで吸着処理される生物処理水1m3 に対して紫外線照射量が200kWh/m3 でベンゾフェノンの除去率が90%以上になった。通常、使用される紫外線ランプ18aは100V、40Wで照射を行なうため、換算すると30分の照射で有機溶媒中のベンゾフェノンを重合させることができる。なお、吸着処理される生物処理水1m3 に対して400kWh/m3 (すなわち、60分の照射)や、1200kWh/m3 (すなわち、6時間の照射)や、2400kWh/m3 (すなわち、12時間の照射)においても、ベンゾフェノンの除去率は90%以上を示しているが、紫外線照射に要する時間が増大するにもかかわらずベンゾフェノンの除去率は400kWh/m3 の時からほとんど増加しない。したがって、紫外線照射塔において、各吸着反応塔14a,14bで吸着処理される生物処理水1m3 に対して7〜400kWh/m3 、好ましくは70〜200kWh/m3 の範囲で選定して紫外線照射を行なうことにより、排水処理に要する時間を最小限に抑えるとともに、有機溶媒中のベンゾフェノンを効率よく重合させることができる。
紫外線照射された後の有機溶媒中には、ベンゾフェノンの重合により凝集したフロックが形成されるので、膜濾過槽20で膜処理することによりフロック状のベンゾフェノンを有機溶媒から簡単に効率よく分離することができる。これにより、膜処理された有機溶媒を有機溶媒供給槽16へ返送して吸着剤の洗浄に再利用することができるとともに、重合して凝集したベンゾフェノンを固形物として高濃度に濃縮することができる。したがって、排水処理に要するコストを低減できるとともに、排水処理で生じる産業廃棄物量を最小限に抑えることができる。
また、膜濾過槽20では、有機溶媒に耐性のあるセラミック製の膜42が使用されている。これにより、有機溶媒によって膜42が劣化することを低減することができるので、効率のよい膜処理を安定して行なうことができるとともに、膜の維持に要するコストを低減できる。
ところで、各吸着反応塔14a,14bにおいて、吸着剤の洗浄と、生物処理水の吸着処理とは同時に行なうことができないので、吸着剤の洗浄を行なう間は生物処理水の吸着処理を停止しなければならない。そこで、本発明の排水処理装置10では、第1及び第2の吸着反応塔14a,14bの2塔を並列して設け、各分配器26,34、各放流弁30a,30b、各有機溶媒排出弁38a,38bを操作することにより、各吸着反応塔14a,14bにおける生物処理水の吸着処理を交互に行なうようにした。
すなわち、第1の吸着反応塔14aで生物処理水の吸着処理を行なう場合には、生物処理水分配器26を第1の吸着反応塔14aへの供給に切り換えるとともに、第1の放流弁30aを開成して第1の有機溶媒排出弁38aを閉成する。そして、有機溶媒分配器34を第2の吸着反応塔14bへの供給に切り換えるとともに、第2の放流弁30bを閉成して第1の有機溶媒排出弁38aを開成する。これにより、実線で示した第1の経路が形成されるので、第1の吸着反応塔で生物処理水の吸着処理を行ないながら、第2の吸着反応塔14bの吸着剤を有機溶媒で洗浄することができる。
こうして第1の吸着反応塔14aで生物処理水の吸着処理を一定期間行なった後、第1の吸着反応塔14aの吸着剤を有機溶媒で洗浄を行なう場合には、生物処理水分配器26を第2の吸着反応塔14bへの供給に切り換えるとともに、第2の放流弁30bを開成して第2の有機溶媒排出弁38bを閉成する。そして、有機溶媒分配器34を第1の吸着反応塔14aへの供給に切り換えるとともに、第1の放流弁30aを閉成して第1の有機溶媒排出弁38aを開成する。これにより、破線で示した第2の経路が形成されるので、第2の吸着反応塔14bで生物処理水の吸着処理を行ないながら、第1の吸着反応塔14aの吸着剤を有機溶媒で洗浄することができる。
このように、本発明の排水処理装置10において、一定期間で第1及び第2の経路を交互に切り換えることにより、排水処理を中断することなく吸着剤の洗浄を行なうことができるので、排水中のベンゾフェノンの除去を効率よく行なうことができる。
なお、上述した排水処理装置10において、使用される各部材及び装置の個数、形状、大きさは特に限定するものではない。各吸着反応塔14a,14b及び紫外線照射塔18では、下方から供給することにより上向流を発生させて処理を行なっていたが、特に限定するものではない。上方から供給して下向流を発生させて処理を行なってもよい。
また、膜濾過槽20では吸引による膜濾過が行なわれたが、特に限定するものではない。重力によって加圧する膜濾過を行なってもよい。
さらに、第1の経路及び第2の経路の切り換えを各分配器26,34、各放流弁30a,30b、各有機溶媒排出弁38a,38bを操作して行なっていたが、特に限定するものではない。
本発明の実施の形態である排水処理装置の構成を示したブロック図 ベンゾフェノン重合反応を示した化学反応式 本発明の排水処理装置における排水原水、生物処理水、及び処理水のベンゾフェノン残存率を示したグラフ 各紫外線照射量に対するベンゾフェノン除去率を示したグラフ
符号の説明
10…排水処理装置、12…生物処理槽、14a…第1の吸着反応塔、14b…第2の吸着反応塔、16…有機溶媒供給槽、18…紫外線照射塔、20…膜濾過槽、22…原水管、24…生物処理水供給管、26…生物処理水分配器、28…放流管、30…放流弁、32…有機溶媒供給管、34…有機溶媒分配器、36…有機溶媒排出管、38…有機溶媒排出弁、40…紫外線照射排出管、42…膜、44…有機溶媒返送管、46…吸引ポンプ

Claims (5)

  1. 環境ホルモン物質を含有する排水を処理する排水処理装置において、
    前記排水を生物処理する生物処理手段と、
    前記生物処理された生物処理水を吸着剤に接触させて該生物処理水中に残存する環境ホルモン物質を吸着除去するとともに、前記吸着処理後の吸着剤を有機溶媒で洗浄して前記吸着剤に吸着された環境ホルモン物質を有機溶媒中に取り込む吸着・洗浄処理手段と、
    前記吸着物質を取り込んだ有機溶媒に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    紫外線照射された有機溶媒を膜濾過する膜濾過手段と、
    から構成されることを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記排水は、ベンゾフェノンを含有することを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 前記有機溶媒は、2−プロパノール又はヘキサンが使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  4. 前記膜濾過手段は、有機溶媒耐性を有する膜を使用することを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の排水処理装置。
  5. 前記吸着・洗浄処理手段は、
    前記吸着剤が充填された複数の吸着反応塔と、
    前記吸着反応塔に有機溶媒を供給する有機溶媒供給手段と、
    前記複数の吸着反応塔のうち、前記有機溶媒供給手段から有機溶媒を供給する供給先を切り換える切り換え手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の排水処理装置。
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