JP6393158B2 - 化学除染の二次廃棄物低減方法、二次廃棄物の溶離回収装置及び化学除染システム - Google Patents
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図2は、横軸にギ酸ヒドラジン混合溶液中のギ酸濃度(M:mol/L)、縦軸に鉄イオン溶離率(%)をとり、表1に示す結果をプロットしたものである。図2より、ギ酸濃度を1mol/L以上にすると鉄イオンを90%以上溶離できることが分かった。更に、ギ酸濃度を1mol/L以上にしても鉄イオンの溶離率は同程度であることが分かった。
一方、ヒドラジン(N2H4)の解離は次式(3)で生じ、次式(3)の平衡定数が1.07×10−6であるため、ヒドラジン1mol/Lに対して陽イオンであるヒドラジンイオン(N2H5 +)の濃度は0.001mol/Lである。陽イオン濃度を高くするためには、ギ酸、あるいはヒドラジン濃度を高くする必要があるが、濃度を高くすると、無害化のために使用済みの溶離液を過酸化水素と反応させて、窒素、二酸化炭素、水に分解する溶離液分解工程の処理時間がかかる。あるいは、設備規模が大きくなるため好ましくない。
図4に、1mol/Lのギ酸にヒドラジンを添加した場合の、ヒドラジン濃度と、陽イオン濃度及びpHとの関係図を示す。ギ酸濃度1mol/L一定として、ヒドラジン濃度を0.0から1.5mol/Lまで増加させた場合の陽イオン濃度の計算結果を示す。なお、ここでの陽イオン濃度は、水素イオン(H+)濃度とヒドラジンイオン(N2H5 +)濃度の総和である。図4において、実線は、ヒドラジン濃度と陽イオン濃度との関係を示し、矢印は参照すべき縦軸が陽イオン濃度(mol/L)であることを示す。また、点線は、ヒドラジン濃度とpHとの関係を示し、矢印は参照すべき縦軸がpHであることを示す。
(回収した鉄量:mol)={(初期値:7.3g/L)−(終了値:0.57g/L)}×(溶離液量:1L)÷55.847g/mol×1L = 0.12mol・・・(4)
(電気量が全て鉄回収に利用された場合の鉄量:mol)=(電流値:9C/s)×(通電時間:6h)×(単位換算:3600s/h)÷(鉄の価数:2)÷(ファラデー定数:96500C/mol)=1.0mol・・・(5)
ここで、式(4)における55.847g/molは、Feの原子量であり、式(5)においては、通電時間5.9hを6hとして計算した。
本実施形態では、図6に示すように、電解槽300を、陽イオン交換膜301により陰極室304及び陽極室305に隔離する構造とした。比較のため、電解槽300に陽イオン交換膜301を設置することなく、陽極及び陰極を設置し通電した。この場合、鉄イオンを溶離した溶離液は茶褐色、黒色と変化し、鉄イオンの電極での回収が阻害された。この原因は、次式(6)及び(7)に示すように、陽極の表面で2価の鉄イオンが3価に酸化され、2価の鉄イオンとの反応により酸化鉄が生成したためと推定される。
Fe2+ + 2Fe3+ + 4H2O = Fe3O4 + 8H+・・・(7)
従って、鉄イオンを溶離した溶離液が、陽極303と接触せぬよう陽イオン交換膜301を設置することが重要となる。
(1)準備工程
まず、図8の上図に示すように、弁10、19、36及び37を閉状態とする。その他の弁は全て開状態とする。この状態でサージタンク24に接続される給排水管50より、イオン交換水を導入する。必要量のイオン交換水導入後、図8の下図に示すように、給排水管50に設置された弁34を閉状態にすると共に、更に弁12、13、14、15、18及び33を閉状態にする。これにより、化学除染対象20、弁17、ポンプ4、加熱器27、冷却器28、弁16、サージタンク24、ポンプ5及び弁11は、これらを接続する配管40により1つの閉ループが形成される。
(2)酸化除染工程
酸化除染工程では、図8の下図に示す各弁の開閉状態にて、化学除染剤(酸化除染剤)を化学除染剤タンク23に充填する。酸化除染剤の充填終了後、弁10を開状態とし、ポンプ6を起動する。この時の各弁の開閉状態は、図9に示す状態となる。ポンプ6の起動により、化学除染剤タンク23内に充填された酸化除染剤は、配管41を介して上記閉ループを形成する配管40へ注入される。ここで、酸化除染剤として、過マンガン酸カリウムあるいは過マンガン酸が好適である。閉ループ内を循環する系統水中の過マンガン酸イオン濃度が200〜500mg/Lとなるよう、ポンプ6を介して化学除染剤タンク23より過マンガン酸カリウムや過マンガン酸を配管40へ注入する。
(3)酸化除染剤分解工程
酸化除染剤分解工程では、図8の下図に示す各弁の開閉状態にて、過マンガン酸イオンをマンガンイオンに還元する化学薬品を化学除染剤タンク23に充填する。過マンガン酸イオンをマンガンイオンに還元する化学薬品として、例えば、シュウ酸が好適である。シュウ酸と過マンガン酸イオンは、次式(8)に示す反応を生じる。
= 2Mn2+ + 6OH− + 10CO2 + 2H2O・・・(8)
従って、過マンガン酸イオンの2.5倍モル以上のシュウ酸を準備する。
(4)還元除染工程
還元除染工程では、図8の下図に示す各弁の開閉状態から、弁13及び弁15を開状態とし、陽イオン交換樹脂塔21に系統水を循環させる。また、還元除染剤を化学除染剤タンク23に充填する。還元除染剤の充填完了後、弁10を開状態とすると共にポンプ6を起動する。ポンプ6の起動により、化学除染剤タンク23内に充填された還元除染剤は、配管41を介して配管40へ注入される。ここで、還元除染剤として、例えば、シュウ酸又はシュウ酸とヒドラジンの混合溶液が好適である。配管40及び配管43により化学除染対象20及び陽イオン交換樹脂塔21を循環する系統水中のシュウ酸濃度が、2000〜3000mg/Lとなるよう、ポンプ6により化学除染剤タンク23からシュウ酸を配管40へ注入する。また、同様に、系統水中のヒドラジン濃度が400〜600mg/Lとなるよう、ヒドラジンを配管40へ注入する。
(5)還元除染剤分解工程
還元除染剤分解工程では、過酸化水素タンク25に過酸化水素を充填する。この時、弁19は閉状態にある。また、弁18及び弁33を開状態とし、触媒塔26に系統水を循環させる。
N2H4 + 2H2O2 = N2 + 4H2O・・・(10)
シュウ酸濃度が3000ppmの場合は、過酸化水素の反応当量は1133ppmであり、ヒドラジン濃度が600ppmの場合は、過酸化水素の反応当量は1275ppmである。なお、還元除染剤の分解に伴い過酸化水素注入濃度を変えても良いし、還元除染剤の初期濃度で計算した過酸化水素濃度で一定のままとしても良い。
(6)追加除染の要否判定工程
追加除染の要否判定工程では、化学除染対象20である配管あるいは機器の放射線量が目標値以下になっている場合や、経済的または時間的要求により追加除染できない場合は、浄化工程に移行する。上記以外の場合は、弁13及び弁15を閉状態とし、すなわち、各弁の開閉状態を図8の下図の状態とし、(2)酸化除染工程へ戻り、以降の工程を繰り返す。
(7)浄化工程
浄化工程では、加熱器27での加熱を停止し、冷却器28による冷却を開始する。化学除染対象20、弁17、ポンプ4、加熱器27、冷却器28、弁16、サージタンク24、ポンプ5、弁11、及びこれらを接続する配管40により形成される閉ループ内を循環する系統水の温度が60℃以下となった時点で、弁12及び弁14を開状態とする。これにより、系統水は、配管40及び配管42を介して混合樹脂塔22へ流入し、その後、化学除染対象20へと流れ循環する。サージタンク24で適宜系統水の電気伝導率を測定する。サージタンク24での系統水の電気伝導率が1mS/m以下になるまで浄化(系統水の循環)を続ける。サージタンク24での系統水の電気伝導率が1mS/m以下となった時点で、ポンプ4及びポンプ5を停止して、弁18、33、34を開状態とし、給排水配管50から化学除染装置2内の系統水を排水する。これにより、化学除染工程を終了する。
(1’)準備工程
まず、図8の上図に示すように、弁10、19、36及び37を閉状態とする。その他の弁は全て開状態とする。この状態でサージタンク24に接続される給排水管50より、イオン交換水を導入する。必要量のイオン交換水導入後、図8の下図に示すように、給排水管50に設置された弁34を閉状態にすると共に、更に弁12、13、14、15、18及び33を閉状態にする。これにより、化学除染対象20、弁17、ポンプ4、加熱器27、冷却器28、弁16、サージタンク24、ポンプ5及び弁11は、これらを接続する配管40により1つの閉ループが形成される。
(2’)有機酸除染工程
有機酸除染工程では、図8の下図に示す各弁の開閉状態から、弁13及び弁15を開状態とし、陽イオン交換樹脂塔21に系統水を循環させる。次に、有機酸除染剤を化学除染剤タンク23に充填する。有機酸除染剤の充填完了後、弁10を開状態とし、ポンプ6を起動する。ポンプ6の起動により、化学除染剤タンク23内に充填された有機酸除染剤は、配管41を介して配管40へ注入される。ここで、有機酸除染剤として、マロン酸又はマロン酸とシュウ酸の混合溶液が好適である。系統水中のマロン酸濃度が2000〜6000mg/Lとなるよう、ポンプ6により化学除染剤タンク23からマロン酸を配管40へ注入する。また、同様に、系統水中のシュウ酸濃度が50〜400mg/Lとなるよう、シュウ酸を配管40へ注入する。
(3’)有機酸除染剤分解工程
有機酸除染剤分解工程では、過酸化水素タンク25に過酸化水素を充填する。この時、弁19は閉状態にある。また、弁18及び弁33を開状態とし、触媒塔26に系統水を循環させる。
C3H4O4 + 4H2O2 = 3CO2 + 6H2O・・・(12)
シュウ酸濃度が400ppmの場合は、過酸化水素の反応当量は151ppmであり、マロン酸濃度が6000ppmの場合は、過酸化水素の反応当量は2794ppmである。有機酸除染剤の分解に伴い過酸化水素注入濃度を変えても良いし、有機酸除染剤の初期濃度で計算した過酸化水素濃度で一定のままとしても良い。
(4’)追加除染の要否判定工程
追加除染の要否判定工程では、化学除染対象20である配管あるいは機器の放射線量が目標値以下になっている場合や、経済的または時間的要求により追加除染できない場合は、浄化工程に移行する。上記以外の場合は、(2’)有機酸除染工程へ戻り以降の工程を繰り返す。
(5’)浄化工程
浄化工程では、加熱器27での加熱を停止し、冷却器28による冷却を開始する。化学除染対象20、弁17、ポンプ4、加熱器27、冷却器28、弁16、サージタンク24、ポンプ5、弁11、及びこれらを接続する配管40内を循環する系統水の温度が60℃以下となった時点で、弁12及び弁14を開状態とする。これにより系統水は、配管40及び配管42を介して混合樹脂塔22に流入し、その後、化学除染対象20へと流れ循環する。サージタンク24で適宜系統水の電気伝導率を測定する。サージタンク24での系統水の電気伝導率が1mS/m以下になるまで浄化(系統水の循環)を続ける。サージタンク24での系統水の電気伝導率が1mS/m以下となった時点で、ポンプ4及びポンプ5を停止し、弁18、33及び34を開状態とする。弁34が開状態とされることにより給排水配管50から化学除染装置2内の系統水が排水される。これにより、化学除染工程が終了する。
(1)金属イオンの溶離工程
金属イオンの溶離工程では、弁35を閉状態とし、溶離液を溶離液タンク32に充填する。ここで、本実施例では、溶離液として、ギ酸濃度が1〜2mol/Lであり、ヒドラジンによりpHを4〜5に調整したギ酸ヒドラジン混合溶液を用いる。なお、溶離液はギ酸ヒドラジン混合溶液に限らず、例えば、グリコール酸ヒドラジン混合溶液、あるいはマロン酸ヒドラジン混合溶液を溶離液として用いても良い。
(2)金属イオンの回収工程
金属イオンの回収工程では、図6に示す電析回収装置30内の電解液タンク306に、1〜2mol/Lのギ酸を電解液として充填する。なお、本実施例では、電解液としてギ酸を用いる場合を例に説明するがこれに限られない。電解液として、他の電気伝導性を有する溶液であれば良い。電解液タンク306への電解液の充填完了後、ポンプ9及びポンプ307を起動する。ポンプ9の起動により、溶離液回収タンク31内の溶離液は、電解槽300の下部から陰極室304へ配管49を介して通水される。また、陰極室304へ通水された溶離液は、陰極室304の上部より抜き出され、再び、配管49を流れ溶離液回収タンク31へと還流する。一方、ポンプ307の起動により、電解液タンク306内に充填された電解液は、電解槽300の下部から陽極室305へ配管312を介して通水される。また陽極室305へ通水された電解液は、陽極室305の上部より抜き出され、再び、配管312を流れ電解液タンク306へと還流する。
(3)溶離液の再利用工程
溶離液の再利用工程では、弁38を開状態とし、排水管51より溶離液回収タンク31内の溶離液を排出する。排出された溶離液を、溶離液タンク32に導入し、pHが4〜5となるようヒドラジンを添加する。これにより金属イオンが回収された後の溶離液を、再度、(1)金属イオンの溶離工程にて使用することが可能となる。
(4)溶離液の分解工程
溶離液の分解工程では、溶離液(ギ酸ヒドラジン混合溶液)を過酸化水素と化学反応させ、次式(13)に示す反応によりギ酸を分解する。ヒドラジンについても、同様に過酸化水素と化学反応させることにより分解する。
本実施例によれば、陽イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂塔)に吸着された金属イオン又は放射性核種を高電流利用率にて回収することが可能となる。
2,2a 化学除染装置
3 溶離回収装置
20 化学除染対象
21,21a,21b 陽イオン交換樹脂塔、
22 混合樹脂塔
23 化学除染剤タンク
24 サージタンク
25 過酸化水素タンク
26 触媒塔
27 加熱器
28 冷却器
30 電析回収装置
31 溶離液回収タンク
32 溶離液タンク、
10〜19,33〜38,61 弁
4〜9,60,307 ポンプ
40〜46,48,49,311 配管
50,62 給排水管
51 排水管
60 化学除染タンク
300 電解槽
301 陽イオン交換膜
302 陰極
303 陽極
304 陰極室
305 陽極室
306 電解液タンク
308,309 導線
310 直流電源
400 台車
Claims (15)
- ヒドラジンと、少なくともギ酸、グリコール酸及びマロン酸のうち何れか一つとの混合液を溶離液として収容する溶離液タンクと、
前記溶離液を、金属イオン又は放射性核種が捕捉された陽イオン交換樹脂塔に通水し、前記金属イオン又は放射性核種を含む溶離液を、陽イオン交換膜により隔離された陰極室へ導入すると共に、陽極室へ電解液を導入し、陽極及び陰極に通電することで、前記金属イオン又は放射性核種を前記陰極表面に析出させ回収する電析回収装置と、を備えることを特徴とする二次廃棄物の溶離回収装置。 - 請求項1に記載の二次廃棄物の溶離回収装置において、
前記溶離液は、ギ酸ヒドラジン混合溶液であって、ギ酸濃度が1mol/L以上2mol/L以下であることを特徴とする二次廃棄物の溶離回収装置。 - 請求項2に記載の二次廃棄物の溶離回収装置において、
前記ギ酸ヒドラジン混合溶液のpHは、4以上5以下であることを特徴とする二次廃棄物の溶離回収装置。 - 請求項3に記載の二次廃棄物の溶離回収装置において、
前記陽極室へ導入される電解液は、1mol/L以上2mol/L以下のギ酸であることを特徴とする二次廃棄物の溶離回収装置。 - 請求項2に記載の二次廃棄物の溶離回収装置において、
前記電析回収装置により回収される金属イオンは、Feイオン、Crイオン、Coイオン及びNiイオンのうちの何れかであることを特徴とする二次廃棄物の溶離回収装置。 - 化学除染対象となる配管あるいは機器に化学除染剤を含む系統水を通水する工程と、
前記化学除染対象へ通水後の前記系統水を陽イオン交換樹脂塔へ通水する工程と、
前記陽イオン交換樹脂塔へ、ヒドラジンと、少なくともギ酸、グリコール酸及びマロン酸のうち何れか一つとの混合液を通水し、前記陽イオン交換樹脂塔に捕捉された金属イオン又は放射性核種を溶離する工程と、
前記溶離された金属イオン又は放射性核種を含む前記混合液を、陽イオン交換膜により電解槽内が隔離され陰極が配された陰極室に導入すると共に、陽極が配された陽極室に電解液を導入する工程と、
前記陰極及び陽極に通電し、前記金属イオン又は放射性核種を前記陰極表面に析出させる回収工程と、を有することを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 請求項6に記載の化学除染の二次廃棄物低減方法において、
前記陽イオン交換樹脂塔へ通水する混合液は、ギ酸ヒドラジン混合溶液であって、ギ酸濃度が1mol/L以上2mol/L以下であることを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 請求項7に記載の化学除染の二次廃棄物低減方法において、
前記ギ酸ヒドラジン混合溶液のpHは、4以上5以下であることを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 請求項7に記載の化学除染の二次廃棄物低減方法において、
前記化学除染の対象となる配管あるいは機器は、ステンレス鋼製又はニッケル基合金製であって、
前記系統水に含まれる化学除染剤は、シュウ酸とヒドラジンの混合溶液であって、シュウ酸濃度が2000mg/L以上3000mg/L以下であることを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 請求項7に記載の化学除染の二次廃棄物低減方法において、
前記化学除染の対象となる配管あるいは機器は、炭素鋼製又は低合金鋼製であって、
前記系統水に含まれる化学除染剤は、マロン酸とシュウ酸の混合溶液であって、マロン酸濃度が、2000mg/L以上6000mg/L以下であることを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 請求項7に記載の化学除染の二次廃棄物低減方法において、
前記回収工程後に、前記ギ酸ヒドラジン混合溶液に過酸化水素を添加し、ギ酸を二酸化炭素と水に分解する工程を有することを特徴とする化学除染の二次廃棄物低減方法。 - 化学除染対象となる配管あるいは機器に化学除染剤を含む系統水を通水し、通水後の系統水に含まれる金属イオン又は放射性核種を捕捉する陽イオン交換樹脂塔を有する化学除染装置と、
ヒドラジンと、少なくともギ酸、グリコール酸及びマロン酸のうち何れか一つとの混合液を溶離液として収容する溶離液タンクと、陽イオン交換膜により、陰極が配される陰極室と陽極が配される陽極室とに隔離される電解槽を有する電析回収装置と、前記溶離液を前記金属イオン又は放射性核種を捕捉した陽イオン交換樹脂塔へ通水し、当該陽イオン交換樹脂塔より流出する前記金属イオン又は放射性核種を含む溶離液を回収する溶離液回収タンクを有する溶離回収装置と、を備え、
前記溶離回収装置は、前記溶離液回収タンク内の溶離液を前記陰極室へ導入すると共に、前記陽極室へ電解液を導入し、前記陽極及び陰極に通電し、前記陰極表面に前記金属イオン又は放射性核種を析出させることを特徴とする化学除染システム。 - 請求項12に記載の化学除染システムにおいて、
前記溶離液タンクに収容される溶離液は、ギ酸ヒドラジン混合溶液であって、ギ酸濃度が1mol/L以上2mol/L以下であることを特徴とする化学除染システム。 - 請求項13に記載の化学除染システムにおいて、
前記ギ酸ヒドラジン混合溶液のpHは、4以上5以下であることを特徴とする化学除染システム。 - 請求項13に記載の化学除染システムにおいて、
前記化学除染装置は、前記化学除染対象となる配管又は機器を収容する化学除染タンクを有し、前記化学除染タンクに前記化学除染剤を含む系統水を通水し、前記化学除染タンク通流後の前記系統水を前記陽イオン交換樹脂塔へ通水し、
前記陽イオン交換樹脂塔の一端が第1の配管を介して前記溶離液タンクと接続され、前記陽イオン交換樹脂塔の他端が第2の配管を介して前記溶離液回収タンクと接続されることを特徴とする化学除染システム。
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