JP5096652B2 - アルミニウム部材表面の処理剤及び処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム部材表面の処理剤、該処理剤を用いるアルミニウム部材表面の処理方法及び装置に関するものである。本発明に係る方法及び装置は、例えば、原子力プラントにおける燃料保管槽などとして使用された後のアルミニウム製材料に付着しているアルミニウムの酸化物、水酸化物又は塩などの付着物を溶解除去し、更に必要な場合には放射能の完全な除却除染を行って、放射能を搬出基準値を満足するレベルまで除染処理して、再びアルミニウム材料を安全に使用することを可能にするデコミッショニングの分野に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
原子炉などにおいて、例えば燃料保管水槽に設置されているラックをスキップというが、その材料としてアルミニウムが用いられている。これらのアルミニウム部材の表面には、使用中にアルミニウムを主体とする酸化物や水酸化物又は塩などの付着物(スケール)が蓄積する。これらの付着物中には、60Co、58Co、54Mn、90Sr、137Csなどの放射性核種が取り込まれて蓄積する。したがって、この放射性付着物を洗浄除去する所謂除染が必要である。
【0003】
しかしながら、アルミニウムスケールの除去については、あまり良く知られていないのが現状である。アルミニウムは、耐食材料で軽量であるために社会一般に広く利用されている。金属アルミニウムそのものは、無機酸やアルカリに良く溶けるいわゆる両性金属であるが、その表面に生成・蓄積する付着物(スケール)は、安定で、酸やアルカリには比較的溶解しない性質(耐食性)を有する。役務に供したアルミニウム部材の表面に生成するスケールは、その置かれた環境によって異なるが、耐食皮膜として利用されているような緻密な酸化物ではなく、ギプサイト(Al(OH)3)やベーマイト(AlOOH)と言われる水酸化物の形態であることが多い。これらの物質の酸やアルカリに対する溶解性については、あまり知られておらず、これらを溶解除去する方法を確立することが望まれていた。本明細書においては、上記に説明したような、アルミニウム部材の表面に蓄積する酸化物、水酸化物、塩などの形態の付着物を「アルミニウムスケール」と呼ぶ。
【0004】
また、原子炉などの施設では、使用済燃料を水中で保存するために、水槽(燃料プール)内に燃料を収納するラックを設置して、ここに燃料を保存している。
このような保存設備においては、スキップの腐食を抑制するために、水槽の水は純水に水酸化ナトリウムを添加してpH値を11〜11.5の範囲にコントロールしている。スキップは、数十年に亘って継続使用されると、その表面が黒褐色のクラッドに覆われるようになる。この黒褐色のクラッドは、通常の酸やアルカリには溶解せず、したがって、これらの薬剤による処理では、母材であるアルミニウムは腐食によって溶解するが、表面を黒褐色クラッドによって覆われているので、放射能の除去は捗々しくなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記に示すアルミニウム部材におけるアルミニウムスケールやクラッドの溶解除去方法を確立して、産業資源であるアルミニウムのリサイクルを可能にすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルミニウムスケールの溶解除去に適した表面処理剤を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、シュウ酸水溶液を用いることでアルミニウムスケールを容易に溶解除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の一態様は、シュウ酸の水溶液から構成されるアルミニウム部材用表面処理剤に関する。また、本発明の他の態様は、かかる処理剤によってアルミニウム部材表面を処理することを特徴とするアルミニウム部材表面の処理方法に関する。更に、本発明は、アルミニウム部材表面の処理に供した後の本発明に係る表面処理剤の廃液の処理方法にも関する。更には、本発明はかかる処理剤を用いてアルミニウム部材表面の処理を行うための装置にも関する。なお、本発明に係る処理剤、処理方法、処理装置は、放射能に汚染されたアルミニウム部材の化学除染処理において特に好適に用いることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明者らは、後述の実験によって、種々の酸、アルカリに関して、アルミニウム基材に対する腐食性、アルミニウムスケールの溶解性を確認した。その結果、塩酸などの無機酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリ及びクエン酸などの有機酸と比較して、シュウ酸が、アルミニウム基材に対する小さな腐食性及びアルミニウムスケールに対する高い溶解性を示すことを見出した。実験によれば、シュウ酸の金属アルミニウムに対する腐食性は非常に小さく、無機酸やアルカリによる腐食性の100分の1程度の値であり、アルミニウム部材用の表面洗浄剤として極めて優れた適性を備えていることが判明した。
【0008】
更に、本発明者らは、上述のスキップにおいて生じる黒褐色のクラッドの分析を行ったところ、マンガン酸化物であることが判明した。マンガン酸化物は、還元剤を添加した酸で処理することにより溶解することが知られているが、シュウ酸は、マンガン酸化物の定量分析にも用いられているように、マンガン酸化物の特異的な還元剤であり、黒褐色クラッドによって覆われたスキップの除染処理においては、シュウ酸を除染剤として用いれば、アルミニウム表面洗浄剤及びマンガン酸化物の溶解剤の両方の機能を果たし、極めて優れた除染処理が可能になることを見出した。
【0009】
原子炉プラントにおいて用いられ放射能で汚染された金属材料は、その表面の付着物を溶解すれば汚染が除去(除染)されるが、一般産業材として扱える放射能レベルまでにするにはそれだけでは不十分であると言われている。その対策として、母材である金属材表面を腐食させて化学的に研削することにより、放射能レベルを安全な程度にまで処理することができるとされている。なお、ここでいう「化学的研削」とは金属材表面を腐食によって化学的に削り取ることを意味する。
【0010】
本発明者らは、後記の実験により、シュウ酸水溶液にフッ素イオンを添加することにより、アルミニウム母材に対する腐食性を制御しながら増大させることができ、したがって、シュウ酸水溶液にフッ素イオンを加えた表面処理剤により、アルミニウム部材表面の付着物(アルミニウムスケール)を溶解除去すると共に、アルミニウム部材自体の表面を化学的研削することができ、所謂除却除染が可能であることを見出した。
【0011】
本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤の水溶液において、シュウ酸の濃度は、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜4重量%である。
【0012】
上記に示したように、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤においては、シュウ酸に加えて、更にフッ素イオンを含ませることができる。本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤にフッ素イオンを含ませることにより、フッ素イオンが、アルミニウムスケールの溶解を促進すると共に、アルミニウム金属溶解促進剤としても働き、アルミニウムスケールやアルミニウム母材の溶解性(腐食性)が増大する。これにより、アルミニウム母材自体の腐食を制御しながら行うことができ、除却除染が可能になる。フッ素イオンを添加する場合には、添加する形態としては、フッ酸の形態でも、或いはフッ化ナトリウム又はフッ化アンモニウムなどの塩の形態でもよい。また、フッ素イオンを添加する場合、その濃度は、フッ素イオンの量として、好ましくは0.01重量%〜1重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.3重量%である。
【0013】
本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤を用いて、アルミニウムスケールの溶解や除却除染などの表面処理を行う際の反応温度は、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。処理は、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤を循環してアルミニウム部材と接触させることによって行うことが好ましい。
【0014】
上記に説明したように、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤は、アルミニウムスケールの溶解に有用に用いることができるが、更に、放射能汚染材料の除却除染にも有用に用いることができる。
【0015】
放射能汚染を帯びた原子力プラントの部材は、それ自体が放射化されたもの、即ち中性子線を浴びて放射能を帯びた材料は別にして、放射性物質の付着によって表面汚染された材料については、材料表面に付着した放射性物質を除去することにより、これを一般の産業廃棄物とするための除染(除却除染)を行うことができる。放射性物質に関しては極めて厳しい管理が法的に求められており、原子炉の廃炉などに伴って発生する廃棄物は、可能な限り除却除染することが、処理コスト上極めて重要である。しかしながら、材料表面の単なる洗浄という意味での除染では、放射能を一般廃棄物として認められる安全レベル(クリアランスレベル)に到達させることは難しい。このためには、表面の付着物を溶解除去するだけでなく、材料の表面部もある程度削り取ることが必要である。この場合、放射性物質を完全に溶解除去することが必要であり、不溶解物(スラッジ)が発生すると、それがどこかの部材の表面に残留してしまう恐れがある。シュウ酸水溶液を除却除染用の処理剤として用いると、シュウ酸自体の分解処理が簡単で廃棄物発生の源にならないので、極めて有用である。本発明に係るアルミニウム部材用の表面処理剤によれば、シュウ酸水溶液にフッ素イオンを加えることにより、処理剤のアルミニウム材に対する腐食性を制御しながら向上させることができるので、これを除却除染に有用に用いることができる。また、アルミニウムスケールの溶解除去を目的とする場合には、一般に用いられている腐食抑制剤(インヒビタ)を添加することにより、母材の腐食を抑えてスケールだけを溶解することが可能である。これに対して、塩酸などは金属アルミニウムに対する腐食性が極めて高いので、アルミニウム部材の表面の化学的研削を制御することが困難で、過度の研削がなされてしまい、廃棄物量の増大を招く一方で、アルミニウムスケールの溶解性が低いので、除染自体が不完全になる。
【0016】
本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤を、循環させてアルミニウム部材に接触させ、アルミニウム部材表面のアルミニウムスケールを除去したり、或いはアルミニウム部材自体の化学的研削を含む除却除染を行うと、循環処理液中にアルミニウムイオンがシュウ酸3分子配位の錯体の形態で溶解する。このアルミニウムイオンが溶解した処理液は、カチオン交換器で処理して、処理液中のシュウ酸−アルミニウム錯体からアルミニウムイオンを引き抜いてカチオン交換樹脂に吸着させることによって、アルミニウムが除去されて、処理液(シュウ酸)を再生・循環使用することができる。カチオン交換器による処理液の再生の際の温度条件は、温度が高ければシュウ酸再生速度が上がり、温度が低ければ再生速度が下がる。一般には、カチオン交換器によるシュウ酸処理液の再生は、50℃〜90℃程度、例えば60℃で処理液をカチオン交換樹脂と接触させることによって行うことができる。なお、このカチオン交換器によるシュウ酸の再生には再生限度値が存在し、この値は水溶液中のシュウ酸の濃度、即ちpHによって変化する。例えば、後述の実施例によって示すように、2重量%シュウ酸水溶液中にアルミニウムが4000ppmの濃度で溶解している系をカチオン交換樹脂を用いて60℃で処理した場合には、2%のシュウ酸の内の約1.2%相当のシュウ酸が再生され、残りの0.8%のシュウ酸はアルミニウムと錯体を形成した状態で溶液中に残存する。どの程度の割合のシュウ酸が再生されるか(即ちどの程度のアルミニウムが錯体からカチオン交換樹脂によって引き抜かれて吸着されるか)は、シュウ酸の濃度、即ちpHによって変動する。pHが高いと液中に存在するH+イオンの量が少なく、シュウ酸の再生量は大きくなり、pHが低いと液中に存在するH+イオンの量が多いのでシュウ酸の再生量は小さくなる。また、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤がフッ素イオンを含んでいる場合、フッ素イオンはアニオンであるので、カチオン交換器には捕捉されず、そのまま再生されたシュウ酸と共に溶解作用に再度利用することができる。したがって、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤は、低濃度のシュウ酸溶液を用いて、これを繰り返し再生を行いながら洗浄操作を継続することにより、新たなシュウ酸を追加することなく、1容量分の洗浄液で洗浄操作を完了することができ、洗浄操作完了後にはこの1容量分の廃液を処理するだけで済む。したがって、排出水量が制限されている原子力施設内で用いるのに特に好適である。
【0017】
所望の付着物除去及びアルミニウム部材表面の腐食による化学的研削が完了したら、例えば、特開平7−63893号に開示されているように、酸化触媒として活性炭の存在下で、循環処理液中に酸化剤を投入することによって、シュウ酸を分解することができる。この目的で用いられる酸化剤としては、過酸化水素、酸素、空気などを用いることができる。また、紫外線を処理液に照射してシュウ酸を酸化分解することによっても、シュウ酸の分解を行うことができる。
【0018】
使用後の処理液には、上述したように、イオン交換処理の後においても、全てのアルミニウムが除去されてはおらず、一定量のアルミニウムがシュウ酸との錯体の形態で溶解している。即ち、系中に存在するシュウ酸は、フリーのシュウ酸とアルミニウムと錯体を形成しているシュウ酸の2種類の形態で存在する。本発明者らの実験によれば、酸化触媒によって分解されるのはフリーのシュウ酸のみであって、アルミニウムと錯体を形成しているシュウ酸は酸化触媒では分解できないことが分かった。したがって、酸化触媒による分解でフリーのシュウ酸が分解されて一定濃度以下になると、分解反応がこれ以上進行せずに停止してしまう。この現象を考慮して、本発明においては、以下のような方法でシュウ酸の完全分解を行うことができる。まず、シュウ酸及びアルミニウムを含む使用後の本発明に係る処理液を、アルミニウムのイオン交換除去にかけてアルミニウムを限界値まで除去する。本発明者らの実験によれば、イオン交換除去によってフリーのシュウ酸濃度が上昇してpHが1程度まで下がると、イオン交換反応が停止することが分かっている。この後、シュウ酸の一部(フリーのシュウ酸)を酸化分解する。フリーのシュウ酸が分解して一定濃度以下になる、即ちpHが一定の値まで上昇すると、酸化分解が停止する。この酸化分解停止のpH値は、本発明者らの実験により、ほぼpH3程度であることが判明している。この時点では、上記に説明したように、液中に残留しているアルミニウムイオン(シュウ酸との錯体の形態で存在する)が、再びカチオン交換樹脂によって吸着・除去される状態となる。したがって、次に再度アルミニウムのイオン交換除去処理を行って残りのアルミニウムを除去し、次にシュウ酸の酸化分解を行う。このようにして、アルミニウムのイオン交換除去とシュウ酸の酸化分解との組み合わせを適宜繰り返し行うことによって、処理液中に溶解しているアルミニウムを全て除去し、シュウ酸を全て酸化分解することができる。
【0019】
この廃液処理工程により、シュウ酸は二酸化炭素と水に分解される。本発明に係る処理液は、アミン有機物などの腐食抑制剤の使用を必要としないので、シュウ酸を酸化分解によって完全に処理することにより、廃液を安全に廃棄処理することができ、薬剤に起因して二次的廃棄物が発生することはない。系中にフッ素イオンを加えている場合には、これは分解できないが、その場合には、アニオン交換樹脂又は混合樹脂で処理することによってフッ素イオンを処理することができる。また、カルシウムの酸化物や水酸化物又は塩を系に加えることにより、フッ素イオンをフッ化カルシウム(CaF2)として、固形分離することができる。アルミニウム母材の腐食を制御するために腐食抑制剤としてアミン有機物を系中に添加しなければならない場合には、アミン有機物の分解が容易ではなく、廃液の処理が不完全になる。
【0020】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤は、例えば原子力プラントにおける燃料保管槽などとして使用された後のアルミニウム製材料に付着している酸化物や水酸化物或いは塩などのアルミニウムスケールを溶解除去し、更に必要な場合にはアルミニウム部材自体の腐食を含めた除却除染に有用に用いることができる。
【0021】
次に、図3を参照して、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤を用いて金属部材の表面処理を行うための装置の一具体例について説明する。図3は、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理装置の一具体例のフロー図である。図3中、1は除染タンク;2は循環ポンプ;3はヒータ;4は流量計;5はアルミニウム部材用表面処理剤注入装置;6は酸化剤注入装置;7はシュウ酸分解触媒;8はカチオン交換器;9は流量計;10は撹拌装置;11〜17は循環配管;20〜23は切替弁である。
【0022】
以下の説明においては、被処理対象物として原子炉プラント用アルミニウム製使用済み燃料貯蔵タンク1の部材表面を洗浄処理する態様を例にとって説明する。以下の説明は、運転の一態様であり、本発明は以下の記載に限定されるものではない。まず、装置の運転の開始にあたっては、切替弁20、21、23を操作することによって、除染タンク1から出て、ライン17、ヒータ3、ライン11、ライン12、ライン13、ライン16を通って除染タンク1に戻る循環経路を形成し、循環ポンプ2によってこの循環経路に水を循環させながら、ヒーター3によって循環水の温度を上昇させる。循環水の温度が所定の処理温度(例えば80℃)に上昇したら、薬剤注入装置5から、本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤を投入し、温度を上昇させながら循環液を循環させる。循環液の温度が、本発明に係る所定の溶解反応温度(例えば90〜95℃)に達して、アルミニウム部材表面のアルミニウムスケールの溶解が始まったら、切替弁21、22、23を操作して、循環水が、ライン13からライン14を通ってカチオン交換器8を通過するようにする。これにより、アルミニウム部材表面のアルミニウムスケールやその中に取り込まれていた放射性核種が循環液中に溶解すると共に、溶解したアルミニウムイオン及び放射性核種のイオンがカチオン交換器8によって吸着除去されてシュウ酸が再生され、再び付着物の溶解に循環使用される。但し、上記の切替弁操作のタイミングは、厳密なものではなく、実施の際の考えられる一例を示したに過ぎない。付着物の溶解は、例えば、カチオン交換器8の前後に放射能測定器(図示せず)を配置して循環液中の放射能レベルを測定することによって監視することができる。即ち、アルミニウム部材表面の付着物の溶解が完了すると、放射性核種の溶解がなくなるので、放射性測定器により循環液中の放射線量をモニターして、例えば放射線量が急激に低下したら、付着物の溶解が完了したと認められる。
【0023】
アルミニウム部材の部材自体の腐食による化学的研削を含めた除却除染処理を行うには、表面処理剤として、シュウ酸及びフッ素イオンを含む水溶液を注入装置5から系中に注入すればよい。
【0024】
腐食によるアルミニウム部材の化学的研削の程度は、例えば、イオン交換器8の前後にサンプリングライン(図示せず)を設けて循環液をサンプリングし、その中のアルミニウムイオンの量を例えば原子吸光法などによって定量することにより監視することができる。所望量のアルミニウム部材の化学的研削に見合う量のアルミニウムイオンの溶解が測定されたら、化学的研削(除却除染)の完了である。または、事前に洗浄条件での母材の腐食率を測定しておき、その値から必要な処理時間を求めることもできる。
【0025】
アルミニウム部材の所望の表面洗浄、或いは除却除染が完了したら、次に、廃液処理として、循環液中のシュウ酸の分解を行う。シュウ酸の分解は、例えば、切替弁20、21、22、23を操作して、循環液を、ライン12からシュウ酸酸化分解触媒床7を通過させ、更にライン14、ライン16を通して循環させることによって行うことができる。ここで、シュウ酸分解触媒としては、活性炭、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどを用いることができる。また、シュウ酸分解触媒床7を用いる代わりに、或いはそれに加えて、酸化剤注入装置6から循環液中に、過酸化水素などのシュウ酸分解用の酸化剤を投入したり、或いは触媒を用いる代わりに循環液に紫外線を照射することによっても、シュウ酸の酸化分解を行うことができる。シュウ酸の分解は、例えば、シュウ酸分解触媒床7の前後に導電度計(図示せず)を配置して循環液の導電度を測定したり或いはpH計を設置して循環液のpHを測定することによってモニターすることができる。
【0026】
本発明に係るアルミニウム部材用表面処理方法においては、上述したように、イオン交換によるアルミニウムの除去とシュウ酸の酸化分解とを、適宜繰り返し行う。これは、アルミニウム濃度またはシュウ酸濃度をモニターしながら、或いは循環液のpHをモニターしながら、切替弁を操作して、循環液をカチオン交換器8又は酸化分解触媒床7のいずれかに循環させることによって行うことができる。本発明者による実験によれば、カチオン交換によるアルミニウムの除去は、例えば、液中のアルミニウム濃度が一定になるまで行い(この際、循環液のpHは約1.1程度に低下する)、次に酸化触媒によるシュウ酸の分解を循環液のpHが約3程度に上がるまで行い、これを適宜繰り返し行うことにより、循環液中のアルミニウムを全て除去し且つシュウ酸を完全に分解することが可能となる。
【0027】
溶解アルミニウムの除去及びシュウ酸の分解が完了した循環液は、環境汚染物質が含まれていないので、そのまま廃棄することができる。フッ素イオンが系に添加されている場合には、アニオン(又は混合)交換樹脂で吸着処理するか、或いはカルシウム塩を加えて難溶解性のフッ化カルシウム(CaF2)を生成させ、これを固体分離することによって除去することができる。
【0028】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を更に詳細且つ具体的に説明する。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を例示するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。以下においてパーセントは他に示さない限り、全て重量%である。
【0029】
実施例1:各種薬剤によるアルミニウム母材の腐食性
アルミニウム母材として、マグネシウム5%とマンガン0.5%を含むアルミニウム合金材(JIS−A−5083)に関して、無機酸として塩酸と硫酸、アルカリ剤として水酸化ナトリウム、有機酸としてクエン酸とシュウ酸による腐食の程度を測定して比較した。各種薬剤は、それぞれ3%水溶液として用いた。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1の結果を見ると、無機酸では、硫酸は腐食が小さく、塩酸は大きい。水酸化ナトリウムは腐食が最も大きく、有機酸はいずれも腐食は小さいことが分かった。
【0032】
実施例2:塩酸及びシュウ酸のアルミニウム腐食性
次に、塩酸について温度を40℃とし、またシュウ酸について温度を80℃としたもの及びフッ素イオンを添加したものについて、同様のアルミニウム腐食試験を行った。結果を表2に示す。なお、フッ素イオンとしては、フッ化水素酸(HF)を添加した。
【0033】
【表2】
【0034】
表2の結果から、塩酸でもシュウ酸でも、温度を高めると腐食は大きくなるが、シュウ酸の場合には80℃でも十分に腐食が小さく、表面洗浄剤として実用化できる値であることが分かった。以上の結果から、本発明に係るシュウ酸を含むアルミニウム部材用表面処理剤の使用温度は、40〜90℃であり、場合によっては100℃程度でも使用することができると見積ることができる。塩酸の場合には、アルミニウム母材の腐食率が大きく、アルミニウム部材用表面処理剤として用いるためには、何らかの腐食抑制剤の添加が必要である。
【0035】
シュウ酸にフッ素イオンを添加した場合には、腐食は増加して、フッ素イオン濃度0.3%においては60℃で約10mg/cm2/hとかなり大きな値であるが、それでも塩酸の2分の1以下である。フッ素イオン濃度0.1%では、腐食はその更に2分の1である約5.5mg/cm2/hであり、これはアルミニウム部材の母材の化学的研削用の腐食処理剤として適当な値である。
【0036】
実施例3:アルミニウムスケールの各種薬剤による溶解性
次に、アルミニウムスケール物質として代表的な化合物であるギプサイトの各種薬剤による溶解性を比較試験した。ガラスビーカ中に、シュウ酸、水酸化ナトリウム、硫酸、塩酸又は有機混酸(クエン酸:グリコール酸=1:1(重量比))の各薬剤の種々の濃度(1〜5%)の水溶液500mlを入れ、ギプサイト(Al(OH)3)を十分に過剰な量として20g(アルミニウムとして約6.9g)を薬剤中に入れた。60℃に調整したウォーターバス中にビーカを浸漬して、マグネット撹拌機による連続撹拌の下、ギプサイトの溶解を行った。薬剤の各濃度における飽和値を得るために、定時的に溶解アルミニウム濃度を測定し、溶解濃度に変化が見られなくなった時点でのアルミニウム濃度を飽和値とした。各薬剤の濃度とアルミニウム飽和濃度値との関係を図1に示す。
【0037】
図1及び上記表1、表2の結果から、塩酸、硫酸や水酸化ナトリウムなどの強酸又は強アルカリ剤は、金属アルミニウムを激しく腐食するが、ギプサイトなどのようなアルミニウムスケール物質については、その溶解挙動は、腐食の挙動から推測されるものとは大きく異なって、予想を遥かに下回り、その溶解能力は低いことが分かった。特に塩酸については、図1に示されるように、濃度1%付近にアルミニウム溶解度のピークが見られ、アルミニウムスケール物質の溶解速度は1%以下の濃度では他のどの薬剤よりも大きいが、1%を超える濃度では低下してしまうことが分かった。塩酸は、表1及び表2の結果からはアルミニウムスケール物質の溶解に有効と予測されており、これは意外な結果であった。
【0038】
また、硫酸については、アルミニウムの腐食は有機酸よりも少し大きいだけで、塩酸と比べると桁違いに小さく、アルミニウムスケール物質の溶解は塩酸よりも優れていることが分かった。有機酸においても、シュウ酸とクエン酸などの他の有機酸とでは大きく異なり、クエン酸はアルミニウムスケール物質は殆ど溶解できないが、シュウ酸はアルミニウムスケール物質を良く溶解し、しかもその濃度に比例して直線的に溶解度が増して化学量論的な溶解を示すことが分かった。
これにより、アルミニウムスケール物質の溶解にはシュウ酸が最も有効に作用することが判明した。図1から、シュウ酸によるアルミニウムスケール物質の溶解は、シュウ酸濃度にほぼ比例して増大し、少なくともシュウ酸濃度5%までは濃度に比例してアルミニウムスケール物質の溶解が直線的に増加することが分かる。代表的な有機酸であるクエン酸は、アルミニウム母材の腐食は最も小さいが、アルミニウムスケール物質の溶解が極めて小さく、アルミニウム部材用の表面処理剤としては適当でないことが分かった。
【0039】
以上のことから、アルミニウム系部材のスケール洗浄剤としては、シュウ酸が最も適切であることが分かった。また、硫酸に関しては、母材の腐食が小さく、表面付着物の洗浄剤としてはある程度適切であるということができる。但し、硫酸の場合には単独ではスケール溶解能力に限界があって実用上有効とは認められないが、更に系中にフッ素イオンを添加することにより、アルミニウム部材用表面処理剤として有用に用いることができる。よって、本発明は、硫酸及びフッ素イオンを含むことを特徴とするアルミニウム部材用表面処理剤をも包含する。次の実施例において、硫酸とフッ素イオンとを含む系によるアルミニウム母材の腐食及びアルミニウムスケールの溶解性の実験を示す。
【0040】
実施例4:硫酸/フッ素イオン混合系によるアルミニウム腐食性及びアルミニウムスケール溶解性
4%硫酸水溶液に、フッ化水素(HF)をフッ素イオン濃度がそれぞれ0.1%及び0.2%となるように加えた系を調製した。この溶液を用いて実施例1と同様のアルミニウム腐食試験を行った。温度は60℃とした。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
同じ溶液を用いて実施例3と同様に、模擬スケールの溶解実験を行った。1時間毎の溶解アルミニウム濃度を測定した。また、2%硫酸水溶液に同様にフッ化水素をフッ素イオン濃度が0.1%となるように加えた系を調製し、更に、比較用として4%シュウ酸水溶液にフッ化水素(HF)をフッ素イオン濃度が0.1%となるように加えた系を調製し、同様の実験を行った。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
上記表3及び表4に示す結果から、硫酸水溶液にフッ素イオンを加えた本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤は、アルミニウム母材に対する腐食性がシュウ酸ベースの場合と比べて多少大きくなり、アルミニウムスケールの溶解性においても多少劣るが、図1に示す硫酸単独の系と比較すると、アルミニウムスケールの溶解性は、硫酸単独では3500ppmであるのに対して5000或いは6000ppmと大きく、明らかにその溶解能力は強化されている。したがって、アルミニウム部材用スケール洗浄剤として有用であることが分かった。
【0045】
実施例5:使用後のシュウ酸処理液の再生
次に、アルミニウム表面処理に用いたシュウ酸水溶液をカチオン交換樹脂で再生する実験を行った。2%シュウ酸水溶液にアルミニウムが4000ppm溶解している液を、カチオン交換樹脂に60℃で循環して接触させることにより、シュウ酸の再生を行った。再生の度合いは、溶解アルミニウム濃度の測定とpH測定とによって行った。結果を図2に示す。
【0046】
図2に示されるように、アルミニウム濃度は、当初4000ppmであったものが次第に減少して60分後には約1500ppmまで低下した。即ち、溶解アルミニウムの約60%が除去されたことが示される。液のpHも、当初は3.6であったものが次第に低下して60分後には1.1まで下がった。pHの低下は、シュウ酸が再生されたことを示す。pH1.1はシュウ酸2%におけるアルミニウムの再生限度値であり、2%のシュウ酸の内の約1.2%相当が再生され、残りの0.8%のシュウ酸はアルミニウムと結合していて、液はシュウ酸濃度1.2%相当のpHを示していることになる。この再生されたシュウ酸は、再びアルミニウムスケールの溶解及びアルミニウム母材の化学的研削に用いることができる。
【0047】
本実施例の結果から、本発明によって放射線に汚染されたスキップを除染する場合には、除染剤であるシュウ酸をカチオン交換器で再生処理しながら除染処理を行うので、数多くのスキップを除染する必要がある場合であっても、多量のシュウ酸を用いる必要はなく、せいぜい1除染剤容量の繰り返しであるので、濃度として6%程度の量で十分であることが推測される。
【0048】
実施例6:使用完了後のシュウ酸含有廃液の処理
アルミニウムスケールの溶解やアルミニウム母材の化学的研削に使用完了した後のアルミニウムを含むシュウ酸水溶液の廃液の分解処理の実験を行った。処理すべき廃液として、4%シュウ酸水溶液中にアルミニウムが5320ppm溶解している廃液を2リットル用いて実験を行った。シュウ酸分解触媒として活性炭100mlのカラムに、処理液をSV30/hで通した。酸化剤としては過酸化水素を用いた。また、イオン交換処理はカチオン交換樹脂を用い、これに処理液をSV30/hで通した。処理温度は60℃であった。
【0049】
まず、第1工程として、処理液のカチオン交換処理を1時間行ったところ、アルミニウム濃度は4650ppmで一定となった。この時点でのpHは1.1であった(図4の▲1▼)。次に、第2工程として、3%シュウ酸濃度と反応当量の過酸化水素を注入し、分解触媒塔で処理した。60分後、シュウ酸濃度は約1%(10000ppm)となり、pHは3.4となった(図4の▲2▼)。次に、第3工程として再びカチオン交換処理を行った。60分後にアルミニウム濃度が3450ppmまで低下し、pHは1.0となった(図4の▲3▼)。次に第4工程として、シュウ酸9500ppmと当量の過酸化水素を注入し、分解触媒塔を通して分解処理した。60分後にシュウ酸濃度が370ppmまで低下し、pHは3.5となった(図4の▲4▼)。次に第5工程としてカチオン交換処理を行った。アルミニウム濃度は60分後に60ppmに、90分後に7ppmに、120分後に1ppmに低下し、pHは2.8となった(図4の▲5▼)。最後に第6工程として、シュウ酸300ppmと当量の過酸化水素を注入し、分解触媒塔を通して分解処理した。シュウ酸濃度は、30分後に61ppm、60分後に13ppm、90分後に1ppmに低下し、全工程を終了した。
【0050】
以上の結果から、本発明にしたがって、使用完了後のアルミニウム部材用表面処理剤を段階的に処理することにより、アルミニウムを全て除去し、シュウ酸を完全に分解することができることが分かる。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係るアルミニウム部材用表面処理剤によれば、アルミニウムの酸化物、水酸化物、塩等の形態でアルミニウム母材へ付着したアルミニウムスケールの除去(除染)や、母材自体の化学的研削も含めた除却除染が可能であり、原子炉プラントにおける燃料保管槽などとして使用された後のアルミニウム製材料を処理して、産業材料としてリサイクルすることが可能となる。また、本発明に係る処理剤は、同一の液を幾度も繰り返し再生しながら使用することができる。更に、使用完了後の廃液についても、段階的処理法により、環境汚染物質を全く含まない状態に処理することができるので、二次的な汚染物質を発生することがない。特に、本発明に係る処理剤は、放射能に汚染されたスキップを除染処理するのに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の薬剤によるアルミニウムスケール物質(ギプサイト:Al(OH)3)の溶解性を示すグラフである。
【図2】溶解アルミニウムを含むシュウ酸水溶液をカチオン交換処理にかけた際のアルミニウム濃度及びpHの変化を示すグラフである。
【図3】本発明に係るアルミニウム部材表面処理装置の一具体例を示すフロー図である。
【図4】溶解アルミニウムを含むシュウ酸水溶液を処理してアルミニウム除去及びシュウ酸分解を行った実験の概要を示すグラフである。
Claims (5)
- シュウ酸0.1〜4重量%と、0.1〜0.3重量%のフッ素イオン濃度のフッ素イオンと、を含む、放射能に汚染されたアルミニウム部材の表面処理剤。
- 請求項1に記載の表面処理剤を用いて、放射能に汚染されたアルミニウム部材の表面を処理することを含む、放射能に汚染されたアルミニウム部材の表面処理方法。
- 請求項1に記載の表面処理剤を含む処理液を循環して、放射能に汚染されたアルミニウム部材を接触させ、当該処理液をカチオン交換器に通して当該処理液中に溶解しているアルミニウムを吸着除去することを含む、放射能に汚染されたアルミニウム部材の表面処理方法。
- 請求項1に記載の表面処理剤で放射能に汚染されたアルミニウム部材を処理した後に得られる廃液をカチオン交換処理して当該廃液中に溶解しているアルミニウムを除去する工程と、アルミニウムを除去した後の廃液を酸化分解してシュウ酸の一部を分解する工程とを繰り返し行うことを含む、表面処理剤廃液の処理方法。
- 除染タンクと、当該除染タンクから流出する液体を循環して当該除染タンクに戻す循環経路と、当該循環経路に請求項1に記載の表面処理剤を供給する薬剤供給装置と、当該循環経路から分岐して再び当該循環経路に戻る分岐流路と、当該分岐流路への流路切り替え装置と、当該分岐流路に設けられているカチオン交換器と、を具備する、放射能に汚染されたアルミニウム部材の表面処理装置。
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