JP6743305B2 - 防眩フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ディスプレイ表面への外光の映り込みを防止する防眩フィルムに関する。
防眩フィルムは、例えば、表面を粗面化して凹凸を形成したフィルムであり、ディスプレイの表面に装着され、外光を散乱させてディスプレイへの外光の映り込みを防止する。
防眩フィルムの表面に凹凸を形成する方法としては、例えば特許文献1に開示されるように、マトリクス樹脂中に微粒子(フィラー)を分散させる方法(以下、微粒子分散法と称する)や、特許文献2に開示されるように、複数のポリマーの液相からのスピノーダル分解によって形成される相分離構造を利用する方法(以下、相分離法と称する)や、特許文献3に開示されるように、金型により凹凸形状を転写成形する方法(以下、転写成形法と称する)等が挙げられる。
特開2009−109702号公報 特許第3559505号公報 特開2014−102356号公報 特願2012−231496号公報
防眩フィルムをディスプレイの表面に装着すると、ディスプレイへの外光の映り込みが防止される反面、防眩フィルムを介したディスプレイの表示性能が低下する場合がある。
特に、高精細画素を有するディスプレイ等の表面に防眩フィルムを装着すると、防眩フィルムを透過するディスプレイからの光が防眩フィルムの表面の凹凸により屈折したり、防眩フィルムの表面の凹凸によるレンズ効果でディスプレイの画素が拡大されて見えたりすることで、ギラツキが発生し、画像が見づらくなることがある。
ギラツキを抑制する方法としては、例えば、防眩フィルムの表面の凹凸を小さくすることが考えられるが、防眩フィルムの表面の凹凸を小さくすると防眩性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、ディスプレイのギラツキを適切に抑制させると共に良好な防眩性を有する防眩フィルムを提供することを目的としている。
本発明のある形態に係る防眩フィルムは、ディスプレイの表面に装着される防眩フィルムであって、前記ディスプレイの前記表面に装着した状態における前記ディスプレイの輝度分布の標準偏差の値に基づき規定されるギラツキ値が6以上10以下となる範囲の値であり、60度鏡面光沢で測定された鏡面光沢度が30%以下となる範囲の値であり、光学櫛幅0.5mmの透過像鮮明度が60%以下となる範囲の値であり、かつヘイズ値が50%以下となる範囲の値に設定された防眩層を備える。
ここで、ギラツキ値とは、ディスプレイのギラツキを定量的に評価できる客観的指標となる値である。具体的には、ギラツキ値は、ディスプレイの輝度分布の標準偏差の値に基づき規定される値であり、ディスプレイ上の輝点のばらつきの程度を示す。
また、ヘイズ値および透過鮮明度は防眩性の良否に関わる値であり、ヘイズ値が大きくなればなるほど防眩性が高くなり、一方、透過鮮明度が小さくなればなるほど防眩性が高くなるという関係がある。ただし、ヘイズ値が大きくなりすぎると、光源からの光が広角へ散乱し、文字ボケが生じるという問題が起こる。
これらギラツキ値、鏡面光沢度、透過像鮮明度、およびヘイズ値は、例えば、相分離法により防眩層を形成する場合、その製造工程おいて、組み合わせる相分離材料の種類、または乾燥プロセスにおける組成物の加熱温度、組成物に対して吹き付ける乾燥空気の風量、もしくは線速度などを調整することで実現できる。また、例えば、微粒子分散法により防眩層を形成する場合、その製造工程において、マトリックス樹脂の屈折率とマトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子の屈折率との差が所定範囲となるように調整することで実現できる。また、マトリックス樹脂と微粒子との屈折率差を所定の範囲にするためには、両者に用いる材料として、所定の屈折率差となるような材料を選択したり、微粒子の形状、個数、マトリックス樹脂中に含まれる微粒子の密度などを調整したりする。さらには、マトリックス樹脂の重量G1と、複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1の値を調整する。
上記構成によると、防眩層は、ギラツキ値が6以上10以下となる範囲の値となるため、ギラツキを定量的な評価に基づき効果的に抑制したものとなるように設定することができる。
また、防眩層は、ヘイズ値を50%以下となる範囲の値となるようにしつつ、透過像鮮明度が60%以下となる範囲の値となるように設定されている。このため、文字ボケの発生を抑制しつつ、高い防眩性を得ることができる。
さらにまた、60度鏡面光沢で測定された鏡面光沢度が30%以下といった低い値になるように設定されているため、外光の映り込みを抑制することができる。
よって、本発明のある形態に係る防眩フィルムは、ディスプレイのギラツキを適切に抑制させると共に良好な防眩性を有することができるという効果を奏する。
また、本発明のある形態に係る防眩フィルムは、上記した構成において、前記防眩層は、複数の樹脂成分を含み、前記複数の樹脂成分の相分離により形成された共連続相構造を有する構成であってもよい。
また、本発明のある形態に係る防眩フィルムは、上記した構成において、前記防眩層は、マトリクス樹脂と、該マトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子を含み、前記微粒子と前記マトリクス樹脂との屈折率差が0以上0.07以下の範囲の値であってもよい。
このように、マトリクス樹脂と微粒子との屈折率差を所定範囲に設定して、マトリクス樹脂中に複数の微粒子を分散させることにより、ディスプレイのギラツキを適切に抑制させると共に良好な防眩性を有することができる。
また、本発明のある形態に係る防眩フィルムは、上記した構成において、前記防眩層の前記マトリクス樹脂の重量G1と、前記防眩層に含まれる前記複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1が、0.02以上0.15以下の範囲の値であってもよい。
これにより、マトリクス樹脂に複数の微粒子が分散された構造の防眩層を有する防眩フィルムを良好に製造することができる。
本発明は以上に説明したように構成され、防眩フィルムは、ディスプレイのギラツキを適切に抑制させると共に良好な防眩性を有することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る防眩フィルムの構成を示す断面図である。 第3実施形態に係る防眩フィルムの製造方法を示す図である。 本発明の実施の形態に係るギラツキ検査機の概略構成の一例を示す図である。
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム1の構成を示す断面図である。防眩フィルム1は、表示装置16(図3参照)のディスプレイ16aの表面に装着される。防眩フィルム1は、基材フィルム2、防眩層3、および粘着層4を備える。
基材フィルム2は、ディスプレイ16aの表面と防眩層3との間に配置され、防眩層3を支持する。粘着層4は、ディスプレイ16aの表面と基材フィルム2との間に配置され、防眩フィルム1をディスプレイ16aの表面に固定する。
防眩層3は、基材フィルム2の少なくとも一方の面に形成されている。防眩層3は、防眩フィルム1に防眩性を付与し、外光を散乱反射させてディスプレイ16aへの外光の映り込みを防止する。防眩層3は、基材フィルム2の表面を覆うハードコート(HC)層としても機能する。防眩層3は、一例として、相分離可能な複数の樹脂成分を含む。
防眩層3は、ギラツキ値が6以上10以下となる範囲の値となるように設定されている。なお、ギラツキ値は、防眩フィルム1がディスプレイ16aの表面に装着された状態にあるときの、ディスプレイ16aの輝度分布の標準偏差の値に基づき規定される。このギラツキ値は、後述するギラツキ検査機10を用いて求めることができる。
また防眩層3は、光学櫛幅0.5mmの透過像鮮明度(像鮮明度)が60%以下となる範囲の値となるように設定されている。透過像鮮明度は、防眩層3を透過した光のボケや歪みを定量化する尺度であり、JIS K7105に準拠する測定方法により測定した値である。
また防眩層3は、ヘイズ値が50%以下の範囲の値となるように設定されている。本実施の形態のヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定した値を示す。
また、防眩層3は、60度鏡面光沢で測定された鏡面光沢度(60度グロス)が30%以下となる範囲の値に設定されている。鏡面光沢度は、一般的につやと呼ばれ、物体表面の鏡面反射光の度合を表す値であり、JIS K7136に準拠して測定した値である。
このように本実施の形態に係る防眩フィルム1は、客観的なギラツキの定量評価となるギラツキ値を用いて、該ギラツキ値が6以上10以下の範囲の値となるように設計できる。このため、例えば、主観的な評価によるギラツキ度合を示す値に基づき設計した場合と比較して、安定してギラツキが所望の範囲となるように抑制することができる。
また、ヘイズ値を50%以下の範囲の値に抑えつつ、透過鮮明度を60%以下の範囲の値に抑えることができる。このため、文字ボケを抑制しつつ高い防眩性を得ることができる。
また、防眩層3は、60度鏡面光沢で測定された鏡面光沢度(60度グロス)が30%以下といった低い値となるように設定されているため、ディスプレイ16aの表面への外光の映り込みを抑制することができる。
粘着層4は、ディスプレイ16aの表面と基材フィルム2との間に配置され、防眩フィルム1をディスプレイ16aの表面に固定する。
以下、基材フィルム2および防眩層3の具体例について説明する。なお、相分離法により形成された防眩層3を第1実施形態に係る防眩層3とし、微粒子分散法により形成された防眩層3を第2実施形態に係る防眩層3とし、転写成形法により形成された防眩層3を第3実施形態に係る防眩層3としてそれぞれ説明する。
[基材フィルム]
基材フィルム2の材質としては、例えば、ガラス、セラミックス、および樹脂を挙げることができる。樹脂としては、防眩層3の材質と同様の樹脂を使用できる。好ましい基材フィルム2の材質としては、透明性ポリマー、例えば、セルロース誘導体(セルローストリアセテート(TAC)、セルロースジアセテート等のセルロースアセテート等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアリレート系樹脂等)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホン(PES)等)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等)、ポリカーボネート系樹脂(PC)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、環状ポリオレフィン系樹脂(JSR株式会社製フィルム「アートン(ARTON)」(登録商標)、日本ゼオン株式会社製フィルム「ゼオネックス(ZEONEX)」(登録商標)等)、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニリデン等)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン等)、酢酸ビニル又はビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール等)が挙げられる。
基材フィルム2は、1軸又は2軸延伸されていてもよいが、光学的に等方性で低屈折率であることが好ましい。光学的に等方性の基材フィルム2としては、未延伸フィルムが例示できる。
基材フィルム2の厚み寸法は適宜設定可能であるが、例えば、5μm以上2000μm以下の範囲の値であることが望ましく、15μm以上1000μm以下の範囲であることが一層望ましく、20μm以上500μm以下の範囲の値であることがより望ましい。
(第1実施形態)
[第1実施形態に係る防眩層の構造]
第1実施形態に係る防眩層3は、複数の樹脂成分の相分離構造を有する。第1実施形態に係る防眩層3は、一例として、複数の樹脂成分の相分離構造により、複数の長細状(紐状又は線状)凸部が表面に形成された構造を有する。長細状凸部は分岐しており、密な状態で共連続相構造を形成している。
第1実施形態に係る防眩層3は、複数の長細状凸部、および隣接する長細状凸部間に位置する凹部により防眩性を発現する。防眩フィルム1は、このような防眩層3を備えることで、ヘイズ値と透過像鮮明度とのバランスに優れたものとなっている。第1実施形態に係る防眩層3の表面は、長細状凸部が略網目状に形成されることにより、網目状構造、言い換えると、連続し又は一部欠落した不規則な複数のループ構造を有する。
第1実施形態に係る防眩層3にこのような構造が形成されることで、この防眩層3にレンズ状(海島状)の凸部が形成されることを防止することができる。よって、第1実施形態に係る防眩層3を透過するディスプレイ16aからの光が防眩層3の表面の凹凸により屈折したり、防眩層3の表面の凹凸によるレンズ効果でディスプレイ16aの画素が拡大されて見えたりすることを防止し、ディスプレイ16aのギラツキを抑制することができる。これにより、高精細画素を有するディスプレイ16aに防眩フィルム1を装着しても、防眩性を確保しながらギラツキを高度に抑制でき、文字ボケ等も抑制できる。
なお、複数の長細状凸部は、独立していてもよいし、繋がっていてもよい。第1実施形態に係る防眩層3の相分離構造は、後述するように、この防眩層3の原料となる溶液を用いて、液相からのスピノーダル分解(湿式スピノーダル分解)により形成される。第1実施形態に係る防眩層3の詳細については、例えば、特許文献4の記載を参照することができる。
[第1実施形態に係る防眩層の材質]
第1実施形態に係る防眩層3が含む複数の樹脂成分は、相分離可能なものであればよい。長細状凸部が形成され且つ高い耐擦傷性を有する防眩層3を得る観点から、防眩層3が含む複数の樹脂成分は、ポリマーおよび硬化性樹脂を含むことが好ましい。
第1実施形態に係る防眩層3が含むポリマーとしては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体等)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類等)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等)、およびゴムまたはエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等)等を例示できる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上の組み合わせで使用できる。
またポリマーとしては、硬化反応に関与する官能基、または硬化性化合物と反応する官能基を有するものも挙げられる。このポリマーは、官能基を主鎖又は側鎖に有していてもよい。
官能基としては、縮合性基、反応性基(例えば、ヒドロキシル基、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基またはイミノ基、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基等)、ならびに重合性基(例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、アリル基等のC2−6アルケニル基、エチニル、プロピニル、ブチニル基等のC2−6アルキニル基、ビニリデン基等のC2−6アルケニリデン基、およびこれらの重合性基を有する基((メタ)アクリロイル基)等)が挙げられる。これらの官能基のうち、重合性基が好ましい。
また第1実施形態に係る防眩層3には、複数種類のポリマーが含まれていてもよい。これらの各ポリマーは、液相からのスピノーダル分解により相分離可能であってもよいし、互いに非相溶であってもよい。複数種類のポリマーに含まれる第1のポリマーと第2のポリマーとの組み合わせは特に制限されないが、加工温度付近で互いに非相溶なものを使用できる。
例えば、第1のポリマーがスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等)である場合、第2のポリマーは、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル類)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル等)、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体等)、ポリカーボネート系樹脂、およびポリエステル系樹脂(ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステル等)等であってもよい。
また、第1のポリマーがセルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル類)である場合、第2のポリマーは、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等)、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂(ノルボルネンを単量体とする重合体等)、ポリカーボネート系樹脂、およびポリエステル系樹脂(ポリC2−4アルキレンアリレート系コポリエステル等)等であってもよい。
複数種類のポリマーには、少なくともセルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースC2−4アルキルカルボン酸エステル類)が含まれていてもよい。
ここで、第1実施形態に係る防眩層3の相分離構造は、この防眩層3の製造時に、複数の樹脂成分に含まれていた硬化性樹脂の前駆体が活性エネルギー線(紫外線、電子線等)または熱等により硬化することで固定される。また、このような硬化性樹脂により、第1実施形態に係る防眩層3に耐擦傷性および耐久性が付与される。
耐擦傷性を得る観点から、複数種類のポリマーに含まれる少なくとも一つのポリマーは、硬化性樹脂前駆体と反応可能な官能基を側鎖に有するポリマーであることが好ましい。相分離構造を形成するポリマーとしては、上記した互いに非相溶な2つのポリマー以外に、熱可塑性樹脂または他のポリマーが含まれていてもよい。第1のポリマーの質量M1および第2のポリマーの質量M2の質量比M1/M2と、ポリマーのガラス転移温度とは、適宜設定可能である。
硬化性樹脂前駆体としては、例えば、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)または熱等により反応する官能基を有し、この官能基により硬化または架橋して樹脂(特に硬化樹脂若しくは架橋樹脂)を形成する硬化性化合物が挙げられる。
このような化合物としては、例えば、熱硬化性化合物若しくは熱硬化性樹脂(エポキシ基、重合性基、イソシアネート基、アルコキシシリル基、およびシラノール基等を有する低分子量化合物(例えば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等))、または紫外線若しくは電子線等により硬化する光硬化性(電離放射線硬化性)化合物(光硬化性モノマーおよびオリゴマー等の紫外線硬化性化合物等)等が例示できる。
好ましい硬化性樹脂前駆体としては、紫外線または電子線等により短時間で硬化する光硬化性化合物が挙げられる。このうち、特に紫外線硬化性化合物が実用的である。耐擦傷性等の耐性を向上させるため、光硬化性化合物は、分子中に2以上(好ましくは2〜15、更に好ましくは4〜10程度)の重合性不飽和結合を有することが好ましい。具体的に光硬化性化合物は、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、および少なくとも2つの重合性不飽和結合を有する多官能性単量体であることが好ましい。
硬化性樹脂前駆体には、その種類に応じた硬化剤が含まれていてもよい。例えば、熱硬化性樹脂前駆体には、アミン類、多価カルボン酸類等の硬化剤が含まれていてもよく、光硬化性樹脂前駆体には、光重合開始剤が含まれていてもよい。光重合開始剤としては、慣用の成分、例えば、アセトフェノン類又はプロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、およびアシルホスフィンオキシド類等が例示できる。
また、硬化性樹脂前駆体には、硬化促進剤が含まれていてもよい。例えば、光硬化性樹脂前駆体には、光硬化促進剤(例えば、第三級アミン類(ジアルキルアミノ安息香酸エステル等))、およびホスフィン系光重合促進剤等が含まれていてもよい。
第1実施形態に係る防眩層3の製造工程では、この防眩層3の原料となる溶液に含まれるポリマーと硬化性樹脂前駆体のうち、少なくとも2つの成分を、加工温度付近で互いに相分離させる組み合わせとして使用する。相分離させる組み合わせとしては、例えば、(a)複数種類のポリマー同士を互いに非相溶で相分離させる組み合わせ、(b)ポリマーと硬化性樹脂前駆体とを非相溶で相分離させる組み合わせや、(c)複数の硬化性樹脂前駆体同士を互いに非相溶で相分離させる組み合わせ等が挙げられる。これらの組み合わせのうち、通常は、(a)複数種類のポリマー同士の組み合わせ、または(b)ポリマーと硬化性樹脂前駆体との組み合わせが挙げられ、特に(a)複数種類のポリマー同士の組み合わせが好ましい。
ここで通常、ポリマーと、硬化性樹脂前駆体の硬化により生成した硬化樹脂または架橋樹脂とは、互いに屈折率が異なる。また通常、複数種類のポリマー(第1のポリマーおよび第2のポリマー)の屈折率も互いに異なる。ポリマーと、硬化樹脂または架橋樹脂との屈折率の差、複数種類のポリマー(第1のポリマーと第2のポリマー)同士の屈折率の差は、例えば、0以上0.2以下の範囲の値であることが望ましく、0以上0.07以下の範囲の値であることがより望ましい。
また、防眩層3は、マトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子(フィラー)を含んでいてもよい。微粒子は、有機系微粒子及び無機系微粒子のいずれでも良く、複数の微粒子は、複数種類の微粒子を含んでいてもよい。
有機系微粒子としては、架橋アクリル粒子や架橋スチレン粒子を例示できる。また無機系微粒子としては、シリカ粒子、及びアルミナ粒子を例示できる。また、防眩層3中に含まれる微粒子とマトリクス樹脂との屈折率差は、一例として、0以上0.2以下の範囲の値に設定できる。この屈折率差は、0以上0.15以下の範囲の値であることが一層望ましく、0以上0.07以下の範囲の値であることがより望ましい。
微粒子の平均粒径は特に限定されず、例えば、0.5μm以上5.0μm以下の範囲の値に設定できる。この平均粒径は、0.5μm以上4.0μm以下の範囲の値であることが一層望ましく、1.0μm以上3.0μm以下の範囲の値であることがより望ましい。
なお、ここで言う平均粒径は、コールターカウンター法における50%体積平均粒径である(以下に言及する平均粒径も同様とする。)。微粒子は、中実でもよいし、中空でもよい。微粒子の平均粒径が小さすぎると、防眩性が得られにくくなり、大き過ぎると、ディスプレイのギラツキが大きくなるおそれがあるため留意する。
第1実施形態に係る防眩層3の厚み寸法は、適宜設定可能であるが、例えば、0.3μm以上20μm以下の範囲の値であることが望ましく、1μm以上15μm以下の範囲の値であることがより望ましく、1μm以上10μm以下の範囲の値であることが一層望ましい。通常は、2μm以上10μm以下の範囲の値(特に3μm以上7μm以下の範囲の値)に設定することができる。
なお、基材フィルム2を省略した防眩フィルム1を構成することもできるが、この場合の防眩層3の厚み寸法は、例えば、1μm以上100μm以下の範囲の値であることが望ましく、3μm以上50μm以下の範囲の値であることがより望ましい。
第1実施形態に係る防眩層3には、光学特性を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、有機または無機粒子、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、界面活性剤、水溶性高分子、充填剤、架橋剤、カップリング剤、着色剤、難燃剤、滑剤、ワックス、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤、レベリング剤、および消泡剤等が含まれていてもよい。
第1実施形態に係る防眩フィルム1の製造方法は、一例として、第1実施形態に係る防眩層3の原料となる溶液(以下、単に溶液とも称する。)を調製する調製工程と、調製工程で調製した溶液を所定の支持体(第1実施形態では基材フィルム2)の表面に塗布し、溶液中の溶媒を蒸発させると共に、液相からのスピノーダル分解により相分離構造を形成する形成工程と、形成工程後に硬化性樹脂前駆体を硬化する硬化工程とを有する。
[調製工程]
調製工程では、溶媒と、第1実施形態に係る防眩層3を構成するための樹脂組成物と、を含む溶液を調製する。溶媒は、前述した防眩層3に含まれるポリマーおよび硬化性樹脂前駆体の種類ならびに溶解性に応じて選択できる。溶媒は、少なくとも固形分(複数種類のポリマーおよび硬化性樹脂前駆体、反応開始剤、ならびにその他添加剤)を均一に溶解できるものであればよい。
溶媒としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、およびアミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示できる。また、溶媒は混合溶媒であってもよい。
樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂、光硬化性化合物、光重合開始剤、および熱可塑性樹脂と光硬化性化合物とを含む組成物が望ましい。または樹脂組成物としては、互いに非相溶な複数種類のポリマー、光硬化性化合物、および光重合開始剤を含む組成物が望ましい。
混合液中の溶質(ポリマーおよび硬化性樹脂前駆体、反応開始剤、ならびにその他添加剤)の濃度は、複数の樹脂成分の相分離が生じる範囲、および流延性またはコーティング性等を損なわない範囲において調整できる。
[形成工程]
形成工程では、調製工程で調製した溶液を、支持体(ここでは一例として基材フィルム2)の表面に流延または塗布する。溶液の流延方法または塗布方法としては、慣用の方法、例えば、スプレー、スピナー、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、およびシルクスクリーンコーター等が挙げられる。
支持体の表面に流延または塗布した溶液から、溶媒を乾燥により蒸発させて除去する。この蒸発過程における溶液の濃縮に伴って、複数の樹脂成分の液相からのスピノーダル分解による相分離を生じさせ、相間距離(ピッチ又は網目径)が比較的規則的な相分離構造を形成する。長細状凸部の共連続相構造は、溶媒蒸発後の樹脂成分の溶融流動性がある程度高くなるような乾燥条件および処方を設定することにより作製できる。
溶媒の蒸発は、第1実施形態に係る防眩層3の表面に長細状凸部を形成し易い点から、加熱乾燥により行うのが好ましい。乾燥温度が低過ぎたり、乾燥時間が短過ぎたりすると、樹脂成分に対する熱量の付与が不十分となり、樹脂成分の溶融流動性が低下して、長細状凸部の形成が困難となるおそれがあるため留意する。
一方、乾燥温度が高過ぎたり、乾燥時間が長過ぎたりすると、一旦形成された長細状凸部が流動して高さが低下する場合があるものの、その構造は維持される。そのため、防眩層3のギラツキ値、鏡面光沢度、透過像鮮明度、およびヘイズ値が上記した条件を満たすような範囲の値となるように設定するために、相分離材料の組合せを調整することに加えて、乾燥温度および乾燥時間を調整し長細状凸部の高さ等を調整することによって実現できる。また形成工程では、溶媒の蒸発温度を高くしたり、樹脂成分に粘性の低い成分を用いたりすることにより、相分離構造が繋がった共連続相構造を作製できる。
複数の樹脂成分の液相からのスピノーダル分解による相分離の進行に伴って、共連続相構造が形成されて粗大化すると、連続相が非連続化し、液滴相構造(球状、真球状、円盤状や楕円体状等の独立相の海島構造)が形成される。ここで、相分離の程度によって、共連続相構造と液滴相構造との中間的構造(共連続相から液滴相に移行する過程の相構造)も形成することができる。溶媒除去後、表面に微細な凹凸を有する層が形成される。
[硬化工程]
硬化工程では、溶液に含まれていた硬化性樹脂前駆体を硬化させることで、形成工程で形成された相分離構造を固定化し、第1実施形態に係る防眩層3を形成する。硬化性樹脂前駆体の硬化は、硬化性樹脂前駆体の種類に応じて、加熱若しくは活性エネルギー線の照射、またはこれらの方法の組み合わせにより行うことができる。照射する活性エネルギー線は、光硬化成分等の種類に応じて選択する。
活性エネルギー線の照射は、必要に応じて不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。活性エネルギー線が紫外線である場合、光源として、遠紫外線ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、およびレーザ光源(ヘリウム−カドミウムレーザ、エキシマレーザ等の光源)等を用いることができる。
なお、粘着層4を形成する場合、粘着成分を含む溶液を調整した後、慣用の方法、例えば、形成工程において上記した流延方法または塗布方法により、溶液を基材フィルム2の他方の面に塗布・乾燥させることで形成できる。
以上の各工程を経ることにより、第1実施形態に係る防眩フィルム1が製造される。なお、支持体として剥離性を有する支持体を用いる場合には、防眩層3を支持体から剥離することにより、防眩層3のみで構成された防眩フィルム1を得ることができる。また、支持体として非剥離性支持体(好ましくは基材フィルム2等の透明支持体)を用いる場合には、支持体(基材フィルム2)と防眩層3との積層構造を有する防眩フィルム1を得ることができる。
ここで、ディスプレイ16aのギラツキを抑制する方法としては、例えば防眩層3の表面の凹凸を縮小することが考えられるが、防眩フィルム1の防眩性が低下するおそれがある。しかしながら、防眩層3の凹凸を縮小するだけでなく、防眩層3の凹凸の傾斜を高くして凹凸を急峻化すると共に凹凸の数を増やすことで、ディスプレイのギラツキを抑制しながら防眩性を向上させることができる。
第1実施形態において前述したスピノーダル分解によって、このような凹凸を防眩層3に形成できるが、その他の方法によっても、このような凹凸を防眩層3に形成できる。例えば第2実施形態のように、防眩層3の表面の凹凸を形成するために複数の微粒子を使用する場合でも、防眩層3の形成時に微粒子とそれ以外の樹脂や溶剤との斥力相互作用が強くなるような材料選定を行うことによって、微粒子の適度な凝集を引き起こし、急峻且つ数密度の高い凹凸の分布構造を防眩層3に形成できる。そこで以下では、その他の実施形態の防眩層3について、第1実施形態との差異を中心に説明する。
以下、その他の実施形態(第2実施形態、実施形態3)に係る防眩層3について、説明する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る防眩層3は、マトリクス樹脂と、マトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子を含む。複数の微粒子は、真球状に形成されているが、これに限定されず、実質的な球形状や楕円体形状に形成されていてもよい。また微粒子は、中実に形成されているが、中空に形成されていてもよい。微粒子が中空に形成されている場合、微粒子の中空部には、空気またはその他の気体が充填されていてもよい。第2実施形態に係る防眩層3には、各微粒子が一次粒子として分散していてもよいし、複数の微粒子が凝集して形成された複数の二次粒子が分散していてもよい。
マトリクス樹脂と、微粒子との屈折率差は、0以上0.2以下の範囲の値に設定されている。この屈折率差は、0以上0.15以下の範囲の値であることが更に望ましく、0以上0.07以下の範囲の値であることがより望ましい。
微粒子は、平均粒径が0.5μm以上5.0μm以下の範囲の値に設定されている。微粒子の平均粒径は、0.5μm以上4.0μm以下の範囲の値であることが一層望ましく、1.0μm以上3.0μm以下の範囲の値であることがより好ましい。
また、微粒子の粒径のバラツキは小さい方が望ましく、例えば、防眩層3に含まれる微粒子の粒径分布において、防眩層3に含まれる微粒子の50重量%以上の平均粒径が1.0μm以内のバラツキに収められていることが望ましい。
このように、粒径が比較的均一に揃えられ且つ平均粒径が上記範囲に設定された微粒子により、防眩層3の表面に均一且つ適度な凹凸が形成される。これにより、防眩性を確保しつつディスプレイ16aのギラツキを抑制できる。
また、防眩層3におけるマトリクス樹脂の重量と複数の微粒子の総重量との比は、適宜設定可能である。第2実施形態では、防眩層3のマトリクス樹脂の重量G1と、防眩層3に含まれる複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1は、0.02以上0.15以下の範囲の値に設定されている。比G2/G1は、0.04以上0.15以下の範囲の値であることが望ましく、0.04以上0.12以下の範囲の値であることがより望ましい。
マトリクス樹脂中に分散される微粒子は、無機系及び有機系のいずれのものでもよいが、良好な透明性を有するものが好ましい。有機系微粒子としては、プラスチックビーズを例示できる。プラスチックビーズとしては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等を例示できる。プラスチックビーズは、表面に疎水基を有するものが望ましい。このようなプラスチックビーズとしては、スチレンビーズを例示できる。
マトリクス樹脂としては、活性エネルギー線により硬化する光硬化性樹脂、塗工時に添加した溶剤の乾燥により硬化する溶剤乾燥型樹脂、及び、熱硬化性樹脂の少なくともいずれかを例示できる。
光硬化性樹脂としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー、プレポリマー、反応性希釈剤を例示できる。
これらの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を例示できる。
光硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノスルフィド、チオキサントン類を例示できる。また光硬化性樹脂には、光増感剤を混合して用いることも好ましい。光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を例示できる。
溶剤乾燥型樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を例示できる。この熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及びゴム又はエラストマー等を例示できる。溶剤乾燥型樹脂としては、有機溶媒に可溶であって、特に、成形性、製膜性、透明性、及び耐候性に優れる樹脂が望ましい。このような溶剤乾燥型樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)を例示できる。
ここで、基材フィルム2の材質がトリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂である場合、溶剤乾燥型樹脂に用いられる熱可塑性樹脂として、セルロース系樹脂を例示できる。このセルロース系樹脂は、ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体を例示できる。溶剤乾燥型樹脂としてセルロース系樹脂を用いることで、基材フィルム2と防眩層3とを良好に密着させられると共に、防眩フィルム1において優れた透明性が得られる。
また、溶剤乾燥型樹脂としては、その他、ビニル系樹脂、アセタール樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリカーボネート樹脂等を例示できる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を例示できる。マトリクス樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、及び粘度調整剤等の少なくともいずれかを併用してもよい。
第2実施形態に係る防眩フィルム1の製造方法は、一例として、第2実施形態に係る防眩層3の原料となる溶液を調製する調製工程と、調製工程で調製した溶液を所定の支持体(第2実施形態では基材フィルム2)の表面に塗布する塗布工程と、塗布した溶液中の樹脂を硬化する硬化工程とを有する。
[調製工程]
調製工程では、溶媒と、第2実施形態に係る防眩層3を構成するための樹脂組成物および微粒子と、を含む溶液を調製する。溶媒としては、アルコール類(イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等)、ケトン類(メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)の少なくともいずれかを例示できる。溶液には、更に公知のレベリング剤を添加してもよい。例えば、フッ素系やシリコーン系のレベリング剤を用いることにより、防眩層に良好な耐擦傷性を付与できる。
[塗布・硬化工程]
塗布工程では、調製工程で調製した溶液を、第1実施形態と同様の方法により、支持体(ここでは一例として基材フィルム2)の表面に流延又は塗布する。支持体の表面に流延又は塗布した溶液から、溶媒を乾燥により蒸発させて除去する。
マトリクス樹脂が光硬化性樹脂である場合、塗布工程後に、一例として紫外線または電子線による硬化工程を行う。紫外線源としては、各種水銀灯、紫外線カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプの光源を例示できる。また紫外線の波長域としては、例えば、190nm以上380nmの波長域を例示できる。
また電子線源としては、公知の電子線加速器を例示できる。具体的には、ヴァンデグラフ型、コッククロフト・ウォルトン型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、および高周波型等の各種電子線加速器を例示できる。
溶液に含まれていたマトリクス樹脂が硬化することにより、マトリクス樹脂中の微粒子の位置が固定される。これにより、マトリクス樹脂中に複数の微粒子が分散され、表面に微粒子による凹凸が形成された構造の防眩層が形成される。
第2実施形態に係る防眩フィルム1によれば、マトリクス樹脂と微粒子との屈折率差を所定範囲に設定して、マトリクス樹脂中に複数の微粒子を分散することにより、良好な防眩性を確保しながらディスプレイ16aのギラツキを抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る防眩フィルム1の防眩層3は、基材フィルム2側とは反対側の表面に凹凸形状が賦形された構造を有する。第3実施形態に係る防眩層3は、樹脂層で構成されている。この樹脂層は、一例として、第2実施形態に係る防眩層3に含まれるマトリクス樹脂と同様の材質で構成されている。
第3実施形態に係る防眩フィルム1は、一例として、基材フィルム2上に硬化性樹脂からなるコート層を形成し、このコート層の表面を凹凸形状に賦形した後、コート層を硬化することにより製造される。図2は、第3実施形態に係る防眩フィルム1の製造方法を示す図である。図2の例では、硬化性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いている。
図2に示すように、この製造方法では、基材フィルム2が、図示しない巻出ロールから巻き出され、所定方向に搬送される。基材フィルム2の搬送方向下流端部は、一対のロール21,22のニップ点N1に挿通される。
ロール22の周面には、ロール22に隣接して軸支されたロール23の周面から紫外線硬化樹脂前駆体が付着させられる。基材フィルム2がニップ点N1を通過する際、この紫外線硬化樹脂前駆体が、基材フィルム2の一方の面に塗布される。
基材フィルム2に塗布された紫外線硬化樹脂前駆体の層(以下、コート層と称する。)は、ロール21,24のニップ点において、基材フィルム2と共に押圧される。ロール24は、周面に微細な凹凸が形成されたロール状金型(エンボスロール)であり、ロール21,24のニップ点N2を通過する際にコート層の表面に凹凸形状を転写する。
ロール24により表面に凹凸形状が転写されたコート層は、ロール21,24の下方に設けられた紫外線ランプ26から照射される紫外線により硬化される。これにより、第3実施形態に係る防眩フィルム1の防眩層3が形成される。このようにして製造された第3実施形態に係る防眩フィルム1は、ロール24に隣接して軸支されたロール25によりロール24からリリースされ、所定方向へ搬送される。
ここで、ロール24の表面の凹凸部は、ブラスト法により、所定の粒径のブラスト粒子を衝打させて形成されており、ブラスト粒径を調整することで、防眩フィルム1のコート層に形成される凹凸形状を調整できる。
第3実施形態に係る防眩フィルム1の基材フィルム2としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルムが好適に用いることができる。
このように、第3実施形態に係る防眩フィルム1の作製方法は、基材フィルム2に硬化性樹脂前駆体を塗布するステップ(a)と、ブラスト粒子を衝打させて表面に凹凸形状を有するロール状金型を作製するステップ(b)と、このロール状金型を用いて、基材フィルム2に塗布した硬化性樹脂前駆体の表面に凹凸形状を転写するステップ(c)と、凹凸形状を転写した硬化性樹脂前駆体を硬化させて、表面に凹凸形状を有する防眩層3を形成するステップ(d)とを有する。
ステップ(b)において使用するブラスト粒子の平均粒径は、適宜、設定可能であるが、一例として、10μm以上50μm以下の範囲の値に設定できる。ブラスト粒子の平均粒径は、20μm以上45μm以下の範囲の値が一層望ましく、30μm以上40μm以下の範囲の値がより望ましい。これにより、表面に凹凸形状が賦形された第3実施形態に係る防眩層3が得られる。
なお、第3実施形態において使用する金型は、ロール状金型以外でもよく、例えば、板状金型(エンボス板)でもよい。また、第3実施形態に係る基材フィルム2の一方の面にコート層(樹脂層)を形成した後、このコート層の表面を金型により賦形することで、第3実施形態に係る防眩層3を形成してもよい。また、上記例では、コート層の表面を賦形した後にコート層を硬化させたが、コート層の賦形と硬化とを並行して行ってもよい。
金型の材質は、一例として、金属、プラスチック、及び木を例示できる。金型のコート層との接触面には、金型の耐久性(耐摩耗性)を向上させるために被膜を設けてもよい。ブラスト粒子の材質は、一例として、金属、シリカ、アルミナ、及びガラスを例示できる。ブラスト粒子は、例えば、気体又は液体の圧力により金型の表面に衝打させることができる。また、硬化樹脂前駆体が電子線硬化型であれば、紫外線ランプ26の代りに電子線加速器等の電子線源を利用でき、熱硬化性であれば、紫外線ランプ26の代りにヒーター等の加熱源を利用できる。
なお、上記した各実施形態に係る防眩フィルム1の防眩層3は、基材フィルム2側とは反対側の表面に配置された上層を更に有していてもよい。この上層を設けることで、防眩層3の外部ヘイズを調整し易くすることができると共に、防眩フィルム1を外部から保護し易くすることができる。
上層の厚みは、適宜設定可能であるが、例えば、10nm以上2.0μm以下の範囲の値に設定できる。上層の厚みは、50nm以上1.0μm以下の範囲の値であることが一層望ましく、70nm以上0.5μm以下の範囲の値であることがより望ましい。
次に、上記した各実施形態に係る防眩フィルム1のギラツキを定量的に評価するための評価装置と評価方法について、図3を参照して説明する。
(ギラツキ検査機)
図3は、本発明の実施の形態に係るギラツキ検査機10の概略構成の一例を示す図である。ギラツキ検査機10は、防眩フィルム1を装着した表示装置16のディスプレイ16aのギラツキの大きさを検査する機器である。ギラツキ検査機10は、筐体11、撮像装置12、保持部(調整部)13、撮像装置用架台14、表示装置用架台(調整部)15、および画像処理装置17を備える。
筐体11は、ギラツキ評価を行う検査空間として暗室を形成するためのものであり、中空の直方体形状をしている。筐体11内には、撮像装置12、保持部13、撮像装置用架台14、および表示装置用架台15と、ギラツキ評価の対象となる表示装置16とが収容される。なお、筐体11は、撮像装置12による撮像時において、外部から筐体11内への光の侵入が防止できる構成となっている。
撮像装置12は、一例としてレンズ18と撮像素子とを有するエリアカメラであり、ディスプレイ16aに表示される画像を撮像する。撮像装置12は、レンズ18とディスプレイ16aとが対向するように保持部13に保持されている。撮像装置12は画像処理装置17に接続され、撮像装置12により撮像された画像データは、画像処理装置17に送信される。
保持部13は、鉛直方向(図3における上下方向)に延伸した棒形状を有する部材であり、この保持部13の基端側は撮像装置用架台14により固定され、先端側には撮像装置12が保持されている。そして、撮像装置12は、保持部13によって鉛直方向に移動可能となっており、ディスプレイ16aとレンズ18との間の相対的な距離を変更させることができる。
表示装置16は、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aを撮像装置12と対向させた状態で、表示装置用架台15の上面に載置される。表示装置用架台15は、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの面が撮像装置12と対向し、且つ水平面となるように表示装置16を支持すると共に、ディスプレイ16aとレンズ18との間の相対的な距離を変更させるように、表示装置16を鉛直方向に移動させることができる。
ギラツキ検査機10では、撮像装置12とディスプレイ16aとの間の相対的な距離を調整することによって、撮像装置12の撮像素子により撮像されるディスプレイ16aに表示された画像のサイズが調整される。換言すると、撮像装置12の撮像素子の単位画素(例えば1画素)当たりに撮像される、ディスプレイ16aに表示された画像の画素サイズが調整される。
画像処理装置17は、撮像装置12によって撮像された画像データのデータ処理を行う。具体的に画像処理装置17は、撮像装置12によって撮像された画像データから、ディスプレイ16aに表示された画像の輝度の標準偏差の値を求める。
本実施の形態に係る画像処理装置17は、撮像装置12によって撮像された画像データが入力される入力部と、入力された画像データを画像処理する画像処理部と、画像処理部によって処理された結果を不図示の表示器または印字装置等に出力する出力部等とを備える。
なお、撮像素子の単位画素(例えば1画素)当たりに撮像される、ディスプレイ16aに表示された画像の画素サイズの調整方法としては、撮像装置12とディスプレイ16aとの間の相対距離を変更させる方法の他、撮像装置12が備えるレンズ18がズームレンズである場合には、撮像装置12の焦点距離を変える方法でもよい。
(ギラツキ評価方法)
次に、ギラツキ検査機10を用いたギラツキ評価方法について説明する。このギラツキ評価方法では、評価の便宜上、表面に防眩フィルム1を装着した状態におけるディスプレイ16aを予め一色(一例として緑色)に均一発光させて表示させる。
まず、撮像装置12の撮像素子の単位画素当たりに撮像される防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの画素のサイズが所定値となるように調整する(調整ステップ)。
調整ステップでは、撮像装置12の撮像素子の有効画素数に応じて、撮像装置12と、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aとの間の相対的な距離を調整し、撮像装置12によって撮像された画像データにおいて、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aに表示された画像の画素の輝線がない、或いは、輝線があったとしてもギラツキの評価に影響を与えない程度に調整する。
なお、撮像装置12と表示装置16との間の相対的な距離は、実際の表示装置16の使用態様(例えば、ユーザの目とディスプレイ16aとの間の相対的な距離)を考慮して設定されることが望ましい。
調整ステップを行った後、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aのギラツキを評価する測定エリアを設定する(設定ステップ)。設定ステップにおいて、測定エリアは、例えばディスプレイ16aのサイズ等に応じて適切に設定することができる。
調整ステップを行った後、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの測定エリアを撮像装置12により撮像する(撮像ステップ)。このとき一例として、8ビット階調表示でかつ平均輝度が170階調のグレースケール画像の画像データが得られるように、撮像装置12の露光時間またはディスプレイ16aの全画素の輝度の少なくともいずれかを調整する。撮像ステップにおいて撮像された画像データは、画像処理装置17へと入力される。
撮像ステップ後、画像処理装置17は、画像データから、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの測定エリアの画像における輝度のばらつきを求める(演算ステップ)。この演算ステップでは、輝度のばらつきは、輝度分布の標準偏差を求めることで数値化できる。ここで、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aのギラツキ度合は、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの輝度のばらつきが大きいほど大きくなる。これに基づいて、輝度分布の標準偏差の値が小さいほど、ギラツキは小さいと定量的、かつ客観的に評価することができる。また調整ステップにおいて、防眩フィルム1を装着したディスプレイ16aの輝線がギラツキの評価に影響を与えない程度に調整されているので、輝線による輝度ムラを抑え、正確なギラツキの評価を行うことができる。
以上の各ステップを経ることにより、表面に防眩フィルム1を装着した状態におけるディスプレイ16aの輝度分布の標準偏差を求め、その値の大小によりギラツキを評価できる。
(実施例および比較例)
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1から3は、相分離法によって作製された、ギラツキ値が6以上10以下、鏡面光沢度(60度グロス)が30%以下、光学櫛幅0.5mmの透過像鮮明度(像鮮明度)が60%以下、かつヘイズ値が50%以下となる条件を満たす防眩フィルム1の一例である。換言すると、実施例1から3は、相分離法により防眩フィルム1の表面に形成される凹凸形状によって上記した条件を満たすことができる防眩フィルム1の一例である。
実施例4は、微粒子分散法によって作製されたギラツキ値が6以上10以下、鏡面光沢度(60度グロス)が30%以下、光学櫛幅0.5mmの透過像鮮明度(像鮮明度)が60%以下、かつヘイズ値が50%以下となる条件を満たす防眩フィルム1の一例である。換言すると、実施例4は、防眩フィルム1における防眩層3のマトリクス樹脂と、該マトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子との屈折率差が0.07以下となるように調整することによって上記した条件を満たすことができる防眩フィルム1の一例である。
一方、比較例1から3は、微粒子分散法により作製された防眩フィルム1の一例であり、比較例4、5は、転写形成法により作製された防眩フィルム1の一例である。
[原料]
実施例および比較例で用いる各原料には、次のものを用いた。なお、以下において記載する屈折率は、架橋により硬化するものについては架橋後(硬化後)の屈折率を示す。
重合性基を有するアクリル系重合体:ダイセル・オルネクス(株)製「サイクロマーP」(屈折率1.51)
セルロースアセテートプロピオネート:イーストマン社製「CAP−482−20」(屈折率1.49)、アセチル化度=2.5%、プロピオニル度=46%、ポリスチレン換算の数平均分子量75000
ナノシリカ(屈折率1.46)含有アクリル系紫外線硬化性化合物:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「UVHC7800G」(屈折率1.52)シリコーンアクリレート:ダイセル・オルネクス(株)製「EB1360」(屈折率1.52)
ウレタンアクリレート:新中村化学工業(株)製「UA−53H」(屈折率1.52)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:ダイセル・オルネクス(株)製「DPHA」(屈折率1.52)
ペンタエリストールテトラアクリレート:ダイセル・オルネクス(株)製「PETRA」(屈折率1.52)
シリカ(屈折率1.46)含有アクリル系紫外線硬化性化合物:アイカ工業(株)製「Z−757−4RL」(屈折率1.52)
重合性基を有するフッ素系化合物:信越化学工業(株)製フッ素系防汚添加剤「KY−1203」
アルキルフェノン系光重合開始剤(光重合開始剤A):BASF製「IRGACURE 184」
アルキルフェノン系光重合開始剤(光重合開始剤B):BASF製「IRGACURE 907」
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム:三菱樹脂(株)製「ダイアホイル」
セルローストリアセテート(TAC)フィルム:富士フイルム(株)製「フジタックTG60UL」
[実施例1]
重合性基を有するアクリル系重合体50質量部、セルロースアセテートプロピオネート4質量部、ウレタンアクリレート76質量部、シリコーンアクリレート1質量部、光重合開始剤A1質量部、および光重合開始剤B1質量部を、メチルエチルケトン176質量部と1−ブタノール28質量部とを混合させた溶媒に溶解し、溶液を調整した。
この溶液を、ワイヤーバー(#18)を用いて、PETフィルム(基材フィルム2)上に流延した後、80℃のオーブン内で1分間放置し、溶媒を蒸発させて厚さ約9μmのコート層を形成した。そして、例えば、高圧水銀ランプ等の紫外線ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射して、コート層を紫外線硬化処理した。これにより防眩層3を形成し、実施例1の防眩フィルムを得た。
[実施例2]
重合性基を有するアクリル系重合体50質量部、セルロースアセテートプロピオネート4質量部、ウレタンアクリレート76質量部、シリコーンアクリレート1質量部、重合性基を有するフッ素系化合物1質量部、光重合開始剤A1質量部、および光重合開始剤B1質量部を、メチルエチルケトン176質量部と1−ブタノール28質量部とを混合させた溶媒に溶解し、溶液を調整した。
この溶液、ワイヤーバー(#14)を用いて、PETフィルム(基材フィルム2)上に流延した後、80℃のオーブン内で1分間放置し、溶媒を蒸発させて厚さ約6μmのコート層を形成させた。そして、紫外線ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射してコート層を紫外線硬化処理した。これにより防眩層3を形成し、実施例2の防眩フィルムを得た。
[実施例3]
重合性基を有するアクリル系重合体17.5質量部、セルロースアセテートプロピオネート3.0質量部、ナノシリカ含有アクリル系紫外線硬化性化合物149.7質量部、シリコーンアクリレート0.2質量部、光重合開始剤A1質量部、および光重合開始剤B1質量部を、メチルエチルケトン129質量部と1−ブタノール24質量部と1−メトキシ−2−プロパノール13質量部とを混合させた溶媒に溶解し、溶液を調整した。
この溶液を、ワイヤーバー(#12)を用いて、TACフィルム(基材フィルム2)上に流延した後、80℃のオーブン内で1分間放置し、溶媒を蒸発させて厚さ約4μmのコート層を形成した。そして、紫外線ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射して紫外線硬化処理し、これにより防眩層3を形成し、実施例3の防眩フィルムを得た。
[実施例4]
シリカ(屈折率1.46)含有アクリル系紫外線硬化性化合物(屈折率1.52)50質量部と1−ブタノール50質量部とを混合した溶液を調整した。
この溶液を、ワイヤーバー(#16)を用いて、PETフィルム(基材フィルム2)上に流延した後、80℃のオーブン内で1分間放置し、溶媒を蒸発させて厚さ約7μmのコート層を形成した。そして、紫外線ランプにより紫外線をコート層に約5秒間照射して紫外線硬化処理し、これにより防眩層3を形成し、実施例4の防眩フィルムを得た。なお、マトリクス樹脂(アクリル系紫外線硬化性化合物)の重量をG1とし、防眩層3に含まれる微粒子(シリカ)の重量をG2としたとき、両者の比G2/G1は0.14となった。
[比較例1]
透明基材としてトリアセチルセルロース(富士フィルム(株)製、厚さ80μm)を用意した。
透明樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;ダイセル・オルネクス社製,屈折率1.51)を用い、これに透光性粒子として、スチレン−アクリル共重合粒子(屈折率1.51、平均粒径9.0μm)、およびポリスチレン粒子(屈折率1.60、平均粒径3.5μm)を、透明樹脂100質量部に対して、それぞれ10.0質量部および16.5質量部含有させた。これに、トルエン(沸点110℃)とシクロヘキサノン(沸点156℃)の混合溶剤(質量比7:3)を、透明樹脂100質量部に対して、190質量部配合して、樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、透明基材に塗工し、1m/sの流速で85℃の乾燥空気を流通させ、1分間乾燥させた。なお、塗膜厚は5μmとした。その後、紫外線ランプにより紫外線を照射して(窒素雰囲気下にて200/cm)透明樹脂をUV硬化処理し、これにより防眩層3を形成し、比較例1の防眩フィルムを得た。
[比較例2]
透明基材としてトリアセチルセルロース(富士フィルム(株)製、厚さ80μm)を用意した。
透明樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA;ダイセル・オルネクス社製)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;ダイセル・オルネクス社製)、およびポリメタクリル酸メチル(BR85;三菱レーヨン製)の混合物(質量比;PETA/DPHA/PMMA=86/5/9)を用い(屈折率1.51)、これに透光性粒子として、ポリスチレン粒子(屈折率1.60、平均粒径3.5μm)およびスチレン−アクリル共重合粒子(屈折率1.56、平均粒径3.5μm)を、透明樹脂100質量部に対して、それぞれ18.5質量部および3.5質量部含有させた。これに、トルエン(沸点110℃)とシクロヘキサノン(沸点156℃)の混合溶剤(質量比7:3)を、透明樹脂100質量部に対して、190質量部配合して、樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、透明基材に塗工し、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を流通させ、1分間乾燥させた。なお、塗膜厚は3.5μmとした。その後、紫外線ランプにより、紫外線を照射して(窒素雰囲気下にて200mJ/cm)透明樹脂をUV硬化処理し、これにより防眩層3を形成し、比較例2の防眩フィルムを得た。
[比較例3]
透明基材としてトリアセチルセルロース(富士フィルム(株)製、厚さ80μm)を用意した。
透明樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PE−3A;共栄社化学製,屈折率1.53)を用い、これに透光性粒子として、シリカ粒子(SS50F;東ソー・シリカ工業製,屈折率1.47、平均粒径1.1μm)およびポリスチレン粒子(屈折率1.59、平均粒径3.5μm)を、透明樹脂100質量部に対して、それぞれ26質量部および6.6質量部含有させた。これに、光重合開始剤A5.3質量部と、溶剤としてトルエン(沸点110℃)138質量部とを配合して、樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、透明基材に塗工し、0.2m/sの流速で90℃の乾燥空気を流通させ、1分間乾燥させた。なお、塗膜厚は5μmとした。その後、紫外線ランプにより紫外線を照射して(窒素雰囲気下にて200mJ/cm)透明樹脂をUV硬化処理し、これにより防眩層3を形成し、比較例3の防眩フィルムを得た。
[比較例4および5]
比較例4および5の防眩フィルムは、基材フィルム上に、金型を用いて表面に凹凸が転写された紫外線硬化樹脂からなるコート層を形成して作製した。転写成形法による防眩フィルムの作製プロセスについては、上記にて既に説明したため詳細な説明は省略する。
すなわち、比較例4および5の防眩フィルムの作製方法は、基材フィルムに紫外線硬化樹脂前駆体を塗布するステップ(a)と、ブラスト粒子を衝打させて表面に凹凸形状を有するロール状金型を作製するステップ(b)と、このロール状金型を用いて、基材フィルムに塗布した紫外線硬化樹脂前駆体の表面に凹凸形状を転写するステップ(c)と、凹凸形状を転写した紫外線硬化樹脂前駆体を紫外線を照射して硬化させて、表面に凹凸形状を有するコート層を形成するステップ(d)とを有する。
ここではステップ(b)において、ブラスト粒径の値を10μm以上40μm以下の範囲で変化させたロール状金型を作製し、上記作製方法により、ヘイズ(Hz)値が異なる2種類のフィルム(比較例4および5)を作製した。
なお、基材フィルムは、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを好適に用いることができる。また、実施例1〜4および比較例1〜5の各防眩フィルムは、以下の項目を測定して評価した。
[ヘイズおよび全光線透過率]
ヘイズメーター(日本電色(株)製、NDH−5000W)を用いて、JIS K7136に準拠して測定した。ヘイズは、凹凸構造を有する表面が受光器側となるように配置して測定した。
[透過像鮮明度]
写像測定器(スガ試験機(株)製、ICM−1T)を用いて、JIS K7105に準拠し、防眩フィルムの製膜方向と光学櫛の櫛歯の方向とが平行になるように防眩フィルムを設置して測定した。光学櫛幅は、0.5mmとした。
[60度グロス]
グロスメーター((株)掘場製作所製、IG−320)を用いて、JlS K7105に準拠し、角度60°で測定した。
[ディスプレイの輝度分布の標準偏差(ギラツキ値)]
表示装置16としてスマートフォン(三星電子(株)製「Galaxy S4」)を用い、そのディスプレイ16aの表面に、各サンプルの防眩フィルムを光学糊により貼り付けた。なお、このスマートフォンのディスプレイ16aの解像度は441ppiとなる。そして、コマツNTC(株)製のギラツキ検査機10を用い、各サンプルの防眩フィルムを介して、ディスプレイ16aの輝度分布の標準偏差(ギラツキ値)を測定した。この測定に際しては、8ビット階調表示でかつ平均輝度が170階調のグレースケール画像の画像データが得られるように、撮像装置12の露光時間またはディスプレイ16aの全画素の輝度の少なくともいずれかを調整した。
ここで上記した項目に対する各測定結果を表1に示す。
Figure 0006743305
表1に示すように、実施例1から3の原料および作製条件に基づく相分離法および実施例4の原料および作製条件に基づく微粒子分散法によって、上記した条件(ギラツキ値が6以上10以下、鏡面光沢度が30%以下、透過像鮮明度が60%以下、かつヘイズ値が50%以下)を満たす防眩フィルムを得ることができた。
すなわち、組み合わせる相分離材料の種類、または乾燥プロセスにおける組成物の加熱温度、組成物に対して吹き付ける乾燥空気の風量、もしくは線速度などを実施例1から3のように設定することで、上記条件を満たすような凹凸形状を防眩フィルム1の表面に形成することができることが分かった。
また、微粒子とマトリクス樹脂との屈折率差が0以上0.07以下の範囲の値とし、マトリクス樹脂の重量G1と、防眩層に含まれる複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1が、0.02以上0.15となるようにマトリクス樹脂中に分散させる微粒子を選択し実施例4に示す作製条件により作製することで、上記条件を満たす防眩フィルム1を形成することができることが分かった。つまり、実施例4の微粒子分散法では、防眩層3の形成時に微粒子とそれ以外の樹脂や溶剤との斥力相互作用が強くなるような材料選定を行うことで、微粒子の適度な凝集を引き起こし、急峻且つ数密度の高い凹凸の分布構造を防眩層3に形成できたものと考えられる。
一方、比較例1から3の原料および作製条件に基づく微粒子分散法では、上記した条件を満たす防眩フィルムを作製することができなかった。すなわち、比較例1、2では、微粒子とマトリクス樹脂との屈折率差が0.07より大きくなっている。比較例3では、マトリクス樹脂の重量G1と、防眩層に含まれる複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1が、0.02以上0.15以下の範囲外となっている。
また、比較例4、5の原料および作製条件に基づく転写成形法では、例えば、実施例1から3の相分離法のように統計的に制御された凹凸形状を防眩フィルムに形成することができず、上記した条件を満たす防眩フィルムを作製することができなかった。
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成又は方法を変更、追加、又は削除できる。例えば、第1実施形態または第3実施形態の防眩層3のマトリックス樹脂中に、第2実施形態の微粒子を分散させてもよい。
1 防眩フィルム
3 防眩層
16a ディスプレイ

Claims (4)

  1. ディスプレイの表面に装着される防眩フィルムであって、
    画素密度が441ppiである有機ELディスプレイの表面に装着した状態において、8ビット階調表示で且つ平均輝度が170階調のグレースケール画像として画像データが得られるように調整したときの前記有機ELディスプレイの輝度分布の標準偏差の値に基づき規定されるギラツキ値が6以上10以下となる範囲の値であり、
    60度鏡面光沢で測定された鏡面光沢度が30%以下となる範囲の値であり、
    光学櫛幅0.5mmの透過像鮮明度が60%以下となる範囲の値であり、かつ
    ヘイズ値が50%以下となる範囲の値に設定された防眩層を備える、防眩フィルム。
  2. 前記防眩層は、複数の樹脂成分を含み、
    前記複数の樹脂成分の相分離により形成された共連続相構造を有する、請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 前記防眩層は、マトリクス樹脂と、該マトリクス樹脂中に分散された複数の微粒子を含み、
    前記微粒子と前記マトリクス樹脂との屈折率差が0以上0.07以下の範囲の値である請求項1に記載の防眩フィルム。
  4. 前記防眩層の前記マトリクス樹脂の重量G1と、前記防眩層に含まれる前記複数の微粒子の総重量G2との比G2/G1が、0.02以上0.15以下の範囲の値である請求項3に記載の防眩フィルム。
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