JP6515377B2 - タッチパネル、表示装置及び光学シート、並びに光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法 - Google Patents
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Description
透明タッチパネルとしては、コスト的に優れた抵抗膜方式があるが、マルチタッチ等のジェスチャー操作が可能であること、超高精細化された表示素子の画質を損ないづらい等の点で、静電容量方式のタッチパネル、特に、投影型静電容量方式のタッチパネルの需要が拡大してきている。
さらには、タッチパネルを構成する部材間の密着及び干渉縞の防止、及びタッチパネルと表示素子との間の密着及び干渉縞の防止等のために、タッチパネルの最表面基材、内部基材及び最背面基材等として、凹凸構造を有する光学シートが用いられることがある。
表面凹凸によるギラツキを防止する技術として、特許文献1〜9の技術が提案されている。
特許文献3〜9は、光学シートの表面形状を特定の形状に設計することにより、防眩性を付与するとともに、ギラツキを改善するものである。しかし、特許文献3〜9の技術においても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキを防止することはできない。
しかし、上述したように、凹凸の程度を弱める設計では、画素密度が低い表示素子のギラツキを防止できたとしても、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキは防止できなかった。また、近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、屋外でタッチパネル操作を行うため高度な防眩性が要求されるが、平滑な面の割合を増やしてギラツキを防止する設計では、このような高度な防眩性を到底満足できるものではなかった。
また、上述したように、内部へイズを付与したのみでは、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子のギラツキ及び解像度の低下を同時に防止できない。
本発明者らは鋭意研究した結果、ギラツキは、画素密度と凹凸形状とが相乗的に関連することにより、輝度等の局所的なムラが生じることにより発生すること、及び内部へイズは拡散によりギラツキを緩和して見えづらくする役割を有するとの知見を得た。そして、本発明者らは、解像度の低下を招く可能性のある内部へイズに頼ることなくギラツキを防止することについて鋭意研究した結果、表面凹凸の分布密度及び凹凸の傾斜角分布を間接的に表す後述する式(I)を特定の範囲とすることにより、内部ヘイズを必要以上に高くすることなく、超高精細の表示素子のギラツキ防止と、解像度の低下防止を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるタッチパネル。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
[2]前記光学シートにおいて、前記透過強度の測定を−20度〜+20度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P20」とした際に、P15及びP20が下記式(II)の関係を満たす、上記[1]に記載のタッチパネル。
0.9900≦P15/P20 (II)
[3]前記光学シートの内部へイズが5〜30%である上記[1]又は[2]に記載のタッチパネル。
[4]前記光学シートの表面へイズが20〜50%である上記[1]〜[3]の何れかに記載のタッチパネル。
[5]前記光学シートの表面ヘイズと内部へイズとの比[表面ヘイズ/内部ヘイズ]が1.0〜5.0である上記[1]〜[4]の何れかに記載のタッチパネル。
[6]画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、表示装置。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
[8]前記光学シートにおいて、前記透過強度の測定を−20度〜+20度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P20」とした際に、P15及びP20が下記式(II)の関係を満たす、上記[7]に記載の光学シート。
0.980≦P15/P20 (II)
[9]前記光学シートの内部へイズが5〜30%である上記[7]又は[8]に記載の光学シート。
[10]前記光学シートの表面へイズが20〜50%である上記[7]〜[9]の何れかに記載の光学シート。
[11]前記光学シートの表面ヘイズと内部へイズとの比[表面ヘイズ/内部ヘイズ]が1.0〜5.0である上記[7]〜[10]の何れかに記載の光学シート。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850
[13]一方の面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
また、本発明の光学シートの評価方法は、表示装置に光学シートを組み込まなくても、ギラツキを防止しつつ解像度の低下を防止できる性能を保証することができ、光学シートの品質管理を効率よくできる。また、本発明の光学シートの製造方法は、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の解像度を低下させることなく、映像光のギラツキを防止できる光学シートを効率よく製造することができる。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たし、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるものである。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
また、後述する光学シートは、屋外での明るい環境下においても良好な防眩性を付与することができ、その一方で、ギラツキ及び解像度の低下も防止できる。したがって、本発明のタッチパネルは、後述する光学シートの凹凸面が操作者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、表示素子が超高精細であり、かつ屋外でタッチパネル操作を行うため、後述する光学シートの凹凸面が操作者側を向くようにして本発明のタッチパネルを構成することは極めて有用である。
また、抵抗膜式タッチパネルの下部透明基板として後述する光学シートを用い、かつ光学シートの凹凸面が上部透明基板側を向くようにすることにより、下部電極の表面の反射を抑制するとともに、超高精細の表示素子のギラツキを防止することができる。さらに、この使い方の場合、操作時に上下の導電膜同士が密着することを防止できるとともに、上下の導電膜が近接することにより干渉縞が生じることを防止できる。
なお、上部透明基板及び/又は下部透明基板として、後述する光学シートを凹凸面が上部電極とは反対側を向くように用いた場合、密着や干渉縞を防止できる点で好適である。
静電容量式タッチパネルの場合、透明基板の少なくとも一以上に後述する光学シートを用いることが好ましい。なお、透明基板は、2以上の基材からなる多層構造として、そのうちの1つの基材として後述する光学シートを用いてもよい。
また、静電容量式タッチパネルが、透明基板上にX電極を形成し、別の透明基板上にY電極を形成し、接着剤等を介して積層する構成の場合、少なくとも一方の透明基板として後述する光学シートを含むものを用い、かつ光学シートの凹凸面が前記基本態様側と反対側を向くようにして、該凹凸面を操作者側に向けた場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、静電容量式タッチパネルの透明基板として、後述する光学シートを凹凸面が操作者とは反対側を向くように用いた場合、密着や干渉縞を防止できる点で好適である。
本発明のタッチパネルに用いる光学シートは、方の面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすものである。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
しかし、凹凸の程度を弱める設計や内部へイズを付与するのみでは、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキを防止できなかった。
本発明者らは鋭意研究した結果、従来のように傾斜角度を低くして凹凸の程度を弱めた場合、凹凸ではない略平滑な箇所の割合が増え、該略平滑な箇所と凹凸面との境界(言い換えると、急激な角度変化を生じる箇所)がギラツキの一因であることを見出した。また、表面形状に関するJIS規格(JIS B0601)は接触式の表面形状測定器を用いることを定めているが、触針の形状と表面形状との関係から、測定結果が表面形状を正確に反映できない場合がある。
式(I)中のQは、拡散要素(内部拡散要素及び表面拡散要素の合計)に実質的に衝突しない光の強度を示す。また、式(I)中のP15は、拡散要素に衝突する光の強度と、衝突しない光の強度との和を示す。したがって、P15からQを減じたファクターを分子に有する式(I)は、拡散要素に衝突する光の強度割合に近似するパラメータである言える。
また、図3〜8は、それぞれ異なる光学シートの透過強度分布を示す図である。図3〜8から、透過光の強度は0度が最も強く、また、0度に近いほど拡散透過強度の減少割合が大きいことが分かる。また、0度の透過光の強度が最も高い図7と、図3〜6及び8をと対比すると、0度の透過光の強度の低下度合いに比べて、拡散した透過光の強度がそれほど上昇していないことが分かる。これは、透過光の強度測定を一方向のみで行っており、強度を立体的に測定していないためである。図3〜8の強度分布図の回転体の体積は、透過光の強度を立体的に捉えたものとなるため、全ての体積が略同一となる。このことから、P15の大きさは拡散の裾に影響を受けることが分かる。したがって、P15を分母に有する式(I)は、拡散の裾を示すパラメータであると言える。
以上のように、式(I)は、拡散要素に衝突する光の強度割合を示すとともに、拡散の裾を示すパラメータであると言える。また、内部拡散要素と表面拡散要素とを比べた場合、光の強度に与える影響は表面拡散要素の方がはるかに大きく、拡散の裾には凹凸の傾斜角が大きな影響を与える。したがって、式(I)は、表面凹凸の分布密度及び凹凸の傾斜角分布凹凸の傾斜角の分布を表すのに適したパラメータといえる。
さらに、該光学シートは、式(I)の値が0.850以下であることから、拡散の裾が大き過ぎないこと、言い換えると、傾斜角の大きい傾斜を過度に有さないことを示している。
また、該光学シートは、凹凸面に平滑に近い面が少ないことから、正反射方向の反射を抑制し、屋外の明るい環境にも耐え得るような高度な防眩性を付与できる。
(P15−Q)/P15が0.850超の場合、傾斜角が大きい凹凸が多くなり解像度が低下してしまう。また、(P15−Q)/P15が0.850超の場合、光学シートの白化を招き、また、光学シートを防眩性シートとして用いた場合に、コントラストが低下してしまう。
(P15−Q)/P15が0.650未満の場合はギラツキを防止できない場合がある。また(P15−Q)/P15が0.650未満の場合は、拡散要素を有する箇所の割合が減り、屋外の明るい環境にも耐え得るような高度な防眩性を付与しにくくなる。
(P15−Q)/P15は0.670以上であることが好ましく、0.700以上であることがより好ましく、0.720以上であることがさらに好ましい。また、(P15−Q)/P15は0.830以下であることが好ましく、0.820以下であることがより好ましく、0.800以下であることがさらに好ましい。
光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から光学シートに垂直に可視光線(平行光線)を照射する。凹凸形状を有する面とは反対側の面は略平滑であることが好ましい。凹凸形状を有する面とは反対側の面が略平滑でない場合、粘着層テープを介して表面が略平滑な基材を貼り合わせ、略平滑化した面方向から光学シートに垂直に可視光線を入射して、強度を測定する。なお、略平滑面とは、Raが0.02μm以下であることを意味する。そして、透過した光について、凹凸形状を有する面側から一定の角度範囲で1度ごとに受光器を走査して、各角度での強度(光度)を測定する。測定範囲は、前記垂直方向を0度(正透過方向)として、±15度の範囲の測定を行えばよい。強度測定の際は光源の明るさを一定とする。また、強度(光度)測定の際は、受光器の絞りにより検出する受光器の開口角を1度とする。このため、例えば、0度(正透過方向)の測定では±0.5度の範囲を測定し、1度の測定では0.5〜1.5度の範囲を測定し、−1度の測定では−0.5〜−1.5度の範囲を測定することになる。強度を測定する装置については、特に制限はなく、汎用の変角光度計(ゴニオフォトメーター)を用いることができる。本発明においては、変角光度計として、日本電色工業社製の商品名GC5000L(光束径:約3mm、光束内傾斜角:0.8度以内、受光器の開口角:1度)を使用した。
図3〜8は、実施例1及び2、並びに比較例1〜4の光学シートの透過光の強度分布を示す図である。なお、図3〜8の強度分布図は、1度ごとの強度の値の直線補間による近似曲線である。
0.9900≦P15/P20 (II)
P15/P20が0.9900以上であることは、±15度を超える透過光の強度が極めて弱く、拡散の裾が広がりすぎないことを意味する。言い換えると、P15/P20が0.9900以上であることは、±15度を超える透過光の起因となるような傾斜角が大きい凹凸が少ないことを示す。したがって、式(I)を満たしつつ、P15/P20が0.9900以上を満たすことにより、解像度の低下、白化の発生をより一層防止でき、また、光学シートを防眩性シートとして用いた場合に、コントラストが低下することをより防止できる。P15/P20は0.9950以上であることがより好ましい。
光学シートは、ヘイズ(JIS K7136:2000)が25〜60%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましく、30〜50%であることがさらに好ましい。ヘイズを25%以上とすることにより、防眩性を付与するとともに、電極の形状や傷を見えづらくすることができる。また、ヘイズを60%以下とすることにより、超高精細の表示素子の解像度の低下を防止するとともに、コントラストの低下を防止しやすくできる。
また、ヘイズを表面ヘイズ(Hs)と内部ヘイズ(Hi)とに分けた場合、表面へイズは20〜50%であることが好ましく、20〜45%であることがより好ましく、25〜40%であることがさらに好ましい。表面ヘイズを20%以上とすることにより、屋外等の明るい使用環境においても防眩性を良好にするとともに、電極の形状や傷を見えづらくすることができ、50%以下とすることにより、コントラストの低下や解像度の低下を防止しやすくできる。
また、内部へイズは、5〜30%であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜18%であることがさらに好ましい。内部ヘイズを5%以上とすることにより、表面凹凸との相乗作用によりギラツキを防止しやすくでき、30%以下とすることにより、超高精細の表示素子の解像度の低下を防止できる。
また、表面ヘイズと内部へイズとの比(Hs/Hi)は、上述した表面ヘイズと内部へイズの効果のバランスの観点から、1.0〜5.0であることが好ましく、2.0〜5.0であることがより好ましく、2.5〜4.5であることがさらに好ましい。
表面ヘイズ及び内部へイズは、例えば、実施例に記載の方法で求めることができる。
また、上述のZi,jを用いると下記式(2)で算出される。
また、上述したRa及びRzの効果をより得やすくする観点から、RzとRaとの比[Rz/Ra]は、6.0以下であることが好ましく、4.0〜6.0であることがより好ましく、4.5〜5.7であることがさらに好ましい。
また、光学シートは、凹凸層の単層であってもよいし、透明基材上に凹凸層を有する複層であってもよい。取り扱い性及び製造の容易性からは、透明基材上に凹凸層を有する構成が好適である。
また、光学シートは、凹凸形状の上及び/又は凹凸形状と反対側の面上に、反射防止層、防汚層、帯電防止層等の機能性層を有していてもよい。また、透明基材上に凹凸層を有する構成の場合、前記箇所のほかに、透明基材と凹凸層との間に機能性層を有していてもよい。
光学シートの凹凸形状を有する側と反対側の面は、略平滑であることが好ましい。例えば、光学シートが凹凸層の単層の場合、凹凸面とは反対側の面は略平滑であることが好ましい。また、光学シートが透明基材上に凹凸層を有する構成の場合、透明基材の凹凸層を有する面とは反対側の面は略平滑であることが好ましい。また、光学シートが、凹凸形状と反対側の面上に機能性層を有する場合、機能性層の表面は略平滑であることが好ましい。 ここで、略平滑とは、Raが0.02μm以下であることをいう。
なお、光学シートの凹凸形状を有する側と反対側の面のRaが0.02μmを超える場合、該反対側の面を略平滑化して透過強度及び内部へイズを測定するものとする。該反対側の面を略平滑化するには、実施例の内部へイズの測定法のように、該反対側の面に粘着層テープを介して、表面が略平滑な透明プラスチックフィルムを貼り合わせればよい。
さらに、(P15−Q)/P15を0.650以上0.850以下とするためには、光学シートの凹凸面を単に全面が緩やかな傾斜にするのではなく、傾斜角の大きい傾斜を含んだ様々な傾斜角を混在させることが好ましい。
図9は、バインダー樹脂、透光性粒子及び無機超微粒子を含有してなる凹凸層形成塗布液をコーティングして形成してなる、実施例1の光学シートの凹凸層の断面を示す走査型透過電子顕微鏡写真(STEM)である。
通常、透光性粒子の存在しない箇所は凹凸層の表面が略平滑となるが、図9の凹凸層は透光性粒子の存在しない箇所も緩やかな傾斜を有している。この原因は、無機超微粒子により、塗布液のチキソトロピー性及び溶媒の乾燥特性が影響を受け、通常のようなレベリングが生じていないためと考えられる。このように、透光性粒子の存在しない箇所にも緩やかな傾斜が形成されることにより、凹凸層に略平滑な箇所を極力なくし、(P15−Q)/P15を本発明の範囲にしやすくなると考えられる。
(1)透光性粒子が存在する箇所の若干急な傾斜と、透光性粒子の存在しない箇所の緩やかな傾斜とが混在し、傾斜がランダムな凹凸形状となっている。
(2)通常は、凹凸層の表面付近に存在する透光性粒子の凹凸層の周辺の形状は、透光性粒子の形状に沿った凸部形状になるが、図9の凹凸層では透光性粒子の形状に沿った形状となっていない。このように、凹凸層の表面付近に存在する透光性粒子の形状が凹凸層の表面形状に十分に反映されないことにより、急峻な凹凸も少ない形状となっている。
(3)図9の凹凸層では、透光性粒子は分散と凝集の両者が存在している。この原因は、無機超微粒子が、塗布液のチキソトロピー性や透光性粒子同士の親和性に影響を及ぼしているためと考えられる。このように、分散と凝集の両者が存在することにより、凹凸形状のバリエーションが多くランダムな表面形状となっている。
透光性有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
透光性無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
上述の透光性粒子の中でも、分散制御の容易さの観点から透光性有機粒子が好適であり、その中でも、ポリアクリル−スチレン共重合体粒子が好適である。ポリアクリル−スチレン共重合体粒子は、屈折率及び親疎水の程度の制御が容易であることから、内部ヘイズ、及び凝集/分散の制御がしやすい点で良好である。また、内部へイズを本発明の範囲とする観点からは、透光性粒子とバインダー樹脂との屈折率差は0.01〜0.10であることが好ましい。
また、透光性粒子の平均粒子径と凹凸層の厚みとの比(透光性粒子の平均粒子径/凹凸層の厚み)は、(P15−Q)/P15を本発明の範囲にしやすくする観点から、0.5〜1.0であることが好ましく、0.6〜0.9であることがより好ましい。
無機超微粒子は、(P15−Q)/P15を本発明の範囲にしやすくする観点から、平均粒子径が1〜25nmであることが好ましく、5〜20nmであることがより好ましい。なお、無機超微粒子の平均粒子径は、BET窒素吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830に準じる)から換算することにより算出できる。
反応性基としては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和結合並びにエポキシ基等が挙げられる。
このような反応性無機超微粒子は、シランカップリング剤で表面処理した無機超微粒子を挙げることができる。無機超微粒子の表面をシランカップリング剤で処理するには、無機超微粒子にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、無機超微粒子を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
また、凹凸層中における透光性粒子及び無機超微粒子の含有量の比(透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量)は、(P15−Q)/P15を本発明の範囲にしやすくする観点から、0.1〜0.4であることが好ましく、0.2〜0.3であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
これら光重合開始剤は、融点が100℃以上であることが好ましい。光重合開始剤の融点を100℃以上とすることにより、タッチパネルの透明導電膜形成時や結晶化工程の熱により残留した光重合開始剤が昇華し、透明導電膜の低抵抗化が損なわれることを防止することができる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
具体的には、溶剤は、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
溶剤の乾燥が遅すぎる場合又は速すぎる場合、凹凸層のレベリング性が過度又は不足することにより、(P15−Q)/P15の値を上述した範囲に調整しづらくなる。したがって、溶剤としては、相対蒸発速度(n−酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの相対蒸発速度)が100〜180である溶剤を、全溶剤中の50質量%以上含むことが好ましい。全溶剤中の50質量%以上の溶剤としては、相対蒸発速度が100〜150であるものがより好ましい。
相対蒸発速度の例を挙げると、トルエンが195、メチルエチルケトン(MEK)が465、メチルイソブチルケトン(MIBK)が118、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が68である。
また、溶剤の種類は、シリカ超微粒子に代表される無機超微粒子の分散性にも影響を与える。例えば、MIBKは、無機超微粒子の分散性に優れ、(P15−Q)/P15を上述した範囲に調整しやすい点で好適である。
上記の中でも、機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましい。また、TAC、アクリルは光透過性光学的等方性の観点で好適である。また、COP、ポリエステルは耐候性に優れる点で好適である。また、リタデーション値3000〜30000nmのプラスチックフィルム又は1/4波長位相差のプラスチックフィルムは、偏光サングラスを通して液晶ディスプレイの画像を観察した場合に、表示画面に色の異なるムラが観察されることを防止できる点で好適である。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明の表示装置は、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすものである。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
本発明の表示装置に用いる光学シートとしては、上述した本発明のタッチパネルに用いる光学シートと同様のものを用いることができる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
(1)表示素子/表面保護板/光学シート
(2)表示素子/光学シート
(3)表示素子/光学シート/表面保護板
(4)表示素子/光学シートを構成部材として有するタッチパネル
(1)及び(2)の場合、光学シートの凹凸面が表面を向くように(凹凸面が表示素子とは反対側を向くように)配置することで、高度な防眩性を付与できるとともに、ギラツキを防止でき、さらには、解像度の低下を防止できる。また、この使い方の場合、表面や表示素子に生じた傷を見えづらくすることもできる。
(3)の場合、上述した本発明のタッチパネルの実施の形態のように光学シートを配置することで、防眩性等の諸特性を付与しつつ、ギラツキを防止することができる。
なお、(2)及び(4)の場合、光学シートの凹凸面が表示素子側を向くようにして空気層を介して配置すれば、密着及び干渉縞を防止するとともに、表示素子に生じた傷を見づらくすることができる。
本発明の表示装置に用いる光学シートは、屋外の明るい環境下でも外光の反射を抑えることができ、高度な防眩性を付与できる。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、屋外で用いることが多いため、本発明の表示装置は、光学シートを凹凸面が視認者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。
本発明の光学シートは、一方の面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるものである。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
本発明の光学シートは、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いることで、防眩性等の諸特性を付与しつつ、超高精細の表示素子の映像光のギラツキ及び解像度の低下を防止できる点で好ましい。
また、本発明の光学シートは、屋外の明るい環境下でも外光の反射を抑えることができ、高度な防眩性を付与できる。近年のスマートフォンに代表される携帯情報端末は、屋外で用いることが多いため、本発明の光学シートは、タッチパネルや表示装置の最表面において、凹凸面が視認者側(表示素子とは反対側)を向くようにして用いることが好ましい。
本発明の光学シートの選別方法は、一方の面に凹凸形状を有する光学シートの選別方法であって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすものを光学シートとして選別する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの選別方法である。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
判定条件(a)は、0.670以上0.830以下とすることが好ましく、0.700以上0.820以下とすることがより好ましく、0.720以上0.800以下とすることがさらに好ましい。
(b)透過強度の測定を−20度〜+20度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P20」とした際に、P15及びP20が下記式(II)を満たすこと。
0.9900≦P15/P20 (II)
(c)光学シートの内部へイズが5〜30%
条件(b)は、P15/P20を0.9950以上とすることが好ましい。条件(c)は、光学シートの内部へイズを5〜25%とすることが好ましく、10〜18%とすることがより好ましい。
本発明の光学シートの製造方法は、一方の面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法である。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I)
本発明の光学シートの製造方法では、防眩性等の諸特性を付与できるとともに、画素密度300ppi以上の超高精細の表示素子の映像光のギラツキ及び解像度の低下を防止できる光学シートを効率よく製造することができる。
製造条件(a)及び(b)を制御する具体的手段は、凹凸層を型により形成する場合は型の形状を制御すればよい。また、凹凸層をコーティングにより形成する場合の製造条件(a)及び(b)を制御する具体的手段は、上述したように、適量の無機超微粒子を用いること、相対蒸発速度が特定の範囲の溶剤を用いること、乾燥温度や風速等の乾燥条件を調整すること、適量のレベリング剤を用いることが挙げられる。
製造条件(c)は、内部拡散要素の調整により制御できる。具体的には、凹凸層をバインダー樹脂及び透光性粒子から形成し、バインダー樹脂の屈折率の制御、透光性粒子の形状、分散状態、粒子径、添加量及び屈折率等の制御により、内部拡散要素を調整できる。また、バインダー樹脂に添加し得る透光性粒子以外の添加剤の濃度等も内部拡散要素に影響を与える。
以下のように、実施例及び比較例の光学シートの物性測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K−7136:2000に従ってヘイズ(全体ヘイズ)を測定した。また、光学シートの表面に、透明粘着剤を介して、厚み80μmのTACフィルム(富士フイルム社製、TD80UL)を貼り付けることによって凹凸形状をつぶして平坦にし、表面形状起因のヘイズの影響をなくした状態でヘイズを測定して、内部ヘイズ(Hi)を求めた。そして、全体ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引いて、表面ヘイズ(Hs)を求めた。光入射面は基材側とした。
[透過光の強度]
実施例及び比較例で得られた各光学シートの防眩層(凹凸層)が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとした。明細書本文に記載した方法により、変角光度計(GC−5000L、日本電色工業社製)を用いて、透過測定にて光源角度0度、感度設定を1000倍に設定し、ガラス面を光源側にしてサンプルを設置して、光学シートの透過光の強度を1度ごとに測定し、直線補間により透過光の強度分布図を作成した。なお、強度は正透過方向の±20度の範囲を測定した。また、強度の値は、基準値としてサンプルを設置しないときの正透過光(受光角度0度)強度を100000としたときの値である。
実施例及び比較例で得られた各光学シートの防眩層(凹凸層)が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとし、白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、光学シートの表面形状の測定・解析を行った。なお、測定・解析ソフトにはMetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。
(測定条件)
対物レンズ:50倍
Zoom:1倍
測定領域:414μm×414μm
解像度(1点当たりの間隔):0.44μm
(解析条件)
Removed:None
Filter:BandPass
FilterType:GaussSpline
Low wavelength:800μm
High wavelength:3μm
Remove spikes: on
Spike Height(xRMS):2.5
なお、Low wavelengthは粗さパラメータにおけるカットオフ値λcに相当する。
次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2−Microscope Application)にてSlope Mag Map画面を表示し、前記画面中でヒストグラムをnBins=100として表示させ、三次元表面傾斜角度分布のヒストグラムデータを得た。ヒストグラムの各階級角度の区間幅は0.5度以下であった。
ヒストグラムデータのi番目の階級の代表角度をθi、度数をfiとすると、三次元平均傾斜角mは下記式(4)で算出される。
上述の表面傾斜角度分布を算出する際に得られた表面形状データ及び同一の解析条件にて、Surface Map画面上に「Ra」、「SRz」を表示させ、それぞれの数値を光学シートのRa、Rzとした。
次に、上記Surface Map画面中に「Save Data」ボタンを表示させ、解析後の3次元曲面粗さデータを保存した。そして、Advanced Texture Applicationにて、前記の保存データを読み込み以下の解析条件を適用した。
(解析条件)
・High FFT Filter:off
・Low FFT Filter:off
・Remove:Plane
次に、Peak/Valleys画面を表示し「Peaks Stats」から山の個数をカウントした。ただし、微細な山を除くために、面積が全測定領域の面積(414×414μm2)の1/10000以上、かつ、高さがRtmの1/10以上の山をカウント対象とした。Rtmは「Roughness/Waviness Map」画面から読み取ることができ、全測定領域を3×3に分割したときの各区域毎の最大高さの平均を表す。そして、上記式(3)に基づき、Smpを算出した。
実施例および比較例で得られた各光学シートにおいて、光学シートの防眩層が形成されていない面と、ブラックマトリクス(ガラス厚み0.7mm)のマトリクスが形成されていないガラス面とを透明粘着剤で貼り合わせた。こうして得られた試料に対し、ブラックマトリクス側に白色面光源(HAKUBA社製、LIGHTBOX、平均輝度1000cd/m2)を設置することで、疑似的にギラツキ発生させた。これを光学シート側からCCDカメラ(KP−M1、Cマウントアダプタ、接写リング;PK−11A ニコン、カメラレンズ;50mm,F1.4s NIKKOR)で撮影した。CCDカメラと光学シートの距離は250mmとし、CCDカメラのフォーカスは光学シートに合うように調節した。CCDカメラで撮影した画像をパーソナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(ImagePro Plus ver.6.2;Media Cybernetics社製)で次のように解析を行った。
まず、取り込んだ画像から200×160ピクセルの評価箇所を選び、該評価箇所において、16bitグレースケールに変換した。次に、フィルタコマンドの強調タブからローパスフィルタを選択し「3×3、回数3、強さ10」の条件でフィルタをかけた。これによりブラックマトリクスパターン由来の成分を除去した。次に、平坦化を選択し、「背景:暗い、オブジェクト幅10」の条件でシェーディング補正を行った。次に、コントラスト強調コマンドで「コントラスト:96、ブライトネス:48」としてコントラスト強調を行った。得られた画像を8ビットグレースケールに変換し、その中の150×110ピクセルについてピクセルごとの値のばらつきを標準偏差値として算出することにより、ギラツキを数値化した。この数値化したギラツキ値が小さいほど、ギラツキが少ないと言える。なお、評価は、ブラックマトリクスが画素密度350ppi相当のものと、画素密度200ppi相当のものの2つで行った。
得られた光学シートの基材側に、黒色アクリル板を、透明粘着剤を介して貼り合わせた評価用サンプルを水平面に置き、評価用サンプルから1.5m上方に蛍光灯を配置し、評価用サンプル上に蛍光灯を移しこませ、かつ評価用サンプル上の照度が800〜1200Lxとした環境下で、様々な角度から目視官能評価を行い、以下の基準に従って評価した。
○:いかなる角度からも蛍光灯の像が認識できない。
△:蛍光灯の像は映り込むが、蛍光灯の輪郭がぼやけ、輪郭の境界部が認識できない。
×:蛍光灯の像が鏡面のように映り込み、蛍光灯の輪郭(輪郭の境界部)がはっきりと認識できる。
[コントラスト(暗室)]
コントラスト比の測定では、バックライトユニットとして冷陰極管光源に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(サムスン社製 AMN−3244TP)を用い、該偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の輝度のLmaxを、クロスニコルに設置したときに通過する光の輝度のLminで割ることで、防眩性フィルム(光透過性基材+防眩層)を最表面に載置したときのコントラスト(L1)と、光透過性基材のみを最表面に載置したときのコントラスト(L2)とを求め、(L1/L2)×100(%)を算出することでコントラスト比を算出した。
なお、輝度の測定には、色彩輝度計(トプコン社製 BM−5A)を用い、照度が5Lx以下の暗室環境下で行った。色彩輝度計の測定角は1°に設定し、サンプル上の垂直方向から視野φ5mmで測定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が3600cd/m2になるように設置した。
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361−1:1997に従って、光学シートの全光線透過率を測定した。光入射面は基材側とした。
[透過像鮮明度]
スガ試験機社製の写像性測定器(商品名:ICM−1T)を用いて、JIS K7105:1981に従って、2mm、1mm、0.5mm及び0.125mmの巾をもつ光学くしを通した4種類の透過像鮮明度を測定し、これらの和を算出した。
光学シートの透明基材側の面と、黒色のアクリル板とを透明粘着剤を介して貼り合わせたサンプルを作製した。作製したサンプルについて、暗室にて、3波長蛍光灯管を光源とする卓上スタンドの下で、以下の基準で白濁感を観察した。
A:白さが観察されなかった。
C:白さが観察された。
[傷の視認性]
白化の評価で作製したサンプルの光学シートの凹凸面を、♯0000のスチールウールで約100g/cm2の荷重で1回擦り、表面の傷を目視で評価した。その結果、傷が目立たないものを「○」、傷が目立つものを「×」とした。
[干渉縞]
2枚の光学シートを、一方の光学シートの凹凸面側と、他方の光学シートの透明基材側とが対向するようにして重ね合わせた。その結果、干渉縞が発生しなかったものを「〇」、干渉縞が発生したものを「×」とした。
[実施例1]
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(TAC)、富士フイルム社製、TD80UL)上に、下記処方の防眩層塗布液1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して、防眩層(凹凸層)を形成し、光学シートを得た。防眩層の膜厚は7.5μmであった。なお、光学シートの凹凸層とは反対側のRaは0.02μmであった。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 10部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・ウレタンアクリレート
(日本合成化学社製、UV1700B) 45部
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・透光性粒子 12部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(平均粒子径6μm、屈折率1.535)
・無機超微粒子 160部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(MIBK) 110部
実施例1の透光性粒子を15部、無機超微粒子を150部に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液2に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を2μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液2>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・無機微粒子 14部
(富士シリシア化学社製、ゲル法不定形シリカ)
(疎水処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)4.1μm)
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.2部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・溶剤1(トルエン) 150部
・溶剤2(MIBK) 35部
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液3に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を4.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液3>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 90部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・アクリルポリマー
(三菱レイヨン社製、分子量75,000) 10部
・光重合開始剤 3部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・透光性粒子 12部
(綜研化学社製、球状ポリスチレン粒子)
(粒径3.5μ、屈折率1.59)
・溶剤1(トルエン) 145部
・溶剤2(シクロヘキサノン) 60部
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液4に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を7.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液4>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 38部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成社製、M−313) 22部
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、TSF4460)
・透光性粒子 20部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(粒径5μ、屈折率1.525)
・無機超微粒子 120部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
実施例1の防眩層塗布液1を下記処方の防眩層塗布液5に変更し、防眩層(凹凸層)の膜厚を5.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学シートを得た。
<防眩層塗布液5>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 38部
(日本化薬社製、KAYARAD−PET−30)
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成社製 M−313) 22部
・光重合開始剤 5部
(BASF社製、イルガキュア184)
・シリコーン系レベリング剤 0.1部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSF4460)
・透光性粒子 12部
(積水化成品社製、球状ポリアクリル−スチレン共重合体)
(粒径3.5μ、屈折率1.545)
・無機超微粒子 120部
(日産化学社製、表面に反応性官能基が導入されたシリカ、溶剤MIBK、固形分30%)
(平均一次粒子径12nm)
・溶剤1(トルエン) 135部
実施例1及び2及び比較例1〜4の光学シートの透明基材側に、厚み20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、上部電極板とした。次いで、厚み1mmの強化ガラス板の一方の面に、厚み約20nmのITOの導電性膜をスパッタリング法で形成し、下部電極板とした。次いで、下部電極板の導電性膜を有する面に、スペーサー用塗布液として電離放射線硬化型樹脂(Dot Cure TR5903:太陽インキ社)をスクリーン印刷法によりドット状に印刷した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、直径50μm、高さ8μmのスペーサーを1mmの間隔で配列させた。
次いで、上部電極板と下部電極板とを、導電性膜どうしを対向するように配置させ、厚み30μm、幅3mmの両面接着テープで縁を接着し、実施例1〜3及び比較例1〜4の抵抗膜式タッチパネルを作製した。
得られた抵抗膜式タッチパネルを、市販の超高精細液晶表示装置(画素密度350ppi)上に載置し、ギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例1及び2のタッチパネルはギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例1及び2のタッチパネルは超高精細の映像の解像度が損なわれることもなく、明室環境下のコントラストも良好であった。一方、比較例1〜4のタッチパネルはギラツキが目立つものであった。また、比較例2のタッチパネルは、光学シートの内部へイズが比較的高いことから、超高精細の映像の解像度が若干損なわれるものであった。
実施例1及び2及び比較例1〜4の光学シートと、市販の超高精細液晶表示装置(画素密度350ppi)とを、透明粘着剤を介して貼り合わせ、実施例1〜3及び比較例1〜4の表示装置を作製した。なお、貼り合わせの際は、光学シートの凹凸面が表示素子とは反対側を向くようにした。
得られた表示装置のギラツキの有無を目視で評価したところ、実施例1及び2の表示装置はギラツキが抑制され、外光の移り込みも少なく、視認性が良好であった。また、実施例1及び2の表示装置は超高精細の映像の解像度が損なわれることもなく、明室環境下のコントラストも良好であった。一方、比較例1〜4の表示装置はギラツキが目立つものであった。また、比較例2の表示装置は、光学シートの内部へイズが比較的高いことから、超高精細の映像の解像度が若干損なわれるものであった。
2:静電容量式タッチパネル、21:透明基板、22:透明導電膜(X電極)、23:透明導電膜(Y電極)、24:接着剤層
Claims (28)
- 光学シートを構成部材として有するタッチパネルであって、前記光学シートは一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられるタッチパネル。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I) - 前記光学シートにおいて、前記透過強度の測定を−20度〜+20度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P20」とした際に、P15及びP20が下記式(II)の関係を満たす、請求項1に記載のタッチパネル。
0.9900≦P15/P20 (II) - 前記光学シートの内部へイズが5〜30%である請求項1又は2に記載のタッチパネル。
- 前記光学シートの表面へイズが20〜50%である請求項1〜3の何れかに記載のタッチパネル。
- 前記光学シートの表面ヘイズと内部へイズとの比[表面ヘイズ/内部ヘイズ]が1.0〜5.0である請求項1〜4の何れかに記載のタッチパネル。
- 前記光学シートは、凹凸層の単相、又は、透明基材上に凹凸層を有する複層であり、
前記凹凸層に、平均粒子径が1〜25nmの無機超微粒子を含有する請求項1〜5の何れかに記載のタッチパネル。 - 前記無機超微粒子の含有量が前記凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%である請求項6に記載のタッチパネル。
- 前記凹凸層は、透光性粒子を含有し、
前記凹凸層中における前記透光性粒子及び無機超微粒子の比[透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量]が0.1〜0.4である請求項6又は7に記載のタッチパネル。 - 画素密度300ppi以上の表示素子の前面に光学シートを有してなる表示装置であって、前記光学シートは、一方の面に凹凸形状を有してなり、かつ前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、表示装置。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I) - 前記光学シートは、凹凸層の単相、又は、透明基材上に凹凸層を有する複層であり、
前記凹凸層に、平均粒子径が1〜25nmの無機超微粒子を含有する請求項9に記載の表示装置。 - 前記無機超微粒子の含有量が前記凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%である請求項10に記載の表示装置。
- 前記凹凸層は、透光性粒子を含有し、
前記凹凸層中における前記透光性粒子及び無機超微粒子の比[透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量]が0.1〜0.4である請求項10又は11に記載の表示装置。 - 一方の面に凹凸形状を有する光学シートであって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たす、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シート。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I) - 前記光学シートにおいて、前記透過強度の測定を−20度〜+20度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P20」とした際に、P15及びP20が下記式(II)の関係を満たす、請求項13に記載の光学シート。
0.9900≦P15/P20 (II) - 前記光学シートの内部へイズが5〜30%である請求項13又は14に記載の光学シート。
- 前記光学シートの表面へイズが20〜50%である請求項13〜15の何れかに記載の光学シート。
- 前記光学シートの表面ヘイズと内部へイズとの比[表面ヘイズ/内部ヘイズ]が1.0〜5.0である請求項13〜16の何れかに記載の光学シート。
- 前記光学シートは、凹凸層の単相、又は、透明基材上に凹凸層を有する複層であり、
前記凹凸層に、平均粒子径が1〜25nmの無機超微粒子を含有する請求項13〜17の何れかに記載の光学シート。 - 前記無機超微粒子の含有量が前記凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%である請求項18に記載の光学シート。
- 前記凹凸層は、透光性粒子を含有し、
前記凹凸層中における前記透光性粒子及び無機超微粒子の比[透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量]が0.1〜0.4である請求項18又は19に記載の光学シート。 - 一方の面に凹凸形状を有する光学シートの選別方法であって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすものを光学シートとして選別する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの選別方法。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I) - 前記光学シートは、凹凸層の単相、又は、透明基材上に凹凸層を有する複層であり、
前記凹凸層に、平均粒子径が1〜25nmの無機超微粒子を含有する請求項21に記載の光学シートの選別方法。 - 前記無機超微粒子の含有量が前記凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%である請求項22に記載の光学シートの選別方法。
- 前記凹凸層は、透光性粒子を含有し、
前記凹凸層中における前記透光性粒子及び無機超微粒子の比[透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量]が0.1〜0.4である請求項22又は23に記載の光学シートの選別方法。 - 一方の面に凹凸形状を有する光学シートの製造方法であって、前記光学シートの凹凸形状を有する面とは反対側の面方向から前記光学シートに垂直に可視光線を照射し、透過した光について、凹凸形状を有する面側から0度を含む−15度〜+15度までの範囲で1度ごとに強度を測定し、測定した透過強度の総和を「P15」、測定した0度における透過強度を「Q」とした際に、P15及びQが下記式(I)の関係を満たすように製造する、画素密度300ppi以上の表示素子の前面に用いられる光学シートの製造方法。
0.650≦(P15−Q)/P15≦0.850 (I) - 前記光学シートは、凹凸層の単相、又は、透明基材上に凹凸層を有する複層であり、
前記凹凸層に、平均粒子径が1〜25nmの無機超微粒子を含有する請求項25に記載の光学シートの製造方法。 - 前記無機超微粒子の含有量が前記凹凸層を形成する全固形分中の10〜90質量%である請求項26に記載の光学シートの製造方法。
- 前記凹凸層は、透光性粒子を含有し、
前記凹凸層中における前記透光性粒子及び無機超微粒子の比[透光性粒子の含有量/無機超微粒子の含有量]が0.1〜0.4である請求項26又は27に記載の光学シートの製造方法。
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