JP5163943B2 - 防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、優れた防眩性能を示しながら白ちゃけず、画像表示装置に適用したときに、ギラツキが発生することなく、高いコントラストを発現し、良好な視認性を与える防眩(アンチグレア)フィルム、ならびに当該防眩フィルムを用いた防眩性偏光板および画像表示装置に関するものである。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の画像表示装置は、その表示面に外光が写り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。従来、このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、反射光を利用して表示を行なう携帯電話等においては、画像表示装置の表面に外光の映り込みを防止するフィルム層が設けられてきた。このフィルム層は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理が施されたフィルムからなるもの(無反射フィルム)と、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させて映り込み像をぼかす防眩処理が施されたフィルムからなるもの(防眩フィルム)とに大別される。前者の無反射フィルムは、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要があるため、コスト高になる。これに対して、後者の防眩フィルムは、比較的安価に製造することができるため、大型のパーソナルコンピュータやモニタ等の用途に広く用いられている。
このような防眩フィルムは従来、たとえば、フィラーを分散させた樹脂溶液を基材シート上に塗布し、塗布膜厚を調整してフィラーを塗布膜表面に露出させることでランダムな凹凸を基材シート上に形成する方法などにより製造されている。しかしながら、このようなフィラーを分散させることにより製造された防眩フィルムは、樹脂溶液中のフィラーの分散状態や塗布状態等によって凹凸の配置や形状が左右されてしまうため、意図したとおりの凹凸を得ることが困難であり、ヘイズが低いものでは十分な防眩性能が得られないという問題があった。さらに、このような従来の防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した場合、散乱光によって表示面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる白ちゃけが発生しやすいという問題があった。
また、最近の画像表示装置の高精細化に伴って、画像表示装置の画素と防眩フィルムの表面凹凸形状が干渉し、結果として輝度分布が発生して見にくくなる、いわゆるギラツキ現象が発生しやすいという問題もあった。ギラツキを解消するために、バインダ樹脂と分散フィラーとの間に屈折率差を設けて光を散乱させる試みもあるが、そのような防眩フィルムを画像表示装置に適用した場合には、散乱光によって黒表示の輝度が上がり、結果としてコントラストが低下して、視認性を著しく低下させるという問題があった。
一方、フィラーを含有させずに、透明樹脂層の表面に形成された微細な凹凸だけで防眩性を発現させる試みもある。たとえば、特許文献1(請求項1〜6、段落0043〜0046)には、エンボス鋳型と透明樹脂フィルムとの間に電離放射線硬化性樹脂を挟んだ状態で当該電離放射線硬化性樹脂を硬化させて、三次元10点平均粗さ、および、三次元粗さ基準面上における隣接する凸部同士の平均距離が、それぞれ所定値を満足する微細な凹凸を形成することにより、透明樹脂フィルム上に、当該表面凹凸を有する電離放射線硬化性樹脂層の硬化物層が積層された防眩フィルムが開示されている。この文献には、鉄の表面にクロムめっきしたローラーを用い、サンドブラスト法やビーズショット法により、エンボス用の凹凸型面を形成することが記載されている。さらに、このように凹凸が形成された型面には、使用時の耐久性を向上させる目的で、クロムめっきなどを施してから使用することが好ましく、それにより硬膜化および腐食防止を図ることができる旨の記載もある。
しかし、このようなエンボスロールの凹凸型面形成法では、硬度の高いクロムめっき上にブラストやショットを行うため、凹凸が形成されにくく、しかも形成された凹凸の形状を精密に制御することが困難であった。また、特許文献2(段落0030)にも記載されるとおり、クロムめっきは、下地となる材質およびその形状に依存して表面が荒れることが多く、ブラストにより形成された凹凸上にクロムめっきで生じた細かいクラックが形成されるため、どのような凹凸ができるのかが想定し難く、凹凸型面の設計が難しいという課題があった。さらに、クロムめっきで生じる細かいクラックがあるため、最終的に得られる防眩フィルムの散乱特性が好ましくない方向に変化するという問題もあった。
表面に凹凸を有するフィルムの作製に用いられるロールの作製方法を開示する別の文献として、たとえば、特許文献3および4がある。特許文献3(請求項2)には、ビーズショット法によってエンボスロールを作製する方法が開示されており、特許文献4(請求項1および2)には、エンボスロールの表面に金属めっき層を形成する工程、金属めっき層の表面を鏡面研磨する工程、鏡面研磨した金属めっき層面に、セラミックビーズを用いてブラスト処理を施す工程、さらに必要に応じてピーニング処理をする工程を経て、エンボスロールを作製する方法が開示されている。
しかし、このようにエンボスロールの表面にブラスト処理を施したままの状態では、ブラスト粒子の粒径分布に起因する凹凸径の分布が生じるとともに、ブラストにより得られるくぼみの深さを制御することが困難であり、防眩機能に優れた凹凸の形状を再現性良く得ることが容易でないという課題があった。
また、特許文献5(請求項1および2)には、研磨された金属の表面に微粒子をぶつけて凹凸を形成し、そこに無電界ニッケルメッキを施して金型とし、その金型の凹凸面を透明樹脂フィルムに転写することにより、低ヘイズでありながら防眩性能に優れた防眩フィルムとすることが開示されている。
また、特許文献6(請求項1)には、透明支持体上に防眩性ハードコート層を有するフィルムであって、透明支持体側から光を入射したときの、透過した光のうち特定の方向に散乱された光の光量が、直進の光量に対して特定の範囲内である防眩性反射防止フィルムが開示されている。特許文献7(請求項1)には、散乱光強度の極大値を示す散乱角および全光線透過率が特定の範囲内である防眩性フィルムが開示されている。しかし、これらの防眩フィルムによっても、特に高精細の画像表示装置に適用したときに、高いコントラストを達成することは困難であった。
特開2002−189106号公報 特開2004−29672号公報 特開2004−29240号公報 特開2004−90187号公報 特開2006−53371号公報 特開2003−248101号公報 特開2004−126495号公報
本発明は、かかる現状に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた防眩性能を示しながら、白ちゃけによる視認性の低下が防止され、高精細の画像表示装置の表面に配置したときに、ギラツキを発生せずに高いコントラストを発現する防眩フィルムを提供し、さらには、その防眩フィルムを適用した防眩性偏光板および画像表示装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、透明支持体の上に、互いに屈折率の異なる2種類の樹脂層を、それぞれの透明支持体から遠い側の面に微細な凹凸形状が形成されるように設け、かつ、このような積層体からなる防眩フィルム内部のヘイズ(典型的には、上記2種類の樹脂層の界面領域に起因するヘイズ)が特定範囲となるようにすれば、優れた防眩性能を示す防眩フィルムが得られることを見出した。
そして、このように透明支持体上に形成された微細な凹凸形状を有する樹脂層を2層積層することで、両者の界面領域での散乱を含めて散乱光の強度を制御することができ、これによって、透明支持体と反対側にある樹脂層側から入射角30°で光を入射したときの、反射角30°の反射率R(30)、反射角40°の反射率R(40)及び反射角50°の反射率R(50)がそれぞれ特定範囲となるようにすることができ、また、透明支持体側から入射角20゜で光を入射したときの防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(20)および、透明支持体側から入射角30°で光を入射したときの防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(30)がそれぞれ特定範囲となるようにすることができ、ギラツキが十分に防止されるうえに、画像表示装置に適用したときにコントラストがほとんど低下しなくなることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、さらに種々の検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の防眩フィルムは、透明支持体の上に積層された、互いに屈折率の異なる第1の樹脂層および第2の樹脂層をこの順に備える防眩フィルムに関する。本発明において、第1の樹脂層は、透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状を有する電離放射線硬化樹脂からなり、第2の樹脂層もまた、透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状を有する電離放射線硬化樹脂からなる。本発明の防眩フィルムの表面ヘイズおよび内部ヘイズは、透明支持体の上に第1の樹脂層および第2の樹脂層をこの順に積層した状態で、それぞれ0.1%以上5%以下、5%以上30%以下である。また、透明支持体の上に第1の樹脂層のみを積層し、第1の樹脂層の微細な凹凸形状が空気と接する最表面となっている状態でのヘイズは50%以上である。
本発明の防眩フィルムは、第2の樹脂層側から入射角30゜で光を入射したときに、反射角30゜の反射率R(30)が0.05%以上2%以下であり、反射角40゜の反射率R(40)が0.0001%以上0.005%以下であり、反射角50゜の反射率R(50)が0.00001%以上0.0005%以下であることが好ましい。また、透明支持体側から入射角20゜で光を入射したときに、防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(20)が0.0001%以上0.0005%以下であり、透明支持体側から入射角30°で光を入射したときに、防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(30)が0.00004%以上0.00025%以下であることが好ましい。
第1の樹脂層と第2の樹脂層とが接する領域においては、第1の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂と第2の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂とが互いに混和することなく、明確な界面が形成されていることが好ましい。
また、第1の樹脂層の屈折率と第2の樹脂層の屈折率との差の絶対値は、0.08以上であることが好ましい。第1の樹脂層および/または第2の樹脂層は、導電性付与物質を含有していてもよい。
本発明の防眩フィルムは、第2の樹脂層表面上に、透明支持体よりも低い屈折率を有する低屈折率層を含む低反射膜をさらに有していてもよい。
本発明において、第1の樹脂層が有する微細凹凸形状および/または第2の樹脂層が有する微細凹凸形状は、好ましくは、表面に凹凸を有する金型を用い、該凹凸形状を電離放射線硬化樹脂に転写することにより形成される。
また、本発明により、上記いずれかに記載の防眩フィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてなる防眩性偏光板であって、該偏光フィルムは、防眩フィルムの透明支持体側に配置される防眩性偏光板が提供される。
本発明の防眩フィルムまたは防眩性偏光板は、液晶表示素子やプラズマディスプレイパネルなどの画像表示素子と組み合わせて、画像表示装置とすることができる。すなわち、本発明によれば、上記いずれかに記載の防眩フィルムまたは上記防眩性偏光板と、画像表示素子とを備え、該防眩フィルムまたは防眩性偏光板が、その第2の樹脂層側を外側にして画像表示素子の視認側に配置される画像表示装置が提供される。
本発明の防眩フィルムは、優れた防眩性能を示しながら、白ちゃけによる視認性の低下が防止され、また、高精細の画像表示装置の表面に配置したときに、ギラツキを発生させずに高いコントラストを発現し得る。かかる本発明の防眩フィルムを偏光フィルムと組み合わせた防眩性偏光板も、同様の効果を発現する。そして、本発明の防眩フィルムまたは防眩性偏光板を配置した画像表示装置は、防眩性能が高く、視認性に優れたものとなる。
<防眩フィルム>
図1は、本発明の防眩フィルムの好ましい一例を示す断面模式図である。図1に示されるように、本発明の防眩フィルムは、透明支持体100と、その上に積層された第1の樹脂層101と、第1の樹脂層101上に積層された第2の樹脂層102とを備える。第1の樹脂層101は、その透明支持体100側とは反対側の表面(第2の樹脂層102側表面)に微細な凹凸形状(図1における第1の微細凹凸表面101a)を有する電離放射線硬化樹脂からなる樹脂層である。また、第2の樹脂層102は、その第1の樹脂層101側とは反対側の表面に微細な凹凸形状(図1における第2の微細凹凸表面102a)を有する電離放射線硬化樹脂からなる樹脂層である。すなわち、図1に示される防眩フィルムの上側表面(透明支持体100側とは反対側の表面)は、第2の樹脂層102が有する微細凹凸表面102aによって構成されている。第2の樹脂層102は、第1の樹脂層101上に、それが有する微細凹凸表面101aの凹部を埋めるように(微細凹凸表面101aに接するように)形成されている。
ここで、本明細書中において「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化し得る樹脂または樹脂組成物(以下、電離放射線硬化性樹脂という)の硬化物を意味する。電離放射線とは、たとえば、紫外線、電子線、可視光線などである。
このような構成を有する本発明の防眩フィルムは、防眩フィルムの反射特性を決定づける部位(第2の微細凹凸表面102a)と、防眩フィルムの内部散乱特性を決定づける部位(防眩フィルム内部の第1の樹脂層101と第2の樹脂層102との界面領域、すなわち、第1の微細凹凸表面101a領域)とを別途に有しているため、反射特性と内部散乱特性とを独立に制御することが可能となっている。したがって、かかる構成の防眩フィルムによれば、防眩フィルムが具備すべき望ましい光学特性を容易に達成することが可能であり、優れた防眩性能、白ちゃけによる視認性の低下防止、高精細の画像表示装置の表面に配置したときのギラツキ防止および高コントラストを同時に達成し得る。このように、本発明においては、第1の微細凹凸表面の凹凸形状と、第2の微細凹凸表面の凹凸形状とは、互いに独立していることが好ましい。
以下、本発明の防眩フィルムについてさらに詳細に説明する。上記したように、本発明の防眩フィルムは、透明支持体と、該透明支持体上に積層され、該透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状(第1の微細凹凸表面)を有する電離放射線硬化樹脂からなる第1の樹脂層と、透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状(第2の微細凹凸表面)を有する電離放射線硬化樹脂からなる第2の樹脂層との積層体である。
本発明において、防眩フィルムの「内部ヘイズ」は、5%以上30%以下とされる。ここで、本明細書中において、防眩フィルムの「内部ヘイズ」とは、防眩フィルム全体が示すヘイズのうち、防眩フィルム表面の微細凹凸(第2の微細表面凹凸)に起因するヘイズ以外のヘイズ、すなわち、防眩フィルムの内部に起因するヘイズをいう。防眩層表面の微細凹凸(第2の微細表面凹凸)に起因するヘイズは、「表面ヘイズ」と定義される。かかる防眩フィルムの「内部ヘイズ」を5%以上、好ましくは10%以上とすることにより、ギラツキを効果的に解消することができる。また、防眩フィルムの「内部ヘイズ」は30%以下である。内部ヘイズが30%を上回ると、画像表示装置に適用したときに、結果として画面が暗くなり、視認性が損なわれる傾向にある。十分な明るさを確保するためには、内部ヘイズを20%以下とすることが好ましい。
また、防眩フィルムの「表面ヘイズ」は、0.1%以上5%以下とする。表面ヘイズを5%以下とすることにより、効果的に白ちゃけを抑制することができる。表面ヘイズが0.1%未満である場合には、十分な防眩性を示さなくなる傾向にある。
防眩フィルムの「内部ヘイズ」および「表面ヘイズ」は、次のようにして測定される。すなわち、まず、透明支持体と第1および第2の樹脂層とを備える防眩フィルム全体のヘイズ(以下、「全体ヘイズ」と称する)を、JIS K 7136に準拠して測定する。次に、防眩フィルムの第2の微細凹凸表面に、ヘイズがほぼ0であるトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を、グリセリンを用いて貼合し、再度、JIS K 7136に準拠してヘイズを測定する。このヘイズ値は、第2の微細表面凹凸に起因するヘイズ(表面ヘイズ)がほぼ打ち消されていることから、防眩フィルムの「内部ヘイズ」とみなすことができる。したがって、防眩フィルムの「表面ヘイズ」は、下記式(1)より求められる。
表面ヘイズ=全体ヘイズ−内部ヘイズ (1)
防眩フィルムの「内部ヘイズ」は、第1の樹脂層を平坦な透明支持体上に積層する場合、実質的には、防眩フィルム内部の第1の樹脂層と第2の樹脂層との界面領域(第1の微細凹凸表面領域)に起因するヘイズとみなすことができる。第1の樹脂層単独および第2の樹脂層単独での内部ヘイズは、微粒子などの光拡散剤を含有しないことから、通常、それぞれ1%以下である。
防眩フィルムの「全体ヘイズ」は、5%以上であることが、効果的にギラツキを解消するために好ましい。しかしながら、全体ヘイズが30%を上回ると、画像表示装置に配置したときに、画面が暗くなり、視認性が損なわれる傾向にある。
第1の微細凹凸表面においては、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が確保できる範囲内で、第1の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂と、第2の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂との界面が明確に形成されていることが好ましい。これにより、当該界面領域による内部散乱効果を十分に発現させることができる。第1の微細凹凸表面領域において、第1の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂と、第2の樹脂層を構成する電離放射線硬化樹脂とが一部混和し、これらの硬化樹脂からなる混合相が形成されてもよいが、この場合、防眩フィルムの光学的特性、特には内部散乱特性の制御が比較的困難となる場合がある。
第1の樹脂層および第2の樹脂層は、ともに電離放射線硬化樹脂からなるが、互いに異なる屈折率を有する。屈折率が同じであると、第1の微細凹凸表面での透過光の散乱が生じない。第1の樹脂層の屈折率をn1、第2の樹脂層の屈折率をn2としたとき、これらの屈折率の差の絶対値|n1−n2|は、0.08以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。屈折率の差の絶対値が0.08より小さい場合、第1の微細凹凸表面での透過光の散乱が効果的に生じず、上記範囲内の防眩フィルムの内部ヘイズを得るために、第1の微細凹凸表面の凹凸形状をより精密に制御する必要が生じ得る。また、第1の樹脂層の屈折率n1は、第2の樹脂層の屈折率n2より大きいことがより好ましい。これにより、第1の微細凹凸表面での透過光の反射による全光線透過率の低下を低く抑えることができる。
第1の樹脂層および第2の樹脂層に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、従来公知のものを用いることができ、たとえば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、S,S‘−(チオジエチレン)−ビス(チオメタクリレート)、多官能ウレタン化アクリレート(たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応生成物等)、トリメチロールエタントリアクリレート、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート;エーテルアクリレート系、エステルアクリレート系等、電離放射線によりラジカル重合を開始し、硬化するその他のアクリル系樹脂などを挙げることができる。第1の樹脂層および第2の樹脂層のそれぞれについて、電離放射線硬化性樹脂は単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。第1の樹脂層および第2の樹脂層に用いられる電離放射線硬化性樹脂は、それらを硬化して得られる硬化樹脂の屈折率が互いに異なり、望ましくは、上記好ましい条件を満たすように選択される。一般に入手可能な電離放射線硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、1.45〜1.80程度である。
上記電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じて光重合開始剤が添加されてもよい。光重合開始剤は、従来公知のものであってよく、市販品として、たとえば、「イルガキュアー 907」、「イルガキュアー 184」(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、「ルシリン TPO」(BASF社製)等を挙げることができる。
透明支持体は、実質的に光学的に透明である限り特に制限されず、たとえば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。また、アクリレート樹脂等に対して表面形状を、後述するような金属金型を用いてエンボスしながら押し出し法等でフィルムシートを作製し、透明支持体として用いることもできる。透明支持体の厚みは、特に制限されず、たとえば20〜250μm、好ましくは40〜150μmである。
ここで、防眩フィルムの内部ヘイズを上記範囲内とするためには、一般に入手可能な電離放射線硬化性樹脂の硬化物の屈折率が1.45〜1.80程度であることから、第1の微細凹凸表面の形状は、該表面での任意の断面曲線における算術平均高さPaが0.1μm以上1.0μm以下であり、最大断面高さPtが0.5μm以上3.5μm以下であり、平均長さPSmが5μm以上20μm以下であることが好ましい。
一方、第2の微細凹凸表面の形状は、該表面の任意の断面曲線における算術平均高さPaが0.05μm以上0.20μm以下であり、最大断面高さPtが0.2μm以上1.5μm以下であり、平均長さPSmが15μm以上100μm以下であることが好ましい。算術平均高さPaが0.05μm未満である場合には、第2の微細凹凸表面(防眩フィルム表面)がほぼ平坦となり、十分な防眩性能を示さなくなる。また、算術平均高さPaが0.20μmより大きい場合には、表面形状が粗くなり、白ちゃけが発生し、また、外観を目視で観察した際の質感が粗くなる傾向にある。最大断面高さPtが0.2μm未満である場合には、やはり防眩フィルム表面がほぼ平坦となり、十分な防眩性能を示さなくなる。また、最大断面高さPtが1.5μmより大きい場合には、やはり表面形状が粗くなり、白ちゃけや質感の低下などの問題が発生し得る。平均長さPSmが15μm未満である場合には、十分な防眩性が得られない傾向にある。これは平均長さPSmがあまりにも小さいと、凹凸のピーク(表面傾斜角度がほぼ0°であると考えられる)間隔が近いことから、目視で観察した際に結像するためと考えられる。また、平均長さPSmが100μmより大きい場合には、外観を目視で観察した際の質感が粗くなる傾向にある。
第1および第2の微細凹凸表面の形状の算術平均高さPa、最大断面高さPtおよび平均長さPSmは、JIS B 0601(=ISO 4287)に準じ、市販の一般的な接触式表面粗さ計を用いて測定することができる。また、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)などの装置により表面形状を測定し、その表面形状の三次元情報から計算により求めることも可能である。なお、三次元情報から計算する場合には、十分な基準長さを確保するために、200μm×200μm以上の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。なお、算術平均高さPaは、中心線平均粗さと呼称されていた値と同じである。
また、第2の微細凹凸表面(防眩フィルム表面)は、その200μm×200μmの領域内に50個以上100個以下の凸部を有することが好ましい。凹凸表面における凸部の数が少ないと、高精細の画像表示装置と組み合わせて使用した場合に、画素との干渉によるギラツキが発生し、画像が見えにくくなり、かつ質感も悪くなる傾向にある。また、凸部の数が多くなりすぎると、結果として表面凹凸形状の傾斜角度が急峻なものとなり、白ちゃけが発生しやすくなる。
第2の微細凹凸表面における凸部の数を求めるにあたっては、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により表面形状を測定し、第2の微細凹凸表面の各点の三次元的な座標値を求めてから、以下に示すアルゴリズムにより凸部を判定し、その個数をカウントする。すなわち、第2の微細凹凸表面上の任意の点に着目したときに、その点の周囲において、着目した点よりも標高の高い点が存在せず、かつ、その点の凹凸面における標高が凹凸面の最高点の標高と最低点の標高との中間より高い場合に、その点が凸部の頂点であるとし、そのようにして求めた凸部の頂点の数をカウントし、凸部の数とする。より具体的には、図2に示すように、第2の微細凹凸表面202上の任意の点201に着目し、その点を中心として、防眩フィルム基準面203に平行な半径2μm〜5μmの円を描いたとき、その円の投影面204内に含まれる第2の微細凹凸表面202上の点の中に、着目した点201よりも標高の高い点が存在せず、かつ、その点の凹凸面における標高が凹凸面の最高点の標高と最低点の標高との中間より高い場合に、その点201が凸部の頂点であると判定し、凸部の数を求める。その際、上記投影円204の半径は、第2の微細凹凸表面の細かい凹凸をカウントせず、また、複数の凸部を含まない程度の大きさであることが求められ、3μm程度が好ましい。測定に際しては、誤差を少なくするために、200μm×200μmの領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
共焦点顕微鏡を用いる場合、対物レンズの倍率は50倍程度とし、解像度を落として測定するのが好ましい。高解像度で測定すると、第2の微細凹凸表面の細かい凹凸を測定してしまい、凸部のカウントに支障をきたすためである。なお、対物レンズを低倍率にすると、高さ方向の解像度も低下するため、凹凸の少ないサンプルの場合は表面形状が測定しにくくなることもある。このような場合には、高倍率の対物レンズで測定を行なった後、得られたデータにローパスフィルターをかけて空間周波数の高い成分を落とし、凹凸表面に観察される細かいざらつきが見えなくなるようにしてから、凸部の個数をカウントしてもよい。
また、第2の微細凹凸表面(防眩フィルム表面)の凸部の頂点を母点として、その表面をボロノイ分割したときに形成される多角形の平均面積は、100μm2以上1000μm2以下であることが好ましい。まず、ボロノイ分割について説明すると、平面上にいくつかの点(母点という)が配置されているとき、その平面内の任意の点がどの母点に最も近いかによってその平面を分割してできる図をボロノイ図といい、その分割のことをボロノイ分割という。図3に、第2の微細凹凸表面における凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割した例を示す。図3に示される複数の点は、ボロノイ分割の母点301であり、ボロノイ分割により、1つの母点301を含むボロノイ多角形(ボロノイ領域ともいう)302が形成される。ボロノイ図においては、母点の数とボロノイ多角形の数は一致する。
凸部の頂点を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の平均面積が100μm2を下回る場合には、第2の微細凹凸表面(防眩フィルム表面)の傾斜角度が急峻なものとなり、結果として白ちゃけが発生しやすくなる。また、ボロノイ多角形の平均面積が1000μm2より大きい場合には、凹凸表面形状が粗くなり、ギラツキが発生しやすくなり、質感も悪化する傾向にある。
第2の微細凹凸表面の凸部の頂点を母点としたボロノイ分割を行なうことにより得られるボロノイ多角形の平均面積を求めるにあたっては、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により表面形状を測定し、第2の微細凹凸表面の各点の三次元的な座標値を求めてから、以下に示すアルゴリズムによりボロノイ分割を行ない、ボロノイ多角形の平均面積を求める。すなわち、図2を参照して説明したアルゴリズムに従って、まず第2の微細凹凸表面上の凸部の頂点を求め、次に、防眩フィルム基準面にその凸部の頂点を投影する。その後、表面形状の測定によって得られた三次元座標全てをその基準面に投影し、それら投影された全ての点を最近接の母点に帰属させることによってボロノイ分割を行ない、分割されて得られる多角形の面積を求めることにより、ボロノイ多角形の平均面積を求める。測定に際しては、誤差を少なくするために、図3に示される測定視野の境界に接するボロノイ多角形303については、先の凸部の数としては数えるが、平均面積を求めるときには算入しない。また、測定誤差を少なくするために、200μm×200μm以上の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
なお、図3においては、一部の母点及びボロノイ多角形に対してのみ引き出し線と符号を付しているが、母点とボロノイ多角形が多数存在することは、以上の説明とこの図から容易に理解されるであろう。
上記したように、本発明の防眩フィルムは、反射特性と内部散乱特性とを独立に制御することが可能な構成を有しており、優れた光学特性を示し得る。
本発明の防眩フィルムは、第2の微細凹凸表面側から入射角30゜で光を入射したときに、反射角30゜の反射率R(30)が0.05%以上2%以下であり、反射角40゜の反射率R(40)が0.0001%以上0.005%以下であり、そして反射角50゜の反射率R(50)が0.00001%以上0.0005%以下であることが好ましい。反射率R(30)、反射率R(40)および反射率R(50)を上記範囲内とすることにより、優れた防眩性能を示しつつ、白ちゃけがより効果的に抑制された防眩フィルムが提供される。
ここで、第2の微細凹凸表面側から入射角30°で光を入射したときの角度毎の反射率について説明する。図4は、反射率を求めるときの防眩フィルムに対するハードコート層側からの光の入射方向と反射方向とを模式的に示した斜視図である。図4を参照して、防眩フィルム401の第2の微細凹凸表面側で法線402から30°の角度で入射した光405に対し、反射角30°の方向、すなわち、正反射方向406への反射光の反射率(つまり正反射率)をR(30)とする。また、任意の反射角θで反射した光407のうち、θ=40°の反射光の反射率、θ=50°の反射光の反射率をそれぞれ、R(40)、R(50)とする。なお、反射率を測定するときの反射光の方向(正反射方向406および反射角θで反射した光407の反射方向)は、入射した光405の方向と法線402とを含む平面409内とする。
正反射率R(30)が2%を超えると、十分な防眩機能が得られず、視認性が低下する傾向にある。一方、正反射率R(30)があまり小さすぎても、白ちゃけが発生する傾向を示すことから、0.05%以上であるのが好ましい。正反射率R(30)は、1.5%以下、とりわけ0.7%以下であるのがより好ましい。また、R(40)が0.005%を上回るか、またはR(50)が0.0005%を上回ると、防眩フィルムに白ちゃけが発生してしまい、視認性が低下する傾向にある。すなわち、たとえば、表示装置の最前面に防眩フィルムを設置した状態で表示面に黒を表示した場合でも、周囲からの光を拾って表示面が全体的に白くなる白ちゃけが発生してしまう傾向にある。そのため、R(40)およびR(50)はあまり大きくならないようにするのが好ましい。一方、これらの角度における反射率があまり小さすぎても、十分な防眩性を示さなくなることから、R(40)は一般に0.0001%以上であるのが好ましく、R(50)は一般に0.00001%以上であるのが好ましい。R(50)は、より好ましくは0.0001%以下である。
図5は、図4における防眩フィルム401の第2の微細凹凸表面側で法線402から30゜の角度で入射した光405に対する反射角θで反射した光407の、反射角θと反射率(反射率は対数目盛)との関係をプロットしたグラフの一例である。このような反射角と反射率の関係を表すグラフ、またはそれから読み取られる反射角毎の反射率を、反射プロファイルと呼ぶことがある。このグラフに示す如く、正反射率R(30)は30゜で入射した光405に対する反射率のピークであり、正反射方向から角度がずれるほど反射率は低下する傾向にある。図5に示す反射プロファイルの例では、正反射率R(30)が約0.17%、R(40)が約0.0004%、そしてR(50)が約0.00005%となっている。
本発明者らの調査によれば、現在市中に出回っている防眩フィルムの大部分は、フィラーを分散させたタイプであり、そのようなタイプでは、正反射率R(30)が0.05%以上2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が0.0001%以上0.005%以下、反射角50゜の反射率R(50)が0.00001%以上0.0005%以下であるものは存在せず、結果として十分な防眩性能を示しながら、白ちゃけない防眩フィルムはなかった。これに対し、本発明の防眩フィルムは、十分な防眩性能を示しながらも、白ちゃけが抑えられた優れたものである。
防眩フィルムの反射率を測定するにあたっては、0.001%以下の反射率を精度良く測定することが必要である。そこで、ダイナミックレンジの広い検出器の使用が有効である。このような検出器としては、たとえば、市販の光パワーメーターなどを用いることができ、この光パワーメーターの検出器前にアパーチャーを設け、防眩フィルムを見込む角度が2°になるようにした変角光度計を用いて測定を行なうことができる。入射光としては、380〜780nmの可視光線を用いることができ、測定用光源としては、ハロゲンランプ等の光源から出た光をコリメートしたものを用いてもよいし、レーザーなどの単色光源で平行度の高いものを用いてもよい。裏面が平滑で透明な防眩フィルムの場合は、防眩フィルム裏面からの反射が測定値に影響を及ぼすことがあるため、たとえば、黒色のアクリル樹脂板に防眩フィルムの平滑面を粘着剤または水やグリセリン等の液体を用いて光学密着させることにより、防眩フィルム最表面(第2の微細凹凸表面)の反射率のみが測定できるようにするのが好ましい。
また、本発明の防眩フィルムは、透明支持体側から入射角20゜で光を入射したときに第2の微細凹凸表面側法線方向で観測される相対散乱光強度T(20)が0.0001%以上0.0005%以下の値を示し、透明支持体側から入射角30°で光を入射したときに第2の微細凹凸表面側法線方向で観測される相対散乱光強度T(30)が0.00004%以上0.00025%以下の値を示すことが好ましい。ここで、透明支持体側から入射角20゜で光を入射したとき、および入射角30°で光を入射したときの、第2の微細凹凸表面側法線方向における相対散乱光強度T(20)およびT(30)について説明する。
図6は、透明支持体側から光を入射し、第2の微細凹凸表面側法線方向における散乱光強度を測定するときの、光の入射方向と透過散乱光強度測定方向とを模式的に示した斜視図である。図6を参照して、防眩フィルム601の透明支持体側で法線602からある角度φ(入射角とする)で入射した光203に対し、ハードコート層側の法線202方向に透過する透過散乱光604の強度を測定し、その透過散乱光強度を光源の光強度で除した値を相対散乱光強度T(φ)とする。すなわち、防眩フィルム601の透明支持体側で法線から20°の角度で光603を入射したときに、第2の微細凹凸表面側法線602方向で観測される透過散乱光604の強度を光源の光強度で除した値がT(20)であり、防眩フィルム601の透明支持体側で法線602から30°の角度で光603を入射したときに、第2の微細凹凸表面側法線602方向で観測される透過散乱光604の強度を光源の光強度で除した値がT(30)である。なお、光603は、透明支持体側から入射される光603の方向と防眩フィルムの法線602とが同一平面(図6における平面609)上となるように入射される。
20°入射のときの相対散乱光強度T(20)が0.0005%を上回る場合には、この防眩フィルムを画像表示装置に適用したときに、散乱光によって黒表示時の輝度が上昇し、コントラストを低下させる。また、20°入射のときの相対散乱光強度T(20)が0.0001%を下回る場合には、散乱効果が低く、高精細な画像表示装置に適用したときにギラツキが発生する。同様に、30°入射のときの相対散乱光強度T(30)が0.00025%を上回る場合にも、この防眩フィルムを画像表示装置に適用したときに、散乱光によって黒表示時の輝度が上昇し、コントラストを低下させる。また、30°入射のときの相対散乱光強度T(30)が0.00004%を下回る場合にも、散乱効果が低く、高精細な画像表示装置に適用したときにギラツキが発生する。特に、防眩フィルムを自発光型ではない液晶ディスプレイに適用したときには、黒表示時の光漏れに起因する散乱による輝度上昇効果が大きいため、相対散乱光強度T(20)およびT(30)が上記好ましい範囲を上回ると、コントラストを顕著に低下させ、視認性を損なう結果となる。
図7は、図6における防眩フィルム601の透明支持体側からの入射角φを変えて測定される相対散乱光強度(対数目盛)を入射角φに対してプロットしたグラフの一例である。このような入射角と相対散乱光強度との関係を表すグラフ、またはそれから読み取られる入射角毎の相対散乱光強度を、透過散乱プロファイルと呼ぶことがある。このグラフに示されるように、相対散乱光強度は入射角0゜でピークを示し、入射される光603の法線方向からの角度が大きくなるほど、散乱光強度は低下する傾向にある。なお、入射角のプラス(+)とマイナス(−)は、法線方向(0°)を中心に、入射される光603の方向と法線602を含む平面609内での入射光の傾きによって定まるものである。したがって、透過散乱プロファイルは、入射角0°を中心に、左右対称に現れるのが通例である。図7に示す透過散乱プロファイルの例では、0°入射のときの相対散乱光強度T(0)が約30%でピークを示し、20°入射のときの相対散乱光強度T(20)が約0.0002%、30°入射のときの相対散乱光強度T(30)が約0.00004%となっている。
これまでに、透過散乱光強度について言及した文献として、たとえば、上記特許文献6および7などがあるが、いずれの文献においても、本発明の防眩フィルムが示し得る散乱特性とは異なり、画像表示装置に適用したときに高いコントラストを達成し、ギラツキを抑制するのに必ずしも十分なものとはいえなかった。
防眩フィルムの相対散乱光強度を測定するにあたっては、反射率測定と同様に、0.001%以下の相対散乱光強度を精度良く測定することが必要である。そこで、ダイナミックレンジの広い検出器の使用が有効である。このような検出器としては、たとえば、市販の光パワーメーターなどを用いることができ、この光パワーメーターの検出器前にアパーチャーを設け、防眩フィルムを見込む角度が2°になるようにした変角光度計を用いて測定を行うことができる。入射光には380〜780nmの可視光線を用いることができ、測定用光源としては、ハロゲンランプ等の光源から出た光をコリメートしたものを用いてもよいし、レーザーなどの単色光源で平行度の高いものを用いてもよい。また、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供することが好ましい。
本発明の防眩フィルムには、埃付着防止や組み合わせて用いられる画像表示素子への悪影響を回避するために、導電性が付与されてもよい。導電性を付与する方法としては、第1の樹脂層および/または第2の樹脂層に導電性付与物質を含有させる方法を挙げることができる。導電性付与物質としては、金属微粒子または金属酸化物微粒子、導電性ポリマー、界面活性剤などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を第1の樹脂層および/または第2の樹脂層を構成する電離放射線硬化性樹脂に含有させればよい。
本発明の防眩フィルムは、その最表面、すなわち第2の微細凹凸表面側に低反射膜がない状態でも十分な防眩機能を発揮するが、第2の微細凹凸表面上に低反射膜を設けることもできる。低反射膜は、第2の樹脂層の上に、透明支持体よりも屈折率の低い低屈折率材料の層を設けることにより形成できる。そのような低屈折率材料としては、具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、氷晶石(3NaF・AlF3またはNa3AlF6)等の無機材料微粒子を、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、また、フッ素系またはシリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。低反射膜の屈折率をn3としたとき、n3<n1<n2となるようにし、低反射膜および第2の樹脂層の膜厚を制御することにより、第2の微細凹凸表面側からの光の反射をより小さくすることができる。
<防眩フィルムの製造方法>
次に、本発明の防眩フィルムを好適に製造し得る方法について説明する。本発明の防眩フィルムは、凹凸が形成された金属金型を用い、その金型の凹凸形状を電離放射線硬化樹脂に転写するエンボス法を用いて好適に製造することができる。具体的には、第1の微細凹凸表面を有する第1の樹脂層を、金属金型を用いたエンボス法により形成する場合には、たとえば、透明支持体の表面上に、上記したような電離放射線硬化性樹脂を塗布して電離放射線硬化性樹脂層を形成し、その硬化性樹脂層を金属金型の凹凸表面に密着させた状態で透明支持体側から電離放射線(たとえば紫外線など)を照射することにより硬化性樹脂層を硬化させ、金属金型の凹凸形状を電離放射線硬化樹脂からなる層に転写させる。ついで、金属金型から、第1の樹脂層(電離放射線硬化樹脂)が形成された透明支持体を剥離する。第2の樹脂層をエンボス法により第1の樹脂層上に形成する場合も同様である。
本発明においては、防眩フィルムの第1の樹脂層の表面(第1の微細凹凸表面)または第2の樹脂層の表面(第2の微細凹凸表面)の少なくとも一方が金属金型を用いたエンボス法により形成されることが好ましく、少なくとも第1の微細凹凸表面は、エンボス法により形成されることがより好ましい。特に好ましくは、第1の微細凹凸表面および第2の微細凹凸表面の双方がエンボス法により形成される。
本発明の防眩フィルムを製造するために好適に用いられる金属金型は、以下のようにして製造することができる。この金型製造方法においては、表面凹凸を有する金属金型を得るために、金属基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施し、そのめっき表面を研磨した後、その研磨面に微粒子をぶつけて凹凸を形成し、その凹凸形状を鈍らせる加工を施した後、その凹凸面にクロムめっきを施して、金型とする。以下、当該金型製造方法について詳細に説明する。
まず、金属基材表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施す。このように、金型を構成する金属の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、後工程におけるクロムめっきの密着性や光沢性を上げることができる。鉄などの表面にクロムめっきを施した場合、あるいはクロムめっき表面にサンドブラスト法やビーズショット法などで凹凸を形成してから再度クロムめっきを施した場合は、先に背景技術の項で述べた如く、表面が荒れやすく、細かいクラックが生じて、防眩フィルムの形状に好ましくない影響を与えることがある。これに対して、表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、このような不都合がなくなることが見出された。これは、銅めっきやニッケルめっきは、被覆性が高く、また平滑化作用が強いために、金属基材の微小な凹凸や巣などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。これらの銅めっきおよびニッケルめっきの特性によって、金属基材に存在していた微小な凹凸や巣に起因すると思われるクロムめっき表面の荒れが解消され、また、銅めっきやニッケルめっきの被覆性の高さから、細かいクラックの発生が低減されるものと考えられる。
ここでいう銅またはニッケルは、それぞれの純金属であることができるほか、銅を主体とする合金、またはニッケルを主体とする合金であってもよい。したがって、本明細書でいう銅は、銅および銅合金を含む意味であり、またニッケルは、ニッケルおよびニッケル合金を含む意味である。銅めっきおよびニッケルめっきは、それぞれ電解めっきで行なっても無電解めっきで行なってもよいが、通常は電解めっきが採用される。
金型を構成するのに好適な金属として、コストの観点からアルミニウムや鉄などが挙げられる。取扱いの利便性からは、軽量なアルミニウムがより好ましい。ここでいうアルミニウムや鉄も、それぞれ純金属であることができるほか、アルミニウムまたは鉄を主体とする合金であってもよい。このような金属基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施し、さらにその表面を研磨して、より平滑で光沢のある表面を得た後、その表面に微粒子をぶつけて微細な凹凸を形成し、その凹凸形状を鈍らせる加工を施した後、さらにそこにクロムめっきを施して、金型を構成する。
銅めっきまたはニッケルめっきを施す際には、めっき層があまり薄いと、下地金属の影響が排除しきれないことから、その厚みは10μm以上であるのが好ましい。めっき層厚みの上限は臨界的でないが、コスト等を考慮すれば、一般には500μm程度までで十分である。
金属金型の形状は、平らな金属板であってもよいし、円柱状または円筒状の金属ロールであってもよい。金属ロールを用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができる。
ここで、平板状の金属基材を用いた場合における金属金型の製造方法の一例を図8に示す。図8は、各工程での金属金型の状態を模式的な断面図で示している。図8(a)は、銅めっきまたはニッケルめっきと鏡面研磨を施した後の金属基材の断面を示すものであって、金属基材801の表面にはめっき層802が形成され、その表面が研磨面803となっている。このような鏡面研磨後のめっき層802の表面に微粒子をぶつけることにより、凹凸を形成する(ブラスト処理、図8(b)参照)。微粒子がぶつけられることで、部分球面状の微細な凹面804が形成されている。
次に、こうして微粒子による凹凸が形成された面に、凹凸形状を鈍らせる加工を施す(図8(c1)および(c2)参照)。凹凸形状を鈍らせる方法としては、エッチング処理による方法(図8(c1))、銅めっきによる方法(図8(c2))を挙げることができる。エッチング処理による方法では、図8(b)に示される部分球面状の凹面804と、これによって形成される鋭角的な突起が、エッチングにより削られて、部分球面上の鋭角的な突起が鈍らされた表面806aが形成されている。なお、図8(c1)においては、エッチングにより鈍らされる前の状態(図8(b)に示される部分球面状の凹面804)を破線で示している。一方、銅めっきによる方法では、図8(b)に示される部分球面状の凹面804上に銅めっき層805が形成され、これによって、部分球面上の鋭角的な突起が鈍らされた表面806bが形成されている。
その後、クロムめっきを施すことによって、表面の凹凸形状をさらに鈍らせる(図8(d1)および(d2)参照)。図8(d1)はエッチング処理によって鋭角的な突起が鈍らされた表面806a上にクロムめっき層807が形成された状態、図8(d2)は銅めっきによって鋭角的な突起が鈍らされた表面806b上にクロムめっき層807が形成された状態を示す概略断面図である。図8(c1)から(d1)に至るエッチング処理を採用する例では、図8(c1)に示したエッチングにより鋭角的な突起が鈍らされた表面806a上にクロムめっき層807が形成されており、クロムめっき層の表面808の凹凸は、表面806aの凹凸に比べて、クロムめっきによりさらに鈍った状態、換言すれば凹凸形状が緩和された状態になっている。また、図8(c2)から(d2)に至る銅めっきを採用する例では、金属基材801上の銅またはニッケルめっき層802に形成された微細な凹面上に、銅めっき層805が形成され、さらにその上にクロムめっき層807が形成されており、クロムめっき層の表面808は、クロムめっきにより、図8(c2)に示される表面806bの凹凸に比べてさらに鈍った状態、換言すれば凹凸形状が緩和された状態になっている。このように、銅またはニッケルめっき層802の表面に微粒子をぶつけて凹凸を形成した後、その凹凸形状を鈍らせる加工を施した表面806aまたは806bに、クロムめっきを施すことにより、実質的に平坦部がない金属金型を得ることができる。また、そのような金型が、好ましい光学特性を示す防眩フィルムを得るのに好適である。
金属基材上の銅またはニッケルからなるめっき層には、表面が研磨された状態で、微粒子がぶつけられるのであるが、特に、鏡面に近い状態に研磨されていることが好ましい。なぜなら、基材となる金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っているためである。銅めっきまたはニッケルめっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあるし、また、めっきした状態で、表面が完全に平滑になるとは限らない。深い加工目などが残った状態では、微粒子をぶつけて基材表面を変形させても、微粒子により形成される凹凸よりも加工目などの凹凸のほうが深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性がある。そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。
めっきが施された基材表面を研磨する方法に特別な制限はなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法などが例示される。研磨後の表面粗度は、算術平均高さPaで表して、Paが1μm以下であることが好ましく、より好ましくはPaが0.5μm以下である。Paがあまり大きくなると、微粒子をぶつけて金属の表面を変形させても、変形前の表面粗度の影響が残る可能性があるので好ましくない。また、Paの下限については特に制限されず、加工時間や加工コストなどを考慮して適宜の値とされる。
金属基材のめっきが施された表面に微粒子をぶつける方法としては、噴射加工法が好適に用いられる。噴射加工法には、サンドブラスト法、ショットブラスト法、液体ホーニング法などがある。これらの加工に用いられる粒子としては、鋭い角があるような形状よりは、球形に近い形状であるほうが好ましく、また加工中に破砕されて鋭い角が出ないような、硬い材質の粒子が好ましい。これらの条件を満たす粒子として、セラミックス系の粒子では、球形ジルコニアのビーズや、アルミナのビーズが好ましく用いられる。また金属系の粒子では、スチールやステンレススチール製のビーズが好ましい。さらには、樹脂バインダにセラミックスや金属の粒子を担持させた粒子を用いてもよい。
金属基材のめっきが施された表面にぶつける微粒子として、平均粒径が10〜150μmのもの、特に球形の微粒子を用いることにより、優れた防眩性能を示す防眩フィルムを作製することができる。微粒子の平均粒径が10μmより小さいと、めっきが施された表面に十分な凹凸を形成することが困難となり、十分な防眩性能が得られにくくなる。一方、微粒子の平均粒径が150μmより大きいと、表面凹凸が粗くなり、ギラツキが発生したり質感が低下したりしやすい。ここで、平均粒径が15μm以下の微粒子を用いて加工する際には、粒子が静電気等で凝集しないよう、適当な分散媒に分散させて加工する湿式ブラスト法を採用することが好ましい。
また、微粒子をぶつける際の圧力、微粒子の使用量、微粒子を噴射するノズルから金属表面までの距離も、加工後の金属金型の凹凸形状、延いては防眩フィルムの第1および/または第2の微細凹凸表面の形状に影響するが、一般には、ゲージ圧で0.05〜0.4MPa程度の圧力、また処理される金属の表面積1cm2あたり2〜12g程度の微粒子量、微粒子を噴射するノズルから金属表面まで200mm〜600mm程度の距離から、用いる微粒子の種類や粒径、金属の種類、微粒子を噴射するノズルの形状、所望の凹凸形状などに応じて、適宜選択すればよい。
防眩フィルムの第2の微細凹凸表面を形成するための金属金型については、金属基材のめっきが施された表面に微粒子をぶつけることによって形成された凹凸形状は、任意の断面曲線の算術平均高さPaが0.1μm以上1.5μm以下であり、その断面曲線における算術平均高さPaと平均長さPSmの比Pa/PSmが0.02以上0.1以下であることが好ましい。算術平均高さPaが0.1μmより小さいか、または比Pa/PSmが0.02より小さい場合には、クロムめっき加工前に凹凸形状を鈍らせる加工を施した際に、凹凸表面がほぼ平坦面となってしまい、望む表面形状の金型が得られにくい。また、算術平均高さPaが1.5μmより大きいか、または比Pa/PSmが0.1より大きい場合には、クロムめっき加工前の凹凸形状を鈍らせる加工を強い条件で行なわなければならず、表面形状の制御が困難なものとなりやすい。
このようにして銅めっきまたはニッケルめっき表面に凹凸が形成された基材に、凹凸形状を鈍らせる加工を施す。凹凸形状を鈍らせる加工としては、先に図8を参照して説明したように、エッチング処理または銅めっきが好ましい。エッチング処理を行なうことによって、微粒子をぶつけて作製した凹凸形状の鋭利な部分がなくなる。それにより、金型として使用した際に作製される防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。また、銅めっきは平滑化作用が強いため、クロムめっきより凹凸形状を鈍らせる効果が強い。それにより、金型として使用した際に作製される防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。
ただし、防眩フィルムの第1の微細凹凸表面を形成するための金属金型については、後述するように第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層せず、第1の微細凹凸表面が空気と接する最表面となっている状態での積層フィルムのヘイズ50%以上とすることから、凹凸形状を鈍らせる加工を行なわずにクロムめっき加工を施して、表面微細凹凸形状の粗い、すなわち算術平均高さの大きい金型としても構わない。
エッチング処理は通常、塩化第二鉄(FeCl3)水溶液、塩化第二銅(CuCl2)水溶液、アルカリエッチング液(Cu(NH3)4Cl2)などを用い、表面を腐食させることによって行なわれるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した後の凹凸のなまり具合は、下地金属の種類、ブラストなどの手法により得られた凹凸のサイズと深さなどによって異なるため、一概には言えないが、なまり具合を制御するうえで最も大きな因子は、エッチング量である。ここでいうエッチング量とは、エッチングにより削られる基材(めっき層)の厚さである。エッチング量が小さいと、ブラストなどの手法により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方、エッチング量が大きすぎると、凹凸形状がほとんどなくなってしまい、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、防眩フィルムの第2の微細凹凸表面を形成するための金属金型については、エッチング量は1μm以上20μm以下となるようにするのが好ましく、さらには2μm以上10μm以下であるのがより好ましい。
鈍らせる加工として銅めっきを採用する場合、凹凸のなまり具合は、下地金属の種類、ブラストなどの手法により得られた凹凸のサイズと深さ、また、めっきの種類や厚みなどによって異なるため、一概には言えないが、なまり具合を制御するうえで最も大きな因子はめっき厚みである。銅めっき層の厚みが薄いと、ブラストなどの手法により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方、めっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえ、凹凸形状がほとんどなくなってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、防眩フィルムの第2の微細凹凸表面を形成するための金属金型については、銅めっきの厚みは1μm以上20μm以下となるようにするのが好ましく、さらには4μm以上10μm以下であるのがより好ましい。
このようにして銅めっきまたはニッケルめっき表面に凹凸が形成された金属基材の表面形状を鈍らせた後、さらにクロムめっきを施すことにより、凹凸の表面をより一層鈍らせるとともに、その表面硬度を高めた金属金型を作る。この際の凹凸のなまり具合も、下地金属の種類、ブラストなどの手法により得られた凹凸のサイズと深さ、また、めっきの種類や厚みなどによって異なるため、一概には言えないが、なまり具合を制御するうえで最も大きな因子は、やはりめっき厚みである。クロムめっき層の厚みが薄いと、クロムめっき加工前に得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方、めっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえに、ノジュールと呼ばれる突起状のめっき欠陥が発生してしまう。そこで、防眩フィルムの第2の微細凹凸表面を形成するための金属金型については、クロムめっきの厚みは1μm以上10μm以下となるようにするのが好ましく、さらには2μm以上6μm以下であるのがより好ましい。
クロムめっきは、光沢があって、硬度が高く、摩擦係数が小さく、良好な離型性を与え得るため好ましい。クロムめっきの種類は特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行なわれ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO3)と少量の硫酸とを含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。
クロムめっきが施された金型表面は、そのビッカース硬度が800以上であることが好ましく、より好ましくは1000以上である。ビッカース硬度が低いと、金型使用時の耐久性が低下するうえに、クロムめっきで硬度が低下することは、めっき処理時にめっき浴組成や電解条件等に異常が発生している可能性が高く、欠陥の発生状況についても好ましくない影響を与える可能性が高い。
ここで、上記特許文献1および4には、金型となる金属基材表面にクロムめっきすることが開示されているが、金型のめっき前の下地とクロムめっきの種類によっては、めっき後に表面が荒れたり、クロムめっきによる微小なクラックが多数発生したりすることが多く、その結果、作製される防眩フィルムの光学特性が好ましくない方向へと進む。めっき表面が荒れた状態のものは、防眩フィルム用の金型に向いていない。なぜなら、一般的にざらつきを消すためにクロムめっき後にめっき表面を研磨することが行なわれているが、後述するように、めっき後の表面の研磨が好ましくないからである。上述の本発明において好適に用いられる金型の製造方法においては、下地金属に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、クロムめっきで生じやすいこのような不都合を解消している。
クロムめっきを施す前に凹凸形状を鈍らせる加工を施さない場合には、微粒子をぶつけて作製した凹凸形状の鋭利な部分を十分に鈍らせるために、クロムめっきを厚くしなくてはならない。しかしながら、クロムめっきの厚みを厚くしすぎると、ノジュールが発生しやすくなるので、好ましくない。また、クロムめっきの厚みを薄くした場合には、微粒子をぶつけて作製した凹凸形状を十分に鈍らせることができず、望む表面形状の金型が得られないことから、その金型を用いて作製した防眩フィルムも優れた防眩性能を示さない傾向にある。
上記特許文献1には、鉄の表面にクロムめっきしたローラーにサンドブラスト法やビーズショット法により凹凸型面を形成した後、クロムめっきを施すことが記載され、また、上記特許文献3および4には、ロール表面にビーズショット法やブラスト処理を施すことが記載されている。しかし、微粒子をぶつけて凹凸形状を形成した後に表面形状を積極的に鈍らせる加工を施したうえで、クロムめっき加工を施して表面凹凸形状を鈍らせる方法について言及したものはなく、本発明者らの検討によれば、上で説明したように積極的に表面形状を鈍らせる加工を施さなければ、優れた防眩性能を示す防眩フィルムを製造することはできなかった。
なお、凹凸をつけた金属表面にクロムめっき以外のめっきを施すことは好ましくない。なぜなら、クロム以外のめっきでは、硬度や耐摩耗性が低くなるため、金型としての耐久性が低下し、使用中に凹凸が磨り減ったり、金型が損傷したりする。そのような金型から得られた防眩フィルムでは、十分な防眩機能が得られにくい可能性が高く、また、フィルム上に欠陥が発生する可能性も高くなる。
クロムメッキ後は、表面を研磨せず、そのままクロムメッキ面を金型の凹凸面として用いるのが有利である。上記特許文献4には、めっき後の表面を研磨することが記載されているが、このようにクロムめっき面を研磨することは、本発明においては好ましくない。研磨することにより、最表面に平坦な部分が生じるため、光学特性の悪化を招く可能性があること、形状の制御因子が増えるため、再現性の良い形状制御が困難になることなどの理由からである。図9は、微粒子をぶつけて得られた凹凸形状を鈍らせる加工、ここでは、図8(c1)に示したエッチング処理を施した後、図8(d1)に示したクロムめっきを施した面を研磨した場合における、金属金型の表面状態を示す断面模式図である。研磨により、銅またはニッケルめっき層802の表面に形成されたクロムめっき層の表面808の凹凸のうち、一部の凸が削られ、平坦面809が生じている。図9には、図8(d1)に示したエッチング後クロムめっきした表面を研磨した場合の例を示したが、図8(d2)に示した銅めっき後クロムめっきした場合も、その表面を研磨すれば、同様に平坦面が生じることになる。
本発明の防眩フィルムは、第1の樹脂層および第2の樹脂層がともに、上記した方法により作製された、所定形状の凹凸を有する金属金型を用いたエンボス法により形成されることが好ましい。具体的には、金属金型の凹凸形状を、透明支持体上に塗布した電離放射線硬化樹脂に転写し、凹凸面が転写された硬化樹脂(第1の樹脂層)と透明支持体との積層体を金型から剥離した後、第1の樹脂層上に電離放射線硬化性樹脂を塗布し、所定形状の凹凸を有する金属金型を用いて、該金属金型の凹凸形状を電離放射線硬化樹脂に転写し、凹凸面が転写された硬化樹脂(第2の樹脂層)と第1の樹脂層と透明支持体との積層体を金型から剥離することにより作製することができる。
この際、本発明においては、第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層せず、第1の微細凹凸表面が空気と接する最表面となっている状態での積層フィルムのヘイズ50%以上とする。ヘイズが50%よりも小さいと、第1の樹脂層と第2の樹脂との屈折率差が比較的小さい場合、得られる防眩フィルムの第1の微細凹凸表面による内部散乱効果が少ないため、所定の散乱特性およびヘイズを防眩フィルムに与えてギラツキを解消するための第1の微細凹凸表面の形成が困難となる傾向にある。
なお、透明支持体上に、第1の樹脂層をエンボス法により形成した後、金属金型を用いることなく、電離放射線硬化性樹脂を第1の樹脂層上に塗布し、これを硬化させることにより、第2の樹脂層を形成することも可能である。この場合、第2の樹脂層表面(第2の微細凹凸表面)の凹凸形状は、第2の樹脂層の厚みにもよるが、第1の微細凹凸表面の形状に大きく依存することになる。ただし、上記したように、本発明においては、反射特性と内部散乱特性とが独立に制御されることが好ましく、このためには、第1の微細凹凸表面の形状と第2の微細凹凸表面の形状とは、独立に制御されることが好ましいことから、本発明の防眩フィルムは、第1の微細凹凸表面が、その上に形成される第2の樹脂層表面の微細凹凸形状に影響を及ぼさないように製造されることが好ましい。したがって、本発明の防眩フィルムは、その第1の樹脂層および第2の樹脂層がともに金属金型を用いたエンボス法により形成されることが好ましい。
<防眩性偏光板>
本発明の防眩フィルムは、防眩効果に優れ、白ちゃけも有効に防止され、ギラツキの発生およびコントラストの低下を効果的に抑制できるため、画像表示装置に装着したときに視認性に優れたものとなる。画像表示装置が液晶ディスプレイである場合には、この防眩フィルムを偏光板に適用することができる。すなわち、偏光板は一般に、ヨウ素または二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが貼合された形のものが多いが、その一方の保護フィルムを本発明の防眩フィルムで構成する。偏光フィルムと、本発明の防眩フィルムとを、その防眩フィルムの透明支持体側で貼り合わせることにより、防眩性偏光板とすることができる。この場合、偏光フィルムの他方の面は、何も積層されていない状態でもよいし、別の保護フィルムまたは光学フィルムが積層されていてもよいし、また液晶セルに貼合するための粘着剤層が形成されていてもよい。また、偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムが貼合された偏光板の当該保護フィルム上に、本発明の防眩フィルムをその透明支持体側で貼合して、防眩性偏光板とすることもできる。さらに、少なくとも片面に保護フィルムが貼合された偏光板において、当該保護フィルムとして上記透明支持体を偏光フィルムに貼合した後、該透明支持体上に第1および第2の樹脂層を形成することにより、防眩性偏光板とすることもできる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の防眩フィルムまたは防眩性偏光板を画像表示素子と組み合わせたものである。ここで、画像表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行なう液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種ディスプレイに対しても、本発明の防眩フィルムまたは防眩性偏光板を適用することができる。本発明の画像表示装置においては、防眩フィルムは、画像表示素子よりも視認側に配置される。この際、防眩フィルムの凹凸面、すなわち第2の樹脂層側が外側(視認側)となるように配置される。防眩フィルムは、画像表示素子の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを画像表示素子とする場合は、たとえば先述のように、偏光フィルムを介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように、本発明の防眩フィルムを備えた画像表示装置は、防眩フィルムの有する表面の凹凸により入射光を散乱して映り込み像をぼかすことができ、優れた視認性を与える。
また、本発明の防眩フィルムを高精細の画像表示装置に適用した場合でも、従来の防眩フィルムに見られたようなギラツキが発生することもなく、十分な映り込み防止、白ちゃけの防止、ギラツキの抑制、コントラストの低下抑制という性能を兼備したものとなる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の例における金型および防眩フィルムの評価方法は、次のとおりである。
(1)金型のビッカース硬度の測定
Krautkramer社製の超音波硬度計「MIC10」を用いて、JIS Z 2244に準拠した方法でビッカース硬度を測定した。測定は、金型自体の表面にて行なった。
(2)防眩フィルムの光学特性の測定
(2−1)反射プロファイル
防眩フィルムの凹凸面(第2の微細凹凸表面)に、フィルム法線に対して30゜傾斜した方向から、He−Neレーザーからの平行光を照射し、フィルム法線と照射方向を含む平面内における反射率の角度変化の測定を行なった。反射率の測定には、いずれも横河電機(株)製の「3292 03 オプティカルパワーセンサー」および「3292 オプティカルパワーメーター」を用いた。
(2−2)透過散乱プロファイル
防眩フィルムを、その凹凸面(第2の微細凹凸表面)が表面となるようガラス基板に貼合し、そのガラス面側より、フィルム法線に対して所定の角度傾斜した方向から、He−Neレーザーからの平行光を照射し、防眩フィルム凹凸面(第2の微細凹凸表面)側でのフィルム法線方向の透過散乱光強度を測定した。透過散乱光強度の測定には、いずれも横河電機(株)製の「3292 03 オプティカルパワーセンサー」および「3292 オプティカルパワーメーター」を用いた。
(2−3)ヘイズ
防眩フィルムの反りを防止するため、防眩フィルムを光学的に透明な粘着剤を用いて、その第2の微細凹凸表面が表面となるようにガラス基板に貼合し、JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて全体のヘイズ(全体ヘイズ)を測定した。次に、防眩フィルムの第2の微細凹凸表面に、ヘイズがほぼ0であるトリアセチルセルロースフィルムをグリセリンを用いて貼合し、再度JIS K 7136に準拠して、内部ヘイズを測定した。表面ヘイズは、上記式(1)に基づいて算出した。
また、下記の実施例1〜3および比較例2〜4においては、透明支持体であるトリアセチルセルロースフィルム上に、表面に微細凹凸形状を有する第1の樹脂層のみが積層された状態の積層フィルムについてもヘイズを測定した(表1において、「単層のヘイズ値」と称している。)。このヘイズの測定は、第2の樹脂層を有しない状態の積層フィルムについて測定を行なうこと以外は、上記全体ヘイズと同様にして測定を行なった。
(2−4)反射鮮明度
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて、防眩フィルムの反射鮮明度を測定した。この場合も、防眩フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面(第2の微細凹凸表面)が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供した。また、裏面のガラス面からの反射を防止するために、防眩フィルムを貼ったガラス板のガラス面に2mm厚みの黒色アクリル樹脂板を水で密着させて貼り付け、この状態で第2の微細凹凸表面側から光を入射し、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部との幅がそれぞれ0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである3種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である(最大値300%)。
(3)防眩フィルムの表面形状の測定
Sensofar社製の共焦点顕微鏡「PLμ2300」を用いて、防眩フィルムの表面形状(第2の微細凹凸表面の形状)を測定した。この場合も、防眩フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面(第2の微細凹凸表面)が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は50倍とし、解像度を落として測定を行なった。高解像度で測定すると、防眩フィルム表面の細かい凹凸を測定してしまい、凸部のカウントに支障をきたすためである。
(3−1)算術平均高さPa、最大断面高さPtおよび平均長さPSm
上記測定データをもとに、JIS B 0601に準拠した計算により、断面曲線における算術平均高さPa、最大断面高さPt、および平均長さPSmを求めた。
(3−2)凸部の数
上記測定で得られた防眩フィルム表面各点の三次元的な座標値をもとに、先に図2を参照して説明したアルゴリズムに従って、200μm×200μmの領域内に存在する凸部の数を求めた。
(3−3)ボロノイ分割したときのボロノイ多角形平均面積
上記測定で得られた防眩フィルム表面各点の三次元的な座標値をもとに、先に図2および図3を参照して説明したアルゴリズムに基づいて計算し、ボロノイ多角形の平均面積を求めた。
(4)防眩フィルムの防眩性能の評価
(4−1)白ちゃけの評価
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面(第2の微細凹凸表面)が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、白ちゃけの程度を次の3段階で評価した。
白ちゃけ;1 白ちゃけが観察されない。2:白ちゃけが少し観察される。3:白ちゃけが明瞭に観察される。
(4−2)ギラツキの評価
ギラツキは以下の方法で評価した。まず、図10に平面図で示すようなユニットセルのパターンを有するフォトマスクを用意した。この図において、ユニットセル1000は、透明な基板上に、線幅10μmでカギ形のクロム遮光パターン1001が形成され、そのクロム遮光パターン1001の形成されていない部分が開口部1002となっている。ここでは、ユニットセルの寸法が254μm×84μm(図の縦×横)、したがって開口部1002の寸法が244μm×74μm(図の縦×横)のものを用いた。図示するユニットセル1000が縦横に多数並んで、フォトマスクを形成する。
そして、図11に模式的な断面図で示すように、フォトマスク1003のクロム遮光パターン1001を上にしてライトボックス1005に置き、ガラス板1007に粘着剤で防眩フィルム1101をその凹凸面(第2の微細凹凸表面)が表面となるように貼合したサンプルをフォトマスク1003上に置く。ライトボックス1005の中には、光源1006が配置されている。この状態で、サンプルから約30cm離れた位置1009から目視観察することにより、ギラツキの程度を7段階で官能評価した。レベル1はギラツキが全く認められない状態、レベル7はひどくギラツキが観察される状態に該当し、レベル3はごくわずかにギラツキが観察される状態である。
<実施例1>
(A)第1の樹脂層用金型の作製
直径200mmの鉄ロール(JISによるSTKM13A)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚さは約200μmであった。その銅めっき表面を鏡面研磨し、さらにその研磨面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、東ソー(株)製のジルコニアビーズ「TZ−SX−17」(商品名、平均粒径17μm)を、ビーズ使用量8g/cm2(ロールの表面積1cm2あたりの使用量、以下「ブラスト量」とする)、ブラスト圧力0.2MPa(ゲージ圧、以下同じ)、ビーズを噴射するノズルから金属表面までの距離300mm(以下「ブラスト距離」とする)でブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つき銅めっき鉄ロールに対し、凹凸形状を鈍らせる加工を施さずに、クロムめっき加工を行ない、金属金型(A)を作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。得られた金属金型(A)は、表面のビッカース硬度が1,000であった。
(B)第2の樹脂層用金型の作製
上記と同様に、直径200mmの鉄ロール(JISによるSTKM13A)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、さらにその研磨面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、東ソー(株)製のジルコニアビーズ「TZ−B53」(商品名、平均粒径53μm)を、ブラスト量8g/cm2、ブラスト圧力0.15MPa、ブラスト距離450mmでブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つき銅めっき鉄ロールに対し、塩化第二銅水溶液でエッチングを行なった。エッチング量は8μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工を行ない、金属金型(B)を作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。得られた金属金型(B)は、表面のビッカース硬度が1,000であった。
(C)防眩フィルムの作製
(C−1)第1の樹脂層の形成
ペンタエリスリトールトリアクリレートと多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物)とが重量比60/40、固形分濃度60重量%で酢酸エチルに溶解し、レベリング剤が配合されている紫外線硬化性樹脂組成物(樹脂組成物(a))を入手した。この組成物の硬化後の屈折率は1.53である。
上記樹脂組成物(a)を、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)上に、乾燥後の塗布厚みが10μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。次に、乾燥後のフィルムを、その樹脂組成物(a)からなる層が上で作製した金属金型(A)の凹凸表面側になるように配置し、該フィルムを、金属金型(A)の凹凸面にゴムロールで押し付け、密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、樹脂組成物(a)からなる層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂層ごと金属金型(A)から剥離して、TACフィルム上に凹凸を有する第1の樹脂層が形成された積層フィルムを得た。
(C−2)第2の樹脂層の形成
S,S’−(チオジエチレン)−ビス(チオメタクリレート)が酢酸エチルに固形分濃度60重量%で溶解している紫外線硬化性樹脂組成物(樹脂組成物(b))を入手した。この組成物の硬化後の屈折率は1.63である。
上記積層フィルムのの凹凸面(第1の微細凹凸表面)に、上記樹脂組成物(b)を、乾燥後の塗布厚みが5μmとなるように塗布し、55℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。次に、乾燥後のフィルムを、その樹脂組成物(b)からなる層が上で作製した金属金型(B)の凹凸表面側になるように配置し、該フィルムを、金属金型(B)の凹凸面にゴムロールで押し付け、密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、樹脂組成物(b)からなる層を硬化させた。この後、2層の硬化樹脂層を有するTACフィルムを金属金型(B)から剥離して、表面に凹凸を有する2層の硬化樹脂層(第1および第2の樹脂層)とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを得た。
<実施例2>
第1の樹脂層に上記樹脂組成物(b)を用い、第2の樹脂層に上記樹脂組成物(a)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、第1および第2の樹脂層とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを作製した。第1の樹脂層の凹凸表面形成のために金属金型(A)を用い、第2の樹脂層の凹凸表面形成のために金属金型(B)を用いたことは、実施例1と同じである。
<比較例1>
第1の樹脂層を形成せず、金属金型(B)および樹脂組成物(a)を用いて第2の樹脂層のみ形成したこと以外は、実施例2と同様にして、第2の樹脂層とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを作製した。
<比較例2〜3>
金属金型(C)または(D)を用いて第1の樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、第1および第2の樹脂層とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを作製した(それぞれ比較例2、比較例3)。第1の樹脂層には樹脂組成物(a)を、第2の樹脂層には樹脂組成物(b)を用いている。金属金型(C)および(D)は、ブラスト圧力およびエッチング量を表1に示される値としたこと以外は、金属金型(A)と同様にして作製した。
実施例1〜2の防眩フィルムについての反射率測定により得られた反射光の角度依存性(反射プロファイルのグラフ)を図12に、散乱光強度測定により得られた散乱光強度の角度依存性(透過散乱プロファイルのグラフ)を図13にそれぞれ示す。同様に、図14、図15はそれぞれ、比較例1〜3の防眩フィルムについての反射プロファイルのグラフ、透過散乱プロファイルのグラフである。
また、上記実施例1〜2および比較例1〜3の防眩フィルムについての、(I)金型作製条件および防眩フィルムの構成材料、(II)第1および第2の微細凹凸表面の表面形状、ならびに(III)防眩フィルムの光学特性および防眩性能を、それぞれ表1〜3にまとめた。なお、表3に示される実施例1の防眩フィルムの反射鮮明度の内訳は、次のとおりである。
反射鮮明度
0.5mm光学くし : 10.6%
1.0mm光学くし : 11.1%
2.0mm光学くし : 21.0%
合計 42.7%
Figure 0005163943
Figure 0005163943
Figure 0005163943
表1〜3に示されるように、本発明の要件を満たす実施例1および2の防眩フィルムは、優れた防眩性能を示しながら、ギラツキや白ちゃけが発生しなかった。比較例1〜3の防眩フィルムは、第1の樹脂層を有しないことに起因して実質的に内部ヘイズを有しないため、または第1の微細凹凸表面形成に異なる金属金型を用いたことに起因して内部ヘイズが小さいために、実施例1に比べギラツキが比較的顕著であった。なお、実施例1〜2の防眩フィルムと、比較例1〜3の防眩フィルムとは、第2の微細凹凸表面について、ほぼ同一の表面形状をもつため、いずれも優れた防眩性能(白ちゃけなど)を有している。
<実施例3>
金属金型(E)を用いて第2の樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、第1および第2の樹脂層とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを作製した。第1の樹脂層には樹脂組成物(a)を、第2の樹脂層には樹脂組成物(b)を用いている。金属金型(E)は、ブラスト圧力およびエッチング量を表2に示される値としたこと以外は、金属金型(A)と同様にして作製した。
<比較例4>
5価のアンチモン化合物を含有する酸化スズ(IV)が16重量部、アクリレートモノマーが80重量部、光重合開始剤が3重量部、および変性シリコーンが1重量部の割合で配合され、メチルエチルケトンとジアセトンアルコールとの混合溶媒に固形分濃度60重量%で溶解している紫外線硬化性樹脂組成物(樹脂組成物(c))を入手した。この組成物の硬化後の屈折率は1.66である。
次に、上記樹脂組成物(c)を用いて第2の樹脂層に用いた以外は、実施例1と同様にして、第1および第2の樹脂層とTACフィルムとの積層体からなる防眩フィルムを作製した。第1の樹脂層の凹凸表面形成のために金属金型(A)を用い、第2の樹脂層の凹凸表面形成のために金属金型(B)を用いたことは、実施例1と同じである。
上記実施例3および比較例4の防眩フィルムについての、(I)金型作製条件および防眩フィルムの構成材料、(II)第1および第2の微細凹凸表面の表面形状、ならびに(III)防眩フィルムの光学特性および防眩性能を、それぞれ表4〜6にまとめた。
Figure 0005163943
Figure 0005163943
Figure 0005163943
表4〜6に示されるように、実施例3の防眩フィルムは、相対散乱強度T(30)が、本発明における好ましい範囲からわずかに外れているため、防眩性能(白ちゃけおよびギラツキ)が実施例1および2に比べるとやや劣るものの、ほぼ良好な結果を与えている。一方、比較例4の防眩フィルムは、第2の樹脂層の構成材料の変更により、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間の界面領域において、これらの樹脂層を構成する硬化樹脂の混和が生じ、内部ヘイズが小さくなっている。そのため、実施例1〜3の防眩フィルムに比べ、ギラツキが大きくなっている。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の防眩フィルムを、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイなどの各種ディスプレイに対し、その防眩フィルムが画像表示素子よりも視認側となるように配置することで、白ちゃけおよびギラツキを発生させることなく、映り込み像をぼかすことができ、優れた視認性を与えるものとなる。
本発明の防眩フィルムの好ましい一例を示す断面模式図である。 防眩フィルムの凸部判定のアルゴリズムを模式的に示す斜視図である。 防眩フィルムの凸部頂点を母点としてボロノイ分割したときの例を示すボロノイ図である。 反射率を求めるときの第2の微細凹凸表面側からの光の入射方向と反射方向とを模式的に示す斜視図である。 防眩フィルムの法線から30°の角度で入射した光に対する反射光の反射角と反射率(反射率は対数目盛)との関係をプロットしたグラフの一例である。 透明支持体側から光を入射して第2の微細凹凸表面側法線方向で観測される散乱光強度を測定するときの、光の入射方向と透過散乱光強度測定方向とを模式的に示す斜視図である。 入射角φを変えて測定される相対散乱光強度(対数目盛)を入射角に対してプロットしたグラフの一例である。 本発明の防眩フィルムを作製するのに好適に用いられる金属金型の製造方法を模式的に示す工程図である。 金属金型作製時において、クロムめっき後に表面を研磨した場合における金属金型の表面状態を示す断面模式図である。 ギラツキ評価用パターンのユニットセルを示す平面図である。 ギラツキ評価時の状態を示す断面模式図である。 実施例1および2で得られた防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 実施例1および2で得られた防眩フィルムの透過散乱プロファイルを表すグラフである。 比較例1〜3で得られた防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 比較例1〜3で得られた防眩フィルムの透過散乱プロファイルを表すグラフである。
符号の説明
100 透明支持体、101 第1の樹脂層、101a 第1の微細凹凸表面、102 第2の樹脂層、102a,202 第2の微細凹凸表面、201 第2の微細凹凸表面上の任意の点、203 防眩フィルム基準面、204 第2の微細凹凸表面上の任意の点を中心とする円の防眩フィルム基準面への投影円、301 ボロノイ分割の母点(凸部頂点の投影点)、302 ボロノイ多角形、303 測定視野の境界に接するボロノイ多角形、401,601,1101 防眩フィルム、402,602 防眩フィルムの法線、405 30°の角度で入射される光、406 正反射方向、407 反射角θで反射した光、409,609 入射光方向と防眩フィルムの法線とを含む平面、603 法線からφの角度で入射される光、604 法線方向に透過された透過散乱光、801 金属基材、802 めっき層、803 研磨面、804 微粒子をぶつけて形成される凹面、805 銅めっき層、806a,806b 鋭角的な突起が鈍らされた表面、807 クロムめっき層、808 クロムめっき層の表面、809 平坦面、1000 フォトマスクのユニットセル、1001 フォトマスクのクロム遮光パターン、1002 フォトマスクの開口部、1003 フォトマスク、1005 ライトボックス、1006 光源、1007 ガラス板、1009 ギラツキの観察位置。

Claims (9)

  1. 透明支持体の上に積層された、互いに屈折率の異なる第1の樹脂層および第2の樹脂層をこの順に備え、
    前記第1の樹脂層は、前記透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状を有する電離放射線硬化樹脂からなり、
    第2の樹脂層は、前記透明支持体側とは反対側の表面に微細な凹凸形状を有する電離放射線硬化樹脂からなり、
    透明支持体の上に前記第1の樹脂層のみを積層し、前記第1の樹脂層の前記微細な凹凸形状が空気と接する最表面となっている状態でのヘイズが50%以上であり、かつ、
    透明支持体の上に前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層をこの順に積層した状態での表面ヘイズが0.1%以上5%以下であり、内部ヘイズが5%以上30%以下である防眩フィルム。
  2. 前記第2の樹脂層側から入射角30゜で光を入射したときに、
    反射角30゜の反射率R(30)が0.05%以上2%以下であり、
    反射角40゜の反射率R(40)が0.0001%以上0.005%以下であり、
    反射角50゜の反射率R(50)が0.00001%以上0.0005%以下であり、
    前記透明支持体側から入射角20゜で光を入射したときに、防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(20)が0.0001%以上0.0005%以下であり、
    前記透明支持体側から入射角30°で光を入射したときに、防眩フィルム法線方向の相対散乱光強度T(30)が0.00004%以上0.00025%以下である請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層とは、明確な界面を有する請求項1または2に記載の防眩フィルム。
  4. 前記第1の樹脂層の屈折率と前記第2の樹脂層の屈折率との差の絶対値は、0.08以上である請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
  5. 前記第1の樹脂層および/または前記第2の樹脂層は、導電性付与物質を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルム。
  6. 前記第2の樹脂層表面上に、前記透明支持体よりも低い屈折率を有する低屈折率層を含む低反射膜をさらに有する請求項1〜5のいずれかに記載の防眩フィルム。
  7. 前記第1の樹脂層が有する微細凹凸形状および/または前記第2の樹脂層が有する微細凹凸形状は、表面に凹凸を有する金型を用い、該凹凸形状を電離放射線硬化樹脂に転写することにより形成される請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の防眩フィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてなる防眩性偏光板であって、
    前記偏光フィルムは、前記防眩フィルムの前記透明支持体側に配置される防眩性偏光板。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の防眩フィルムまたは請求項8に記載の防眩性偏光板と、画像表示素子とを備え、
    前記防眩フィルムまたは防眩性偏光板は、その第2の樹脂層側を外側にして画像表示素子の視認側に配置される画像表示装置。
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