JP2011017829A - 防眩フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防眩性能を示し、かつ、白ちゃけによる視認性の低下を防止することができるとともに、高精細の画像表示装置に適用した場合においても、ギラツキを発生せずに高いコントラストを発現することができる防眩フィルムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明支持体と、該透明支持体上に積層された、凹凸表面を有する防眩層とを備える防眩フィルムであって、空間周波数0.01μm-1における該凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における該凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2が3〜15の範囲内であり、防眩層は、バインダ樹脂と、該バインダ樹脂に分散された微粒子とから構成され、防眩層の凹凸表面は、バインダ樹脂によって形成された表面からなる防眩フィルムおよびその製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、防眩(アンチグレア)フィルムおよびその製造方法に関し、より詳しくは、透明支持体上に、微細な凹凸表面を有する防眩層が形成されてなる防眩フィルムおよびその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの画像表示装置は、その表示面に外光が映り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。従来、このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、および反射光を利用して表示を行なう携帯電話などにおいては、画像表示装置の表面に外光の映り込みを防止するためのフィルム層が設けられている。このフィルム層は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理が施されたフィルムからなるものと、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させて映り込み像をぼかす防眩処理が施されたフィルムからなるものとに大別される。前者の無反射フィルムは、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要があるため、コスト高になる。これに対して、後者の防眩フィルムは、比較的安価に製造することができるため、大型のパーソナルコンピュータやモニタなどの用途に広く用いられている。
このような防眩フィルムは従来、たとえば、微粒子を分散させた樹脂溶液を基材シート上に膜厚を調整して塗布し、該微粒子を塗布膜表面に露出させることでランダムな表面凹凸を基材シート上に形成する方法などにより製造されている。しかしながら、このような微粒子を分散させた樹脂溶液を用いて製造された防眩フィルムは、樹脂溶液中の微粒子の分散状態や塗布状態などによって表面凹凸の配置や形状が左右されてしまうため、意図したとおりの表面凹凸を得ることが困難であり、防眩フィルムのヘイズを低く設定する場合、十分な防眩効果が得られないという問題があった。さらに、このような従来の防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した場合、散乱光によって表示面全体が白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる「白ちゃけ」が発生しやすいという問題があった。また、最近の画像表示装置の高精細化に伴って、画像表示装置の画素と防眩フィルムの表面凹凸形状とが干渉し、その結果、輝度分布が発生して表示面が見えにくくなる、いわゆる「ギラツキ」現象が発生しやすいという問題もあった。ギラツキを解消するために、バインダ樹脂とこれに分散される微粒子との間に屈折率差を設けて光を散乱させる試みもあるが、そのような防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した際には、微粒子とバインダ樹脂との界面における光の散乱によって、コントラストが低下しやすいという問題もあった。また、コントラストが低下しないように、光の散乱を減少させた場合には、ギラツキの解消効果が不十分になるという問題があった。
一方、微粒子を含有させずに、透明樹脂層の表面に形成された微細な凹凸だけで防眩性を発現させる試みもある。たとえば、特開2002−189106号公報(特許文献1)には、透明樹脂フィルム上に、三次元10点平均粗さ、および、三次元粗さ基準面上における隣接する凸部同士の平均距離が、それぞれ所定値を満足する微細な表面凹凸を有する電離放射線硬化性樹脂層の硬化物層が積層された防眩フィルムが開示されている。この防眩フィルムは、エンボス鋳型と透明樹脂フィルムとの間に電離放射線硬化性樹脂を挟んだ状態で、当該電離放射線硬化性樹脂を硬化させることにより製造される。しかしながら、特許文献1に開示される防眩フィルムによっても、十分な防眩効果、白ちゃけの抑制、高コントラスト、およびギラツキの抑制を達成することは難しかった。
また、表面に微細な凹凸が形成されたフィルムを作製する方法として、凹凸表面を有するロールの凹凸形状をフィルムに転写する方法が知られている。このような凹凸表面を有するロールの作製方法として、たとえば、特開平6−34961号公報(特許文献2)には、金属などを用いて円筒体を作り、その表面に電子彫刻、エッチング、サンドブラストなどの手法により凹凸を形成する方法が開示されている。また、特開2004−29240号公報(特許文献3)には、ビーズショット法によってエンボスロールを作製する方法が開示されており、特開2004−90187号公報(特許文献4)には、ロールの表面に金属めっき層を形成する工程、金属めっき層の表面を鏡面研磨する工程、さらに必要に応じてピーニング処理をする工程を経て、エンボスロールを作製する方法が開示されている。
しかしながら、このようにエンボスロールの表面にブラスト処理を施したままの状態では、ブラスト粒子の粒径分布に起因する凹凸径の分布が生じるとともに、ブラストにより得られるくぼみの深さを制御することが困難であり、防眩機能に優れた凹凸の形状を再現性よく得ることに課題があった。
特開2006−53371号公報(特許文献5)には、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施すことが記載されている。また、特開2007−187952号公報(特許文献6)には、基材に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、クロムめっきを施してエンボス版を作製することが記載されている。さらに、特開2007−237541号公報(特許文献7)には、銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、エッチング工程または銅めっき工程を施した後にクロムめっきを施してエンボス版を作製することが記載されている。これらのサンドブラスト加工を用いる製法では、表面凹凸形状を精密に制御された状態で形成することが難しいため、表面凹凸形状に50μm以上の周期を持つ比較的大きい凹凸形状も作製されてしまう。その結果、それらの大きい凹凸形状と画像表示装置の画素とが干渉し、輝度分布が発生して表示面が見にくくなる「ギラツキ」が発生しやすいという問題があった。
特開2002−189106号公報 特開平6−34961号公報 特開2004−29240号公報 特開2004−90187号公報 特開2006−53371号公報 特開2007−187952号公報 特開2007−237541号公報
本発明の目的は、微粒子を含有する防眩層を備える防眩フィルムにおいて、低ヘイズでありながら、画像表示装置に適用したときに、優れた防眩性能を示し、かつ、白ちゃけによる視認性の低下を防止することができるとともに、高精細の画像表示装置に適用した場合においても、ギラツキを発生せずに高いコントラストを発現することができる防眩フィルムおよびその製造方法を提供することである。
本発明は、透明支持体と、該透明支持体上に積層された、凹凸表面を有する防眩層とを備える防眩フィルムであって、空間周波数0.01μm-1における該凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における該凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2が3〜15の範囲内であり、防眩層は、バインダ樹脂と、該バインダ樹脂に分散された微粒子とから構成され、防眩層の凹凸表面は、バインダ樹脂によって形成された表面からなる防眩フィルムを提供する。
上記防眩層は、バインダ樹脂100重量部に対し、平均粒径が5μm以上10μm以下で、バインダ樹脂との屈折率比が0.93以上0.98以下もしくは1.01以上1.04以下である微粒子を10〜50重量部含有し、かつ、防眩層の厚みは、該微粒子の平均粒径の1.1倍以上2倍以下であることが好ましい。
本発明の防眩フィルムは、空間周波数0.1μm-1における上記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1における上記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H3 2/H2 2が0.1以下であることが好ましい。また、本発明の防眩フィルムが備える上記凹凸表面は、傾斜角度が5°以下である面を95%以上含むことが好ましい。
また本発明は、上記いずれかに記載の防眩フィルムを製造する方法であって、0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないエネルギースペクトルを示すパターンを用いて、凹凸面を有する金型を作製する工程と、透明支持体上に形成された、微粒子が分散された樹脂層の表面に、金型の凹凸面を転写する工程を含む防眩フィルムの製造方法を提供する。
本発明によれば、低ヘイズでありながら、画像表示装置に適用したときに、優れた防眩性能を示し、かつ、白ちゃけによる視認性の低下を防止することができるとともに、高精細の画像表示装置に適用した場合においても、ギラツキを発生せずに高いコントラストを発現する防眩フィルムを再現性よく製造することができる。
本発明の防眩フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の防眩フィルムの表面を模式的に示す斜視図である。 標高を表す関数h(x,y)が離散的に得られる状態を示す模式図である。 本発明の防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面の標高を二次元の離散関数h(x,y)で表した図である。 図4に示した二次元関数h(x,y)を離散フーリエ変換して得られた標高のエネルギースペクトルH2(fx,fy)を白と黒のグラデーションで示したものである。 図5に示したエネルギースペクトルH2(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。 微細凹凸表面の傾斜角度の測定方法を説明するための模式図である。 防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面の傾斜角度分布のヒストグラムの一例を示すグラフである。 防眩フィルムの透明支持体側から透明支持体の法線方向に光を入射して防眩層側において透明支持体の法線方向から20°の方向で観測される散乱光強度を求めるときの、光の入射方向と透過散乱光強度測定方向とを模式的に示す斜視図である。 相対散乱光強度T(20)と、コントラストとの関係を示す図である。 本発明の防眩フィルムを作製するために用いたパターンである画像データの一部を、階調の二次元離散関数g(x,y)で表した図である。 図11に示した階調の二次元離散関数g(x,y)を離散フーリエ変換して得られたエネルギースペクトルG2(fx,fy)を白と黒のグラデーションで示した図である。 図12に示したエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。 本発明の金型の製造方法の前半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。 本発明の金型の製造方法の後半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。 第1エッチング工程においてサイドエッチングが進行する状態を模式的に示す図である。 第1エッチング工程によって形成された凹凸面が第2エッチング工程によって鈍る状態を模式的に示す図である。 比較例2の金型作製の際に使用したパターンより得られた画像データの階調を二次元関数g(x,y)で表した図である。 比較例3の金型作製の際に使用したパターンより得られた画像データの階調を二次元関数g(x,y)で表した図である。 比較例2および比較例3に使用したパターンのエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面を表した図である。 実施例1、実施例2および比較例1の防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。 実施例1、実施例2および比較例1の防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面の傾斜角度分布のヒストグラムを示すグラフである。
<防眩フィルム>
本発明の防眩フィルムは、図1に示される例のように、透明支持体101と、透明支持体101上に積層された防眩層102とを備える。防眩層102は、バインダ樹脂103と、バインダ樹脂103に分散された微粒子とから構成されており、透明支持体101とは反対側の表面は、バインダ樹脂103によって形成された表面である微細な凹凸表面(微細凹凸表面105)からなる。以下、本発明の防眩フィルムについてより詳細に説明する。
(防眩層)
本発明の防眩フィルムが備える防眩層において、空間周波数0.01μm-1における微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2は、3〜15の範囲内である。
従来、防眩フィルムの微細凹凸表面の周期については、JIS B 0601に記載される粗さ曲線要素の平均長さRSm、断面曲線要素の平均長さPSm、およびうねり曲線要素の平均長さWSmなどで評価されていた。しかしながら、このような従来の評価方法では、微細凹凸表面に含まれる複数の周期を正確に評価することができなかった。よって、ギラツキと微細凹凸表面との相関および防眩性と微細凹凸表面との相関についても正確に評価することができず、ギラツキの抑制と十分な防眩性能を兼備する防眩フィルムを作製することが困難であった。
本発明者らは、微細凹凸表面を有し、微粒子が分散された防眩層を透明支持体上に積層した防眩フィルムにおいて、その微細凹凸表面が「微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトル」を用いて規定される特定の空間周波数分布を示す、すなわち、空間周波数0.01μm-1における微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2が3〜15の範囲内である防眩フィルムは、優れた防眩性能を示しつつ、ギラツキを十分に抑制できることを見出した。そして、特に、当該微細凹凸表面がバインダ樹脂によって形成される表面からなるように(バインダ樹脂に分散される微粒子が防眩層表面に突出しないように)防眩層を形成することにより、突出した微粒子による微細凹凸表面形状への影響を排除でき、もって、上記した特定の空間周波数分布を確実に示し、上記優れた光学特性を高度に発現する防眩フィルムが再現性よく得られることを見出した。本発明の防眩フィルムは、上記特定の空間周波数分布を示すものであり、優れた防眩性能を示し、かつ、白ちゃけによる視認性の低下を防止することができるとともに、高精細の画像表示装置に適用した場合においても、ギラツキを発生せずに高いコントラストを発現し得る。
また、本発明の防眩フィルムは、その防眩層に微粒子を含有するため、微粒子を含有しない防眩フィルムと比較して、ギラツキをより効果的に抑制することができる。従来、バインダ樹脂と異なる屈折率を有する微粒子を防眩層に分散させた防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した場合、微粒子とバインダ樹脂との界面における光の散乱によって、コントラストが低下しやすいという問題があったが、本発明の防眩フィルムによれば、コントラストの低下を生じさせることなく、微粒子によるギラツキ抑制効果を得ることが可能である。
まず、防眩層が有する微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルについて説明する。図2は、本発明の防眩フィルムの表面を模式的に示す斜視図である。図2に示されるように、本発明の防眩フィルム1は、微細な凹凸2から構成される微細凹凸表面を有する防眩層を備える。ここで、本発明でいう「微細凹凸表面の標高」とは、防眩フィルム1表面の任意の点Pにおける、微細凹凸表面の最低点の高さにおいて当該高さを有する仮想的な平面(標高は基準として0μm)からの防眩フィルムの主法線方向5(上記仮想的な平面における法線方向)における直線距離を意味する。図2に示すように、防眩フィルム面内の直交座標を(x,y)で表示した際には、微細凹凸表面の標高は座標(x,y)の二次元関数h(x,y)で表すことができる。図2には、防眩フィルム全体の面を投影面3で表示している。
微細凹凸表面の標高は、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定される表面形状の三次元情報から求めることができる。測定機に要求される水平分解能は、少なくとも5μm以下、好ましくは2μm以下であり、また垂直分解能は、少なくとも0.1μm以下、好ましくは0.01μm以下である。この測定に好適な非接触三次元表面形状・粗さ測定機としては、New View 5000シリーズ(Zygo Corporation社製、日本ではザイゴ(株)から入手可能)、三次元顕微鏡PLμ2300(Sensofar社製)などを挙げることができる。測定面積は、標高のエネルギースペクトルの分解能が0.01μm-1以下である必要があるため、少なくとも200μm×200μm以上とするのが好ましく、より好ましくは、500μm×500μm以上である。
次に、二次元関数h(x,y)より標高のエネルギースペクトルを求める方法について説明する。まず、二次元関数h(x,y)より、下記式(1)で定義される二次元フーリエ変換によって二次元関数H(fx,fy)を求める。
ここで、fxおよびfyは、それぞれx方向およびy方向の空間周波数であり、長さの逆数の次元を持つ。また、式(1)中のπは円周率、iは虚数単位である。得られた二次元関数H(fx,fy)を二乗することによって、標高のエネルギースペクトルH2(fx,fy)を求めることができる。このエネルギースペクトルH2(fx,fy)は、防眩層の微細凹凸表面の空間周波数分布を表している。
以下、防眩層の微細凹凸表面のエネルギースペクトルを求める方法をさらに具体的に説明する。上記の共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡などによって実際に測定される表面形状の三次元情報は、一般的に離散的な値、すなわち、多数の測定点に対応する標高として得られる。図3は、標高を表す関数h(x,y)が離散的に得られる状態を示す模式図である。図3に示すように、防眩フィルム面内の直交座標を(x,y)で表示し、防眩フィルムの投影面3上にx軸方向にΔx毎に分割した線およびy軸方向にΔy毎に分割した線を破線で示すと、実際の測定では微細凹凸表面の標高は、防眩フィルムの投影面3上の各破線の交点毎の離散的な標高値として得られる。
得られる標高値の数は、測定範囲とΔxおよびΔyによって決まり、図3に示すようにx軸方向の測定範囲をX=MΔxとし、y軸方向の測定範囲をY=NΔyとすると、得られる標高値の数は(M+1)×(N+1)個である。
図3に示すように、防眩フィルムの投影面3上の着目点Aの座標を(jΔx,kΔy)(ここでjは0以上M以下であり、kは0以上N以下である。)とすると、着目点Aに対応する防眩フィルム表面上の点Pの標高は、h(jΔx,kΔy)と表すことができる。
ここで、測定間隔ΔxおよびΔyは、測定機器の水平分解能に依存し、精度良く微細凹凸表面を評価するためには、上述したとおりΔxおよびΔyともに5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。また、測定範囲XおよびYは上述したとおり、ともに200μm以上が好ましく、ともに500μm以上がより好ましい。
このように、実際の測定では微細凹凸表面の標高を表す関数は(M+1)×(N+1)個の値を持つ離散関数h(x,y)として得られる。したがって、測定によって得られた離散関数h(x,y)と下記式(2)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数H(fx,fy)が求まり、離散関数H(fx,fy)を二乗することによってエネルギースペクトルの離散関数H2(fx,fy)が求められる。式(2)中のlは−(M+1)/2以上(M+1)/2以下の整数であり、mは−(N+1)/2以上(N+1)/2以下の整数である。また、ΔfxおよびΔfyは、それぞれx方向およびy方向の空間周波数間隔であり、式(3)および式(4)で定義される。ΔfxおよびΔfyは、標高のエネルギースペクトルの水平分解能に相当する。
図4は、本発明の防眩フィルム(具体的には、後述する実施例1の防眩フィルム)が備える防眩層の微細凹凸表面の標高を二次元の離散関数h(x,y)で表した図である。図3において標高は白と黒のグラデーションで示している。図4に示した離散関数h(x,y)は、512×512個の値を持ち、水平分解能ΔxおよびΔyは1.66μmである。
また、図5は、図4に示した二次元関数h(x,y)を離散フーリエ変換して得られた標高のエネルギースペクトルH2(fx,fy)を白と黒のグラデーションで示したものである。図5に示した標高のエネルギースペクトルH2(fx,fy)も512×512個の値を持つ離散関数であり、標高のエネルギースペクトルの水平分解能ΔfxおよびΔfyは0.0012μm-1である。
図4に示される例のように、本発明の防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面は、ランダムに形成された凹凸からなるため、標高のエネルギースペクトルは、図5に示されるように、原点を中心に対称となる。よって、空間周波数0.01μm-1における標高のエネルギースペクトルH1 2および空間周波数0.04μm-1における標高のエネルギースペクトルH2 2は、二次元関数であるエネルギースペクトルH2(fx,fy)の原点を通る断面より求めることができる。図6に、図5に示したエネルギースペクトルH2(fx,fy)のfx=0における断面を示した。これより空間周波数0.01μm-1における標高のエネルギースペクトルH1 2は4.8、空間周波数0.04μm-1における標高のエネルギースペクトルH2 2は0.35であり、比H1 2/H2 2は14であることが分かる。
上述したように、本発明に係る防眩層において、空間周波数0.01μm-1における微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2は、3〜15の範囲内とされる。標高のエネルギースペクトルの比H1 2/H2 2が3を下回ることは、防眩層の微細凹凸表面に含まれる100μm以上の長周期の凹凸形状が少なく、25μm未満の短周期の凹凸形状が多いことを示している。そのような場合には外光の映り込みを効果的に防止することができず、十分な防眩性能が得られない。また、これに対して、標高のエネルギースペクトルの比H1 2/H2 2が15を上回ることは、微細凹凸表面に含まれる100μm以上の長周期の凹凸形状が多く、25μm未満の短周期の凹凸形状が少ないことを示している。そのような場合には、防眩フィルムを高精細の画像表示装置に配置した際にギラツキを発生させる傾向にある。より優れた防眩性能を示しつつ、ギラツキをより効果的に抑制するためには、標高のエネルギースペクトルの比H1 2/H2 2は、3.5〜14.5の範囲内であることが好ましく、4〜14の範囲内であることがより好ましい。
また、微細凹凸表面に含まれる10μm未満の短周期成分は、防眩性に効果的に寄与せず、微細凹凸表面に入射した光を散乱させて白ちゃけの原因となるため、少ない方が好ましい。具体的には、空間周波数0.1μm-1における標高のエネルギースペクトルをH3 2とすると、エネルギースペクトルの比H3 2/H2 2は0.1以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。図6に示したエネルギースペクトルでは、空間周波数0.1μm-1における標高のエネルギースペクトルH3 2は0.00076である。これより比H3 2/H2 2は0.0022であることが分かる。
本発明者らはまた、防眩層の微細凹凸表面が特定の傾斜角度分布を示すようにすれば、優れた防眩性能を示しつつ、白ちゃけを効果的に防止するうえで一層有効であることを見出した。すなわち、本発明の防眩フィルムにおいて、防眩層の微細凹凸表面は、傾斜角度が5°以下である面を95%以上含むことが好ましい。傾斜角度が5°以下である面の割合が95%を下回ると、凹凸表面の傾斜角度が急峻になって、周囲からの光を集光し、表示面が全体的に白くなる白ちゃけが発生しやすくなる。このような集光効果を抑制し、白ちゃけを防止するためには、微細凹凸表面の傾斜角度が5°以下である面の割合が高ければ高いほどよく、97%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
ここで、本発明でいう「微細凹凸表面の傾斜角度」とは、図2を参照して、防眩フィルム1表面の任意の点Pにおいて、防眩フィルムの主法線方向5に対する、そこでの凹凸を加味した局所的な法線6のなす角度(表面傾斜角度)ψを意味する。微細凹凸表面の傾斜角度についても標高と同様に、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により測定される表面形状の三次元情報から求めることができる。
ここで、図7は、微細凹凸表面の傾斜角度の測定方法を説明するための模式図である。具体的な傾斜角度の決定方法を説明すると、図7に示すように、点線で示される仮想的な平面FGHI上の着目点Aを決定し、そこを通るx軸上の着目点Aの近傍に、点Aに対してほぼ対称に点BおよびDを、また点Aを通るy軸上の着目点Aの近傍に、点Aに対してほぼ対称に点CおよびEをとり、これらの点B,C,D,Eに対応する防眩フィルム面上の点Q,R,S,Tを決定する。なお図7では、防眩フィルム面内の直交座標を(x,y)で表示し、防眩フィルム厚み方向の座標をzで表示している。平面FGHIは、y軸上の点Cを通るx軸に平行な直線、および同じくy軸上の点Eを通るx軸に平行な直線と、x軸上の点Bを通るy軸に平行な直線、および同じくx軸上の点Dを通るy軸に平行な直線とのそれぞれの交点F,G,H,Iによって形成される面である。また図7では、平面FGHIに対して、実際の防眩フィルム面の位置が上方にくるように描かれているが、着目点Aのとる位置によって当然ながら、実際の防眩フィルム面の位置が平面FGHIの上方にくることもあるし、下方にくることもある。
傾斜角度は、着目点Aに対応する実際の防眩フィルム面上の点Pと、その近傍にとられた4点B,C,D,Eに対応する実際の防眩フィルム面上の点Q,R,S,Tの合計5点により張られるポリゴン4平面、すなわち、四つの三角形PQR,PRS,PST,PTQの各法線ベクトル6a,6b,6c,6dを平均して得られる平均法線ベクトル(平均法線ベクトルは、図2に示される凹凸を加味した局所的な法線6と同義である)の極角を、測定された表面形状の三次元情報から求めることにより得ることができる。各測定点について傾斜角度を求めた後、ヒストグラムが計算される。
図8は、防眩フィルム(具体的には、後述する実施例1の防眩フィルム)が備える防眩層の微細凹凸表面の傾斜角度分布のヒストグラムの一例を示すグラフである。図8に示すグラフにおいて、横軸は傾斜角度であって、0.5°刻みで分割してある。たとえば、一番左の縦棒は、傾斜角度が0〜0.5°の範囲にある集合の分布を示し、以下、右へ行くにつれて角度が0.5°ずつ大きくなっている。図では、横軸の2目盛毎に値の下限値を表示しており、たとえば、横軸で「1」とある部分は、傾斜角度が1〜1.5°の範囲にある集合の分布を示す。また、縦軸は傾斜角度の分布を表し、合計すれば1(100%)になる値である。この例では、傾斜角度が5°以下である面の割合は略100%である。
次に、本発明の防眩フィルムが備える防眩層の具体的構成について詳細に説明する。本発明において防眩層は、バインダ樹脂と、該バインダ樹脂に分散された微粒子とから構成されており、透明支持体101とは反対側の表面は微細凹凸表面からなる。上述のように、当該微細凹凸表面は、上記した特定の空間周波数分布を確実に付与して、防眩性能、白ちゃけ抑制能、ギラツキ抑制能およびコントラスト性能を高度に発現させるべく、バインダ樹脂によって形成される表面からなる。ここで、微細凹凸表面がバインダ樹脂によって形成される表面からなるとは、分散された微粒子が防眩層表面に突出しておらず、当該微粒子が完全にバインダ樹脂中に埋没していることを意味する。微細凹凸表面がバインダ樹脂によって形成される表面のみからなることにより、突出した微粒子による微細凹凸表面形状への影響(たとえば、微粒子の形状の振れに伴う微細凹凸表面形状の振れ)を排除でき、これにより、防眩層の微細凹凸表面形状を高精度で制御することが可能となる。
バインダ樹脂によって形成される表面からなる微細凹凸表面を有する防眩層を得るためには、微粒子として、平均粒径が10μm以下で、バインダ樹脂との屈折率比(微粒子の屈折率をnbとし、バインダ樹脂の屈折率をnrとしたときのnb/nr)が0.98以下もしくは1.01以上である微粒子を用い、かつ、当該微粒子の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対し、50重量部以下とし、さらに、防眩層の厚みは、当該微粒子の平均粒径の1.1倍以上とすることが好ましい。微粒子の平均粒径は、より好ましくは8μm以下であり、当該微粒子の含有量は、より好ましくはバインダ樹脂100重量部に対し、40重量部以下である。
用いる微粒子の平均粒径が10μmを上回る場合には、微粒子をバインダ樹脂に埋没させるために必要とする膜厚が厚くなり、その結果、樹脂塗工時にカールや凝集などの不具合を生じやすい。また、屈折率比nb/nrが0.98超過1.01未満である場合には、微粒子による内部散乱効果が小さくなることから、所定の散乱特性を防眩層に与えてギラツキを解消するためには大量の微粒子をバインダ樹脂に添加する必要があり、バインダ樹脂中に微粒子を完全に埋没させることが困難となる傾向にある。また、微粒子を、バインダ樹脂100重量部に対し50重量部を超えて含有させることは、バインダ樹脂中に微粒子を完全に埋没させることが困難となる傾向にあり、好ましくない。さらに、防眩層の厚みが平均粒径の1.1倍を下回る場合には、微粒子が防眩層表面に突出する傾向が顕著となる。
バインダ樹脂によって形成される表面からなる微細凹凸表面を有する防眩層を透明支持体上に形成する方法としては、上記好ましい範囲の平均粒径および屈折率比nb/nrを有する微粒子を上記好ましい含有量で含有させた樹脂組成物を用いたエンボス法(エンボス法については後述)により、上記所定の厚みを有する樹脂層(防眩層)を透明支持体上に形成する方法が好ましい。
バインダ樹脂に配合する微粒子の平均粒径は、5μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましい。平均粒径が5μmを下回る場合には、微粒子による広角側の散乱光強度が上昇し、画像表示装置に適用したときにコントラストを低下させる傾向にある。また、微粒子とバインダ樹脂との屈折率比nb/nrは、0.93以上0.98以下もしくは1.01以上1.04以下であることがより好ましく、0.97以上0.98以下もしくは1.01以上1.03以下であることがさらに好ましい。屈折率比nb/nrが0.93を下回る場合もしくは1.04を上回る場合には、バインダ樹脂と微粒子の界面における反射率が増大し、結果として後方散乱が上昇し、全光線透過率が低下する傾向にある。全光線透過率の低下は、防眩フィルムのヘイズを増大させ、画像表示装置に適用したときのコントラストの低下を生じさせる。また、微粒子の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対し10重量部以上であることが好ましく、15重量部以上であることがより好ましい。10重量部未満である場合には、微粒子によるギラツキ抑制効果が不十分である。さらに、防眩層の厚みは、微粒子の平均粒径の2倍以下とすることが好ましく、1.5倍以下とすることがより好ましい。防眩層の厚みが平均粒径の2倍を上回る場合には、樹脂塗工時にカールなどの不具合が生じやすくなる。
微粒子を構成する材料は、上記好ましい屈折率比を満たすものであることが好ましい。後述するように、本発明においては防眩層の形成にUVエンボス法が好ましく用いられ、UVエンボス法においては、紫外線硬化型樹脂がバインダ樹脂前駆体として好ましく用いられる。この場合、紫外線硬化型樹脂の硬化物(バインダ樹脂)は1.50前後の屈折率を示すことが多いので、微粒子としては、その屈折率が1.40〜1.60程度のものから、防眩フィルムの設計に合わせて適宜選択することができる。微粒子としては、樹脂ビーズ、それもほぼ球形のものが好ましく用いられる。かかる好適な樹脂ビーズの例を、以下に掲げる。
メラミンビーズ(屈折率1.57)、
ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、
メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、
ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、
ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、
ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、
ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、
シリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)など。
(透明支持体)
透明支持体は、実質的に光学的に透明なフィルムである限り特に制限されず、たとえばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。透明支持体の厚みは特に制限されないが、通常、10〜250μmであり、好ましくは20〜125μmである。
本発明の防眩フィルムは、透明支持体側から透明支持体の法線方向に光を入射したときに、防眩層側において透明支持体の法線方向から20°の方向で観測される相対散乱光強度T(20)が0.001%以下の値を示すことが好ましい。図9は、透明支持体側から透明支持体の法線方向に光を入射し、防眩層側において透明支持体の法線方向から20°の方向における散乱光強度を測定するときの、光の入射方向と透過散乱光強度測定方向とを模式的に示す斜視図である。この図を参照して、防眩フィルム1の透明支持体側で透明支持体の法線方向5’(この方向は、図2における防眩フィルムの主法線方向5と同方向である)から入射した光20に対し、入射した光20の光線方向と透明支持体の法線方向5’とを含む平面22上であって、防眩層側の法線方向5’から20°の方向に透過する散乱光21の強度を測定し、その透過散乱光強度を光源の光強度で除した値を相対散乱光強度T(20)とする。
相対散乱光強度T(20)が0.001%を上回る場合には、この防眩フィルムを画像表示装置に適用したときに、散乱光によって黒表示時の輝度が上昇し、コントラストを低下させるため、好ましくない。特に防眩フィルムを自発光型ではない液晶ディスプレイに適用したときには、黒表示時の光漏れに起因する散乱による輝度上昇効果が大きいため、相対散乱光強度T(20)が0.001%を上回ると、コントラストを顕著に低下させ、視認性を損なう結果となる。本発明においては、防眩層に含有させる微粒子として、上述した特定の平均粒径およびバインダ樹脂に対する屈折率比を有する微粒子を用いることにより、相対散乱光強度T(20)を0.001%以下とすることができる。
防眩フィルムの相対散乱光強度を測定するにあたっては、0.001%以下の相対散乱光強度を精度良く測定することが必要である。そこで、ダイナミックレンジの広い検出器の使用が有効である。このような検出器としては、たとえば、市販の光パワーメーターなどを用いることができ、この光パワーメーターの検出器前にアパーチャーを設け、防眩フィルムを見込む角度が2°になるようにした変角光度計を用いて測定を行なうことができる。入射光には380〜780nmの可視光線を用いることができ、測定用光源としては、ハロゲンランプ等の光源から出た光をコリメートしたものを用いてもよいし、レーザーなどの単色光源で平行度の高いものを用いてもよい。また、防眩フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供することが好ましい。
上記に鑑み、本発明においては相対散乱光強度T(20)は、次のようにして測定される。防眩フィルムを、その凹凸面が表面となるようガラス基板に貼合し、そのガラス面側で防眩フィルム法線方向(透明支持体法線方向)から、He−Neレーザーからの平行光を照射し、防眩フィルム凹凸面側で防眩フィルム法線から20°の方向における透過散乱光強度を測定する。透過散乱光強度の測定には、横河電機(株)製の「3292 03 オプティカルパワーセンサー」および「3292 オプティカルパワーメーター」を用いる。
図10は、相対散乱光強度T(20)と、コントラストとの関係を示す図である。図10から明らかなように、相対散乱光強度T(20)が0.001%を超えると、コントラストが10%以上低下し、視認性を損なう傾向にあることがわかる。なお、図10の作成にあたり、コントラストは次の手順で測定した。まず、市販の液晶テレビ(シャープ(株)製の「LC−42GX1W」)から背面側および表示面側の偏光板を剥離し、それらオリジナル偏光板の代わりに、背面側および表示面側とも、住友化学(株)製の偏光板「スミカラン SRDB31E」を、それぞれの吸収軸がオリジナルの偏光板の吸収軸と一致するように粘着剤を介して貼合し、さらに表示面側偏光板の上には、種々の散乱光強度を示す本発明に係る防眩フィルムと同様の構成(すなわち、微細凹凸表面を有し、微粒子が分散された防眩層を透明支持体上に積層した構成)を有する防眩フィルムを凹凸面が表面となるように粘着剤を介して貼合した。次に、こうして得られた液晶テレビを暗室内で起動し、(株)トプコン製の輝度計「BM5A」型を用いて、黒表示状態および白表示状態における輝度を測定し、黒表示状態の輝度に対する白表示状態の輝度の比としてコントラストを算出した。
本発明の防眩フィルムは、防眩層の微細凹凸表面の空間周波数分布が適切に制御されており、かつ、コントラスト低下の要因となる相対散乱光強度T(20)が必要以上に上昇しないように設計された微粒子が防眩層に分散されているため、十分な防眩性を有し、超高精細な画像表示装置に配置してもギラツキを発生させることがなく、また、コントラストの低下も略無い優れたものとなる。
<防眩フィルムの製造方法>
上記本発明の防眩フィルムは、下記工程(A)および(B)を含む方法によって好適に製造することができる。
(A)0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないエネルギースペクトルを示すパターンを用いて、凹凸面を有する金型を作製する工程、および、
(B)透明支持体上に形成された、微粒子が分散された樹脂層の表面に、金型の凹凸面を転写する工程。
0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないエネルギースペクトルを示すパターンを用いることにより、上記した特定の空間周波数分布を持つ微細凹凸表面を精度よく形成することが可能となる。また、当該パターンを用いて凹凸面を有する金型を作製し、当該金型の凹凸面を、透明支持体上に形成された、微粒子が分散された樹脂層の表面に転写する方法(エンボス法)により、バインダ樹脂によって形成される表面からなる微細凹凸表面を有する(微粒子が完全にバインダ樹脂中に埋没している)防眩層を得ることが可能となる。ここで、「パターン」とは、典型的には、防眩フィルムの微細凹凸表面を形成するために用いられる、計算機によって作成された2階調(たとえば、白と黒とに二値化された画像データ)または3階調以上のグラデーションからなる画像データを意味するが、当該画像データへ一義的に変換可能なデータ(行列データなど)も含み得る。画像データへ一義的に変換可能なデータとしては、各画素の座標および階調のみが保存されたデータなどが挙げられる。
上記工程(A)で用いられるパターンのエネルギースペクトルは、たとえば画像データであれば、画像データを256階調のグレースケールに変換した後、画像データの階調を二次元関数g(x,y)で表し、得られた二次元関数g(x,y)をフーリエ変換して二次元関数G(fx,fy)を計算し、得られた二次元関数G(fx,fy)を二乗することによって求められる。ここで、xおよびyは、画像データ面内の直交座標を表し、fxおよびfyはそれぞれ、x方向の空間周波数およびy方向の空間周波数を表している。
微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルを求める場合と同様に、パターンのエネルギースペクトルを求める場合についても、階調の二次元関数g(x,y)は離散関数として得られる場合が一般的である。その場合は、微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルを求める場合と同様に、離散フーリエ変換によって、エネルギースペクトルが計算される。具体的には、式(5)で定義される離散フーリエ変換によって離散関数G(fx,fy)を計算し、離散関数G(fx,fy)を二乗することによってエネルギースペクトルが求められる。ここで、式(5)中のπは円周率、iは虚数単位である。また、Mはx方向の画素数であり、Nはy方向の画素数であり、lは−M/2以上M/2以下の整数であり、mは−N/2以上N/2以下の整数である。さらに、ΔfxおよびΔfyはそれぞれx方向およびy方向の空間周波数間隔であり、式(6)および式(7)で定義される。式(5)および式(6)中のΔxおよびΔyはそれぞれ、x軸方向、y軸方向における水平分解能である。なお、パターンが画像データである場合には、ΔxおよびΔyは、それぞれ1画素のx軸方向の長さおよびy軸方向の長さと等しい。すなわち、6400dpiの画像データとしてパターンを作成した場合には、Δx=Δy=4μmであり、12800dpiの画像データとしてパターンを作成した場合には、Δx=Δy=2μmである。
図11は、本発明の防眩フィルムを作製するために用いたパターン(後述する実施例1の金型作製の際に使用したパターン)である画像データの一部を、階調の二次元離散関数g(x,y)で表した図である。図11に示した二次元離散関数g(x,y)は512×512個の値を持ち、水平分解能ΔxおよびΔyは2μmである。また、図11に示したパターンである画像データは2mm×2mmの大きさで、12800dpiで作成した。
図12は、図11に示した階調の二次元離散関数g(x,y)を離散フーリエ変換して得られたエネルギースペクトルG2(fx,fy)を白と黒のグラデーションで示した図である。図12に示したエネルギースペクトルG2(fx,fy)も512×512個の値を持ち、水平分解能ΔfxおよびΔfyは0.0010μm-1である。図11に示したように、本発明の防眩フィルムを製造するために作成するパターンは、ドットをランダムに配置したものであるため、得られるエネルギースペクトルは、図12に示されるように、原点を中心に対称となる。よって、パターンのエネルギースペクトルの極大値を示す空間周波数はエネルギースペクトルの原点を通る断面より求めることができる。図13は、図12に示したエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面を示す図である。これより図11に示したパターンは、空間周波数0.045μm-1に極大値を持つが、0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内には極大値を持たないことが分かる。
防眩フィルムを作製するためのパターンのエネルギースペクトルが0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持つ場合には、得られる防眩フィルムの微細凹凸表面が上記した特定の空間周波数分布を示さなくなるため、ギラツキの解消と十分な防眩性を兼備することができない。
エネルギースペクトルが0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないパターンは、たとえば図11に示されるパターンのように、20μm未満の平均ドット径(全ドットの直径の平均値)を有する多数のドットをランダムかつ均一に配置することにより作成することができる。ランダムに配置するドット径は1種類でもよいし、複数種類でもよい。また、このような多数のドットをランダムに配置して作成したパターンから、より効果的に空間周波数0.04μm-1以下の空間周波数成分を除去するために、0.04μm-1以下の空間周波数成分を除去するハイパスフィルターを通過させて得られたパターンを、防眩フィルム作製用のパターンとしてもよい。さらに、多数のドットをランダムに配置して作成したパターンから、より効果的に空間周波数0.04μm-1以下の空間周波数成分を除去するために、0.04μm-1以下の低空間周波数成分と特定の空間周波数以上の高空間周波数成分を除去するバンドパスフィルターを通過させて得られたパターンを、防眩フィルム作製用のパターンとしてもよい。
以上のようにして得られるパターンを用いて金型を作製する方法の詳細については後述する。
上記工程(B)は、エンボス法により、微細凹凸表面を有し、微粒子が分散された防眩層を透明支持体上に形成する工程である。エンボス法としては、光硬化型樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示され、中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。UVエンボス法においては、透明支持体の表面に、微粒子を含有する光硬化型樹脂層を形成し、その光硬化型樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が光硬化型樹脂層表面に転写される。より具体的には、透明支持体上に微粒子が分散された光硬化型樹脂の塗工液を塗工し、塗工した光硬化型樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で、透明支持体側から紫外線等の光を照射して光硬化型樹脂を硬化させ、その後金型から、硬化後の光硬化型樹脂層が形成された透明支持体を剥離することにより、金型の凹凸形状が硬化後の光硬化型樹脂層(防眩層)に転写された防眩フィルムが得られる。
UVエンボス法において、透明支持体としては、上述したものを好適に用いることができる。光硬化型樹脂としては、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂が好ましく用いられるが、紫外線硬化型樹脂に適宜選択された光開始剤を組み合わせて、紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂を用いることも可能である。紫外線硬化型樹脂の種類は特に限定されず、市販の適宜のものを用いることができる。紫外線硬化型樹脂の好適な例は、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、イルガキュアー907(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、イルガキュアー184(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)などの光重合開始剤とを混合した樹脂組成物である。これらの紫外線硬化型樹脂中に上述したような微粒子を含有させることにより、上記塗工液が調製される。
<防眩フィルム作製用の金型の製造方法>
以下では、本発明の防眩フィルムの製造に用いる金型を製造する方法について説明する。本発明の防眩フィルムの製造に用いる金型の製造方法については、上述したパターンを用いた所定の表面形状が得られる方法であれば、特に制限されないが、微細凹凸表面を精度よく、かつ、再現性よく製造するために、〔1〕第1めっき工程と、〔2〕研磨工程と、〔3〕感光性樹脂膜形成工程と、〔4〕露光工程と、〔5〕現像工程と、〔6〕第1エッチング工程と、〔7〕感光性樹脂膜剥離工程と、〔8〕第2めっき工程とを基本的に含むことが好ましい。図14は、本発明の金型の製造方法の前半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。図14には、各工程での金型の断面を模式的に示している。以下、図14を参照しながら、上記各工程について詳細に説明する。
〔1〕第1めっき工程
本工程では、金型に用いる基材の表面に、銅めっきまたはニッケルめっきを施す。このように、金型用基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施すことにより、後の第2めっき工程におけるクロムめっきの密着性や光沢性を向上させることができる。すなわち、鉄などの表面にクロムめっきを施した場合、あるいはクロムめっき表面にサンドブラスト法やビーズショット法などで凹凸を形成してから再度クロムめっきを施した場合には、表面が荒れやすく、細かいクラックが生じて、金型の表面の凹凸形状が制御しにくくなる。これに対して、まず、基材表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施しておくことにより、このような不都合をなくすことができる。これは、銅めっきまたはニッケルめっきは、被覆性が高く、また平滑化作用が強いことから、金型用基材の微小な凹凸や鬆などを埋めて平坦で光沢のある表面を形成するためである。これらの銅めっきまたはニッケルめっきの特性によって、後述する第2めっき工程においてクロムめっきを施したとしても、基材に存在していた微小な凹凸や鬆に起因すると思われるクロムめっき表面の荒れが解消され、また、銅めっきまたはニッケルめっきの被覆性の高さから、細かいクラックの発生が低減される。
第1めっき工程において用いられる銅またはニッケルとしては、それぞれの純金属であることができるほか、銅を主体とする合金、またはニッケルを主体とする合金であってもよく、したがって、本明細書でいう「銅」は、銅および銅合金を含む意味であり、また「ニッケル」は、ニッケルおよびニッケル合金を含む意味である。銅めっきおよびニッケルめっきは、それぞれ電解めっきで行なっても無電解めっきで行なってもよいが、通常は電解めっきが採用される。
銅めっきまたはニッケルめっきを施す際には、めっき層が余り薄いと、下地表面の影響が排除しきれないことから、その厚みは50μm以上であるのが好ましい。めっき層厚みの上限は臨界的でないが、コストなどに鑑み、めっき層厚みの上限は500μm程度までとすることが好ましい。
金型用基材の形成に好適に用いられる金属材料としては、コストの観点からアルミニウム、鉄などが挙げられる。取扱いの利便性から、軽量なアルミニウムを用いることがより好ましい。ここでいうアルミニウムや鉄も、それぞれ純金属であることができるほか、アルミニウムまたは鉄を主体とする合金であってもよい。
また、金型用基材の形状は、当該分野において従来採用されている適宜の形状であってよく、たとえば、平板状のほか、円柱状または円筒状のロールであってもよい。ロール状の基材を用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができるという利点がある。
〔2〕研磨工程
続く研磨工程では、上述した第1めっき工程にて銅めっきまたはニッケルめっきが施された基材表面を研磨する。当該工程を経て、基材表面は、鏡面に近い状態に研磨されることが好ましい。これは、基材となる金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより基材表面に加工目が残っており、銅めっきまたはニッケルめっきが施された状態でも、それらの加工目が残ることがあるし、また、めっきした状態で、表面が完全に平滑になるとは限らないためである。すなわち、このような深い加工目などが残った表面に後述する工程を施したとしても、各工程を施した後に形成される凹凸よりも加工目などの凹凸の方が深いことがあり、加工目などの影響が残る可能性があり、そのような金型を用いて防眩フィルムを製造した場合には、光学特性に予期できない影響を及ぼすことがある。図14(a)には、平板状の金型用基材7が、第1めっき工程において銅めっきまたはニッケルめっきをその表面に施され(当該工程で形成した銅めっきまたはニッケルめっきの層については図示せず)、さらに研磨工程によって鏡面研磨された表面8を有するようにされた状態を模式的に示している。
銅めっきまたはニッケルめっきが施された基材表面を研磨する方法については特に制限されるものではなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法などが例示される。研磨後の表面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した中心線平均粗さRaが0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましい。研磨後の中心線平均粗さRaが0.1μmより大きいと、最終的な金型表面の凹凸形状に研磨後の表面粗度の影響が残る可能性がある。また、中心線平均粗さRaの下限については特に制限されず、加工時間や加工コストの観点から、おのずと限界があるので、特に指定する必要性はない。
〔3〕感光性樹脂膜形成工程
続く感光性樹脂膜形成工程では、上述した研磨工程によって鏡面研磨を施した金型用基材7の研磨された表面8に、感光性樹脂を溶媒に溶解した溶液として塗布し、加熱・乾燥することにより、感光性樹脂膜を形成する。図14(b)には、金型用基材7の研磨された表面8に感光性樹脂膜9が形成された状態を模式的に示している。
感光性樹脂としては従来公知の感光性樹脂を用いることができる。感光部分が硬化する性質をもったネガ型の感光性樹脂としては、たとえば、分子中にアクリル基またはメタアクリル基を有するアクリル酸エステルの単量体やプレポリマー、ビスアジドとジエンゴムとの混合物、ポリビニルシンナマート系化合物等を用いることができる。また、現像により感光部分が溶出し、未感光部分だけが残る性質をもったポジ型の感光性樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂系やノボラック樹脂系等を用いることができる。また、感光性樹脂には、必要に応じて、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤等の各種添加剤を配合してもよい。
これらの感光性樹脂を金型用基材7の研磨された表面8に塗布する際には、良好な塗膜を形成するために、適当な溶媒に希釈して塗布することが好ましい。溶媒としては、セロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒等を使用することができる。
感光性樹脂溶液を塗布する方法としては、メニスカスコート、ファウンティンコート、ディップコート、回転塗布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、およびカーテン塗布等の公知の方法を用いることができる。塗布膜の厚さは乾燥後で1〜6μmの範囲とすることが好ましい。
〔4〕露光工程
続く露光工程では、上記エネルギースペクトルが0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないパターンを、上述した感光性樹脂膜形成工程で形成された感光性樹脂膜9上に露光する。露光工程に用いる光源は、塗布された感光性樹脂の感光波長や感度等に合わせて適宜選択すればよく、たとえば、高圧水銀灯のg線(波長:436nm)、高圧水銀灯のh線(波長:405nm)、高圧水銀灯のi線(波長:365nm)、半導体レーザー(波長:830nm、532nm、488nm、405nm等)、YAGレーザー(波長:1064nm)、KrFエキシマーレーザー(波長:248nm)、ArFエキシマーレーザー(波長:193nm)、F2エキシマーレーザー(波長:157nm)等を用いることができる。
金型の表面凹凸形状、ひいては防眩層の表面凹凸形状を精度良く形成するためには、露光工程において、上記パターンを感光性樹脂膜上に精密に制御された状態で露光することが好ましく、具体的には、コンピュータ上でパターンを画像データとして作成し、その画像データに基づいたパターンを、コンピュータ制御されたレーザヘッドから発するレーザー光によって描画することが好ましい。レーザー描画を行なうに際しては印刷版作成用のレーザー描画装置を使用することができる。このようなレーザー描画装置としては、たとえばLaser Stream FX((株)シンク・ラボラトリー製)等が挙げられる。
図14(c)には、感光性樹脂膜9にパターンが露光された状態を模式的に示している。感光性樹脂膜をネガ型の感光性樹脂で形成した場合には、露光された領域10は露光によって樹脂の架橋反応が進行し、後述する現像液に対する溶解性が低下する。よって、現像工程において露光されていない領域11が現像液によって溶解され、露光された領域10のみ基材表面上に残りマスクとなる。一方、感光性樹脂膜をポジ型の感光性樹脂で形成した場合には、露光された領域10は露光によって樹脂の結合が切断され、後述する現像液に対する溶解性が増加する。よって、現像工程において露光された領域10が現像液によって溶解され、露光されていない領域11のみ基材表面上に残りマスクとなる。
〔5〕現像工程
続く現像工程においては、感光性樹脂膜9にネガ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光されていない領域11は現像液によって溶解され、露光された領域10のみ金型用基材上に残存し、続く第1エッチング工程においてマスクとして作用する。一方、感光性樹脂膜9にポジ型の感光性樹脂を用いた場合には、露光された領域10のみ現像液によって溶解され、露光されていない領域11が金型用基材上に残存して、続く第1エッチング工程におけるマスクとして作用する。
現像工程に用いる現像液については従来公知のものを使用することができる。たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液;および、キシレン、トルエン等の有機溶剤等を挙げることができる。
現像工程における現像方法については特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法を用いることができる。
図14(d)には、感光性樹脂膜9にネガ型の感光性樹脂を用いて、現像処理を行なった状態を模式的に示している。図14(c)において露光されていない領域11が現像液によって溶解され、露光された領域10のみ基材表面上に残りマスク12となる。図14(e)には、感光性樹脂膜9にポジ型の感光性樹脂を用いて、現像処理を行なった状態を模式的に示している。図14(c)において露光された領域10が現像液によって溶解され、露光されていない領域11のみ基材表面上に残りマスク12となる。
〔6〕第1エッチング工程
続く第1エッチング工程では、上述した現像工程後に金型用基材表面上に残存した感光性樹脂膜をマスクとして用いて、主にマスクの無い箇所の金型用基材をエッチングし、研磨されためっき面に凹凸を形成する。図15は、本発明の金型の製造方法の後半部分の好ましい一例を模式的に示す図である。図15(a)には第1エッチング工程によって、主にマスクの無い箇所13の金型用基材7がエッチングされる状態を模式的に示している。マスク12の下部の金型用基材7は金型用基材表面からはエッチングされないが、エッチングの進行とともにマスクの無い箇所13からのエッチングが進行する。よって、マスク12とマスクの無い箇所13との境界付近では、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされる。このようなマスク12とマスクの無い箇所13との境界付近において、マスク12の下部の金型用基材7もエッチングされることを、以下ではサイドエッチングと呼ぶ。図16に、サイドエッチングの進行を模式的に示した。図16の点線14は、エッチングの進行とともに変化する金型用基材の表面を段階に示している。
第1エッチング工程におけるエッチング処理は、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH34Cl2)等を用いて、金属表面を腐食させることによって行なわれるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した際の金型用基材に形成される凹形状は、下地金属の種類、感光性樹脂膜の種類およびエッチング手法等によって異なるため、一概にはいえないが、エッチング量が10μm以下である場合には、エッチング液に触れている金属表面から略等方的にエッチングされる。ここでいうエッチング量とは、エッチングにより削られる基材の厚みである。
第1エッチング工程におけるエッチング量は好ましくは1〜50μmである。エッチング量が1μm未満である場合には、金属表面に凹凸形状がほとんど形成されずに、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。また、エッチング量が50μmを超える場合には、金属表面に形成される凹凸形状の高低差が大きくなり、得られた金型を使用して作製した防眩フィルムを適用した画像表示装置において白ちゃけが生じる虞がある。傾斜角度が5°以下である面を95%以上含む微細凹凸表面を有する防眩フィルムを得るためには、第1エッチング工程におけるエッチング量は、2〜8μmであることがより好ましい。第1エッチング工程におけるエッチング処理は1回のエッチング処理によって行なってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行なってもよい。エッチング処理を2回以上に分けて行なう場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が上記範囲内とされることが好ましい。
〔7〕感光性樹脂膜剥離工程
続く感光性樹脂膜剥離工程では、第1エッチング工程でマスクとして使用した残存する感光性樹脂膜を完全に溶解し除去する。感光性樹脂膜剥離工程では剥離液を用いて感光性樹脂膜を溶解する。剥離液としては、上述した現像液と同様のものを用いることができる。剥離液のpH、温度、濃度および浸漬時間等を変化させることによって、ネガ型の感光性樹脂膜を用いた場合には露光部の、ポジ型の感光性樹脂膜を用いた場合には非露光部の感光性樹脂膜を完全に溶解して除去する。感光性樹脂膜剥離工程における剥離方法についても特に制限されず、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法を用いることができる。
図15(b)は、感光性樹脂膜剥離工程によって、第1エッチング工程でマスク12として使用した感光性樹脂膜を完全に溶解し除去した状態を模式的に示している。感光性樹脂膜からなるマスク12を利用したエッチングによって、第1の表面凹凸形状15が金型用基材表面に形成されている。
〔8〕第2めっき工程
続いて、形成された凹凸面(第1の表面凹凸形状15)にクロムめっきを施すことによって、表面の凹凸形状を鈍らせる。図15(c)には、第1エッチング工程のエッチング処理によって形成された第1の表面凹凸形状15にクロムめっき層16を形成することにより、第1の表面凹凸形状15よりも凹凸が鈍った表面(クロムめっきの表面17)が形成されている状態が示されている。
クロムめっきとしては、平板やロールなどの表面に、光沢があって、硬度が高く、摩擦係数が小さく、良好な離型性を与え得るクロムめっきを採用することが好ましい。このようなクロムめっきとしては特に制限されないが、いわゆる光沢クロムめっきや装飾用クロムめっきなどと呼ばれる、良好な光沢を発現するクロムめっきを用いることが好ましい。クロムめっきは通常、電解によって行なわれ、そのめっき浴としては、無水クロム酸(CrO3)と少量の硫酸を含む水溶液が用いられる。電流密度と電解時間を調節することにより、クロムめっきの厚みを制御することができる。
なお、第2めっき工程において、クロムめっき以外のめっきを施すことは好ましくない。何故なら、クロム以外のめっきでは、硬度や耐摩耗性が低くなるため、金型としての耐久性が低下し、使用中に凹凸が磨り減ったり、金型が損傷したりする。そのような金型から得られた防眩フィルムでは、十分な防眩機能が得られにくい可能性が高く、また、防眩フィルム上に欠陥が発生する可能性も高くなる。
また、上述した特開2004−90187号公報などに開示されているようなめっき後の表面研磨も、やはり好ましくない。すなわち、第2のめっき工程後に表面を研磨する工程を設けることなく、クロムめっきが施された凹凸面を、そのまま透明支持体上の樹脂層表面に転写される金型の凹凸面として用いることが好ましい。研磨することにより、最表面に平坦な部分が生じるため、光学特性の悪化を招く可能性があること、また、形状の制御因子が増えるため、再現性のよい形状制御が困難になることなどの理由による。
このように、微細表面凹凸形状が形成された表面にクロムめっきを施すことにより、凹凸形状が鈍らせられるとともに、その表面硬度が高められた金型が得られる。この際の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、第1エッチング工程より得られた凹凸のサイズと深さ、まためっきの種類や厚みなどによって異なるため、一概にはいえないが、鈍り具合を制御する上で最も大きな因子は、やはりめっき厚みである。クロムめっきの厚みが薄いと、クロムめっき加工前に得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、めっき厚みが厚すぎると、生産性が悪くなるうえに、ノジュールと呼ばれる突起状のめっき欠陥が発生してしまうため好ましくない。そこで、クロムめっきの厚みは1〜10μmの範囲内であるのが好ましく、3〜6μmの範囲内であるのがより好ましい。
当該第2めっき工程で形成されるクロムめっき層は、ビッカース硬度が800以上となるように形成されていることが好ましく、1000以上となるように形成されていることがより好ましい。クロムめっき層のビッカース硬度が800未満である場合には、金型使用時の耐久性が低下するうえに、クロムめっきで硬度が低下することはめっき処理時にめっき浴組成、電解条件などに異常が発生している可能性が高く、欠陥の発生状況についても好ましくない影響を与える可能性が高いためである。
また、本発明の防眩フィルムを作製するための金型の製造方法においては、上述した〔7〕感光性樹脂膜剥離工程と〔8〕第2めっき工程との間に、第1エッチング工程によって形成された凹凸面をエッチング処理によって鈍らせる第2エッチング工程を含むことが好ましい。第2エッチング工程では、感光性樹脂膜をマスクとして用いた第1エッチング工程によって形成された第1の表面凹凸形状15を、エッチング処理によって鈍らせる。この第2エッチング処理によって、第1エッチング処理によって形成された第1の表面凹凸形状15における表面傾斜が急峻な部分がなくなり、得られた金型を用いて製造された防眩フィルムの光学特性が好ましい方向へと変化する。図17には、第2エッチング処理によって、金型用基材7の第1の表面凹凸形状15が鈍化し、表面傾斜が急峻な部分が鈍らされ、緩やかな表面傾斜を有する第2の表面凹凸形状18が形成された状態が示されている。
第2エッチング工程のエッチング処理も、第1エッチング工程と同様に、通常、塩化第二鉄(FeCl3)液、塩化第二銅(CuCl2)液、アルカリエッチング液(Cu(NH34Cl2)などを用い、表面を腐食させることによって行なわれるが、塩酸や硫酸などの強酸を用いることもできるし、電解めっき時と逆の電位をかけることによる逆電解エッチングを用いることもできる。エッチング処理を施した後の凹凸の鈍り具合は、下地金属の種類、エッチング手法、および第1エッチング工程により得られた凹凸のサイズと深さなどによって異なるため、一概にはいえないが、鈍り具合を制御する上で最も大きな因子は、エッチング量である。ここでいうエッチング量も、第1エッチング工程と同様に、エッチングにより削られる基材の厚みである。エッチング量が小さいと、第1エッチング工程により得られた凹凸の表面形状を鈍らせる効果が不十分であり、その凹凸形状を転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、エッチング量が大きすぎると、凹凸形状がほとんどなくなってしまい、ほぼ平坦な金型となってしまうので、防眩性を示さなくなってしまう。そこで、エッチング量は1〜50μmの範囲内とすることが好ましく、また、傾斜角度が5°以下である面を95%以上含む微細凹凸表面を有する防眩フィルムを得るために、4〜20μmの範囲内とすることがより好ましい。第2エッチング工程におけるエッチング処理についても、第1エッチング工程と同様に、1回のエッチング処理によって行なってもよいし、エッチング処理を2回以上に分けて行なってもよい。エッチング処理を2回以上に分けて行なう場合には、2回以上のエッチング処理におけるエッチング量の合計が上記範囲内とされることが好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下の例における防眩フィルムおよび防眩フィルム製造用のパターンの評価方法は、次のとおりである。
〔1〕防眩フィルムの表面形状の測定
三次元顕微鏡「PLμ2300」(Sensofar社製)を用いて、防眩フィルムの表面形状を測定した。サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。測定の際、対物レンズの倍率は10倍として測定を行なった。水平分解能ΔxおよびΔyはともに1.66μmであり、測定面積は850μm×850μmであった。
(標高のエネルギースペクトルの比H1 2/H2 2およびH3 2/H2 2
上で得られた測定データから、防眩フィルムの微細凹凸表面の標高を二次元関数h(x,y)として求め、得られた二次元関数h(x,y)を離散フーリエ変換して二次元関数H(fx,fy)を求めた。二次元関数H(fx,fy)を二乗してエネルギースペクトルの二次元関数H2(fx,fy)を計算し、fx=0の断面曲線であるH2(0,fy)より、空間周波数0.01μm-1におけるエネルギースペクトルH1 2および空間周波数0.04μm-1におけるエネルギースペクトルH2 2を求め、エネルギースペクトルの比H1 2/H2 2を計算した。また、空間周波数0.1μm-1におけるエネルギースペクトルH3 2を求め、エネルギースペクトルの比H3 2/H2 2についても計算した。
(微細凹凸表面の傾斜角度)
上で得られた測定データをもとに、前述のアルゴリズムに基づいて計算し、凹凸面の傾斜角度のヒストグラムを作成し、そこから傾斜角度毎の分布を求め、傾斜角度が5°以下である面の割合を計算した。
(防眩層における微粒子の突出程度(埋没状態)の評価)
防眩層が微粒子を含有しないこと以外は同様にして作製された防眩フィルムを比較対象とし、微細凹凸表面の空間周波数分布および凹凸面の傾斜角度のヒストグラムが当該比較対象と同じである場合、すなわち、標高のエネルギースペクトルの二次元関数H(fx,fy)のfx=0の断面曲線であるH2(0,fy)および傾斜角度のヒストグラムが当該比較対象と略重なる場合、微粒子を含有する防眩フィルムの凹凸表面形状は、微粒子によって影響を受けていないといえることから、微粒子は防眩層表面から突出しておらず(完全にバインダ樹脂中に埋没しており)、凹凸表面は、バインダ樹脂によって形成された表面のみからなると判断した。下記表1において、バインダ樹脂によって形成された表面のみからなる場合を○で表示した。
〔2〕防眩フィルムの光学特性の測定
(ヘイズ)
防眩フィルムのヘイズは、JIS K 7136に規定される方法で測定した。具体的には、この規格に準拠したヘイズメータ「HM−150型」(村上色彩技術研究所製)を用いてヘイズを測定した。防眩フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。一般的にヘイズが大きくなると、画像表示装置に適用したときに画像が暗くなり、その結果、正面コントラストが低下しやすくなる。それ故に、ヘイズは低い方が好ましい。
(相対散乱光強度T(20))
防眩フィルムを、その凹凸面が表面となるようガラス基板に貼合し、そのガラス面側で防眩フィルム法線方向から、He−Neレーザーからの平行光を照射し、防眩フィルム凹凸面側で防眩フィルム法線から20°の方向の透過散乱光強度を測定した。透過散乱光強度の測定には、横河電機(株)製の「3292 03 オプティカルパワーセンサー」および「3292 オプティカルパワーメーター」を用いた。
〔3〕防眩フィルムの防眩性能の評価
(映り込み、白ちゃけの目視評価)
防眩フィルムの裏面からの反射を防止するために、凹凸面が表面となるように黒色アクリル樹脂板に防眩フィルムを貼合し、蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視で観察し、蛍光灯の映り込みの有無、白ちゃけの程度を目視で評価した。映り込み、白ちゃけおよび質感は、それぞれ1から3の3段階で次の基準により評価した。
映り込み 1:映り込みが観察されない、
2:映り込みが少し観察される、
3:映り込みが明瞭に観察される。
白ちゃけ 1:白ちゃけが観察されない、
2:白ちゃけが少し観察される、
3:白ちゃけが明瞭に観察される。
(ギラツキの評価)
ギラツキは、以下の方法で評価した。すなわち、市販の液晶テレビ(LC−32GH3(シャープ(株)製)から表裏両面の偏光板を剥離した。それらオリジナル偏光板の代わりに、背面側および表示面側とも、偏光板「スミカラン SRDB31E」(住友化学(株)製)を、それぞれの吸収軸がオリジナルの偏光板の吸収軸と一致するように粘着剤を介して貼合し、さらに表示面側偏光板の上には、以下の各例に示す防眩フィルムを凹凸面が表面となるように粘着剤を介して貼合した。この状態で、サンプルから約30cm離れた位置から、目視観察することにより、ギラツキの程度を7段階で官能評価した。レベル1はギラツキが全く認められない状態、レベル7はひどくギラツキが観察される状態に該当し、レベル3はごくわずかにギラツキが観察される状態である。
〔4〕防眩フィルム製造用のパターンの評価
作成したパターンデータを256階調のグレースケールの画像データとし、階調を二次元の離散関数g(x,y)で表した。離散関数g(x,y)の水平分解能ΔxおよびΔyはともに2μmとした。得られた二次元関数g(x,y)を離散フーリエ変換して、二次元関数G(fx,fy)を求めた。二次元関数G(fx,fy)を二乗してエネルギースペクトルの二次元関数G2(fx,fy)を計算し、fx=0の断面曲線であるG2(0,fy)より、空間周波数が0μm-1より大きく、かつ、絶対値が最も小さい空間周波数での極大値を求めた。
<実施例1>
直径200mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面に銅バラードめっきが施されたものを用意した。銅バラードめっきは、銅めっき層/薄い銀めっき層/表面銅めっき層からなるものであり、めっき層全体の厚みは、約200μmとなるように設定した。その銅めっき表面を鏡面研磨し、研磨された銅めっき表面に感光性樹脂を塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成した。ついで、図11に示される画像データからなるパターンの複数を連続して繰り返し並べたパターンを感光性樹脂膜上にレーザー光によって露光し、現像した。レーザー光による露光、および現像は「Laser Stream FX」((株)シンク・ラボラトリー製)を用いて行なった。感光性樹脂膜にはポジ型の感光性樹脂を使用した。図11に示されるパターンから計算されるエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面は、図13に示されるとおりである。図11に示されるパターンは、空間周波数0.045μm-1にエネルギースペクトルの極大値を示す。
その後、塩化第二銅液で第1のエッチング処理を行なった。その際のエッチング量は7μmとなるように設定した。第1のエッチング処理後のロールから感光性樹脂膜を除去し、再度、塩化第二銅液で第2のエッチング処理を行なった。その際のエッチング量は18μmとなるように設定した。その後、クロムめっき加工を行ない、金型Aを作製した。このとき、クロムめっき厚みが4μmとなるように設定した。
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60重量%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化型樹脂組成物を入手した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 60重量部、
多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応生成物) 40重量部、
レベリング剤 あり。
この紫外線硬化型樹脂組成物に、平均粒径が8μmで屈折率が1.565のメタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(微粒子)を、紫外線硬化型樹脂100重量部(当該紫外線硬化型樹脂の硬化により形成されるバインダ樹脂も実質的に100重量部となる)あたり15重量部添加した後、固形分(樹脂ビーズを含む)の濃度が60重量%となるように酢酸エチルを添加して塗布液を調製した。透明支持体である厚み80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが10μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、先に得られた金型Aの凹凸面に、紫外線硬化型樹脂組成物層が金型側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2となるように照射して、紫外線硬化型樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂(防眩層)とTACフィルムとの積層体からなる、透明な防眩フィルムAを作製した。
<実施例2>
微粒子の添加量を30重量部としたこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムBを作製した。
<比較例1>
微粒子を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして防眩フィルムCを作製した。
<比較例2>
レーザー光によって露光するパターンとして図18に示すパターンを用いたこと以外は実施例1と同様にして金型Bを得た。得られた金型Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムDを作製した。図18に示した二次元離散関数g(x,y)は512×512個の値を持ち、水平分解能ΔxおよびΔyは2μmである。図18に示したパターンである画像データは、ドット径22μmのドットを多数ランダムに配置したパターンであり、2mm×2mmの大きさで、12800dpiで作成した。図18に示したパターンより得られたエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面を図20に示す。図20より、図18に示したパターンのエネルギースペクトルは空間周波数が0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内、すなわち、0.036μm-1に極大値を持つことが分かる。
<比較例3>
レーザー光によって露光するパターンとして図19に示すパターンを用い、第1のエッチング処理のエッチング量を10μmとなるように設定し、第2のエッチング処理のエッチング量を30μmとなるように設定したこと以外は実施例1と同様にして金型Cを得た。得られた金型Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムEを作製した。図19に示した二次元離散関数g(x,y)は512×512個の値を持ち、水平分解能ΔxおよびΔyは2μmである。図19に示したパターンである画像データは、ドット径36μmのドットを多数ランダムに配置したパターンであり、20mm×20mmの大きさで、3200dpiで作成した。図19に示したパターンより得られたエネルギースペクトルG2(fx,fy)のfx=0における断面を図20に示す。図20より、図19に示したパターンのエネルギースペクトルは空間周波数が0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内、すなわち、0.018μm-1に極大値を持つことが分かる。
<比較例4>
直径300mmのアルミロール(JISによるA5056)の表面を鏡面研磨し、研磨されたアルミ面に、ブラスト装置((株)不二製作所製)を用いて、ジルコニアビーズTZ−SX−17(東ソー(株)製、平均粒径:20μm)を、ブラスト圧力0.1MPa(ゲージ圧)、ビーズ使用量8g/cm2(ロールの表面積1cm2あたりの使用量)でブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つきアルミロールに対し、無電解ニッケルめっき加工を行ない、金型Dを作製した。このとき、無電解ニッケルめっき厚みが15μmとなるように設定した。得られた金型Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムFを作製した。
得られた防眩フィルムの表面形状および光学特性の評価結果を表1に示す。また、図21および図22にそれぞれ、実施例1、実施例2および比較例1の防眩フィルムが備える防眩層の微細凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH(fx,fy)のfx=0における断面曲線であるH2(0,fy)および傾斜角度のヒストグラムを示す。図21および図22より、実施例1および2の防眩フィルムの微細凹凸表面の空間周波数分布および凹凸面の傾斜角度のヒストグラムは、微粒子を含有しない比較例1の防眩フィルムと略重なることがわかる。
表1に示されるように、本発明に係る実施例1および2の防眩フィルムAおよびBは、ギラツキが全く発生せず、十分な防眩性(映り込み防止能)を示し、白ちゃけも発生しなかった。また、相対散乱光強度T(20)も低いため、画像表示装置に配置した際にもコントラストの低下を引き起こすことが無い。防眩層に微粒子が含有されない比較例1の防眩フィルムCは、十分な防眩性を示し、白ちゃけも発生しなかったが、わずかにギラツキが発生していた。また、エネルギースペクトルが0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持つパターンより作成された比較例2および3の防眩フィルムDおよびEは、十分な防眩性を示し、白ちゃけも発生しなかったが、エネルギースペクトルの比H1 2/H2 2が本発明の要件を満たさないため、ギラツキが発生していた。また、所定のパターンを用いずに作成した比較例4の防眩フィルムFは、エネルギースペクトルの比H1 2/H2 2が本発明の要件を満たさないため、ギラツキが発生していた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 防眩フィルム、2 微細凹凸表面を構成する凹凸、3 防眩フィルムの投影面、5 防眩フィルムの主法線方向、5’ 透明支持体の法線方向、6 凹凸を加味した局所的な法線、6a〜6d ポリゴン面の法線ベクトル、ψ 表面傾斜角度、7 金型用基材、8 研磨工程によって研磨された基材の表面、9 感光性樹脂膜、10 露光工程において露光された感光性樹脂膜、11 露光工程において露光されない感光性樹脂膜、12 マスク、13 マスクの無い箇所、14 エッチングによって段階的に形成される表面、15 第1エッチング工程後の基材表面(第1の表面凹凸形状)、16 クロムめっき層、17 クロムめっきの表面、18 第2エッチング工程後の基材表面(第2の表面凹凸形状)、20 防眩フィルムの透明支持体側から透明支持体の法線方向に入射した光、21 防眩層側の法線方向から20°の方向に透過する散乱光、22 入射した光の光線方向と透明支持体の法線方向とを含む平面、101 透明支持体、102 防眩層、103 バインダ樹脂、104 微粒子、105 微細凹凸表面。

Claims (5)

  1. 透明支持体と、前記透明支持体上に積層された、凹凸表面を有する防眩層とを備える防眩フィルムであって、
    空間周波数0.01μm-1における前記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH1 2と、空間周波数0.04μm-1における前記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H1 2/H2 2が3〜15の範囲内であり、
    前記防眩層は、バインダ樹脂と、前記バインダ樹脂に分散された微粒子とから構成され、
    前記防眩層の凹凸表面は、前記バインダ樹脂によって形成された表面からなる防眩フィルム。
  2. 前記防眩層は、バインダ樹脂100重量部に対し、平均粒径が5μm以上10μm以下で、バインダ樹脂との屈折率比が0.93以上0.98以下もしくは1.01以上1.04以下である微粒子を10〜50重量部含有しており、かつ、
    前記防眩層の厚みは、前記微粒子の平均粒径の1.1倍以上2倍以下である請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 空間周波数0.1μm-1における前記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH3 2と、空間周波数0.04μm-1における前記凹凸表面の標高のエネルギースペクトルH2 2との比H3 2/H2 2が0.1以下である請求項1または2に記載の防眩フィルム。
  4. 前記凹凸表面は、傾斜角度が5°以下である面を95%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載の防眩フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の防眩フィルムを製造する方法であって、
    0μm-1より大きく0.04μm-1以下の範囲内に極大値を持たないエネルギースペクトルを示すパターンを用いて、凹凸面を有する金型を作製する工程と、
    前記透明支持体上に形成された、前記微粒子が分散された樹脂層の表面に、前記金型の凹凸面を転写する工程を含む防眩フィルムの製造方法。
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