JP5015462B2 - 防眩性フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の防眩性フィルムは、防眩層を備えており、通常、基材の上に防眩層が形成されている。また、この防眩性フィルムの防眩層の上に、さらに低屈折率の樹脂層(低屈折率層)を形成してもよい。
基材としては、光透過性を有する支持体、例えば、合成樹脂フィルムなどの透明支持体が使用される。また、光透過性を有する支持体は、光学部材を形成するための透明ポリマーフィルムで構成されていてもよい。
防眩層はポリマーで構成されている。特に、本発明では、耐擦傷性を向上するために、ポリマーと硬化性樹脂前駆体とを組み合わせて用いてもよく、その場合は、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体との硬化物であってもよい。このような方法で防眩層を製造すると、硬化性樹脂前駆体の硬化により、フィルムの表面に規則的又は周期的な凹凸形状が固定化される。
ポリマー成分としては、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)、ゴム又はエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど)などが例示できる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
重合性化合物(ii)の反応性基:エポキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基
(i-2)熱可塑性樹脂(i)の反応性基:ヒドロキシル基
重合性化合物(ii)の反応性基:カルボキシル基又はその酸無水物基、イソシアネート基
(i-3)熱可塑性樹脂(i)の反応性基:アミノ基
重合性化合物(ii)の反応性基:カルボキシル又はその酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基
(i-4)熱可塑性樹脂(i)の反応性基:エポキシ基
重合性化合物(ii)の反応性基:カルボキシル基又はその酸無水物基、アミノ基。
硬化性樹脂前駆体としては、熱線や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)などにより反応する官能基を有する化合物であり、熱や活性エネルギー線などにより硬化又は架橋して樹脂(特に硬化又は架橋樹脂)を形成可能な種々の硬化性化合物が使用できる。
低屈折率層は、低屈折率樹脂で構成されている。低屈折率層を前記防眩層の少なくとも一方の面に積層することにより、光学部材などにおいて、低屈折率層を最表面となるように配設した場合などに、外部からの光(外部光源など)が、防眩性フィルムの表面で反射するのを有効に防止できる。
本発明の防眩性フィルムは、防眩層において、相分離した複数のドメインを有するとともに、前記ドメインとマトリックスとの間が凹凸状に形成されている。前記ドメインは、閉じた凹凸状(ループ状)域であり、通常、このループ状(外ループ)は、略閉じていればよい。また、前記ドメインは、独立している場合が多いが、一部の隣接するドメインは、細長い(幅の狭い)連絡部で接続されていてもよい。
すなわち、Cの値が100%に近づく程、防眩性フィルムによる像のボケが小さい[参考文献;須賀、三田村,塗装技術,1985年7月号]。
本発明の防眩性フィルムは、ポリマー及び溶媒を含む溶液を塗布し、乾燥工程で、湿潤(未乾燥)塗膜において細胞状回転対流を発生させることにより製造できる。より具体的には、通常、前記溶液を基材にコーティングし、塗布層から溶媒を蒸発させることにより行うことができる。本発明では、特に、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体と、沸点100℃以上の溶媒とを含む溶液を基材の上に塗布し、乾燥工程で、湿潤塗膜において細胞状回転対流(対流セル)を発生させた後、その塗膜を硬化して製造するのが好ましい。なお、前記基材として剥離性基材を用いる場合には、基材から塗膜を剥離して、防眩性膜としてもよい。
本発明では、前記溶液を塗布した後、細胞状回転対流により、塗膜表面を隆起させて、表面に規則的又は周期的な凹凸形状を形成する。一般に、回転対流は、溶媒の蒸発乾燥とともに塗膜の表面付近が蒸発熱により冷却された結果、塗膜の上層と下層との間で限界以上の温度差が生じることにより発生する。このような対流は、ベナール型対流と称されている。また、ベナール型対流は、ベナールによって発見され、レイリーによって理論体系付けられたため、ベナール・レイリー対流とも称される。その限界温度差ΔTは、塗膜の厚さd、塗膜(溶液)の動粘性係数ν、塗膜の温度伝導率κ、塗膜の体積膨張係数α、重力加速度gによって決定される。対流は、以下の式で定義されるレイリー数Raが、特定の臨界値を超えると発生する。
このようにして発生した対流は、規則正しく上昇運動と下降運動とが繰り返され、膜表面に規則的又は周期的な凹凸形状が細胞状に配列される。この細胞のアスペクト比(塗布方向/厚み方向)は2/1〜3/1程度になることが知られている。
本発明では、このように回転対流を発生させ、対流の流れ及び固形分濃度差によって生じる表面の凹凸形状を形成するが、このような対流とともに、互いに相分離性を有する2つの成分(ポリマー及び硬化性樹脂前駆体のうち少なくとも2つの成分)を含有する溶液を用いて前記成分を相分離し、相分離構造を形成してもよい。対流と相分離との併用における詳しいメカニズムは解明できていないが、次のように推定できる。
本発明では、ポリマー及び硬化性樹脂前駆体を含む溶液中の溶媒を蒸発させることにより、前記対流や相分離を行うことができる。特に、溶液に含まれる成分の中でも、溶媒は、安定的に対流を発生させるために必要不可欠である。それは、蒸発に伴う気化熱により塗膜表面の温度を低下させる作用を有するからであり、さらに、発生した対流を滞りなく流すための流動性の作用を有するためである。
本発明によれば、対流が発生した際の溶液粘度が低すぎると、対流に伴い隆起した表面の凹凸形状を保持するために、溶液の粘度は適度に高いのが好ましく、かつ対流が滞りなく流れるためには適度に溶液の粘度は低いのが好ましい。このような溶液の粘度にするために、溶液の固形分濃度は、例えば、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%程度である。
所望のサイズの細胞状回転対流を発生させるためには、溶液の塗布厚みは、例えば、10〜200μm、好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜50μm程度である。対流細胞のアスペクト比が2〜3になることを利用して、例えば、凹凸形状の凸間距離を50μm程度にする場合は、20〜50μm程度の塗布厚みで、基材上に溶液を塗布すれば、溶液中の低沸点溶媒の一部が蒸発することにより、塗膜厚みが薄くなると同時に塗膜の上層と下層との間で温度差が発生し、50μm程度のサイズを有する細胞状回転対流を発生させることができる。
前記溶液を流延又は塗布した後、溶媒の沸点よりも低い温度(例えば、高沸点溶媒の沸点よりも1〜120℃、好ましくは5〜80℃、特に10〜60℃程度低い温度)で溶媒を蒸発させることにより、細胞状回転対流および相分離を誘起するのが好ましい。例えば、溶媒の沸点に応じて、30〜200℃、(例えば、30〜100℃)、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃程度の温度で乾燥させてもよい。
前記溶液を乾燥した後、熱線や活性エネルギー線(紫外線や電子線など)により、塗膜を硬化又は架橋する。硬化方法は、硬化性樹脂前駆体の種類に応じて選択できるが、通常、紫外線や電子線などの光照射により硬化する方法が用いられる。汎用的な露光源は、通常、紫外線照射装置である。なお、光照射は、必要であれば、不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。
低屈折率層の形成方法は、特に制限されず、前記防眩層上に、少なくとも前記樹脂系材料で構成された層を形成できればよいが、通常、前記防眩層上に、低屈折率成分を含む塗工液を塗布又は流延し、熱又は活性光線などにより塗膜を硬化させることにより低屈折率層を形成できる。
本発明の防眩性フィルムは、細胞状回転対流により、各凸部が均一に制御された凹凸形状を有するため、均質で高品位な防眩性を有している。さらに、高い耐擦傷性(ハードコート性)を有するとともに、透過散乱光の強度分布を制御できる。特に、透過光を等方的に透過して散乱させながら、特定の角度範囲での散乱強度を大きくできる。さらに、透過像の鮮明性に優れており、表示面での文字ボケも少ない。また、低屈折率層を形成した場合は、その表面では、外光反射を効率よく防止できる。そのため、本発明の防眩性フィルムは、光学部材等の用途に適しており、前記支持体を、種々の光学部材を形成するための透明ポリマーフィルムで構成することもできる。透明ポリマーフィルムと組み合わせて得られた防眩性フィルムは、そのまま光学部材として用いてもよく、光学要素(例えば、偏光板、位相差板、導光板などの光路内に配設される種々の光学要素)と組み合わせて光学部材を形成してもよい。すなわち、光学要素の少なくとも一方の光路面に前記防眩性フィルムを配設又は積層してもよい。例えば、前記位相差板の少なくとも一方の面に防眩性フィルムを積層してもよく、導光板の出射面に防眩性フィルムを配設又は積層してもよい。
本発明の防眩性フィルムは、種々の表示装置、例えば、液晶表示(LCD)装置、陰極管表示装置、有機又は無機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、表面電界ディスプレイ(SED)、リアプロジェクションテレビディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル付き表示装置などの表示装置に使用できる。これらの表示装置は、前記防眩性フィルムや光学部材(特に偏光板と防眩性フィルムとの積層体など)を光学要素として備えている。特に、高精細又は高精彩液晶ディスプレイなどの大型液晶表示装置に装着しても映り込みを防止できるため、液晶表示装置などに好ましく使用できる。
側鎖に重合性不飽和基を有するアクリル樹脂[(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のカルボキシル基の一部に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルアクリレートを付加させた化合物;ダイセル化学工業(株)製、サイクロマーP(ACA)320M、固形分44.2重量%、溶剤:1−メトキシ−2−プロパノール(MMPG)(沸点119℃)]6.11重量部、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル化度=2.5%、プロピオニル化度=46%、ポリスチレン換算数平均分子量75,000;イーストマン社製、CAP−482−20)0.8重量部、多官能アクリル系UV硬化モノマー(ダイセルサイテック(株)製、DPHA)6.5重量部、光開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、イルガキュア184)0.5重量部をメチルエチルケトン(MEK)(沸点80℃)26重量部、1−ブタノール(BuOH)(沸点113℃)5.1重量部、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点119℃)5.5重量部に溶解した。なお、セルロースアセテートプロピオネートとアクリル樹脂は非相溶であり、この溶液は濃縮とともに相分離性を示す。この溶液を、ワイヤーバー#36を用いてトリアセチルセルロースフィルム上に流延した後、10秒間室温中で放置し、その後直ちに、防爆オーブン内に投入した。防爆オーブンは、予めファンは停止させておき、オーブン内にフィルムを投入後、60℃で5秒間保持し、無風状態で溶媒蒸発に伴う対流セルを安定化させた。その後、オーブンのファンを稼働し始め、ファンの風速4m/分とし、60℃で1分間乾燥させることにより、対流セル中に相分離構造を発生させ、表面凹凸構造を有する厚さ約10.5μmのコート層を形成させた。そして、コート層に、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)からの紫外線を約30秒間照射することによりUV硬化処理し、ハードコート性および表面凹凸構造を有する防眩性フィルムを作製した。
側鎖に重合性不飽和基を有するアクリル樹脂[(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のカルボキシル基の一部に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルアクリレートを付加させた化合物;ダイセル化学工業(株)製、サイクロマーP(ACA)320M、固形分44.2重量%、溶剤:1−メトキシ−2−プロパノール(MMPG)(沸点119℃)]6.11重量部、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル化度=2.5%、プロピオニル化度=46%、ポリスチレン換算数平均分子量75,000;イーストマン社製、CAP−482−20)0.8重量部、多官能アクリル系UV硬化モノマー(ダイセルサイテック(株)製、DPHA)3.9重量部、多官能アクリル系UV硬化モノマー(ダイセルサイテック(株)製、PETIA)2.6重量部、光開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、イルガキュア184)0.5重量部をメチルエチルケトン(MEK)24.3重量部、1−ブタノール(BuOH)4.8重量部、1−メトキシ−2−プロパノール5.1重量部に溶解した。この溶液を、ワイヤーバー#36を用いてトリアセチルセルロースフィルム上に流延した後、10秒間室温中で放置し、その後直ちに、防爆オーブン内に投入した。防爆オーブンは、予めファンは停止させておき、オーブン内にフィルムを投入後、80℃で10秒間保持し、無風状態で溶媒蒸発に伴う対流セルを安定化させた。その後、オーブンのファンを稼働し始め、ファンの風速6m/分とし、80℃で1分間乾燥させることにより、対流セル中に相分離構造を発生させ、表面凹凸構造を有する厚さ約11μmのコート層を形成させた。そして、コート層に、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)からの紫外線を約30秒間照射することによりUV硬化処理し、ハードコート性および表面凹凸構造を有する防眩性フィルムを作製した。
側鎖に重合性不飽和基を有するアクリル樹脂[(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のカルボキシル基の一部に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルアクリレートを付加させた化合物;ダイセル化学工業(株)製、サイクロマーP(ACA)320M、固形分44.2重量%、溶剤:1−メトキシ−2−プロパノール(MMPG)(沸点119℃)]5.43重量部、セルロースアセテートプロピオネート(アセチル化度=2.5%、プロピオニル化度=46%、ポリスチレン換算数平均分子量75,000;イーストマン社製、CAP−482−20)0.6重量部、多官能アクリル系UV硬化モノマー(ダイセルサイテック(株)製、DPHA)3.61重量部、多官能アクリル系UV硬化モノマー(ダイセルサイテック(株)製、PETIA)2.41重量部、多官能ハイブリッド系UV硬化モノマー(JSR(株)製、Z7501、固形分53重量%、溶剤MEK)1.85重量部、光開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、イルガキュア184)0.5重量部をメチルエチルケトン(MEK)24.3重量部、1−ブタノール(BuOH)5重量部、1−メトキシ−2−プロパノール3.7重量部に溶解した。この溶液を用いてパイロット機にて塗布を行った。なお、このパイロット機は、ヘッドがマイクログラビア方式(45番)であり、乾燥炉は10mである。さらに、乾燥炉は、前半ゾーンと後半ゾーンとに分けて乾燥条件を制御でき、前半ゾーンの乾燥条件を70℃、風速2m/秒、後半ゾーンの乾燥条件を70℃、風速10m/秒としている。このパイロット機を用いて、線速6m/分でトリアセチルセルロースフィルム上に溶液を塗布し、表面凹凸構造を有する厚さ約11μmのコート層を形成させた。そして、乾燥炉から出てきたコート層に、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)からの紫外線を約30秒間照射することによりUV硬化処理し、ハードコート性および表面凹凸構造を有する防眩性フィルムを作製した。さらに、この防眩性フィルムに、低屈折率層として、熱硬化性含フッ素化合物塗工液(日産化学(株)製、LR204−6、固形分1重量%)をワイヤーバー#5を用いて塗布し、乾燥後、90℃で5分間熱硬化させ、低反射防眩フィルムを作製した。
実施例1〜3で得られた防眩性フィルムの裏側に黒フィルムを貼り合せ、レーザー反射顕微鏡にて観察することにより、表面の凹凸形状を写した写真を示す。図1〜3は、それぞれ、実施例1〜3で得られた防眩性フィルムにおける表面凹凸形状のレーザー反射顕微鏡による対物レンズ倍率5倍の写真である。
暗室の中で、実施例1〜3で得られた防眩性フィルムに赤色レーザー光を透過し、透過した光を10m離れた位置で半透明フィルムに投影し、裏側から半透明フィルムに投影された散乱光パターンを観察した。パターンを撮影した写真を図4〜6に示す。なお、画像処理の関係から、強い光強度は黄色で表示されている。また、0度の散乱強度は非常に強いため、ビームストッパでマスクしている。その結果、実施例1では、製膜方向に垂直な方向を対角線にして2点のスポット状回折ピークが観察できた。また、実施例2では、6点のスポット状回折ピークが観察できた。さらに、実施例3では、2点のスポット状回折ピークが明確に観察できるとともに、さらに4点の回折ピークもわずかに観察でき、合計で6点のスポット状回折ピークが観察できた。
実施例1〜3で得られた防眩性フィルムの透過散乱特性を、変角光度計測定装置(村上色彩技術研究所(株)製、GP−200)を用いて測定し、出斜角0°、2°、10°、30°の透過散乱光強度を測定し、散乱強度比を求めた。
実施例1〜3で得られた防眩性フィルムの性能については、ぎらつき、防眩性、白浮き(黒表示の沈み)、画像のコントラストは、外光の照らす光環境下で、得られた防眩性フィルムを、それぞれ、正面輝度450cd/m2、コントラスト400対1、20型、解像度60ppiのVA(垂直配向)型LCDパネルの表面に実装し、以下の基準で目視評価した。
◎:ぎらつきが全くない
○:ぎらつきがほとんど認められない
△:ぎらつきが気になる場合がある
×:ぎらつきが強い。
○:映り込みがない
△:わずかな映り込みがある
×:映り込みが激しい。
◎:黒表示が鮮明に見える
○:黒表示がやや白味がかって見える
△:黒表示が白味がかって見える
×:黒表示が白く見える。
◎:鮮明に見える
○:ほぼ鮮明に見える
△:見える
×:見えにくい。
2・・・NDフィルター
3・・・試料
4・・・検出器
Claims (18)
- 互いに相分離可能な複数のポリマーと、少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体との硬化物で構成され、かつ相分離した複数の島状ドメインを有する海島構造の防眩層を備えたフィルムであって、0.5mm幅の光学櫛を用いた写像鮮明度が15〜60%であり、前記複数のポリマーのうち、少なくとも1つのポリマーが、硬化性樹脂前駆体の硬化反応に関与する官能基を有しており、前記島状ドメインとマトリックスとの間が凹凸状に形成され、島状ドメインで構成された外ループ内に相分離により生成し、かつ少なくとも1つの凹凸部で構成された内ループが形成されている防眩性フィルム。
- 規則的又は周期的に島状ドメインで構成された外ループが形成されており、外ループの平均凸間距離Smが20〜300μmであり、かつ内ループ径が5〜100μmである請求項1記載の防眩性フィルム。
- フィルムへの入射光の透過において、入射光の一部が、入射光から0.01〜1°の角度で格子状回折を生じる請求項1記載の防眩性フィルム。
- 硬化性樹脂前駆体の硬化により、凹凸形状が固定化されている請求項1記載の防眩性フィルム。
- 硬化性樹脂前駆体が、複数のポリマーのうち、少なくとも1つのポリマーと相溶性を有する請求項3記載の防眩性フィルム。
- 複数のポリマーのうち、少なくとも1つのポリマーが、(メタ)アクリロイル基を有する請求項1記載の防眩性フィルム。
- 互いに相分離可能な複数のポリマーが、セルロース誘導体と、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂とで構成されるとともに、前記ポリマーのうち少なくとも1つのポリマーが、重合性基を有している請求項1記載の防眩性フィルム。
- 透明ポリマーフィルムで構成された基材の上に防眩層が形成されている請求項1記載の防眩性フィルム。
- 防眩層の上に、さらに低屈折率の樹脂層が形成されている請求項1記載の防眩性フィルム。
- 低屈折率の樹脂層が、屈折率1.30〜1.47の低屈折率を有する樹脂で構成されている請求項9記載の防眩性フィルム。
- 全光線透過率が70〜100%であるとともに、ヘーズが1〜30%であり、かつ0.5mm幅の光学櫛を用いた写像性測定器で測定した写像鮮明度が20〜50%である請求項1記載の防眩性フィルム。
- 散乱光プロファイルにおける出射角0°の光強度(I0)に対する出射角30°の散乱光強度(I30)の比(I30/I0)が、0.00001〜0.001%の範囲にある請求項1記載の防眩性フィルム。
- 液晶表示装置、陰極管表示装置、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、表面電界ディスプレイ、リアプロジェクションテレビディスプレイ、プラズマディスプレイ及びタッチパネル式入力装置から選択された少なくとも一種の表示装置に用いられる請求項1記載の防眩性フィルム。
- ポリマー及び溶媒を含む溶液を塗布し、乾燥工程で、湿潤塗膜において細胞状回転対流を発生させる請求項1記載の防眩性フィルムの製造方法。
- 少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの硬化性樹脂前駆体と、沸点100℃以上の溶媒とを含む溶液を塗布し、乾燥工程で、湿潤塗膜において細胞状回転対流を発生させた後、その塗膜を硬化する請求項14記載の製造方法。
- 乾燥工程が、対流セルを形成する工程と、形成された対流セル内に凹凸ループを形成する工程とで構成される請求項14記載の製造方法。
- 溶媒が少なくとも2種類の沸点の異なる溶媒で構成されている請求項14記載の製造方法。
- 活性エネルギー線及び熱線から選択された少なくとも一種を作用させて、塗膜を硬化する請求項14記載の製造方法。
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