JP2007156132A - 防眩フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防眩機能を有し、白ちゃけによる視認性の低下が十分に抑制された防眩フィルムを提供し、その防眩フィルムを画像表示装置に適用する。
【解決手段】表面に凹凸が形成され、入射角30゜での入射光13に対し、反射角30゜の反射率が2%以下、反射角40゜の反射率が 0.003%以下で、かつ、次の(1)〜(5)いずれかを満たす防眩フィルム。 (1)200μm×200μmの領域内に50〜150個の凸部を有すること; (2)凹凸面における各点の標高をヒストグラムで表したとき、そのピークが最高点と最低点の中間点を中心に±20%以内の範囲に存在すること; (3)表面の算術平均高さPaが0.08〜0.15μmであること; (4)表面の最大断面高さPtが0.4〜0.9μmであること; (5)フィルム表面をその凸部の頂点を母点としてボロノイ分割したときの多角形の平均面積が300〜1,000μm2 であること。

【選択図】図1

Description

本発明は、低ヘイズでありながら防眩特性に優れた防眩(アンチグレア)フィルム、及びその防眩フィルムを備えた画像表示装置に関するものである。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の画像表示装置は、その表示面に外光が写り込むと視認性が著しく損なわれてしまう。このような外光の映り込みを防止するために、画質を重視するテレビやパーソナルコンピュータ、外光の強い屋外で使用されるビデオカメラやデジタルカメラ、反射光を利用して表示を行う携帯電話等においては、従来から画像表示装置の表面に外光の映り込みを防止するフィルム層が設けられていた。このフィルム層は、光学多層膜による干渉を利用した無反射処理が施されたフィルムからなるものと、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させて映り込み像をぼかす防眩処理が施されたフィルムからなるものとに大別される。このうち、前者の無反射フィルムは、均一な光学膜厚の多層膜を形成する必要があるため、コスト高になる。これに対して後者の防眩フィルムは、比較的安価に製造することができるため、大型のパーソナルコンピュータやモニタ等の用途に広く用いられている。
このような防眩フィルムは従来から、例えば、フィラーを分散させた樹脂溶液を基材シート上に塗布し、塗布膜厚を調整してフィラーを塗布膜表面に露出させることでランダムな凹凸をシート上に形成する方法などにより製造されている。しかしながら、このようなフィラーを分散させることにより製造された防眩フィルムは、樹脂溶液中のフィラーの分散状態や塗布状態等によって凹凸の配置や形状が左右されてしまうため、意図したとおりの凹凸を得ることが困難であり、防眩機能が十分に得られないという問題があった。さらに、このような従来の防眩フィルムを画像表示装置の表面に配置した場合、表示面全体が散乱光によって全体に白っぽくなり、表示が濁った色になる、いわゆる白ちゃけが発生しやすいという問題があった。また、高精細な画像表示装置の最表面に凹凸からなる防眩面を設けた場合には、画素と防眩面の凹凸が干渉し、いわゆる「ぎらつき」が生じて、画像の鮮明度を低下させることがあった。かかる「ぎらつき」は、表示画像の視認性を低下させることになる。
一方、フィラーを含有させずに、透明樹脂層の表面に形成された微細な凹凸だけで防眩性を発現させる試みもある。例えば、特開 2002-189106号公報(特許文献1)には、エンボス鋳型と透明樹脂フィルムとの間に電離放射線硬化性樹脂を挟んだ状態で当該電離放射線硬化性樹脂を硬化させることにより、三次元10点平均粗さ及び、三次元粗さ基準面上における隣接する凸部どうしの平均距離が、それぞれ所定値を満足する微細な凹凸を形成させ、その凹凸が形成された電離放射線硬化性樹脂層を前記透明樹脂フィルム上に設けた形の防眩フィルムが開示されている。
また、表示装置の表示面に配置される防眩フィルムではなく、液晶表示装置の背面側に配置される光拡散層として、表面に微細な凹凸が形成されたフィルムを用いることも、例えば、特開平 6-34961号公報(特許文献2)、特開 2004-45471 号公報(特許文献3)、特開 2004-45472 号公報(特許文献4)などに開示されている。
フィルムの表面に凹凸を形成する手法として、上記特許文献3や特許文献4には、凹凸を反転させた形状を有するエンボスロールに電離放射線硬化性樹脂液を充填し、充填された樹脂にロール凹版の回転方向に同期して走行する透明基材を接触させ、透明基材がロール凹版に接触しているときに、ロール凹版と透明基材との間にある樹脂を硬化させ、硬化と同時に硬化樹脂と透明基材とを密着させた後、硬化後の樹脂と透明基材との積層体をロール凹版から剥離する方法が開示されている。
このような手法では、用いることのできる電離放射線硬化性樹脂液の組成が限られ、また溶媒で希釈して塗布したときのようなレベリングが期待できないことから、膜厚の均一性に課題があることが予想される。さらに、エンボスロール凹版に直接樹脂液を充填する必要があることから、凹凸面の均一性を確保するためには、エンボスロール凹版に高い機械精度が要求され、エンボスロールの作製が難しいという課題があった。
次に、表面に凹凸を有するフィルムの作製に用いられるロールの作製方法として、例えば、前記特許文献2には、金属等を用いて円筒体を作り、その表面に、電子彫刻、エッチング、サンドブラストなどの手法により凹凸を形成する方法が開示されている。また、特開 2004-90187 号公報(特許文献5)には、エンボスロールの表面に金属メッキ層を形成する工程、金属メッキ層の表面を鏡面研磨する工程、鏡面研磨した金属メッキ層面に、セラミックビーズを用いてブラスト処理を施す工程、さらに必要に応じてピーニング処理をする工程を経て、エンボスロールを作製する方法が開示されている。
このようにエンボスロールの表面にブラスト処理を施したままの状態では、ブラスト粒子の粒径分布に起因する凹凸径の分布が生じるとともに、ブラストにより得られるくぼみの深さを制御することが困難であり、防眩機能に優れた凹凸の形状を再現性良く得ることに課題があった。
また、前記特許文献1には、好ましくは鉄の表面にクロムメッキしたローラーを用い、サンドブラスト法やビーズショット法により凹凸型面を形成することが記載されている。さらに、このように凹凸が形成された型面には、使用時の耐久性を向上させる目的で、クロムメッキなどを施してから使用することが好ましく、それにより硬膜化及び腐食防止を図ることができる旨の記載もある。一方、前記特許文献3や特許文献4のそれぞれ実施例には、鉄芯表面にクロムメッキし、#250の液体サンドブラスト処理をした後に、再度クロムメッキ処理して、表面に微細な凹凸形状を形成することが記載されている。
このようなエンボスロールの作製法では、硬度の高いクロムメッキ上にブラストやショットを行うため、凹凸が形成されにくく、しかも形成された凹凸の形状を精密に制御することが困難であった。さらに、クロムメッキは一般的に、表面が荒れやすく、ブラストにより形成された凹凸上にクロムメッキで生じた細かい凹凸が形成されるため、どのような凹凸ができるのか設計が難しいという課題があった。さらにまた、クロムメッキで生じる細かい凹凸があるため、最終的に得られる防眩フィルムの散乱特性が好ましくない方向に変化するという課題もあった。
さらに、本発明者らによる特開 2005-140890号公報(特許文献6)には、凹凸の平均高さよりも高い領域を凸、それよりも低い領域を凹として、個々の凸又は凹の投影面積から求められる見かけの面積の頻度をヒストグラムで表したときのピーク位置とその半値幅が所定の条件を満たす防眩フィルムが開示されている。この公報では、ヘイズが高いと、防眩フィルムと液晶パネルを組み合わせて液晶表示装置としたときの正面コントラストが低下することから、ヘイズは15%以下であるのが好ましいとされている。
特開2002−189106号公報(請求項1〜6、段落0043〜0046) 特開平6−34961号公報(請求項1〜3、段落0024) 特開2004−45471号公報(請求項4、実施例1) 特開2004−45472号公報(請求項4、実施例1) 特開2004−90187号公報(請求項1及び2) 特開2005−140890号公報(請求項1、段落0056)
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、最表面に低反射膜が存在しない状態であっても優れた防眩機能を有し、しかも、白ちゃけやぎらつきによる視認性の低下が十分に抑制された防眩フィルムを提供し、さらには、その防眩フィルムを適用した画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属表面に微粒子をぶつけることにより凹凸を形成し、その凹凸面に無電解ニッケルメッキを施して金型とし、その金型の凹凸面を透明樹脂フィルムに転写して得られる凹凸面付き防眩フィルムは、ヘイズが十分に小さく、しかも、入射角30°で入射した光に対し、反射角30°の反射率が2%以下で、反射角40°の反射率が 0.003%以下と、正反射方向での反射率が小さい割に反射プロファイルに広がりをみせ、しかも反射角60°以上では反射率が十分に小さくなるという反射プロファイルを与えることを見出し、さらにこの防眩フィルムは、従来品に比べて防眩機能が一層向上し、かつ、白ちゃけの発生による視認性の低下及びぎらつきが十分に防止されることを見出し、さらに種々の検討を加えて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による防眩フィルムは、表面に凹凸が形成されてなり、入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ形状因子として次の(1)〜(5)のいずれかの要件を満たすものである。
(1)200μm ×200μm の領域内に50個以上150個以下の凸部を有すること、
(2)フィルムの凹凸面における各点の標高をヒストグラムで表したときに、ヒストグラムのピークが、最高点(高さ100%)と最低点(高さ0%)の中間点(高さ50%)を中心に±20%以内の範囲に存在すること、
(3)フィルム凹凸表面の任意の断面曲線における算術平均高さPa が、0.08μm以上0.15μm以下であること、
(4)フィルム凹凸表面の任意の断面曲線における最大断面高さPt が、0.4μm以上
0.9μm以下であること、
(5)フィルム表面凹凸の凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割したときに形成される多角形の平均面積が300μm2以上1,000μm2 以下であること。
これらの形状因子のうち、二つ又はそれ以上を満たすことは、一層有効であり、さらには、これらの形状因子全てを満たすことも有効である。これらの中でも、(1)の200μm ×200μm の領域内に50個以上250個以下の凸部を有するという要件は、重要である。
この防眩フィルムは、垂直入射光に対する表面ヘイズを5%以下にすることができる。
この防眩フィルムは、研磨された金属の表面に微粒子をぶつけて凹凸を形成し、その凹凸面に無電解ニッケルメッキを施して金型とし、その金型の凹凸面を透明樹脂フィルムに転写し、次いで凹凸面が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がす方法により、有利に製造される。この際、金属の表面にぶつける微粒子として、平均粒径が15〜35μm のもの、特に球状のものを用いることにより、前述した形状因子を満たす防眩フィルムが作製できる。この方法において、無電解ニッケルメッキ後に表面を研磨せず、そのまま無電解ニッケルメッキ面を金型の凹凸面として用いるのが有利である。金型の凹凸面を転写する透明樹脂フィルムは、透明基材フィルムの表面に光硬化性樹脂層が形成されたもので構成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることにより、金型の凹凸面を光硬化性樹脂層に転写することができる。
本発明の防眩フィルムは、液晶表示素子などの画像表示素子と組み合わせて、画像表示装置とすることができる。そこで本発明による画像表示装置は、前記の防眩フィルムと画像表示素子とを備え、その防眩フィルムが画像表示素子の視認側に配置されているものである。
本発明の防眩フィルムは、ヘイズが低く、表示画像の明るさを保ちながら、映り込み防止や反射防止、白ちゃけの抑制など、防眩性能に優れたものとなる。そして、本発明の防眩フィルムを配置した画像表示装置は、明るさや防眩性能、視認性に優れている。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。本発明の防眩フィルムは、表面に凹凸が形成されてなり、入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下で、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ前記した形状因子の少なくとも一つを満たすものである。
まず、防眩性能を好適に評価できる指標について説明する。図1は、防眩フィルムに対する光の入射方向と反射方向とを模式的に示した斜視図である。本発明では、防眩フィルム11の法線12から30°の角度で入射した入射光13に対し、反射角30°の方向、すなわち、正反射方向15への反射光の反射率(つまり正反射率)をR(30)としたときに、R(30)が2%以下となるようにする。この正反射率R(30)は、 1.5%以下、とりわけ 0.7%以下であるのがより好ましい。正反射率R(30)が2%を超えると、十分な防眩機能が得られず、視認性が低下してしまう。一方、正反射率R(30)があまり小さすぎても、白ちゃけが発生する傾向を示すことから、 0.1%以上であるのが好ましい。図1では、任意の反射角θでの反射光を符号16で表しており、反射率を測定するときの反射光の方向15,16は、入射光の方向13と法線12とを含む面18内とする。
図2は、図1における防眩フィルム11の法線12から30゜の角度で入射した入射光13に対する反射光16の、反射角と反射率(反射率は対数目盛)をプロットしたグラフの一例である。このような反射角と反射率の関係を表すグラフ、又はそれから読み取られる反射角毎の反射率を、反射プロファイルと呼ぶことがある。このグラフに示した如く、正反射率R(30)は30゜で入射した入射光13に対する反射率のピークであり、正反射方向から角度がずれるほど反射率は低下する傾向にある。
また本発明においては、図1における防眩フィルム11の法線12から30゜の角度で入射した入射光13に対し、反射角40゜の反射率をR(40)としたとき、R(40)は 0.003%以下となるようにする。R(40)が 0.003%を上回ると、白ちゃけが起こりやすくなるので、R(40)はあまり大きくならないようにするのが好ましい。一方、R(40)があまり小さすぎても、十分な防眩性を示さなくなることから、一般には 0.00005%以上であるのが好ましい。ただし、R(40)の好ましい範囲を厳密に定義することは難しい。なぜなら、映り込みや白ちゃけは、目視による主観的評価であり、最終的には消費者の好みを反映した特性であるからである。
さらに、図1における防眩フィルム11の法線12から30゜の角度で入射した入射光13に対し、反射角60゜以上の任意の方向における反射率をR(60以上)としたときに、R(60以上)/R(30)の値が 0.001以下となるようにするのが好ましい。このR(60以上)/R(30)は、より好ましくは 0.0005以下であり、さらに好ましくは 0.0001以下である。ここで、反射角60゜以上の任意の方向とは、具体的には反射角60°〜90°の間であり、後述するような方法で作製した防眩フィルムは、その代表的な反射プロファイルを図2に示すように、正反射方向の反射率をピークとし、反射角が大きくなるにつれて反射率は斬減することが多いので、その場合は、反射角60°の反射率をR(60)として、R(60)/R(30)をもって、R(60以上)/R(30)の値を代表させることができる。R(60以上)/R(30)の値が 0.001を超えると、防眩フィルムに白ちゃけが発生してしまい、視認性が低下しやすい。すなわち、例えば、表示装置の最前面に防眩フィルムを設置した状態で表示面に黒を表示した場合でも、周囲からの光を拾って表示面が全体的に白くなる白ちゃけが発生してしまう傾向にある。
図2に示す反射プロファイルの例では、正反射率R(30)が約 0.7%、R(40)が約0.0009%、そしてR(60)が約0.00004%となっている。
本発明者らの調査によれば、現在市中に出回っている防眩フィルムの大部分は、フィラーを分散させたタイプであり、そのようなタイプでは、多くの場合、表面ヘイズが5%を上回っており、10%〜20%に達するものもある。このような防眩フィルムでは、前記のようにして測定されるR(40)が 0.003%以上であり、十分な防眩性を示すものの、白ちゃけが発生しやすかった。一方、表面ヘイズが5%を下回るものもあるが、そのような防眩フィルムでは、白ちゃけは発生しないものの、防眩性が不十分であったり、ぎらつきが生じたりしていた。これに対し、本発明で規定するような、ヘイズが低く、しかも、R(30)が2%以下でR(40)が 0.003%以下という防眩フィルムは、ユニークであり、十分な防眩性能と白ちゃけ及びぎらつきの抑制という性能を兼ね備えるものであることがわかった。
防眩フィルムの反射率を測定するにあたっては、0.001% 以下の反射率を精度良く測定することが必要である。そこで、ダイナミックレンジの広い検出器の使用が有効である。このような検出器としては、例えば、市販の光パワーメーターなどを用いることができ、この光パワーメーターの検出器前にアパーチャーを設け、防眩フィルムを見込む角度が2°になるようにした変角光度計を用いて測定を行うことができる。入射光としては、380〜780nmの可視光線を用いることができ、測定用光源としては、ハロゲンランプ等の光源から出た光をコリメートしたものを用いてもよいし、レーザーなどの単色光源で平行度の高いものを用いてもよい。また、裏面が平滑で透明な防眩フィルムの場合には、防眩フィルム裏面からの反射が測定値に影響を及ぼすことがあるため、例えば、黒色のアクリル樹脂板に防眩フィルムの平滑面を粘着剤又は水やグリセリン等の液体を用いて光学密着させることにより、防眩フィルム最表面の反射率のみが測定できるようにするのが好ましい。
また、本発明の防眩フィルムは、上記した反射プロファイルに加え、形状因子として次の(1)〜(5)の要件の少なくとも一つを満たすようにする。
(1)200μm ×200μm の領域内に50個以上150個以下の凸部を有すること、
(2)フィルムの凹凸面における各点の標高をヒストグラムで表したときに、ヒストグラムのピークが、最高点(高さ100%)と最低点(高さ0%)の中間点(高さ50%)を中心に±20%以内の範囲に存在すること、
(3)フィルム凹凸表面の任意の断面曲線における算術平均高さPa が、0.08μm以上0.15μm以下であること、
(4)フィルム凹凸表面の任意の断面曲線における最大断面高さPt が、0.4μm以上
0.9μm以下であること、
(5)フィルム表面凹凸の凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割したときに形成される多角形の平均面積が300μm2以上1,000μm2 以下であること。
まず、(1)の200μm ×200μm の領域内に50個以上150個以下の凸部を有するという要件について説明する。凹凸表面における凸部の数が少ないと、高精細の画像表示装置と組み合わせて使用した場合に、画素との干渉によるぎらつきが発生し、画像が見えにくくなるので、好ましくない。また、凸部の数が多くなりすぎると、結果として表面凹凸形状の傾斜角度が急峻なものとなり、白ちゃけが発生しやすくなる。200μm ×200μm の領域内における凸部の数は、好ましくは120個以下であり、また好ましくは80個以上である。
防眩フィルムの凹凸面における凸部の数を求めるにあたっては、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope :AFM)などの装置により表面形状を測定し、防眩フィルム表面の各点の三次元的な座標値を求めてから、以下に示すアルゴリズムにより凸部を判定し、その個数をカウントする。すなわち、防眩フィルム表面の任意の点に着目したときに、その点の周囲において、着目した点よりも標高の高い点が存在せず、かつ、その点の凹凸面における標高が凹凸面の最高点の標高と最低点の標高との中間より高い場合に、その点が凸部の頂点であるとし、そのようにして求めた凸部の頂点の数をカウントし、凸部の数とする。より具体的には、図3に示すように、防眩フィルム表面の任意の点21に着目し、その点21を中心として、防眩フィルム基準面23に平行な半径2μm〜5μmの円を描いたとき、その円の投影面24内に含まれる防眩フィルム表面22上の点の中に、着目した点21よりも標高の高い点が存在せず、かつ、その点の凹凸面における標高が凹凸面の最高点の標高と最低点の標高との中間より高い場合に、その点21が凸部の頂点であると判定し、凸部の数を求める。その際、上記円24の半径は、サンプル表面の細かい凹凸をカウントせず、また、複数の凸部を含まない程度の大きさであることが求められ、3μm 程度が好ましい。測定に際しては、誤差を少なくするために、200μm ×200μm の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
共焦点顕微鏡を用いる場合、対物レンズの倍率は50倍程度とし、解像度を落として測定するのが好ましい。高解像度で測定すると、サンプル表面の細かい凹凸を測定してしまい、凸部のカウントに支障をきたすためである。なお、対物レンズを低倍率にすると、高さ方向の解像度も低下するため、凹凸の少ないサンプルの場合は表面形状が測定しにくくなることもある。このような場合には、高倍率の対物レンズで測定を行った後、得られたデータにローパスフィルターをかけて空間周波数の高い成分を落とし、凹凸表面に観察される細かいざらつきが見えなくなるようにしてから、凸部の個数をカウントしてもよい。
次に、(2)のフィルムの凹凸面における各点の標高をヒストグラムで表したときに、ヒストグラムのピークが、最高点(高さ100%)と最低点(高さ0%)の中間点(高さ50%)を中心に±20%以内の範囲に存在するという要件について説明する。この要件は、ヒストグラムのピークが、最高点の標高と最低点の標高との差(最大標高)に対して30%から70%の範囲にあることを意味する。中間点から±20%以内にピークが存在しない場合、換言すれば、ピークが、最大標高に対して70%より大きい位置又は30%より小さい位置に現れる場合には、結果として表面形状が粗くなり、ぎらつきが発生しやすくなるので、好ましくない。また、外観の質感も低下する傾向にある。
標高のヒストグラムを求めるにあたっては、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により表面形状を測定し、防眩フィルム表面の各点の三次元的な座標値を求めてから、以下に示すアルゴリズムにより決定する。すなわち、防眩フィルム表面の標高の最高点と最低点を求めた後、測定点の標高と最低点の標高との差(その点の高さ)を、最高点と最低点の差(最大標高)で除することによって、各点の相対的な高さを求める。求められた相対的な高さを、最高点を100%、最低点を0%としたヒストグラムで表すことによって、ヒストグラムのピーク位置を求める。ヒストグラムは、ピーク位置がデータの誤差の影響を受けない程度に分割する必要があり、10〜30程度に分割して表示することが好ましい。なお測定に際しては、誤差を少なくするため、200μm ×200μm 以上の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
図4に標高のヒストグラムの例を示す。この図において、横軸は、上述した最高点の標高と最低点の標高との差(最大標高)に対する測定点の高さの割合(単位%)であって、5%刻みで分割してある。例えば、一番左の縦棒は、高さの割合が0〜5%の範囲にある集合の分布を示し、以下、右へ行くにつれて高さの割合が5%ずつ大きくなっている。図では、横軸の3区切り毎に目盛を表示している。縦軸は、高さの分布を表し、積分すれば1になる値である。この例では、ピーク位置は最大標高に対して45%〜50%の位置に現れている。なお、後述する実施例及び比較例のヒストグラムを示す図11、図13、図15、図17、図19及び図21も、表示のし方は図4と同様である。
次に、(3)のフィルム凹凸表面の任意の断面曲線における算術平均高さPaが0.08μm以上0.15μm 以下であるという要件、及び、(4)のフィルム凹凸表面の任意の断面曲線における最大断面高さPt が0.4μm以上0.9μm以下であるという要件について説明する。これらの算術平均高さPa及び最大断面高さPtは、JIS B 0601(=ISO 4287)に規定されるものであり、算術平均高さPa は、中心線平均粗さと呼称されていた値と同じである。凹凸表面の断面曲線における算術平均高さPa が0.08μm未満である場合には、防眩フィルム表面がほぼ平坦となり、十分な防眩性能を示さなくなるので、好ましくない。また、断面曲線における算術平均高さPa が0.15μmより大きい場合には、表面形状が粗くなり、白ちゃけやぎらつきなどの問題が発生するので、やはり好ましくない。一方、凹凸表面の断面曲線における最大断面高さPt が0.4μm未満である場合には、やはり防眩フィルム表面がほぼ平坦となり、十分な防眩性能を示さなくなるので、好ましくない。また、断面曲線における最大断面高さPt が0.9μmより大きい場合には、やはり表面形状が粗くなり、白ちゃけやぎらつきなどの問題が発生するので、好ましくない。
凹凸表面の断面曲線における算術平均高さPa 及び最大断面高さPt は、 JIS B 0601 に準拠し、市販の一般的な接触式表面粗さ計を用いて測定することができる。また、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により表面形状を測定し、その表面形状の三次元情報から計算して求めることも可能である。なお、三次元情報から計算する場合には、十分な基準長さを確保するために、200μm ×200μm 以上の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
次に、(5)のフィルム表面凹凸の凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割したときに形成される多角形の平均面積が300μm2以上1,000μm2 以下であるという要件について説明する。まず、ボロノイ分割について説明すると、平面上にいくつかの点(母点という)が配置されているとき、その平面内の任意の点がどの母点に最も近いかによってその平面を分割してできる図をボロノイ図といい、その分割のことをボロノイ分割という。図5に、防眩フィルムの表面における凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割した例を示すが、四角の点26,26が母点であり、一つの母点を含む個々の多角形27,27が、ボロノイ分割により形成される領域であって、ボロノイ領域とかボロノイ多角形とか呼ばれるものであるが、以下ではボロノイ多角形と呼ぶ。この図において、周囲の薄く塗りつぶしてある部分28,28については、後で説明する。ボロノイ図においては、母点の数とボロノイ領域の数は一致する。
凸部の頂点を母点としてボロノイ分割したときに形成されるボロノイ多角形の平均面積が300μm2を下回る場合には、防眩フィルム表面の傾斜角度が急峻なものとなり、結果として白ちゃけが発生しやすくなるので、好ましくない。また、ボロノイ多角形の平均面積が1,000μm2 より大きい場合には、凹凸表面形状が粗くなり、ぎらつきが発生するので、好ましくない。
防眩フィルム表面の凸部の頂点を母点としたボロノイ分割を行うことにより得られるボロノイ多角形の平均面積を求めるにあたっては、共焦点顕微鏡、干渉顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)などの装置により表面形状を測定し、防眩フィルム表面の各点の三次元的な座標値を求めてから、以下に示すアルゴリズムによりボロノイ分割を行い、ボロノイ多角形の平均面積を求める。すなわち、前述のアルゴリズムに従って、まず防眩フィルム表面上の凸部の頂点を求め、次に、防眩フィルム基準面にその凸部の頂点を投影する。その後、表面形状の測定によって得られた三次元座標全てをその基準面に投影し、それら投影された全ての点を最近接の母点に帰属させることによってボロノイ分割を行い、分割されて得られる多角形の面積を求めることにより、ボロノイ多角形の平均面積を求める。測定に際しては、誤差を少なくするために、測定視野の境界に接するボロノイ多角形については、先の凸部の数としては数えるが、平均面積を求めるときには算入しない。また、測定誤差を少なくするために、200μm ×200μm 以上の領域を3点以上測定し、その平均値をもって測定値とすることが好ましい。
先に一部説明したとおり、図5は、防眩フィルムの凸部頂点を母点としてボロノイ分割したときの例を示すボロノイ図である。多数ある母点26,26は、防眩フィルムの凸部頂点であり、ボロノイ分割により、一つの母点26に対して一つのボロノイ多角形27が割り当てられている。この図において、視野の境界に接し、薄く塗りつぶされているボロノイ多角形28,28は、前述のとおり、平均面積の算出にはカウントしない。なお、この図においては、一部の母点及びボロノイ多角形に対してのみ引き出し線と符号を付しているが、母点とボロノイ多角形が多数存在することは、以上の説明とこの図から容易に理解されるであろう。
さて、本発明の防眩フィルムは、垂直入射光に対する表面ヘイズが5%以下であることが好ましい。先に述べたとおり、特許文献6には、ヘイズが高いと、その防眩フィルムを液晶パネルに適用したときの正面コントラストが低下することから、ヘイズは15%以下であるのが好ましいことが開示されているが、さらに検討を進めた結果、所定の方法で作製された防眩フィルムは、そのヘイズを一層小さくできることが見出された。防眩フィルムの表面ヘイズは、 JIS K 7136 に示される方法に準拠して測定することができる。表面ヘイズと内部ヘイズの切り分けが必要な場合は、全体のヘイズを測定した後、その凹凸表面にヘイズがほぼ0の透明フィルムをグリセリンで貼り付けて内部ヘイズを測定し、次式により表面ヘイズを求めればよい。
表面ヘイズ=全体のヘイズ−内部ヘイズ
防眩フィルムの凹凸表面にヘイズがほぼ0の透明フィルムを貼り付けた状態で測定されるヘイズ値は、元の凹凸に起因する表面ヘイズがほぼ打ち消されることから、事実上内部ヘイズを表すとみてよい。ヘイズがほぼ0の透明フィルムとしては、ヘイズが小さいものであれば特に制限されず、例えば、トリアセチルセルロースフィルムなどを使えばよい。
また本発明の防眩フィルムは、暗部と明部の幅が0.5mm、1.0mm及び2.0mm である3種類の光学くしを用いて光の入射角45°で測定される反射鮮明度の和が50%以下であることが好ましい。反射鮮明度は、 JIS K 7105 に規定される方法で測定される。この規格では、像鮮明度の測定に用いる光学くしとして、暗部と明部の幅の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類が規定されている。このうち、幅0.125mm の光学くしを用いた場合、本発明で規定する防眩フィルムにおいては、その測定値の誤差が大きくなることから、幅0.125mm の光学くしを用いた場合の測定値は和に加えないこととし、幅が0.5mm、1.0mm及び2.0mm である3種類の光学くしを用いて測定された像鮮明度の和をもって反射鮮明度と呼ぶことにする。この定義による場合の反射鮮明度の最大値は300%である。この定義による反射鮮明度が50%を超えると、光源などの像が鮮明に映り込むことになり、防眩性に劣るため好ましくない。
ただし、反射鮮明度が50%以下になると、反射鮮明度だけからでは防眩性の優劣を比較することが難しくなる。なぜならば、上記定義による反射鮮明度が50%以下の場合、幅0.5mm、1.0mm及び2.0mm の光学くしを用いたそれぞれの反射鮮明度が、たかだか10%〜20%程度になり、測定誤差等による反射鮮明度の振れが無視できなくなるからである。そこで本発明者らは、後述するような製造方法により得られた反射鮮明度が50%以下の防眩フィルムにつき、目視により防眩性の優劣比較を行った。目視による防眩性の評価結果と先に説明した反射プロファイルを比較検討することにより、本発明の防眩フィルムの防眩性能を好適に評価できる指標を見出した。
本発明の防眩フィルムでは、組み合わせて使用する高精細の画像表示素子の画素密度で90ppi(pixel per inch) までぎらつかないほうが好ましい。これ以下の画素密度でぎらつきが見える場合には、高精細の画像表示素子と組み合わせて使用することができず、好ましくない。
ぎらつきは、以下の方法で評価することができる。まず、図6に平面図で示すようなユニットセルのパターンを有するフォトマスクを用意する。この図において、ユニットセル30は、透明な基板上に、線幅10μm でカギ形のクロム遮光パターン31が形成され、そのクロム遮光パターン31の形成されていない部分が開口部32となっている。後述する実施例では、ユニットセルの寸法が282μm ×94μm (図の縦×横)、したがって開口部の寸法が272μm ×84μm (図の縦×横)のものを用いた。図示するユニットセルが縦横に多数並んで、フォトマスクを形成する。
そして、図7に模式的な断面図で示すように、フォトマスク33のクロム遮光パターン31を上にしてライトボックス35に置き、ガラス板37に粘着剤で防眩フィルム11を貼合したサンプルをフォトマスク33上に置く。ライトボックス35の中には、光源36が配置されている。この状態で、サンプルから約30cm離れた場所39から目視観察することにより、ぎらつきの官能評価を行う。
次に、本発明に係る防眩フィルムを好適に製造しうる方法、及びその防眩フィルムを得るための表面に凹凸が形成された金属金型の製造方法について説明する。本発明の防眩フィルムは、所定形状で凹凸が形成された金属金型を用い、その金型の凹凸面を透明樹脂フィルムに転写し、次いで凹凸面が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がす方法により、有利に製造される。そして、凹凸を有する金属金型を得るために、金属の表面に微粒子をぶつけることにより凹凸を形成し、その後、無電解ニッケルメッキを施して、金型とする。
図8は、金属板を用いた場合を例に、金属金型を得るまでの工程を模式的に示した断面図である。図8の(A)は、鏡面研磨後の金属基板41の断面を示すもので、その表面に研磨面42が形成されている。このような鏡面研磨後の金属表面に微粒子をぶつけることにより、表面に凹凸を形成する。図8の(B)は、微粒子をぶつけた後の金属基板41の断面模式図であり、微粒子がぶつけられることで、部分球面状の微細な凹面43が形成されている。さらに、こうして微粒子による凹凸が形成された面に、無電解ニッケルメッキを施すことにより、金属表面の凹凸形状をなまらせる。図8の(C)は、無電解ニッケルメッキを施したあとの断面模式図であり、金属基板41に形成された微細な凹面上に、ニッケルメッキ層44が形成され、その表面46は、無電解ニッケルメッキにより、(B)の凹面43に比べてなまった状態、換言すれば凹凸形状が緩和された状態になっている。このように、金属の表面に微粒子をぶつけて形成される部分球面状の微細な凹面43に、無電解ニッケルメッキを施すことにより、実質的に平坦部がなく、好ましい光学特性を示す防眩フィルムを得るのに好適な凹凸が形成された金属金型を得ることができる。
本発明で好適に用いることのできる金属としては、アルミニウム、鉄、銅、ステンレススチールなどが挙げられる。これらの中でも、微粒子がぶつかることで金属表面の変形が起こりやすいもの、具体的には、硬度があまり高くないものが好ましく、アルミニウム、鉄、銅などを用いることが好ましい。コストの観点からは、アルミニウムや軟鉄がさらに好ましい。金属金型の形状は、平らな金属板であってもよいし、円筒状の金属ロールであってもよい。金属ロールを用いて金型を作製すれば、防眩フィルムを連続的なロール状で製造することができる。
これらの金属は、表面が研磨された状態で、微粒子がぶつけられるのであるが、特に、鏡面に近い状態に研磨されていることが好ましい。なぜならば、金属板や金属ロールは、所望の精度にするために、切削や研削などの機械加工が施されていることが多く、それにより金属表面に加工目が残っているためである。深い加工目がある状態では、微粒子をぶつけて金属表面を変形させても、微粒子により形成される凹凸よりも加工目のほうが深い場合があり、加工目の影響が残って、光学特性に予期できない影響を与えることがある。
金属表面の研磨方法としては特に制限はなく、機械研磨法、電解研磨法、化学研磨法のいずれも使用できる。機械研磨法としては、超仕上げ法、ラッピング、流体研磨法、バフ研磨法などが例示される。研磨後の表面粗度は、中心線平均粗さRa で表して、Ra が1μm 以下であることが好ましく、より好ましくはRa が0.5μm以下、さらに好ましくはRa が0.1μm以下である。Ra があまり大きくなると、微粒子をぶつけて金属表面を変形させても、変形前の表面粗度の影響が残る可能性があるので好ましくない、また、Ra の下限については特に制限はないが、加工時間や加工コストの観点から、おのずと制限があるので、特に指定する必要性はない。
金属の表面に微粒子をぶつける方法としては、噴射加工法が好適に用いられる。噴射加工法には、サンドブラスト法、ショットブラスト法、液体ホーニング法などがある。これらの加工に用いられる粒子としては、鋭い角があるような形状よりは、球形に近い形状であるほうが好ましく、また加工中に破砕されて鋭い角が出ないような、硬い材質の粒子が好ましい。これらの条件を満たす粒子として、セラミックス系の粒子では、球形ジルコニアのビーズや、アルミナのビーズが好ましく用いられる。また金属系の粒子では、スチールやステンレススチール製のビーズが好ましい。さらには、樹脂バインダーにセラミックスや金属の粒子を担持させた粒子を用いてもよい。
ここで、金属表面にぶつける微粒子として、平均粒径が15〜35μm のもの、特に球形の微粒子を用いることにより、本発明で規定する、200μm ×200μm の領域内に250個以上の凸部を有するという要件を含む形状因子を満たす防眩フィルムを得ることができる。この微粒子は、粒径がほぼそろっているもの、すなわち単分散のものが、とりわけ好ましい。微粒子の平均粒径が15μm より小さいと、金属表面に十分な凹凸を形成することが困難なうえに、その表面の傾斜角度が急峻なものとなり、白ちゃけが発生しやすくなる。一方、微粒子の平均粒径が35μm より大きいと、表面凹凸が粗くなり、ぎらつきが発生したり、質感が低下したりする。。
本発明では、このようにして、凹凸が形成された金属表面に無電解ニッケルメッキを施すことにより、凹凸の表面をなまらせて金属版を作る点に、一つの特徴がある。凹凸のなまり具合は、下地金属の種類、ブラストなどの手法により得られた凹凸のサイズと深さ、またメッキの種類と厚みなどにより異なるため、一概には言えないが、なまり具合を制御するうえで最も大きな因子はメッキ厚みである。無電解ニッケルメッキの厚みが薄いと、ブラストなどの手法により得られた凹凸の表面形状をなまらせる効果が不十分であり、その凹凸形状を透明フィルムに転写して得られる防眩フィルムの光学特性があまり良くならない。一方で、メッキ厚みが厚すぎると、生産性が悪くなってしまう。本発明で用いられる無電解ニッケルメッキの厚みとしては3〜70μm が好ましく、さらには5μm 以上、また50μm 以下がより好ましい。
本発明では、金属板や金属ロールなどの表面に、マクロ的に見て均一な厚みでメッキすることが可能である無電解メッキ、殊にメッキ層の硬度が高い無電解ニッケルメッキを採用する。さらに好ましい無電解ニッケルメッキとしては、硫黄などの光沢剤を含んだメッキ浴を用いるいわゆる光沢ニッケルメッキ、ニッケル−リン合金メッキ(低リンタイプ、中リンタイプ又は高リンタイプ)、ニッケル−ホウ素合金メッキなどが例示される。
背景技術の項で掲げた特許文献1、特許文献4、特許文献5などで採用されているハードクロムメッキ、特に電解クロムメッキでは、金属板や金属ロールの端部への電界集中が起こり、メッキ厚みが中央部と端部で異なることになる。そのため、上記ブラストなどの手法により凹凸が版全面にわたり均一な深さで形成されていたとしても、メッキ後の凹凸のなまり具合が版の場所により異なり、結果として得られる凹凸の深さが異なってくるため、電解メッキを用いることは好ましくない。
また、上記のようなハードクロムメッキは、メッキ表面にざらつきが出ることもあるので、防眩フィルム用の金属金型作製には向いていない。なぜならば、一般的にざらつきを消すために、ハードクロムメッキ後にメッキ表面を研磨することが行われているが、後述するように、本発明ではメッキ後の表面の研磨が好ましくないからである。
ただし本発明では、凹凸をつけた金属表面に無電解ニッケルメッキを施した後に、表面硬度を上げるため、最表面にごく薄くクロムメッキを施す、いわゆるフラッシュクロムメッキまでは否定しない。フラッシュクロムメッキを施す場合のフラッシュクロムメッキ厚みは、下地の無電解ニッケルメッキの形状を損なわない程度に薄くする必要があり、好ましくは3μm 以下、より好ましくは1μm 以下にすべきである。
また、前記特許文献5などに開示されている、メッキ後に金属板又はロールを研磨することも、やはり本発明では好ましくない。研磨することにより、最表面に平坦な部分が生じるため、光学特性の悪化を招く可能性があること、形状の制御因子が増えるため、再現性の良い形状制御が困難になることなどの理由からである。図9は、微粒子をぶつけて得られた凹凸面に無電解ニッケルメッキを施してなまらせた面を研磨した場合に、平坦面が生じた金属板の断面模式図であり、具体的には、図8(C)の状態から、そのニッケルメッキ層44の表面を研磨した状態に相当する。研磨により、金属41の表面に形成されたニッケルメッキ層44の表面凹凸46のうち、一部の凸が削られて、平坦面48が生じている。
次に、このようにして得られる金属金型を用いて、防眩フィルムを製造する工程について説明する。上で説明したような方法で得られる金属金型の形状を透明樹脂フィルムに転写することにより、防眩フィルムが得られる。金型形状のフィルムへの転写は、エンボスにより行うことが好ましい。エンボスとしては、光硬化性樹脂を用いるUVエンボス法、熱可塑性樹脂を用いるホットエンボス法が例示される。
UVエンボス法では、透明基材フィルムの表面に光硬化性樹脂層を形成し、その光硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が光硬化性樹脂層に転写される。具体的には、透明な基材フィルム上に紫外線硬化型樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化型樹脂を金属金型に密着させた状態で、透明基材フィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後金属金型から、硬化後の紫外線硬化型樹脂層が形成された透明基材フィルムを剥離することにより、金属金型の形状を紫外線硬化型樹脂に転写する。紫外線硬化型樹脂の種類は特に制限されない。また、紫外線硬化型樹脂という表現をしているが、光開始剤を適宜選定することにより、紫外線より波長の長い可視光でも硬化が可能な樹脂とすることもできる。すなわち、ここでいう紫外線硬化型樹脂とは、このような可視光硬化型の樹脂も含めた総称である。一方、ホットエンボス法では、透明な熱可塑性樹脂フィルムを加熱状態で金属金型に押し付け、金型の表面形状を熱可塑性樹脂フィルムに転写する。これらのエンボス法の中でも、生産性の観点から、UVエンボス法が好ましい。
防眩フィルムの作製に用いることのできる透明基材フィルムは、実質的に光学的に透明であればよく、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂としては、市販されているものを用いることができる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレートをそれぞれ単独で、あるいはそれら2種以上を混合して用い、それと、“イルガキュアー 907”、“イルガキュアー 184”(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、“ルシリン TPO”(BASF社製)等の光重合開始剤とを混合したものを、紫外線硬化型樹脂とすることができる。
ホットエンボス法に用いる熱可塑性の透明樹脂フィルムとしては、実質的に透明であればいかなるものでもよく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン系化合物をモノマーとする非晶性環状ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂の溶剤キャストフィルムや押出フィルムなどを用いることができる。これらの透明樹脂フィルムはまた、上で説明したUVエンボス法を用いる場合の透明基材フィルムともなりうる。
本発明の防眩フィルムは、その最表面、すなわち凹凸面側に低反射膜がない状態でも、十分な防眩機能を発揮するが、最表面に低反射膜をつけた状態で用いることもできる。低反射膜は、防眩層の上に、それよりも屈折率の低い低屈折率材料の層を設けることにより形成できる。そのような低屈折率材料として、具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、氷晶石(3NaF・AlF3 又はNa3AlF6)等の無機材料微粒子を、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、また、フッ素系又はシリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。
以上のように構成される本発明の防眩フィルムは、防眩効果に優れ、白ちゃけも有効に防止されるため、画像表示装置に装着したときに視認性に優れたものとなる。画像表示装置が液晶ディスプレイである場合には、この防眩フィルムを偏光フィルムに積層することができる。すなわち、偏光フィルムは一般に、ヨウ素又は二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子の少なくとも片面に保護フィルムが積層された形のものが多いが、このような偏光フィルムの一方の面に、上記のような凹凸が付与された防眩フィルムを貼合すれば、防眩性の偏光フィルムとなる。また、上記のような防眩性の凹凸が付与されたフィルムを、保護フィルム兼防眩層として用い、その凹凸面が外側となるように偏光子の片面に貼合することによっても、防眩性の偏光フィルムとすることができる。さらには、保護フィルムが積層された偏光フィルムにおいて、その片面保護フィルムの表面に上記のような防眩性の凹凸を付与することにより、防眩性の偏光フィルムとすることもできる。
本発明の画像表示装置は、以上説明したような特定の反射プロファイルと表面形状を有する防眩フィルムを画像表示素子と組み合わせたものである。ここで、画像表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的なものであるが、その他、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの公知の各種ディスプレイに対しても、本発明の防眩フィルムを適用することができる。そして、上記の防眩フィルムを画像表示素子よりも視認側に配置することで、画像表示装置が構成される。この際、防眩フィルムの凹凸面が外側(視認側)となるように配置される。防眩フィルムは、画像表示素子の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを画像表示素子とする場合は、例えば先述のように、偏光フィルムを介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように本発明の防眩フィルムを備えた画像表示装置は、防眩フィルムの有する表面の凹凸によって入射光を散乱して映り込み像をぼかすことができ、優れた視認性を与えるものとなる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下の例における防眩フィルムの評価方法は、次のとおりである。
(表面ヘイズの測定)
JIS K 7136 に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター“HM-150”型を用いて、防眩フィルムの全体ヘイズと内部ヘイズを測定した。サンプルは、反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから測定に供した。サンプルのヘイズを直接測定したときの値を全体ヘイズとし、ヘイズがほぼ0の透明フィルム(ここではトリアセチルセルロースフィルムを使用)をサンプルの凹凸面にグリセリンを用いて光学接着し、測定したときの値を内部ヘイズとし、次の式から表面ヘイズを求めた。
表面ヘイズ=全体ヘイズ−内部ヘイズ
(透過鮮明度の測定)
JIS K 7105 に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器“ICM-1DP”を用いて測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。この状態でサンプル(防眩フィルム)側から光を入射し、測定を行った。ここでの測定値は、暗部と明部の幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。
(反射鮮明度の測定)
上と同じ写像性測定器“ICM-1DP” を用いて測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。また、裏面ガラス面からの反射を防止するために、防眩フィルムを貼ったガラス板のガラス面に2mm厚みの黒色アクリル樹脂板を水で密着させて貼り付け、この状態でサンプル(防眩フィルム)側から光を入射し、測定を行った。ここでの測定値は前述したとおり、暗部と明部の幅がそれぞれ 0.5mm、1.0mm及び2.0mmである3種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。
(反射率の測定)
防眩フィルムの凹凸面に、フィルム法線に対して30゜傾斜した方向から、He−Neレーザーからの平行光を照射し、フィルム法線と照射方向を含む平面内における反射率の角度変化の測定を行った。反射率の測定には、いずれも横河電機(株)製の“3292 03 オプティカルパワーセンサー”と “3292 オプティカルパワーメーター”を用いた。
(凸部個数のカウント)
Sensofar 社製の共焦点顕微鏡“PLμ2300”を用いて防眩フィルムの表面形状を測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。対物レンズの倍率は50倍とし、解像度を落として測定を行った。高解像度で測定すると、サンプル表面の細かい凹凸を測定してしまい、凸部のカウントに支障をきたすためである。
(標高ヒストグラムの測定)
上と同じ共焦点顕微鏡“PLμ2300”を用いて防眩フィルムの表面形状を測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。対物レンズの倍率は50倍とした。
(断面曲線における算術平均高さPa 及び最大断面高さPt の測定)
上と同じ共焦点顕微鏡“PLμ2300”を用いて防眩フィルムの表面形状を測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。対物レンズの倍率は50倍とした。測定データをもとに、 JIS B 0601 に準拠した方法で計算することにより、算術平均高さPa 及び最大断面高さPt を求めた。
(ボロノイ分割したときのボロノイ多角形平均面積の測定)
上と同じ共焦点顕微鏡“PLμ2300”を用いて防眩フィルムの表面形状を測定した。測定にあたっては、サンプルの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、凹凸面が表面となるようにガラス基板に貼合してから、測定に供した。対物レンズの倍率は50倍とした。測定データをもとに、前述のアルゴリズムに基づいて計算し、ボロノイ多角形の平均面積を求めた。
(ぎらつきの評価)
ぎらつきは、先に図6及び図7を参照して説明した方法により評価した。すなわち、図5に示すユニットセルのパターンを有するフォトマスクを作製し、これを図7に示すように、フォトマスク33のクロム遮光パターン31を上にしてライトボックス35に置き、1.1mm厚のガラス板37に20μm厚みの粘着剤で防眩フィルム11を貼合したサンプルをフォトマスク33上に置き、サンプルから約30cm離れた場所39から目視観察することにより、ぎらつきの程度を7段階で官能評価した。レベル1はぎらつきが全く見えない状態、レベル7はひどくぎらつく状態に該当し、レベル3はごくわずかにぎらつきが観測される状態である。
(映り込み及び白ちゃけの目視評価)
防眩フィルムを蛍光灯のついた明るい室内で凹凸面側から目視観察し、蛍光灯の映り込みの有無及び白ちゃけの程度を調べた。
実施例1
直径300mmのアルミニウムロール(JIS による A5056)の表面を鏡面研磨した。得られた鏡面研磨アルミニウムロールの外側表面に、ブラスト装置((株)不二製作所から入手)を用いて、東ソー(株)製のジルコニアビーズ“TZ-SX-17”(商品名、平均粒径20μm )をブラスト圧力0.1MPa(ゲージ圧、以下同じ)でブラストし、表面に凹凸をつけた。得られた凹凸つきアルミニウムロールに無電解光沢ニッケルメッキ加工を行い、金属金型を作製した。メッキ厚みは15μm に設定し、メッキ後にメッキ厚みをβ線膜厚測定器(商品名“フィッシャースコープ MMS”、(株)フィッシャー・インストルメンツから入手)を用いて実測したところ、17.2μmであった。
別途、大日本インキ化学工業(株)製の光硬化性樹脂組成物“GRANDIC 806T”(商品名)を酢酸エチルに溶解して、50重量%濃度の溶液とし、さらに、光重合開始剤である“ルシリン TPO”(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を、硬化性樹脂成分100重量部あたり5重量部添加して塗布液を調製した。厚さ80μm のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、この塗布液を乾燥後の塗布厚みが5μm となるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを、上で作製した金属金型の凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層がニッケルメッキ層側となるようにゴムロールで押し付けて密着させた。この状態でTACフィルム側より、強度20mW/cm2 の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2 となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる透明な防眩フィルムを作製した。
得られた防眩フィルムの光学特性を上記した手法により評価し、結果を表1に示した。なお透過鮮明度は、幅0.125mmの光学くしを用いたときの値が約25%、幅0.5mmの光学くしを用いたときの値が約21%、幅1.0mm の光学くしを用いたときの値が約23%、そして幅2.0mm の光学くしを用いたときの値が約41%であり、それらの値の合計が表1に記載の110.0%であった。また、反射鮮明度は、幅0.125mmの光学くしを用いたときの値が約4%、幅0.5mmの光学くしを用いたときの値が約3%、幅1.0mmの光学くしを用いたときの値が約6%、そして幅2.0mm の光学くしを用いたときの値が約12%であり、それらのうち、幅0.5mm、1.0mm及び2.0mm の光学くしを用いたときの値の合計が、表1に記載の 21.1%であった。また、得られた防眩フィルムの凹凸表面形状の評価結果と防眩性能を表2に示し、反射率測定の際に得られた反射光の散乱特性(反射プロファイルのグラフ)を図10に、そして標高のヒストグラムを図11に、それぞれ示した。
実施例2〜6
メッキ厚を表1のように変更し、その他は実施例1と同様にして表面に凹凸を有する金属金型を作製した。それぞれの金型を用い、実施例1と同様にして、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる透明な防眩フィルムを作製した。得られた防眩フィルムの光学特性を表1に、凹凸表面形状の評価結果と防眩性能を表2に、それぞれ示した。また、実施例2については、その反射プロファイルのグラフを実施例1の結果とともに図10に、そして標高のヒストグラムを実施例1の結果とともに図11に、それぞれ示した。実施例3及び4については、各々の反射プロファイルのグラフを図12に、そして標高のヒストグラムを図13に、それぞれ示し、また実施例5及び6については、各々の反射プロファイルのグラフを図14に、そして標高のヒストグラムを図15に、それぞれ示した。
表1及び表2に示すように、反射プロファイル及び表面形状が本発明の規定を満たすサンプルは、優れた防眩性(映り込みなし)を示していた。また、ぎらつき及び白ちゃけの程度も低かった。
比較例1〜6
比較例として、住友化学(株)が販売する偏光板“スミカラン”の防眩フィルムとして使用されており、紫外線硬化樹脂中にフィラーが分散されてなる防眩フィルム “AG1”、“AG3”、“AG5”、“AG6”、“AG8”及び“GL6” (それぞれ比較例1から比較例6とする)の光学特性を表3に示し、凹凸表面形状の評価結果と防眩性能を表4に示した。比較例1及び2については、各々の反射プロファイルのグラフを図16に、そして標高のヒストグラムを図17に、それぞれ示した。また比較例3及び4については、各々の反射プロファイルのグラフを図18に、そして標高のヒストグラムを図19に、それぞれ示した。さらに比較例5及び6については、各々の反射プロファイルのグラフを図20に、そして標高のヒストグラムを図21に、それぞれ示した。
表3及び表4に示すように、比較例1及び2では、R(30)が2%以下であり、またR(40)が0.003% 以下であるため、白ちゃけはみられない。しかし、200μm ×200μm の領域内にある凸部の数が50を下回っており、ヒストグラムのピーク位置が20〜30%の位置に存在し、算術平均高さPa が0.15μmを上回り、最大断面高さPt が0.9μmを上回り、またボロノイ多角形の平均面積が1,000μm2 を上回っている。その結果、十分な防眩性能(映り込みなし)が発揮できなかったり、ぎらつきが発生したりしている。一方、比較例3〜6では、R(40)が0.003% を上回るため、本発明のものよりも白ちゃけている。また、表面ヘイズが高いために、正面コントラストが低下する傾向がみられた。そのうえ、標高ヒストグラムのピーク位置が偏っており、算術平均高さPa が0.15μmを上回り、最大断面高さPt が0.9μmを上回るものもあるため、ぎらつきも本発明のものに比べて同等又はそれ以下の性能となっている。
比較例7
50mm角のアルミニウム板(JIS による A6061)の表面を鏡面研磨した後、その鏡面研磨アルミニウム板の片面に、ブラスト装置を用いて、東ソー(株)製のジルコニアビーズ“TZ-B53”(商品名、平均粒径53μm) をブラスト圧力0.4MPaでブラストし、得られた凹凸つきアルミニウム板に無電解光沢ニッケルメッキ加工を行い、金属金型を作製した。別途、実施例1と同様にして調製された光硬化性樹脂組成物と光重合開始剤を含む塗布液を、厚さ80μm のトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、乾燥後の厚みが5μm となるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムを上の金属金型の凹凸面に、光硬化性樹脂組成物層がニッケルメッキ層側となるようにゴムロールで押し付けて密着させ、この状態でTACフィルム側より強度20mW/cm2 の高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cm2 となるように照射して、光硬化性樹脂組成物層を硬化させた。この後、TACフィルムを硬化樹脂ごと金型から剥離して、表面に凹凸を有する硬化樹脂とTACフィルムとの積層体からなる透明な防眩フィルムを作製した。こうして得られた防眩フィルムは、低ヘイズで優れた防眩性を示すものの、実施例のものに比べて単位面積あたりの凸部が少なく、ぎらつきの度合いがレベル5で、ぎらつきが目立っていた。
本発明の防眩フィルムを、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの各種ディスプレイに対し、その防眩フィルムが画像表示素子よりも視認側となるように配置することで、白ちゃけ及びぎらつきを発生させることなく、映り込み像をぼかすことができ、優れた視認性を与えるものとなる。
防眩フィルムへの光の入射方向と反射方向とを模式的に示す斜視図である。 防眩フィルムの法線から30°の角度で入射した光に対する反射光の反射角と反射率(反射率は対数目盛)をプロットしたグラフの一例である。 防眩フィルムの凸部判定のアルゴリズムを模式的に示した斜視図である。 防眩フィルムの標高ヒストグラムをグラフに表した一例である。 防眩フィルムの凸部頂点を母点としてボロノイ分割したときの例を示すボロノイ図である。 ぎらつき評価用パターンのユニットセルを示す平面図である。 ぎらつき評価の状態を示す断面模式図である。 金属金型の製造方法を工程毎に示す断面模式図である。 無電解ニッケルメッキ後に表面を研磨した状態を示す断面模式図である。 実施例1及び2で得られた防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 実施例1及び2で得られた防眩フィルムの標高ヒストグラムである。 実施例3及び4で得られた防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 実施例3及び4で得られた防眩フィルムの標高ヒストグラムである。 実施例5及び6で得られた防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 実施例5及び6で得られた防眩フィルムの標高ヒストグラムである。 比較例1及び2の防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 比較例1及び2の防眩フィルムの標高ヒストグラムである。 比較例3及び4の防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 比較例3及び4の防眩フィルムの標高ヒストグラムである。 比較例5及び6の防眩フィルムの反射プロファイルを表すグラフである。 比較例5及び6の防眩フィルムの標高ヒストグラムである。
符号の説明
11……防眩フィルム、
12……フィルム法線、
13……入射光線方向、
15……正反射方向、
16……任意の反射方向、
18……入射光線方向とフィルム法線を含む面、
θ………反射角、
21……防眩フィルム上の任意の点、
22……防眩フィルム表面、
23……フィルム基準面、
24……防眩フィルム上の任意の点を中心とする円のフィルム基準面への投影円、
26……凸部頂点の投影点(ボロノイ分割の母点)、
27……ボロノイ多角形、
28……平均値にカウントしない測定視野境界に接するボロノイ多角形、
30……フォトマスクのユニットセル、
31……フォトマスクのクロム遮光パターン、
32……フォトマスクの開口部、
33……フォトマスク、
35……ライトボックス、
36……光源、
37……ガラス板、
39……ぎらつきの観察場所、
41……金属基板、
42……研磨面、
43……微粒子をぶつけて形成される凹面、
44……ニッケルメッキ層、
46……メッキ後に残る凹凸面、
48……メッキ後の表面を研磨したときに発生する平坦面。

Claims (12)

  1. 表面に微細な凹凸が形成されてなる防眩フィルムであって、
    入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ
    200μm ×200μm の領域内に50個以上150個以下の凸部を有する
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  2. 表面に微細な凹凸が形成されてなる防眩フィルムであって、
    入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ
    フィルムの凹凸面における各点の標高をヒストグラムで表したときに、ヒストグラムのピークが、最高点(高さ100%)と最低点(高さ0%)の中間点(高さ50%)を中心に±20%以内の範囲に存在する
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  3. 表面に微細な凹凸が形成されてなる防眩フィルムであって、
    入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ
    フィルム凹凸表面の任意の断面曲線での算術平均高さPa が0.08μm以上0.15μm以下である
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  4. 表面に微細な凹凸が形成されてなる防眩フィルムであって、
    入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ
    フィルム凹凸表面の任意の断面曲線での最大断面高さPt が0.4μm以上0.9μm以下である
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  5. 表面に微細な凹凸が形成されてなる防眩フィルムであって、
    入射角30゜で入射した光に対し、反射角30゜の反射率R(30)が2%以下、反射角40゜の反射率R(40)が 0.003%以下であり、かつ
    フィルム表面凹凸の凸部の頂点を母点としてその表面をボロノイ分割したときに形成される多角形の平均面積が300μm2以上1,000μm2 以下である
    ことを特徴とする防眩フィルム。
  6. 入射角30゜で入射した光に対し、反射角60°以上の任意の方向における反射率を
    R(60以上)として、R(60以上)/R(30)の値が 0.001以下である請求項1〜5のいずれかに記載の防眩フィルム。
  7. 垂直入射光に対する表面ヘイズが5%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
  8. 暗部と明部の幅が0.5mm、1.0mm及び2.0mm である3種類の光学くしを用いて光の入射角45°で測定される反射鮮明度の和が50%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の防眩フィルム。
  9. 最表面に低反射膜が形成されていない請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルム。
  10. 最表面に低反射膜が形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の防眩フィルムと、画像表示素子とを備え、該防眩フィルムが画像表示素子の視認側に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  12. 研磨された金属の表面に平均粒径が15〜35μm の範囲にある微粒子をぶつけて凹凸を形成し、その凹凸面に無電解ニッケルメッキを施して金型とし、その金型の凹凸面を透明樹脂フィルムに転写し、次いで凹凸面が転写された透明樹脂フィルムを金型から剥がすことを特徴とする防眩フィルムの製造方法。
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