JPH0634961A - 液晶表示装置及びそれに用いる偏光フィルム - Google Patents

液晶表示装置及びそれに用いる偏光フィルム

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JPH0634961A
JPH0634961A JP4192390A JP19239092A JPH0634961A JP H0634961 A JPH0634961 A JP H0634961A JP 4192390 A JP4192390 A JP 4192390A JP 19239092 A JP19239092 A JP 19239092A JP H0634961 A JPH0634961 A JP H0634961A
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light
polarizing film
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crystal display
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JP4192390A
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Norinaga Nakamura
典永 中村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 液晶表示装置において、液晶セル71の少な
くとも背面に貼り付けた偏光フィルム72bの裏面に透
明な微細凹凸からなる光拡散層を一体に成形する。 【効果】 透光性材料の基材を除去することが可能とな
り、その分軽重量で厚みが薄くかつ光損失量も低減した
液晶表示表示装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置及びそれ
に用いる偏光フィルムに関し、特に背部あるいは側部に
照明装置を備えた液晶表示装置においてその光拡散層の
配置を改良することにより、構成を簡素化しかつ光損失
量を低減した液晶表示装置及びそれに用いる偏光フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の液晶表示装置は、液晶に
よる表示部分が暗色に表示されるのが普通であり、その
表示部分が視覚的に他の部分(背景部分)と明瞭に区別
できるように、表示部分の背景を明るくかつ均一な明度
を持つ面とする必要がある。さらに、このような液晶表
示装置を時計等に使用する場合には、周囲環境が明るい
場合でも暗い場合でも、表示部分を明確に区別すること
が必要であり、そのために、明るい場所に対する対策と
しては液晶パネルの前方から入射する光を効率よく前面
側に反射させる反射板を液晶パネルの背後に配置し、ま
た、暗い場所に対する対策としては面光源装置を同様に
液晶パネルの背後に配置するようにしている。
【0003】具体的には、例えば図9に示すように、一
方において液晶セル11の前面及び裏面に偏光フィルム
12a、12bを貼り付けた液晶パネル10を用意し、
該液晶パネル10の裏面の偏光フィルム12b側に、透
明アクリル等の透光性の基板21の表面を梨地加工しあ
るいは梨地加工したフィルムを貼着してそこを光拡散層
22とし、また裏面には、AlあるいはAg等の蒸着に
より鏡面加工しあるいはそのような加工をしたフィルム
を貼着してそこを光反射層23とすると共に、該透明性
基板の側方に形成した穴に蛍光燈等の線光源24を配置
した光の拡散兼反射手段20を前記液晶パネル10に貼
り付けたものが通常用いられている。
【0004】光の拡散兼反射手段として、その光拡散層
及び光反射層を透光性基板に直接加工したもの、あるい
は透明性基板として裏面を光反射性及び透過性を持つよ
うにヘアライン状に処理したものを用い、液晶パネルと
該透明性基板の前面との間に、散光反射性に富みかつ光
透過性を有しパール光沢を呈するフィルムを位置させ、
さらに、該透明基板の裏面に反射板を配設し、さらに透
明基板に一部に設けられた穴に光源を封入したの等も知
られている(実開昭54−25845号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、今日用
いられてる液晶表示装置は、表示部分を形成するいわゆ
る液晶パネル部分と、透明アクリル等の透光性材料を基
材とした光の散乱、拡散及び反射を司る光の拡散兼反射
手段とを別途形成し、その両者を一体に貼り付けたもの
が普通であり、入射したあるいは投光された光が光拡散
層及び透光性材料の基材の双方を拡散しつつ通過するこ
とを前提に設計されているものであり、構成が複雑であ
ると共に重くかつ全体の厚みが厚くなり、さらに光の損
失量が大きいという不都合に加え価格的にも高価となる
不都合を有している。これまで、このような不都合はそ
の構造上液晶表示装置が本質的に持たざるを得ない不都
合であると考えられてきた。
【0006】本発明の目的は、今日の液晶表示表示装置
の持つ上記のような不都合を排除し、光損失量、重量、
厚み、価格のすべての面で従来のものよりも優れている
液晶表示表示装置を得ることを目的としている。また、
本発明は、液晶セルと共に用いる場合に特に有効な偏光
フィルムを得ることをも目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決しかつ
目的を達成するために、本発明は、液晶セル及び前記液
晶セルの両面に貼り付けた偏光フィルムからなる液晶パ
ネルと、前記液晶パネルの背面に空気層を介して配設し
た反射板とを有する液晶表示装置であって、前記偏光フ
ィルムの前記反射板に対向する面に光拡散層を形成した
液晶表示装置を開示する。
【0008】前記反射板の前記偏光フィルムに対向する
面に、光透過性の薄膜を形成することは好ましい態様で
ある。本発明はさらに、一面に光拡散層を有することを
特徴とする、特に液晶表示装置に用いられる偏光フィル
ムをも開示する。本発明によれば、従来必須のものと考
えられきた透光性材料の基材(図9における21)を除
去することが可能となり、その分軽重量でかつ厚みの薄
い液晶表示表示装置を得ることが可能となる。さらに、
本発明による液晶表示表示装置は透光性材料の基材を介
在させないことから光損失量も低減し安価でありながら
より表示効果の高い製品となる。
【0009】本発明に用いる液晶セルは従来知られたも
のをすべて用い得る。偏光フィルムの素材も従来用いら
れている素材をすべて用い得るが、ヨウ素を含浸したポ
リビニルアルコールフィルムの表裏両面をトリアセチル
セルロースフィルムで挟んで積層したもの等は有効に用
いられる。本発明においては、偏光フィルムの一面例え
はトリアセチルセルロースフィルム上に光拡散層を形成
する。好ましくは、液晶セルに対して偏光フィルムを貼
着する以前の工程で、該偏光フィルムの一面に以下に記
載するような光拡散層形成手段を講じるようにする。ま
た、前記のように光拡散層は入射したあるいは投光され
た光を拡散透過又は拡散反射させる機能を奏するもので
あり、基本的には微細な凹凸模様(微細エンボス)を表
面に形成する。そのさいに考慮すべきことは、全く等方
向に光を拡散すると、実用上不要なフィルムの接線方向
へも光が分散され、光の利用効率が低くなることであ
る。このため実用上、観察者が観察する角度範囲内のみ
に光を拡散させるようにすることがより好ましい。
【0010】光拡散層としての微細な凹凸模様の形態と
しては任意のものを用い得るが、好ましい態様の形態と
しては次のようなものをあげることができる。 砂目又は梨地等のランダムな凹凸形状の形態(図
1)。この場合、表面粗さはJIS の中心線平均粗さが約
1〜10μm程度が有効であり、サンドブラスト加工を
行ったり、摺硝子板表面から型取りしたエンボス板でエ
ンボス加工した場合に、この形状のものを得ることがで
きる。この特性は、透過光強度I(θ)の角度による依
存性としては等方的であり、例えば、I(θ)=Io c
osθとなる。但し、θは光拡散層表面の法線とのなす角
であり、−90°≦θ≦ 90 °である。また、θ=0°が
法線方向、Io は法線方向強度である。但し、法線方向
から入射光が入るものとしている。
【0011】レンティキュラーレンズ形状の形態(図
2)。この場合、半円筒又はこれに類似の円筒形状のレ
ンズを長軸方向が互いに平行になるように多数並べる。
周期T(図2a)は、表示装置の寸法、解像度、視野角
にもよるが、約1〜100μm程度が有効である。この
特性は、長軸方向に直交する面内(ψ=0°)では所要
の角度範囲内すなわち(-θm/2 ≦θ≦ +θm/2)でのみ均
一な強度で光を拡散透過させる(図2b)。また、それ
以外の方向の面内(ψ≠0°)では、θ=0°近傍での
みI≠0となり、θ≠0°ではI≒0となる(図2
c)。すなわち、レンティキュラーレンズの長軸と直交
する面内にのみ光を拡散する。(図2b、cにおいて、
ι(θ)は光拡散剤を含む場合である)。
【0012】また、長軸と直交する面内での拡散角θm
はθm =2tan -1D/2fとなる(但し、Dはレンズの
幅、fは焦点距離である)。これは、一旦焦点Fに焦光
した光が再びFを点光源とするが如く発散するためで、
このために、θ> +θm/2、θ< -θm/2では、I
(θ)=0となる(図2d参照)。なお、レンティキュ
ラーレンズを構成する透明材料内に、光拡散剤を添加す
ることにより、ψ≠0°面内であってもある範囲のθ内
で光を拡散させることが可能となる。但し、このとき
は、ψ=0°面内でも拡散透過光は一部θm の範囲を逸
脱することとなる(図2b、c参照)。
【0013】蠅の目レンズ形状の形態(図3、)。こ
の形状は2次元のレンティキュラーレンズともいうべき
ものである(図3a参照)。この形態の特性は、図3b
に示すように任意のψ平面内でθに対して一定のθm の
範囲内のみに均一な拡散透過光を得る(ψに対して等方
的である)。なお、θm の算出については、前記レンテ
ィキュラーレンズの場合と同様である。なお、蠅の目レ
ンズを半球体でなく、半楕円体とすることによりその長
軸方向と短軸方向とで異なったθm を得ることができる
(図3c参照)。
【0014】三角プリズム群に艶消し剤を添加した形
態(図4)。この場合、透明素材(樹脂材料等)により
三角形状の微少プリズムをその長軸が互いに平行となる
ように並べる。透明素材には適宜の艶消し剤を添加す
る。頂角の周期Tは表示素子の寸法、解像度、必要とす
る視野角等に応じて変化するが、通常10〜100μm
程度が有効である。また、頂角αは、通常60°〜12
0°程度が好ましい。両底角β、γは、長軸方向と直交
する平面内で左右対称な光拡散特性を持たせるためにβ
=γ(すなわち、二等辺三角形)であることが好ましい
(図4a参照)。
【0015】この三角プリズム群を有するシート自体の
透過光の角度依存性としては、プリズムの形状及びプリ
ズムの屈折率とから決まる所定の臨界角未満の入射光
は、各プリズムによって法線に対して左右(+θ,-θ) 対
称な2っの光線に分かれる。その結果、長軸に直交する
平面内(ψ=0°)で、透過光強度I(θ)は、θ=+
θp 、−θp の2方向にピーク値(I1(θ))を持つ(図
4b)。
【0016】一方、透明に平坦シートに艶消し剤を分散
させたものの透過光強度I(θ、ψ)は、前のランダ
ムな凹凸形状の場合と同様θに対して等方的(I2(θ))
となる(図4c)。よって、透明三角プリズム群シート
に艶消し剤を添加したものの光透過率の角度依存性I
3(θ、ψ)は、 I3(θ、ψ)=I1(θ, ψ) xI2(θ, ψ) となり、図4dに示すようなパターンとなる。
【0017】なお、三角プリズム群シート自体に艶消し
剤を添加する代わりに、三角プリズム群シートと艶消透
明シートとの積層体を用いても同様な光透過率の角度依
存性を得ることができる。 さらに、他の形状として、図5に示すように外側に向
かって凹んだ側面を持つ円錐形状を多数配置したもの
(ピッチpは1〜100μm程度が好ましい)、図6に
示すようにフレネルレンズ又はその変形の形状をしたも
のを多数配置したもの(図示のように同心円環群でなく
同心多角形であってもよい)等であってもよい。
【0018】次に、偏光フィルムの一面に上記した光拡
散層を形成する方法について説明すると、偏光フィル
ムの裏面にサンドブラスト加工を行う方法、艶消し剤
(好ましくは、粒径1〜10μm程度のシリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム等の粉末)を透明樹脂バイダーに分
散させた塗料を塗工する方法、エンボス版で(必要に
応じて加熱しつつ)加圧する方法、あるいはそれらを
組み合わせた方法等により行うことができる。
【0019】さらに、偏光フィルムの一面に光拡散層を
形成する他の方法として、本出願人が既に提案している
透明性フィルム基材の裏面に電離放射線硬化性樹脂を用
てい盛り上げ模様を形成する手法(特願平2−414350号
を参照)を用いることもできる。その場合に、公知の方
法により偏光フィルムの一面に凹凸模様すなわち光拡散
層としての機能を果たす微細凹凸を形成した後に、該微
細凹凸部に紫外線、電子線等の電離放射線を照射して硬
化させてもよく、また、微細凹凸模様を電離放射線硬化
性樹脂により形成する際に、その製造方法として、図7
に示すような装置を用いて行うようにしてもよい。
【0020】すなわち、先ず、ロール凹版10の凹部1
1に電離放射線硬化性樹脂12を後記するノズル塗工装
置13により充填し、ロール凹版10に偏光フィルムを
形成するフィルム材2を充填した樹脂12に接するよう
に押圧ロール21を用いて接触させる。ロール凹版10
の凹部11の形状は偏光フィルム2の表面に形成する微
細凹凸模様に対応した形状に形成しておく。
【0021】ノズル塗工装置13は、ロール凹版10の
回転方向に一定の開口幅を有しかつ回転方向と直行する
方向(幅方向)にロール凹版10の両端をカバーするよ
うな幅方向長さを有するノズル13a、吐出量の変動や経
時変化を緩和するためにアキュムレータとしての機能を
果たすノズルの途中に空洞19、及びノズル13に対し
電離放射線硬化性樹脂12を加圧下に送出するための図
示しない吐出装置を備えている。
【0022】次いで、偏光フィルム2がロール凹版10
に接している間に(具体的には、図6において押圧ロー
ル21と送りロール22との間に位置している時期)
に、電離放射線照射装置17により電離放射線を照射し
てロール凹版10の内部にある電離放射線硬化性樹脂1
4を偏光フィルム2に密着せしめる。すなわち、電離放
射線硬化性樹脂12が偏光フィルム2とロール凹版10
の凹部11の間に保持されている状態で電離放射線を照
射して硬化させる。この際の硬化度合いは少なくとも電
離放射線硬化性樹脂12の流動性を失わせかつ偏光フィ
ルム2との密着性を生じる程度であればよい。
【0023】照射装置17を通過した後、偏光フィルム
2をロール凹版10から剥離する。これにより、硬化し
た電離放射線硬化性樹脂12が偏光フィルム2と一体と
なって、凹部11から脱離され、それにより電離放射線
硬化性樹脂からなる微細凹凸模様3を裏面に有する偏光
フィルム1を得ることができる。なお、図7において、
16は乾燥装置を示しており、溶剤希釈タイプの電離放
射線硬化性樹脂を素材として使用する場合に、溶剤の乾
燥のために用いられる。また、18は第2の電離放射線
照射装置を示しており、必要に応じ使用することによ
り、一度硬化したロール凹版10の凹部11より離脱し
た電離放射線硬化性樹脂をさらに硬化させることができ
る。さらに、特に図示しないが、電離放射線照射装置を
凹版の内部側に設けることもでき、それ単独であるいは
外部側の電離放射線照射装置と共同で電離放射線の照射
を行うようにしてもよい。
【0024】ロール凹版10は、クロムメッキした銅、
鉄等の金属、ガラス、石英等のセラミックス、シリコー
ン樹脂等の合成樹脂等を用いて円筒体を作り、その表面
に電子彫刻、エッチング、サンドブラスト、電鋳等の手
法により所定の凹凸を形成する。この装置を用いる場合
には、ロール凹版と押圧ロールとの間の間隙や圧力を調
節することにより、図6に示すような微細凹凸のみを透
明性偏光フィルム2上に形成したもの以外に、フィルム
2上の全面に任意厚さの電離放射線硬化性樹脂層を持ち
その層の表面に微細凹凸模様を形成したものをも容易に
形成することができる。
【0025】その際に、図7に示すような微細凹凸のみ
を偏光フィルム2上に形成したものを作製する場合に
は、凹部11に充填した樹脂以外をロール凹版から除去
するためにいわゆるドクタープレート(図示せず)が設
けられる。なお、用いる電離放射線硬化性樹脂として
は、分子中に重合性不飽和結合又は、エポキシ基を有す
るプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜
混合した組成物である電離放射線(紫外線又は電子線)
硬化性樹脂等をあげることができ、電離放射線硬化性樹
脂としては、特にアクリレート、例えばポリエステルア
クリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレ
ート、シロキサン等の高架橋密度の得られる多官能の単
量体のみ、又は、それを主成分とした配合物であること
が好ましい。
【0026】上記の方法による場合には、微細かつ最適
化した各種形状の凹凸模様を忠実にかつ高速に形成でき
る効果がある。
【0027】
【実施例】偏光フィルムとして、ヨウ素を含浸したポリ
ビニルアルコールフィルムの表裏両面をトリアセチルセ
ルロースフィルムで挟んで積層したものを用いた。その
裏面のトリアセチルセルロースフィルム上に、上記図7
に示した手法により電離放射線硬化性樹脂による微細凹
凸模様を形成した。
【0028】具体的には、該偏光フィルムを帯状ウェブ
として、ロール凹版に接するように押圧ロールを用いて
接触させ、偏光フィルムがロール凹版に接している間に
高圧水銀燈により紫外線を照射してロール凹版の内部に
ある電離放射線硬化性樹脂14 を偏光フィルムに密着さ
せた。高圧水銀燈を通過した後、偏光フィルムをロール
凹版から剥離した。これにより、硬化した電離放射線硬
化性樹脂が偏光フィルムと一体となって、凹部から脱離
され、それにより下図に示す形状の三角プリズム群から
なる光拡散層を持つ偏光フィルムを得た。
【0029】なお、電離放射線硬化性樹脂液としては、
紫外線硬化型ポリエステルアクリレートのプレポリマー
を主成分とし、これに艶消し剤として粒径(平均)2μ
mのシリカの粒子を5重量%分散させたものを用いた。
【0030】
【0031】この偏光フィルムの三角プリズム群の長軸
と直交する断面内の透過光特性を測定したところ、次頁
の表1に示す通りの角度依存性を有しており、半値角=
70°であった。また、三角プリズム群の長軸方向の断
面内の光透過性も概略グラフAに同じ値を示し、半値角
=10°であった。
【0032】
【表1】
【0033】次に、図8に示すように、従来知られた液
晶セル71の前面に同じ偏光フィルムではあるが上記の
三角プリズムを形成しないもの72aを貼り付け、裏面
に上記した三角プリズムを形成した偏光フィルム72b
を貼り付けて、液晶にパネル70を作成した。その液晶
パネル70の下部に若干の空気層を介在させて、Alの
蒸着により鏡面加工したフィルムからなる反射板73を
配置し、通常の方法により、側方に光源を配置して液晶
表示装置を作成した。
【0034】この液晶表示装置は、全光線透過率が高く
明るい点で優れており、今日使用されている液晶表示装
置と比較して、軽量で明るかった。なお、液晶表示装置
の構成としては、この他に図8における反射板73と光
拡散層を持つ偏光フィルム72bとの間にアクリル樹脂
等からなる透明導光板(又はシート)を挿入することに
より、光透過性の薄膜層を設けることもできる。この場
合には若干光損失量及び装置の厚みは増大するが、外力
等により反射板73と光拡散層を持つ偏光フィルム72
bとの間の距離が変化するのを確実に阻止することがで
き、使用時に表示の明るさが変動するのを防止すること
ができる。
【0035】
【効果】本発明によれば、従来必須のものと考えられき
た透光性材料の基材を除去することが可能となり、その
分軽重量でかつ厚みの薄い液晶表示表示装置を得ること
が可能となった。さらに、本発明による液晶表示表示装
置は透光性材料の基材を介在させないことから光損失量
も低減し安価でありながらより表示効果の高いものとな
った。さらに、透明導光板を省略することがも可能とな
り、その際には一層薄くかつ光損失量の少ない液晶表示
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光拡散層の光透過特性を示す図。
【図2】 他の形の光拡散層の光透過特性を示す図。
【図3】 さらに他の形の光拡散層の光透過特性を示す
図。
【図4】 さらに他の形の光拡散層の光透過特性を示す
図。
【図5】 さらに他の形の光拡散層の光透過特性を示す
図。
【図6】 さらに他の形の光拡散層の光透過特性を示す
図。
【図7】 本発明による偏光フィルムの製造に用いる装
置の説明図。
【図8】 本発明による偏光フィルムを用いた液晶表示
装置の模式的断面図。
【図9】 従来例による液晶表示装置の模式的断面図。
【符号の説明】
70…液晶パネル、71…液晶セル、72a…偏光フィ
ルム、72b…光拡散層を持つ偏光フィルム、73…反
射板、74…光源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶セル及び前記液晶セルの両面に貼り
    付けた偏光フィルムからなる液晶パネルと、前記液晶パ
    ネルの背面に空気層を介して配設した反射板とを有する
    液晶表示装置であって、前記偏光フィルムの前記反射板
    に対向する面に光拡散層を形成したことを特徴とする液
    晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記反射板の前記偏光フィルムに対向す
    る面には光透過性の薄膜が形成されていることを特徴と
    する、請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 一面に光拡散層を有することを特徴とす
    る、特に液晶表示装置に用いられる偏光フィルム。
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