JP4592244B2 - 光学シート製造用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学シート製造用金型等に関し、より詳細には、液晶表示装置等に使用されるプリズムシート等の光学シート製造用金型等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー液晶表示装置を備えたノートブック型パソコンや携帯型テレビ、ビデオ一体型液晶テレビなどのバッテリ駆動式の製品が数多く提供されている。この種の製品では、液晶表示装置の消費電力が多く、これが、製品の長時間作動の障害となっている。液晶表示装置では、消費電力の多くの部分を、照明用面光源素子として使用されるバックライトの消費電力が占めている。従って、バックライトの消費電力を抑えることが、装置の作動時間を延ばすための重要な課題とされてきた。
【0003】
一方、液晶表示の見やすさの観点から、バックライトの正面輝度を維持または向上させるが求められている。このため、低消費電力且つ高輝度のバックライトが求められている。
【0004】
このような要請から、プリズム列からなる多数のレンズ単位が表面に形成されたレンズシート(プリズムシート)を、導光体の出射面上にレンズ面が導光体の反対側を向くように配置することにより、バックライトの光学的な効率を改善し、輝度を犠牲にすることなく消費電力を抑えたバックライト装置が提案されている(例えば、実開平3−69184号公報)。また、導光体側を向くようにレンズ面を配置したバックライト装置も提案されている(特開平2−84618号公報)。
【0005】
また、レンズ形状(プリズム形状)の精度、生産性等の観点から、このようなプリズムシートとして、透明樹脂のフィルムまたはシート上に、紫外線硬化組成物等の活性エネルギ線硬化性組成物で形成された硬化部からなるレンズ部(プリズム部)を配置したプリズムシートが使用されている。そして、これらのプリズムシートに形成されるプリズム部は、頂角が40〜140°で、約10〜100μmピッチで形成されているのが一般的である。
【0006】
このプリズムシートを製造する際には、例えば、電離放射線硬化性樹脂を、ロール凹版からなるロール金型とフィルム基材との間に供給し、フィルム基材側から電離放射線を照射して、樹脂を硬化させ、ロール凹版の表面形状と相補的な表面形状を有するレプリカ品(プリズムシート)を製造している(例えば、特許2811000号参照)。
【0007】
このとき使用される金型は、例えば、円筒状ロールの表面に銅めっき層を設け、この銅めっき層に、プリズム形状に対応するプリズムパターン(V溝型の微細凹形状)を旋削し、さらに、微細凹形状の表面に表面保護用の無電解ニッケルめっきが施されたものである(例えば、特開平11−100683号公報参照)。
【0008】
プリズムシートは、光学的特性の観点から、プリズム部の先端部が鋭角的な剣先形状であることが望ましい。このため、プリズムシートを製造する金型のV溝は、その底部先端が鋭角的な剣先形状となるように、例えば、銅めっき層が頂角65°の直剣ダイヤモドバイトを用いて旋削され、その上に保護用のめっき層が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法で製造されたプリズムシート製造用金型を使用して製造されたプリズムシートには、先端部に点欠陥が発生し、商品価値が失われていることがある。
【0010】
電子顕微鏡での観察によって、プリズムシートの異常は、金型の微細凹形状の底部先端における金型表面の異常に起因することが判明した。さらに、この金型表面の異常は、以下のようなメカニズムで発生することが見出された。即ち、銅めっき層の加工では、先端が鋭角な直剣バイトを用いて、微細凹形状を切削するため、銅メッキ層に形成された微細凹形状(V溝)の底部先端は、鋭角的な剣先形状となる。このため、微細凹形状の形成後の洗浄工程において、底部先端を十分に洗浄することができず、切削時に切削油として使用した鉱物油、その添加物を十分に除去することができなかった。また、無電解ニッケルめっき前の処理液中の炭酸塩、珪酸塩等の除去、水や溶剤の乾燥跡の除去も十分にできなかった。この結果、これら残留物、乾燥跡の上に無電解ニッケルめっき層が形成され、これらの痕跡が無電解ニッケルめっきの表面に発現していた。そして、このような金型上の痕跡が、プリズムシートに転写され、プリズムシートに点欠陥等を発生させていた。
【0011】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、点欠陥、線状欠陥の発生を抑制できる光学シート製造用金型等を提供することを目的とする。
【0016】
本発明によれば、
先端部に曲率半径0.2μm以上5μm以下のR形状または幅0.2μm以上5μm以下の平坦部を有するダイヤモンドバイトによって、金型本体の表面に、底部先端に曲率半径0.2μm以上5μm以下のR形状または幅0.2μm以上5μm以下の平坦部を有する微細凹形状を形成するステップと、次いで
前記金型本体の表面に、前記曲率半径又は前記幅の0.8倍以上の厚さを有し、前記R形状または平坦部の上方で先端が鋭角的なV字状の断面形状を有する表面処理層を形成するステップと、を備えている、
ことを特徴とする光学シート製造用金型の製造方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態として、プリズムシート製造用の金型について詳細に説明する。まず、円筒状金型(ロール金型)の製造工程を例として、本発明の金型の製造方法について説明する。
【0021】
金型の本体表面にV溝等の微細凹形状(プリズムパターン)を形成するために使用する工具は、微細凹形状、加工対象物の種類等によって、適宜選択される。工具の材質は、超硬バイト、CBNバイト、特に、ダイヤモンドバイトなどから選択される。ダイヤモンドバイトは、加工精度を他のバイトより高くできるので精密加工に適している。ダイヤモンドバイトは、図1に示されているような、天然又は合成の単結晶ダイヤモンドチップ1を金属製シャンクの先端に取付けたものである。
【0022】
ダイヤモンドチップ1は、すくい面が最も摩耗しにくい面となる結晶方位にセットされる。ダイヤモンドチップ1は、シャンクに直接、ロウ付けされるか、または、金属小片にロウ付けしてシャンクにねじ留めされるのが好ましい。金属小片には、ロウ付けだけで固定しても、更に上から爪で押さえる構成でもよい。
【0023】
ダイヤモンドチップ1は、製造するプリズムシートのプリズム列の頂角に合わせて、先端部が角度(θ)40°ないし140°に研磨された略三角柱状の形状を有している。ダイヤモンドチップ1の先端2には、曲率半径0.2μm〜5μmのR形状が付与されている。また、ダイヤモンドチップは、図2に示されているように、先端4に幅(w)0.2μm〜5μmの平坦部が形成された略三角柱状ダイヤモンドチップ6でもよい。
【0024】
ダイヤモンドチップの先端部の角度(θ)は、50°ないし110が好ましく、50°ないし80°がより好ましい。特に、金型表面に形成した微細凹凸形状の底部の洗浄が困難となるV溝形状が鋭角である50°ないし80°の先端部の角度(θ)のダイヤモンドチップを用いて切削するような場合に好適である。
【0025】
円筒状金型の本体となるロール材としては、軽量化のために中空円筒体のロール材が主に使用される。材料としては、機械構造用炭素鋼管等の鉄系材料、または、アルミ合金、銅合金などの非鉄材料が選択される。また、大型の金型の場合には、軽量化のため炭素繊維強化プラスチック等の複合材料を用いることもできる。機械加工時の熱により残留応力が解放され歪まないように予め熱処理を行なった材料を使用することが望ましい。また、ロール材料として鉄系材料を使用する場合には、冷媒または熱媒からの防錆効果をもたせるため、ロール材の外側だけでなく、ロールの内側にも防錆めっきを施すのが好ましい。
【0026】
ロール材として鉄系材料を使用するときは、ダイヤモンドバイトによる精密加工が困難であるので、ダイヤモンドバイトで微細凹形状を加工可能な被加工層をロール表面にめっき処理等によって形成しておく。被加工層としては、銅めっき層、ニッケルめっき層が挙げられる。特に、ビッカース硬度180Hvから250Hvの硬質銅めっき層が、ダイヤモンドバイトによる被削性に優れ、プリズムシート製造用金型の被加工層として適切である。
【0027】
上述したような先端形状を有するダイヤモンドチップが取付けられた切削工具を旋盤に取付け、このようなロール本体30の表面、または、被加工層の表面に微細凹形状であるV溝を形成する。溝は、金型を用いて製造するプリズムシートの表面形状とほぼ相補的な形状となる。ここで、プリズムシートとは、シートの少なくとも一方の面に、断面略三角形状の多数のプリズム列が互いに並列して連続的または断続的に形成されたシートであり、プリズム列の先端は通常は、尖った鋭角的な形状となっている。
【0028】
図1に示されているようなダイヤモンドチップ1を使用して溝が形成されたプリズムシート用金型のロール本体30等の表面には、図3に示されるように、底部先端(ボトムライン)32にダイヤモンドバイト1の先端形状に対応した曲率半径0.2μm〜5μmのR形状が形成されたV溝34が、連続的又は断続的に形成されている。
【0029】
また、図2に示されているようなダイヤモンドチップ6を使用して溝が形成されたプリズムシート用金型のロール材本体40等の表面には、図4に示されるように、底部先端(ボトム)42にダイヤモンドチップ6の先端形状に対応した幅0.2μm〜5μmの平坦部が形成されたV溝44が、連続的又は断続的に形成されている。
【0030】
溝34、44は、円筒状のロール本体30、40の円周方向に延びるように隣接して複数形成される。使用する旋盤は、必要な加工条件によって異なるが、ピッチ精度が要求されるときや、表面粗さを低減させるときには、主軸に流体軸受けを使用した超精密旋盤を使用するのが好ましい。V溝34、44の底部の先端角は、使用したダイヤモンドチップ1、6の先端の角度θに対応して、40°ないし140°となっている。また、溝のピッチは、一般に、プリズムシートでは5μmから500μm程度となる。
【0031】
次に、溝34、44が形成されたロール本体30、40の表面に、均一な厚さtの表面処理薄膜36、46を形成する。表面処理薄膜36、46としては、めっき厚さの形状依存性が小さい無電解めっきによる、銅めっき層、ニッケルめっき層が好ましい。特に、金属被膜の安定性、耐腐食性、光沢などのに優れた無電解ニッケルめっきが好ましい。このほかに、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリング等のドライプロセスによって形成された表面処理薄膜でもよい。
【0032】
表面処理薄膜36、46の厚さは、V溝34、44の底部先端32、42のR形状または平坦部に対応する表面処理薄膜36、46の表面38、48で、これらのR形状または平坦部が消滅し、本体の底部先端形状より鋭角的な形状となるように、好ましくは、表面処理薄膜36、46が、R形状または平坦部の上方で、略V字状の断面形状を有するように設定される。
【0033】
表面処理薄膜36、46の厚さは、V溝34、44の底部先端32、42のR形状の曲率半径また平坦部の幅の0.8倍以上の厚さに設定される。本実施形態では、R形状の曲率半径または平坦部の幅に応じて、0.16μmないし5μmの範囲に設定される。表面処理薄膜36、46の厚さをこのような厚さに設定することにより、V溝34、44上に表面処理薄膜36、46を形成したとき、V溝34、44の底部先端32、42のR形状または平坦部の上方では、表面処理薄膜36、46の表面で、R形状または平坦部が消滅する。そして、表面処理薄膜36、46の表面が、本体の底部先端の形状より鋭角的な形状38、48となる。表面処理薄膜36、46の厚さを、V溝34、44の底部先端32、42のR形状の曲率半径また平坦部の幅と略等しい、または、これより大きい値にすると、めっき厚さの形状依存性が小さいため、V溝34、44の底部先端32、42のR形状または平坦部の上方では、表面処理薄膜36、46の表面が略V字状の断面形状となる。
【0034】
また、表面処理薄膜36、46が厚くなりすぎると、金型のトップ形状がR形状となり、光学シートの光学特性等の低下を招くおそれがある。
【0035】
表面処理薄膜36、46の形成に先だって、溝が形成されたロール材料を、十分に洗浄する。無電解めっきを行うときには、アルカリ脱脂、電解脱脂、洗浄、酸活性処理、洗浄、パラジウム処理またはニッケルストライクめっきの前処理を順次行った後、無電解めっきを行い、その後、洗浄、乾燥の順に作業が行われる。
【0036】
本実施形態においては、金型本体の表面に切削されたV溝34、44の底部先端32、42に曲率半径0.2μm以上5μm以下のR形状または幅0.2μm以上5μm以下の平坦部が形成されているので、表面処理薄膜36、46を形成する処理前の洗浄において、底部先端32、42付近を十分に洗浄、乾燥させることができる。このため、R形状または平坦部を備えた底部先端32、42付近に残留物や乾燥跡の痕跡が無い状態で、表面処理薄膜を形成することができる。従って、表面処理薄膜の表面には痕跡が生じることがない。この結果、残留物や乾燥跡の痕跡に起因する点欠陥のないプリズムシートを製造することが可能となる。
【0037】
また、R形状の曲率半径や平坦部の幅が大きくなりすぎると、表面処理薄膜36、46を形成した場合に、R形状や平坦部が消滅せずに残ったり、表面処理薄膜36、46を厚く形成する必要があり、光学シートの光学特性等の低下を招くおそれがある。
【0038】
さらに、金型のロールの本体表面、または、加工層の表面の溝のボトムにはR形状または平坦部が形成されているが、その表面に厚さ0.16μm以上5μm以下の表面処理薄膜36、46を形成することにより、表面処理薄膜36の表面では、本体表面のV溝の底部先端(ボトムライン)のR形状および平坦部の形状が消滅し、鋭角的な底部先端38、48となっている。
【0039】
従って、この金型を用いて製造されたプリズムシートでは、V溝の底部の残留物や乾燥跡の痕跡に起因する点欠陥が生じることなく、且つ、所望の光学的特性を発揮できる鋭角的な先端を有するプリズム形状が実現されている。このため、バックライトシステムに組み込んだ時、光学欠陥の発生がなく、高い正面輝度を得ることができる。
【0040】
次に、上述のようにして製造したロール金型を使用したプリズムシート製造工程を説明する。図5は、上述したようにして製造されたロール金型を使用したプリズムシート製造装置50の概略的な構成を示す図面である。
【0041】
プリズムシート製造装置50には、ロール金型52が、駆動装置53により、矢印A方向に回転可能に取付けられている。プリズムシート製造装置50では、円筒形のロール金型52の外周面には、レンズパターンを形成する溝が延びる方向即ち円周方向に沿って、長尺状の透光性基材54が連続的に供給される。
【0042】
透光性基材54としては、プリズムシートの基材として求められる特性を備え、且つ、紫外線、電子線等の活性エネルギ線を透過する材料が選択される。柔軟なガラス板等を使用することもできるが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等の透明樹脂シートまたはフィルムが好ましい。特にレンズ部より屈折率が低く、表面反射率が低いポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等が好ましい。また、透光性基材54の厚さは、プリズムシートの使用目的に応じて、例えば、20μmないし500μmの範囲から選定される。さらに、透光性基材54には、活性エネルギ線硬化性組成物で形成されるプリズム部との密着性を向上させるため、アンカーコート等の処理を表面に施しても良い。
【0043】
ロール金型52と透光性基材54との間には、所定量の活性エネルギ線硬化組成物56が樹脂タンク58から連続的に供給される。活性エネルギ線硬化組成物56の供給位置の下流側には、供給された活性エネルギ線硬化組成物56の厚さを均一にするニップローラ60が、ロール金型52との間で透光性基材54を挟持するように配置されている。ニップローラ60には、透光性基材54を挟持する圧力を調整する圧力調整機構62が連結されている。
【0044】
活性エネルギ線硬化組成物56としては、硬化後にプリズム部(レンズ部)に求められる特性を有し、且つ、紫外線、電子線等の活性エネルギ線で硬化される材料が選択される。例えば、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、および、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられるが、光学的特性等の観点から、(メタ)アクリレート系樹脂が特に好ましい。
【0045】
ニップローラ60の下流側位置には、活性エネルギ線照射装置64が配置され、透光性基材54を通して活性エネルギ線を、ロール金型52と透光性基材54との間に供給された活性エネルギ線硬化組成物56に照射するように構成されている。活性エネルギ線照射装置64としては、使用する活性エネルギ線硬化組成物56を硬化させる活性エネルギ線を照射する装置が選択される。具体的には、例えば、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ等から選択される。活性エネルギ線の照射量は、200nmから600nmの波長の積算エネルギが、0.1から50J/cm2となるのが好ましい。また、照射雰囲気は、空気でも、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気でもよい。
【0046】
この活性エネルギ線により、活性エネルギ線硬化組成物56は、ロール金型52の表面の微細凹形状と相補的な形状で硬化させられる。即ち、透光性基材54の表面に、ロール金型52の表面形状が転写されたプリズム(レンズ)部が形成される。
【0047】
活性エネルギ線照射装置64の下流側位置には、剥離用ローラ66が配置され、表面にレンズ部が形成されレンズシート(プリズムシート)となった透光性基材54を、ロール金型52から剥離する。
【0048】
以上、本実施形態においては、プリズムシートについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、他の種々の光学シートに適用できるものであり、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変更、変形も可能である。
【0049】
上記実施形態では、金型はロール金型であった、本発明は、平面状金型にも適用できる。この場合、金型となる金属板を円筒物に巻き付けて上記実施形態と同様に加工しても、あるいは、平板を直接形削り版で加工してもよい。
【0050】
また、上記実施形態は、断面が三角形のプリズム列を有するプリズムシート用の金型であったが、本発明は、図6に示されているような、断面が台形のプリズム列を製造するための金型にも適用できる。この実施形態では、金型の本体70に形成された断面台形の溝74の角部72をR形状とすることにより、この部分の洗浄性が向上されている。さらに、この溝74上に、R形状の曲率半径の0.8倍以上の厚さの表面処理薄膜76を形成することにより、角部72上の表面処理薄膜76の表面を、R形状が消滅し角張った形状としている。
【0051】
【実施例】
(実施例)
φ200mm、画長500mmの鋼製ロールに表面研磨仕上げを行い、硬質銅めっき(厚さ200μm)を施した。硬質銅めっきの前加工として、R0.8mmの単結晶天然ダイヤモンドバイトで切込み30μm、送り5μm/revの鏡面加工を行い、加工面はピットなどの欠陥がなく鏡面加工されていることを確認した。硬質銅めっきは、硫酸銅浴で、めっき後の表面硬さは200Hvであった。
【0052】
次に、表面に硬質銅めっきが施されたロール本体に、プリズムシート形成用のV溝加工を行った。頂角65°、先端曲率半径R2μmの天然単結晶ダイヤモンドバイト(東京ダイヤモンド工具製作所製)で、一回転あたりの切り込み量を2μm/rev.に設定し、ピッチ50μmで、ロール本体表面の硬質銅めっき層に、1溝ずつ切削加工を行った。使用した旋盤は、空気静圧軸受けを用いた超精密旋盤である。切削油は鉱物油を使用し、ミスト状にしてバイト先端の加工点に吹き付けた。加工後、ロールにアセトン、エチルアルコールを用いて鉱物油等を洗浄除去し、乾燥後に、無電解ニッケルめっき工程を行った。
【0053】
ニッケルめっき工程では、まず、苛性ソーダ、炭酸塩、珪酸塩、界面活性剤の混合物を50℃に加熱し、ロールを10分間浸漬させ、アルカリ脱脂を行った。次いで、ロールを水洗し、同じ溶液にロールを浸漬し、金型を陰極として100Aの電流を流して電解脱脂を1分間行った。さらに、水洗の後、5%硫酸液に1分間浸漬し、酸活性処理を行った。水洗後、無電解ニッケルめっき液(日本カニゼン製ブルーシューマー)でニッケルストライクめっき後、電解ニッケルめっきを4分間行った。その後、水洗、乾燥を行って、厚さ2μmのニッケルめっき層が表面に形成されたロール金型を得た。このロール金型の表面を観察すると、特に目立った欠陥は見られなかった。また、得られたロール金型の溝は、その底部が鋭角に尖ったV溝となっていた。
【0054】
この金型と、アクリル系紫外線硬化組成物とを用い、図5の製造装置50で、プリズムシートを製作した。円筒形のロール金型52とゴム製のニップルロール60との間に、片面に密着性向上処理を施したPETフィルム(東洋紡社製A4100、厚さ100μm、幅470mm)54を、処理面が円筒形のロール金型52の表面に巻き付くように装置50内に導入した。巻出しロールは、上記PETフィルム1000mを6インチ紙管に巻いたもので、直径300mmのロールで供給した。
【0055】
次いで、タンク58から供給された40℃のアクリル系紫外線硬化組成物56を、供給ノズルからPETフィルム54とロール金型52との間に供給しながら、ロール金型52を毎分6mで回転させた。供給されたアクリル系紫外線硬化組成物56が、PETフィルム54とロール金型52との間に保持された状態で、9.6Kw(120W/cm)の紫外線照射装置64から、照射量(照射エネルギ)が200mJ/cm2となるように紫外線を照射し、アクリル系紫外線硬化組成物56を硬化、賦型した後、ロール金型54からPETフィルム54を剥離してプリズムシートを得た。このプリズムシートに欠陥はなく、全面が均一であった。得られたプリズムシートをバックライトに使用したところ、光学欠陥がなく輝度が高いバックライトが得られた。
【0056】
(比較例)
V溝加工に使用する天然単結晶ダイヤモンドバイトの先端にRを付与せず、直剣65°バイトとした点を除き、他は実験例を同一条件で、プリズムシート用金型を製造した。このプリズムシート用金型で製造されたプリズムシートは、A4版中に、点欠陥が多数存在し、1つの点欠陥は、0.2mmないし1.5mmの白点として視認されるものであった。点欠陥に対応する金型表面の位置を電子顕微鏡で観察すると、いずれも金型のボトムラインに異常が見られた。得られたプリズムシートをバックライトに使用したところ、光学欠陥が目立つものであった。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば点欠陥、線状欠陥の発生が抑制された光学シート製造用金型等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に使用されるダイヤモンドチップの概略的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に使用される他のダイヤモンドチップの概略的な斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の金型の表面の構成を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施形態の他の金型の表面の構成を示す模式的な断面図である。
【図5】本発明の実施形態のプリズムシート製造装置の構成を概略的に示す図面である。
【図6】本発明の他の実施形態の金型の表面の構成を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1:ダイヤモンドチップ
30:ロール本体
32:底部(ボトム)
34:V溝
36:表面処理薄膜

Claims (1)

  1. 先端部に曲率半径0.2μm以上5μm以下のR形状または幅0.2μm以上5μm以下の平坦部を有するダイヤモンドバイトによって、金型本体の表面に、底部先端に曲率半径0.2μm以上5μm以下のR形状または幅0.2μm以上5μm以下の平坦部を有する微細凹形状を形成するステップと、次いで
    前記金型本体の表面に、前記曲率半径又は前記幅の0.8倍以上の厚さを有し、前記R形状または平坦部の上方で先端が鋭角的なV字状の断面形状を有する表面処理層を形成するステップと、を備えている、
    ことを特徴とする光学シート製造用金型の製造方法
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