JP2010014822A - グリッド偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が高く且つ従来品と同等以上の偏光分離特性を有するグリッド偏光フィルムを効率的に製造しうる製造方法を提供する。
【解決手段】互いに離隔し略平行に延長する複数の畝状凸部を有する凹凸面を有する長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの前記畝状凸部上及び/又は前記畝状凸部の間に設けられた吸光性層とを有するグリッド偏光フィルムの製造方法であって、前記吸光性層材料を吸光性層材料供給源から放出させて前記凹凸面へ適用し、前記凹凸面上に堆積させる吸光性層形成工程を含み、前記放出の軌跡の方向を、前記凹凸面の法線から15°以内の角度とすることを特徴とする、グリッド偏光フィルムの製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、グリッド偏光フィルムの製造方法に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。グリッド偏光子は、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。このような金属のグリッド構造に光が入射する際に、グリッドの周期が入射光の波長より短い場合に、グリッド構造を形成している線状金属に対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過するため、かかるグリッド構造は単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
特に、グリッド偏光子の基板として樹脂などのフィルムを用いたグリッド偏光フィルムは、取り扱いが容易で、長尺な偏光子を効率的に製造しうるなどの利点を有しうる。
グリッド偏光フィルムの製造方法としては、微細な畝状の凸部を有する面を有する長尺のフィルム上に、金属等の吸光性層材料を蒸着して蒸着層を形成することが提案されている。
かかる蒸着は、通常真空蒸着などの蒸着方法が用いられる。通常真空蒸着は、蒸着源から蒸着させる材料を加熱等の方法により放出させ、これを被蒸着面に当てて堆積させることにより行なわれる。従前においては、かかる蒸着の工程において蒸着させる材料を被蒸着面に当てる蒸着角度を制御することは行なわれていなかったが、近年、より高品質な蒸着層を得ることを目的として、特許文献1に開示されるように、蒸着させる材料の放出方向と被蒸着面の法線方向とがなす角度を所定以上の大きい角度とすることが提案されている。
特開2008−9069号公報
しかしながら、特許文献1に開示される方法では、得られる蒸着層の強度が不十分となる上、蒸着層の形成にかかる時間が長く、強度の高い蒸着層を効率よく製造することが困難であった。
したがって本発明の目的は、強度が高く且つ従来品と同等以上の偏光分離特性を有するグリッド偏光フィルムを効率的に製造しうる製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題に鑑み検討した結果、吸光性層材料をフィルム上に堆積させる際に吸光性層材料を放出させる方向と堆積面の法線とがなす角度を、従来とは逆に所定以下の小さい角度とすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下のものが提供される。
〔1〕 互いに離隔し略平行に延長する複数の畝状凸部を有する凹凸面を有する長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの前記畝状凸部上及び/又は前記畝状凸部の間に設けられた吸光性層とを有するグリッド偏光フィルムの製造方法であって、
前記吸光性層材料を吸光性層材料供給源から放出させて前記凹凸面へ適用し、前記凹凸面上に堆積させる吸光性層形成工程を含み、
前記放出の軌跡の方向 を、前記凹凸面の法線から15°以内の角度とすることを特徴とする、グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔2〕 前記吸光性層材料がアルミニウムを含み、
前記吸光性層を形成する吸光性層材料の堆積を真空蒸着法により行なう、前記グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔3〕 前記畝状凸部の延長方向が長尺フィルムの長手方向と平行である、前記グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔4〕 前記吸光性層形成工程に先立ち、樹脂フィルムの表面をプラズマ処理 する工程をさらに含む、前記グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔5〕 前記吸光性層形成工程の後に、吸光性層をエッチング処理する工程をさらに含む、前記グリッド偏光フィルムの製造方法。
本発明のグリッド偏光フィルムの製造方法によれば、強度が高く且つ従来品と同等以上の偏光分離特性を有するグリッド偏光フィルムを効率的に製造することができる。
本発明の製造方法は、所定の樹脂フィルムと吸光性層とを有するグリッド偏光フィルムの製造方法である。
1.樹脂フィルム
(1−1.樹脂フィルムの材質)
樹脂フィルムの材質は、入射した光の少なくとも一部を透過させることができ、グリッド偏光フィルムとして機能しうる任意の材質とすることができる。具体的には、透明樹脂等の有機材料とすることが、光透過性能と加工の容易さの観点から好ましい。
かかる透明樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよいし、硬化性樹脂を硬化させたものであってもよいが、後述する畝を容易に形成できると言う点から少なくとも畝の部分に関して硬化性樹脂を硬化させたものが好ましい。
透明な熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、転写性の観点から、脂環式オレフィンポリマーが好適である。
硬化性樹脂としては、熱硬化性のものと、エネルギー線硬化性のものとがある。なお、エネルギー線とは、可視光線、紫外線、電子線、X線などのことをいう。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂としては、ラジカル重合性不飽和基及び/又はカチオン重合性基を有する低分子量化合物、又は樹脂等が挙げられる。なお、ラジカル重合性不飽和基及び/又はカチオン重合性基は、1分子中に2以上含んでいてもよい。
前記ラジカル重合性不飽和基を有する低分子量化合物としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物;スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、4−ビニルピリジン等のラジカル反応性芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、エンド−ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,8−ジカルボン酸(エンディック酸)、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、マレイン酸クロライド等の不飽和カルボン酸のハライド;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド等の不飽和カルボン酸のアミド若しくはイミド誘導体;無水マレイン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸の無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエノキシエチル(メタ)アクリレート、へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸のエステル誘導体; ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシトリエトキシシラン等のラジカル反応不飽和基を有するシラン化合物;等が挙げられる。
前記カチオン重合性基を有する低分子量化合物としては、ジシクロペンタジエンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アセタール、エチレングリコールのビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、エチレングリコールの3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸ジエステル等の脂環式エポキシ基を含有する化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル等のグリシジル基を含有するエポキシ化合物;3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−エトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ブトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシエチル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシ−3’−フェノキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2’−ヒドロキシ−3’−ブトキシプロピル)オキシメチルオキセタン、3−エチル−3−[2’−(2”−エトキシエチル)オキシメチル]オキセタン等のオキセタン環を含有する化合物;等が挙げられる。
前記ラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基を有する樹脂としては、低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等の側鎖にラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基を有する樹脂が挙げられる。
エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合には、硬化性樹脂の中に光重合開始剤、光増感剤などを含ませる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
樹脂フィルムを構成する透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
前記透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
前記透明樹脂は、波長550nmで測定したレターデーションReが、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。また、面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションReが大きく、またレターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。なお、Reはd×(nx−ny)で定義される値である(nx:面内の遅相軸方向の屈折率、ny:前記遅相軸に面内で直交する方向の屈折率、d:平均厚さ)。
前記透明樹脂は、100℃で2時間真空乾燥した後の重量W0から、80℃の温水に24時間浸漬し次いで100℃で2時間真空乾燥した後の重量W1への重量減量が、W0の1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましい。
(1−2.樹脂フィルムの形状)
本発明の製造方法で製造されるグリッド偏光フィルムにおいて、樹脂フィルムは、所定の凹凸面を有する。凹凸面は、樹脂フィルムの両面に設けることもできるが、通常、表裏二面のうち一方の面上のみに設けることができる。凹凸面は、表裏二面のうち一方の面の一部又は全面に設けることができる。
本発明において、樹脂フィルム上の凹凸面は、互いに離隔し略平行に延長する複数の畝状凸部を有する。畝の周期は、可視光線の波長よりも短いことが好ましい。該畝は、稜線が略直線状に延びるものである。畝の垂直断面形状(畝の延長方向に垂直な断面における畝の形状)は特に限定されないが、矩形、台形、菱形、山形などが挙げられる。
畝の高さは、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
畝間に形成される溝の幅は、好ましくは200nm以下、好ましくは20〜100nmである。
畝の幅は、好ましくは25〜300nmであり、畝(稜線)の長さは、好ましくは800nm以上である。
また、畝の中心間距離(ピッチ)即ち畝の周期は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。
畝のアスペクト比(畝の高さ/畝の幅)は、好ましくは0.1〜5.0、より好ましくは0.4〜3.0、特に好ましくは0.8〜2.0である。
偏光分離性能などの光学特性を考慮すると、畝が略平行に且つ同一ピッチで並んだものが好ましい。なお、本発明において、「略平行」とは、平行方向から±5°の範囲内にあることをいう。
上記のような畝を有する樹脂フィルムは、リソグラフィー法と現像エッチング法との組み合わせによって、または転写型または転写ロールを用いた転写法によって、得ることができる。具体的には、エネルギー線硬化性樹脂を流延して塗膜を得、該塗膜に畝に対応するパターンでエネルギー線を照射して、該パターンを現像することによって畝を有する樹脂フィルムを得ることができる。また、エネルギー線硬化性樹脂を流延して塗膜を得、該塗膜に畝に対応した凹凸を有する金型またはロールを、塗膜に押し当て、該押し当てている状態でエネルギー線を照射し、エネルギー線硬化性樹脂を硬化させることによって畝を有する樹脂フィルムを得ることができる。
樹脂フィルムの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜10mm、好ましくは20〜500μmである。樹脂フィルムは、波長400〜700nmの可視光線領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
本発明に用いられる樹脂フィルムは、長尺の樹脂フィルムである。具体的には、長手方向の長さが幅に対し少なくとも5倍程度以上とすることができ、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さとすることができる。具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有し、長手方向に繰り出すことができる形状とすることができる。
長尺状の樹脂フィルムの幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。樹脂フィルムは、その製造工程の途中において、任意に、その幅方向の両端を切り落とす(トリミング)ことがある。この場合、前記樹脂フィルムの幅は、両端を切り落とした後の寸法とすることができる。
本発明に用いられる樹脂フィルムは、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得ることができる。成形法としては、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
2.吸光性層形成工程
本発明の製造方法により製造されるグリッド偏光フィルムは、前記樹脂フィルムの前記畝状凸部上及び/又は前記畝状凸部の間に設けられた吸光性層を有する。
本発明の製造方法は、吸光性層材料を吸光性層材料供給源から放出させて前記樹脂フィルムの凹凸面へ適用し、前記凹凸面上に堆積させる吸光性層形成工程を含む。
吸光性層材料は、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。
吸光性層材料を樹脂フィルムの凹凸面に適用し堆積させる具体的手段としては、吸光性層材料の物理蒸着(PVD法)を挙げることができる。
PVD法は、蒸着材料を蒸発・イオン化し、被膜を形成させる方法である。より具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等が挙げられる。これらのうち表面粗さを小さくすることが容易という観点から真空蒸着法が好ましい。
真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、離れた位置に置かれた基材の表面に付着させ、薄膜を形成する方法である。加熱手段としては、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどが挙げられる。
物理蒸着を行う装置内の雰囲気は、好ましくは絶対圧1×10−2Pa以下、より好ましくは絶対圧8×10−3Pa以下である。
物理蒸着による製膜速度は、好ましくは1.0nm/秒以上、より好ましくは2.5nm/秒以上、特に好ましくは4.0nm/秒以上である。なお、製膜速度の上限は、製膜装置の性能による限界があるのみで、表面粗さを小さくするという観点においては特に制限されない。製膜速度をこの範囲に調整することによって、表面粗さを小さくすることができる。
製膜速度の調節は、例えば真空蒸着の場合、吸光性層材料供給源の温度、及びその他の蒸着条件を適宜調節することにより行なうことができる。
本発明の製造方法では、吸光性層形成工程において、吸光性層材料の放出の軌跡の方向を、凹凸面の法線から15°以内の角度とする。この特徴について、図1及び図2に示す例を参照して説明する。
図1は、本発明の製造方法により製造されるグリッド偏光フィルムの一例を示す斜視図である。このグリッド偏光フィルムは、矩形の畝状凸部310Pの頂部及び畝間部の両方に、それぞれ断面概略矩形の吸光性層311A及び311Bが、物理蒸着により積層された構造を有している。
このようなグリッド偏光フィルムの製造において、蒸着の方向211と、グリッド偏光フィルムの法線211Zとがなす角θ101を、15°以内とすることにより、本発明の前記要件を充足することができる。
蒸着の方向211が、法線211Zから傾く方向については、特に限定されないが、畝状凸部310Pの延長方向211Yに略平行な方向へ傾くことが、畝状凸部の頂部及び畝間部の両方に良好な蒸着を施すことができるため特に好ましい。
さらに、長尺の樹脂フィルムであるフィルム310においては、その畝状凸部310Pの延長方向211Yが、フィルムの長手方向と平行であることが、上記の態様の良好な蒸着を効率的に行なうことができるため特に好ましい。
図2は、かかる吸光性層形成工程のより具体的な例を説明する概略図である。図2に示す工程では、上で述べた凹凸を有する樹脂フィルム310のロール231から、フィルム310を繰り出し、ここで必要に応じて、畝形成面310S側にプラズマ処理装置251を用いて、酸素ガスとアルゴンガスを用いたプラズマ処理を行なう。かかる処理を行なうことにより、吸光性層のフィルムへの付着力を向上させることができる。
続いて、フィルム310をロール232、233及び234に通し、ロール233上において、フィルムの畝形成面310Sに、マスク241を介して、吸光性層形成材料を真空蒸着する。図1において示した蒸着の方向211と法線211Zとがなす角θ101は、蒸着開始点211P1及び蒸着終了点211P2において最大の値(θ101−1及びθ101−2)となる。点211P1において角θ101−1は蒸着の方向212−1と法線211Z1とがなす角であり、点211P2において角θ101−2は蒸着の方向212−2と法線211Z2とがなす角である。蒸着の方向212−1が法線211Z1から傾く方向は、点211P1における畝状凸部の延長方向に平行な接線211Y1の方向となる。蒸着の方向212−2が法線211Z2から傾く方向は、点211P2における畝状凸部の延長方向に平行な接線211Y2の方向となる。
ロール233、マスク241及び吸光性層材料供給源242の位置関係を適宜調節することにより、角度θ101−1及びθ101−2がいずれも15°以内となるよう調節することができ、本発明の要件を満たすことができる。
ロール233上におけるフィルムの搬送速度は、1〜200m/minとすることができる。上述の吸光性層の製膜速度、フィルムの搬送速度、及びその他の諸条件を適宜調節し、また必要に応じて膜圧測定モニター252で吸光性層の膜圧をモニターすることにより、吸光性層の膜圧を調節することができる。
このように吸光性層を形成し得られたグリッド偏光フィルムは、必要に応じ、巻き取りロール235で巻き取ることができる。
上記方法により吸光性層を形成させた場合、前記畝状凸部の頂および/または前記畝間の溝の底に吸光性層を積層することができる。
畝状凸部の頂に積層された吸光性層311Aの断面(畝の延長方向に垂直な断面)における断面形状は、図1に示す例では矩形であるが、これに制限されず、台形、円形、山形などとすることができる。吸光性層311Aの厚さは、特に制限されないが、好ましくは100nm以下、より好ましくは30〜90nm、特に好ましくは50〜80nmである。吸光性層311Aの幅および長さは、通常、畝状凸部の頂面の形状にしたがってほぼ決まる。
一方、畝間の溝の底に積層された吸光性層311Bの形状も、図1に示す例では矩形であるが、これに制限されず、台形、円形、山形などとすることができる。吸光性層311Bの厚さは、好ましくは100nm以下、より好ましくは30〜90nm、特に好ましくは50〜80nmである。吸光性層311Bの幅および長さは、通常、溝の底面の形状にしたがってほぼ決まる。
畝状凸部間の吸光性層のより好ましい形状の例として、図3に示す山形の形状の畝状凸部311B2が挙げられる。かかる311B2のような断面形状の吸光性層は、図1に示した吸光性層311Bの如く形成した吸光性層に対して、ドライエッチング又はウェットエッチング等のエッチング処理を施し、吸光性層を変形させることにより得ることができる。より具体的には、以下に詳述するウェットエッチングの手段により変形させることができる。
前記のような吸光性層の一部は、ウェットエッチングによって除去することが好ましい。除去される吸光性層の一部とは、畝の側壁に形成された部分、畝の頂の幅からはみ出した部分などである。ウェットエッチングは、吸光性層にエッチング液を接触させる工程と、リンス液で洗浄する工程、およびリンス液を除去する工程を少なくとも含む。
吸光性層にエッチング液を接触させる工程の前に、除去されないようにしたい部分の吸光性層の上にマスク層を設けてもよい。マスク層には、通常、無機化合物膜が用いられる。このマスク層によって吸光性層の厚さの減少を少なくして吸光性層の幅を狭くすることができる。
マスキング用の無機化合物は、後述のウェットエッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。これらの中では特に二酸化ケイ素が好ましい。積層される無機化合物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。無機化合物膜はPVD法によって形成できる。
吸光性層にエッチング液を接触させる工程の前に、略平行に並んだ畝状凸部に直交する方向に延伸することができる。この延伸によって畝の中心間距離が広がり、吸光性層311A間のピッチ間隔が広がり、結果として光線透過率が高くなる。また溝の底面に形成されていた吸光性層311Bの端が、延伸によって、畝の基部から離れ、隙間ができる。後述するウェットエッチング液がこの隙間に入り込み、吸光性層311Bの両端を優先的に除去し、図3のように、吸光性層311Bの断面における中央部分よりも両端部分を薄くし、概略三角形の断面形状とすることができる。
延伸方法は特に限定されないが、畝に直交する方向の延伸倍率を好ましくは1.05〜5倍、より好ましくは1.1〜3倍、畝に平行な方向の延伸倍率を好ましくは0.9〜1.1倍、より好ましくは0.95〜1.05倍にするとよい。このような延伸を行うために、テンター延伸機による連続的な横一軸延伸が好適である。
吸光性層にエッチング液を接触させる工程の前に、吸光性層の表面改質処理を行うことが好ましい。表面改質処理としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、UV照射処理および有機溶剤処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理が好適なものとして挙げられる。吸光性層の表面改質処理を行うことによって、光学性能のバラツキが小さくなる。
ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、樹脂フィルムを侵食等させずに吸光性層の一部を除去できる液であれば良く、マスク層(無機化合物膜)、吸光性層、透明樹脂基材の材質に応じて適宜選択される。エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、エッチング液には界面活性剤などの添加剤が含まれていても良い。
吸光性層にエッチング液を接触させる方法は、特に制限されないが、ディップ法、スプレー法およびコーティング法からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法が好ましい。
ウェットエッチングに用いられるリンス液は、エッチング液を吸光性層に接触させたときに発生した残渣を取り除く液である。残渣が残ると吸光性層の表面が荒れ、光学性能に影響を及ぼすことがある。また、残渣が透明樹脂基材の好ましく無い場所に付着することがある。
リンス液としては、水(例えば、純水など)、界面活性剤を含有する溶液、などが挙げられる。
リンス液で吸光性層を洗浄する方法は、吸光性層に接触したエッチング液およびエッチング残渣を取り除くことができる方法であれば、特に制限されない。
リンス液で洗浄した後、リンス液を除去する。リンス液の除去方法は特に制限されないが、エアーブローによる方法が好ましい。
3.その他の層形成工程
本発明では、上記工程に加えて、さらに任意の他の工程を実施し、樹脂フィルム及び吸光性層に加えてさらに他の層を設けてもよい。具体的には例えば、吸光性層上にさらに直接または他の層を介して保護層を設けることができる。
保護層は、その材質によって特に制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。
透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の透明樹脂基材を構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
透明樹脂からなる保護層は、前述の透明樹脂基材同様に、前記同様の方法で測定した重量減量が1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましい。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。保護層は、波長400〜700nmの可視光線領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、保護層は、波長550nmで測定したレターデーションReが、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。また、面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションReが大きく、またレターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
保護層を積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。保護層を接着剤で貼り付ける場合には、グリッド線間の空間に接着剤が入り込まないようにし、グリッド線間の空間に空気が残るようにすることが偏光分離性能を高める点で好ましい。
本発明の製造方法により得られるグリッド偏光フィルムは、吸光性層311Aのような畝状凸部の上に設けられた吸光性層のグリッド線の間に空気または不活性ガスが含まれる空間があることが好ましい。不活性ガスとしては屈折率の小さいものが好ましく、窒素、ヘリウムなどが挙げられる。
吸光性層には、腐食防止処理を施して腐食防止膜を設けても良い。腐食防止膜は、グリッド偏光性能の観点から、単分子膜もしくはそれに準じる厚さ、具体的には、100nm以下の厚さであることが好ましい。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1−1.切削工具の調製)
8mm×8mm×60mmのステンレス鋼製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ社製)を用いてアルゴンイオンビームによる集束イオンビーム加工を行い、切削工具を作製した。得られた切削工具上の直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面には、長さ1mmの辺に平行な、幅90nm、深さ80nmの断面矩形形状の溝が、ピッチ180nmのパターンで彫り込まれていた。
(1−2.転写ロールの調製)
直径200mmで長さ150mmのステンレス鋼SUS430製円筒の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施した。次いで、(1−1)で作製した切削工具と、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ社製)を用いて、円筒を回転させてニッケル−リン無電解メッキ面に切削加工し、円筒の円周端面に平行な幅90nmで高さ80nmの断面矩形の畝がピッチ180nmで円筒の曲面全面に形成された転写ロールを得た。なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、振動制御システム(昭和サイエンス社製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された、温度20.0±0.2℃の恒温低振動室内で行った。
(1−3.凹凸樹脂フィルムの調製)
イソボルニルアクリレート86.6重量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート9.6重量部および光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュアー184)3.8重量部からなる塗布液を、コロナ放電による表面処理を施した厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、オプテス社製)面に5μmの厚さで塗布した。該塗布面に(1−2)で得られた転写ロールを接触させ、接触している状態においてフィルム側から紫外線を照射し塗布膜を硬化させて、転写ロール面の形状を塗布膜に転写し、凹凸樹脂フィルムを得た。得られた凹凸樹脂フィルムには、平均幅90nm、高さ80nmの断面矩形の畝が、フィルムの長手方向に平行にピッチ180nmで複数並んで形成されていることが、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)の観察によって確認された。なお、観察用の試料は、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置にて作製した。得られた凹凸樹脂フィルムをロールに巻き取り、これを次の工程に供した。
(1−4.真空蒸着)
続いて、図2に概略的に図示する真空蒸着装置を用いて真空蒸着を行なった。
(1−3)で得た凹凸樹脂フィルムのロール231から、フィルム310を繰り出し、畝形成面310S側に、プラズマ処理装置251を用いて、酸素ガスとアルゴンガスを用いたプラズマ処理を行なった。
続いてフィルム310をロール232、233及び234に通し、ロール233上において、フィルムの畝形成面310Sに、マスク241を介したアルミニウムの真空蒸着を行なった。マスクの配置は、蒸着開始時の最大蒸着角度θ101−1(フィルム上の畝に平行な接線211Y1及びフィルム面の法線211Z1を含む平面における、法線211Z1と蒸着方向212−1との成す角)及び蒸着終了時の最大蒸着角θ101−2(フィルム上の畝に平行な接線211Y2及びフィルム面の法線211Z2を含む平面における、法線211Z2と蒸着方向212−2との成す角)がいずれも15°となるような配置とし、ロール233上におけるフィルムの搬送速度は50m/minとした。マスク241を介して、純度99.99%のアルミニウムである吸光性層材料供給源242を電子銃により加熱し、絶対圧5×10−3Paで、真空蒸着した。膜厚を、膜厚測定モニター252で測定し、電子銃の出力を調節することにより、膜厚を70nm±5nmの範囲に維持し、得られた蒸着フィルムを巻き取りロール235で巻き取った。
(1−5.エッチング)
(1−4)で得られた蒸着フィルムのロールからフィルムを繰り出し、温度33℃の水酸化ナトリウム1重量%水溶液に30秒間浸漬しウェットエッチングを行った。次いで水でリンスし、エアーブローで水滴を吹き飛ばし、120℃で5分間乾燥して、長尺のグリッド偏光フィルムを作製した。得られた長尺のグリッド偏光フィルムをロール状に巻き取った。
<実施例2>
工程(1−4)においてプラズマ処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてグリッド偏光フィルムを得た。
<実施例3>
工程(1−4)においてプラズマ処理を行わなかった点、マスクの配置を偏光して最大蒸着角度θ101−1及びθ101−2がいずれも5°になるようにした点、及び蒸着時の搬送速度を18m/minに変更した点以外は、実施例1と同様にしてグリッド偏光フィルムを得た。
<比較例1>
工程(1−4)においてマスクを使用せず、最大蒸着角度θ101−1及びθ101−2がいずれも90°となるようにした点、及び蒸着時の搬送速度を100m/minに変更した点以外は、実施例1と同様にしてグリッド偏光フィルムを得た。
<比較例2>
工程(1−4)においてプラズマ処理を行わなかった以外は、比較例1と同様にしてグリッド偏光フィルムを得た。
<比較例3>
最大蒸着角度θ101−1及びθ101−2がいずれも18°になるようにマスクを配置した点、及び蒸着時の搬送速度を55m/minに変えた点以外は、実施例1と同様にしてグリッド偏光フィルムを得た。
<評価>
実施例1〜3および比較例1〜3で得られたグリッド偏光フィルムについて、下記の評価を行なった。結果を表1に示す。
(イ)アルミ蒸着面を走査型電子顕微鏡(S4700:日立製作所製)で観察して、アルミワイヤーの剥離の有無を確認した。
(ロ)偏光透過率Tおよび偏光反射率Rを下記の方法で求めた。
(偏光透過率T)
直線偏光の偏光面がグリッド偏光フィルムの透過軸に平行になるように、直線偏光をグリッド偏光フィルムに入射した。分光光度計V−570(日本分光製)を用いて、透過光の光度を測定して、a)波長450nm、b)550nm、およびc)650nmにおける偏光透過率を求めた。
(偏光反射率R)
直線偏光の偏光面がグリッド偏光フィルムの透過軸に直角になるように、直線偏光をグリッド偏光フィルムに入射した。分光光度計V−570(日本分光製)を用いて、入射角5°における反射光の光度を測定して、a)波長450nm、b)550nm、およびc)650nmにおける偏光反射率を求めた。
(ハ)グリッド偏光フィルムを恒温恒湿試験機(TSA−301L−W:Espec社製)に置いて、60℃、95%RHの条件で1000時間保持した後、恒温恒湿試験機から取り出した。取り出したグリッド偏光フィルムのアルミ蒸着面に、スコッチテープNo.610を貼付した後剥離することによりテープ剥離試験を行った。全面が剥がれた場合を×、一部剥がれた場合を△、剥がれなかった場合を○とした。
Figure 2010014822
表1の結果から明らかな通り、最大蒸着角度が本発明の規定の範囲内である実施例1〜3のグリッド偏光フィルムは、最大蒸着角度が本発明の規定の範囲外である比較例1〜3のグリッド偏光フィルムに比べて、耐久性が高く且つ光学特性も優れていた。
本発明の製造方法により製造されるグリッド偏光フィルムの一例を概略的に示す斜視図である。 本発明の製造方法における吸光性層形成工程の一例を示す概略図である。 本発明の製造方法により製造されるグリッド偏光フィルムの別の一例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
231 送り出しロール
232、233、234 ロール
235 巻き取りロール
251 プラズマ処理装置
241 マスク
242 吸光性層材料供給源
252 膜圧測定モニター
310 樹脂フィルム
310P 凸部
311A、311B、311B2 吸光性層
420 保護層

Claims (5)

  1. 互いに離隔し略平行に延長する複数の畝状凸部を有する凹凸面を有する長尺の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルムの前記畝状凸部上及び/又は前記畝状凸部の間に設けられた吸光性層とを有するグリッド偏光フィルムの製造方法であって、
    前記吸光性層を形成する吸光性層材料を吸光性層材料供給源から放出させて前記凹凸面へ適用し、前記凹凸面上に堆積させる吸光性層形成工程を含み、
    前記放出の軌跡の方向を、前記凹凸面の法線から15°以内の角度とすることを特徴とする、グリッド偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記吸光性層材料がアルミニウムを含み、
    前記吸光性層材料の堆積を真空蒸着法により行なう、請求項1に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  3. 前記畝状凸部の延長方向が長尺フィルムの長手方向と平行である、請求項1及び2のいずれか1項に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  4. 前記吸光性層形成工程に先立ち、樹脂フィルムの表面をプラズマ処理する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  5. 前記吸光性層形成工程の後に、吸光性層をエッチング処理する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015222444A (ja) * 2015-08-24 2015-12-10 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ワイヤグリッド偏光板の製造方法
JP2017129887A (ja) * 2017-05-01 2017-07-27 デクセリアルズ株式会社 偏光素子、偏光素子の製造方法
JP2019095817A (ja) * 2019-03-25 2019-06-20 デクセリアルズ株式会社 偏光素子、偏光素子の製造方法

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