JP5283376B2 - プリズムシート成形用ロール金型製造方法 - Google Patents

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本発明は、プリズムシート成形用ロール金型の製造方法に関し、詳細には、外周面に溝が形成されたプリズムシートを製造するロール金型の製造方法に関する。
カラー液晶表示装置を備えた携帯用ノートパソコンや、カラー液晶表示装置を使った携帯用液晶テレビあるいはビデオ一体型液晶テレビなどのバッテリ駆動の製品は、液晶表示装置の消費電力が大きいため、駆動時間が短い。したがって、バッテリによる装置の駆動時間を延ばし、製品の実用価値を高めるためには、バックライトの消費電力をできる限り低く抑えることが必要である。
しかし、光源の光度を低下させるなどして、バックライトの消費電力を抑制しようとすると、バックライトの輝度が低下し、液晶表示が見難くなる。このため、表面に多数の微小プリズム部が連続的に形成されたプリズムシートをバックライトに組み込むことにより出射効率を改善し、輝度を低下させることなく消費電力を低く抑えている。
このようなプリズムシートの製造方法として、プリズムシートの微小プリズム部と相捕的な溝が表面に形成されたロール金型を使用して、長尺状のプリズムシートを連続的に生産する方法が知られている。この製造方法では、ロール金型と長尺状の透光性基材の間に活性エネルギー線硬化性組成物を挟持し、活性エネルギー線照射装置からの活性エネルギー線で活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させ、硬化した活性エネルギー線硬化性組成物で形成された微小プリズム部を透光性基材の表面に形成することによってプリズムシートを製造している。
このようなプリズムシート製造に使用されるロール金型の製造方法としては、ロール金型に加工されるシリンダロールの表面に、被削材として切削性に優れる銅めっき層を設け、この銅めっき層をダイヤモンドバイトで、微小プリズム部と相捕的な溝に切削する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、この凹凸形状(金型形状)の形成方法としては、シリンダロールの外端部で切込みを行い、シリンダロールの回転とピッチ送りを同期制御しながら円周状に溝の切削を行うネジ加工法(特許文献2、特許文献3参照)、シリンダロールに対して垂直に1本ずつ一定速度で円周状に突っ切り加工を行う方法が知られている(特許文献4参照)。
いずれの方法においても、シリンダロールの円筒状の外周面に微小プリズム部と相捕的な溝を形成する際には、バイトとシリンダロールとを相対回転させながら、シリンダロールの円筒状の外周面の法線方向(半径方向外方)から略三角形の断面形状を有するバイトをシリンダロールの外周面に押しつけることによって、シリンダロールの外周面に溝を形成していた。
特開平11−100683号公報 特開2000−153553号公報 特開2001−315001号公報 特開平7−276371号公報
ここで、横断面が左右非対称なプリズム部を有するプリズムシートを製造するロール金型に溝を切削加工する際には、図1に示すような、バイト1の先端部の断面形状が左右非対称、すなわちバイト1の長手方向軸線2の角度(切刃面の傾斜角度)が互いに異なる2枚の切刃面4、6を有するバイト1を、シリンダロール8の円筒状外周面10の接線12に直交する方向(すなわち半径方向R)からシリンダロール2の外周面10に切込ませて切削が行われていた。
このような切削では、傾斜角度が小さい切刃面4と傾斜角度が大きい切刃面6とで、切削時の切込み量が異なり、傾斜角度が小さい切刃面4側での切り込み厚みが設定値よりうすくなる傾向にあった。この結果、傾斜角度が小さい切刃面4によって発生するバリ(またはカエリ)14が、傾斜角度が大きな切刃面6によって発生するバリ(またはカエリ)16より大きくなり、この大きなバリやカエリが、ロール金型によって成形されるプリズム部の形状を設計形状と大きく異ならせ、製造されるプリズムシートの光学性能を低下させてしまうという問題があった。
また、断面形状が左右非対称なバイトは、先端部の断面形状が左右対称なバイトに比べて、大きなバリが比較的、早期に発生するという問題があった。
また、1回の切込み量を多く設定したり、溝の底部分の角度(すなわち成形するプリズムの頂角)が狭角になるほどバリやカエリが生じ易くなり、この底部分の角度が70°以下で、かつ2枚の切刃面4、6の傾斜角度の差が28°以上の場合にバリやカエリの発生が顕著になるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、横断面が左右非対称なプリズム部を有するプリズムシートを製造するロール金型に溝を切削加工する際に、バリやカエリの発生を抑制することができるプリズムシート成形用ロール金型製造方法を提供することを目的としている。
本発明はまた、横断面が左右非対称なプリズム部を有するプリズムシートを製造するロール金型に溝を切削加工する際に、傾斜角が小さい切刃面側の切り込み厚みを十分なものとすることを目的としている。
本発明によれば、2面の切刃面とそれらの稜線を有するバイトを前記稜線がシリンダロールの回転軸に略直交するように、かつ、該シリンダロールの外周面の法線方向と、該シリンダロールの回転軸に平行な方向との2方向に沿って該シリンダロールに押し当てて該シリンダーロールの外周面に溝を切削するプリズムシート成形用ロール金型製造方法であって、前記平行な方向に沿った前記バイトを押し当てる方向が、前記回転軸に対して、傾斜角度が大きい切刃面から傾斜角度が小さい切刃面に向かう方向であり、前記バイトは、前記2面の切刃面による切り込み量が略等しくなるように傾斜させられて、前記シリンダロールに押し当てられる、ことを特徴とするプリズムシート成形用ロール金型製造方法が提供される。
なお、本願発明において、回転軸に対する切刃面の傾斜角度とは、切刃面の法線と回転軸とのなす角度を指す。
このような構成によれば、溝の底部分の角度が狭いロール金型を形成するときも、切削時に溝の開口端等にバリやカエリが発生することを抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記バイトを前記2枚の切刃面による切り込み量が略等しくなるように傾斜させる。
このような構成によれば、形成された溝の左右でバリやカエリの大きさが略等しくなり、成形面の変形が抑制される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記溝が前記シリンダロールに連続的に切削加工される。
本発明によれば、横断面が左右非対称なプリズム部を有するプリズムシートを製造するロール金型に溝を切削加工する際に、バリやカエリの発生を抑制することができるプリズムシート成形用ロール金型製造方法が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態のプリズムシート成形用ロール金型の製造方法およびプリズムシート成形用ロール金型について説明する。図2は、本発明の好ましい実施形態のプリズムシート成形用ロール金型製造方法を実施するロール金型製造装置20の構成を模式的に示す図面である。
ロール金型製造装置20は、ロール金型の材料であるシリンダロール8の両端を支持する精密旋盤22を備えている。精密旋盤22は、さらに、支持されている円筒状のシリンダロール8をその長手方向軸線を中心に回転させるモータ24と、回転させられるシリンダロール8の外周面に溝加工を施すバイト1と、バイト1を保持固定する工具ホルダ26とを備えている。本実施形態では、バイト1は、ダイヤモンドバイトである。
シリンダロール8を高精度に回転させ、ピッチ精度、形状精度、表面粗さ精度などが高い加工を行うため、本実施態様のロール金型製造装置20では、モータ24の主軸28が流体軸受29で支持されている。ワーク重量が500kg以下の場合には、回転時の発熱が小さい静圧空気軸受を用いるのが好ましい。また、モータ24の主軸28がシリンダロール8に直結されたダイレクト駆動方式が採られ、回転精度を向上が図られている。
バイト1の切り込み深さ、および切込みピッチ送りを高精度に制御するため、切込み深さを決定するX軸移動機構30と、ピッチ送りを行うZ軸移動機構32では、高精度なリニアスケールが用いられフィードバック制御が行われる。
ロール金型製造装置20は、シリンダロール8の外周面10に独立した環状の溝を一定間隔で形成する加工、およびシリンダロール8の外周面10に螺旋状の溝を形成する加工のいずれの加工も行うことができる。
独立した環状の溝を形成する場合は、バイト1がシリンダロール8の外周面に切込むようにX軸移動機構30を作動させて1本の溝を形成した後、Z軸移動機構32を作動させてピッチ送りを行う。
螺旋状の溝を形成する場合は、シリンダロール8の片側端部にバイト1を配置し、シリンダロール8の外周面にバイト1が切込み可能となるようにX軸移動機構30でバイト1を移動させ、その後、シリンダロール8の回転数とピッチ送り量を適宜調整して切削加工を行う。
シリンダロール8は、軽量化、および成形加工時の冷却速度を上げるために中空形状のものを使用するのがよい。肉厚に偏りがあると、ロール回転中に振動が発生し、加工精度が低下するため、肉厚は均一にする。動バランス(JIS B 0905)がG6.3以下、更に好ましくはG29以下とするのが好ましい。ロール内面を機械加工して肉厚を一定とし、動バランスを向上させてもよい。
シリンダロール8は、微細なプリズム等の形状の転写を目的としたシリンダロール8の外周面への精密切削加工を行うために適した被削材であれば、どのような材料を用いてもよい。鉄系材料、ステンレス合金、アルミ合金、銅合金等の非鉄材料等が好ましく、また、機械加工時の熱により残留応力が解放されて歪みが発生することを防止するために、予め熱処理を行った材料を使用することが望ましい。
ダイヤモンドバイトを用いる場合は、機械的強度やコスト面の条件が合えば、シリンダロール8としてアルミ合金や銅合金を用いてもよい。
シリンダロールとして、機械構造用炭素鋼管を用いてもよい。シリンダロール8として鉄系材料を選択する場合は、ロール中空部を循環する冷媒または熱媒体に対する防錆のためにロール内部に防錆めっきを行うのがよい。この場合、めっき層を均一につけることができる点で無電解ニッケルめっきが好ましい。ロールの寿命の観点からは、ロール材料としてSUS304を用いることが好ましい。
さらに、シリンダロール材料に鉄系材料を使用する場合は、表面に被削材としてめっき層を形成する。ビッカース硬度が280Hvから290Hvの硫酸銅系の硬質銅めっき層が、被削性に優れるため好ましい。銅めっき層は、空気中で腐食が進行するとプリズムシートの欠陥点の原因となるため、銅めっき層上に表面処理層を設ける。
表面処理層はクロムめっき、ニッケルめっき、亜鉛めっきなどの電気めっき、もしくは銅めっき、ニッケルめっきなどの無電解めっき、または、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリングなどのドライプロセスにより形成する。電気めっきは電界強度の形状依存性があるためめっき厚さが均一とならないが、無電解めっきはめっき厚さの形状依存性が小さい。そのため、V溝形状などの凹凸形状、特に、微細な鋭角形状を有するロール金型を製造する場合には、無電解めっきを行うことが好ましい。
金属被膜の安定性、耐腐食性、光沢性が優れた無電解ニッケル−リンめっきを行うのが好ましい。ガラスやセラミックスなどの脆性材と比較して、旋削などの除去加工を行う際の切削性に優れているため、また、鉄系金属のように切削中にダイヤモンドバイトと反応することがないため、銅めっき層またはニッケルめっき層が好ましい。
大型ロールの場合には、重量を軽量化するために炭素繊維強化プラスチック等の複合材料を用いてもよい。ロールは、繰り返し変動のある高圧力な冷媒または熱媒体にさらされるため、圧力容器の設計を考慮して、ロール厚みを決定する。
図3は、本実施態様のロール金型製造装置20に取付けられたシリンダロール8と、バイト1の先端部との位置関係を示す拡大図である。バイト1の断面形状(詳細には、切削する溝の長手方向軸線に直交する断面形状)は、成形品であるプリズムシートのプリズム部の横断面形状と同一形状であり、第1の切刃面4と第2の切刃面6を有し、各切刃面の回転軸に対する傾斜角度は異なっている。
本実施態様のロール金型製造装置20では、バイト1(バイト先端部の長手方向軸線)を、円筒状のシリンダロール8の外周面(成形面)10の接線に直交する方向(シリンダロールの半径方向)に対して、傾斜角度が大きい切刃面6側に傾斜させて、シリンダロール8の外周面10に押しつけて切削加工を行う。すなわち、本実施態様のロール金型製造装置20では、バイト1の切り込み方向が、円筒状のシリンダロール8の外周面(成形面)10の接線に直交する方向(シリンダロールの半径方向R)に対して、傾斜角度が大きい切刃面6側に傾斜させられている。
バイト1は、各切刃面4、6による切り込み量が略等しくなるように傾斜させられて、シリンダロール8の外周面10に押しつけられる、すなわち切り込むのが好ましい。
本実施形態のロール金型製造装置20では、上述したような位置関係でシリンダロール8の外周面に押しつけられ、独立した環状の溝、または螺旋状の溝が形成される。バイト1の各切刃面4、6による切り込み量が等しいので、切削された溝Gの左右の開口端に形成されるバリ34、36等の量、大きさはほぼ等しくなる。
バイト1の材質は、被削材に応じて選択することができる。一般的なバイトである超硬バイト、CBNバイトを用いることができるが、形状安定性に優れたダイヤモンドバイトを用いるのが好ましい。これにより、形状精度および鋭角形状を要求される光学用のロール金型を精度良く加工することができる。
ダイヤモンドバイトに用いられるダイヤモンドは、天然、人工のいずれでもよい。より精度の高い加工仕上がり面を得るために、単結晶ダイヤモンドを用いることが好ましい。ダイヤモンドバイトは、ダイヤモンドチップを金属製のシャンクと呼ばれる四角または長方形の断面を持つ棒状の部材に固定することにより作製する。ダイヤモンドチップをシャンクに直接ロウ付けして固定してもよいし、金属小片にロウ付けされたダイヤモンドチップをシャンクにねじ止め固定してもよい。
溝の切削は数回に分割して行うのが好ましい。1回の切込み量は、バイト形状、バイトのシャープネス、被削材の硬度、および靱性、バイトの磨耗やチッピングを考慮して適宜設定される。1回の切込み量をプリズム形状と同じ高さの切込み量とし、1回のみで溝形成を行うと、バイトのチッピングや大きなバリの発生を引き起こす。逆に過度に少ない切込み量を設定した場合には、切り屑が排出されない不安定な切削加工となり、バイトの磨耗とバリの発生を引き起こす。また、所望の切込み深さを得るために切込みを何度も繰り返す必要があり、バイトの磨耗を引き起こし、加工時間も増加する。
最終回の切込み量を最も小さくし、切削抵抗を低減するのが好ましい。最終回の数回前から徐々に切込み量を小さくするのが更に好ましい。切込み後の切り屑量が仕上げ加工で処理可能な範囲となるように、最終回の切込み量を設定することにより、バリおよびカエリが抑制されたロール金型を得ることができる。
被削材に銅めっきを使用し、溝の底部の角度を70°以下に切削する場合は、最大切込み量を20μm以下、最小切込み量を0.5μm以上とすることが好ましい。
切削工程は2回に分けて行ってもよい。第1の工程で溝境界部の平坦面もしくは斜面を切削加工し、次いで第2の工程で溝形状を切削加工してもよい。この場合、第1の工程では従来技術の半径方向一方向からのみの切削としてもよい。また、溝形状を切削加工した後、プリズム頂部を更に加工して平坦にして台形状の形状にしてもよい。
図4は、本実施態様の製造方法により製造したロール金型40を用いて、プリズムシート42を製造するプリズムシート製造装置44の概略構成を示す図面である。
図4に示されているように、プリズムシート製造装置44では、ロール金型40の外周面に形成されたプリズムパターン(溝)形成面46に、長尺状の透光性基材48を巻回し、プリズムパターン(溝)形成面46と透光性基材48の間に活性エネルギー線硬化性組成物50を樹脂タンク52から連続的に供給する。
ロール金型40の外方には、活性エネルギー線硬化性組成物50の厚さを均一にするためのニップロール54が配置されている。ニップロール54としては、真円度、表面粗さ等が高精度に加工された金属製ロール、ゴム製ロール等を用いるのが好ましい。
ゴム製ロールの場合には、ゴム硬度が60度以上の高い硬度のものを用いることが好ましい。高品質なプリズムシートを製造するためには、ニップロール54により、活性エネルギー線硬化性組成物50の厚さを正確に調整することが必要である。活性エネルギー線硬化性組成物50の厚さは、圧力調整機構56によって制御する。圧力調整機構56としては、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、各種ネジ機構等を用いることができるが、機構の簡便さ等の観点から、空気圧シリンダが好ましい。空気圧シリンダの圧力調整弁等によって活性エネルギー線硬化性組成物50の厚さが制御される。
活性エネルギー線硬化性組成物50を、ロール金型40と透光性基材48の間に供給した後、ロール金型40の下方に配置した活性エネルギー線照射装置58から、透光性基材48を通して、活性エネルギー線を活性エネルギー線硬化性組成物50へ照射する。活性エネルギー線照射装置58としては、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ等を用いることができる。活性エネルギー線の照射量は、好ましくは280〜600nmの波長の積算エネルギーが0.1〜50J/cm2程度とする。また、活性エネルギー線の照射雰囲気としては、空気中でもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でもよい。
活性エネルギー線により、活性エネルギー線硬化性組成物50が重合硬化し、ロール金型表面のプリズムパターンが活性エネルギー線硬化性組成物50へ転写される。透光性基材48と活性エネルギー線硬化性組成物50の2層から成るプリズムシート42をロール金型40から剥離する。剥離したプリズムシート42を適当な長さに切断してバックライト用プリズムシートを得る。
成型時にはロール金型40と活性エネルギー線硬化性組成物50の温度制御が重要となる。温調機60からロール金型40へ冷媒を供給して、ロール金型40の温度制御を行う。また、活性エネルギー線硬化性組成物タンク52を温調機62により加熱温調することにより、一定温度の活性エネルギー線硬化性組成物50を供給する。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含される。
(実施例1)
以下、実施例により本発明を説明する。
直径φ200mm、面長500mmで内部が中空の構造の鋼製のシリンダロールを準備した。シリンダロールは動バランス性能を向上させるため、内面の加工を行った。その後に無電解ニッケルめっきをめっき層の厚さが20μmになるまで行った。めっき後に動バランス測定を行ったところ、G2.5以内であった。更に、シリンダロールの表面に研磨仕上げを行い、厚さ500μmの硬質銅めっき層を形成した。硬質銅めっきは硫酸銅浴で行い、めっき後の表面硬さは224Hvであった。
超精密旋盤を用いて、プリズム形状を形成するための溝切削加工を行った。シリンダロールの直径方向をX軸とし、ロールの軸方向の送り軸をZ軸と設定した。X軸とZ軸はリニアモータで駆動し、リニアスケールを利用したフィードバック制御によって高精度な位置決めを可能とした。主軸は、空気静圧軸受にモータが直結されたダイレクト駆動方式であり、高い回転精度を保持した。
溝加工の前工程として、R0.8mmの住友電工性焼結ダイヤモンドチップ(スミダイヤDA2200)を固定したバイトを用いて、オイルミストを加工点に供給しながら2往復で加工を行い、硬質銅めっき層の厚みムラを除去した。条件は、切込み量50μm、送り速度10μm/rev、ロール回転数500min-1とした。加工中に排出される切り屑は吸引ノズルにて安定的に排出した。続いてR5.0mmの単結晶天然ダイヤモンドバイトを使用し、切込み量20μm、送り速度10μm/rev、ロール回転数500min-1の条件にて鏡面加工を行った。加工後の加工面は、ピットなどの欠陥がなく鏡面加工されていたことが確認できた。
次に、プリズム形状を形成するためにV溝加工を行った。ダイヤモンドバイトは、東京ダイヤモンド工具製作所製の天然単結晶ダイヤモンドを使用し、頂角が56°で、バイトの基準線に対して10°および46°に切刃面が傾斜したものを用いた。ダイヤモンドバイトはバイトホルダーに固定した。
X軸方向に送り速度2μm/rev、傾斜角度10°の切刃面方向に向かってZ軸方向に送り速度0.5μm/revで、切込み方向を傾けた2軸切込みを行った。1本の溝を加工する毎にZ軸方向にピッチ50μm分だけ送り、ロール金型表面にわたって順番に溝加工を行った。切削油としてミスト状にした鉱物油を用い、バイト先端の加工点に吹き付けた。加工後のロール金型はアセトンおよびエチルアルコールで洗浄し、大部分の鉱物油を除去した。その後、次の無電解ニッケルめっき工程に移送した。
無電解ニッケルめっき工程では、まず、苛性ソーダ、炭酸塩、珪酸塩および界面活性剤の混合溶液を50℃に加熱し、その中にロール金型を10分間浸積してアルカリ脱脂を行った。その後金型を水洗して、再び同じ溶液に金型を浸積し、金型を陰極にして100Aの電流を流して電解脱脂を1分間行った。その後更に金型を水洗した後、5%硫酸中に1分間浸積し、酸活性処理を行った。水洗後、無電解ニッケルめっき液(日本カニゼン製ブルーシューマー)でニッケルストライクめっき後、無電解ニッケルめっきを4分間行い、ニッケルめっき層を形成した。めっき処理終了後、金型表面の外観検査を行ったところ、目立ったバリやカエリの無い良好な外観品位のロール金型が得られた。
得られたロール金型とアクリル系紫外線硬化性組成物を用いて、図4に示した製造装置でプリズムシートを作製した。ロール金型とゴム製のニップロールの間に、ロール金型の表面に巻き付けるようにして、片面に密着性向上処理を施したPETフィルム(東洋紡社製A4100、厚さ100μm、幅470mm)を処理面がロール金型側になるように装置内に導入した。PETフィルムは、上記のPETフィルム1000mを6インチ紙管に巻いた直径300mmの巻出ロールから供給した。
次に、樹脂タンク内で40℃に保持したアクリル系紫外線硬化性組成物を供給ノズルからロール金型とPETフィルムとの間に供給した。ロール金型は、約0.1m/sの速度で回転させた。アクリル系紫外線硬化性組成物がPETフィルムとロール金型との間に保持された状態で、9.6kW(128×10-2W/m)の紫外線照射装置により、照射量(積算エネルギー)が2.80×10-2mJ/m2となるように紫外線を照射し、アクリル系紫外線硬化性組成物に、ロール金型表面の形状を転写し、硬化した後、PETフィルムとアクリル系紫外線硬化性組成物の2層からなるプリズムシートをロール金型から剥離した。得られたプリズムシートを所定の大きさに切断し、バックライトユニットに設置して外観品位および光学性能を検査したところ、スジやムラのない全面均一な品位であることが確認できた。ロール金型表面のSEM観察をおこなったところ、溝の両側縁部にほぼ同量の微小のバリが確認されたが、外観品位に影響のないレベルであった。
(比較例)
実施例と同様に鏡面加工まで行い、実施例と同様のダイヤモンドバイトを用いてV溝加工を行った。1回転あたりX軸方向に送り速度2μm/revの1軸切込みを行った。その他は実施例と同様にめっき工程まで行った。
外観検査を行った結果、ロール金型の至る所に切削ムラが確認された。SEM観察を行った結果、プリズム基準線とプリズム斜面とのなす角度が小さい側の溝縁部に大きなバリ、反対側の溝縁部に小さなバリが確認され、外観品位の基準に満たなかった。また、得られた金型からプリズムシートを成形して、検査したところ、外観品位、光学性能とも品質基準に満たなかった。
ロール金型に溝を切削加工する工程を説明刷る図面である。 本発明の実施形態のプリズムシート成形用ロール金型製造方法を実施するロール金型製造装置の構成を模式的に示す図面である。 図2のロール金型製造装置に取付けられたシリンダロールと、バイトの先端部との位置関係を示す拡大図である。 本実施態様の製造方法により製造したロール金型を用いて、プリズムシートを製造するプリズムシート製造装置の概略構成を示す図面である。
符号の説明
1:バイト
4:第1の切刃面
6:第2の切刃面
8:シリンダロール
10:(シリンダロールの)外周面(成形面)

Claims (1)

  1. 2面の切刃面とそれらの稜線を有するバイトを前記稜線がシリンダロールの回転軸に略直交するように、かつ、該シリンダロールの外周面の法線方向と、該シリンダロールの回転軸に平行な方向との2方向に沿って該シリンダロールに押し当てて該シリンダーロールの外周面に溝を切削するプリズムシート成形用ロール金型製造方法であって、
    前記平行な方向に沿った前記バイトを押し当てる方向が、前記回転軸に対して、傾斜角度が大きい切刃面から傾斜角度が小さい切刃面に向かう方向であり、
    前記バイトは、前記2面の切刃面による切り込み量が略等しくなるように傾斜させられて、前記シリンダロールに押し当てられる
    ことを特徴とするプリズムシート成形用ロール金型製造方法。
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